特許第6014673号(P6014673)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6014673飲料調製マシン内で使用するためのカプセル
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6014673
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月25日
(54)【発明の名称】飲料調製マシン内で使用するためのカプセル
(51)【国際特許分類】
   A47J 31/06 20060101AFI20161011BHJP
   A47J 31/36 20060101ALI20161011BHJP
【FI】
   A47J31/06 320
   A47J31/36 122
【請求項の数】14
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-526434(P2014-526434)
(86)(22)【出願日】2012年7月27日
(65)【公表番号】特表2014-524317(P2014-524317A)
(43)【公表日】2014年9月22日
(86)【国際出願番号】EP2012064752
(87)【国際公開番号】WO2013026650
(87)【国際公開日】20130228
【審査請求日】2015年1月20日
(31)【優先権主張番号】11178246.2
(32)【優先日】2011年8月22日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】599132904
【氏名又は名称】ネステク ソシエテ アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128381
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 義憲
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100140453
【弁理士】
【氏名又は名称】戸津 洋介
(72)【発明者】
【氏名】ドーガン, ニハン
(72)【発明者】
【氏名】ドレアック, フレデリック
【審査官】 豊島 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】 特表2010−521263(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/063644(WO,A1)
【文献】 特表2009−539443(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 31/00 − 31/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶解可能および/または抽出可能な食品原材料の塊を封入するための閉鎖された隔室を形成する、飲料調製マシン内で使用するためのカプセル(1)であって、
(i)カプセル側壁(2)と、
(ii)前記隔室内の圧力下で抽出用液体を噴出するようになっている前記飲料調製マシンの流体噴出手段(4)によって突き刺し可能な頂部膜(3)と、
(iii)底部壁(5)と、
(iv)前記抽出用液体の噴出中に前記隔室内の液体圧力が増加する影響下で前記底部壁(5)と相対係合することによって前記隔室を開放するようになっている手段(6、7)と
を備えるカプセル(1)において、
前記流体噴出手段(4)によって突き刺される前記頂部膜の面の少なくとも一部が、1MPaより高い張力、および100%を上回る破断伸びを有する弾性材料を備え、前記流体噴出手段(4)が前記頂部膜(3)から除去された後に前記頂部膜(3)が耐漏洩態様で再び閉鎖するようになっていることを特徴とする、カプセル(1)。
【請求項2】
前記弾性材料が5MPaより高い張力を有する、請求項1に記載のカプセル(1)。
【請求項3】
前記弾性材料が10MPaより高い張力を有する、請求項2に記載のカプセル(1)。
【請求項4】
前記弾性材料が500%を上回る破断伸びを有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載のカプセル(1)。
【請求項5】
前記流体噴出手段(4)が前記頂部膜(3)から除去された後、前記頂部膜(3)が、少なくとも1バールの流体圧力に漏出なしで耐えることができる、請求項1〜4のいずれか一項に記載のカプセル(1)。
【請求項6】
前記流体圧力が少なくとも3バールである、請求項5に記載のカプセル(1)。
【請求項7】
前記流体圧力が少なくとも5バールである、請求項6に記載のカプセル(1)。
【請求項8】
前記底部壁が、アルミニウム、紙、プラスチックまたはそれらの組合せでできている突き刺し可能な膜(5)である、請求項1〜のいずれか一項に記載のカプセル(1)。
【請求項9】
前記頂部膜(3)が前記飲料調製マシンの液体噴出中空針(4)によって突き刺し可能である、請求項1〜のいずれか一項に記載のカプセル(1)。
【請求項10】
前記頂部膜(3)が単一層の弾性材料を含む、請求項1〜のいずれか一項に記載のカプセル(1)。
