(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
少なくとも1つの天然の炭水化物甘味料が、異性化糖、スクロース、フルクトース、グルコース、D−タガトース、トレハロース、イソマルト、デキストリン、シクロデキストリン、D−ガラクトース、ラムノース、プロピレングリコール、エチレングリコール、又はこれらの組み合わせを含む、請求項10に記載の甘味料組成物。
少なくとも1つの天然の高甘味度甘味料が、レバウジオシドA、レバウジオシドB、レバウジオシドC、レバウジオシドD、レバウジオシドE、レバウジオシドF、ダルコシドA、ダルコシドB、ルブソシド、ステビア、ステビオシド、モグロシドIV、モグロシドV、ローハングオ甘味料、シアメノシド、モナチン及びその塩(モナチンSS、RR、RS、SR)、クルクリン、グリチルリチン酸及びその塩、タウマチン、モネリン、マビンリン、ブラゼイン、ハーナンズルシン、フィロズルシン、グリシフィリン、フロリドジン、トリロバチン、バイユノシド、オスラジン、ポリポドシドA、プテロカリオシドA、プテロカリオシドB、ムクロジオシド、フロミソシドI、ペリアンドリンI、アブルソシドA、シクロカリオシドI、又はこれらの組み合わせを含む、請求項10に記載の甘味料組成物。
【発明を実施するための形態】
【0013】
ここで、現在提供されている本発明の実施態様に対して参照が詳細に行われるであろう。本発明の限定ではなく本発明の実施態様の説明を目的として各例が提供される。実際、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、本発明において種々の改変及び変化を為すことができることは当業者に明らかであろう。たとえば、実施態様の1つの一部として説明された又は記載された特徴を別の実施態様で使用して一層さらなる実施態様を与えることができる。従って、本発明は、添付の特許請求の範囲及びその均等物の範囲内でそのような改変及び変化を含めることが意図される。
【0014】
手短に記載すれば、本発明の実施態様は、レバウジオシドA誘導体生成物及びレバウジオシドA誘導体生成物を調製する方法を包含する。特に本明細書で提供される実施態様は、甘味料としての使用に好適なレバウジオシドA誘導体生成物を包含する。
【0015】
I.レバウジオシドA誘導体生成物を調製する方法
特定の実施態様では、レバウジオシドA誘導体生成物を調製する方法を提供する。
【0016】
レバウジオシドA誘導体生成物を調製する方法は、一般にレバウジオシドA化合物を含む粗精製の又は実質的に純粋なレバウジオシドA組成物と無機酸又は無機塩基との溶液を調製することと、レバウジオシドA誘導体生成物を得るのに十分な時間、レバウジオシドA化合物を反応させるのに十分な温度及び圧力に加熱し又は加圧し、又はこれらを組み合わせることと、レバウジオシドA誘導体生成物を回収することとを含む。実施態様の1つでは、レバウジオシドA化合物を反応させるのに十分な温度は、約50℃〜約110℃、さらに特に約65℃〜約95℃、一層さらに特に約75℃〜約85℃の範囲内である。当業者に既知の任意の好適な加熱手段を使用して溶液を加熱してもよく、その非限定例には、日光及び高い周囲温度が挙げられる。実施態様の1つでは、レバウジオシドA化合物を反応させるのに十分な時間は、約0.5時間〜約24時間の範囲内である。
【0017】
本明細書の実施態様で使用するのに好適な無機酸の非限定例には、リン酸、亜リン酸、ポリリン酸、塩酸、硫酸、硝酸、炭酸、リン酸二水素ナトリウム及びこれらの組み合わせが挙げられる。本明細書の実施態様で使用するのに好適な無機塩基の非限定例には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム及びこれらの組み合わせが挙げられる。理論に束縛されることを望まないで、酸の使用がアルケンの水和及び/又はエステルの切断を結果的に生じる一方で、塩基の使用は無機酸の添加を必要とする鹸化反応を結果的に生じ、カルボン酸を再形成すると考えられる。
【0018】
本明細書で使用されるとき、粗精製のレバウジオシドA組成物は、無水ベースで約80重量%未満のレバウジオシドA化合物、無水ベースで約70重量%未満、又は無水ベースで約60重量%未満のレバウジオシドA化合物の純度レベルを含む。
【0019】
本明細書で使用されるとき、実質的に純粋なレバウジオシドA化合物は、無水ベースで80重量%以上のレバウジオシドA化合物から、無水ベースで100重量%までの、無水ベースで90重量%を超える、無水ベースで97重量%を超える、無水ベースで98重量%を超える、又は無水ベースで99重量%を超えるレバウジオシドA化合物の純度レベルを含む。純度は、本明細書で使用されるとき、未加工の形態又は精製された形態にてレバウジオシドA化合物又はレバウジオシドA誘導体化合物の重量比率を表す。粗精製のレバウジオシドA化合物を精製して実質的に純粋なレバウジオシドA組成物を得る方法を本明細書の以下に記載する。
【0020】
得られるレバウジオシドA誘導体生成物は一般に上清と沈殿物の混合物を含む。特定の実施態様では、レバウジオシドA誘導体生成物を回収する工程は、上清、沈殿物又はその組み合わせを単離することを含む。レバウジオシドA誘導体生成物は、好適な固液分離法を用いて回収してもよい。たとえば、上清と沈殿物の誘導体生成物は、容器を傾けて沈殿物から上清をほかに移すことによって互いに単離してもよい。ほかの分離法は、遠心力を利用してもよく、その非限定例には、縦横穴あきバスケット遠心分離機、固形ボウル遠心分離機、デカンター遠心分離機、皮むき型遠心分離機、押し込み型遠心分離機、ハインケル型遠心分離機、ディスクスタック遠心分離機、及びサイクロン分離が挙げられる。さらに、上清と沈殿物におけるレバウジオシドA誘導体生成物の分離は、限定しないでベルト、ドラム、ヌッチェ型、リーフ、プレート、ローゼンムンド型、スパークラー型、及び袋フィルター及びフィルター圧迫の使用を含むが、これらに限定されない加圧法、真空法及び重力濾過法のいずれかによって向上させてもよい。
【0021】
上清から回収されたレバウジオシドA誘導体生成物は任意で水性有機溶液によって清澄化してもよい一方で、沈殿物から回収されたレバウジオシドA誘導体生成物は任意で水性有機溶液(たとえば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール又は混合物)に溶解してもよい。
【0022】
当業者は、レバウジオシドA誘導体生成物がその調製後、一般に精製された形態ではないことを十分に理解すべきである。従って、特定の実施態様では、レバウジオシドA誘導体生成物は、約0.5〜約50重量%の量のレバウジオシドA誘導体化合物、又はその間(たとえば、約0.5%〜約45%、約0.5%〜約40%、約0.5%〜約35%、約0.5%〜約30%、約0.5%〜約25%、約0.5%〜約15%、約0.5%〜約10%、約0.5%〜約5%など)の量のレバウジオシドA誘導体化合物を含み得る。
【0023】
ほかの特定の実施態様では、レバウジオシドA誘導体生成物を調製する方法は、レバウジオシドA誘導体生成物を精製することをさらに含む。たとえば、正相及び/又は逆相のカラムクロマトグラフィによってレバウジオシドA誘導体生成物を上清から又は沈殿物から精製してもよい。レバウジオシドA誘導体生成物を精製するために好適なカラムは過度な実験を行うことなく当業者によって決定されてもよい。特定の実施態様では、レバウジオシドA誘導体生成物の得られた分画を処理して(たとえば、カラムクロマトグラフィ又はそのほかの精製方法を用いて)レバウジオシドA誘導体生成物をさらに精製してもよい。さらにそのほかの実施態様では、当業者に既知の好適な濃縮方法(たとえば、高速液体クロマトグラフィ)を用いてレバウジオシドA誘導体生成物の得られた分画を濃縮してもよい。
【0024】
従って、特定の実施態様は、所望の純度レベルを有するレバウジオシドA誘導体生成物を含んでもよい。たとえば、実施態様の1つでは、レバウジオシドA誘導体生成物は、約50〜99.5重量%のレバウジオシドA誘導体化合物(無水ベースで)、約75%〜約99.5%、約80%〜約99.5%、約85%〜約99.5%、約90%〜約99.5%、約95%〜約99.5%、約97%〜約99.5%、約98%〜約99.5%、又は約99%〜約99.5%のレバウジオシドA誘導体化合物を含んでもよい。
