(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
実行条件の成立を契機に、遊技者にとって有利な状態となる特賞状態を生起させるか否かの抽選を行い、当該抽選の結果を、電源から供給される電力によって動作する複数の電気部品を用いた演出処理によって遊技者に報知する遊技機であって、
主制御装置と、副制御装置と、N個(Nは、2以上の自然数)の電気部品とを備え、
前記主制御装置は、
前記実行条件の成立を契機に抽選を行う抽選手段と、
複数種類の演出態様のうちから前記抽選手段の抽選結果を報知する演出態様を決定する演出態様決定手段と、
前記演出態様決定手段で決定した演出態様の演出処理を前記副制御装置に実行させるための演出制御コマンドを前記副制御装置に送信する演出制御コマンド送信手段と、を備え、
前記副制御装置は、
前記演出制御コマンドに応じた演出処理に用いるM個(Mは、2≦M≦Nの自然数)の電気部品の動作を制御するための演出用制御データを記憶する演出用制御データ記憶手段と、
前記演出処理に係る電気部品の消費電流に係る情報を検出する電流情報検出手段と、
前記演出制御コマンドに対応する前記演出用制御データと、前記電流情報検出手段で検出した前記消費電流に係る情報とに基づいて同時に動作する複数の電気部品の総消費電流と予め設定された制限値とを比較し、該総消費電流が該制限値以下となるように各電気部品の動作を制御する動作制御手段と、を備え、
前記動作制御手段は、前記総消費電流が前記制限値以下となる場合に前記演出用制御データに係る情報を保持する制御データ保持部を有し、前記制御データ保持部が保持する前記演出用制御データに係る情報に基づいて各電気部品の動作を制御することを特徴とする遊技機。
【発明を実施するための形態】
【0024】
〔第1の実施の形態〕
以下、本発明の第1の実施の形態を図面に基づき説明する。
図1〜
図10は、本発明に係る遊技機の第1の実施の形態を示す図である。
本実施形態は、本発明に係る遊技機を、
図1に示すように、パチンコ機に適用したものである。
(遊技盤面の構成)
まず、
図1に基づき、本発明に係るパチンコ機の遊技盤面の構成を説明する。
ここで、
図1は、本発明に係るパチンコ機1の遊技盤面102の正面部を示す図である。なお、
図1は、特に説明に必要な部分を模式的に示した図である。
【0025】
図1に示すように、遊技盤面102のほぼ中央部には、演出画像を表示することが可能な演出図柄表示装置104が設けられている。演出図柄表示装置104は、複数の表示領域を有している。各表示領域では、独立して演出図柄の変動表示及び停止表示を行うことが可能となっている。そして、演出図柄表示装置104では、複数の表示領域で停止表示される演出図柄の組み合わせによって、当たり抽選の結果を表示する。
【0026】
演出図柄表示装置104の下方には、複数のステージが上下方向に段状に配設された構成の多段ステージ108が設けられている。多段ステージ108の各ステージには、遊技盤面102上を流下してくる遊技球の移動経路を変化させると共に、遊技球をより下段のステージへと誘導することが可能な誘導路が形成されている。また、演出図柄表示装置104の左側には、流入した遊技球を多段ステージ108の最上段のステージに放出させるワープ入口112が設けられている。
【0027】
演出図柄表示装置104の左側には、ワープ入口112のほぼ真下に、普通図柄始動ゲート122が設けられている。普通図柄始動ゲート122は、遊技球が通過すると、パチンコ機1内部の始動ゲートスイッチ(図示せず)の検出信号により遊技球の入賞を検知し、普通図柄による抽選の契機を与える。
多段ステージ108の下方には、始動入賞装置111が設けられている。始動入賞装置111は、第一始動入賞口111aと、第一始動入賞口111aの下側に設けられた第二始動入賞口111bとを有している。第一始動入賞口111aは、常時、遊技球が入賞可能となるように上向きに開口した入賞口(いわゆるヘソ)である。第二始動入賞口111bは、入賞確率を変更することが可能な電動役物(いわゆる電動チューリップ:普通電動役物)である。第二始動入賞口111bは、通常時は、遊技球が入賞することができないように閉止状態であるが、普通図柄による抽選に当選した場合、所定パターンで開放状態となって遊技球が入賞可能となる。
【0028】
始動入賞口111a,111bは、遊技球が入賞すると、パチンコ機1内部の始動入賞口スイッチ131a,131b(
図6参照)の検出信号により遊技球の入賞を検知し、当たり抽選の契機を与える。
始動入賞装置111の右側には、遊技状態表示装置107が設けられている。遊技状態表示装置107は、特別図柄表示部107aと、普通図柄表示部107bと、特別図柄始動情報記憶数表示部107cと、普通図柄始動情報記憶数表示部107dと、を有している。
【0029】
特別図柄表示部107aは、特別図柄の変動表示及び停止表示を行うことが可能となっている。そして、特別図柄表示部107aは、停止表示された特別図柄の態様によって、当たり抽選の結果を表示する。この際、特別図柄表示部107aは、第一始動入賞口111aへの遊技球の入賞を契機として行われた当たり抽選の結果及び第二始動入賞口111bへの遊技球の入賞を契機として行われた当たり抽選の結果を、それぞれ個別に表示する。
【0030】
普通図柄表示部107bは、普通図柄の変動表示及び停止表示を行うことが可能となっている。そして、普通図柄表示部107bは、停止表示された普通図柄の態様によって、普通図柄による抽選の結果を表示する。
特別図柄始動情報記憶数表示部107cは、連続して特別図柄及び演出図柄の変動表示を行うことが可能な回数(いわゆる、保留数)を表示する。この際、特別図柄始動情報記憶数表示部107cは、第一始動入賞口111aへの遊技球の入賞に基づく始動情報記憶数及び第二始動入賞口111bへの遊技球の入賞に基づく始動情報記憶数を、それぞれ個別に表示する。
普通図柄始動情報記憶数表示部107dは、連続して普通図柄の変動表示を行うことが可能な回数を表示する。
【0031】
始動入賞装置111の下方には、大入賞口115が設けられている。大入賞口115は、通常時は閉止状態であるが、当たり抽選によって特賞状態が生起された場合に、所定パターンで開放状態となり、遊技球が入賞可能となる。大入賞口115の開放動作は、所定の時間(例えば、30秒)経過するか、所定数(例えば10個等)の遊技球が入賞するまで(1ラウンド)継続する。また、大入賞口115の開放動作は、特賞状態の種類に応じて設定されたラウンド数だけ繰り返し行われる。そして、大入賞口115に遊技球が入賞すると、パチンコ機1内部の大入賞口スイッチ132(
図2参照)の検出信号により入賞した遊技球数が検出され、入賞した遊技球数に応じて賞球を払い出す。
【0032】
さらに、演出図柄表示装置104の右上方から右下方にかけて、電動役物300(第1の可動役物)が配設されている。電動役物300は、遊技盤面102において、常時、遊技者が視認することが可能な位置に配設されている。
さらに、演出図柄表示装置104の上面右側には、電動役物301(第2の可動役物)が配設され、演出図柄表示装置104の上面左側には、電動役物302(第3の可動役物)が配設されている。
【0033】
なお、電動役物300〜302は、遊技盤面102における遊技球の転動に影響を与えない位置に配設されている。
また、大入賞口115の下方であって遊技盤面102の最下方には、いずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を回収するためのアウト口110が設けられている。
なお、遊技盤面102においては、各入賞口に遊技球を導くように複数の釘(図示せず)が配置されている。
【0034】
(電動役物300の構成)
次に、
図2〜
図4に基づき、電動役物300の構成について説明する。
ここで、
図2(a)は、電動役物300の全体を水平移動させる移動機構の一例を示す図であり、(b)は、水平移動時の基準位置を検出する検出部の構成例を示す図である。また、
図3(a)は、電動役物300の形態変化に係る可動構成の一例を示す図であり、(b)は、形態変化時の基準位置を検出する検出部の構成例を示す図である。また、
図4(a)は、電動役物300を正面視した図であり、(b)は、形態変化後の電動役物300を正面視した図である。
【0035】
電動役物300は、
図2(a)に示すように、後述するリンク部材を介して連結された5つの発光部330a〜330eを有している。
各発光部には、LED等の発光手段が配設されている。また、各発光部は、所定の第一のモチーフ(本実施形態では、ハート形のモチーフ)で構成されている。
電動役物300は、さらに、ベース部材410と、モータM1を所定の回転方向で回転駆動することで、全体を水平方向に往復移動させることが可能な移動機構900とを有している。ベース部材410の略中心部には、モータM2が配設されている。モータM2は、その駆動軸(不図示)をベース部材410の裏面側から正面側に貫通させた状態で配設されている。また、モータM2の駆動軸におけるベース部材410の正面側には、後述するモータギア812が固定されている。
【0036】
移動機構900は、モータM1と、クランク部920と、ベース部材410に固定された固定軸930と、を有している。
クランク部920には、貫通孔921が設けられている。また、クランク部920には、モータM1の回転軸910に設けられたモータギア912が噛合(互いに噛み合うように嵌合)されるギア部922が設けられている。
【0037】
そして、ベース部材410に固定された固定軸930は、クランク部920の貫通孔921に挿通される。
これにより、モータM1を作動することによって、モータ回転軸910が回転駆動し、モータギア912が回転し、その回転力がギア部922を介してクランク部920に伝達され、クランク部920を介して、電動役物300が水平方向に移動される。
【0038】
具体的には、モータM1を作動すると、モータギア912を介してクランク部920が回転される。そして、クランク部920が回転されることによって、貫通孔921に挿通された固定軸930が、水平方向に移動される。これによって、
