【文献】
Zhou, Guijiang et al.,Robust Tris-Cyclometalated Iridium(III) Phosphors with Ligands for Effective Charge Carrier Injection/Transport: Synthesis, Redox, Photophysical, and Electrophosphorescent Behavior,Chemistry - An Asian Journal,2008年,3(10),pp. 1830-1841
【文献】
Zhou, Guijiang et al.,Manipulating Charge-Transfer Character with Electron-Withdrawing Main-Group Moieties for the Color Tuning of Iridium Electrophosphors,Advanced Functional Materials,2008年,18(3),pp. 499-511
【文献】
Zhou, Guijiang et al.,Metallophosphors of platinum with distinct main-group elements: a versatile approach towards color tuning and white-light emission with superior efficiency/color quality/brightness trade-offs,Journal of Materials Chemistry,2010年,20(35),pp. 7472-7484
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0003】
有機材料を利用する光電子デバイスは、いくつもの理由から、次第に望ましいものとなりつつある。そのようなデバイスを作製するために使用される材料の多くは比較的安価であるため、有機光電子デバイスは無機デバイスを上回るコスト優位性の可能性を有する。加えて、柔軟性等の有機材料の固有の特性により、該材料は、フレキシブル基板上での製作等の特定用途によく適したものとなり得る。有機光電子デバイスの例は、有機発光デバイス(OLED)、有機光トランジスタ、有機光電池及び有機光検出器を含む。OLEDについて、有機材料は従来の材料を上回る性能の利点を有し得る。例えば、有機放出層が光を放出する波長は、概して、適切なドーパントで容易に調整され得る。
【0004】
OLEDはデバイス全体に電圧が印加されると発光する薄い有機膜を利用する。OLEDは、フラットパネルディスプレイ、照明及びバックライティング等の用途において使用するためのますます興味深い技術となりつつある。数種のOLED材料及び構成は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、特許文献1、特許文献2及び特許文献3において記述されている。
【0005】
リン光性発光分子の1つの用途は、フルカラーディスプレイである。そのようなディスプレイの業界標準は、「飽和(saturated)」色と称される特定の色を放出するように適合された画素を必要とする。特に、これらの標準は、飽和した赤色、緑色及び青色画素を必要とする。色は、当技術分野において周知のCIE座標を使用して測定することができる。
【0006】
緑色発光分子の一例は、下記の構造:
【化1】
を有する、Ir(ppy)
3と表示されるトリス(2−フェニルピリジン)イリジウムである。
【0007】
この図面及び本明細書における後出の図面中で、本発明者らは、窒素から金属(ここではIr)への配位結合を直線として描写する。
【0008】
本明細書において使用される場合、用語「有機」は、有機光電子デバイスを製作するために使用され得るポリマー材料及び小分子有機材料を含む。「小分子」は、ポリマーでない任意の有機材料を指し、且つ「小分子」は実際にはかなり大型であってよい。小分子は、いくつかの状況において繰り返し単位を含み得る。例えば、長鎖アルキル基を置換基として使用することは、「小分子」クラスから分子を除去しない。小分子は、例えばポリマー骨格上のペンダント基として、又は該骨格の一部として、ポリマーに組み込まれてもよい。小分子は、コア部分上に構築された一連の化学的シェルからなるデンドリマーのコア部分として役立つこともできる。デンドリマーのコア部分は、蛍光性又はリン光性小分子発光体であってよい。デンドリマーは「小分子」であってよく、OLEDの分野において現在使用されているデンドリマーはすべて小分子であると考えられている。
【0009】
本明細書において使用される場合、「頂部」は基板から最遠部を意味するのに対し、「底部」は基板の最近部を意味する。第一層が第二層「の上に配置されている」と記述される場合、第一層のほうが基板から遠くに配置されている。第一層が第二層「と接触している」ことが指定されているのでない限り、第一層と第二層との間に他の層があってもよい。例えば、間に種々の有機層があるとしても、カソードはアノード「の上に配置されている」と記述され得る。
【0010】
本明細書において使用される場合、「溶液プロセス可能な」は、溶液又は懸濁液形態のいずれかの液体媒質に溶解、分散若しくは輸送することができ、且つ/又は該媒質から堆積することができるという意味である。
【0011】
配位子は、該配位子が発光材料の光活性特性に直接寄与していると考えられる場合、「光活性」と称され得る。配位子は、該配位子が発光材料の光活性特性に寄与していないと考えられる場合には「補助」と称され得るが、補助配位子は、光活性配位子の特性を変化させることができる。
【0012】
本明細書において使用される場合、当業者には概して理解されるであろう通り、第一の「最高被占分子軌道」(HOMO)又は「最低空分子軌道」(LUMO)エネルギー準位は、第一のエネルギー準位が真空エネルギー準位に近ければ、第二のHOMO又はLUMOエネルギー準位「よりも大きい」又は「よりも高い」。イオン化ポテンシャル(IP)は、真空準位と比べて負のエネルギーとして測定されるため、より高いHOMOエネルギー準位は、より小さい絶対値を有するIP(あまり負でないIP)に相当する。同様に、より高いLUMOエネルギー準位は、より小さい絶対値を有する電子親和力(EA)(あまり負でないEA)に相当する。頂部に真空準位がある従来のエネルギー準位図において、材料のLUMOエネルギー準位は、同じ材料のHOMOエネルギー準位よりも高い。「より高い」HOMO又はLUMOエネルギー準位は、「より低い」HOMO又はLUMOエネルギー準位よりもそのような図の頂部に近いように思われる。
【0013】
本明細書において使用される場合、当業者には概して理解されるであろう通り、第一の仕事関数がより高い絶対値を有するならば、第一の仕事関数は第二の仕事関数「よりも大きい」又は「よりも高い」。仕事関数は概して真空準位と比べて負数として測定されるため、これは「より高い」仕事関数が更に負であることを意味する。頂部に真空準位がある従来のエネルギー準位図において、「より高い」仕事関数は、真空準位から下向きの方向に遠く離れているものとして例証される。故に、HOMO及びLUMOエネルギー準位の定義は、仕事関数とは異なる慣例に準ずる。
【0014】
OLEDについての更なる詳細及び上述した定義は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる特許文献4において見ることができる。
【発明の概要】
【0015】
ゲルマニウム(Ge)を含有する有機金属化合物が提供される。前記化合物は、式M(L)
x(L
1)
y(L
2)
zを有する。
【0016】
配位子Lは、下記の式Iである。
【化2】
配位子L
1は、下記の式IIである。
【化3】
配位子L
2は、補助配位子である。L、L
1、及びL
2は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。Mは、40超の原子番号を有する金属である。xは、1、2、又は3である。yは、0、1、又は2である。zは、0、1、又は2である。x+y+zは、金属Mの酸化状態である。Rは、Geを含む置換基で更に置換されている縮合炭素環又はヘテロ環である。A、B、及びCは、それぞれ独立して、5員又は6員の炭素環又はヘテロ環である。R