【0025】
本明細書で使用されるとき、語句「レバウジオシドA誘導体生成物」は、「レバウジオシドAの分解生成物」と同義的であり、個々のレバウジオシドA誘導体化合物とレバウジオシドA誘導体化合物の組み合わせとの双方を包含する。たとえば、得られたレバウジオシドA誘導体生成物の特定の実施態様は、個々のレバウジオシドA誘導体化合物、2つのレバウジオシドA誘導体化合物の組み合わせ、3つのレバウジオシドA誘導体化合物の組み合わせ、4以上のレバウジオシドA誘導体化合物の組み合わせなどを含んでもよい。得られるレバウジオシドA誘導体生成物はまた残余のレバウジオシドA(すなわち、未分解のレバウジオシドA)も包含してもよい。
【0026】
II.レバウジオシドA誘導体生成物
特定の実施態様では、化学式I:
【化8】
を有するレバウジオシドA誘導体化合物が提供され、
式中、R
1は単糖、2若しくは3の糖を含むオリゴ糖、アルキル又はヒドロキシルであってもよく;R
2は、水素、ヒドロキシル又はアルコキシであってもよく;R
3は、水素、ヒドロキシル、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、置換される又は非置換の直鎖、鎖状、分枝鎖又は環状のアルキル、アルケニル又はアルキニル、アリール、ヘテロアリール、複素環又はアシルの基であってもよく;xは単結合又は二重結合であってもよく、nは0又は1であり;xが単結合である場合、nは1であり、R
2は水素、ヒドロキシル又はアルコキシであってもよく;xが二重結合である場合、nは0である。
【0027】
本明細書で提供されるレバウジオシドA誘導体生成物が化学式Iを有するレバウジオシドA誘導体化合物に関して説明されるとき、(R,S)によって示されるような複数の立体中心を有してもよいことを当業者は十分に理解すべきである。
【化9】
【0028】
1以上の立体中心を含むレバウジオシドA誘導体化合物の実施態様では、各立体中心は、空間における原子の配置及び配向によってR又はSの立体配置のいずれかである。特に示されない限り、本明細書で提供されるレバウジオシドA誘導体化合物の実施態様は、好適な立体化学配置を含んでもよいことが理解されるべきである。たとえば、特定の実施態様では、化学式Iを有するレバウジオシドA誘導体化合物は以下の化学構造を有する:
【化10】
【0029】
xが単結合であり、nが1である式IのレバウジオシドA誘導体生成物の実施態様の1つでは、レバウジオシドA誘導体化合物は化学式IA:
【化11】
を有し、
式中、R
1は単糖、2若しくは3の糖を含むオリゴ糖、アルキル又はヒドロキシルであってもよく;R
2は、水素、ヒドロキシル又はアルコキシであってもよく;R
3は、水素、ヒドロキシル、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、置換される又は非置換の直鎖、鎖状、分枝鎖又は環状のアルキル、アルケニル又はアルキニル、アリール、ヘテロアリール、複素環又はアシルの基であってもよい。
【0030】
R
1が3つの糖を含むオリゴ糖を含み、R
2がヒドロキシルを含み、R
3がカルボキシル置換された糖を含む式IAのレバウジオシドA誘導体化合物の下位実施態様では、レバウジオシドA誘導体生成物は、化学式II:
【化12】
を有するレバウジオシドA誘導体化合物を含む。
【0031】
R
1が3つの糖を含むオリゴ糖を含み、R
2がヒドロキシルを含み、R
3がカルボキシルを含む式IAのレバウジオシドA誘導体化合物の別の下位実施態様では、レバウジオシドA誘導体生成物は、化学式III:
【化13】
を有するレバウジオシドA誘導体化合物を含む。
【0032】
xが二重結合であり、nが0である式IのレバウジオシドA誘導体化合物の実施態様の1つでは、レバウジオシドA誘導体化合物は化学式IBを有する:
【化14】
式中、R
1は単糖、2若しくは3の糖を含むオリゴ糖、アルキル又はヒドロキシルであってもよく;R
3は、水素、ヒドロキシル、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、置換される又は非置換の直鎖、鎖状、分枝鎖又は環状のアルキル、アルケニル又はアルキニル、アリール、ヘテロアリール、複素環又はアシルの基であってもよい。
【0033】
R
1が3つの糖を含むオリゴ糖であり、R
3がカルボキシル置換された糖を含む式IBのレバウジオシドA誘導体生成物の下位実施態様では、レバウジオシドA誘導体生成物は、化学式IV:
【化15】
を有するレバウジオシドA誘導体化合物を含む。
【0034】
R
1が3つの糖を含むオリゴ糖であり、R
3がカルボキシル基である式IBのレバウジオシドA誘導体生成物の別の下位実施態様では、レバウジオシドA誘導体生成物は、化学式V:
【化16】
を有するレバウジオシドA誘導体化合物を含む。
【0035】
上文に記載されたように、レバウジオシドA誘導体生成物は当業者に既知の好適な立体化学配置を有してもよい。たとえば、化学式II、III、IV及びVを有する前述の化合物の特定の立体化学配置は、それぞれ、化学式II’、III’、IV’及びV’:
【化17】
の立体化学配置を有する化合物を含んでもよい。
【0036】
別の実施態様では、レバウジオシドA誘導体生成物は化学式VI:
【化18】
を有する化合物を含み、
式中、R
4は単糖であってもよい。
【0037】
R
4がグルコースである化学式VIのレバウジオシドA誘導体生成物の下位実施態様では、レバウジオシドA誘導体生成物は化学式VII:
【化19】
を有するレバウジオシドA誘導体化合物を含む。
【0038】
別の実施態様では、レバウジオシドA誘導体生成物は、化学式VIII:
【化20】
を有するレバウジオシドA誘導体化合物を含み、
式中、R
1は単糖、2若しくは3の糖を含むオリゴ糖、アルキル又はヒドロキシであってもよく;R
3は、水素、ヒドロキシル、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、置換される又は非置換の直鎖、鎖状、分枝鎖又は環状のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、複素環又はアシルの基であってもよい。
【0039】
R
1がメチルであり、R
3がグルコースである式VIIIのレバウジオシドA誘導体生成物の下位実施態様では、レバウジオシドA誘導体生成物は化学式IX:
【化21】
を有するレバウジオシドA誘導体化合物を含む。
【0040】
さらに別の実施態様では、レバウジオシドA誘導体生成物は化学式X:
【化22】
を有するレバウジオシドA誘導体化合物を含む。
【0041】
上文に記載されたように、前述のレバウジオシドA誘導体生成物は当業者に既知の好適な立体化学配置を有してもよい。たとえば、化学式VII、IX及びXを有する化合物の特定の立体化学配置は、それぞれ、化学式VII’、IX’及びX’:
【化23】
の立体化学配置を有する化合物を含んでもよい。
【0042】
前に示したように、特定の実施態様は所望の純度レベルで前述のレバウジオシドA誘導体生成物を含んでもよい。たとえば、実施態様の1つでは、レバウジオシドA誘導体生成物は、好適な純度レベルの、化学式Iを有するレバウジオシドA誘導体化合物、化学式IIを有するレバウジオシドA誘導体化合物、化学式IIIを有するレバウジオシドA誘導体化合物、化学式IVを有するレバウジオシドA誘導体化合物、化学式Vを有するレバウジオシドA誘導体化合物、化学式VIを有するレバウジオシドA誘導体化合物、化学式VIIを有するレバウジオシドA誘導体化合物、化学式VIIIを有するレバウジオシドA誘導体化合物、化学式IXを有するレバウジオシドA誘導体化合物、化学式Xを有するレバウジオシドA誘導体化合物、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。
【0043】
