(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記固定用ポリマーは、アニオン性であって、アクリル酸もしくはメタクリル酸、またはそれらの塩と、アクリルアミドとのコポリマー、アクリル酸もしくはメタクリル酸と、モノエチレンモノマーとのコポリマー、クロトン酸コポリマー、C4〜C8モノ不飽和カルボン酸もしくは無水物のコポリマー、カルボキシレート基を含むポリアクリルアミド、並びにスルホン酸基を含むホモポリマーおよびコポリマーから選ばれることを特徴とする請求項1または2に記載の装置。
前記固定用ポリマーは、アニオン性であって、メチルビニルエーテル/モノエステル化無水マレイン酸コポリマー、アクリル酸/エチルアクリレート/N−tert−ブチルアクリルアミドターポリマー、メタクリル酸とメチルメタクリレートのコポリマー、ビニルアセテート/ビニルtert−ブチルベンゾエート/クロトン酸ターポリマーおよびクロトン酸/ビニルアセテート/ビニルネオドデカノエートターポリマー、メタクリル酸とエチルアクリレートのコポリマー、ブチルアクリレート/アクリル酸/メタクリル酸の分岐ブロックポリマー、並びにビニルピロリドン/アクリル酸/ラウリルメタクリレートターポリマーから選ばれることを特徴とする請求項3に記載の装置。
前記ポリマーは、ノニオン性であって、ポリアルキルオキサゾリン、ビニルアセテートホモポリマー、ビニルアセテートコポリマー、アクリル酸エステルのホモポリマーおよびコポリマー、アクリロニトリルコポリマー、スチレンホモポリマー、スチレンコポリマー、ポリアミド、ビニルラクタムホモポリマー、並びにビニルラクタムコポリマーから選ばれることを特徴とする請求項2に記載の装置。
前記エアロゾル組成物は、1種以上のシリコーン、1種以上の非シリコーン脂肪物質、1種以上の酸性化剤または塩基性化剤、およびこれらの混合物を含むことを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の装置。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の他の主題、特徴、態様および有利性は、以下の説明と実施例を読むことにより、より一層明確になるであろう。
【0017】
以下の本文中、特に他に指示がなければ、値の範囲の端点は、特に「〜の間」および「〜の範囲」と表現されている場合、その範囲に含まれる。
【0018】
以下の本文中、「少なくとも1つ」との用語は、「1つ以上」と同義である。
【0019】
エアロゾル装置は、一般に、リザーバとしても知られる容器と、分配手段とから形成されている。
【0020】
容器は、加圧され、分配されるべき組成物を含む。加圧された組成物を含む容器は、不透明であっても透明であってもよい。それは、ガラス、ポリマーまたは金属で作ることができ、任意選択によりワニス保護膜が被覆される。
【0021】
容器は、システムを封止するバルブを上端に備える。本発明の装置に適したバルブは、特に、0.3〜3mm、好ましくは1〜2.5mm、より好ましくは1.3〜2mmの内部制限オリフィスと、0.2〜0.6mm、好ましくは0.3〜0.5mm、より好ましくは0.35〜0.45mmのオリフィスサイズのノズルを備えたバルブである。
【0022】
それらは、特に、Precision、Coster、SeaquistおよびLindalの各社から販売されているバルブである。
【0023】
そのようなバルブで調節される装置は、システムの封止を保証し、また散布器による製品の分配も保証する。
【0024】
このバルブに分配手段が取り付けられ、使用者はそれを押すことにより製品を吐出させることができる。
【0025】
この分配手段は、散布器としても知られている。
【0026】
本発明の散布器はスリット状エンドオリフィスを備えている。
【0027】
本発明の目的のためには、用語「エンドオリフィス」は、エアロゾル装置の外部に向けて開口するオリフィスを意味する。散布器内には、このオリフィスの前置オリフィスとして、任意の形状の他のオリフィスが1つ以上備えられていてもよい。
【0028】
このオリフィスは、他端を介して標準散布器に取り付けられたエンド部材の一端を構成していてもよく、エンド部材へ分配されるべき組成物は、形状が任意であってよいオリフィスを経て到達する。
【0029】
本発明の目的のためには、用語「スリット」は、直交する軸に沿う最大寸法と最小寸法との比が、好ましくは2以上、より好ましくは5以上である、細長い形状を意味する。
【0030】
スリットの形状(矩形、楕円または菱形)にもよるが、大小の寸法を、長さおよび幅、長軸および短軸、または長軸対角線および短軸対角線と称し得る。
【0031】
エンドオリフィスの形状は、好ましくは矩形である。
【0032】
したがって、この散布器では、噴霧は平らに拡散し、扇形を形成し、組成物を根元部分に局所的に塗布できる。
【0033】
本発明のエアロゾル組成物は、任意選択により少なくとも1種の追加有機溶媒を含む、水−アルコール性またはアルコール性媒体を含む。
【0034】
本発明の組成物に使用されるアルコールは、好ましくは、エタノール、イソプロパノール、tert−ブタノール、またはn−ブタノールなどのC
1〜C
4低級アルコールから選ばれる一価のアルコールである。
【0035】
使用するアルコールは、好ましくはエタノールである。
【0036】
本発明のエアロゾル組成物(すなわち、1種以上の噴射剤を含む)中のアルコール濃度は、エアロゾル組成物の全重量に対して、0.1重量%〜95重量%、好ましくは5重量%〜90重量%、より一層好ましくは10重量%〜60重量%、さらに好ましくは20重量%〜50重量%、さらに一層好ましくは20重量%〜40重量%である。
【0037】
本発明の目的上、用語「有機溶媒」は、25℃の温度および大気圧下で液体である有機化合物を意味する。有機化合物は極性であることが好ましい。
【0038】
本発明の組成物に使用され得る追加有機溶媒としては、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールおよびポリオールエーテル、並びにこれらの混合物などのポリオールが挙げられる。
【0039】
エアロゾル組成物はエタノールを含むことが好ましい。エタノールは、噴射剤を除いて、エアロゾル組成物の唯一の有機溶媒であることが好ましい。
【0040】
本発明の組成物中の追加有機溶媒の濃度は、エアロゾル組成物の全重量に対して、0〜30重量%、好ましくは5重量%〜20重量%である。
【0041】
本発明の組成物中の水の濃度は、エアロゾル組成物の全重量に対して、0〜50重量%、好ましくは5重量%〜30重量%である。
【0042】
前述したように、本発明のエアロゾル装置に含まれるエアロゾル組成物は1種以上の固定用ポリマーを含む。
【0043】
用語「固定用ポリマー」は、髪に形を付与するか、または所与の形の髪を適正な位置に保持できるポリマーを意味する。
【0044】
固定用ポリマーは、好ましくは、アニオン性、両性およびノニオン性の固定用ポリマーから選ばれる。
【0045】
固定用ポリマーは、水−アルコール性またはアルコール性媒体に可溶性であっても、この同じ媒体に不溶であってもよく、この場合、ラテックスまたは疑似ラテックスなどの、固体または液体のポリマー粒子の分散体の形態で使用され得る。
【0046】
一般に使用されるアニオン性固定用ポリマーは、カルボン酸、スルホン酸またはリン酸から誘導される基を含むポリマーであり、ほぼ500〜5000000の数平均分子量を有する。
【0047】
カルボキシル基は、式(I)に対応するものなどの、不飽和のモノもしくはジカルボン酸モノマーから提供される。
【化1】
(式中、nは0〜10の整数であり、A
1は、任意選択により、不飽和基の炭素原子に、または、nが1超のとき、酸素または硫黄などのヘテロ原子を介して隣接するメチレン基に結合しているメチレン基を示し、R
7は水素原子、またはフェニルもしくはベンジル基を示し、R
8は水素原子、低級アルキルもしくはカルボキシル基を示し、R
9は水素原子、低級アルキル基、または−CH
2−COOH、フェニルもしくはベンジル基を示す。)
【0048】
上記式(I)において、低級アルキル基は、好ましくは、1〜4個の炭素原子を含む基、特にメチル基およびエチル基を示す。
【0049】
本発明において好ましいカルボキシル基を含有するアニオン性固定用ポリマーは、以下のものである。
A)アクリル酸もしくはメタクリル酸、またはそれらの塩と、アクリルアミドとのコポリマー(ナトリウム塩の形態で、Reten 421、423もしくは425という名称で、Hercules社から販売されている);
B)アクリルもしくはメタクリル酸と、エチレン、スチレン、ビニルエステル、およびアクリル酸もしくはメタクリル酸エステルなどのモノエチレンモノマーとのコポリマー(任意選択により、ポロエチレングリコールなどのポリアルキレングリコールにグラフトされ、また、任意選択により架橋されている)。そのようなポリマーは、特に、仏国特許第1222944号明細書および独国特許出願第2330956号明細書に記載されており、このタイプのコポリマーは、特に、ルクセンブルグ特許出願第75370号明細書および同第75371号明細書に記載されているように、あるいはAmerican CyanamidからQuadramerという名称で販売されている、その分子鎖に、任意選択によりN−アルキル化および/またはヒドロキシアルキル化されているアクリルアミド単位を含んでいる。アクリル酸とC
1〜C
4アルキルメタクリレートのコポリマー、ISP社からAcrylidone(登録商標)LMという名称で販売されている製品のような、ビニルピロリドンとアクリル酸とC
1〜C