A、R
B、及びR
Cは、モノ、ジ、トリ、又はテトラ置換を表す。R
A、R
B、及びR
Cは、それぞれ独立して、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルフォニル、ホスフィノ及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。R
A、R
B、及びR
Cのうち2つの隣接する置換基は、結合して縮合環を形成していてもよい。配位子Lは、金属Mに二座配位している。Mは、Irであることが好ましい。
【0017】
1つの態様においては、L
2は、モノアニオン性二座配位子である。他の態様においては、L
2は、下記の式の配位子である。
【化4】
R
1、R
2、及びR
3は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルフォニル、ホスフィノ及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0018】
1つの態様においては、Geは、縮合炭素環又はヘテロ環Rに直接結合している。
【0019】
1つの態様においては、前記化合物は、下記の式を有する。
【化5】
【0020】
R’、R’’、及びR’’’は、それぞれ独立して、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択される。R
1、R
2、R
3、R
4、R
5及びR
6は、独立して、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルフォニル、ホスフィノ及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。mは、1、2、又は3である。
【0021】
更に他の態様においては、前記化合物は、下記の式を有する。
【化6】
【0022】
R’、R’’、及びR’’’は、それぞれ独立して、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択される。R
1、R
2、R
3、R
4、R
5及びR
6は、独立して、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルフォニル、ホスフィノ及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。mは、1、2、又は3である。
【0023】
更なる態様においては、前記化合物は、下記の式を有する。
【0024】
R’、R’’、及びR’’’は、それぞれ独立して、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択される。R
1、R
2、R
3、R
4、R
5及びR
6は、独立して、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルフォニル、ホスフィノ及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。mは、1、2、又は3である。
【0025】
1つの態様においては、R’、R’’、及びR’’’は、それぞれ同一である。他の態様においては、R’、R’’、及びR’’’は、それぞれ3個以下の炭素原子を有するアルキル基である。更に他の態様においては、R’、R’’、及びR’’’は、それぞれ異なる。
【0026】
1つの態様においては、前記化合物は、ホモレプティックである。他の態様においては、前記化合物は、ヘテロレプティックである。
【0027】
ゲルマニウム含有材料の具体的且つ非限定的な例を示す。1つの態様においては、前記化合物は、下記からなる群から選択される。
【化7】
【化8】
【化9】
【化10】
【化11】
【化12】
【0028】
更に、有機発光デバイスを含む第1のデバイスも提供される。前記有機発光デバイスは、アノードと、カソードと、前記アノードと前記カソードとの間に配置された有機層とを更に含む。前記有機層は、式M(L)
x(L
1)
y(L
2)
zを有する化合物を含む。
【0029】
配位子Lは、下記の式Iである。
【化13】
配位子L
1は、下記の式IIである。
【化14】
配位子L
2は、補助配位子である。
【0030】
L、L
1、及びL
2は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。Mは、40超の原子番号を有する金属である。xは、1、2、又は3である。yは、0、1、又は2である。zは、0、1、又は2である。x+y+zは、金属Mの酸化状態である。Rは、Geを含む置換基で更に置換されている縮合炭素環又はヘテロ環である。A、B、及びCは、それぞれ独立して、5員又は6員の炭素環又はヘテロ環である。R
A、R
B、及びR
Cは、モノ、ジ、トリ、又はテトラ置換を表す。R
A、R
B、及びR
Cは、それぞれ独立して、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルフォニル、ホスフィノ及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。R
A、R
B、及びR
Cのうち隣接する置換基は、結合して縮合環を形成していてもよい。配位子Lは、金属Mに二座配位している。
【0031】
式M(L)
x(L
1)
y(L
2)
zを有する前記化合物について上述した各具体的態様を、前記第1のデバイスに用いられる式M(L)
x(L
1)
y(L
2)
zを有する化合物にも適用することができる。特に、上述のように、式M(L)
x(L
1)
y(L
2)
zを有する前記化合物のL
1、L
2、L
3、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R’、R’’、R’’’、m、式III、式IV、及び式Vの各具体的態様を、前記第1のデバイスに用いられる式M(L)
x(L
1)
y(L
2)
zを有する化合物にも適用することができる。
【0032】
1つの態様においては、L
2は、下記の式の配位子である。
【化15】
R
1、R
2、及びR
3は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルフォニル、ホスフィノ及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0033】
前記デバイスに用いることができる化合物の具体的且つ非限定的な例を示す。1つの態様においては、化合物は、前記化合物1〜50からなる群から選択される。
【0034】
1つの態様においては、前記有機層が発光層であり、前記化合物が発光性ドーパントである。他の態様においては、前記有機層は、ホストを更に含む。前記ホストは、下記からなる群から選択される化学基の少なくとも1つを含む化合物であることが好ましい。
【化16】
【0035】
R’’’
1、R’’’
2、R’’’
3、R’’’
4、R’’’
5、R’’’
6及びR’’’
7は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルフォニル、ホスフィノ及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。kは、0から20の整数である。X
1、X
2、X
3、X
4、X
5、X
6、X
7及びX
8は、それぞれ独立して、CH及びNからなる群から選択される。
【0036】
更に他の態様においては、前記ホストは、金属錯体である。更なる態様においては、前記金属錯体は、下記からなる群から選択される。
【化17】
【0037】
(O−N)は、原子O及びNに配位された金属を有する二座配位子である。Lは補助配位子である。mは、1から金属に結合し得る配位子の最大数までの整数値である。前記ホストは、金属8−ヒドロキシキノレートであることが好ましい。
【0038】
1つの態様においては、前記第1のデバイスは、消費者製品である。他の態様においては、前記第1のデバイスは、有機発光デバイスである。
【発明を実施するための形態】
【0042】