たとえば、実施態様の1つでは、レバウジオシドA誘導体生成物は、約50〜約99.5重量%(無水ベースで)の化学式IIを有するレバウジオシドA誘導体化合物を含んでもよく、約75%〜約99.5%、約80%〜約99.5%、約85%〜約99.5%、約90%〜約99.5%、約95%〜約99.5%又はその間の量の化学式IIを有するレバウジオシドA誘導体化合物を含んでもよい。実施態様の1つでは、レバウジオシドA誘導体生成物は、約50〜約99.5重量%(無水ベースで)の化学式IIIを有するレバウジオシドA誘導体化合物を含んでもよく、約75%〜約99.5%、約80%〜約99.5%、約85%〜約99.5%、約90%〜約99.5%、約95%〜約99.5%又はその間の量の化学式IIIを有するレバウジオシドA誘導体化合物を含んでもよい。実施態様の1つでは、レバウジオシドA誘導体生成物は、約50〜約99.5重量%(無水ベースで)の化学式IVを有するレバウジオシドA誘導体化合物を含んでもよく、約75%〜約99.5%、約80%〜約99.5%、約85%〜約99.5%、約90%〜約99.5%、約95%〜約99.5%又はその間の量の化学式IVを有するレバウジオシドA誘導体化合物を含んでもよい。実施態様の1つでは、レバウジオシドA誘導体生成物は、約50〜約99.5重量%(無水ベースで)の化学式Vを有するレバウジオシドA誘導体化合物を含んでもよく、約75%〜約99.5%、約80%〜約99.5%、約85%〜約99.5%、約90%〜約99.5%、約95%〜約99.5%又はその間の量の化学式Vを有するレバウジオシドA誘導体化合物を含んでもよい。実施態様の1つでは、レバウジオシドA誘導体生成物は、約50〜約99.5重量%(無水ベースで)の化学式VIIを有するレバウジオシドA誘導体化合物を含んでもよく、約75%〜約99.5%、約80%〜約99.5%、約85%〜約99.5%、約90%〜約99.5%、約95%〜約99.5%又はその間の量の化学式VIIを有するレバウジオシドA誘導体化合物を含んでもよい。実施態様の1つでは、レバウジオシドA誘導体生成物は、約50〜約99.5重量%(無水ベースで)の化学式IXを有するレバウジオシドA誘導体化合物を含んでもよく、約75%〜約99.5%、約80%〜約99.5%、約85%〜約99.5%、約90%〜約99.5%、約95%〜約99.5%又はその間の量の化学式IXを有するレバウジオシドA誘導体化合物を含んでもよい。実施態様の1つでは、レバウジオシドA誘導体生成物は、約50〜約99.5重量%(無水ベースで)の化学式Xを有するレバウジオシドA誘導体化合物を含んでもよく、約75%〜約99.5%、約80%〜約99.5%、約85%〜約99.5%、約90%〜約99.5%、約95%〜約99.5%又はその間の量の化学式Xを有するレバウジオシドA誘導体化合物を含んでもよい。
【0044】
III.レバウジオシドAの精製
レバウジオシドA誘導体生成物は、ステビア植物から抽出された未加工の形態又は精製された形態での粗精製のレバウジオシドA組成物から得てもよい。特定の実施態様では、それらの開示全体が参照によって本明細書に組み入れられる、2006年6月19日に出願された米国仮出願第60/805,216号と2007年2月12日に出願された同第60/889,318号に対して優先権を主張する2007年5月21日に出願された米国特許出願第11/751,627号で開示された方法を用いた誘導体に先立ってレバウジオシドA組成物を精製する。
【0045】
手短に説明すると、粗精製のレバウジオシドA組成物を再結晶化によって精製してもよい。HPLCによって特定される主な不純物は、ダルコシドA、ステビオシド、ステビオールビオシド、レバウジオシドB、レバウジオシドC、レバウジオシドD及びレバウジオシドFである。レバウジオシドD不純物は、水性有機再結晶化溶媒における水の量を増やすことによって取り除くことができるが、結晶化溶媒における過剰な水含量は結果的にレバウジオシドAの回収をさらに低くする。レバウジオシドBは、粗精製のレバウジオシドA組成物を水性有機溶液中でスラリーにするか、又は粗精製のレバウジオシドA溶液のアニオン交換樹脂による処理を介して十分に低減することができる。従って、精製の方法は、粗精製のレバウジオシドA出発物質に存在する不純物に左右される。
【0046】
例となる実施態様では、粗精製のレバウジオシドA組成物を水性有機溶液と混ぜ合わせてレバウジオシドA溶液を形成することによってレバウジオシドA組成物を精製してもよい。水性有機溶液は、約10〜約25重量%の量での水と少なくとも1種の有機溶媒を含む。或いは、水性有機溶液は、約15〜約20重量%の量での水と少なくとも1種の有機溶媒を含む。
【0047】
本明細書で使用されるとき、水性有機溶液は水と少なくとも1種の有機溶媒の混合物を指す。有機溶媒の非限定例には、アルコール、アセトン及びアセトニトリルが挙げられる。本明細書で使用されるとき、アルコールは、少なくとも1つのヒドロキシル部分に連結された直鎖、分枝鎖又は環状の置換された又は非置換のアルキル、アルケニル又はアルキニルを指す。アルコールの非限定例には、エタノール、メタノール、イソプロパノール、1−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール及びイソブタノールが挙げられる。
【0048】
例となる実施態様では、水性有機溶液は水と少なくとも1種の有機溶媒の混合物を含む。別の例となる実施態様では、少なくとも1種の有機溶媒はアルコールを含み、該アルコールはエタノール、メタノール又はその混合物を含む。少なくとも1種の有機溶媒がエタノールとメタノールの混合物を含む例となる実施態様では、約1部のメタノールに対して約20部〜約1部のエタノールに及ぶ重量比にて水性有機溶媒においてエタノールとメタノールを混ぜ合わせる。別の例となる実施態様では、約1部のメタノールに対して約3部〜約1部のエタノールに及ぶ重量比にて水性有機溶媒においてエタノールとメタノールを混ぜ合わせる。
【0049】
例となる実施態様では、レバウジオシドA溶液は、約1部の粗精製レバウジオシドA組成物に対して約10〜約4部の水性有機溶媒に及ぶ重量比にて水性有機溶媒と粗精製レバウジオシドA組成物を含む。別の例となる実施態様では、レバウジオシドA溶液は、約1部の粗精製レバウジオシドA組成物に対して約5〜約3部の水性有機溶媒に及ぶ重量比にて水性有機溶媒と粗精製レバウジオシドA組成物を含む。
【0050】
例となる実施態様では、方法はほぼ室温にて実施される。別の実施態様では、方法はさらにレバウジオシドA溶液を加熱する工程を含む。実施態様では、レバウジオシドA溶液を加熱する工程は、約20℃〜約70℃の範囲での、さらに望ましくは約20℃〜約50℃の範囲での、一層さらに望ましくは約20℃〜約40℃の範囲での温度にレバウジオシドA溶液を加熱することを含む。別の実施態様では、レバウジオシドA溶液を加熱する工程は、レバウジオシドA溶液を還流温度に加熱することを含む。レバウジオシドA溶液を加熱する工程は約0.25時間〜約8時間、レバウジオシドA溶液を加熱することを含む。レバウジオシドAを精製する方法がレバウジオシドA溶液を加熱することを含む別の例となる実施態様では、方法はさらにレバウジオシドA溶液を冷却する工程を含む。実施態様では、レバウジオシドA溶液を冷却する工程は、約4℃〜約25℃の範囲での温度にレバウジオシドA溶液を冷却することを含む。レバウジオシドA溶液を冷却する工程は、約0.5時間〜約24時間、レバウジオシドA溶液を冷却することを含む。
【0051】
レバウジオシドAを精製する方法はさらに、無水ベースで約95重量%を超える量でレバウジオシドA化合物を含む実質的に純粋なレバウジオシドA組成物をレバウジオシドA溶液から単一工程で結晶化させる工程を含む。別の例となる実施態様では、実質的に純粋なレバウジオシドA組成物は、無水ベースで約97%のレバウジオシドA化合物を超える、無水ベースで約98重量%を超える、又は無水ベースで約99重量%を超えるレバウジオシドAの純度レベルを含む。単一の結晶化工程の間、レバウジオシドA溶液を撹拌してもよいし、撹拌しなくてもよい。
【0052】