図2(a)の矢印に示す方向に、電動役物300の全体が移動される。
さらに、電動役物300は、
図2(b)に示すように、基板700と、基板700に設けられたフォトセンサ710と、クランク部920に突設されたセンサの被検出部であるインデックスリブ720とを有している。
【0039】
フォトセンサ710は、光を照射する光照射部と、光照射部から照射された光を受光する受光部とを有し、光照射部と受光部とは所定の間隙を空けて対向配置されている。
光照射部と受光部とインデックスリブ720とは、電動役物300の全体が基準位置にあるときに、インデックスリブ720が前記間隙内に挿入されると共に、光照射部から受光部へと射出される光を遮断可能に設けられている。
従って、演出制御装置150は、フォトセンサ710が遮光状態のときに、電動役物300が水平移動における基準位置にあることを検出することができる。
【0040】
さらに、電動役物300は、
図3(a)に示すように、上側可動部500と、下側可動部600と、上側動力伝達機構820と、下側動力伝達機構830とを有している。
上側可動部500は、上側第1リンク部材511と、上側第2リンク部材521とを有している。
下側可動部600は、下側第1リンク部材611と、下側第2リンク部材621とを有している。
また、上側第1リンク部材511の正面側には発光部330bが配設され、上側第2リンク部材521の正面側には発光部330cが配設されている。
また、下側第1リンク部材611の正面側には発光部330dが配設され、下側第2リンク部材621の正面側には発光部330eが配設されている。
【0041】
上側動力伝達機構820は、上側中継ギア821と、ギア822と、固定ギア823とを有している。
上側中継ギア821の軸芯部には、回転孔が設けられている。上側中継ギア821は、回転孔にベース部材410の上側第一回転軸412が挿通され、上側第一回転軸412に対して回転自在に配設されている。また、上側中継ギア821は、モータM2のモータギア812とギア822との間に配設され、モータギア812及びギア822のそれぞれに噛合している。
【0042】
下側動力伝達機構830は、下側第一中継ギア831aと、下側第二中継ギア831bと、ギア832と、固定ギア833と、を有している。
下側第一中継ギア831aの軸芯部には、回転孔が設けられている。下側第一中継ギア831aは、その回転孔にベース部材410のギア回転軸416が挿通され、ギア回転軸416に対して回転自在に配設されている。また、下側第一中継ギア831aは、モータM2のモータギア812と下側第二中継ギア831bとの間に配設され、モータギア812及び下側第二中継ギア831bのそれぞれに噛合している。
【0043】
下側第二中継ギア831bの軸芯部には、回転孔が設けられている。下側第二中継ギア831bは、その回転孔にベース部材410の下側第一回転軸413が挿通され、下側第一回転軸413に対して回転自在に配設されている。また、下側第二中継ギア831bは、下側第一中継ギア831aとギア832との間に配設され、下側第一中継ギア831a及びギア832のそれぞれに噛合している。
なお、図示しないが、ギア822とギア832とは、トルクリミッタによって所定のトルク以上のトルクがかかるまでは回転しないように構成されている。
【0044】
さらに、電動役物300は、
図3(b)に示すように、基板730と、基板730に設けられたフォトセンサ740と、下側第2リンク部材621に突設されたセンサの被検出部であるインデックスリブ750とを有している。
フォトセンサ740は、フォトセンサ710と同じ構成のセンサである。
フォトセンサ740の光照射部及び受光部と、インデックスリブ750とは、下側第2リンク部材621が基準位置にあるときに、インデックスリブ750が前記間隙内に挿入されると共に、光照射部から受光部へと照射される光を遮断可能に設けられている。
従って、演出制御装置150は、フォトセンサ740が遮光状態のときに、下側第2リンク部材621が形態変化時の基準位置にあることを検出することができる。
【0045】
このような構成によって、電動役物300は、モータM2を回転駆動することで、第一形態、中間形態及び第二形態へと形態を変化させることが可能となっている。
具体的に、電動役物300は、
図4(a)に示すように、モータM2を正回転又は逆回転で駆動することで、上側可動部500及び下側可動部600の各発光部を図中の矢印の方向に可動させることができる。このとき、上側動力伝達機構820のギア822と、下側動力伝達機構830のギア832の回転軸に所定のトルク以上のトルクがかかるまで、ギア822及び832が回転しない。そのため、固定ギア823と固定ギア833とに回転力が伝達されないため上側第2リンク部材521と下側第2リンク部材621とが回動しない。つまり、所定のトルク以上となるまで、上側第1リンク部材511及び下側第1リンク部材611のみが回動する。これにより、
図4(a)に示す第一形態から中間形態へと移行する。
【0046】
更に、
図4(a)中のA1〜A4の方向にモータM2を回転することで、ギア822及び832の回転軸に所定のトルク以上のトルクがかかり、上側第2リンク部材521と下側第2リンク部材621とが回動する。これにより、
図4(b)に示す第二形態へと変化させることができる。
つまり、第一形態は、
図4(a)に示すように、各発光部の第一のモチーフ(ハート形のモチーフ)が個別に認識される形態となっている。中間形態は、第一形態と第二形態との間の変形過程の形態であり、依然、各発光部の第一のモチーフが個別に認識される形態である。第二形態は、
図4(b)に示すように、5つの発光部の第一のモチーフが組み合わされることによって、第一のモチーフとは異なる第二のモチーフ(本実施の形態では桜花の形のモチーフ)を構成する形態となっている。
そして、電動役物300は、リーチ演出等の演出処理において、上記水平移動、上記形態変化及び複数の発光部における発光手段の点灯状態の組み合わせによって、遊技に関する情報を表示する。
【0047】
(電動役物301及び302の構成)
次に、
図5に基づき、電動役物301及び302の構成について説明する。
ここで、
図5(a)は、電動役物301及び302の構成を示す図であり、(b)は、電動役物301及び302の動作例を示す図である。
電動役物301は、
図5(a)に示すように、右側シャッタ部310と、右側シャッタ移動機構340と、取付部材360とを有している。
右側シャッタ部310は、コ字状の透明基板311の面上にハート形の枠形状の右半分の形状を有した発光部312が形成された構成となっている。透明基板311の上部には、ガイド部315が突設されている。また、発光部312は、内側にLED等の複数の発光手段が埋め込まれた構成となっている。
【0048】
取付部材360の上部には、ガイド部315が摺動可能に挿入されるガイドレール361が設けられている。
右側シャッタ移動機構340は、取付部材360の下部における背面側に固定されたモータM3と、モータM3の駆動軸に固定されたモータギア341と、モータギア341と噛合し、取付部材360の下部に設けられた軸に回転自在に設けられた中間ギア342と、取付部材360の下部に固定された移動部343とを有している。
移動部343は、中間ギア342と噛合した鋸刃状の歯列部344と、取付部材360に設けられた軸が挿通され、左右方向に延在するガイド溝345とを有している。
【0049】
また、移動部343の上部には、右側シャッタ部310の下部が固定されている。
従って、モータM3が回転駆動することで、その回転力がモータギア341を介して中間ギア342へと伝達され、中間ギア342の回転力が歯列部344において左右方向への力に変換されて、移動部343を左右方向へと移動させる。これにより、モータM3の回転方向に応じて、移動部343に固定された右側シャッタ部310が、ガイド溝345及びガイドレール361に沿って左右方向に移動する。
【0050】
一方、電動役物302は、
図5(a)に示すように、左側シャッタ部320と、左側シャッタ移動機構350と、電動役物301と共通の取付部材360とを有している。
左側シャッタ部320は、透明基板311を左右反転した形状の透明基板321の面上にハート形の枠形状の左半分の形状を有した発光部322が形成された構成となっている。透明基板321の上部には、ガイド部325が突設されている。また、発光部322は、内側にLED等の複数の発光手段が埋め込まれた構成となっている。
【0051】
左側シャッタ移動機構350は、取付部材360の下部における背面側に固定されたモータM4と、モータM4の駆動軸に固定されたモータギア351と、モータギア351と噛合し、取付部材360の下部に設けられた軸に回転自在に設けられた中間ギア352と、取付部材360の下部に固定された移動部353とを有している。
移動部353は、中間ギア352と噛合した鋸刃状の歯列部354と、取付部材360に設けられた軸が挿通され、左右方向に延在するガイド溝355とを有している。
【0052】
また、移動部353の上部には、左側シャッタ部320の下部が固定されている。
従って、モータM4が回転駆動することで、その回転力がモータギア351を介して中間ギア352へと伝達され、中間ギア352の回転力が歯列部354において左右方向への力に変換されて、移動部353を左右方向へと移動させる。これにより、モータM4の回転方向に応じて、移動部353に固定された左側シャッタ部320が、ガイド溝355
及びガイドレール361に沿って左右方向に移動する。
【0053】
また、電動役物301及び302は、モータM3及びモータM4の回転駆動によって、右側シャッタ部310が左方向に、左側シャッタ部320が右方向に移動すると、
図5(b)に示すように、シャッタが閉じるように移動する。そして、双方ともが最大移動位置まで移動すると、最終的に、両者が合わさってハート形を形成するようになっている。