20アルキルメタクリレート(例えば、ラウリルメタクリレート)のターポリマー、およびBASF社からLuvimer(登録商標)100Pという名称で販売されている製品などの、メタクリル酸/エチルアクリレート/tert−ブチルアクリレートターポリマーもまた挙げることができる。
【0050】
また、Amerchol社からAmerhold(登録商標)DR25という名称で販売されている、水性分散体の、メタクリル酸/アクリル酸/エチルアクリレート/メチルメタクリレートコポリマーを挙げることができる;
C)分子鎖中にビニルアセテートもしくはプロピオネート単位、および任意選択によりアリルエステルもしくはメタリルエステル、長鎖炭化水素(少なくとも5個の炭素原子を含むものなど)を有する直鎖もしくは分岐飽和カルボン酸のビニルエーテルもしくはビニルエステルなどの他のモノマー(これらのポリマーは任意選択によりグラフトまたは架橋することができる)、または他の、αもしくはβ環状カルボン酸のビニル、アリルもしくはメタリルエステルモノマーを含むものなどのクロトン酸コポリマー。そのようなポリマーは、特に、仏国特許第1222944明細書号、同第1580545号明細書、同第2265782号明細書、同第2265781明細書号、同第1564110号明細書および同第2439798号明細書に記載されている。このカテゴリーに入る市販品は、National Starch社から販売されている樹脂28−29−30、26−13−14および28−13−10である;
D)C
4〜C
8モノ不飽和カルボン酸もしくは無水物のコポリマーであって、以下から選ばれるもの:
− (i)マレイン酸、フマル酸もしくはイタコン酸、またはそれらの無水物の1種以上、並びに(ii)ビニルエステル、ビニルエーテル、ハロゲン化ビニル、フェニルビニル誘導体、アクリル酸およびそのエステルから選ばれる1種以上のモノマーを含むコポリマー(これらのコポリマーの無水酸官能基は任意選択によりモノエステル化またはモノアミド化される)。そのようなポリマーは、特に、米国特許第2047398号明細書、同第2723248号明細書および同第2102113号明細書、並びに英国特許第839805号明細書に記載されている。市販品は、特に、ISP社からGantrez(登録商標)ANまたはESという名称で販売されているものである;
− (i)マレイン酸、シトラコン酸もしくはイタコン酸の無水物単位の1種以上、並びに(ii)アリルエステルまたはメタリルエステルから選ばれるモノマーの1種以上を含むコポリマー(任意選択により、その分子鎖中に、アクリルアミド基、メタクリルアミド基、α−オレフィン基、アクリルエステルもしくはメタクリルエステル基、アクリル酸もしくはメタクリル酸基、またはビニルピロリドン基が含まれる)、
− これらのポリマーの無水酸官能基は任意選択によりモノエステル化またはモノアミド化される。
【0051】
これらのポリマーは、例えば、本出願人による仏国特許第2350384号明細書および同第2357241号明細書に記載されている。
E)カルボキシレート基を含むポリアクリルアミド。
【0052】
スルホン酸基を含むホモポリマーおよびコポリマーは、ビニルスルホン単位、スチレンスルホン単位、ナフタレンスルホン単位、またはアクリルアミドアルキルスルホン単位を含むポリマーである。
【0053】
これらのポリマーは特に以下から選択され得る。
− 約1000〜100000の分子量を有するポリビニルスルホン酸塩、また、アクリル酸もしくはメタクリル酸およびそれらのエステル、またアクリルアミドまたはその誘導体、ビニルエーテル、およびビニルピロリドンなどの不飽和コモノマーを有するコポリマー;
− 例えば、National StarchからFlexan(登録商標)500およびFlexan(登録商標)130という名称で販売されている、ポリスチレンスルホン酸のナトリウム塩などの塩(これらのポリマーは仏国特許第2198719号明細書に記載されている);
− 米国特許第4128631号明細書に記載されているものなどのポリアクリルアミドスルホン酸塩、さらに詳しくはHenkelからCosmedia Polymer HSP 1180という名称で販売されているポリアクリルアミドエチルプロパンスルホン酸。
【0054】
本発明で使用することができる他のアニオン性固定用ポリマーとしては、Noveon社からFixate G−100という名称で販売されている分岐を有するアニオン性ブロックポリマーを挙げ得る。
【0055】
本発明においては、アニオン性固定用ポリマーは、好ましくは、特に、Ultrahold(登録商標)Strongという名称でBASF社から販売されているアクリル酸/エチルアクリレート/N−tert−ブチルアクリアルアミドターポリマーなどのアクリル酸コポリマー、特にNational Starch社からResin28−29−30という名称で販売されている、ビニルアセテート/ビニルtert−ブチルベンゾエート/クロトン酸ターポリマーおよびクロトン酸/ビニルアセテート/ビニルネオドデカノエートターポリマーなどの、クロトン酸から誘導されるコポリマー、ビニルエステル、ビニルエーテル、ハロゲン化ビニル、フェニルビニル誘導体、並びにアクリル酸およびそのエステルと共にマレイン酸、フマル酸もしくはイタコン酸、またはその無水物から誘導される、例えば、ISP社からGantrez(登録商標)とい名称で販売されているメチルビニルエーテル/モノエステル化無水マレイン酸コポリマー、Rohm Pharma社からEudragit(登録商標)Lという名称で販売されているメタクリル酸とメチルメタクリレートのコポリマー、BASF社からLuvimer(登録商標)MAEXもしくはMAEという名称で販売されているメタクリル酸とエチルアクリレートのコポリマー、BASF社からLuviset CA 66という名称で販売されているビニルアセテート/クロトン酸コポリマー、BASF社からAristoflex(登録商標)Aという名称で販売されているポリエチレングリコールをグラフトしたビニルアセテート/クロトン酸コポリマー、Noveon社からFixate G−100という名称で販売されているポリマーなどのポリマーから選択される。
【0056】
上記アニオン性固定用ポリマーの中でも、本発明との関連では、ISP社からGantrez(登録商標)ES 425という名称で販売されているメチルビニルエーテル/モノエステル化無水マレイン酸コポリマー、BASF社からUltrahold(登録商標)Strongという名称で販売されているアクリル酸/エチルアクリレート/N−tert−ブチルアクリルアミドターポリマー、Rohm Pharma社からEudragit(登録商標)Lという名称で販売されているメタクリル酸とメチルメタクリレートのコポリマー、National Starch社からResin28−29−30という名称で販売されている、ビニルアセテート/ビニルtert−ブチルベンゾエート/クロトン酸ターポリマーおよびクロトン酸/ビニルアセテート/ビニルネオドデカノエートターポリマー、BASF社からLuvimer(登録商標)MAEXもしくはMAEという名称で販売されているメタクリル酸とエチルアクリレートのコポリマー、ISP社からAcrylidone(登録商標)LMという名称で販売されているブチルアクリレート/アクリル酸/メタクリル酸の分岐ブロックポリマーおよびビニルピロリドン/アクリル酸/ラウリルメタクリレートターポリマー、並びにNoveon社からFixate G−100という名称で販売されているポリマーを使用することが、より好ましい。
【0057】
本発明において使用できる両性固定用ポリマーは、ポリマー鎖中にランダムに配置された単位BおよびCを含むポリマーから選択できる。ここで、Bは1個以上の塩基性窒素原子を含むモノマーから誘導される単位を示し、かつCは1個以上のカルボキシル基もしくはスルホン基を含む酸モノマーから誘導される単位を示す。あるいはBおよびCはカルボキシベタインまたはスルホベタイン両性モノマーから誘導される基を示し得る。
【0058】
BおよびCはまた、第1級、第2級、第3級または第4級アミン基を含み、それらのアミン基の少なくとも1つは炭化水素基を介して結合したカルボキシル基またはスルホン基を有するカチオン性ポリマー鎖を示し得る。あるいはBおよびCは、α、β−ジカルボン酸エチレン単位を含み、カルボキシル基の1つが1つ以上の第1級または第2級アミン基を含むポリアミンと反応するように作られているポリマー鎖の一部を形成する。
【0059】
上述した定義に対応する両性固定用ポリマーのより好ましいものは具体的には、次のポリマーから選ばれる。
(1)カルボキシル基を有するビニル化合物から誘導されるモノマー、特に、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、α−クロロアクリル酸などのモノマーと、1個以上の塩基性原子を含む置換ビニル化合物から誘導される塩基性モノマー、特に、ジアルキルアミノアルキルメタクリレートおよびアクリレート、ジアルキルアミノアルキルメタクリルアミドおよびアクリルアミドなどの塩基性モノマーとの共重合により得られるものなどの、酸性ビニル単位と塩基性ビニル単位を有するコポリマー。そのような化合物は米国特許第3836537号明細書に記載されている。
(2)a)窒素原子上に置換基としてアルキル基を有するアクリルアミドおよびメタクリルアミドから選択される少なくとも1種のモノマー、
b)反応性カルボキシル基を1つ以上含む少なくとも1種の酸性コモノマー、および
c)第1級、第2級、第3級または第4級アミン置換基を含むアクリル酸およびメタクリル酸のエステル、およびジメチルアミノエチルメタクリレートの硫酸ジメチルまたは硫酸ジエチルによる4級化物などの少なくとも1種の塩基性コモノマー
から誘導される単位を含むポリマー。
【0060】
本発明において、より好ましいN−置換アクリルアミドまたはメタクリルアミドは、アルキル基が2〜12個の炭素原子を含む化合物であり、特に、N−エチルアクリルアミド、N−tert−ブチルアクリルアミド、N−tert−オクチルアクリルアミド、N−オクチルアクリルアミド、N−デシルアクリルアミド、N−ドデシルアクリルアミド、およびそれらに対応するメタクリルアミドである。
