特許第6014667号(P6014667)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6014667
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月25日
(54)【発明の名称】足長測定器
(51)【国際特許分類】
   G01B 5/02 20060101AFI20161011BHJP
   A43D 1/02 20060101ALI20161011BHJP
   G01B 3/20 20060101ALI20161011BHJP
【FI】
   G01B5/02
   A43D1/02
   G01B3/20 Z
【請求項の数】26
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-522148(P2014-522148)
(86)(22)【出願日】2012年7月10日
(65)【公表番号】特表2014-525044(P2014-525044A)
(43)【公表日】2014年9月25日
(86)【国際出願番号】GB2012051626
(87)【国際公開番号】WO2013014422
(87)【国際公開日】20130131
【審査請求日】2015年6月29日
(31)【優先権主張番号】1112695.0
(32)【優先日】2011年7月25日
(33)【優先権主張国】GB
(31)【優先権主張番号】1122100.9
(32)【優先日】2011年12月22日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】500539918
【氏名又は名称】シー アンド ジエイ クラーク インターナシヨナル リミテツド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】タウンズ、クリス
(72)【発明者】
【氏名】リケット、ピーター
(72)【発明者】
【氏名】イネス、ダン
(72)【発明者】
【氏名】キナリー、ヤーン
【審査官】 櫻井 仁
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第06834437(US,B1)
【文献】 実開昭49−038458(JP,U)
【文献】 特開2004−310196(JP,A)
【文献】 特開平03−109003(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 5/00− 5/30
3/00− 3/08
3/11− 3/56
A43D 1/02
A61B 5/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
足の長さを測定するための足長測定器であって、該足長測定器は、
(i)足の裏面を載せる足支持板(15;111)を有する足支持体と、
(ii)足のかかとと接触する踵当接部(18;119)と、
(iii)足の最先端部と接触するつま先当接部(20;132)と、
(iv)タッチスクリーン電算機器(12;131)を収容および支持する手段(24;130)と、
(v)足の長さを示すために、前記収容および支持する手段(24;130)に収容および支持されたタッチスクリーン電算機器(12;131)のスクリーン(32;136)への接触のために使用される接触手段(30;128)とを備え、
前記踵当接部及び前記つま先当接部のうちの少なくとも1つが他方に対して移動可能になっており
前記踵当接部(18;119)及び前記つま先当接部(20;132)の相対移動にしたがって、前記収容および支持する手段(24;130)に収容および支持されたタッチスクリーン電算機器(12;131)および前記接触手段(30;128)のうちの少なくとも1つが、他方に対して移動可能になっており、
前記足の長さは、前記踵当接部(18;119)及び前記つま先当接部(20;132)が前記足に接したときの、前記接触手段(30;128)の前記タッチスクリーン電算機器(12;131)のスクリーン(32;136)への接触に基づいて示されるようになっている、足長測定器。
【請求項2】
前記踵当接部が前記足支持体に対して固定され、
前記つま先当接部が、前記踵当接部に向かう方向又は前記踵当接部から離れる方向に長手直線方向に移動可能になっている、請求項1に記載された足長測定器。
【請求項3】
前記つま先当接部が、前記踵当接部から離れる位置へと弾性的に付勢されている、請求項2に記載された足長測定器。
【請求項4】
前記つま先当接部は、前記足支持板のガイドスロットを通って突出する下向きの突起を有し、前記ガイドスロットは前記長手直線方向に延在する、請求項2又は請求項3に記載された足長測定器。