また、右側シャッタ部310は、右方向の最大移動位置まで移動した状態にあるときに、全体が装飾を施された上面カバーの下に隠れるようになっている。左側シャッタ部320も同様に、左方向の最大移動位置まで移動した状態にあるときに、全体が前記上面カバーの下に隠れるようになっている。
【0054】
また、取付部材360の右下端部にはフォトセンサ760が設けられており、移動部343の右側面にはセンサの被検出部であるインデックスリブ770が突設されている。
フォトセンサ760は、フォトセンサ710と同じ構成のセンサである。
フォトセンサ760の光照射部及び受光部と、インデックスリブ770とは、移動部343が右方向の最大移動位置(基準位置)にあるときに、インデックスリブ770が光照射部及び受光部の間に挿入されると共に、光照射部から受光部へと照射される光を遮断可能に設けられている。
従って、演出制御装置150は、フォトセンサ760が遮光状態のときに、右側シャッタ部310が基準位置にあることを検出することができる。
【0055】
また、取付部材360の左下端部にはフォトセンサ780が設けられており、移動部353の左側面にはセンサの被検出部であるインデックスリブ790が突設されている。
フォトセンサ780は、フォトセンサ710と同じ構成のセンサである。
フォトセンサ780の光照射部及び受光部と、インデックスリブ790とは、移動部353が左方向の最大移動位置(基準位置)にあるときに、インデックスリブ790が光照射部及び受光部の間に挿入されると共に、光照射部から受光部へと照射される光を遮断可能に設けられている。
【0056】
従って、演出制御装置150は、フォトセンサ780が遮光状態のときに、左側シャッタ部320が基準位置にあることを検出することができる。
そして、電動役物301及び302は、リーチ演出等の演出処理において、右側シャッタ部310及び左側シャッタ部320の移動による形態の変化及び複数の発光手段の点灯状態の組み合わせによって、遊技に関する情報を表示する。
【0057】
(制御系の構成)
次に、パチンコ機1における制御系の構成を説明する。
図6は、パチンコ機の制御系の構成を示すブロック図である。
図6に示すように、パチンコ機1は、第一始動入賞口スイッチ131aと、第二始動入賞口スイッチ131bと、大入賞口スイッチ132と、各種入賞口スイッチ133とを備えている。
第一始動入賞口スイッチ131aは、第一始動入賞口111aへの遊技球の入賞を検出し、検出信号を主制御装置210に出力する。第二始動入賞口スイッチ131bは、第二始動入賞口111bへの遊技球の入賞を検出し、検出信号を主制御装置210に出力する。大入賞口スイッチ132は、大入賞口115への遊技球の入賞を検出し、検出信号を主制御装置210に出力する。各種入賞口スイッチ133は、普通図柄始動ゲート122への遊技球の通過等を検出し、検出信号を主制御装置210に出力する。
【0058】
また、パチンコ機1は、制御部として、主に、主制御装置210及び演出制御装置150を備えている。不正行為防止等のため、主制御装置210及び演出制御装置150は、それぞれ別々の基板に実装される。また、主制御装置210から演出制御装置150への一方向にのみデータの送信が可能となっている。
主制御装置210は、主として、始動入賞口111a,111bへの遊技球の入賞の検出に応じて、各種の乱数を取得する。そして、主制御装置210は、取得した各種乱数に基づいて、制御コマンドの送信及び遊技全体の制御を行う。また、主制御装置210は、遊技状態表示装置107、大入賞口ソレノイド158及び電動チューリップ(図示せず)を直接制御(ポート出力制御)する。
【0059】
主制御装置210は、CPU220と、ROM230と、RAM240と、入力ポート250と、出力ポート255とを備える。
入力ポート250は、第一始動入賞口スイッチ131a、第二始動入賞口スイッチ131b、大入賞口スイッチ132及び各種入賞口スイッチ133のそれぞれから出力された検出信号をCPU220に出力する。
【0060】
出力ポート255は、演出制御装置150、遊技状態表示装置107、賞球払出制御装置156及び大入賞口ソレノイド158のそれぞれに制御コマンドや制御信号を出力する。また、出力ポート255は、パチンコ機1の出玉情報や異常信号をホールコンピュータ1500に出力する。これにより、ホールコンピュータ1500においてパチンコ機1の遊技状況等を遠隔監視する。
【0061】
ROM230には、主制御装置210で実行されるパチンコ機1を制御するためのプログラム、遊技制御用のデータ等が記憶されている。遊技制御用のデータには、演出制御装置150を制御するための各種演出制御コマンドが含まれる。
RAM240は、主制御装置210に対する入出力データ、演算処理のためのデータ、遊技に関連する乱数カウンタを始めとする各種カウンタ、抽選結果や遊技状態を管理するフラグ等を一時的に記憶する。また、RAM240は、特別図柄用の始動情報記憶領域及び普通図柄用の始動情報記憶領域を有する。
【0062】
特別図柄用の始動情報記憶領域には、第一始動入賞口111aへの遊技球の入賞を契機として取得される始動情報及び第二始動入賞口111bへの遊技球の入賞を契機として取得される始動情報が、それぞれ個別に所定上限数(本実施形態では、4つ)まで記憶される。ここで、始動情報とは、始動入賞口111a,111bへの遊技球の入賞を契機として取得された各種乱数値等の情報(例えば、当たり決定乱数、当たり種別決定乱数、停止図柄決定乱数、リーチ決定乱数、変動パターン決定乱数等)をいう。主制御装置210は、始動情報記憶領域に記憶されている始動情報について、所定の順序(本実施形態では、取得された順序)により当たり判定を行って消化する。また、主制御装置210は、始動情報記憶領域に記憶されている始動情報の数を、特別図柄始動情報記憶数表示部107cに表示する。
【0063】
また、普通図柄の始動情報記憶領域には、普通図柄始動ゲート122への遊技球の通過を契機として取得された乱数等の情報が、所定上限数(本実施形態では、4つ)まで記憶される。
また、RAM240は、演出制御装置150等に出力する演出制御コマンドを一時的に記憶しておくためのコマンド記憶領域を有する。
また、主制御装置210には、電源供給を行うための電源回路212が接続されている。
【0064】
また、パチンコ機1は、先述した電動役物300〜302と、演出図柄表示装置104とに加えて、複数の発光手段を含むランプ装置154と、効果音を出力するための4つのスピーカS1〜S4を含むスピーカ装置155とを備えている。
なお、ランプ装置154は、電動役物300〜302の各発光部に設けられた発光手段を総じたものを示す。また、本実施の形態において、電動役物300〜302に用いられている発光手段はLEDとする。
演出制御装置150は、主制御装置210から送信された演出制御コマンドに応じて、各種演出における、演出図柄表示装置104の表示、ランプ装置154における発光手段の点灯、点滅等、スピーカ装置155の各スピーカからの効果音の出力、ならびに電動役物300〜302の動作を制御する。
【0065】
(演出制御装置の構成)
次に、演出制御装置150の構成を説明する。
図7は、演出制御装置150の構成を示すブロック図である。
演出制御装置150は、CPU170と、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)171と、効果音制御IC174と、表示制御部175と、入力ポート176と、出力ポート177と、ROM178と、RAM179とを備えている。
ROM178には、演出を制御するためのプログラム、各種データ等が記憶されている。
RAM179には、主制御装置210から受信した演出制御コマンド、演算処理を行うためのデータ等が一時的に記憶される。
CPU170は、ROM178に記憶されたプログラムにしたがって処理を実行することにより、ASIC171、効果音制御IC174及び表示制御部175の制御を行う。
【0066】
具体的に、CPU170は、主制御装置210から受信した演出制御コマンドにしたがってASIC制御コマンドを生成し、該ASIC制御コマンドをASIC171に送信することによって、ASIC171の動作を制御する。また、CPU170は、主制御装置210から受信した演出制御コマンドにしたがって音声制御コマンドを生成し、該音声制御コマンドを効果音制御IC174に送信することによって、効果音制御IC174の動作を制御する。また、CPU170は、主制御装置210から受信した演出制御コマンドにしたがって図柄表示制御コマンドを生成し、該図柄表示制御コマンドを表示制御部175に送信することによって、表示制御部175の動作を制御する。
【0067】
ここで、ASIC制御コマンドは、主制御装置210から受信する演出制御コマンドとは異なるデータ構造となっている。例えば、演出制御コマンドが2バイトで構成されたコマンドであるのに対して、ASIC制御コマンドは1バイト(8ビット)で構成されたコマンドとなっている。
また、本実施の形態において、ASIC171の制御と、表示制御部175の制御との演出制御装置150内での優先関係について、演出図柄表示装置104による表示演出を主体に制御する関係で、表示制御部175の表示制御処理の方がASIC171の制御処理よりも優先度が高く設定されている。
【0068】
本実施の形態において、CPU170は、電動役物300〜302のモータM1〜M4及びランプ装置154のLEDブロックL1〜L8の消費電流に係る情報に基づき、これらの総消費電流が制限値以下となるように、これらの動作制御を行うASIC171の制御を行う。なお、以下の説明において、モータM1〜M4及びLEDブロックL1〜L8について、これらを区別しない場合に電気部品と称する。また、各LEDブロックは例えば10個のLEDから構成されている。
【0069】
具体的に、本実施の形態において、CPU170は、演出処理において、ASIC制御コマンドをASIC171に送信する際に、その送信前において、ASIC171の後述するレジスタ185に書き込まれた制御データを読み出す。