【0061】
酸性コモノマーは、特に、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸およびフマル酸、並びにマレイン酸もしくはフマル酸、またはその無水物の、1〜4個の炭素原子を有する、アルキルモノエステルから選択される。
【0062】
好ましい塩基性コモノマーは、アミノエチルメタクリレート、ブチルアミノエチルメタクリレート、N,N’−ジメチルアミノエチルメタクリレートおよびN−tert−ブチルアミノエチルメタクリレートである。
【0063】
National Starch社からAmphomer(登録商標)またはLovocryl(登録商標)47という名称で販売されている製品などの、CTFA(4th edition,1991)名がオクチルアクリルアミド/アクリレート/ブチルアミノエチルメタクリレートコポリマーであるコポリマー、が特に使用される。
(3)一般式(II)で示されるポリアミノアミドから一部または全体が誘導される架橋およびアシル化ポリアミノアミド。
【化2】
(式中、R
10は、飽和ジカルボン酸、エチレン二重結合を含む脂肪族モノまたはジカルボン酸、これらの酸の、1〜6個の炭素原子を含む低級アルカノールのエステルから誘導される2価の基、または前記酸の任意の1種をビス(第1級)もしくはビス(第2級)アミンに加えることにより誘導される基を示し、Zは、ビス(第1級)、モノもしくはビス(第2級)ポリアルキレン−ポリアミンから誘導される基を示し、好ましくは
a)60モル%〜100モル%の割合の、式(III)で示される基、
【化3】
(式中、x=2、p=2もしくは3、またはx=3、p=2であり、この基はジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンまたはジプロピレントリアミンから誘導される基である)、
b)0〜40モル%の割合の、上記式(III)中、x=2、p=1で、エチレンジアミンから誘導される基、またはピペラジン:
【化4】
から誘導される基、
c)0〜20モル%の割合の、ヘキサメチレンジアミンから誘導される基−NH−(CH
2)
6−NH−であり、これらのポリアミノアミドは、エピハロヒドリン、ジエポキシド、二無水物およびビス不飽和誘導体から選ばれる二官能性架橋剤の付加反応(ポリアミノアミドのアミン基1モル当たり0.025〜0.35モルの架橋剤を使用)によって架橋され、かつアクリル酸、クロロ酢酸もしくはアルカンスルトン、またはそれらの塩の反応によってアシル化されている
を示す。)
【0064】
飽和カルボン酸は、好ましくは、アジピン酸、2,2,4−トリメチルアジピン酸、2,4,4−トリメチルアジピン酸、テレフタル酸、エチレン二重結合を含む酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸およびイタコン酸など)などの、6〜10個の炭素原子を含む酸から選択される。
【0065】
アシル化に使用されるアルカンスルトンは、好ましくは、プロパンスルトンまたはブタンスルトンであり、アシル化剤の塩は、好ましくは、ナトリウムまたはカリウム塩である。
(4)式(IV)で示される両性イオン単位を含むポリマー。
【化5】
(式中、R
11はアクリレート基、メタクリレート基、アクルルアミド基またはメタクリルアミド基などの重合可能な不飽和基を示し、yおよびzは1〜3の整数を示し、R
12およびR
13は水素原子、メチル基、エチル基またはプロピル基を示し、R
14およびR
15は水素原子、またはR
14およびR
15の炭素原子数の合計が10を超えないアルキル基を示す。)
【0066】
そのような単位を含むポリマーはまた、ジメチルもしくはジエチルアミノエチルアクリレートもしくはメタクリレート、またはアルキルアクリレートもしくはメタクリレート、アクリルアミドもしくはメタクリルアミド、あるいはビニルアセテートなどの非両性イオンモノマーから誘導される単位を含むことができる。
【0067】
例としては、Sandoz社からDiaformer Z301という名称で販売されている製品などの、メチルメタクリレート/メチルジメチルカルボキシメチルアンモニオエチルメタクリレートコポリマーを挙げ得る。
(5)次式に対応するモノマー単位を含むキトサンから誘導されるポリマー。
【化6】
単位(D)は0〜30%の割合で存在し、単位(E)は5%〜50%の割合で存在し、単位(F)は30%〜90%の割合で存在し、この単位(F)において、R
16は次式で示される基を表すと理解される。
【化7】
(式中、q=0のとき、R
17、R
18およびR
19は、同一であっても異なってもよく、それぞれ水素原子、メチル、ヒドロキシル、アセトキシもしくはアミノ残基、モノアルキルアミン残基またはジアルキルアミン残基(任意選択により1個以上の窒素原子により中断され、かつ/あるいは1個以上のアミン基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アルキルチオ基もしくはスルホン基で置換されている)、アルキル基がアミノ残基を有するアルキルキルチオ残基を示し、この場合、基R
17、R
18およびR
19の少なくとも1つは水素原子であり、
q=1のとき、R
17、R
18およびR
19はそれぞれ水素原子、そしてまた、これらの化合物と酸または塩基によって生成された塩を示す。)
(6)一般式(V)に対応するポリマーは、例えば、仏国特許第1400366号明細書に記載されている。
【化8】
(式中、R
20は水素原子、−O−CH
3、−O−CH
2−CH
3もしくはフェニル基を示し、R
21は水素原子、またはメチルもしくはエチルなどの低級アルキル基を示し、R
22は水素原子、またはメチルもしくはエチルなどのC
1〜C
6低級アルキル基を示し、R
23はメチルもしくはエチルなどのC
1〜C
6低級アルキル基、または式−R
24−N(R
22)
2(R
24は基−CH
2−CH
2−、−CH
2−CH
2−CH
2−もしくは−CH
2−CH(CH
3)−を示し、R
22は上記の意味を有する)に対応する基を示す)
(7)Jan Dekker社からEvalsanという名称で販売されているN−カルボキシメチルキトサンまたはN−カルボキシブチルキトサンなどの、キトサンのN−カルボキシアルキル化から誘導されるポリマー。
(8)次のものから選ばれる−D−X−D−X型両性ポリマー。
a)クロロ酢酸またはクロロ酢酸ナトリウムを式(VI)で示される少なくとも1つの単位を含む化合物に作用させることによって得られるポリマー。
−D−X−D−X−D− (VI)
(式中、Dは基
【化9】
を示し、
かつXは符号EもしくはE’を示し、EもしくはE’は、同一であっても異なってもよい、主鎖中に7個以下の炭素原子を含む直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基である2価の基を示し、非置換もしくはヒドロキシル基により置換されており、酸素、窒素および硫黄原子に加えて、1〜3個の芳香環および/もしくは複素環を含むことができ、酸素、窒素および硫黄原子は、エーテル、チオエーテル、スルホキシド、スルホン、スルホニウム、アルキルアミンまたはアルケニルアミン基、ヒドロキシル、ベンジルアミン、アミンオキシド、第4級アンモニウム、アミド、イミド、アルコール、エステルおよび/もしくはウレタン基の形態で含まれている)
b)式(VI’)で示されるポリマー。
−D−X−D−X− (VI’)
(式中、Dは基
【化10】
を示し、
かつXは符号EもしくはE’を示し、少なくとも1つはE’であり、Eは上で示された意味を有し、E’は主鎖中に7個以下の炭素原子を含む直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基である2価の基を示し、非置換もしくは1個以上のヒドロキシル基により置換され、かつ1個以上の窒素原子(この窒素原子は、任意選択により酸素原子で中断され、かつ必ず1個以上のカルボキシル官能基または1個以上のヒドロキシル官能基を含み、クロロ酢酸またはクロロ酢酸ナトリウムとの反応によってベタイン化されているアルキル鎖で置換されている)を含む)
(9)N,N−ジメチルアミノプロピルアミンなどのN,N−ジアルキルアミノアルキルアミンによる半アミド化、またはN,N−ジアルキルアミノアルカノールによる半エステル化によって部分的に修飾された(C
1〜C
5)アルキルビニルエーテル/無水マレイン酸コポリマー。これらのコポリマーはまたビニルカプロラクタムなどの他のビニルコモノマーを含むことができる。
【0068】
上記両性固定用ポリマーの中で、本発明において最も好ましいものは、National Starch社からAmphomer(登録商標)、Amphomer(登録商標)LV 71、またはLovocryl(登録商標)47という名称で販売されている製品などの、CTFA名がオクチルアクリルアミド/アクリレート/ブチルアミノエチルメタクリレートコポリマーであるコポリマーなど、(3)群のものと、例えば、Sandoz社からDiaformer Z301という名称で販売されているメチルメタクリレート/メチルジメチルカルボキシメチルアンモニオエチルメタクリレートコポリマーなど、(4)群のものである。
【0069】
本発明に使用され得るノニオン性固定用ポリマーは、例えば、次のものから選択される。
− ポリアルキルオキサゾリン、
− ビニルアセテートホモポリマー、
− ビニルアセテートコポリマー、例えば、ビニルアセテートとアクリル酸エステルとのコポリマー、ビニルアセテートとエチレンとのコポリマー、ビニルアセテートとマレイン酸エステル(例えば、マレイン酸ジブチル)とのコポリマーなど、