概して、OLEDは、アノード及びカソードの間に配置され、それらと電気的に接続された少なくとも1つの有機層を含む。電流が印加されると、アノードが正孔を注入し、カソードが電子を有機層(複数可)に注入する。注入された正孔及び電子は、逆帯電した電極にそれぞれ移動する。電子及び正孔が同じ分子上に局在する場合、励起エネルギー状態を有する局在電子正孔対である「励起子」が形成される。光は、励起子が緩和した際に、発光機構を介して放出される。いくつかの事例において、励起子はエキシマー又はエキサイプレックス上に局在し得る。熱緩和等の無輻射機構が発生する場合もあるが、概して望ましくないとみなされている。
【0043】
初期のOLEDは、例えば、参照によりその全体が組み込まれる米国特許第4,769,292号において開示されている通り、その一重項状態から光を放出する発光分子(「蛍光」)を使用していた。蛍光発光は、概して、10ナノ秒未満の時間枠で発生する。
【0044】
ごく最近では、三重項状態から光を放出する発光材料(「リン光」)を有するOLEDが実証されている。参照によりその全体が組み込まれる、Baldoら、「Highly Efficient Phosphorescent Emission from Organic Electroluminescent Devices」、395巻、151〜154、1998;(「Baldo−I」)及びBaldoら、「Very high−efficiency green organic light emitting devices based on electrophosphorescence」、Appl.Phys.Lett.、75巻、3号、4〜6(1999)(「Baldo−II」)。リン光については、参照により組み込まれる米国特許第7,279,704号5〜6段において更に詳細に記述されている。
【0045】
図1は、有機発光デバイス100を示す。図は必ずしも一定の縮尺ではない。デバイス100は、基板110、アノード115、正孔注入層120、正孔輸送層125、電子ブロッキング層130、放出層135、正孔ブロッキング層140、電子輸送層145、電子注入層150、保護層155及びカソード160を含み得る。カソード160は、第一の導電層162及び第二の導電層164を有する複合カソードである。デバイス100は、記述されている層を順に堆積させることによって製作され得る。これらの種々の層の特性及び機能並びに材料例は、参照により組み込まれるUS7,279,704、6〜10段において更に詳細に記述されている。
【0046】
これらの層のそれぞれについて、更なる例が利用可能である。例えば、フレキシブル及び透明基板−アノードの組合せは、参照によりその全体が組み込まれる米国特許第5、844、363号において開示されている。p−ドープされた正孔輸送層の例は、参照によりその全体が組み込まれる米国特許出願公開第2003/0230980号において開示されている通りの、50:1のモル比でm−MTDATAをF.置換(sub).4−TCNQにドープしたものである。発光材料及びホスト材料の例は、参照によりその全体が組み込まれるThompsonらの米国特許第6,303,238号において開示されている。n−ドープされた電子輸送層の例は、参照によりその全体が組み込まれる米国特許出願公開第2003/0230980号において開示されている通りの、1:1のモル比でBPhenにLiをドープしたものである。参照によりその全体が組み込まれる米国特許第5,703,436号及び同第5,707,745号は、上を覆う透明の、導電性の、スパッタリング蒸着したITO層を持つMg:Ag等の金属の薄層を有する化合物カソードを含むカソードの例を開示している。ブロッキング層の理論及び使用は、参照によりその全体が組み込まれる米国特許第6,097,147号及び米国特許出願公開第2003/0230980号において更に詳細に記述されている。注入層の例は、参照によりその全体が組み込まれる米国特許出願公開第2004/0174116号において提供されている。保護層についての記述は、参照によりその全体が組み込まれる米国特許出願公開第2004/0174116号において見ることができる。
【0047】
図2は、反転させたOLED200を示す。デバイスは、基板210、カソード215、放出層220、正孔輸送層225、及びアノード230を含む。デバイス200は、記述されている層を順に堆積させることによって製作され得る。最も一般的なOLED構成はアノードの上に配置されたカソードを有し、デバイス200はアノード230の下に配置されたカソード215を有するため、デバイス200は「反転させた」OLEDと称されることがある。デバイス100に関して記述されたものと同様の材料を、デバイス200の対応する層において使用してよい。
図2は、いくつかの層が如何にしてデバイス100の構造から省略され得るかの一例を提供するものである。
【0048】
図1及び2において例証されている単純な層構造は、非限定的な例として提供されるものであり、本発明の実施形態は多種多様な他の構造に関連して使用され得ることが理解される。記述されている特定の材料及び構造は、事実上例示的なものであり、他の材料及び構造を使用してよい。機能的なOLEDは、記述されている種々の層を様々な手法で組み合わせることによって実現され得るか、又は層は、設計、性能及びコスト要因に基づき、全面的に省略され得る。具体的には記述されていない他の層も含まれ得る。具体的に記述されているもの以外の材料を使用してよい。本明細書において提供されている例の多くは、単一材料を含むものとして種々の層を記述しているが、ホスト及びドーパントの混合物等の材料の組合せ、又はより一般的には混合物を使用してよいことが理解される。また、層は種々の副層を有してもよい。本明細書における種々の層に与えられている名称は、厳しく限定することを意図するものではない。例えば、デバイス200において、正孔輸送層225は正孔を輸送し、正孔を放出層220に注入し、正孔輸送層又は正孔注入層として記述され得る。一実施形態において、OLEDは、カソード及びアノードの間に配置された「有機層」を有するものとして記述され得る。有機層は単層を含んでいてよく、又は、例えば
図1及び2に関して記述されている通りの異なる有機材料の多層を更に含んでいてよい。
【0049】
参照によりその全体が組み込まれるFriendらの米国特許第5,247,190号において開示されているもののようなポリマー材料で構成されるOLED(PLED)等、具体的には記述されていない構造及び材料を使用してもよい。更なる例として、単一の有機層を有するOLEDが使用され得る。OLEDは、例えば、参照によりその全体が組み込まれるForrestらの米国特許第5,707,745号において記述されている通り、積み重ねられてよい。OLED構造は、
図1及び2において例証されている単純な層構造から逸脱してよい。例えば、基板は、参照によりその全体が組み込まれる、Forrestらの米国特許第6,091,195号において記述されている通りのメサ構造及び/又はBulovicらの米国特許第5,834,893号において記述されている通りのくぼみ構造等、アウトカップリングを改良するための角度のついた反射面を含み得る。
【0050】
別段の規定がない限り、種々の実施形態の層のいずれも、任意の適切な方法によって堆積され得る。有機層について、好ましい方法は、参照によりその全体が組み込まれる米国特許第6,013,982号及び同第6,087,196号において記述されているもの等の熱蒸着、インクジェット、参照によりその全体が組み込まれるForrestらの米国特許第6,337,102号において記述されているもの等の有機気相堆積(OVPD)、並びに参照によりその全体が組み込まれる米国特許出願第10/233,470号において記述されているもの等の有機気相ジェットプリンティング(OVJP)による堆積を含む。他の適切な堆積法は、スピンコーティング及び他の溶液ベースのプロセスを含む。溶液ベースのプロセスは、好ましくは、窒素又は不活性雰囲気中で行われる。他の層について、好ましい方法は熱蒸着を含む。好ましいパターニング法は、参照によりその全体が組み込まれる米国特許第6,294,398号及び同第6,468,819号において記述されているもの等のマスク、冷間圧接を経由する堆積、並びにインクジェット及びOVJD等の堆積法のいくつかに関連するパターニングを含む。他の方法を使用してもよい。堆積する材料は、特定の堆積法と適合するように修正され得る。例えば、分枝鎖状又は非分枝鎖状であり、且つ好ましくは少なくとも3個の炭素を含有するアルキル及びアリール基等の置換基は、溶液プロセシングを受ける能力を増強するために、小分子において使用され得る。20個以上の炭素を有する置換基を使用してよく、3〜20個の炭素が好ましい範囲である。非対称構造を持つ材料は、対称構造を有するものよりも良好な溶液プロセス性を有し得、これは、非対称材料のほうが再結晶する傾向が低くなり得るからである。溶液プロセシングを受ける小分子の能力を増強するために、デンドリマー置換基が使用され得る。