例となる実施態様では、方法はさらに、レバウジオシドAの結晶化を促進して純粋なレバウジオシドAを形成するのに十分なレバウジオシドAの実質的に純粋な結晶と共に適当な温度にてレバウジオシドA溶液を蒔く工程(任意の工程)を含む。実質的に純粋なレバウジオシドAの結晶化を促進するのに十分なレバウジオシドAの量は、溶液に存在するレバウジオシドAの約0.0001〜約1重量%のレバウジオシドAの量を含む。別の実施態様では、レバウジオシドAの結晶化を促進して実質的に純粋なレバウジオシドAの組成物を形成するのに十分なレバウジオシドAの量は、約0.01〜1重量%のレバウジオシドAの量を含む。蒔く工程の適当な温度は、約18℃〜約35℃の範囲での温度を含む。
【0053】
別の例となる実施態様では、方法はさらに、実質的に純粋なレバウジオシドA組成物を分離し、洗浄する工程を含む。実質的に純粋なレバウジオシドA組成物は、遠心力を利用する種々の固液分離法によって水性有機溶液から分離されてもよく、それには、限定しないで、縦横穴あきバスケット遠心分離機、固形ボウル遠心分離機、デカンター遠心分離機、皮むき型遠心分離機、押し込み型遠心分離機、ハインケル型遠心分離機、ディスクスタック遠心分離機、及びサイクロン分離が挙げられる。さらに、分離は、加圧、真空及び重力濾過法によって向上させてもよく、それには、限定しないでベルト、ドラム、ヌッチェ型、リーフ、プレート、ローゼンムンド型、スパークラー型、及び袋フィルター及びフィルター圧迫の使用が挙げられる。レバウジオシドAの固液分離装置の操作は、連続的であってもよく、半連続的であってもよく又はバッチ方式であってもよい。種々の水性有機溶媒及びその混合物を用いて分離装置にて実質的に純粋なレバウジオシドA組成物を洗浄してもよい。窒素及びアルゴンを含むが、これらに限定されないいくつもの気体を用いて分離装置にて実質的に純粋なレバウジオシドA組成物を部分的に又は全体的に乾燥させて残りの液状溶媒を蒸発させることができる。固形物を溶解するか、又は固体形態を維持することによって液体、気体又は機械的な手段を用いて実質的に純粋なレバウジオシドA組成物を分離装置から自動的に又は手動で取り出してもよい。
【0054】
さらに別の例となる実施態様では、方法はさらに、実質的に純粋なレバウジオシドA組成物を乾燥させる工程を含む。そのような方法は当業者に既知であり、回転真空乾燥機、流動床乾燥機、回転トンネル乾燥機、プレート乾燥機、トレイ乾燥機、ナウタ型乾燥機、噴霧乾燥機、フラッシュ乾燥機、ミクロン乾燥機、パン乾燥機、高速低速パドル乾燥機、及びマイクロ波乾燥機の使用が挙げられるが、これらに限定されない。例となる実施態様では、乾燥させる工程は、約40℃〜約60℃の範囲の温度にて約5時間〜約100時間、窒素又はアルゴンのパージを用いて実質的に純粋なレバウジオシドA組成物を乾燥させて残りの溶媒を取り除くことを含む。
【0055】
粗精製のレバウジオシドA混合物がレバウジオシドD不純物を実質的に含まない、さらに別の例となる実施態様では、方法はさらに、実質的に純粋なレバウジオシドA組成物を乾燥させる工程に先立って水性有機溶媒と共に実質的に純粋なレバウジオシドAの組成物をスラリーにする工程を含む。スラリーは、固形物と水性有機溶媒又は有機溶媒の混合物であり、その際、固形物は実質的に純粋なレバウジオシドA組成物を含み、水性有機溶媒又は有機溶媒にやや溶けにくい。実施態様では、約1部の実質的に純粋なレバウジオシドA組成物に対して約15部〜約1部の水性有機溶媒に及ぶ重量比でスラリーにて実質的に純粋なレバウジオシドA組成物と水性有機溶媒が存在する。実施態様の1つでは、スラリーは室温で維持される。別の実施態様では、スラリーにする工程は、約20℃〜約40℃の範囲での温度にスラリーを加熱することを含む。約0.5時間〜約24時間、実質的に純粋なレバウジオシドA組成物をスラリーにする。
【0056】
その上さらに別の実施態様では、方法はさらに、実質的に純粋なレバウジオシドA組成物を乾燥させる工程の前に、スラリーの水性有機溶媒から実質的に純粋なレバウジオシドA組成物を分離し、実質的に純粋なレバウジオシドA組成物を洗浄する工程を含む。
【0057】
さらなる精製が所望であれば、本明細書で記載されるレバウジオシドAを精製する方法を繰り返してもよいし、又はたとえば、カラムクロマトグラフィのような代替精製法を用いて実質的に純粋なレバウジオシドA組成物をさらに精製してもよい。
【0058】
純度は、本明細書で使用されるとき、未加工形態又は精製された形態にてレバウジオシドA組成物に存在するレバウジオシドAの重量比率を指す。実施態様の1つでは、レバウジオシドA組成物が特定の純度でレバウジオシドAを含み、組成物の残りはほかのステビオール配糖体、又はレバウジオシドAではない成分の混合物を含む。組成物の純度は当業者に既知の方法を用いて測定してもよい。そのような方法の1つには高速液体クロマトグラフィ(HPLC)が挙げられる。当業者は、試料中の湿気は純度測定の精度に影響しうることを十分に理解すべきである。よって、組成物が実質的に乾燥していることが特に望ましい。本明細書で使用されるとき、実質的に乾燥した組成物は約10重量%までの水分を含む。
【0059】
III.レバウジオシドA誘導体生成物の用途
レバウジオシドA誘導体生成物は単独で使用してもよく、又はその開示全体が参照によって本明細書に組み入れられるPrakashらによって2006年11月2日に出願された米国特許出願第11/555,962号に記載されるような適当なキャリア若しくは充填剤と組み合わせて使用してもよい。さらに、レバウジオシドA誘導体生成物を1以上の甘味改善組成物と組み合わせて風味や味の特徴をさらに砂糖のように改善することによってレバウジオシドA誘導体生成物の時間的な及び/又は風味のプロファイルを改変してもよい。甘味料及び甘味改善組成物の組み合わせは、その開示全体が参照によって本明細書に組み入れられるPrakashらによって2006年11月17日に出願された米国特許出願第11/561,158号に記載されている。さらに、レバウジオシドA誘導体生成物は単独で使用してもよく、又はそのほかの天然の及び/又は合成の甘味料及び任意で甘味化組成物中の甘味改善組成物と組み合わせて使用してもよい。
【0060】
本明細書で使用されるとき、「経口摂取可能組成物」及び「甘味化組成物」は、同義的であり、口に入れられ、口から実質的に出される物質、及び飲まれ、食べられ、飲み込まれ又はさもなければ摂取され、一般に許容される範囲で使用した場合、ヒト又は動物の消費について安全である物質を含む、ヒト又は動物の口に接触する物質を意味する。これらの組成物には、食物、飲料、医薬品、タバコ、栄養製品、経口衛生/化粧製品などが挙げられる。これら製品の非限定例には、非炭酸飲料及び炭酸飲料、たとえば、コーラ、ジンジャーエール、ルートビール、サイダー、果実味の清涼飲料(たとえば、柑橘味の清涼飲料、たとえば、レモンライムやオレンジ)、粉末化清涼飲料など、果実や野菜を起源とするジュース、絞ったジュースなどを含む果実ジュース、果実粒子を含有する果実ジュース、果実飲料、果実ジュース飲料、果実ジュースを含有する飲料、果実風味を伴う飲料、野菜ジュース、野菜を含有するジュース、及び果実と野菜を含有するミックスジュース;スポーツ飲料、エネルギー飲料、水に近い飲料(たとえば、天然又は合成の風味を持つ水);茶のタイプ又は好みのタイプの飲料、たとえば、コーヒー、ココア、紅茶、緑茶、ウーロン茶など;乳成分を含有する飲料、たとえば、乳飲料、乳成分を含有するコーヒー、カフェオーレ、ミルクティー、果実乳飲料、飲むヨーグルト、乳酸菌飲料など;乳製品;ベーカリー製品;デザート、たとえば、ヨーグルト、ゼリー、飲むゼリー、プリン、ババロア、ブラマンジェ、ケーキ、クルミ入りチョコケーキ、ムースなど、お茶の時間又は食後に食される甘味食品;冷凍食品;冷菓子、たとえば、アイスクリームのタイプ、たとえば、アイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイスなど(甘味料及び種々の原料を乳製品に加え、得られた混合物を撹拌し、凍結する食品)、及び氷菓子、たとえば、シャーベット、デザートアイスなど(種々の原料を砂糖液に加え、得られた混合物を撹拌し、凍結する食品);アイスクリーム;一般的な菓子、たとえば、焼き菓子又は蒸し菓子、たとえば、ケーキ、クラッカー、ビスケット、豆ジャムなどを詰めたロールパン;餅及びスナック;卓上製品;一般の砂糖菓子、たとえば、チューインガム(たとえば、実質的に水に不溶で噛むことができるゴム基剤、たとえば、ジェツロング、グッタカイゴム又は特定の食料品天然合成樹