つまり、総消費電流が制限値以下となるように制御を行うためには、ASIC171のレジスタ185の内容が書き換えられる前の制御データ(現在、電気部品の動作を制御しているデータ)と、ASIC171のレジスタ185に書き込む予定の制御データ(新たな動作指令を電気部品に与えるデータ)とが必要となる。そのため、次に書き込む予定の制御データを送信するタイミングよりも前であって、後述する電気部品の動作個数の判定処理が、制御データの送信タイミングまでに十分に間に合うタイミングで現在の制御データを読み出すことになる。
【0070】
そして、読み出した制御データに基づき、現在動作中のモータの個数、現在点灯中のLEDブロックの個数などの各電気部品の最新情報を検出する。そして、予めROMに記憶された動作制限個数情報と、検出した個数及びその組み合わせ情報と、送信予定のASIC制御コマンドの情報とに基づき、同時に動作する電気部品の個数が制限個数以下か否かを判定する。そして、制限個数以下の場合に、制御対象となる電気部品に対応するASIC制御コマンドをASIC171に送信し、制御個数よりも多い場合に、制御対象となる電気部品に対応するASIC制御コマンドのASIC171への送信を取りやめる(中止する)。
【0071】
なお、ASIC制御コマンドの情報は、例えば、モータにあっては、モータの回転速度や回転方向などを具体的に指示する情報であり、ランプ装置にあっては、ランプ(LED)の点灯箇所(LEDブロック指定)や点灯周期などを具体的に指示する情報である。
また、動作制限個数情報は、予め設定された許容範囲内となる総消費電流で動作させることができる、電気部品の種類と個数との組み合わせを示す情報である。例えば、モータが2個同時に動作しているときに、これらと同時に動作させることが可能な、LEDブロックの個数との組み合わせの情報になる。
【0072】
例えば、モータが同時に3個以上動作したり、モータが2個以上とLEDブロックの全てが動作したりすると、供給可能な電流量に対して総消費電流量が大きくなり、各電気部品への供給電流が低下する。これにより、例えば、モータのトルク不足による可動部材の動作不良や、演出制御装置150の動作電流不足によるリセットの発生等の不具合が生じる。
そのため、本実施の形態では、各電気部品が不具合を生じずに安定して動作できる総消
費電流(供給可能な電流量)に基づき、同時に動作可能な電気部品の種類及び個数の組み
合わせを、各電気部品の最大消費電流等から求めておき、その情報を、上記した動作制限
個数情報としてROM178に記憶している。
【0073】
ここでいう「同時」とは、各電気部品の動作期間の一部でも他の電気部品と重なっている状態を同時に動作しているとしている。例えば、動作の開始タイミングが異なっていても、あるモータが回転駆動中に他のモータが回転駆動を開始するような状態も同時に動作していると判断し、同様に、あるモータが回転駆動中に、あるLEDブロックが点灯動作を開始するような状態も同時に動作していると判断する。つまり、本実施の形態では、動作の開始タイミングや、終了タイミングが同じタイミングである必要はなく、各電気部品の動作期間の一部でも他の電気部品と重なっている状態を同時に動作していると表現している。
【0074】
そして、上記電流不足による不具合の発生を防止するために、演出処理において、上記した同時に動作させる電気部品の個数を制限する制御を行う。
なお、本実施の形態においては、ASIC171を介さずに制御され、且つ遊技の進行において重要な情報が表示される演出図柄表示装置104については、動作に制限を設けないようにしている。
【0075】
即ち、演出図柄表示装置104は、総消費電流を計測する上での対象外の電気部品としている。遊技機の演出において遊技者に一番興味を引く部分は、演出図柄表示装置104における表示演出であり、ランプ、効果音、可動役物による演出は、その演出図柄表示装置104の表示演出に対する付加的な演出である。つまり、主演出装置としての演出図柄表示装置104を備え、副演出装置としてのランプ装置、スピーカ装置、電動役物(可動役物)、これらの制御装置を備えるものである。そのため、演出図柄表示装置104を用いる主演出制御に対して制限を設けずに、副演出装置を用いた副演出制御としての補助的な演出制御に対して制限を設けるようにしている。
【0076】
また、本実施の形態においては、ASIC171を介さずに制御されるスピーカS1〜S4についても、動作に制限を設けないようにしている。
ASIC171は、CPU170からのASIC制御コマンドに応じて、ランプ装置154のLEDブロックL1〜L8の点灯、消灯を制御するデータを生成する。更に、CPU170からのASIC制御コマンドに応じて、電動役物300〜302のモータM1〜M4の駆動を制御するデータを生成する。そして、生成した制御データを、後述する内部のレジスタ185に書き込む。
【0077】
効果音制御IC174は、効果音データが記憶されたROMと、アンプ回路部とを備える。そして、CPU170から受信した音声制御コマンドに基づき、音声制御コマンドに対応する効果音データをROMから読み出し、音声制御コマンドで指定された音量で出力されるようにアンプ回路部を制御し、アンプ回路部から出力される効果音信号を出力ポート177を介してスピーカS1〜S4に出力する。
【0078】
表示制御部175は、CPU、ROM、RAM及び画像処理用VDP(Video Display Processor)を備える。そして、表示制御部175のCPUは、CPU170から受信した図柄表示制御コマンドに応じて、ROMに記憶されたプログラムにしたがって、該制御コマンドに応じた画像データをROMから読み出し、該画像データをVDPに出力する。そして、画像処理用VDPは、表示制御部175のCPUからの出力指示にしたがって、画像データを、出力ポート177を介して演出図柄表示装置104に出力する。
【0079】
(ASICの構成)
次に、
図8に基づき、ASIC171の詳細な構成を説明する。
図8は、ASIC171の構成を示す図である。
ASIC171は、
図8に示すように、入力信号制御部180と、役物制御部181と、ランプ制御部182と、レジスタ185と、モータドライバ186と、ランプドライバ187と、入出力ポート188とを備えている。
入力信号制御部180は、CPU170からのASIC制御コマンド等の入力データを、定義された領域に適宜振り分けて、役物制御部181と、ランプ制御部182とに出力する。
【0080】
役物制御部181は、入力信号制御部180を介して入力されるASIC制御コマンドに基づき、電動役物300〜302の作動パターンを決定し、モータM1〜M4のうち決定した作動パターンに対応する種類のモータの動作を制御する制御データを生成する。そして、生成した制御データ(以下、モータ制御データと称す)をレジスタ185に書き込む。
具体的には、CPU170から送信されるASIC制御における初期設定コマンドに基づいて、ASIC171のレジスタ185に各電気部品の制御データを格納する領域を各電気部品に対応して設定し、その後に送信されるASIC制御コマンドの制御データを、設定したデータ領域に格納するものである。
【0081】
ランプ制御部182は、入力信号制御部180を介して入力されるASIC制御コマンドに基づき、LEDブロックL1〜L8のうち、ASIC制御コマンドに対応するLEDブロックの点灯・点滅等の動作を制御する制御データを生成する。そして、生成した制御データ(以下、LED制御データと称す)をレジスタ185に書き込む。
レジスタ185は、各種電気部品の動作を制御するための制御データを設定するためのものであり、所定のアドレス領域に対応付けて、役物制御領域であるモータ・コントロール・ブロック(以下、MCBと称す)、ランプ制御領域であるLED・コントロール・ブロック(以下、LCBと称す)などのレジスタ・ブロックが構成されたものである。
【0082】
具体的に、MCBであれば、モータM1〜M4に対して個別に、例えば、モータ動作(運転・停止)、動作時間、励磁方法、モータ回転方向(正転・逆転)、モータ回転速度(ppm)等のモータ制御データ(情報)を設定することができる。また、LCBであれば、LEDブロックL1〜L8に対して個別に、例えば、LED動作(点灯開始・点灯終了)、点灯時間、点灯幅(パルス幅)等のLED制御データ(情報)を設定することができる。
【0083】
モータドライバ186は、レジスタ185からモータ制御データを取得し、取得したモータ制御データに基づき、電動役物300〜302のモータM1〜M4をそれぞれ独立に制御する制御信号を生成し、生成した制御信号を入出力ポート188及び出力ポート177を介してモータM1〜M4に供給する。
ランプドライバ187は、レジスタ185からランプ制御データを取得し、取得したランプ制御データに基づき、ランプ装置154のLEDブロックL1〜L8の点灯、消灯をそれぞれ独立に制御する制御信号を生成し、生成した制御信号を入出力ポート188及び出力ポート177を介してLEDブロックL1〜L8に供給する。
また、CPU170は、入出力ポート188を介して、レジスタ185に設定されている制御データを読み出し、読み出した制御データに基づき、同時に動作させる電気部品の個数を制御する。
【0084】
(遊技状態及び当たりの種別について)
パチンコ機1では、遊技状態として、当たり抽選の当選確率が低確率(通常確率)となる「低確率状態」と、当たり抽選の当選確率が低確率状態と比較して高確率(例えば、通常確率の10倍)となる「確率変動状態」と、が設定されている。また、遊技状態として、特別図柄及び演出図柄の変動時間が短縮する「時短状態」が設定されている。「時短状態」では、普通図柄の抽選確率が通常時の抽選確率と比較して高確率(例えば、10倍)になるとともに、第二始動入賞口111bの開放時間が通常時の開放時間と比較して延長される。
【0085】
また、パチンコ機1では、複数の当たりの種別が設定されている。本実施形態では、当たりの種別として、「通常大当たり」、「確変1大当たり」、「確変2大当たり」及び「小当たり」が設定されている。
通常大当たりが生起された場合、15ラウンドの大入賞口115の開放動作が行われ、当たり終了後の遊技状態が低確率状態に設定される。