【0051】
本発明の実施形態に従って製作されたデバイスは、フラットパネルディスプレイ、コンピュータモニター、テレビ、掲示板、屋内若しくは屋外照明及び/又は信号送信用のライト、ヘッドアップディスプレイ、完全透明ディスプレイ、フレキシブルディスプレイ、レーザープリンター、電話、携帯電話、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、ラップトップコンピュータ、デジタルカメラ、カムコーダー、ファインダー、マイクロディスプレイ、車、大面積壁、劇場又はスタジアムのスクリーン、或いは看板を含む多種多様な消費者製品に組み込まれ得る。パッシブマトリックス及びアクティブマトリックスを含む種々の制御機構を使用して、本発明に従って製作されたデバイスを制御することができる。デバイスの多くは、摂氏18度から摂氏30度、より好ましくは室温(摂氏20〜25度)等、ヒトに快適な温度範囲内での使用が意図されている。
【0052】
本明細書において記述されている材料及び構造は、OLED以外のデバイスにおける用途を有し得る。例えば、有機太陽電池及び有機光検出器等の他の光電子デバイスが、該材料及び構造を用い得る。より一般的には、有機トランジスタ等の有機デバイスが、該材料及び構造を用い得る。
【0053】
ハロ、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリルキル、複素環式基、アリール、芳香族基及びヘテロアリールの用語は当技術分野において公知であり、参照により本明細書に組み込まれるUS7,279,704の31〜32段において定義されている。
【0054】
ゲルマニウムを含有する新規な有機金属錯体が提供される。特に、前記化合物は、キノリン又はイソキノリン環上に、ゲルマニウムを含有する置換基を含む2−フェニルキノリン、1−フェニルイソキノリン、又は3−フェニルイソキノリンのIr錯体である。これらの化合物は、係るデバイスの発光層中の有機発光、特に赤色発光体として、有利に用いることができる。
【0055】
本明細書中に提供される化合物は、キノリン又はイソキノリン部分とフェニル部分とを有する配位子(即ち、(iso)pq配位子)を含む。(iso)pq配位子を含む化合物は、これまで文献に報告されている。例えば、米国出願第12/944,437号参照。(iso)pq配位子は、赤色発光を提供することがよく知られている。しかしながら、高効率で高精彩の赤色発光体が依然として必要とされている。
【0056】
ゲルマニウム含有置換基を(iso)pq配位子に含ませることにより、当該化合物の望ましい赤色発光性を維持しつつ、デバイス性能及びデバイス特性(例えば、効率など)を上昇させることができる。何ら理論に拘束されるものではないが、ゲルマニウムが、ゲルマニウムアルキルのシグマ結合電子とキノリン又はイソキノリンパイ電子との間に超共役を有することができると考えられる。その結果、ゲルマニウム含有(iso)pq配位子を含む化合物の内部発光(PL)量子収量がより高くなる。そのため、ゲルマニウム含有置換基を化合物の(iso)pq配位子に付加させることにより、デバイス効率が改善しデバイス性能が向上する。
【0057】
前記ゲルマニウムを含有する置換基を有する2−フェニルキノリン、1−フェニルイソキノリン、及び/又は3−フェニルイソキノリンのIr錯体は、有機発光デバイスに有利に用いることができる。特に、これらの化合物は、係るデバイスの発光層における商業的な赤色発光体として用いることができる。
【0058】
キノリン又はイソキノリン上に、ゲルマニウム含有置換基を含む(iso)pq配位子を含む有機金属錯体が提供される。前記化合物は、式M(L)
x(L
1)
y(L
2)
zを有する。
【0059】
配位子Lは、下記の式Iである。
【化18】
配位子L
1は、下記の式IIである。
【化19】
配位子L
2は、補助配位子である。L、L
1、及びL
2は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。Mは、40超の原子番号を有する金属である。xは、1、2、又は3である。yは、0、1、又は2である。zは、0、1、又は2である。x+y+zは、金属Mの酸化状態である。Rは、Geを含む置換基で更に置換されている縮合炭素環又はヘテロ環である。A、B、及びCは、それぞれ独立して、5員又は6員の炭素環又はヘテロ環である。R
A、R
B、及びR
Cは、モノ、ジ、トリ、又はテトラ置換を表す。R
A、R
B、及びR
Cは、それぞれ独立して、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルフォニル、ホスフィノ及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。R
A、R
B、及びR
Cのうち隣接する置換基は、結合して縮合環を形成していてもよい。配位子Lは、金属Mに二座配位している。Mは、Irであることが好ましい。
【0060】
1つの態様においては、L
2は、モノアニオン性二座配位子である。他の態様においては、L
2は、下記の式の配位子である。
【化20】
R
1、R
2、及びR
3は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルフォニル、ホスフィノ及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0061】
1つの態様においては、Geは、縮合炭素環又はヘテロ環Rに直接結合している。
【0062】
1つの態様においては、前記化合物は、下記の式を有する。
【化21】
【0063】
R’、R’’、及びR’’’は、それぞれ独立して、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択される。R
1、R
2、R
3、R
4、R
5及びR
6は、独立して、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルフォニル、ホスフィノ及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。mは、1、2、又は3である。
【0064】
更に他の態様においては、前記化合物は、下記の式を有する。
【化22】
【0065】
R’、R’’、及びR’’’は、それぞれ独立して、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択される。R
1、R
2、R
3、R
4、R
5及びR
6は、独立して、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルフォニル、ホスフィノ及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。mは、1、2、又は3である。
【0066】
更なる態様においては、前記化合物は、下記の式を有する。
【0067】
R’、R’’、及びR’’’は、それぞれ独立して、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択される。R
1、R
2、R
3、R
4、R
5及びR
6は、独立して、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルフォニル、ホスフィノ及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。mは、1、2、又は3である。
【0068】