脂又はワックスを含むチクル又はその代替物を含む組成物を含む)、硬い飴、軟らかい飴、ミント、ヌガーキャンディ、ゼリービーンなど;果実味のソース、チョコレートソースなどを含むソース;食用ゲル;バタークリーム、小麦粉菓子、ホイップクリームなどを含むクリーム;イチゴジャム、マーマレードなどを含むジャム;菓子パンなど及びそのほかのデンプン製品を含むパン;スパイス;焼肉、焼き鳥、バーベキュー肉などに使用される風味つき醤油、並びにトマトケチャップ、ソース、麺類スープなどを含む一般の調味料;ペット、動物及び家畜の製品;加工した農業製品、家畜製品又はシーフード;加工した肉製品、たとえば、ソーセージなど;レトルト食品、ピクルス、醤油に入れた煮沸した保存食、珍味、副食;駄菓子、たとえば、ポテトチップ、クッキーなど;シリアル製品;経口投与される又は口腔で使用される薬剤又は医薬部外品(たとえば、ビタミン剤、咳シロップ、噛むことができる医用錠剤、アミノ酸、苦味のある薬剤又は医薬剤、酸味料など)、その際、薬剤は、固体、液体、ゲル又は気体の形態であってもよく、たとえば、丸薬、錠剤、スプレー、カプセル、シロップ、ドロップ、トローチ剤、散剤などであってもよい;パーソナルケア製品、たとえば、口腔で使用するそのほかの経口組成物、たとえば、口腔清涼剤、うがい剤、口すすぎ剤、練り歯磨き、歯磨き粉、歯磨き剤、口腔スプレー、歯白化剤など;栄養補助食品;煙付き及び煙なしのタバコ製品、たとえば、嗅ぎタバコ、紙巻きタバコ、パイプ及び葉巻タバコを含むタバコ製品、並びにあらゆる形態のタバコ、たとえば、寸断したフィルター、葉、葉柄、茎、均質化した保存した葉、タバコゴミから再構成した結合剤と再構成したタバコ、シートにおける微粒子又はエーテル供給源、ペレット又はそのほかの形態、非タバコ材料から処方されたタバコ代替物、浸漬タバコ又は噛むタバコ;動物飼料;並びに疾患(たとえば、循環器疾患及び血中コレステロールの高値、糖尿病、骨粗鬆症、炎症又は自己免疫疾患)の予防と治療を含む薬効のある利益又は健康利益を提供しうる食物又は食物の一部を含む栄養製品が挙げられる。
【0061】
一般に、甘味付与組成物に存在する甘味料の量は、特定の種類の甘味化組成物及びその所望の甘さによって広く変化する。当業者は、甘味化組成物に入れる甘味料の適当な量を容易に識別することができる。特定の実施態様では、甘味化組成物のキログラム又はリットル当たり0.5mg〜50mgに及ぶ甘味料の量で甘味料を甘味付与組成物に加えてもよい。ほかの特定の実施態様では、当業者は、以下に添付の実施例で提供される例となる感覚データ及び算出された効能を用いて、レバウジオシドA誘導体生成物の量を決定し、所望の甘さを達成してもよい。
【0062】
決してその範囲を限定すると解釈されるべきではない以下の実施例によって本発明をさらに説明する。これに対して、手段は、種々のほかの実施態様、その中の説明を読んだ後、本発明の精神及び/又は添付の特許請求の範囲の範囲から逸脱することなく、当業者にそれ自体を提案してもよいその改変、及び均等物にあってもよいことが明瞭に理解されるべきである。特に特定されない限り、%は重量による。
【実施例】
【0063】
実施例1
pH2の0.1Mのリン酸溶液(200mL)にレバウジオシドA組成物(5g、純度>97%)を溶解することによってレバウジオシドAの溶液を調製した。調製した溶液を80±5℃にて24時間分解した。分解の際、残りの白色沈殿物から上清を静かにほかに移し、次いで25〜50mLのメタノール(MeOH)によって清澄化した。沈殿物を別に100mLのMeOHに溶解し、水で前の総量200mLに希釈した。
【0064】
55℃で維持したSynerg1Hydroカラムと三元移動相系を用いて上清と沈殿物の予備分析を行った。分析条件を表2に要約する。ウォーターズ996フォトダイオードアレイ(PDA)検出器又はESAコロナ充填エアゾール検出器(CAD)に連結したウォーターズ2695アライアンスシステムを用いてHPLC分析を行った。フェノメネックス(Phenomenex)Synerg1Hydro(4.6×250mm)カラムを用いて最終試料の分析を行った。
【表1】
【0065】
上述の予備分析から分解の際の標的成分の保持時間とその相対的濃度を割り出したが、それを表3に要約する。
【表2】
【0066】
215nmに設定したUV−Vis検出器に連結したウォーターズデルタプレップLCモデル2000/4000によって、誘導体レバウジオシドAの上清と沈殿物から単離した上清と沈殿物を処理した。事前混合した移動相(A)75:25の水/アセトニトリル(MeCN)と(B)60:40の水/MeCNと共にウォーターズシンメトリーC18(10μm)のカラム(77×250mm)を用いて逆相HPLC分離を行い、正相の分離はAzkoノベルクロマシルシリカ(10μm)カラム(77×250mmと77×300mm)を用いて実施した。方法は、流速150mL/分と共に100%Aから100%Bへの60分間の勾配から成った。上清及び沈殿物の溶解に続いて、インラインの20μmのステンレススチールのフィルターを用いて溶液を調製用カラムに直接注入した。検体の以下の組成を有する3つの調製用分画を精製において回収した:(1)誘導体生成物1、(2)誘導体生成物2及び3と残りのレバウジオシドAの混合物、並びに(3)誘導体生成物4と残りのレバウジオシドAの混合物。4つの誘導体の化学構造は以下のとおりである。最初の数字は試料の確認番号(たとえば、誘導体生成物1、2、3又は4)を表し、ローマ数字は上文で示した相当する化学式番号を表す。
【化24】
【0067】
誘導体生成物4は主として沈殿物から単離されたが、残りの検体(1、2及び3)は主として上清から単離された。調製用精製から回収された分画を固相抽出(SPE)によってさらに濃縮した。95:5の水/MeCNで平衡化した77−mmのシンメトリーC18カラムに水溶液を直接充填した。1カラム容量の95:5の水/MeCNでカラムを洗浄し、次いで15:85の水/MeCNで試料をカラムから溶出した。その後、Buchi回転エバポレータR−114型を用いて30〜35℃にて真空で分画を濃縮した。KineticsFlexiドライパーソナル又はSavantSuperModuloフリーズドライヤーを用いて最低12時間、試料を凍結乾燥した。
【0068】
各誘導体生成物の精製後、
1H、
13C、COSY(相関分光法)、及びHSQC(異核単一量子相関)核磁気共鳴分光法(NMR)及び質量分光分析(MS)によって各化合物を特徴付けた。10μmのフローセルを持つ逆検出キャピラリープローブを伴ったブルカーDRX500MHz装置にてNMRデータを生成した。100μg〜0.5mgのサイズ範囲に及ぶ各誘導体生成物の試料を0.5mLのCD
3ODに溶解し、残った溶媒のシグナル(CD
3ODについてδ
H3.30、δ
C49.0)に対してスペクトルを参照した。TurbolonSprayイオン化源を装備したSciexAPI2000LC/MS/MS三連四重極質量分析計によって質量分光分析のデータを生成した。1:1:0.01のアセトニトリル−H
2O−HOAcによって各誘導体生成物を希釈し、搭載されたシリンジポンプを用いた注入によって導入した。試料を希釈して良好なs/n、通常0.1mg/mLを得た。
【0069】
誘導体生成物1の精製
上記の逆相を用いて得られた検体の第1の分画は、>95%の純度(曲線下面積、AUC)を持つ誘導体生成物1を提供した。その後、溶液を真空で濃縮し、凍結乾燥した。最終的な凍結乾燥に先立って、試料を80:20の水/エタノール(EtOH)250mLに溶解し、ステンレススチールの篩を介して濾過して試料から粒状物を除いた。
【0070】
誘導体生成物1は、13−[(2−O−β−D−グルコピラノシル−3−O−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]−16−ヒドロキシカウラン18−酸β−D−グルコピラノシルエステルとして特定された。
1H-NMR(500MHz,CD
3OD)δ0.86(m,1H,C
1−H)、0.90(m,1H,C
9−H)、0.98(s,3H,C
20−H)、1.07(m,1H,C
3−H)、1.10(m,1H,C
5−H)、1.20(s,3H,C
19−H)、1.25(s,3H,C