− アクリル酸エステルのホモポリマーおよびコポリマー、例えば、Rohm & Haas社からPrimal(登録商標)AC−261KおよびEudragit(登録商標)NE 30 Dという名称で、BASF社から8845という名称で、またはHoechst社からAppretan(登録商標)N9212という名称で販売されている製品などの、アルキルアクリレートとアルキルメタクリレートとのコポリマー、
− 例えば、Rohm & Haas社からCJ 0601 Bという名称で販売されている製品などの、アクリロニトリルと、例えばブタジエンおよびアルキル(メタ)アクリレートから選ばれた非イオン性モノマーとのコポリマー、
− スチレンホモポリマー、
− スチレンコポリマー、例えば、Hoechst社から販売されている製品Mowilith(登録商標)LDM 6911、Mowilith(登録商標)DM 611およびMowilith(登録商標)LDM 6070、並びにRhone−Poulenc社から販売されている製品Rhodopas(登録商標)SD 215、Rhodopas(登録商標)DS 910などのスチレンとアルキル(メタ)アクリレートとのコポリマー;スチレンとアルキルメタクリレートとアルキルアクリレートとのコポリマー;スチレンとブタジエンとのコポリマー;またはスチレンとブタジエンとビニルピリジンとのコポリマーなど、
− ポリアミド、
− ビニルピロリドンホモポリマーや、BASF社からLuviskol(登録商標)Plusという名称で販売されているポリビニルカプロラクタムなどのビニルラクタムホモポリマー、
− BASF社からLuvitec(登録商標)VPC 55K65Wという名称で販売されているポリ(ビニルピロリドン/ビニルラクタム)コポリマー、ISP社からPVPVA(登録商標)S630Lという名称で、BASF社からLuviskol(登録商標)VA 73、VA 64、VA 55、VA 37およびVA 28という名称で販売されているものなどのポリ(ビニルピロリドン/ビニルアセテート)コポリマー、並びに、例えば、BASF社からLuviskol(登録商標)VAP 343という名称で販売されている製品などの、ポリ(ビニルピロリドン/ビニルアセテート/ビニルプロピオネート)ターポリマーなどのビニルラクタムコポリマー。
【0070】
上記ノニオン性ポリマーのアルキル基は、好ましくは、1〜6個の炭素原子を有する。
【0071】
本発明においては、ポリシロキサン部分および非シリコーン有機鎖からなる部分を含み、その2つの部分の1つはポリマーの主鎖を構成し、他は前記主鎖にグラフトしているグラフトシリコーン型の固定用ポリマーを使用することもできる。
【0072】
これらのポリマーは、例えば特許出願、欧州特許出願公開第A−412704号明細書、同第A−412707号明細書、同第A−640105号明細書、国際公開第95/00578号パンフレット、欧州特許出願公開第A−582152号明細書および国際公開第93/23009号パンフレット、並びに特許、米国特許第4693935号明細書、同第4728571号明細書および同第4972037号明細書に記載されている。
【0073】
これらのポリマーは両性、アニオン性またはノニオン性であってよく、好ましくは、アニオン性またはノニオン性である。
【0074】
例えば、そのようなポリマーは、
a)50重量%〜90重量%のtert−ブチルアクリレート、
b)0〜40重量%のアクリル酸、
c)5重量%〜40重量%の、式:
【化11】
(式中、vは5〜700の範囲の数であり、重量パーセントはモノマーの全重量に対して算出されている)
で示されるシリコーンマクロマー
から形成されるモノマー混合物のフリーラジカル重合によって得ることができるコポリマーである。
【0075】
グラフトシリコーンポリマーの他の例は、具体的には、ポリ(メタ)アクリル酸型とポリアルキル(メタ)アクリレート型の混合ポリマー単位がチオプロピレン型接合鎖を介してグラフトされているポリジメチルシロキサン(PDMS)や、ポリイソブチル(メタ)アクリレート型のポリマー単位がチオプロピレン型接合鎖を介してグラフトされているポリジメチルシロキサン(PDMS)である。
【0076】
挙げ得るシリコーン固定用ポリマーの他の型は、BASF社から販売されている製品のLuviflex(登録商標)Silkである。
【0077】
固定用ポリマーとしては、官能性または非官能性のアニオン性、両性またはノニオン性のシリコーンもしくは非シリコーンポリウレタン、またはこれらの混合物を使用することもまた可能である。
【0078】
本発明で特に対象としたポリウレタンは、出願人が特許権者である、特許出願、欧州特許第0751162号明細書、欧州特許第0637600号明細書、欧州特許第0648485号明細書および仏国特許第2743297号明細書に開示されているもの、また、BASF社による特許出願、欧州特許第0656021号明細書および国際公開第94/03510号パンフレット、並びに、National Starch社による欧州特許第0619111号明細書に開示されているものである。
【0079】
本発明に特に適したポリウレタンとしては、BASF社からLuviset Pur(登録商標)およびLuviset(登録商標)Si Purという名称で販売されている製品を挙げ得る。
【0080】
固定用ポリマーは、好ましくは、エアロゾル組成物の全重量に対して、0.1重量%〜20重量%、好ましくは1重量%〜15重量%、より好ましくは3重量%〜10重量%の範囲の割合で含まれる。
【0081】
好ましい一実施形態においては、1種以上の固定用ポリマーのアルコール性媒体もしくは水−アルコール性媒体中の溶液または分散体、すなわち、本発明のエアロゾル組成物の液相の、噴射剤と接触させる前、温度25℃、剪断速度1s
−1での動粘度は、3cP超、好ましくは、3〜20cP、より好ましくは、4〜10cPの範囲である。
【0082】
この粘度は、粘度計、例えば、円錐平板状の応力制御粘度計、例えば、Thermo Electron製のHaake RS1粘度計を使用して測定することができる。
【0083】
本発明のエアロゾル組成物は少なくとも1種の噴射剤を含む。この、またはこれらの化学物質は、ジメチルエーテル(DME)、および、任意選択により塩素化および/またはフッ素化されるn−ブタン、プロパンまたはイソブタンなどの揮発性炭化水素、並びにこれらの混合物から選択される。フッ素化および/または塩素化炭化水素の中で、DuPont de Nemours社からFreon(登録商標)およびDymel(登録商標)として販売されている化合物、具体的には、特にDuPont de Nemours社からDymel 152 Aという商品名で販売されているモノフルオロトリクロロメタン、ジフルオロジクロロメタン、テトラフルオロジクロロエタン、および1,1−ジフルオロエタンを挙げ得る。二酸化炭素、亜酸化窒素、窒素または圧縮空気もまた、噴射剤として使用し得る。
【0084】
ジメチルエーテルを使用することが好ましい。
【0085】
噴射剤は、エアロゾル組成物の全重量に対して、10重量%〜80重量%、好ましくは20重量%〜75重量%、より一層好ましくは30重量%〜70重量%の範囲の濃度で存在することが有利である。
【0086】
本発明のエアロゾル組成物はまた、一種以上の増粘剤を含んでもよい。
【0087】
本発明の目的のためには、用語「増粘剤」は、水溶液または30%のエタノールを含む水−アルコール溶液に1重量%、pH7で加えたとき、25℃、剪断速度1s
−1で、少なくとも100cPの、好ましくは少なくとも500cPの動粘度を得ることを可能にする薬剤を意味する。この粘度は上記の円錐平板粘度計を使用して測定し得る。
【0088】
本装置に含まれる組成物の粘度を増加させる、これらの増粘剤は、天然または合成の、アニオン性、両性、両イオン性、ノニオン性またはカチオン性の、結合性または非結合性のポリマー系増粘剤から選択し得る。
【0089】
ポリマー系増粘剤としては、例えば、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースおよびカルボキシメチルセルロースなどのセルロース増粘剤、グアーガム、およびその誘導体(Rhodia社からJaguar HP 105の製品番号で販売されているヒドロキシプロピルグアーなど)、キサンタンガムおよびスクレログルカンなどの微生物由来のガム、アクリル酸またはアクリルアミドプロパンスルホン酸の架橋ホモポリマー、例えばカルボマー、または、Goodrich社からPemulen TR1もしくはTR2の名称で、Allied Colloids社からSalcare SC90の名称で、Rhom & Haas社からはAculyn 22、28、33、44もしくは46の名称で、そしてAkzo社からはElfacos T210およびT212の名称で販売されている、ノニオン性、アニオン性もしくは両性の結合性ポリマーなどの合成ポリマー系増粘剤を挙げ得る。
【0090】
本発明の装置に含まれるエアロゾル組成物はまた、1種以上のシリコーン、1種以上の非シリコーン脂肪物質、および1種以上の酸性化剤または塩基性化剤、並びにこれらの混合物を含み得る。
【0091】
本発明の装置に含まれる組成物はまた、1種以上のシリコーンを含み得る。
【0092】
本発明の組成物に含まれ得るシリコーンは、具体的にはポリオルガノシロキサンであり、水溶液、すなわち溶解した形態であってよく、あるいは任意選択により分散体もしくは微分散体、または水性エマルションの形態であってよい。ポリオルガノシロキサンはまた、オイル、ワックス、樹脂もしくはガムの形態であってもよい。
【0093】
オルガノポリシロキサンは、Walter NollのChemistry and Technology of Silicones,(1968),Academic Pressにより詳細に定義されている。
【0094】