1つの態様においては、R’、R’’、及びR’’’は、それぞれ同一である。他の態様においては、R’、R’’、及びR’’’は、それぞれ3個以下の炭素原子を有するアルキル基である。更に他の態様においては、R’、R’’、及びR’’’は、それぞれ異なる。
【0069】
1つの態様においては、前記化合物は、ホモレプティックである。他の態様においては、前記化合物は、ヘテロレプティックである。
【0070】
ゲルマニウム含有材料の具体的且つ非限定的な例を示す。1つの態様においては、前記化合物は、下記からなる群から選択される。
【化23】
【化24】
【化25】
【化26】
【化27】
【化28】
【0071】
更に、有機発光デバイスを含む第1のデバイスも提供される。前記有機発光デバイスは、アノードと、カソードと、前記アノードと前記カソードとの間に配置された有機層とを更に含む。前記有機層は、式M(L)
x(L
1)
y(L
2)
zを有する化合物を含む。
【0072】
配位子Lは、下記の式Iである。
【化29】
【0073】
配位子L
1は、下記の式IIである。
【化30】
【0075】
L、L
1、及びL
2は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。Mは、40超の原子番号を有する金属である。xは、1、2、又は3である。yは、0、1、又は2である。zは、0、1、又は2である。x+y+zは、金属Mの酸化状態である。Rは、Geを含む置換基で更に置換されている縮合炭素環又はヘテロ環である。A、B、及びCは、それぞれ独立して、5員又は6員の炭素環又はヘテロ環である。R
A、R
B、及びR
Cは、モノ、ジ、トリ、又はテトラ置換を表す。R
A、R
B、及びR
Cは、それぞれ独立して、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルフォニル、ホスフィノ及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。R
A、R
B、及びR
Cのうち隣接する置換基は、結合して縮合環を形成していてもよい。配位子Lは、金属Mに二座配位している。
【0076】
1つの態様においては、L
2は、下記の式の配位子である。
【化31】
R
1、R
2、及びR
3は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルフォニル、ホスフィノ及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0077】
1つの態様においては、Geは、縮合炭素環又はヘテロ環に直接結合している。
【0078】
1つの態様においては、前記化合物は、下記の式を有する。
【化32】
【0079】
R’、R’’、及びR’’’は、それぞれ独立して、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択される。R
1、R
2、R
3、R
4、R
5及びR
6は、独立して、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルフォニル、ホスフィノ及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。mは、1、2、又は3である。
【0080】
更に他の態様においては、前記化合物は、下記の式を有する。
【化33】
【0081】
R’、R’’、及びR’’’は、それぞれ独立して、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択される。R
1、R
2、R
3、R
4、R
5及びR
6は、独立して、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルフォニル、ホスフィノ及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。mは、1、2、又は3である。
【0082】
更なる態様においては、前記化合物は、下記の式を有する。
【0083】
R’、R’’、及びR’’’は、それぞれ独立して、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択される。R
1、R
2、R
3、R
4、R
5及びR
6は、独立して、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルフォニル、ホスフィノ及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。mは、1、2、又は3である。
【0084】
1つの態様においては、R’、R’’、及びR’’’は、それぞれ同一である。他の態様においては、R’、R’’、及びR’’’は、それぞれ3個以下の炭素原子を有するアルキル基である。更に他の態様においては、R’、R’’、及びR’’’は、それぞれ異なる。
【0085】
前記デバイスに用いることができる化合物の具体的且つ非限定的な例を示す。1つの態様においては、化合物は、前記化合物1〜50からなる群から選択される。
【0086】
1つの態様においては、前記有機層が発光層であり、前記化合物が発光性ドーパントである。他の態様においては、前記有機層は、ホストを更に含む。前記ホストは、下記からなる群から選択される化学基の少なくとも1つを含む化合物であることが好ましい。
【化34】
【0087】
R’’’
1、R’’’
2、R’’’
3、R’’’
4、R’’’
5、R’’’
6及びR’’’
7は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルフォニル、ホスフィノ及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。kは、0から20の整数である。X
1、X
2、X
3、X
4、X
5、X
6、X
7及びX
8は、それぞれ独立して、CH及びNからなる群から選択される。
【0088】
更に他の態様においては、前記ホストは、金属錯体である。更なる態様においては、前記金属錯体は、下記からなる群から選択される。
【化35】
【0089】
(O−N)は、原子O及びNに配位された金属を有する二座配位子である。Lは補助配位子である。mは、1から金属に結合し得る配位子の最大数までの整数値である。前記ホストは、金属8−ヒドロキシキノレートであることが好ましい。
【0090】
1つの態様においては、前記第1のデバイスは、消費者製品である。他の態様においては、前記第1のデバイスは、有機発光デバイスである。
【0091】
他の材料との組合せ
有機発光デバイス中の特定の層に有用として本明細書において記述されている材料は、デバイス中に存在する多種多様な他の材料と組み合わせて使用され得る。例えば、本明細書において開示されている発光性ドーパントは、多種多様なホスト、輸送層、ブロッキング層、注入層、電極、及び存在し得る他の層と併せて使用され得る。以下で記述又は参照される材料は、本明細書において開示されている化合物と組み合わせて有用となり得る材料の非限定的な例であり、当業者であれば、組み合わせて有用となり得る他の材料を特定するための文献を容易に閲覧することができる。
HIL/HTL:
【0092】
本発明の実施形態において使用される正孔注入/輸送材料は特に限定されず、その化合物が正孔注入/輸送材料として典型的に使用されるものである限り、任意の化合物を使用してよい。材料の例は、フタロシアニン又はポルフィリン誘導体;芳香族アミン誘導体;インドロカルバゾール誘導体;フッ化炭化水素を含有するポリマー;伝導性ドーパントを持つポリマー;PEDOT/PSS等の導電性ポリマー;ホスホン酸及びシラン誘導体等の化合物に由来する自己組織化モノマー;MoO
x等の金属酸化物誘導体;1,4,5,8,9,12−ヘキサアザトリフェニレンヘキサカルボニトリル等のp型半導体有機化合物;金属錯体、並びに架橋性化合物を含むがこれらに限定されない。
【0093】
HIL又はHTL中に使用される芳香族アミン誘導体の例は、下記の一般構造:
【化36】
を含むがこれらに限定されない。
【0094】
Ar
1からAr