【請求項5】
前記タッチスクリーン電算機器を収容および支持する手段が、前記足支持板の下に支持トレイを備え、前記支持トレイの幅は、使用時に前記タッチスクリーン電算機器が直線的に長手方向に摺動することを可能にする幅であり、前記タッチスクリーンの面は前記足支持板の主平面と平行にされ、前記支持トレイは、前記タッチスクリーン電算機器を収容するために前端が開いている、請求項4に記載された足長測定器。
【請求項6】
前記つま先当接部の前記下向きの突起は、使用時に前記タッチスクリーン電算機器の後端部と接触するように、前記支持トレイ内に下向きに伸びており、前記タッチスクリーン電算機器を後ろ向きに移動させると、前記つま先当接部が後ろ向きに移動して前記足と接触するようになっている、請求項5に記載された足長測定器。
【請求項7】
前記足支持板は、一対の足を置くようになっており、前記踵当接部は両方の足のかかとと接触するために必要な大きさであり、前記つま先当接部は片方又は両方の足の最先端部と接触するために必要な大きさになっている、請求項4から請求項6までのいずれか一項に記載された足長測定器。
【請求項8】
前記足長測定器の使用時に、2本の足の間の中央に位置するように、前記ガイドスロットが配置される、請求項7に記載された足長測定器。
【請求項9】
前記接触手段が可動ポインタを備え、該可動ポインタは、前記足支持体に対して固定位置に設けられ、使用時に前記タッチスクリーン電算機器から離れる方向に弾性的に付勢されるが、前記タッチスクリーン電算機器のスクリーンと接触するように選択的に移動可能となっている、請求項1から請求項8までのいずれか一項に記載された足長測定器。
【請求項10】
前記ポインタは、前記足支持体に対して複数の固定された位置間を移動でき、かつ固定できるようになっている前方部分に設けられている、請求項9に記載された足長測定器。
【請求項11】
前記足支持体の協働する孔に係合する押し下げ/ねじれ差し込みピン機構を有する1つ以上のボタンによって、前記前方部分が固定されるようになっている、請求項10に記載された足長測定器。
【請求項12】
前記足支持体は、床と接触するために下方に伸びる支持部材を備える、請求項1から請求項11までのいずれか一項に記載された足長測定器。
【請求項13】
前記タッチスクリーン電算機器を収容および支持する手段は、前記接触手段の下で前記足支持板上を摺動するために、前記つま先当接部の前方に取り付けられる支持ブロックを備える、請求項2に記載された足長測定器。
【請求項14】
前記支持ブロックは、2つの側方のガイドレールの間で前記踵当接部に向かう方向又は前記踵当接部から離れる方向の前記支持ブロックの移動を案内するための平行な側壁を有する、請求項13に記載された足長測定器。
【請求項15】
前記接触手段は、2つの側方のガイドレールに架け渡されるブリッジを含み、前記ブリッジが有する孔を通じて指がスクリーンに接触できるようになっている、請求項14に記載された足長測定器。
【請求項16】
前記支持ブロックは、前記タッチスクリーン電算機器を収容するために中央にくぼみを有する箱部を備え、前記箱部の厚さは、前記タッチスクリーン電算機器の厚さよりもわずかに大きく、前記ブリッジの高さと同じにされており、前記ブリッジの下で摺動できるようになっている、請求項15に記載された足長測定器。
【請求項17】
前記ブリッジは、前記足支持板の平面内に折り畳み可能になっている、請求項15又は請求項16に記載された足長測定器。
【請求項18】
多数の折り畳み可能なブリッジが、前記踵当接部の前方に間隔を置いて配置されており、足の長さに応じて1つのブリッジが前記支持ブロックとの協働のために持ち上げられるようになっている、請求項17に記載された足長測定器。
【請求項19】
前記足支持板に取り付けられ、前記足支持板に対して垂直な位置に保持可能である壁に、前記踵当接部が設けられている、請求項13乃至請求項18のいずれか一項に記載された足長測定器。
【請求項20】
前記踵当接部は、かかとの位置を決める構造を提供するために前記壁から折られるようになっている、請求項19に記載された足長測定器。
【請求項21】
前記足長測定器は、折り畳まれたボール紙から形成される、請求項13から請求項18までのいずれか一項に記載された足長測定器。
【請求項22】
前記タッチスクリーン電算機器を含む、請求項1乃至請求項21のいずれか一項に記載された足長測定器を備える足長測定器装置
【請求項23】
前記タッチスクリーン電算機器は、前記タッチスクリーン電算機器を収容および支持する手段から取り出し可能になっている、請求項22に記載された足長測定器装置
【請求項24】