確変1大当たりが生起された場合、15ラウンドの大入賞口115の開放動作が行われ、当たり終了後の遊技状態が確率変動状態に設定される。
【0086】
確変2大当たりが生起された場合、2ラウンドの大入賞口115の開放動作が行われ、当たり終了後の遊技状態が確率変動状態に設定される。なお、確変2大当たりが生起された場合、各ラウンドにおける大入賞口115の開放時間が、通常大当たりと比較して短く(数ms程度)設定され、ラウンド数も2回しかないため、遊技者に対しては、当たりとならずに確率変動状態に突然移行したかのような意外性を与えることができる。また、別の開放動作として、上記した15ラウンドの開放動作と比較して1回の開放時間は同じだが、総ラウンド数を2ラウンドと少なく設定して獲得できる賞球を少なくするやり方もある。
小当たりが生起された場合、2ラウンドの大入賞口115の開放動作が行われ、当たり終了前後で遊技状態が変化しないように設定される。なお、「確変2大当たり」を生起させる際に停止表示させる演出図柄の組み合わせ及び「小当たり」を生起させる際に停止表示させる演出図柄の組み合わせは互いに区別がつかないように設定されている。
【0087】
(演出制御コマンドについて)
次に、主制御装置210から演出制御装置150に出力される演出制御コマンドの構造及び内容を説明する。
演出制御コマンドとしては、図柄指定コマンド、変動パターンコマンド、図柄停止コマンド、事前判定情報コマンド、始動情報記憶数コマンド、大当たり演出開始コマンド、状態指定コマンド等がある。
図柄指定コマンドは、演出図柄表示装置104において停止表示される演出図柄の組み合わせや当たり種別、停止表示する図柄の一部(例えば、第一停止図柄のみを指定する)等を指定するコマンドである。
【0088】
変動パターンコマンドは、演出図柄表示装置104において変動表示する演出図柄の変動パターン又は図柄の変動表示時間を指定するコマンドであり、更に、付加的な演出である音声制御、ランプ制御、電動役物制御に関連する情報を提示するコマンドである。
図柄停止コマンドは、演出図柄の停止表示を指定するためのコマンドである。
事前判定情報コマンドは、事前判定情報を通知するためのコマンドである。
【0089】
ここで、事前判定情報とは、始動情報が指定する各種抽選(当たり抽選、当たり種別抽選、リーチ抽選、変動パターン抽選等)の結果を示す情報をいう。
大当たり演出開始コマンドは、15R当たり(通常大当たり、確変1大当たり)の演出開始、確変2大当たりの演出開始及び小当たりの演出開始をそれぞれ指定するためのコマンドである。
状態指定コマンドは、時短の終了及び開始のそれぞれを指定するためのコマンドである。
【0090】
(主制御装置の処理について)
次に、主制御装置210で実行される遊技制御処理を説明する。
CPU220は、所定の動作クロック(例えば、4[ms])で1サイクルを実行可能な遊技制御プログラムに基づいて動作し、ROM230の所定領域に格納されている遊技制御プログラムを起動させ、遊技制御処理を実行する。
具体的に、主制御装置120は、始動入賞口スイッチ131a,131bから検出信号を入力した場合、当たり決定乱数、当たり種別決定乱数、リーチ決定乱数、変動パターン決定乱数、停止図柄決定乱数等を対応の乱数カウンタから取得し、取得した各乱数値(始動情報)を、RAM240の始動情報記憶領域における所定の記憶部に記憶する。
【0091】
また、主制御装置210は、始動情報を取得した際に、取得した始動情報の当たり決定乱数及び当たり種別決定乱数に基づいて、当たり抽選の結果及び当たり種別を判定する。そして、主制御装置210は、該判定の結果に応じた事前判定情報コマンドを演出制御装置150に送信する。
また、主制御装置210は、始動情報記憶領域に記憶されている始動情報について、所定の順序により当たり判定処理を実行する。具体的には、主制御装置210は、RAM240の始動情報記憶領域から当たり決定乱数を読み出し、読み出した当たり決定乱数の値が当たり判定値と一致しているか否かを判定する。
【0092】
そして、主制御装置210は、当たり判定処理で読み出した当たり決定乱数の値が当たり判定値と一致していると判定した場合は、当たり種別決定乱数の値に基づいて当たり種別を決定する。また、主制御装置210は、決定した当たり種別及び停止図柄決定乱数の値に基づいて停止表示する演出図柄の組み合わせを決定し、決定した組み合わせに対応する図柄指定コマンドを演出制御装置150に送信する。さらに、主制御装置210は、決定した当たり種別、リーチ決定乱数及び変動パターン決定乱数に基づいて図柄変動時間を決定し、決定した変動時間に対応する変動パターンコマンドを演出制御装置150に送信する。
【0093】
一方、主制御装置210は、当たり判定処理で読み出した当たり決定乱数の値が当たり判定値と一致していないと判定した場合は、演出図柄をはずれ図柄で停止表示させることを示す図柄指定コマンドを演出制御装置150に送信する。また、主制御装置210は、現在の遊技状態、リーチ決定乱数及び変動パターン決定乱数に基づいて図柄変動時間を決定し、決定した変動時間に対応する変動パターンコマンドを演出制御装置150に送信する。
【0094】
(演出制御装置の処理について)
次に、演出制御装置150で実行される処理を説明する。
演出制御装置150のCPU170は、所定の動作クロック(例えば、2[ms])で1サイクルを実行可能な制御プログラムに基づいて動作し、ROM178の所定領域に格納されている制御プログラムを起動させ、演出制御処理を繰り返し実行する。
【0095】
具体的に、演出制御装置150は、CPU170において、主制御装置210から演出制御コマンドを受信した場合、受信した演出制御コマンドに対応する各電気部品に対応するASIC制御コマンドを生成し、生成したASIC制御コマンドをASIC171に送信する。更に、スピーカS1〜S4の駆動を制御する効果音制御IC174を制御するための音声制御コマンドを生成し、生成した音声制御コマンドを効果音制御IC174に送信する。更に、演出図柄表示装置104の動作を制御する表示制御部175を制御するための図柄表示制御コマンドを生成し、生成した図柄表示制御コマンドを表示制御部175に送信する。
このとき、CPU170は、ASIC制御コマンドの送信前に、同時に動作する電気部品の個数が、予め設定された制限個数の範囲内となるようにASIC171の動作を制御する処理(送信前判定処理)を実行する。
【0096】
以下、
図9に基づき、演出制御処理におけるASIC171の制御処理の流れを説明する。
ここで、
図9は、CPU170におけるASIC制御処理を示すフローチャートである。
ASIC制御処理は、CPU170においてROM178に格納されたプログラムを実行することによって開始され、
図9に示すように、まず、ステップS100に移行する。
ステップS100では、CPU170において、主制御装置210からの演出制御コマンドを受信したか否かを判定し、受信したと判定した場合(Yes)は、ステップS102に移行し、そうでない場合(No)は、受信するまで判定処理を繰り返す。
【0097】
ステップS102に移行した場合は、CPU170において、RAM179に書き込まれた動作データを更新して、ステップS104に移行する。
ステップS104では、CPU170において、更新した動作データに基づき、演出処理に用いる電気部品の動作を制御するための各電気部品に対応するASIC制御コマンドを生成して、ステップS106に移行する。
ステップS106では、CPU170において、ASIC171のレジスタ185から入出力ポート188を介して各種制御データを取得し、ステップS108に移行する。
ステップS108では、CPU170において、ステップS106で取得した制御データに基づき、動作中の電気部品の種類及び種類毎の個数を検出して、ステップS110に移行する。
【0098】
ステップS110では、CPU170において、ステップS108で検出した動作中の電気部品の個数と、ステップS104で生成したASIC制御コマンドとに基づき、動作予定の電気部品の個数を算出して、ステップS112に移行する。
具体的に、ASIC制御コマンドから、これから動作させる予定の電気部品の種類や個数が解るので、現在動作中の個数に、これから動作させる電気部品の個数を加算して、動作予定個数を算出する。
【0099】
ステップS112では、CPU170において、ROM178に記憶された動作制限個数情報を取得し、取得した動作制限個数情報の示す制限個数と、ステップS108で検出した動作中の電気部品の個数とを比較して、ステップS114に移行する。
ステップS114では、CPU170において、動作中の電気部品の個数が、制限個数以下であるか否かを判定し、制限個数以下であると判定した場合(Yes)は、ステップS116に移行し、そうでない場合(No)は、ステップS120に移行する。
【0100】
ステップS116に移行した場合は、CPU170において、ステップS104で生成したASIC制御コマンドを、ASIC171に送信して、ステップS118に移行する。
ステップS118では、CPU170において、演出が終了したか否かを判定し、終了したと判定した場合(Yes)は、ステップS100に移行し、そうでない場合(No)は、ステップS102に移行する。ここでいう「演出の終了」とは、変動パターンで指定された図柄変動時間の終了でもよいし、変動パターン中のある場面の演出の終了でもよい。
【0101】
一方、ステップS114において動作個数が制限個数よりも多く、ステップS120に移行した場合は、CPU170において、ステップS104で生成した該当する電気部品に対応するASIC制御コマンドのASIC171への送信を中止して、ステップS118に移行する。
ここで、送信を中止する期間については、変動パターンで指定された変動時間すべてにおいて中止する場合や、変動パターンで指定された変動時間を所定の時間または動作により複数に区分し、その一区分に対して送信を中止する場合、さらには、ある演出動作(大当たり予告やリーチ予告等の数秒間の演出)についてだけ中止する場合、等の中止期間が考えられる。
【0102】