シリコーンは揮発性であっても不揮発性であってもよい。
【0095】
シリコーンは、揮発性のとき、沸点が60℃〜260℃のものから特に選択され、
− 3〜7個、好ましくは4〜5個のシリコン原子を含む環状シリコーン
から特に選択される。
【0096】
これらは、例えば、特にUnion Carbide社からVolatile Silicone 7207という名称で、もしくはRhodia社からSilbione 70045 V2という名称で販売されているオクタメチルシクロテトラシロキサン、Union Carbide社からVolatile Silicone 7158という名称で、またRhodia社からSilbione 70045 V5という名称で販売されているデカメチルシクロペンタシロキサン、およびこれらの混合物である。
【0097】
Union Carbide社から販売されているVolatile Silicone FZ 3109など、次の化学構造で示されるジメチルシロキサン/メチルアルキルシロキサン型のシクロコポリマーもまた挙げ得る。
【化12】
【0098】
オクタメチル−シクロテトラシロキサンとテトラキス(トリメチルシリル)ペンタエリトリトール(50/50)の混合物、およびオクタメチルシクロ−テトラシロキサンとオキシ−1,1’−ビス(2,2,2’,2’,3,3’−ヘキサトリメチルシリルオキシ)ネオペンタンとの混合物などの、環状シリコーンとオルガノシリコン化合物との混合物もまた挙げ得る;
− 2〜9個のシリコン原子を含み、かつ25℃で5×10
−6m
2/s以下の粘度を有する直鎖状揮発性シリコーン。例としては、特にトーレ・シリコーン株式会社からSH 200の名称で販売されているデカメチルテトラシロキサンがある。この群に属するシリコーンもまた、Cosmetics and Toiletries,Vol.91,Jan.76,pp.27−32 −Todd & Byers Volatile Silicone Fluids for Cosmeticsの中で発表された記事に記載されている。
【0099】
不揮発性シリコーン、特に、ポリアルキルシロキサン、ポリアリールシロキサン、ポリアルキルアリールシロキサン、シリコーンガムおよび樹脂、およびオルガノ官能基で修飾されたポリオルガノシロキサン、並びにこれらの混合物を使用することが好ましい。
【0100】
これらのシリコーンは、特に、ポリアルキルシロキサンから選択され、その中でも、25℃で5×10
−6〜2.5m
2/s、好ましくは1×10
−5〜1m
2/sの粘度を有する、トリメチルシリル末端基を含むポリジメチルシロキサン(CTFA名ではジメチコン)を主として挙げ得る。シリコーンの粘度は、例えば、25℃で、標準ASTM 445 Appendix Cにより測定される。
【0101】
これらのポリアルキルシロキサンの中で、次の市販製品を挙げ得るが、それらに限定されるものではない。
− Rhodia社から販売されている47および70047シリーズのSilbioneオイル、またはMirasilオイル(例えば、オイル70047 V 500000)、
− Rhodia社から販売されているMirasilシリーズのオイル、
− Dow Corning社の200シリーズのオイル(特に、60000cStの粘度を有するDC200など)、
− General Electric社のViscasilオイル、およびGeneral Electric社のSFシリーズのある種のオイル(SF 96、SF 18)。
【0102】
Rhodia社の48シリーズのオイルなどの、ジメチルシラノール末端基を含むポリジメチルシロキサン(CTFA名ではジメチコノール)もまた挙げ得る。
【0103】
アミノエチル、アミノプロピルおよびα、ω−シラノール基を含むポリジメチルシロキサンもまた挙げ得る。
【0104】
この群のポリアルキルシロキサンでは、Goldschmidt社からAbil Wax 9800および9801の名称で販売されている製品もまた挙げ得るが、これはポリ(C
1〜C
20)アルキルシロキサンである。
【0105】
ポリアルキルアリールシロキサンは、特に、直鎖状および/もしくは分岐状の、25℃で1×10
−5〜5×10
−2m
2/sの粘度を有するポリジメチルメチルフェニルシロキサンおよびポリジメチルジフェニルシロキサンから選択される。
【0106】
これらのポリアルキルアリールシロキサンの中で挙げ得る例には、次の名称で販売されている製品が含まれる。
− Rhodia社の70641シリーズのSilbioneオイル、
− Rhodia社のRhodorsil 70633および763シリーズのオイル、
− Dow Corning社のDow Corning 556 Cosmetic Grade Fluidオイル、
− Bayer社のPKシリーズのシリコーン(製品PK20など)、
− Bayer社のPNおよびPHシリーズのシリコーン(製品PN1000およびPH1000など)、
− General Electric社のSFシリーズのある種のオイル(SF 1023、SF 1154、SF 1250およびSF 1265など)。
【0107】
本発明の組成物に含まれ得るシリコーンガムは、特に、200000〜1000000の高い数平均分子量を有し、溶媒中に単独もしくは混合物として使用されるポリジオルガノシロキサンである。この溶媒は、揮発性シリコーン、ポリジメチルシロキサン(PDMS)オイル、ポリフェニルメチルシロキサン(PPMS)オイル、イソパラフィン、ポリイソブチレン、メチレンクロライド、ペンタン、ドデカンおよびトリデカン、またはこれらの混合物から選択することができる。
【0108】
特に、次の製品を挙げ得る。
− ポリジメチルシロキサンガム、
− ポリジメチルシロキサン/メチルビニルシロキサンガム、
− ポリジメチルシロキサン/ジフェニルシロキサンガム、
− ポリジメチルシロキサン/フェニルメチルシロキサンガム、
− ポリジメチルシロキサン/ジフェニルシロキサン/メチルビニルシロキサンガム。
【0109】
特に使用し得る製品は、次の混合物である。
− 分子鎖の末端がヒドロキシル化されているポリジメチルシロキサン(CTFAの辞書の命名法でジメチコノールとして知られる)および環状ポリジメチルシロキサン(CTFAの辞書の命名法でシクロメチコンとして知られる)から形成される、Dow Corning社から販売されている製品Q2 1401などの混合物、
− ポリジメチルシロキサンガムと環状シリコーンから形成される、General Electric社の製品SF 1214 Silicone Fluidなどの混合物(この製品は、500000の数平均分子量を有し、デカメチルシクロペンタシロキサンに対応するオイルSF 1202 Silicone Fluidに溶解している、ジメチコンに対応するSF 30ガムである)、
− 異なる粘度を有する2種のPDMSの混合物、特に、General Electric社の製品SF 1236などの、PDMSガムとPDMSオイルの混合物。製品SF 1236は、上で定義された20m
2/sの粘度を有するガムSE 30と5×10
−6m
2/sの粘度を有するオイルSF 96の混合物である。この製品は、好ましくは、15%のSE 30と85%のオイルSF 96を含む。
【0110】
本発明の組成物に含まれ得るオルガノポリシロキサン樹脂は次の単位:R
2SiO
2/2、R
3SiO
1/2、RSiO
3/2およびSiO
4/2(式中、Rは1〜16個の炭素原子を含む炭化水素基またはフェニル基を示す)を含む架橋シロキサン系である。これらの製品の中で特に好ましいものは、RがC
1〜C
4低級アルキル基であるものであり、特に、メチルまたはフェニル基であるものである。
【0111】
これらの樹脂の中で、Dow Corning 593の名称で販売されている製品、またはGeneral Electric社からSilicone Fluid SS 4230およびSS 4267の名称で販売されている製品を挙げ得るが、これらはジメチル/トリメチルシロキサン構造のシロキサンである。
【0112】
信越化学工業株式会社から特にX22−4914、X21−5034およびX21−5037という名称で販売されているトリメチルシロキシシリケート型の樹脂も挙げ得る。
【0113】
本発明の組成物に含まれ得る有機変性シリコーンは、上で定義したシリコーンであり、その構造中に炭化水素ベースの基を介して結合した1つ以上の有機官能基を含む。
【0114】
有機変性シリコーンの中では、次のものを含むポリオルガノシロキサンを挙げ得る。
− 任意選択によりC
6〜C
24のアルキル基を含む、Dow Corning社からDC 1248という名称で、またはUnion Carbide社のオイルSilwet L 722、L 7500、L 77およびL 711という名称で販売されている、ジメチコンコポリオールとして知られている製品、並びにDow Corning社からQ2 5200という名称で販売されている(C
12)アルキルメチコンコポリオールとして知られている製品などのポリエチレンオキシおよび/もしくはポリプロピレンオキシ基、
− Genesee社からGP 72 AおよびGP 71の名称で販売されている製品などのチオール基、
− SWS SiliconesからSilicone Copolymer F−755の名称で、またGoldschmidt社からAbil Wax 2428、2434および2440の名称で販売されている製品などのアルコキシ化基、
− 仏国特許出願、仏国特許出願公開第A−8516334号明細書に記載されている、ヒドロキシアルキル官能基を含むポリオルガノシロキサンなどのヒドロキシル化基;
− アシルオキシアルキル基、例えば特許、米国特許第A−4957732号明細書に記載されているポリオルガノシロキサン、