前記タッチスクリーン電算機器は、前記スクリーンが接触されると足の長さを示すようにプログラムされる、請求項22又は請求項23に記載された足長測定器装置
【請求項25】
前記タッチスクリーン電算機器は、足の長さを表示する度に、履物の入手可能性を示すようにプログラムされる、請求項24に記載された足長測定器装置
【請求項26】
足長測定器装置により足の長さを示す方法であって、該足長測定器が、
足支持板、
互いに移動可能なつま先当接部および踵当接部、
タッチスクリーン電算機器を収容および支持する手段により収容および支持されたタッチスクリーン電算機器、並びに
前記つま先当接部および前記踵当接部のうちに1つに取り付けられた接触手段であって、前記つま先当接部および前記踵当接部の相対移動にしたがって前記タッチスクリーン電算機器のスクリーンに接触するための接触手段
を備え、前記方法が、
足の裏側を前記足長測定器の前記足支持板に載せるステップと、
前記つま先当接部および前記踵当接部の相対移動にしたがって、前記タッチスクリーン電算機器および前記接触手段のうちの1つを他方に対して移動させるステップと、
前記足の踵が前記踵当接部に接し、前記足のつま先が前記つま先当接部に接すると、前記接触手段を使って前記タッチスクリーン電算機器のスクリーンに接触し、前記足の長さを、前記接触手段の前記タッチスクリーン電算機器のスクリーンとの接触に基づいて示すステップと
を含む、足の長さを示す方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、足の長さを測定するための足長測定器に関するものであり、限定するものではないが、とりわけ履物の正しいサイズを決定するための足長測定器に係るものである。この足長測定器は、性別または年齢にかかわりなく、足の測定に用いることができる。
【背景技術】
【0002】
足の長さの測定のための多くの種類の足長測定器が知られている。これらは、印刷された目盛上に特定の靴の大きさを示す、簡単かつ携帯可能な手動の装置から、ディスプレイスクリーン及びモータ駆動の足係合プレートを有する複雑な据置型装置まで範囲が及んでいる。これらの公知の装置は、効果的に作動するものではあるが、携帯性および製品の有用性について、すべての問題に対処するというわけではない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明の第1の観点によれば、足の長さを測定するための足長測定器が提供される。この足長測定器は、
(i)足の裏面を載せる足支持板を有する足支持体と、
(ii)足のかかとと接触する踵当接部と、
(iii)足の最先端部と接触するつま先当接部と、
(iv)タッチスクリーン電算機器の収容手段と、
(v)タッチスクリーン電算機器のスクリーンが、足の長さを示すために接触されることを可能にする接触手段と
を備え、踵当接部及び足指当接部は互いに移動可能になっている。
【0004】
好ましい具体例によれば、踵当接部は足支持体に対して固定される。そして、つま先当接部は踵当接部に向かう方向、または、踵当接部から離れる方向に、長手直線方向に移動可能である。そして、つま先当接部は、踵当接部から離れる位置に弾性的に付勢されることが理想的である。
【0005】
ある具体例によれば、つま先当接部は足支持板のガイドスロットを通って下方に突出する突起を有する。ガイドスロットは、長手直線方向に延在する。タッチスクリーン電算機器の収容手段は、足支持板の下に支持トレイを備え、支持トレイの幅は、使用時にタッチスクリーン電算機器が直線長手方向に摺動することを可能にする幅であり、スクリーンの面は足支持板の主平面と平行にされ、支持トレイは、タッチスクリーン電算機器を収容するために前端が開いていることが好ましい。
【0006】
つま先当接部の下向きの突起は、使用時にタッチスクリーン電算機器の後端部と接触するように、支持トレイ内に下向きに伸びており、タッチスクリーン電算機器を後ろ向きに移動させると、つま先当接部が後ろ向きに移動して足と接触するようになっていることが好ましい。
【0007】
通常、足支持板は、一対の足を受けるのに適しており、踵当接部は両方の足のかかとと接触するために必要な大きさにされ、つま先当接部は片方または両方の足の最先端部と接触するために必要な大きさにされる。ガイドスロットは、通常、足長測定器の使用時に2本の足の間の中央に位置するように配置される。
【0008】
好ましい実施例では、接触手段は可動ポインタを備え、可動ポインタは、足支持体に対して固定位置に設けられ、使用時にタッチスクリーン電算機器から離れる方向に弾性的に付勢されるが、タッチスクリーン電算機器のスクリーンと接触するように選択的に移動可能となっている。ある配置では、ポインタは、足支持体に対して複数の固定された位置間で移動可能、かつ固定可能である前方部分に設けられている。好ましくは、前方部分は、足支持体の協働する孔に係合する押し下げ/ねじれ差し込みピン機構を有する1つ以上のボタンによって、固定されるようになっている。