17−H)、1.36(m,1H、C
7−H)、1.42(d,J=13.7Hz,1H,C
15−H)、1.43(m,1H,C
2−H)、1.58(m,1H,C
7−H)、1.58(d,J=13.7Hz,1H,C
15−H)、1.64(m,1H,C
11−H)、1.74(m,1H,C
12−H)、1.79(m,1H,C
6−H)、1.80(m,1H,C
11−H)、1.83(m,1H,C
1−H)、1.84(m,1H,C
14−H)、1.92(m,1H,C
2−H)、1.97(m,1H,C
6−H)、1.98(m,1H,C
12−H)、2.02(d,J=11.5Hz,1H,C
14−H)、2.05(d,J=11.9Hz,1H,C
3−H)、3.15(m,1H,C
40−H)、3.27(m,1H,C
34−H)、3.37(m,1H,C
22−H)、3.65(m,1H,C
28−H)、3.73(m,1H,C
29−H)、4.67(d,J=7.8Hz,1H,C
33−H)、4.70(d,J=8.2Hz,1H,C
27−H)、4.88(d,J=7.8Hz,1H,C
39−H)、5.37(d,J=8.2Hz,1H,C
21−H);
13C−NMR(125MHz,CD
3OD)δ16.0,19.8,20.5,22.1,22.8,28.6,30.6,38.7,41.5,42.3,43.0,44.7,55.7,56.1,58.1,75.1,75.7,78.7,79.9,87.5,87.9,95.4,96.9,103.6,103.9,178.3;MS(ESI)C
44H
72O
24についての計算値:985.03、観察値:([M]
+)985.5、([M]
−)983.6
【0071】
誘導体生成物2及び3の精製
誘導体生成物2及び3と残りのレバウジオシドAを含有する検体の第2の分画を凍結乾燥した。250mgのアリコートを50:50の水/EtOH25mLに溶解することによって再処理のために凍結乾燥物を調製した。事前に詰めたウォーターズシンメトリーC18カラム(50×250mm)と73:27の水/MeCNの均一濃度の移動相条件を用いた逆相二次精製によって溶液を処理した。流速は70mL/分で維持した。二次精製から3つの精製分画:(1)誘導体生成物3と、(2)未分解のレバウジオシドAと、(3)誘導体生成物2を回収した。単離した誘導体生成物2及び3を真空で濃縮し、その後凍結乾燥した。最終的な凍結乾燥に先立って各試料を150mLの水に溶解し、ステンレススチールの篩を介して濾過して試料から粒状物を除いた。
【0072】
誘導体生成物2は、13−[(2−O−β−D−グルコピラノシル−3−O−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]−カウル−15−エン−18−酸β−D−グルコピラノシルエステルとして特定された。
1H−NMR(500MHz,CD
3OD)δ0.85(m,1H,C
1−H)、0.86(m,1H,C
9−H)、0.97(s,3H,C
20−H)、1.05(m,1H,C
3−H)、1.11(m,1H,C
5−H)、1.21(s,3H,C
19−H)、1.42(m,1H,C
2−H)、1.48(m,1H,C
7−H)、1.50(m,2H,C
6−H,C
11−H)、1.6(m,1H,C
7−H)、1.62(m,1H,C
12−H)、1.66(m,2H,C
11−H,C
12−H)、1.67(m,1H,C
14−H)、1.71(s,3H,C
17−H)、1.83(m,1H,C
6−H)、1.84(m,1H,C
1−H)、1.96(m,1H,C
2−H)、2.13(d,J=12.2Hz,1H,C
3−H)、2.22(d,J=9.6Hz,1H,C
14−H)、3.25(m,1H,C
40−H)、3.27(m,1H,C
34−H)、3.35(m,1H,C
22−H)、3.38(m,2H,C
30−H,C
41−H)、3.46(m,1H,C
23−H)、3.61(m,1H,C
28−H)、3.73(m,1H,C
29−H)、4.64(d,J=8.5Hz,1H,C
27−H)、4.66(d,J=7.8Hz,1H,C
33−H)、4.80(d,J=8.2Hz,1H,C
39−H)、5.12(s,1H,C
15−H)、5.39(d,J=8.9Hz,1H,C
21−H);
13C−NMR(125MHz,CD
3OD)δ12.1,15.8,19.9,21.5,28.7,30.5,38.8,40.5,41.6,48.4,48.9,57.9,75.2,79.9,87.2,95.4,96.9,103.4,104.0,136.9;MS(ESI)C
44H
70O
23についての計算値:967.01、観察値:([M]
+967.4、([M]
−)965.8。
【0073】
誘導体生成物3は、13−[(2−O−β−D−グルコピラノシル−3−O−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]−16−ヒドロキシカウラン−18−酸して特定された。
1H−NMR(500MHz,CD
3OD)δ0.86(m,1H,C
1−H)、0.93(t,J=7.8Hz,1H,C
9−H)、0.98(s,3H,C
20−H)、1.0(m,1H,C
3−H)、1.04(m,1H,C
12−H)、1.07(m,1H,C
5−H)、1.17(s,3H,C
19−H)、1.27(s,3H,C
i7−H),1.37(m,1H,C
7−H)、1.42(m,1H,C
2−H)、1.42(d,J=13.7Hz,1H,C
15−H)、1.58(m,1H,C
7−H)、1.60(d,J=13.7Hz,1H,C
15−H)、1.65(m,1H,C
11−H),1.8(m,1H,C
12−H)、1.82(m,1H,C
6−H)、1.84(m,1H,C
14−H)、1.85(m,1H,C
11−H)、1.86(m,1H,C
1−H)、1.94(m,1H,C
2−H),1.97(m,1H,C
6−H)、1.98(d,J=10.0Hz,1H,C
14−H)、2.12(d,J=12.6Hz,1H,C
3−H)、3.12(dd,J=8.2及び8.9Hz,1H,C
40−H)、3.25(m,1H,C
34−H)、3.64(m,1H,C
28−H)、3.74(t,J=8.5Hz,1H,C
29−H)、4.66(d,J=7.8Hz,1H,C
33−H)、4.75(d,J=7.8Hz,1H,C
27−H)、4.91(d,J=8.2Hz,1H,C
39−H);MS(ESI)C
38H
62O
19についての計算値:822.89、観察値:([M]
+)823.6、([M]
−)821.7。
【0074】
誘導体生成物4の精製
誘導体生成物4と残りのレバウジオシドAを含有する検体分画の濃縮の際、溶液に白色の沈殿が生じた。定性ワットマンNo.1濾紙を用いて真空下で溶液を濾過した。濾過物を40℃で約5時間乾燥させた。超音波処理によって13:87のジクロロメタン(DCM)/EtOHに250mgのアリコートを溶解することによって再処理のために試料を調製した。注入に先立って、ヘプタンによって試料をさらに250mLに希釈した。0.1%の酢酸を伴った70:30のヘプタン/EtOHの均一濃度条件でAskoノベルクロマシルシリカ(10μm)カラム(77mm)を用いて溶液をさらに処理した。流速は140mL/分で維持した。単離した誘導体生成物4の分画を真空で濃縮し、その後凍結乾燥した。最終的な凍結乾燥に先立って、13:87のDCM/EtOH350mLに試料を溶解し、ステンレススチールの篩を介して濾過して試料から粒状物を取り除いた。
【0075】
誘導体生成物4は、13−[(2−O−β−D−グルコピラノシル−3−O−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]−カウル−15−エン−18−酸として特定された。
1H−NMR(500MHz,CD
3OD)δ0.86(m,2H,C
1−H,C
9−H)、0.99(s,3H,C
20−H)、1.02(m,1H,C
3−H)、1.08(m,1H,C
5−H)、1.17(s,3H,C
19−H)、1.42(m,1H,C
2−H)、1.50(m,2H,C
7−H,C
11−H)、1.52 (m,1H,C
6−H),1.58(m,1H,C