また、演出制御装置150は、CPU170において、主制御装置210から演出制御コマンドとして変動パターンコマンドを受信した場合、受信した変動パターンコマンドに従って変動表示制御コマンドを生成し、生成した変動表示制御コマンドを表示制御部175に送信する。
表示制御部175は、CPU170から変動表示制御コマンドを受信すると、演出図柄表示装置104において、変動表示制御コマンドで指定されている変動パターンによる演出図柄の変動表示を開始させる。
【0103】
また、演出制御装置150は、主制御装置210から演出制御コマンドとして図柄指定コマンドを受信した場合、受信した図柄指定コマンドに対応する制御コマンド(以下、停止図柄制御コマンドとする)を生成し、生成した停止図柄制御コマンドを表示制御部175に送信する。
また、演出制御装置150は、主制御装置210から演出制御コマンドとして図柄停止コマンドを受信した場合、受信した図柄停止コマンドに対応する制御コマンド(以下、停止制御コマンドとする)を生成し、生成した停止制御コマンドを表示制御部175に送信する。
そして、表示制御部175は、停止制御コマンドを受信すると、演出図柄表示装置104において、演出図柄を停止表示させる。この際、表示制御部175は、予め受信した停止図柄制御コマンドで指定されている組み合わせで、演出図柄を停止表示させる。
【0104】
(本実施の形態に係るパチンコ機の動作について)
次に、
図10に基づき、本実施の形態に係るパチンコ機1の動作を説明する。
ここで、
図10は、ROM178に記憶された、本実施の形態に係る動作制限個数情報の一例を示す図である。
まず、パチンコ機に電源が投入されると、主制御装置210により、遊技制御処理が実行され、遊技可能な状態となる。遊技者は、貸し出しを受けた遊技球Bをパチンコ機に装填し、発射ハンドル50を操作して遊技球Bを遊技盤面102に発射することにより遊技を行うことができる。
【0105】
そして、遊技盤面102に発射された遊技球が第一始動入賞装置111aに入賞すると、始動入賞口スイッチ131aにより検出信号が出力される。主制御装置210では、始動入賞口スイッチ131aから検出信号が入力されると、ほぼそのタイミングで当たり決定乱数が取得される。このとき、取得された乱数値が大当たり判定値と一致していると判定されると、大当たりが決定される。
【0106】
大当たりが決定されると、大当たり後の遊技態様、特別図柄及び演出図柄の停止図柄の組み合わせ、並びに大当たり時の基本変動パターンが決定される。そして、所定の変動パターンで演出図柄が変動表示され、所定の変動パターンに対応した時間が経過した後に、決定された組み合わせで停止する。このとき、図柄の変動表示に合わせて、電動役物300〜302、スピーカ装置155からの効果音の出力、及びランプ装置154のLEDの点滅による演出処理が実行される。
【0107】
演出図柄の停止後は、「通常大当たり」、「確変1大当たり」及び「確変2大当たり」のいずれかが生起する。
大当たり中は、大入賞口115が所定の開閉態様で開放制御され、大入賞口115に遊技球が入賞すると、1個当たりの入賞につき所定数の賞球が払い出される。
また、始動入賞装置111aに遊技球が入賞すると、演出制御コマンドが演出制御装置150に送信される。
演出制御装置150は、CPU170において、主制御装置210からの演出制御コマンドを受信すると(ステップS100の「Yes」の分岐)、受信した演出制御コマンドに基づき、RAM179に記憶された各電気部品に対応する動作データを更新する(ステップS102)。
【0108】
そして、更新した動作データに基づき、各電気部品に対応するASIC制御コマンドを生成する(ステップS104)。
次に、生成したASIC制御コマンドをASIC171に送信する前に、ASIC171のレジスタ185から、入出力ポート188を介して、ASIC171の制御対象である各電気部品の制御データを取得する(ステップS106)。
具体的に、レジスタ185のMCBから、モータM1〜M4の動作状態(運転・停止)を示すモータ制御データを取得し、レジスタ185のLCBからLEDブロックL1〜L8の点灯状態(点灯開始・点灯停止)を示すLED制御データを取得する。
【0109】
CPU170は、取得した各種制御データから、現在動作中のモータの個数及びLEDブロックの個数を示す動作個数情報を、消費電流に係る情報として検出する(ステップS108)。
動作個数情報が検出されると、CPU170は、更新した動作データに基づき生成したASIC制御コマンドと、検出した動作個数とから、動作予定個数を算出する(ステップS110)。
いま、現在動作中のモータの個数が「0」で、LEDブロックの動作個数がLEDブロックL1〜L4の「4」であったとする。更に、更新された動作データによって、新たに、追加でモータM1、LEDブロックL5〜L8が駆動される予定であるとする。この場合は、モータの動作予定個数が「0+1=1」となり(ステップS110)、LEDブロックの動作予定個数が「4+4=8」となる。
【0110】
ここでは、
図10に示すように、動作制限個数が設定されているとする。
図10に示す動作制限個数では、モータの動作個数が「1」のときの、LEDブロックの動作制限個数は「8」となっており、これらと動作予定個数「8」とをそれぞれ比較すると(ステップS112)、いずれも制限個数以下となる(ステップS114の「Yes」の分岐)。
従って、CPU170は、モータM1及びLEDブロックL5〜L8に対応するASIC制御コマンドをASIC171に送信し(ステップS114)、演出処理が終了していない場合(ステップS116の「No」の分岐)は、演出制御処理を続行する(ステップS102へ)。これにより、モータM1及びLEDブロックL5〜L8が新たに動作することになる。
【0111】
一方、現在動作中のモータの個数が、モータM1の「1」個で、LEDブロックの動作個数がLEDブロックL1〜L4の「4」であったとする。更に、更新された動作データによって、新たに、追加でモータM3〜M4の2個が駆動される予定であるとする。
このような状況は、レアケースであり、例えば、電動役物300におけるモータM1の駆動による水平移動動作において、モータM1を停止時に基準位置へと戻る際に、フォトセンサ710によってインデックスリブ720が検出できない状態となっていることが考えられる。この場合は、電動役物300が水平移動の基準位置にいつまでも戻れないため、モータM1が基準位置に戻ろうと動き続ける。
【0112】
または、このようなモータの複合動作が発生するのを出荷前のデバッグ時においてチェックしきれなかったために生じたとも考えられる。
いずれにしても、このような場合は、モータの動作予定個数が「1+2=3」と算出される。更に、LEDブロックの動作予定個数が「4+0=4」と算出される(ステップS110)。
【0113】
次に、CPU170は、ROM178から動作制限個数情報を取得し、算出した動作予定個数と、動作制限個数情報の示す各電気部品の動作制限個数とを比較する(ステップS112)。
具体的に、モータの動作予定個数「3」と、
図10に示すモータの動作制限個数の最大値である「2」とを比較すると(ステップS112)、モータの動作予定個数だけを見ても、動作制限個数を上回っている(ステップS114の「No」の分岐)。
【0114】
従って、CPU170は、モータM1に対応するASIC制御コマンドの送信を中止し(ステップS120)、ステップS100で受信した演出制御コマンドに対応する演出が終了していない場合(ステップS118の「No」の分岐)は、演出制御処理を続行する(ステップS102へ)。これにより、モータM1が駆動されないまま動作データの更新が行われることになる。
【0115】
このようにして、本実施の形態のパチンコ機1は、演出制御装置150のCPU170において、モータM1〜M4及びLEDブロックL1〜L8の動作を制御するASIC171の動作を、これら電気部品の同時駆動数が制限個数以下となるように制御することができる。
これによって、同時に駆動する複数の電気部品の総消費電流を、演出制御装置150や演出図柄表示装置104等を含むこれら複数の電気部品が安定して動作可能な許容範囲内の電流となるように制御することができる。従って、供給電流不足によるこれら電気部品の動作不良が発生するのを防止することができる。
また、演出図柄表示装置104について、制限対象から除外するようにしたので、電気部品の動作を制限する制御を行ったときに、遊技者に与える負の印象を低減することができる。
【0116】
〔第2の実施の形態〕
次に、本発明の第2の実施の形態を図面に基づき説明する。
図11〜
図14は、本発明に係る遊技機の第2の実施の形態を示す図である。
本発明の第2の実施の形態に係るパチンコ機は、上記第1の実施の形態に係るパチンコ機1の基本構成と同一となっている。
本発明の第2の実施の形態に係るパチンコ機では、ASIC171を介してではなく、CPU170が直接、各電気部品に制御信号を供給するドライバ回路や表示制御部175の制御を行う点が上記第1の実施の形態と異なっている。
【0117】
以下、上記第1の実施の形態の演出制御装置150と同様の構成部は同じ符号を付して適宜説明を省略し、異なる点を詳細に説明する。
(演出制御装置の構成)
図11は、第2の実施の形態に係る演出制御装置150の構成を示すブロック図である。
第2の実施の形態に係る演出制御装置150は、
図11に示すように、CPU170と、モータドライバ172と、ランプドライバ173と、効果音制御IC174と、表示制御部175と、入力ポート176と、出力ポート177と、ROM178と、RAM179とを備えている。
【0118】
CPU170は、ROM178に記憶されたプログラムにしたがって処理を実行することにより、モータドライバ172、ランプドライバ173、効果音制御IC174及び表示制御部175の制御を行う。
具体的に、CPU171は、主制御装置210から受信した演出制御コマンドにしたがってROM178から各電気部品の動作を制御するための動作データ(演出用制御データ)を取得し、該動作データをRAM179に設定することによって、モータドライバ172、ランプドライバ173及び効果音制御IC174の動作を制御する。なお、表示制御部175の制御については、上記第1の実施の形態と同様となる。