【0009】
足支持体は、床と接触するために下方に伸びる支持部材を備えることが好ましい。
【0010】
本発明の第2の観点によれば、タッチスクリーン電算機器と連動する、上述した足長測定器を備える足長測定器の配置が提供される。
【0011】
ある配置では、タッチスクリーン電算機器は、収容手段から取り出し可能とすることができる。理想的には、スクリーンが接触されるときに、タッチスクリーン電算機器は足の長さを示すようにプログラムされる。そして、好ましくは、タッチスクリーン電算機器は足の長さを表示するための履物の入手可能性を示すようにプログラムされる。
【0012】
次に、本発明の実施例を更に詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
添付の図面を参照しながら説明する。
図1】タッチスクリーン電算機器が付帯した本発明の足長測定器を備える足長測定器の配置の斜視図。
図2】使用中の図1の足長測定器配列の斜視図。
図3図1の足長測定器配列の使用中のその後の斜視図。
図4図1の足長測定器配列の使用中のさらに後の斜視図。
図5】靴の大きさを表示する図1の足長測定器の配置の平面図。
図6】測定される足を省略した、図5のVI−VI線における横方向の断面図。
図7図1に示される足長測定器の平面図。
図8図7の足長測定器のVIII−VIII線における長手方向の断面図。
図9】測定される足を省略した、使用中の図1の足長測定器の配置の平面図。
図10図9に示される足長測定器の配置のX−X線における長手方向の断面図。
図11】本発明による他の足長測定器の配置の平面図。
図12図11のAA線における断面図。
図13】異なる構成の図11の配置の平面図。
図14図13のAA線における断面図。
図15】組み立てられ中の本発明の他の足長測定器の配置の斜視図。
図16】組み立ての後の段階の図15と同様の斜視図。
図17】組み立ての後の段階の図16と同様の斜視図。
図18】測定される足を省略した、使用中の他の足長測定器の図17と同様の斜視図。
図19A】測定の実施を示すY―Y線における横方向の断面図。
図19B】測定の実施を示すY―Y線における横方向の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1図10に、足11の長さの測定に用いられる足長測定器10を示す。この足長測定器10は一対の足11を一緒に測定するものとして示されるが、この足長測定器は1つの足を別々に測定するように容易に改良できる。この足長測定器10は、タッチスクリーン電算機器(TCD)12、例えば、IPad(登録商標)装置とともに使われる。足長測定器を用いて足11を測定するための有効な足長測定器の配置を構成するために、この種のTCDは容易にプログラムすることができる。
【0015】
足長測定器10は、足11の裏面を載せる上面16を有する足支持板15を備える。足支持板15は、その2つの反対側に配置された外側縁部の各々で下方へ伸びる支持部材17(ここでは曲げられている)を備えている。そして、支持板15がいくらか高くなるように、支持部材17は床または他の支持面(図示せず)と接触する。もちろん、各コーナーに簡単な脚のような代わりの支持部材を用いることも可能である。
【0016】
足支持板15の後部には、踵当接部18が直立している。踵当接部18は、本実施例では、わずかに前方に凹凸のある前向き面19を有する。足11のかかとは踵当接部18と接触する。そして、前向き面19は、支持板15上で足を正しく位置決めできるように、解剖学的に凹凸が輪郭形成されていると理想的である。
【0017】
足支持板15の前端の方に、つま先当接部20が直立している。つま先当接部20は、中央に、下方に伸びる突起21を有する。この突起21は、足支持板15の直線スロット22を通じて下方へ突出している。スロット22は、踵当接部18の中央に向かって、長手直線方向に伸びている。つま先当接部20が踵当接部18に向かう方向、かつ、踵当接部18から離れる方向に移動できるように、スロット22は突起21のためのガイドとして作用する。つま先当接部20は、反対位置に配置された後向き面23を有している。後向き面23は、つま先当接部20が踵当接部18に向かう方向、または、踵当接部18から離れる方向に移動する際は、踵当接部18と概ね平行のままである。
【0018】