9のそれぞれは、ベンゼン、ビフェニル、トリフェニル、トリフェニレン、ナフタレン、アントラセン、フェナレン、フェナントレン、フルオレン、ピレン、クリセン、ペリレン、アズレン等の芳香族炭化水素環式化合物からなる群;ジベンゾチオフェン、ジベンゾフラン、ジベンゾセレノフェン、フラン、チオフェン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ベンゾセレノフェン、カルバゾール、インドロカルバゾール、ピリジルインドール、ピロロジピリジン、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール、オキサゾール、チアゾール、オキサジアゾール、オキサトリアゾール、ジオキサゾール、チアジアゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジン、オキサジン、オキサチアジン、オキサジアジン、インドール、ベンズイミダゾール、インダゾール、インドキサジン、ベンゾオキサゾール、ベンズイソオキサゾール、ベンゾチアゾール、キノリン、イソキノリン、シンノリン、キナゾリン、キノキサリン、ナフチリジン、フタラジン、プテリジン、キサンテン、アクリジン、フェナジン、フェノチアジン、フェノキサジン、ベンゾフロピリジン、フロジピリジン、ベンゾチエノピリジン、チエノジピリジン、ベンゾセレノフェノピリジン及びセレノフェノジピリジン等の芳香族複素環式化合物からなる群;並びに芳香族炭化水素環式基及び芳香族複素環式基から選択される同じ種類又は異なる種類の基である2から10個の環式構造単位からなる群から選択され、且つ、直接的に、又は酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ケイ素原子、リン原子、ホウ素原子、鎖構造単位及び脂肪族環式基の少なくとも1つを介して、互いに結合している。ここで、各Arは、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルフォニル、ホスフィノ及びこれらの組み合わせからなる群から選択される置換基によって更に置換されている。
【0095】
一態様において、Ar
1からAr
9は、
【化37】
からなる群から独立に選択される。
【0096】
kは1から20までの整数であり;X
1からX
8はCH又はNであり;Ar
1は、上記で定義したものと同じ基を有する。
【0097】
HIL又はHTL中に使用される金属錯体の例は、下記の一般式:
【化38】
を含むがこれに限定されない。
【0098】
Mは、40より大きい原子量を有する金属であり;(Y
1−Y
2)は二座配位子であり、Y
1及びY
2は、C、N、O、P及びSから独立に選択され;Lは補助配位子であり;mは、1から金属に付着し得る配位子の最大数までの整数値であり;且つ、m+nは、金属に付着し得る配位子の最大数である。
【0099】
一態様において、(Y
1−Y
2)は2−フェニルピリジン誘導体である。
【0100】
別の態様において、(Y
1−Y
2)はカルベン配位子である。
【0101】
別の態様において、Mは、Ir、Pt、Os及びZnから選択される。
【0102】
更なる態様において、金属錯体は、Fc
+/Fcカップルに対して、溶液中で約0.6V未満の最小酸化電位を有する。
ホスト:
【0103】
本発明の幾つかの実施形態における有機ELデバイスの発光層は、発光材料として少なくとも金属錯体を含むことが好ましく、前記金属錯体をドーパント材料として用いるホスト材料を含んでいてもよい。前記ホスト材料の例は、特に限定されず、ホストの三重項エネルギーがドーパントのものより大きい限り、任意の金属錯体又は有機化合物を使用してよい。
【0104】
ホスト材料として使用される金属錯体の例は、下記の一般式:
【化39】
を有することが好ましい。
【0105】
Mは金属であり;(Y
3−Y
4)は二座配位子であり、Y
3及びY
4は、C、N、O、P及びSから独立に選択され;Lは補助配位子であり;mは、1から金属に付着し得る配位子の最大数までの整数値であり;且つ、m+nは、金属に付着し得る配位子の最大数である。
【0106】
一態様において、金属錯体は、
【化40】
である。
【0107】
(O−N)は、原子O及びNに配位された金属を有する二座配位子である。
【0108】
別の態様において、Mは、Ir及びPtから選択される。
【0109】
更なる態様において、(Y
3−Y
4)はカルベン配位子である。
【0110】
ホスト材料として使用される有機化合物の例は、ベンゼン、ビフェニル、トリフェニル、トリフェニレン、ナフタレン、アントラセン、フェナレン、フェナントレン、フルオレン、ピレン、クリセン、ペリレン、アズレン等の芳香族炭化水素環式化合物からなる群;ジベンゾチオフェン、ジベンゾフラン、ジベンゾセレノフェン、フラン、チオフェン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ベンゾセレノフェン、カルバゾール、インドロカルバゾール、ピリジルインドール、ピロロジピリジン、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール、オキサゾール、チアゾール、オキサジアゾール、オキサトリアゾール、ジオキサゾール、チアジアゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジン、オキサジン、オキサチアジン、オキサジアジン、インドール、ベンズイミダゾール、インダゾール、インドキサジン、ベンゾオキサゾール、ベンズイソオキサゾール、ベンゾチアゾール、キノリン、イソキノリン、シンノリン、キナゾリン、キノキサリン、ナフチリジン、フタラジン、プテリジン、キサンテン、アクリジン、フェナジン、フェノチアジン、フェノキサジン、ベンゾフロピリジン、フロジピリジン、ベンゾチエノピリジン、チエノジピリジン、ベンゾセレノフェノピリジン及びセレノフェノジピリジン等の芳香族複素環式化合物からなる群;並びに芳香族炭化水素環式基及び芳香族複素環式基から選択される同じ種類又は異なる種類の基であり、且つ、直接的に、又は酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ケイ素原子、リン原子、ホウ素原子、鎖構造単位及び脂肪族環式基の少なくとも1つを介して互いに結合している2から10個の環式構造単位からなる群から選択される材料を含む。各基は、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルフォニル、ホスフィノ及びこれらの組み合わせからなる群から選択される置換基によって更に置換されている。
【0111】
一態様において、ホスト化合物は、分子中に下記の群:
【化41】
の少なくとも1つを含有する。
【0112】
R
1からR
7は、独立して、水素、重水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択され、それがアリール又はヘテロアリールである場合、上記で言及したArのものと同様の定義を有する。
【0114】
X
1からX
8はCH又はNから選択される。
HBL:
【0115】
正孔ブロッキング層(HBL)を使用して、発光層から出る正孔及び/又は励起子の数を低減させることができる。デバイスにおけるそのようなブロッキング層の存在は、ブロッキング層を欠く同様のデバイスと比較して大幅に高い効率をもたらし得る。また、ブロッキング層を使用して、発光をOLEDの所望の領域に制限することもできる。
【0116】
一態様において、前記HBL中に使用される前記化合物は、上述したホストとして使用されるものと同じ分子を含有する。
【0117】
別の態様において、前記HBL中に使用される前記化合物は、分子中に下記の群:
【化42】
の少なくとも1つを含有する。
【0118】
kは0から20までの整数であり;Lは補助配位子であり、mは1から3までの整数である。
ETL:
【0119】
電子輸送層(ETL)は、電子を輸送することができる材料を含み得る。電子輸送層は、真性である(ドープされていない)か、又はドープされていてよい。ドーピングを使用して、伝導性を増強することができる。ETL材料の例は特に限定されず、電子を輸送するために典型的に使用されるものである限り、任意の金属錯体又は有機化合物を使用してよい。
【0120】
一態様において、前記ETL中に使用される前記化合物は、分子中に下記の群:
【化43】
の少なくとも1つを含有する。
【0121】
R