【0119】
本実施の形態において、CPU170は、主制御装置210から受信した演出制御コマンドに応じて、動作データを更新する(ROM178から演出制御コマンドに対応する新たな動作データを読み出す)。そして、動作データを更新するごとに、更新した動作データをRAM179に設定する(書き込む)前において、更新した動作データの内容を解析する。この解析処理によって、更新した動作データによって同時動作する予定のモータの個数、同時動作する予定のLEDブロックの個数、同時動作する予定のスピーカの個数の情報を検出する。そして、更新した動作データによって同時に動作する予定の電気部品の個数と、予めROM178に記憶された動作制限個数情報とに基づき、同時動作する予定の個数が制限個数以下か否かを判定する。そして、制限個数以下の場合に、更新した動作データをRAM179に設定し、制限個数より多い場合に、更新した動作データのRAM179への設定を取りやめる(中止する)。
【0120】
なお、上記第1の実施の形態と同様の理由から、本実施の形態においても、遊技の進行において重要な情報が表示される演出図柄表示装置104については、動作に制限を設けないようにしている。
モータドライバ172は、RAM179に設定された動作データを取得し、取得した動作データに基づき、電動役物300〜302のモータM1〜M4をそれぞれ独立に制御する制御信号を生成し、生成した制御信号を出力ポート177を介してモータM1〜M4に供給する。
【0121】
ランプドライバ173は、RAM179に設定された動作データを取得し、取得した動作データに基づき、ランプ装置154のLEDブロックL1〜L8の点灯、消灯をそれぞれ独立に制御する制御信号を生成し、生成した制御信号を出力ポート177を介してLEDブロックL1〜L8に供給する。
効果音制御IC174は、効果音データが記憶されたROMと、アンプ回路部とを備える。そして、RAM179に設定された動作データを取得し、取得した動作データに基づき、動作データに対応する効果音データをROMから読み出し、動作データに対応する音量で出力されるようにアンプ回路部を制御し、アンプ回路部から出力される効果音信号を出力ポート177を介してスピーカS1〜S4に出力する。
【0122】
(演出制御装置の処理について)
次に、本実施の形態の演出制御装置150で実行される処理を説明する。
演出制御装置150のCPU170は、所定の動作クロック(例えば、2[ms])で1サイクルを実行可能な制御プログラムに基づいて動作し、ROMの所定領域に格納されている制御プログラムを起動させ、演出制御処理を繰り返し実行する。
【0123】
具体的に、演出制御装置150は、CPU170において、主制御装置210から演出制御コマンドを受信した場合、受信した演出制御コマンドに基づき各電気部品に対応する動作データを更新し、更新した動作データをRAM179に設定する。
このとき、CPU170は、更新された動作データをRAM179に設定する前に、更新された動作データによって同時に動作する電気部品の個数が、予め設定された制限個数の範囲内となるようにRAM179への動作データの設定処理を制御する。
【0124】
以下、
図12に基づき、演出制御処理におけるCPU170の動作データの設定処理の流れを説明する。
ここで、
図12は、CPU170における動作データ設定処理を示すフローチャートである。
動作データ設定処理は、CPU170においてROM178に格納されたプログラムを実行することによって開始され、
図12に示すように、まず、ステップS200に移行する。
【0125】
ステップS200では、CPU170において、主制御装置210からの演出制御コマンドを受信したか否かを判定し、受信したと判定した場合(Yes)は、ステップS202に移行し、そうでない場合(No)は、受信するまで判定処理を繰り返す。
ステップS202に移行した場合は、CPU170において、ステップS200で受信した演出制御コマンドに基づき動作データを更新して、ステップS204に移行する。
ステップS204では、CPU170において、更新した動作データを解析して、ステップS206に移行する。
【0126】
具体的に、解析処理は、モータM1〜M4の動作データであれば、モータの回転スピードの値が「0(停止)」か否かを判定する処理となる。また、LEDブロックL1〜L8の動作データであれば、点灯中か否かを示す値から点灯中か否かを判定する処理となる。また、スピーカS1〜S4の動作データであれば、駆動中か否かを示す値から駆動中か否かを判定する処理となる。
【0127】
ステップS206では、CPU170において、ステップS204の解析結果に基づき、同時動作する電気部品の種類及び種類毎の個数を検出して、ステップS208に移行する。
ステップS208では、CPU170において、ROM178に記憶された動作制限個数情報を取得し、取得した動作制限個数情報の示す制限個数と、ステップS206で検出した同時動作する電気部品の個数とを比較して、ステップS210に移行する。
【0128】
ステップS210では、CPU170において、更新した動作データによって同時動作する電気部品の個数が、制限個数未満であるか否かを判定し、制限個数未満であると判定した場合(Yes)は、ステップS212に移行し、そうでない場合(No)は、ステップS216に移行する。
ステップS212に移行した場合は、CPU170において、ステップS202で更新した動作データを、RAM179に設定して、ステップS214に移行する。
ステップS214では、CPU170において、演出が終了したか否かを判定し、終了したと判定した場合(Yes)は、ステップS200に移行し、そうでない場合(No)は、ステップS202に移行する。
【0129】
一方、ステップS210において同時動作個数が制限個数以上であり、ステップS216に移行した場合は、CPU170において、更新した動作データのRAM179への設定を中止して、ステップS214に移行する。
この場合も、送信を中止する期間については、変動パターンで指定された変動時間すべてにおいて中止する場合や、変動パターンで指定された変動時間を所定の時間または動作により複数に区分し、その一区分に対して送信を中止する場合、さらには、ある演出動作(大当たり予告やリーチ予告等の数秒間の演出)についてだけ中止する場合、等の中止期間が考えられる。
【0130】
(本実施の形態に係るパチンコ機の動作について)
次に、
図13及び
図14に基づき、本実施の形態に係るパチンコ機1の動作を説明する。
ここで、
図13は、モータの動作を制御する動作データの一例を示す図である。また、
図14は、ROM178に記憶された、本実施の形態に係る動作制限個数情報の一例を示す図である。
演出制御装置150は、CPU170において、主制御装置210からの演出制御コマンドを受信すると(ステップS200の「Yes」の分岐)、受信した演出制御コマンドに基づき、各電気部品に対応する動作データを更新する(ステップS202)。具体的には、ROM178に記憶された演出制御コマンドに対応する演出用制御データを読み出す。本実施の形態において、演出用制御データは、例えば、モータの動作時間、回転方向、回転スピードの情報等の電気部品の動作を制御する動作データの時系列のデータ群からなるデータテーブルである。
【0131】
次に、更新した動作データをRAM179に設定する前に、更新した動作データを解析する(ステップS204)。
例えば、モータの動作データであれば、
図13に示すように、回転時間、回転方向及び回転スピードを含むデータとなる。この動作データから、本実施の形態において、回転数が「0」であればモータが停止していることが判断でき、「0」以外であればモータが動作中であることが判断できる。このような、動作データは、モータM1〜M4に対して個別に設定される。
【0132】
従って、CPU170は、解析処理として、電気部品がモータであれば、モータの動作データ中における回転スピードの情報から、モータ回転スピードの値が「0」か否かを判定する処理を行う。
LEDブロックL1〜L8やスピーカS1〜S4についても、モータと同様に、動作中又は停止中を示すデータが動作データの中に含まれている。
【0133】
従って、電気部品がLEDブロックであれば、動作データ中における点灯・消灯を示す値が、例えば、「0」が消灯で「1」が点灯だとして、「0」か否かを判定する。スピーカについても同様に、動作データ中における駆動・停止を示す値が、「0」が停止で「1」が駆動だとして、「0」か否かを判定する。
そして、解析結果に基づき、更新した動作データによって、同時動作するモータの個数、同時動作するLEDブロックの個数及び同時動作するスピーカの個数の情報を、消費電流に係る情報として検出する(ステップS206)。
【0134】
同時動作個数の情報が検出されると、CPU170は、ROM178から動作制限個数情報を取得し、動作制限個数情報の示す各電気部品の動作制限個数と、検出した各電気部品の同時動作個数とを比較する(ステップS208)。
本実施の形態において、動作制限個数情報は、上記第1の実施の形態と異なり、スピーカS1〜S4の動作制限も行う。従って、
図14に示すように、モータM1〜M4の個数と、LEDブロックL1〜L8の個数と、スピーカS1〜S4の個数の組み合わせ個数に対する制限個数の情報となる。
【0135】
いま、モータの同時動作個数がM1のみの「1」個で、LEDブロックの同時動作個数がLEDブロックL1〜L4の「4」個で、スピーカの同時駆動個数がスピーカS1〜S4の「4」個であったとする。
図10に示す動作制限個数では、モータの動作制限個数「1」、LEDブロックの動作制限個数「8」及びスピーカの駆動制限個数「4」の組み合わせとなっており、これらと同時動作個数「1」、「8」、「4」とをそれぞれ比較すると(ステップS208)、いずれも動作制限個数以下となる(ステップS210の「Yes」の分岐)。
【0136】