足支持板15の下には、TCD12を摺動可能に収容するための支持トレイ24(開口前面25を有する支持トレイ24)がある。トレイ24は、支持板15と概ね平行であるベース26を有し、ベース26は、接続側壁27によって足支持板15の下面へ接続される。接続側壁27間の横方向の距離は、理想的にはTCD12の幅と合っているため、TCDが支持トレイ24の開口前面25を通じて内外に正確に摺動できるように位置決めされる。
【0019】
つま先当接部20の下向きの突起21は、28においてトレイ内に突き出て、TCDが支持トレイ24に挿入されるときに、TCD12の後向き壁29と接触する。
【0020】
足支持板の前端には、TCDがトレイ24に挿入されるときに、TCD12から離れて上方に付勢された可動ポインタ・ボタン30がある。ポインタ30には最低位置に接触点31があり、ポインタ30が付勢力に抗して下方へ押圧されると、接触点31はTCD12のタッチスクリーン32と接触する。図示する実施形態では、付勢作用は小さいコイルスプリング33によるものであるが、他の付勢機構も適用可能である。
【0021】
可動ポインタ/ボタン30は、足支持板15から隆起した前方部分34に取り付けられる。この前方部分は、つま先当接部20の前方への移動を制限する当接部としても作用する。図示しないが、前方部分34の方へ、すなわち踵当接部から離れる方へ、つま先当接部20は弾性的に付勢される。この配置は図1に明確に示されている。つま先当接部の付勢作用は、ばねまたは他の好適な装置/機構によって容易に達成できる。
【0022】
つま先当接部と踵当接部との間の距離が分かるという点で、つま先当接部20と前方部分4との接触は足長測定法に関して効果的に基準点を設定できる。
【0023】
足長測定器配置の使用を、図2図5に明確に示す。測定される足11は、足支持板15の上面16に載せられる。人は足長測定器11の上に立つことが好ましい。直線のスロット22の両側に足11を置いた状態で、各足11の後部は踵当接部18の前向き面19に接触して配置される。この位置は、図2に示されており、TCD12が、開口前面25を通じて支持トレイ24に挿入されようとしている。
【0024】
その後向き壁29がつま先当接部20の下向きの突起21の一部28に接触するまで、TCD12は長手方向に後向きに摺動して動かされる。TCD12は、長手方向後向きにさらに動かされることができる。これにより、後向き面23が足11の最先端の1つ又は複数の点に接触するまで、つま先当接部20が後ろ向きに踵当接部18の方へ進む。理想的には(必ずしもそうでなくともよいが)、TCD12の重量及び支持トレイ24との摩擦は、つま先当接部20をその最前方位置に戻すように作用する付勢力に打ち勝つのに十分な大きさである。そのため、つま先当接部20は、手で援助することなく、足11に対する位置を保持する。
【0025】
一旦つま先当接部20が足11と接触すると、可動ポインタ/ボタン30をばね33の力に抗して押すことができ、それにより、適切な作動接触を記録するために、最低位置の接触点31がTCD12のスクリーン32と接触する。次に、ポインタ/ボタン30が解放されて安定位置に戻る。
【0026】
図5は、足11の正しい大きさを示しているTCD12の単純な図である。一旦、大きさが記録されると、TCD12を支持トレイ24から取り出すことができ、つま先当接部20は前述の付勢作用によって、その最前方の位置に戻る。
【0027】
TCD12は、つま先当接部20が足支持板15の固定された前方部分34に接して最前方位置にある場合にTCD12が下向きの突起21と接触するとき、特定の最大の大きさを(ポインタ/ボタン30の起動の時点で)表示するように、そのタッチスクリーン32上に原寸大の足定規プログラムを組み込むように適合される。なぜなら、踵当接部とつま先当接部との間の最大距離は既知であるためであるである。TCD12が更に挿入されてつま先当接部20が後方に移動すると、ポインタ/ボタン30の位置は、TCD12のタッチスクリーン32上の定規に対して有効に移動し、ポインタ/ボタン30がスクリーン32に対して押されると、異なる、すなわちより小さい靴の大きさを示す。
【0028】
測定された特定の大きさの足用にどのような特定のスタイルの履物の在庫があるかを販売員がすぐに知ることができるように、TCD12は在庫管理システム(図示しない)と接続できる。在庫管理システムは、興味のある履物を選択できるように、スタイル画像を取り込んで、顧客が試し履きできるようにしている。TCD12は、この在庫管理システムを搭載してもよい。あるいは、在庫管理システムのホストとなる中央コンピュータと無線ネットワークを介して通信できることが理想的である。
【0029】
履物の種類によっては、足11の幅または周囲長さを、別々に測定することもできる。そして、この情報はタッチスクリーンに表示される適切なプログラムによって入力できる。この追加の測定値によって、履物(とりわけ、子供の履物)のより良好な選択が可能となるが、もちろん、在庫の利用にも有効であるかもしれない。