− 例えばチッソ株式会社による特許、欧州特許第186507号明細書に記載されている生成物中のカルボン酸型の、または信越化学工業株式会社の製品X− 22−3701Eに含まれるものなどのアルキルカルボキシル型のアニオン基;2−ヒドロキシアルキルスルホネート;Goldschmidt社からAbil S201およびAbil S255の名称で販売されている製品などの2−ヒドロキシアルキルチオスルフェート、
− ヒドロキシアシルアミノ基、例えば特許出願、欧州特許第342834号明細書に記載されているポリオルガノシロキサン。例えば、Dow Corning社の製品Q2−8413を挙げ得る。
【0115】
有機変性シリコーンの中で、アミノシリコーンもまた挙げ得る。
【0116】
本発明の目的では、用語「アミノシリコーン」は、少なくとも1つの第1級、第2級もしくは第3級のアミン官能基、または第4級アンモニウム基を含む任意のシリコーンを意味する。
【0117】
本発明の化粧料組成物に使用し得るアミノシリコーンは次のものから選択される。
(a)下記式(VII)に対応する化合物。
【化13】
(式中:
Tは水素原子、またはフェニル、ヒドロキシル(−OH)もしくはC
1〜C
8アルキル基、好ましくはメチル基、またはC
1〜C
8アルコキシ基、好ましくはメトキシ基であり、
aは数0または1〜3の整数、好ましくは0を示し、
bは0または1、特に1を示し、
mおよびnは和(n+m)が特に1〜2000、特に50〜150の範囲となり得る数であって、nが0〜1999、特に49〜149の数を示し、mが1〜2000、特に1〜10の数を示すことが可能であり、
R
1は式−C
qH
2qLで示される1価の基、ただしqは2〜8の数であり、Lは任意選択により第4級化された、次の基から選択されるアミノ基である。
− N(R
2)−CH
2−CH
2−N(R
2)
2、
− N(R
2)
2、
− N
+(R
2)
3Q−、
− N
+(R
2)(H)
2Q
−、
− N
+(R
2)
2HQ
−、
− N(R
2)−CH
2−CH
2−N
+(R
2)(H)
2Q
−、
(ただし、R
2は水素原子、フェニル基、ベンジル基、または飽和炭化水素ベースの1価の基、例えばC
1〜C
20のアルキル基を示し、かつQ
−はハロゲン化物イオン、例えばフッ化物、塩化物、臭化物またはヨウ化物を示す。
【0118】
特に、式(VII)の定義に対応するアミノシリコーンは、下記式(VIII)に対応する化合物から選択される。
【化14】
(式中、R、R’およびR”は、同一であっても異なっていてもよく、それぞれC
1〜C
4アルキル基、好ましくはCH
3、C
1〜C
4アルコキシ基、好ましくはメトキシ基、またはOHを示し、Aは直鎖状もしくは分岐状のC
3〜C
8、好ましくはC
3〜C
6のアルキレン基を示し、mおよびnは分子量に依存した整数であって、その和は1〜2000である。)
【0119】
第1の可能性では、R、R’およびR”は、同じでも異なっていてもよく、それぞれC
1〜C
4のアルキル基またはヒドロキシル基を示し、AはC
3アルキレン基を示し、かつmおよびnは重量平均分子量が約5000〜500000となるような値である。このタイプの化合物はCTFAの辞書では「アモジメチコン」と称されている。
【0120】
第2の可能性では、R、R’およびR”は、同一であっても異なっていてもよく、それぞれC
1〜C
4のアルキル基またはヒドロキシル基を示し、基RまたはR”の少なくとも1つはアルコキシ基であり、AはC
3アルキレン基を示す。ヒドロキシル基/アルコキシ基のモル比は、好ましくは、0.2/1〜0.4/1であり、0.3/1に等しいことが有利である。さらに、mおよびnは、化合物の重量平均分子量が2000〜10
6となるような値である。特に、nは0〜999であり、mは1〜1000であり、nとmの和は1〜1000である。
【0121】
この群の化合物においては、とりわけWacker社から販売されている製品Belsil(登録商標)ADM 652を挙げ得る。
【0122】
第3の可能性では、RおよびR”は、異なるものであって、それぞれC
1〜C
4アルコキシ基またはヒドロキシル基を示し、基RもしくはR”の少なくとも1つはアルコキシ基であり、R’はメチル基を示し、かつAはC
3アルキレン基を示す。ヒドロキシル基/アルコキシ基のモル比は、好ましくは、1/0.8〜1/1.1であるが、1/0.95に等しいことが有利である。さらに、mおよびnは、化合物の重量平均分子量が2000〜200000になるような値である。特に、nは0〜999であり、mは1〜1000であり、nとmの和は1〜1000である。
【0123】
特に、Wacker社から販売されている製品Fluid WR(登録商標)1300を挙げ得る。
【0124】
なお、これらのシリコーンの分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ法(室温、ポリスチレン標準、μスティラゲム(styragem)カラム、溶離液THF、流量1mm/分、THF中0.5重量%のシリコーンを含む溶液200μlを注入し、検出は屈折法およびUV分光法により行う)により測定される。
【0125】
(式(VII)の定義に対応する製品は、特に、CTFA辞書で「トリメチルシリルアモジメチコン」として知られている、下記式(IX)に対応するポリマーである。
【化15】
式中、nおよびmは上記式(VII)における意味を有する。
【0126】
そのような化合物は、例えば、特許、欧州特許第95238号明細書に記載されている。式(IX)の化合物は、例えば、OSI社からQ2−8220の名称で販売されている。
(b)下記式(X)に対応する化合物。
【化16】
(式中、
R
3はC
1〜C
18の1価の炭化水素ベースの基、特にC
1〜C
18のアルキルまたはC
2〜C
18のアルケニル基、例えば、メチル基を示し、
R
4は2価の炭化水素ベースの基、特にC
1〜C
18のアルキレン基または2価のC
1〜C
18、例えばC
1〜C
8のアルキレンオキシ基を示し、
Q
−はハロゲン化物イオン、特に塩化物であり、
rは2〜20、特に2〜8平均統計値を示し、
sは2〜200、特に20〜50の平均の統計値を示す。
【0127】
そのような化合物は、特に、米国特許第4185087号明細書に記載されている。
【0128】
このクラスに入る化合物は、Union Carbide社からUcar Silicone ALE 56の名称で販売されている製品である。
(c)式(XI)で示される第4級アンモニウムシリコーン。
【化17】
(式中、
R
7は、同一であっても異なっていてもよく、1〜18個の炭素原子を含む1価の炭化水素ベースの基、特にC
1〜C
18のアルキル基、C
2〜C
18のアルケニル基、または5個もしくは6個の炭素原子を含む環、例えばメチル基を示し、
R
6は2価の炭化水素ベースの基、特にC
1〜C
18のアルキレン基、またはSi−C結合を介してSiに結合している2価のC
1〜C
18、例えばC
1〜C
8のアルキレンオキシ基を示し、
R
8は同一であっても異なっていてもよく、それぞれ水素原子、1〜18個の炭素原子を含む1価の炭化水素ベースの基、特にC
1〜C
18のアルキル基、C
2〜C
18のアルケニル基または−R
6−NHCOR
7基を示し、
X
−はハロゲン化物イオン、特に塩化物イオン、または有機酸塩(酢酸塩など)などのアニオンであり;
rは2〜200、特に5〜100の平均統計値である。
【0129】
これらのシリコーンは、例えば、特許出願、欧州特許出願公開第A−0530974号明細書に記載されている。
(d)式(XII)で示されるアミノシリコーン。
【化18】
式中;
− R
1、R
2、R
3およびR
4は、同一であっても異なっていてもよく、C
1〜C
4アルキル基またはフェニル基を示し、
− R
5はC
1〜C
4のアルキル基またはヒドロキシル基を示し、
− nは1〜5の範囲の整数であり、
− mは1〜5の範囲の整数であり、かつ
− xはアミン数が0.01〜1meq/gとなるように選ばれる。
【0130】
特に好ましいシリコーンはポリジメチルシロキサン(INCI名:ジメチコン)およびアミノシリコーンである。
【0131】
これらの化合物が使用されるとき、1つの特に有利な実施形態では、それらはカチオン性および/またはノニオン性界面活性剤と併用される。
【0132】
例を示せば、Dow Corning社からCationic Emulsion DC 939の名称で販売されている製品を使用し得るが、これは、アモジメチコンに加えて、塩化トリメチルセチルアンモニウムのカチオン性界面活性剤、およびトリデセス−12というCTFA名で知られている、式:C
13H
27−(OC
2H
4)
12−OHで示されるノニオン性界面活性剤を含む。
【0133】
本発明において使用し得る他の市販品としては、Dow Corning社からDow Corning Q2 7224という名称で販売されている製品であって、上記式(IX)で示されるトリメチルシリルアモジメチコン、式:C
8H
17−C
6H
4−(OCH
2CH
2)
40−OHで示され、オクトキシノール−40というCTFA名で知られているノニオン性界面活性剤、式:C
12H
25−(OCH
2−CH
2)
6−OHで示され、イソラウレス−6というCTFA名で知られている第2のノニオン性界面活性剤、およびプロピレングリコールの組み合わせを含むものである。
【0134】
本発明の装置に含まれる組成物はまた、1種以上の非シリコーン系脂肪物質も含み得る。
【0135】
用語「脂肪物質」は、室温(25℃)および大気圧下(760mmHg、すなわち1.013×10
5Pa)で非水溶性、すなわち、溶解度が5%未満、好ましくは1%未満、より好ましくは0.1%未満の有機化合物を意味する。非シリコーン系脂肪物質は、一般に、少なくとも6個の炭素原子を含み、シロキサン基を全く含まない、炭化水素ベースの分子鎖をその構造中に有する。さらに、脂肪物質は一般に有機溶媒、例えば、クロロホルム、エタノール、ベンゼン、ワセリンまたはデカメチルシクロペンタシロキサンに、同じ温度、圧力条件下で可溶である。