7−H)、1.68(m,1H,C
12−H)、1.69(m,1H,C
11−H)、1.72(s,3H,C
17−H)、1.83(m,1H,C
6−H)、1.86(m,1H,C
1−H)、1.90(m,1H,C
2−H)、2.10(d,J=11.9Hz,1H,C
3−H)、2.23(d,J=10.0Hz,1H,C
14−H)、3.13(t,J=7.8Hz,1H,C
40−H)、3.26(m,1H,C
34−H)、3.35(m,1H, C
41−H)、3.39(m,1H,C
30−H),3.60(m,1H,C
28−H)、3.72(t,J=7.9Hz,1H,C
29−H)、4.65(d,J=7.8Hz,1H,C
33−H)、4.66(d,J=7.8Hz,1H,C
27−H)、4.82(d,J=7.8Hz,1H,C
39−H)、5.14(s,1H,C
15−H);
13C−NMR(125MHz,CD
3OD)δ12.2,16.1,19.9,21.6,29.0,30.4,38.7,40.4,41.8,41.2,44.4,47.9,48.8,57.4,70.0,75.1,76.0,80.1,87.5,91.4,96.6,103.4,104.0,137.0,143.7,181.4;MS(ESI)C
38H
60O
18についての計算値:804.87、観察値:([M]
+)805.6,([M]
−)803.6。
【0076】
誘導体生成物の甘味の特徴付け
強力な甘くする効力を有するということでこれらレバウジオシドA誘導体生成物を特徴付けた。特に、500、1,000、及び5,000ppmでのレバウジオシドA誘導体生成物3と4の甘味効力を測定し、同等の甘味レベルでのスクロースに比べて約100〜約300倍であることが分かったが、500、1,000、及び5,000ppmでのレバウジオシドA誘導体生成物1と2は、同等の甘味レベルでのスクロースの甘味効力の約5〜25倍を有することが分かった。さらに、レバウジオシドA誘導体生成物3と4は、砂糖に類似する甘くきれいな味を呈する。従って、レバウジオシドA誘導体生成物は甘味化組成物のための甘味料としての使用に好適である。
【0077】
実施例2
pH2での0.1Mのリン酸水溶液(200mL)によってレバウジオシドA(100mg、純度>97%)の溶液を調製した。溶液を80℃で24時間加熱した。次いでLC−MS(液体クロマトグラフィ−質量分光分析)を用いて誘導体混合物の試料を分析した。陽イオンモードで操作し、イオンスプレーイオン化源を伴ったSciexAPI150EX一連四重極と50℃及び3.5バールで操作するセデレセデックス(Sedere Sedex)75ELSD(蒸発式光散乱検出器)を用いてLC−MS分析を行った。表4に要約したLC−MS法はウォーターズのdC
18(4.6×250mm、5μm)のカラムを使用した。
【表3】
【0078】
ELSDによって10.58分と15.52分と20.22分にて単一のピークが検出され、それらはそれぞれ、誘導体生成物1と4と5を表した。誘導体生成物2と3は、12.80分〜13.00分にて幅のあるあまりはっきりしないピークを生じた。実施例1で記載されたNMR及びMS法を含むその後の特徴づけによってこれらのピークの配置を確認した。
【0079】
HPLCによって各試料の精製を行った。フェノメネックスプロジギィ(Prodigy)のC
18(10×250mm)のカラム(10μm)を用いたが、表5はHPLC法の条件を要約する。ELSDオンラインと共に少量の注入は、LC−MSによって認められたものに類似したクロマトグラフィのパターンを示した。単離するためにELSDをオフラインにして分解混合物を15mLのMeCN/H
2O(1:1)に溶解した。各2.0mLの8回の注入にわたって分解混合物を分離した。
【表4】
【0080】
表5におけるHPLC法によってたった4つのピークを生じ、それらは11.4分と、12.9分と、14.6分と18.2分に出現した。その後の特徴づけによって誘導体生成物1と4はそれぞれ11.4分と14.6分でのピークに相当することが示された。10.6mgの誘導体生成物1と4.6mgの誘導体生成物4を回収した。誘導体生成物5は18.2分に溶出し、4.2mgを回収した。上文で記載したように、誘導体生成物5の構造はNMR及びMSによって解明された。誘導体生成物5の構造は以下のように特定された:
【化25】
【0081】
誘導体生成物5は、13−メチル−16−オキソ−17−ノルカウラン−18−酸β−D−グルコピラノシルエステルとして特定された。
1H−NMR(500MHz,CD
3OD)δ0.81(s,3H,C
17−H)、0.94(s,3H,C
20−H)、0.97(m,1H,C
1−H)、1.08(m,1H,C
3−H)、1.22(m,1H,C
5−H)、1.23(m,4H,C
11−H,C
19−H)、1.24(m,1H,C
9−H)、1.38(m,1H,C
2−H)、1.43(m,1H,C
12−H)、1.45(m,1H,C
14−H)、1.49(m,1H,C
7−H)、1.53(m,1H,C
12−H)、1.56(m,1H,C
14−H)、1.68(m,2H,C
7−H,C
11−H)、1.71(m,1H,C
1−H)、1.84(m,1H,C
15−H)、1.90(m,3H,C
2−H,C
6−H)、2.18(d,J=13.7Hz,1H,C
3−H)、2.63(dd,J=3.3,18.9Hz,1H,C
15−H)、3.33(m,1H,C
22−H)、3.68(dd,J=3.0,12.2Hz,1H,C
26−H)、3.82(d,J=12.2Hz,1H,C
26−H)、5.39(d,J=8.2Hz,1H,C
21−H);
13C−NMR(125MHz,CD
3OD)δ13.8,19.6,19.9,21.2,22.4,28.8,38.6,38.4,40.6,42.2,49.2,54.9,55.5,58.3,62.2,95.3;C
26H
40O
8について([M]
+)480.59;観察値:MS(ESl):([M]
+)481.1、([M]
−)479.0。
【0082】
12.4分でのHPLCのピークは、誘導体生成物2及び3双方と未分解のレバウジオシドAを表した。従って、第2のHPLC法を用いて誘導体生成物2と3を単離した。第2のHPLC法は、上述の第1の方法の改変であった。第2の方法は、40分にわたって適用される80:20(A:B)から70:30(A:B)への非常に浅い勾配を用いた。第1のHPLC法から12.4分で回収した物質の10mgアリコートを2.0mLのMeOHに溶解し、試行当たりこの溶液1.0mLを注入した。2回注入を行い、ELSDとUVによって認められた2つのピークを回収し、乾燥させた。32.4分と35.4分におけるピークはそれぞれ、誘導体生成物3と2に相当する。この第2のHPLC法によって3mgの誘導体生成物3と3.3mgの誘導体生成物2が得られた。NMRとMSを含む上文に記載されたその後の特徴づけ技法を用いてピークすべての配置を確認した。
【0083】
実施例3
レバウジオシドAによって模擬飲料試料を調製し、市販の清涼飲料で使用される処方を模倣した。プロペラミキサー付きのステンレススチール製のヤカンにて、事前に冷やした脱イオン水と、乾燥成分と、リン酸と、レバウジオシドA(500mg/L)をpH2.8に混ぜ合わせることによって模擬飲料を調製した。次いで模擬飲料を冷やして容器に詰め、炭酸ガスを飽和させ、フタをした。模擬飲料試料を40℃にて10週間保存した。模擬飲料試料の保存によって2つの追加の誘導体生成物6と7を得た。
【0084】
先ず5バイアルの10週模擬飲料溶液を合わせ(総体積:約250mL)、減圧下で操作する回転エバポレータによって試料を乾燥させることによって10週模擬飲料溶液から誘導体生成物6と7を単離した。一連の液体クロマトグラフィ工程を用いて誘導体生成物6と7を単離した。HPLCによる分離に先立って、濃縮した物質を6.0mLのH
2Oに溶解した。フェノメネックスプロジギィのC
18(250×10mm、10μm)のカラムによってHPLC分析を行った。HPLC分析の条件を表6に要約する。
【表5】
【0085】
誘導体生成物6は、20.9分で溶出し、誘導体生成物7は28.3分で溶出することが認められた。双方のHPLCピークを回収し、N