【0030】
在庫管理システムは、在庫切れの履物を注文して、後に店に配達するため、又は顧客の自宅に配達するために、動作することもできる。他の改良としては、もちろん、顧客の足の大きさを測定するために元々用いているTCD12にリンクされることができる。
【0031】
上述した足長測定器の配置は、固定された踵当接部及び固定されたポインタを備えており、つま先当接部及びTCDは足を測定するために一緒に移動可能になっている。しかしながら、他の変形例が可能であることが容易に理解されるだろう。例えば、踵当接部及びTCDを固定配置とし、ポインタを組み込んだつま先当接部を踵当接部に向かう方向に、かつ、踵当接部から離れる方向に、移動可能にすることができる。他の変形例としては、踵当接部及びつま先当接部を移動可能とし、ポインタをそれらの一方に固定し、TCDを他方とともに移動可能とすることができる。
【0032】
上述の配置において、ポインタ30は、足支持板15に対して位置を固定された前方部分34に設けられている。測定できる足の長さ範囲は、TCDスクリーン32の長さにいくらか依存している。図11図14に示される配置では、前方部分34は、足支持板15に取り外せないように固定されるのではなく、関連する足支持板15の複数対の孔部60、61によって規定される2つの設定された位置の間で、長手方向に移動可能になっている。1つの一対の孔部60は、他の一対の孔部61よりも踵当接部18の近くに位置する。前方部分34は、2つの位置を移動することができて、長手方向の運動に抗して、2つの位置のうちの1つに固定されることが可能である。つま先当接部20は、TCDによって押されると、前方部分34から離れて踵当接部18に向かって移動することができ、そして、TCDが取り出されると、前方部分に接触するように再び前向きに弾性的に付勢される。
【0033】
前方部分の2つの(又は必要に応じてさらに多くの)位置により、おそらく子供用及び成人用に、足長を測定するための異なる基準位置が可能になる。位置の選択は、プログラム又はTCDにロードされる「アプリ」に組み込むことができる。ポインタが押されるときに正しい大きさ情報を保証するために、2つの前方部分位置のうちのどちらが使用されたかはユーザが入力する。
【0034】
例示される特定の配置において、前方部分34は足長測定器の長手方向に摺動するように取り付けられ、両側には回転可能な複数のボタン70を備えている。各ボタン70は、取り付けられたコイルバネによって上向きにバネ付勢され、そして、各ボタン70は最も低い位置に突起72および上部に把持フランジ73を有している。公知の差し込みピン機構(図示しない)によって、1度押してひねる動作によって各ボタン70を4分の1回転させ、突起72を上昇又下降位置に移動させて保持することができる。突起72は、支持板15の一対の孔部60、61に位置合わせされるときにだけ下降位置をとることができる(図11及び図12)。突起72が上げられ、次に、突起72を一対の孔部60、61(図13及び図14)に位置合わせするために前方部分34を摺動することができる。突起72が孔部と係合すると、前方部分は足支持板に対して効果的に固定される。次に、つま先当接部20を前方部分34から離すことができ、図1図10に関連して上述した手法で足を測定できる。
【0035】
当然のことながら、TCD用の適切なプログラムの修正と併用して、前方部分34は2つ以上の位置をとることができる。また、使用中の足支持板15に対する移動について前方部分34の位置を決める機構は、単なる適切な機構の一例である。
【0036】
図15図19に、足測定用の別の足長測定器110を示す。この足長測定器110は、理想的にはボール紙またはこの目的のための十分な剛性を有する他のシート材料から折り畳まれる。足長測定器110は、店内使用というよりはむしろ家庭使用を目的とするほうが向いている。消費者は、店で平板状包装として足長測定器110を受け取るか、または郵便/宅配便によって平板状包装を受けとる。いくつかの実施例において、図15図19に図示したように、足長測定器110は、中央の背113で折られて繋がった前後のカバー111、112を有するファイルと形状が類似している。
【0037】