【0136】
用語「非シリコーン系脂肪物質」は、その構造中にケイ素原子を含まない脂肪物質を意味する。
【0137】
本発明の組成物に使用し得る脂肪物質は、一般に、オキシアルキレン化されていなく、好ましくはカルボン酸COOH官能基を含まない。
【0138】
本発明の非シリコーン系脂肪物質は、好ましくは、炭化水素、脂肪族アルコール、脂肪族エステル、シリコーンおよび脂肪族エーテル、並びにこれらの混合物から選択される。
【0139】
より一層好ましくは、それらは炭化水素、脂肪族アルコールおよび脂肪族エステル、並びにこれらの混合物から選択される。
【0140】
それらは、室温および大気圧で、液体であっても非液体であってもよい。
【0141】
本発明の液体脂肪物質は、温度25℃および剪断速度1s
−1における粘度が、好ましくは2000cP以下、より好ましくは1000cP以下、より一層好ましくは100cP以下である。この粘度は上記の円錐/平板状の粘度計を使用して測定し得る。
【0142】
用語「液体炭化水素」は、炭素と水素原子のみから構成される、室温(25℃)および大気圧(760mmHg、すなわち1.013×10
5Pa)で液体の炭化水素を意味する。
【0143】
液体炭化水素は、特に、以下から選択される。
− 直鎖状または分岐状で、任意選択により環状の、C
6〜C
16低級アルカン。挙げ得る例としては、ヘキサン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、およびイソパラフィン(例えば、イソヘキサデカン、イソドデカンおよびイソデカン)がある。
− 揮発性または非揮発性液体パラフィンおよびその誘導体、ワセリン、液体ワセリン、ポリデカン、水素化ポリイソブテン、並びにスクアランなどの、16個超の炭素原子を有する鉱物、動物または合成由来の直鎖状または分岐状の炭化水素。
【0144】
1つの好ましい変形形態では、液体炭化水素は、揮発性または非揮発性液体パラフィンおよびその誘導体、並びに液体ワセリンから選択される。
【0145】
用語「液体脂肪族アルコール」は、グリセロール化もオキシアルキレン化もされていない、室温(25℃)および大気圧(760mmHg、すなわち1.013×10
5Pa)で液体の脂肪族アルコールを意味する。
【0146】
本発明の液体脂肪族アルコールは、好ましくは、8〜30個の炭素原子を含む。
【0147】
本発明の液体脂肪族アルコールは、飽和であっても不飽和であってもよい。
【0148】
飽和液体脂肪族アルコールは、分岐状であることが好ましい。それらは、任意選択により、構造中に少なくとも1つの芳香環または非芳香環を含む。それらは非環式であることが好ましい。
【0149】
本発明の液体脂肪族アルコールは、特に、オクチルドデカノール、イソステアリルアルコールおよび2−ヘキシルデカノールから選択される。
【0150】
オクチルドデカノールが最も好ましい。
【0151】
不飽和液体脂肪族アルコールは、構造中に少なくとも1つの二重結合もしくは三重結合、好ましくは1つ以上の二重結合を含む。数個の二重結合が含まれる場合、2個または3個であることが好ましく、それらは共役であっても非共役であってもよい。
【0152】
これらの不飽和脂肪族アルコールは、直鎖状であっても分岐状であってもよい。
【0153】
それらは、任意選択により、構造中に少なくとも1つの芳香環もしくは非芳香環を含む。それらは非環式であることが好ましい。
【0154】
本発明の不飽和液体脂肪族アルコールは、特に、オレイルアルコール、リノレイルアルコール、リノレニルアルコールおよびウンデシレニルアルコールから選択される。
【0156】
用語「液体脂肪族エステル」は、脂肪酸および/または脂肪族アルコールから誘導される、室温(25℃)および大気圧(760mmHg、すなわち1.013×10
5Pa)で液体のエステルを意味する。
【0157】
エステルは、飽和または不飽和で、直鎖状または分岐状のC
1〜C
26の脂肪族一塩基酸またはポリ酸と、飽和または不飽和で、直鎖状または分岐状のC
1〜C
26の脂肪族モノアルコールまたはポリアルコールとの液体エステルであって、全炭素原子数が10以上であるものが好ましい。
【0158】
モノアルコールのエステルでは、本発明のエステルが誘導されるアルコールおよび酸の中の少なくとも1つが分岐状であることが好ましい。
【0159】
一塩基酸とモノアルコールのモノエステルの中では、エチルパルミテート、イソプロピルパルミテート、イソプロピルミリステートもしくはエチルミリステートなどのアルキルミリステート、イソセチルステアレート、2−エチルヘキシルイソノナノエート、イソデシルネオペンタノエート、およびイソステアリルネオペンタノエートを挙げ得る。
【0160】
C
4〜C
22ジカルボン酸またはトリカルボン酸とC
1〜C
22のアルコールとのエステル、並びにモノカルボン酸、ジカルボン酸もしくはトリカルボン酸と、C
4〜C
26のジヒドロキシ、トリヒドロキシ、テトラヒドロキシもしくはペンタヒドロキシアルコールとのエステルもまた使用し得る。
【0161】
ジエチルセバケート、ジイソプロピルセバケート、ビス(2−エチルヘキシル)セバケート、ジイソプロピルアジペート、ジ−n−プロピルアジペート、ジオクチルアジペート、ビス(2−エチルヘキシル)アジペート、ジイソステアリルアジペート、ビス(2−エチルヘキシル)マレート、トリイソプロピルシトレート、トリイソセチルシトレート、トリイソステアリルシトレート、グリセリルトリラクテート、グリセリルトリオクタノエート、トリオクチルドデシルシトレート、トリオレイルシトレート、ネオペンチルグリコールジヘプタノエート、ジエチレングリコールジイソノナノエートを特に挙げ得る。
【0162】
本組成物はまた、液体脂肪族エステルとして、糖エステル、およびC
6〜C
30、好ましくはC
12〜C
22の脂肪酸のジエステルを含み得る。用語「糖」は、数個のアルコール官能基を含み、アルデヒドまたはケトン官能基を有するかまたは有さず、かつ少なくとも4個の炭素原子を含む、酸素含有炭化水素ベースの化合物を意味すると想起される。これらの糖は、モノサッカリド、オリゴサッカリドまたはポリサッカリドであり得る。
【0163】
挙げ得る適切な糖の例には、サッカロース、グルコース、ガラクトース、リボース、フコース、マルトース、フルクトース、マンノース、アラビノース、キシロースおよびラクトース、並びにこれらの誘導体、特にメチル誘導体(例えば、メチルグルコース)などのアルキル誘導体がある。
【0164】
脂肪酸の糖エステルは、特に、前記の糖と、直鎖状または分岐状で、飽和または不飽和のC
6〜C
30、好ましくはC
12〜C
22の脂肪酸とのエステルまたはエステル混合物を含む群から選択される。それらが不飽和のとき、これらの化合物は、共役もしくは非共役の炭素−炭素二重結合を1〜3個含み得る。
【0165】
この変形形態によるエステルはまた、モノ、ジ、トリおよびテトラエステル、ポリエステル、並びにこれらの混合物から選択し得る。
【0166】
これらのエステルは、例えば、オレエート、ラウレート、パルミテート、ミリステート、ベヘネート、ココエート、ステアレート、リノレート、リノレネート、カプレートおよびアラキドネート、またはこれらの混合物、例えば、特にオレオパルミテート、オレオステアレートもしくはパルミトステアレートの混合エステルなどから選択し得る。
【0167】
特に、モノエステルおよびジエステル、特にスクロース、グルコースもしくはメチルグルコースのモノもしくはジオレエート、ステアレート、ベヘネート、オレオパルミテート、レノレート、リノレネートまたはオレオステアレートが使用される。
【0168】
挙げ得る例としては、Amerchol社からGlucate(登録商標)DOの名称で販売されている製品があり、これはメチルグルコースジオレエートである。
【0169】
最後に、天然または合成の、一塩基酸、二酸または三酸のグリセロールエステルもまた使用し得る。
【0170】
これらの中で、植物オイルを挙げ得る。
【0171】
本発明の組成物に液体脂肪族エステルとして使用し得る植物由来のオイルまたは合成トリグリセリドとして挙げ得る例には、
− ヘプタン酸もしくはオクタン酸トリグリセリドなどの6〜30個の炭素原子を含む脂肪酸の液体トリグリセリドなど、あるいはまた、例えば、ヒマワリ、トウモロコシ、ダイズ、キュウリ、グレープシード、ゴマ、ヘーゼルナット、アプリコット、マカデミア、アララ、キャスターもしくはアボカドオイル、Stearineries Dubois社から販売されているもの、もしくはDynamit Nobel社からMiglyol(登録商標)810、812および818という名称で販売されているものなどのカプリル酸/カプリン酸のトリグリセリド、ホホバ油、またはシアバター油などの、植物または合成由来のトリグリセリドオイル
が含まれる。
【0172】
モノアルコールから誘導される液体脂肪族エステルは、本発明のエステルとして好適に使用されるであろう。
【0173】
イソプロピルミリステートおよびイソプロピルパルミテートが特に好ましい。
【0174】
液体脂肪族エーテルは、ジカプリリルエーテルなどの液体ジアルキルエーテルから選択される。
【0175】
本発明の組成物の脂肪物質もまた、室温(25℃)および大気圧(760mmHg、すなわち1.013×10
5Pa)で液体であっても非液体であってもよい。
【0176】
用語「非液体」は、好ましくは、固体化合物、または室温(25℃)および1s
−1の剪断速度での粘度が2000cP超の化合物を意味する。この粘度は上記のような円錐/平板状の粘度計を使用して測定し得る。
【0177】
非液体の脂肪物質は、特に、非液体、好ましくは固体である、脂肪族アルコール、脂肪酸および/もしくは脂肪族アルコールエステル、非シリコーン系ワックスおよび脂肪族エーテルから選択される。