1は、水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択され、それがアリール又はヘテロアリールである場合、上記で言及したArのものと同様の定義を有する。
【0122】
Ar
1からAr
3は、上記で言及したArのものと同様の定義を有しする。
【0124】
X
1からX
8はCH又はNから選択される。
【0125】
別の態様において、前記ETL中に使用される金属錯体は、下記の一般式:
【化44】
を含有するがこれらに限定されない。
【0126】
(O−N)又は(N−N)は、原子O、N又はN、Nに配位された金属を有する二座配位子であり;Lは補助配位子であり;mは、1から金属に付着し得る配位子の最大数までの整数値である。
【0127】
OLEDデバイスの各層中に使用される任意の上記で言及した化合物において、水素原子は、部分的に又は完全に重水素化されていてよい。
【0128】
本明細書において開示されている材料に加えて且つ/又はそれらと組み合わせて、多くの正孔注入材料、正孔輸送材料、ホスト材料、ドーパント材料、励起子/正孔ブロッキング層材料、電子輸送及び電子注入材料がOLEDにおいて使用され得る。OLED中で本明細書において開示されている材料と組み合わせて使用され得る材料の非限定的な例を、以下の表2に収載する。表2は、材料の非限定的なクラス、各クラスについての化合物の非限定的な例、及び該材料を開示している参考文献を収載する。
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【表1-4】
【表1-5】
【表1-6】
【表1-7】
【表1-8】
【表1-9】
【表1-10】
【表1-11】
【表1-12】
【表1-13】
【表1-14】
【表1-15】
【表1-16】
【表1-17】
【表1-18】
【実施例】
【0129】
化合物実施例
実施例1 化合物31の合成
【化45】
【0130】
(2−アミノ−6−ブロモフェニル)メタノールの合成。500mLの2つ口丸底フラスコ内において2−アミノ−5−ブロモ安息香酸(25.0g、113mmol)を無水THF120mLに溶解させた。溶液を氷水浴で冷却した。次いで、1.0M水素化アルミニウムリチウム(LAH)THF溶液170mLを滴下した。LAHを全て添加した後、反応混合物を室温まで加温し、一晩室温で撹拌した。約10mLの水を前記反応混合物に添加し、次いで、7gの15%NaOHを添加した。更に20gの水を前記反応混合物に添加した。有機THF相をデカントし、固体に約200mLの酢酸エチルを添加し、撹拌した。酢酸エチル有機部分とTHF部分とを合わせ、乾燥剤としてNa
2SO
4を添加した。混合物を濾過し、蒸発させた。次の工程の反応用に更に精製することなしに約20gの黄色の固体が得られた。
【化46】
【0131】
6−ブロモ−2−(3,5−ジメチルフェニル)キノリンの合成。(2−アミノ−5−ブロモフェニル)メタノール(22g、109mmol)、3,5−ジメチルアセトフェノン(24.2g、163mmol)、RuCl
2(PPh
3)
3(1.05g、1.09mmol)、KOH(11.0g、196mmol)を18時間トルエン270mL中で還流させた。ディーン・スタークトラップを用いて反応物から水を回収した。反応混合物を室温まで冷却し、シリカゲルプラグで濾過し、ヘキサン中5%酢酸エチルで溶出した。クーゲルロール蒸留によって生成物を更に精製し、メタノールから結晶化させた。
【化47】
【0132】
2−(3,5−ジメチルフェニル)−6−(トリメチルゲルミル)キノリンの合成。6−ブロモ−2−(3,5−ジメチルフェニル)キノリン(6.0g、19.2mmol)及び無水THF150mLを乾燥2つ口丸底フラスコに添加し、−78℃まで冷却した。8.46mLのBuLi(ヘキサン中2.5M)を滴下した。溶液を−78℃で45分間撹拌し、2.83mL(23.06mmol)のクロロトリメチルゲルマンをシリンジでゆっくりと添加した。溶液を一晩撹拌した。反応混合物をカラム(ヘキサン中5%酢酸エチル)及び蒸留によって精製した。ヘキサンから再結晶化させた後、約4.1gの白色固体が得られた。GC−MSによって所望の生成物が確認された。
【化48】
【0133】
イリジウム二量体の合成。2−(3,5−ジメチルフェニル)−6−(トリメチルゲルミル)キノリン(2.4g、6.86mmol)、IrCl
3水和物(0.635g、1.74mmol)、2−エトキシエタノール60mL、及び水20mLを丸底フラスコに入れた。反応混合物を窒素下で一晩加熱還流させた。反応混合物を冷却し、濾過した。固体をメタノールで洗浄し、乾燥させた。次の工程の反応用に約1.1gの二量体が得られた。
【化49】
【0134】
化合物31の合成。前の工程で得られた二量体(1.1g、0.594mmol)、Na
2CO
3(0.63g、5.94mmol)、ペンタン−2,4−ジオン(0.595g、5.94mmol)及び2−エトキシエタノール約70mLを丸底フラスコに添加した。反応混合物を24時間室温で撹拌した。溶出剤としてヘキサン中15%酢酸エチルを用いてシリカカラムクロマトグラフィーにかけた後、0.6gの最終生成物が得られた。化合物をLC−MSによって確認した。
【0135】
実施例2. 化合物1の合成
【化50】
【0136】
(2−アミノ−6−ブロモフェニル)メタノールの合成。500mLの2つ口丸底フラスコ内において2−アミノ−5−ブロモ安息香酸(25.0g、113mol)を無水THF120mLに溶解させた。溶液を氷水浴で冷却した。1.0M水素化アルミニウムリチウム(LAH)THF溶液170mLを滴下した。LAHを全て添加した後、反応混合物を室温まで加温し、一晩室温で撹拌した。約10mLの水を前記反応混合物に添加し、次いで、7gの15%NaOHを添加した。更に20gの水を前記反応混合物に添加した。有機THF相をデカントし、固体に約200mLの酢酸エチルを添加し、撹拌した。酢酸エチル有機部分とTHF部分とを合わせ、乾燥剤としてNa
2SO
4を添加した。混合物を濾過し、蒸発させた。次の工程の反応用に更に精製することなしに約20gの黄色の固体が得られた。
【化51】
【0137】
6−ブロモ−2−(3,5−ジメチルフェニル)キノリンの合成。(2−アミノ−5−ブロモフェニル)メタノール(22g、109mmol)、3,5−ジメチルアセトフェノン(24.2g、163mmol)、RuCl
2(PPh
3)
3(1.05g、1.09mmol)、KOH(11.0g、196mmol)を18時間トルエン270mL中で還流させた。ディーン・スタークトラップを用いて反応物から水を回収した。反応混合物を室温まで冷却し、シリカゲルプラグで濾過し、ヘキサン中5%酢酸エチルで溶出した。クーゲルロール蒸留によって生成物を更に精製し、メタノールから結晶化させた。
【化52】
【0138】
2−(3,5−ジメチルフェニル)−6−(トリイソプロピルゲルミル)キノリンの合成。6−ブロモ−2−(3,5−ジメチルフェニル)キノリン(5.3g、16.98mmol)及び無水THF150mLを乾燥2つ口丸底フラスコに添加し、−78℃まで冷却した。7.2mLのBuLi(2.5M)を滴下した。溶液を45分間撹拌し、4.4mL(20.37mmol)のクロロトリイソプロピルゲルマンをシリンジでゆっくりと添加した。溶液を4時間撹拌し、反応が終了するまでGCによってモニタリングした。反応混合物をカラム及び蒸留によって精製した。蒸留後、約6.1gの無色の液体が得られた。GC−MSによって所望の生成物が確認された。
【0139】
化合物31と同様の方法で2−(3,5−ジメチルフェニル)−6−(トリイソプロピルゲルミル)キノリンをリガンドとして有する化合物1が合成された。
【0140】
化合物34の合成
【化53】
【0141】
(2−アミノ−6−ブロモフェニル)メタノールの合成。500mLの2つ口丸底フラスコ内において2−アミノ−6−ブロモ安息香酸(25.0g、116mol)を無水THF125mLに溶解させた。溶液を氷水浴で冷却した。次いで、1.0M水素化アルミニウムリチウム(LAH)THF溶液100mLを滴下した。LAHを全て添加した後、反応混合物を室温まで加温し、一晩室温で撹拌した。水7.7mLを前記反応混合物に添加し、次いで、7.7mLの15%NaOHを添加した。更に23gの水を前記反応混合物に添加した。スラリーを1時間室温で撹拌した。塩を濾取し、THFで洗浄した。合わせた濾液を濃縮して、(2−アミノ−6−ブロモフェニル)メタノール(21.6g、収率92%)を得た。