従って、CPU170は、更新した各電気部品の動作データをRAM179に設定し(ステップS212)、ステップS200で受信した演出制御コマンドに対応する演出処理が終了していない場合(ステップS214の「No」の分岐)は、演出制御処理を続行する(ステップS202へ)。これにより、更新した動作データによって、モータM1、LEDブロックL1〜L8及びスピーカS1〜S4が同時動作することになる。
【0137】
一方、検出した同時動作個数が、モータの同時動作個数が、モータM1、M3〜M4の「3」個で、LEDブロックの同時動作個数がLEDブロックL1〜L4の「4」個で、スピーカの同時駆動個数がスピーカS1〜S4の「4」個であったとする。
CPU170は、ROM178から動作制限個数情報を取得し、検出した同時動作個数と、動作制限個数情報の示す各電気部品の動作制限個数とを比較する(ステップS208)。
【0138】
具体的に、モータの同時動作個数「3」と、
図14に示すモータの動作制限個数の最大値である「2」とを比較すると、モータの同時動作個数だけを見ても、動作制限個数を上回っている(ステップS210の「No」の分岐)。
従って、CPU170は、更新した動作データのRAM179への設定を中止し(ステップS216)、ステップS200で受信した演出制御コマンドに対応する演出が終了していない場合(ステップS116の「No」の分岐)は、演出制御処理を続行する(ステップS202へ)。これにより、更新した動作データがRAM179に設定されずに演出が続行されることになる。つまり、各電気部品が動作制限個数を超えて同時動作をせずに、動作制限個数以下の同時動作個数で動作する状態が維持される。
【0139】
このようにして、本実施の形態のパチンコ機1は、演出制御装置150のCPU170において、モータM1〜M4、LEDブロックL1〜L8及びスピーカS1〜S4の動作を制御する各ドライバ及び制御ICの動作を、これらによって制御信号が供給される電気部品の同時動作数が制限個数以下となるように制御することができる。
これによって、演出制御装置150や演出図柄表示装置104を含む、同時に動作する複数の電気部品の総消費電流を、これら複数の電気部品が安定して動作可能な許容範囲内の電流となるように制御することができる。従って、供給電流不足によるこれら電気部品の動作不良が発生するのを防止することができる。
また、演出図柄表示装置104について、制限対象から除外するようにしたので、電気部品の動作を制限する制御を行ったときに、遊技者に与える負の印象を低減することができる。
【0140】
(本発明との対応関係)
上記各実施の形態において、CPU220、ROM230及びRAM240は、抽選手段、演出態様決定手段に対応し、CPU220、ROM230、RAM240及び出力ポート255は、演出制御コマンド送信手段に対応する。
また、上記各実施の形態において、演出制御装置150は、副制御装置に対応し、演出用制御データ記憶手段は、ROM178に対応し、CPU170、ROM178及びRAM179は、電流情報検出手段に対応し、動作制限個数情報は、制限値に対応する。
また、上記第1の実施の形態において、CPU170、ASIC171、ROM178及びRAM179は、動作制御手段に対応する。
【0141】
また、上記第1の実施の形態において、ASIC171は、動作制御補助部に対応し、CPU170は、制御コマンド生成部及び制御コマンド送信部に対応する。
また、上記第1の実施の形態において、レジスタ185は、レジスタに対応し、役物制御部181及びランプ制御部182は、制御データ生成部及び制御データ書込部に対応し、モータドライバ186及びランプドライバ187は、制御信号生成部に対応する。
また、上記第1の実施の形態において、モータドライバ186、ランプドライバ187及び入出力ポート188は、制御信号供給部に対応する。
【0142】
また、上記第2の実施の形態において、CPU170、ROM178及びRAM179は、動作制御手段に対応する。
また、上記第2の実施の形態において、RAM179は、メモリに対応し、CPU170は、動作データ設定部に対応し、モータドライバ172、ランプドライバ173、効果音制御IC174及び表示制御部175は、制御信号生成部に対応する。
また、上記第2の実施の形態において、モータドライバ172、ランプドライバ173、効果音制御IC174、表示制御部175及び出力ポート177は、制御信号供給部に対応する。
【0143】
(変形例)
なお、上記第1の実施の形態において、動作予定個数が制限個数よりも多いときに、ASIC制御コマンドをASIC171に送信しないように制御する構成を説明したが、この構成に限らない。
例えば、CPU170において、各電気部品の消費電流が低くなるように節電モード等で動作するように制御する構成や、優先順位の高い電気部品を優先して動作させるように制御する構成など、他の構成としてもよい。
節電モードとしては、例えば、LEDブロックを制御する際に、点灯時の明るさを通常よりも暗くしたり、点滅の速度を通常よりも遅くするなど電流消費量が通常よりも減少するように電気部品を動作させる。
【0144】
また、優先順位については、例えば、演出図柄表示装置、モータ、LED、スピーカ等の電気部品を例に挙げると、まず、演出図柄表示装置が優先順位が最も高く、次いで、モータ、スピーカ、LEDの順に低くなる順位を予め設定しておく。
そして、これから動作させる予定の電気部品によって、同時に動作する電気部品の個数が制限値を越えてしまうような場合に、例えば、これから動作させる電気部品が複数であれば、これら複数の電気部品のうち優先順位の低い電気部品の動作を中止することで制限値以下となる場合は、該当の電気部品の動作を中止して、これよりも優先順位の高い電気部品を動作させる。
【0145】
また、例えば、これから動作させる複数の電気部品のうち優先順位の低い電気部品の動作を中止しても制限値以下とならない場合に、現在動作している電気部品も含めて、制限値以下となるように、優先順位の低い電気部品の順に動作を停止して、優先順位の高いものが優先して動作されるようにする。
また、上記第2の実施の形態において、同時動作個数が制限個数よりも多いときに、更新した動作データをRAM179に設定しないように制御する構成を説明したが、この構成に限らない。
【0146】
例えば、各電気部品の総消費電流が予め設定した制限値以下となるように節電モード等で動作するように制御する構成や、優先順位の低い電気部品の動作を停止し、優先順位の高い電気部品を優先して動作させるように制御する構成など、他の構成としてもよい。
この場合も、節電モードや、優先順位については上記した動作予定個数が制限個数よりも多いときに、ASIC制御コマンドをASIC171に送信しないように制御する場合の説明と同じとなる。
【0147】
また、上記第1の実施の形態において、ASIC171によって制御されないスピーカS1〜S4については動作制限処理を行わない構成としたが、この構成に限らない。
例えば、上記第2の実施の形態の動作制限処理の方法を適用して、第1の実施の形態における演出制御装置150において、スピーカS1〜S4等のCPU170によって直接制御されるものについても動作制限処理を行う構成としてもよい。
【0148】
また、上記各実施の形態において、電気部品として、モータ、LED、スピーカ、演出図柄表示装置等を例に挙げて説明したが、これに限らず、ソレノイド、LED以外の発光素子など、演出制御装置150で制御される電気部品であればどのようなものを制御対象としてもよい。
また、上記各実施の形態において、電気部品の消費電流に係る情報として、電気部品の動作個数の情報を検出する構成としたが、この構成に限らない。
【0149】
例えば、専用の電流検出回路を設ける等して、動作中の電気部品の消費電流を検出し、該検出した消費電流を電気部品の消費電流に係る情報とする構成や、検出した消費電流に基づき現在動作中の電気部品の種類毎の総消費電流を算出し、これを電気部品の消費電流に係る情報とする構成など他の構成としてもよい。
また、上記各実施の形態において、動作予定個数(同時動作個数)を算出して、ROM178に記憶された動作制限個数情報と、算出した動作予定個数とを比較し、動作予定個数が制限個数以下であるか否かを判定する構成としたが、この構成に限らない。
【0150】
例えば、現在動作中の各電気部品の同時動作個数が、予め設定された電気部品の種類毎の最大上限個数になっているか否かを判定するなど、他の構成としてもよい。
また、上記各実施形態においては、ROM178に記憶された動作制限個数情報として、各遊技状態に共通の情報を記憶し、この動作制限個数情報を用いて演出処理の制御を行う構成としたが、この構成に限らない。
【0151】
例えば、遊技状態(通常遊技状態や特別図柄高確率状態、普通図柄高確率状態、等)別に、ROM178に制限個数の設定内容が異なる動作制限個数情報を記憶したり、各遊技状態に応じて制限個数の設定内容を変更したりするなど、遊技状態に応じた動作制限個数情報によって演出処理の制御を行う構成としてもよい。そうすれば、各遊技状態に応じてきめ細かな演出制御が対応可能になる。
【0152】
また、上記各実施の形態において、モータ、LED及びスピーカを制限対象の電気部品として例に挙げて説明したが、この構成に限らず、モータのみを制限対象としたり、モータとLEDを制限対象にしたりするなど他の構成としてもよい。
また、上記各実施の形態は、本発明の好適な具体例であり、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、上記の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。また、上記の説明で用いる図面は、図示の便宜上、部材ないし部分の縦横の縮尺は実際のものとは異なる模式図である。
【0153】
また、本発明は上記各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
また、上記各実施の形態においては、パチンコ機である遊技機に本発明を適用した場合について説明したが、これに限らず、本発明の主旨を逸脱しない範囲で他のアミューズメントゲーム機等の遊技機にも適用可能である。