【0178】
本発明での使用に適した非液体の脂肪族アルコールは、特に、8〜30個の炭素原子を含む、飽和または不飽和の、直鎖状または分岐状アルコールから選択される。例えば、セチルアルコール、ステアリルアルコール、およびこれらの混合物(セチルステアリルアルコール)を挙げ得る。
【0179】
脂肪酸および/または脂肪族アルコールの、非液体エステルに関しては、特に、C
9〜C
26脂肪酸およびC
9〜C
26脂肪族アルコールから誘導される固体エステルを挙げ得る。
【0180】
これらのエスエルの中で、オクチルドデシルベヘネート、イソセチルベヘネート、セチルラクテート、ステアリルオクタノエート、オクチルオクタノエート、セチルオクタノエート、デシルオレエート、ミリスチルステアレート、オクチルパルミテート、オクチルペラルゴネート、オクチルステアレート、セチルミリステート、ミリスチルミリステート、およびステアリルミリステートなどのアルキルミリステート、並びにヘキシルステアレートを挙げ得る。
【0181】
この変形形態の文脈内でさらに、C
4〜C
22ジカルボン酸またはトリカルボン酸と、C
1〜C
22アルコールとのエステル、およびモノカルボン酸、ジカルボン酸またはトリカルボン酸と、C
2〜C
26ジヒドロキシ、トリヒドロキシ、テトラヒドロキシまたはペンタヒドロキシアルコールとのエステルもまた使用し得る。
【0182】
特に、ジエチルセバケート、ジイソプロピルセバケート、ジイソプロピルアジペート、ジ−n−プロピルアジペート、ジオクチルアジペートおよびジオクチルマレエートを挙げ得る。
【0183】
上記の全てのエステルの中で、ミリスチル、セチルまたはステアリルパルミテート、およびセチルミリステート、ステアリルミリステートおよびミリスチルミリステートなどのアルキルミリステートを使用することが好ましい。
【0184】
非シリコーン系ワックスは、特に、カルナバワックス、キャンデリラワックス、エスパルトワックス、パラフィンワックス、オゾケライト、植物ワックス(オリーブワックス、ライスワックス、水素化ホホバワックス、またはBertin(France)社から販売されているクロフサスグリの花のエッセンシャルワックスなどの精製フラワーワックスなど)、および蜜蝋または変性蜜蝋(セラベリナ)などの動物ワックスから選択される。
【0185】
本発明で使用し得る他のワックスまたはワックス様出発物質は、特に、Sophim社から製品番号M82として販売されているものなどの海洋性ワックス、および一般的なポリエチレンまたはポリオレフィンワックスである。
【0186】
非液体脂肪族エーテルは、ジアルキルエーテル、特にジセチルエーテルおよびジステアリルエーテルが、単独で、または混合物として選択される。
【0187】
組成物が固体化合物を含むとき、液相は分散体の形態をとる。
【0188】
非シリコーン系脂肪物質は、好ましくは、室温(25℃)および大気圧(760mmHg、すなわち1.013×10
5Pa)で液体であり、鉱油、オリーブ油、キャスターオイル、菜種油、麦芽油、スイートアーモンドオイル、アボカドオイル、マカデミアオイル、アプリコットオイル、ベニバナ油、ククイ油、カメリナオイル、タマヌオイル、レモンオイルなどの植物油、アルカン、特に、C
5〜C
10のアルカン、オクチルドデカノールおよびオレイルアルコールなどのC
10〜C
30の液体脂肪族エステル、特に、イソプロピルミリステートなどのC
8〜C
20の脂肪酸とC
1〜C
8のアルコールの液体エステル、C
10〜C
30の脂肪族アルキルベンゾエート、イソノニルイソノナノエート、イソステアリルマレートおよびトリデシルトリメリテートなどのC
9〜C
30の脂肪族アルコールの液体エステルとこれらの混合物、並びにペンタエリトリチルテトライソステアレートなどのポリオールの液体エステルから選択される。
【0189】
本発明の装置に含まれる液相が水を含む場合、一般に、2〜9、特に3〜8、一層より良くは6〜8の範囲のpHを有する。これは、この種の用途の化粧料に通常使用されている酸性化または塩基性化薬剤により、あるいは標準の緩衝系を使用して、所望の値に調節し得る。
【0190】
挙げ得る酸性化剤には、例えば、鉱酸または有機酸、例えば、塩酸、オルトリン酸または硫酸、カルボン酸、例えば、酢酸、酒石酸、クエン酸および乳酸、並びにスルホン酸がある。
【0191】
塩基性化剤の中で挙げ得る例としては、水性アンモニア、アルカリ金属炭酸塩、モノ、ジおよびトリエタノールアミン、並びに2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールおよびその誘導体などのアルカノールアミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよび次式で示される化合物がある。
【化19】
(式中、Wは任意選択によりヒドロキシル基もしくはC
1〜C
4アルキル基で置換されるプロピレン残基であり;Ra、Rb、RcおよびRdは同一であっても異なっていてもよく、水素原子またはC
1〜C
4アルキル基もしくはC
1〜C
4ヒドロキシルアルキル基を示す。)
【0192】
pH調節剤は、好ましくは、水性アンモニア、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、1,3−プロパンジアミン、もしくはアルカリ金属水酸化物などのアルカリ剤、またはリン酸もしくは塩酸などの酸性化剤から選択し得る。
【0193】
本発明の装置に含まれるエアロゾル組成物はまた、ノニオン性、アニオン性、カチオン性、両性および両イオン性界面活性剤、セラミドおよび偽セラミド、ビタミンおよびパンテノールなどのプロビタミン、水溶性および脂溶性のシリコーン系もしくは非シリコーン系サンスクリーン、鉱物性および有機の、着色もしくは無着色顔料、永久もしくは一時的な染料、真珠光沢剤および乳白剤、金属イオン封鎖剤、可塑剤、可溶化剤、抗酸化剤、ヒドロキシ酸、浸透剤、香料、香料可溶化剤(解膠剤)、保存剤、腐食防止剤、並びに処理活性剤から選択されるアジュバントの少なくとも1種を含み得る。
【0194】
当業者であれば、添加剤が本発明の組成物の特性を損なわないよう、最適な添加剤およびその量を選択するであろう。
【0195】
これらの添加剤は、組成物の全重量に対して0〜20重量%の範囲の量で、本発明の組成物に存在し得る。
【0196】
本発明の他の主題は、この装置の使用を含む処理方法、特に、ケラチン繊維、特に髪に形を付与する方法に関する。
【0197】
特に、この方法は、本発明のエアロゾル組成物を、本発明の装置を使用して前記繊維に塗布する工程を含む。
【0198】
ある種の髪に対しては、この形を付与する方法は、到達が困難な髪の根元を使用者がさらすことができるようにする工程を含み得る。
【0199】
本発明はまた、上で定義したような、扇状の噴霧を形成するスリット状オリフィスを備えた散布器を含む装置の、髪などのケラチン繊維に形を付与するため、特にヘアスタイルにボリュームを付与するための使用に関する。
【0200】
以下の実施例は、本発明を説明するものであり、いかなる方法によっても、本発明を限定するものとみなされるべきではない。
【実施例】
【0201】
以下の実施例において、全ての量は、本組成物の全重量に対する、未処理の形態の出発物質の質量百分率として示されている。
【0202】
装置の作製:
本発明の装置:装置Aと、比較装置:スリット散布器を含まない装置Bとを互いに比較する。
【0203】
本発明の装置Aおよび本発明外の装置Bに、下表に示す同一の組成物を充填した。
【0204】
【表1】
【0205】
上記組成物を調節するために使用する本発明のエアロゾル装置Aは、次の特徴を含む。
− 0.4mmのサイズのオリフィスを有するノズル、および1.6mmのサイズの内部制限オリフィスを備え、追加の気体取り込みオリフィスを有しないバルブ、
− 扇状の噴霧を形成する、Lindal社の「オイル」ノズルタイプのスリット散布器で、このノズルは、0.28×0.28mmの正方形のオリフィスを有し、2.30×0.33mmの矩形のオリフィスとして外部に開口している。したがって、このスリットは、6.97に等しい、直交軸に沿う最大寸法と最小寸法との比を有する。
【0206】
上記組成物を調節するために使用する本発明外のエアロゾル装置Bは、次の特徴を含む。
− 装置Aと同じバルブ、および
− 円形オリフィスのノズルを備えた散布器。
【0207】
結果
・装置A
20cmの距離で、装置に対して垂直に置かれたエタノール感受性用紙に1秒間噴霧すると、本発明の装置、装置Aは、実質的に矩形の噴霧痕を形成する。
【0208】
・装置B
20cmの距離で、装置に対して垂直に置かれたエタノール感受性用紙に1秒間噴霧すると、本発明外の装置、装置Bは、実質的に円形のスプレー痕を形成する。
【0209】
官能試験:
その後、専門家が、下表に示した各特性に対して、0〜50の範囲の評点を付けることにより、装置Aと装置Bの比較評価を行った。
【0210】
したがって、根元への塗付の容易さに関して、評点0は、塗付が困難、すなわち散布性が不良で、一様にならない組成物に対応し、評点50は、塗付が容易で、根元への組成物の散布が良好な組成物に対応する。
【0211】
固定に関しては、評点0は不十分な固定に対応し、評点50は非常に良好な固定に対応する。
【0212】
ボリュームに関しては、評点0は頭髪全体の明らかに乏しいボリュームに対応し、評点50は実質的なボリュームの増加に対応する。
【0213】
得られた評点の平均値は以下の通りである。
【0214】
【表2】
【0215】
これらの結果は、本発明の装置Aによる処理が、本発明外の装置Bによる処理と比較して、根元への塗付が極めて容易であり、同じ固定に対して、ヘアスタイルによりボリュームを与えることを示している。