2のもとで乾燥させた。各ピークをLC−MSで分析した。陰イオンモードで操作し、イオンスプレーイオン化源を伴ったSciexAPI150MCA一連四重極によってLC−MS分析を実施した。50℃及び3.5バールで操作するセデレセデックス75ELS検出器を用いた。フェノメネックスSynerg1Hydroカラム(4.6×250mm、4μm)を用いて試料の分析を行った。表7はLC−MC法を要約する。
【表6】
【0086】
LC−MSによって誘導体生成物7の純度は確認されたが、誘導体生成物6は残余のレバウジオシドAを含有した。従って、上述した同じカラムを用いた2回目のHPLC分離を用いて誘導体生成物6の純粋試料を回収した。表8は、誘導体生成物6の純粋試料を単離するのに使用した第2のHPLC法を要約する。
【表7】
【0087】
第2のHPLC分析の間で、誘導体生成物6は21.2分で溶出した。試料を回収し、分析のために乾燥させた。上文に記載されたようなNMR及びMSによって誘導体生成物6と7を特徴付けた。誘導体生成物6と7の構造を以下のように決定した:
【化26】
【0088】
誘導体生成物6は、13−[(3−O−β−D−グルコピラノシル−β−D−グルコピラノシル)オキシ]−カウル−16−エン−18−酸β−D−グルコピラノシルエステルとして特定された。
1H−NMR(500MHz,CD
3OD)δ0.85(m,1H,C
1−H)、0.98(m,1H,C
9−H)、0.99(s,3H,C
20−H)、1.06(m,1H,C
3−H)、1.12(d,J=11.5Hz,1H,C
5−H)、1.21(s,3H,C
19−H)、1.42(m,1H,C
2−H)、1.43(m,1H,C
7−H)、1.46(m,1H,C
12−H)、1.54(d,J=12.2Hz,1H,C
14−H)、1.55(m,1H,C
7−H)、1.67(m,1H,C
11−H)、1.81(m,1H,C
11−H)、1.83(m,1H,C
6−H)、1.87(m,1H,C
1−H)、1.94(m,1H,C
2−H),2.02(m,1H,C
12−H)、2.05(m,1H,C
15−H)、2.08(m,1H,C
6−H)、2.14(d,J=16.3Hz,1H,C
15−H)、2.16(d,J=12.6Hz,1H,C
3−H)、2.27(d,J=12.2Hz,1H,C
14−H)、3.13(t,J=7.8Hz,1H,C
40−H)、3.26(m,1H,C
34−H)、3.35(m,2H,C
22−H,C
41−H)、3.39(m,1H,C
30−H)、3.72(t,J=7.9Hz,1H,C
29−H)、4.65(d,J=7.8Hz,1H,C
33−H)、4.82(s,1H,C
17−H,d,J=7.8Hz,1H,C
39−H)、5.11(s,1H,C
17−H)、5.36(d,J=8.2Hz,1H,C
21−H);
13C−NMR(125MHz,CD
3OD)δ12.2,16.1,19.9,21.6,29.0,30.4,38.7,40.4,41.8,41.2,44.4,47.9,48.8,57.4,70.0,75.1,76.0,80.1,87.5,91.4,96.6,103.4,104.0,137.0,143.7,181.4;C
38H
60O
18について([M]
+)804.87;観察値:MS(ESI):([M]
+)805.6、([M]
−) 8031.6。
【0089】
誘導体生成物7は、13−ヒドロキシ−カウル−16−エン−18酸β−D−グルコピラノシルエステルとして特定された。
1H−NMR(500MHz,CD
3OD)δ0.85(m,1H,C
1−H)、0.98(m,1H,C
9−H)、0.99(s,3H,C
20−H)、1.06(m,1H,C
3−H)、1.12(d,J=11.5Hz,1H,C
5−H)、1.21(s,3H,C
19−H)、1.42(m,1H,C
2−H)、1.43(m,1H,C
7−H)、1.46(m,1H,C
12−H)、1.54(d,J=12.2Hz,1H,C
14−H)、1.55(m,1H,C
7−H)、1.67(m,1H,C
11−H)、1.81(m,1H,C
11−H)、1.83(m,1H,C
6−H)、1.87(m,1H,C
1−H)、1.94(m,1H,C
2−H)、2.02(m,1H,C
12−H)、2.05(m,1H,C
15−H)、2.08(m,1H,C
6−H)、2.14(d,J=16.3Hz,1H,C
15−H)、2.16(d,J=12.6Hz,1H,C
3−H)、2.27(d,J=12.2Hz,1H,C
14−H)、3.26(m,1H,C
34−H)、3.35(m,1H,C
22−H)、3.37(m,1H,C
28−H)、4.54(d,J=7.4Hz,1H,C
27−H)、4.56(d,J=7.4Hz,1H,C
33−H)、4.82(s,1H,C
17−H)、5.11(s,1H,C
17−H)、5.36(d,J=8.2Hz,1H,C
21−H);
13C−NMR(125MHz,CD
3OD)δ16.0,19.9,22.9,28.6,38.7,41.6,42.4,45.0,48.4,54.8,58.4,95.5,98.9,104.6,105.1;C
3SH
60O
l8について([M]
+)804.87、観察値:MS(ESI):([M]
+)805.3、([M]
−)803.5。
【0090】
実施例4
特定量のスクロースを有する水試料の甘味強度を同一量のレバウジオシドA誘導体生成物を有する第2の水試料と比較することによって前述のレバウジオシドA誘導体生成物の甘味強度を分析した。得られた感覚データと算出された効力を以下の表9に提供する。
【表8】
【0091】
感覚データは、レバウジオシドA誘導体生成物がスクロースの少なくとも30倍から120倍に及ぶ甘味強度を有することを示した。たとえば、3.6重量パーセントのレバウジオシドA誘導体生成物1(II)の水溶液は同一重量比率のスクロースよりも少なくとも30倍甘い。従って、誘導体生成物1(II)、2(IV)、3(III)及び4(V)をレバウジオシドA、ステビオシド、又はそのほかのステビオール配糖体と混合して甘味料の味を調節し得ると考えられる。誘導体生成物1(II)、2(IV)、3(III)及び4(V)はまた、そのほかの天然のノンカロリー甘味料、たとえば、モグロシドIV、モグロシドV、ローハングオ(Lo Han Guo)甘味料、モナチン、タウマチン、ブラゼイン、ミラクリン、クルクリン又はこれらの混合物と混合してもよい。これらの甘味料とレバウジオシドA誘導体生成物を組み合わせることによって、これらの甘味料に一般に起因する所望ではない味又は後味を軽減し得る及び/又は排除し得る。
【0092】
レバウジオシドA誘導体生成物1(II)、2(IV)、3(III)及び4(V)の甘味の質を評価し、室温にてレバウジオシドA,レバウジオシドB、レバウジオシドF、及びスクロースのそれと比較した。各特性について、15ポイントの統一されていない目盛線に基づくスコアを甘味料に与えた。表10は、甘味料当たり2回の反復の後、各特性について算出された平均スコアとANOVAの結果を示す。多重比較検定、フィッシャーのLSD5%はスコアの比較分析を助けた。特定の特性について同じ文字で印を付けた試料は、95%の信頼レベルで有意差がなかった。
【表9】
【0093】
前述の結果によって説明されるように、レバウジオシドA誘導体生成物1(II)、2(IV)、3(III)及び4(V)は、スクロースと有意差がない多数の感覚特性を有する(すなわち、レバウジオシドA誘導体生成物2(IV)及び4(V)はスクロースと有意差がない8つの特性を有する)。最も顕著なことに、レバウジオシドA誘導体生成物2(IV)の全体的な風味と甘味がスクロースに匹敵するということは、それが、容易に受け入れられるノンカロリーの甘味料代替物でありうることを示している。
【0094】
本発明をその特定の実施態様に関して詳細に記載してきたが、前述のことの理解を達成する際、当業者はこれら実施態様の代替物、変異物及び均等物を容易に考え出してもよいことが十分に理解されるであろう。従って、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲及びその均等物のそれとして評価されるべきである。