【化54】
【0142】
5−ブロモ−2−(3,5−ジメチルフェニル)キノリンの合成。(2−アミノ−6−クロロフェニル)メタノール(21.6g、107mmol、3,5−ジメチルアセトフェノン(19.01g、128mmol)、RuCl
2(PPh
3)
3(0.463g、0.535mmol)、KOH(4.04g、72.1mmol)を18時間トルエン265mL中で還流させた。ディーン・スタークトラップを用いて反応物から水を回収した。反応混合物を室温まで冷却し、シリカゲルプラグで濾過し、ジクロロメタンで溶出した。濾液を濃縮し、220℃で真空蒸留し、メタノールから結晶化させて、5−ブロモ−2−(3,5ジメチルフェニル)キノリン(10.4g、収率31.2%)を得た。
【化55】
【0143】
2−(3,5−ジメチルフェニル)−5−(トリメチルゲルミル)キノリンの合成。5−ブロモ−2−(3,5−ジメチルフェニル)キノリン(2.1g、6.73mmol)とテトラヒドロフラン(20mL)との混合物をドライアイスアセトン浴中で冷却し、n−ブチルリチウム(2.83mL、7.06mmol)を添加し、45分間撹拌した。クロロトリメチルゲルマン(0.997mL、1.24g、8.07mmol)を添加し、20分間撹拌した。ドライアイス浴を取り除き、反応物を一晩室温で撹拌した。反応をメタノールでクエンチした。混合物に、水及び3gのNH
4Clを添加し、前記混合物をジクロロメタンで抽出し、得られた残渣をシリカゲルカラム(ヘキサン:ジクロロメタン)でクロマトグラフィーにかけて、2−(3,5−ジメチルフェニル)−5−(トリメチルゲルミル)キノリン1.2g(収率51%)を得た。
【化56】
【0144】
2−(3,5−ジメチルフェニル)−5−(トリメチルゲルミル)キノリンイリジウムクロリド二量体の合成。2−(3,5−ジメチルフェニル)−5−トリメチルゲルミル)キノリン(1.2g、3.43mmol)、IrCl
3X H
2O(0.605g、1.63mmol)、2−エトキシエタノール(30mL)及び水(10.0mL)の混合物を一晩N
2下で還流させた。固体を濾取し、メタノールで洗浄して、2−(3,5−ジメチルフェニル)−5−(トリメチルゲルミル)キノリンイリジウムクロリド二量体を得た(0.54g、収率36%)。
【化57】
【0145】
化合物34の合成
【0146】
2−(3,5−ジメチルフェニル)−5−(トリメチルゲルミル)キノリンの合成。イリジウム二量体(0.54g、0.292mmol)、ペンタン−2,4−ジオン(0.292g、2.92mmol)、炭酸カリウム(0.40g、2.92mmol)及び2−エトキシエタノール(60mL)を一晩室温で撹拌した。固体を濾取し、メタノールで洗浄し、次いで、(トリエチルアミンで前処理したシリカゲルカラムで)クロマトグラフィーにかけた(95%:5%ヘキサン:ジクロロメタン)。得られた結晶を、ジクロロメタン及び2−プロパノールに再溶解させることによって再結晶化させ、次いで、ロータリーエバポレーターにかけることによってジクロロメタンを除去した。得られた結晶を240℃で高真空下にて昇華させて、化合物34を得た(0.20g、収率34.7%)。
【0147】
化合物17の合成
【化58】
【0148】
2−(3,5−ジメチルフェニル)−6−(トリエチルゲルミル)キノリンの合成。6−ブロモ−2−(3,5−ジメチルフェニル)キノリン(4.1g、13.13mmol)及び無水THF150mLを乾燥2つ口丸底フラスコに添加し、−78℃まで冷却した。6.3mLのn−ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M)を滴下した。溶液を−78℃で45分間撹拌し、4.55mL(26.3mmol)のクロロトリエチルゲルマンをシリンジでゆっくりと添加した。溶液を一晩撹拌した。反応混合物を、ヘキサン中5%酢酸エチルで溶出するシリカゲルカラムによって精製した。ヘキサンから再結晶化させた後、4.1gの白色固体(収率79.6%)を得た。GC−MSによって所望の生成物が確認された。
【化59】
【0149】
イリジウム二量体の合成。2−(3,5−ジメチルフェニル)−6−(トリエチルゲルミル)キノリン(4.1g、10.46mmol)、IrCl
3 3H
2O(1.21g、3.27mmol)、2−エトキシエタノール60mL及び水20mLを丸底フラスコに入れた。反応混合物を窒素下で一晩加熱還流させた。前記反応混合物を冷却し、濾過した。固体をメタノールで洗浄し、乾燥させた。次の工程の反応用に1.9gの二量体(57.5%)を得た。
【化60】
【0150】
化合物17の合成。前の工程で得られた二量体(1.9g、0.94mmol)及びNa
2CO
3(0.997g、9.4mmol)、ペンタン−2,4−ジオン(0.94g、9.4mmol)及び2−エトキシエタノール70mLを丸底フラスコに添加した。反応混合物を24時間室温で撹拌した。溶出剤としてDCM/ヘキサンを用いてシリカゲルカラム精製した後、1.8gの最終生成物(89%)が得られた。LC−MSによって化合物17が確認された。
デバイス実施例
【0151】
高真空(<10
−7Torr)熱蒸着によって全てのデバイス実施例を製造した。アノード電極は、1,200Åの酸化インジウムスズ(ITO)である。カソードは、10ÅのLiF、次いで、1,000ÅのAlからなっていた。製造直後に、全てのデバイスを窒素グローブボックス(<1ppmのH
2O及びO
2)内においてガラスの蓋を用いてエポキシ樹脂で封止して封入し、水分ゲッタをパッケージ内に入れた。
【0152】
デバイス実施例の有機積層は、順次、ITO表面(1,200Å)、正孔注入層(HIL)としての化合物A(100Å)、正孔輸送層(HTL)としての4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(α−NPD)(400Å)、発光層(EML)としての8重量%のIrリン光化合物をBalq(ホスト)にドープした本発明の化合物(300Å)、ETLとしてのAlq
3(トリス−8−ヒドロキシキノリンアルミニウム)(550Å)からなっていた。
【0153】
EMLにおいて発光体として化合物B又は化合物Cを用いたことを除いて、デバイス実施例と同様の方法で比較例を製造した。
【0154】
本明細書で使用する以下の化合物は、以下の構造を有する。
【化61】
【0155】
OLEDの発光層用として特別な発光ドーパントが提供される。これら化合物から、特に優れた性質を有するデバイスを得ることができる。
【0156】
デバイスの構造及び対応するデバイスのデータを表2に要約する。
【表2】
【0157】
表2から分かる通り、1,000ニットにおいて化合物31を含有するデバイス実施例1のEQEは、それぞれ化合物B又は化合物Cを含有する比較例1及び2よりも1%高い。これら結果は、化合物31が、化合物B又は化合物Cよりも効率的な赤色発光体であることを示す。更に、化合物31(60nm)及び化合物17(60nm)のELスペクトル半値全幅(FWHM)は、化合物B(62nm)及び化合物C(62nm)のFWHMよりも狭いが、化合物31、化合物17は、化合物Cと同程度の色CIEを有する。FWHMがより狭いことが、望ましいデバイスの性質である。
【0158】
更に、化合物31、34、及び17のピーク極大は、化合物の超共役に基づいて予測される通り、化合物Bと比べて数nmレッドシフトする。したがって、化合物31、34、及び17の色(CIE)は、化合物Bよりも飽和している。
【0159】
本明細書において記述されている種々の実施形態は、単なる一例としてのものであり、本発明の範囲を限定することを意図するものではないことが理解される。例えば、本明細書において記述されている材料及び構造の多くは、本発明の趣旨から逸脱することなく他の材料及び構造に置き換えることができる。したがって、特許請求されている通りの本発明は、当業者には明らかとなるように、本明細書において記述されている特定の例及び好ましい実施形態からの変形形態を含み得る。なぜ本発明が作用するのかについての種々の理論は限定を意図するものではないことが理解される。