後カバー112は、使用説明書114および/または子供の足の成長を記録するためのシートを組み込むことができる。後カバー112と中央の背113の折りたたみ接合部から、壁115が直立している。壁115は、図に示すように、足長測定器のファイルが最後まで折り畳まれると、床と直角をなすようになっている。使用中に背113に対して直立した位置で壁を支持できるように、一つ以上の折り畳み補強板を、壁115の背後に設けることができる。足長測定器ファイルを閉じたときに、壁115が前カバー111の邪魔にならないように、壁115の高さは、背の幅よりも狭くなっている。壁は、中央位置117に固定された所定長さのボール紙116を包含する。ボール紙116の長さの両端部118は、中央位置の方へ内側に摺動し、適切な連結構成(不図示)を用いて適当な位置に固定されて、測定される足の後部を受けるための略C字形(平面視で)の踵当接部119を形成する。
【0038】
踵当接部119の前方において、足支持板を事実上構成する前カバー111には、わずかに立ち上がった2枚の板120、121が含まれ、2枚の板120、121は、前カバー111と背113との折り目に対して垂直な一対の平行な案内レール122を構成する。一連のボール紙のブリッジ部材123が、前カバー111の溝124に設けられている。各ブリッジ部材123は、一端が第1の板120の下に固定されるが、第2の板121の下に摺動可能に配置される。各ブリッジ部材123は、その固定端から遠いほうに一連の折畳部125及びつまみ126を有する。各ブリッジ部材123は、摺動/持上げ動作によって操作でき、各ブリッジ部材123が、案内レール122間の表面上に矩形の橋127を形成するようになっている。このことは、図12に明らかに示されている。使用に際して、測定される足の長さに応じて、一度に1つのブリッジ部材123だけを上げる。そして、ブリッジ部材123は、踵当接部119から複数の距離毎に段階的に設けられる。各ブリッジ部材は、中央の孔128を有しているが、この目的については後述する。
【0039】
タッチスクリーン電算機器(TCD)131を収容するために、支持ブロック130が設けられている。この実施例では、TCD131は、タッチスクリーン136を有するスマートフォン(多機能電話)の形態である。支持ブロック130は、ボール紙の平坦なシートから折り畳むことができて、つま先当接部132と、TCDをぴったり収容するための中央のくぼみ134及び床135を有する箱部トレイ133とを備える。例えば、くぼみの大きさは、TCDの様々な大きさに適応するように、折り目または成形された挿入物によって変えることもできる。通常、箱部トレイ133の高さは、TCDの厚さよりもわずかに大きく、各ブリッジ127の高さとほぼ同じである。箱部の幅は、踵当接部119に向かう方向及び踵当接部から離れる方向に案内されて移動するために、案内レール122間に摺動可能に受け取られ得るようになっている。
【0040】
図17に示すように、ブリッジ127の1つを持ち上げて、箱部トレイ133をブリッジ127の下に摺動可能に挿入することができる。そして、踵当接部に向かう方向及び踵当接部から離れる方向の摺動動作は、平行な案内レール122によって案内される。次に、TCDがトレイ133の位置に挿入され、TCDのスクリーン136がブリッジの孔128の下で長手方向に移動するようにされる。
【0041】
足は示していないが、図18は使用中の足長測定器110を示す。測定される足は、足のかかとが踵当接部119に接触した状態で足長測定器110上に載せられる。足の測定は、床に理想的に広げられた足長測定器110を用いて足へユーザの体重をかけて行われるべきである。各ブリッジ部材123は重ねられる足の大きさに関連付けられており、おそらく使用説明書114によって示される概算の見積もりに従って、適切なブリッジ部材123が持ち上げられるようになっている。次に、TCDを有する支持ブロック130が、末端のつま先がつま先当接部132に接触するまで足に向かって移動される。次に、測定者は、孔128の上に指を置いて、TCDのスクリーン136に接触するように、下方へブリッジ127を撓曲させる。そうして、TCD131は、スクリーン上に足長を表示する。
【0042】
TCD131は、孔128からつま先当接部までの距離を効果的に測定するプログラムまたは「アプリ」を搭載している。そして、これは孔128から踵当接部119までの既知の距離と結びつけられる。ユーザが行う必要があるのは、計算において正しい孔128/踵当接部119距離が使用されるように、どのブリッジ部材123を使用するかを入力することだけである。図1図10の第1実施例に関して上述したTCDの機能は、代替の実施例にも同様に適用できる。同様に、TCD131は、電話である必要はなく、タッチスクリーンを有するより大きな、「タブレット」型のデバイスであってもよい。
【0043】
添付の請求の範囲を逸脱することなく、足長測定器の製造の正確な設計および材料を修正できることも理解されるだろう。
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図18