【請求項11】
前記頂部膜(3)が、ラミネートの構成層(9、11)のうちの1つが弾性材料で作製されるように、少なくとも部分的に互いに組み合わされた複数の重なり合う層(8)を備えるラミネートである、請求項1〜のいずれか一項に記載のカプセル(1)。
【請求項12】
前記頂部膜(3)が非弾性フィルムを含み、少なくともその一部が弾性材料の層によって被覆されている、請求項1〜11のいずれか一項に記載のカプセル(1)。
【請求項13】
前記弾性材料が液相で前記非弾性フィルム上に被覆され、前記弾性材料が、融解温度を超えてホットメルトとして塗布され次いで冷却につれて凝固するポリマーであり、または前記弾性材料が、冷温の液状エラストマーの形態であり、次いで熱、電子ビーム、紫外線硬化/処理によって凝固するように固化される、請求項12に記載のカプセル(1)。
【請求項14】
前記弾性材料が食品用シリコーンである、請求項1〜13のいずれか一項に記載のカプセル(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料調製マシン内で使用するためのカプセルであって、そのカプセルの頂部の突き刺し可能な膜が自動的に再び閉鎖できるカプセルに関する。
【背景技術】
【0002】
飲料調製マシンは、食品科学および消費財の分野でよく知られている。そのようなマシンによって、消費者は、例えば1杯のエスプレッソ、または1杯の淹出タイプのコーヒーなど、例えばコーヒー飲料などの所与の種類の飲料を自宅で調製することができる。
【0003】
今日、家庭での飲料調製のためのほとんどの飲料調製マシンは、飲料を調製するために小分けされた原材料を収容することができるマシンからなるシステムを備える。そのようなポーションは、柔らかいポッドまたはパッドまたは小袋であることができるが、しかし、ますます多くのシステムが、硬質ポッドもしくはカプセルなどの半硬質ポーション、または硬質ポーションを使用する。以下では、本発明の飲料調製マシンが硬質カプセルを用いて作動する飲料調整マシンであることが考察される。
【0004】
マシンは、カプセルを収容するための受容体、およびカプセル内に圧力下で、流体、好適には水を噴出するための流体噴出システムを備える。本発明によってコーヒー飲料を調製するために、圧力下でカプセル内に噴出される水は、好適には高温であり、すなわち70℃を超える温度にある。しかし、ある特定の例では、水の温度は周囲温度である場合もある。カプセル内容物の抽出中および/または溶解中、カプセルの隔室内の圧力は、製品を溶解するためには典型的に約1〜8バール(bar)であり、焙煎され挽かれたコーヒーを抽出するためには約2〜12バールである。そのような調製工程は、特に紅茶およびコーヒーのための飲料調製のいわゆる「淹出(brewing)」工程とは大きく異なる。「淹出」工程では、淹出には、流体(例えば、熱水)によって原材料を長時間浸出することが含まれるが、一方、飲料調製工程では、消費者が数秒内に例えばコーヒーなどの飲料を調製することができる。
【0005】
閉鎖されたカプセルの内容物を圧力下で抽出および/または溶解する原理は既知であり、典型的には、マシンの受容体内にカプセルを閉じ込めるステップと、一般に、マシンに取り付けられた流体噴出針などの突き刺し噴出要素を用いてカプセルの表面を突き刺すステップの後、一定量の加圧された水をカプセル内に噴出するステップとからなり、その目的は、内容物を抽出または溶解するためにカプセル内に加圧環境を生成し、次いで、抽出された内容物または溶解された内容物をカプセルから放出することである。この原理を適用することができるカプセルは、例えば、出願人の欧州特許第1472156号明細書、および欧州特許第1784344号明細書に既に記載されている。
【0006】
この原理を適用することができるマシンは、例えば、スイス国特許第605293号明細書および欧州特許第242556号明細書に既に記載されている。これらの文献によれば、マシンは、カプセルのための受容体と、1つまたは複数の液体噴出オリフィスを遠位領域に備える中空針の形態に作製された穿孔および噴出要素とを備える。針は2つの機能を有し、1つはカプセルの頂部を開放することであり、もう1つはカプセル内に水入口通路を形成することである。
【0007】
マシンは、更に流体タンクを備え、この流体はほとんどの場合に水であるが、流体タンクの目的は、カプセルに含まれた原材料を圧力下で溶解および/または浸出および/または抽出するために使用される流体を貯蔵することである。マシンは、使用される水を作動温度(典型的には、80〜90℃まで)に温めることができるボイラまたは熱交換機などの加熱要素を備える。最終的に、マシンは、タンクからカプセルに、随意で加熱要素を通して、水を流通させるためのポンプ要素を備える。マシン内を水が流通する方法は、例えば、出願人の欧州特許出願公開第2162653号明細書に記載されているタイプの蠕動バルブなど、バルブ手段を選択することによって選択される。
【0008】
調製される飲料がコーヒーである場合、コーヒーを調製するための興味深い1つの方法は、焙煎され挽かれたコーヒー粉末を含むカプセルを消費者に提供することであり、コーヒー粉末はカプセル内に噴出される熱水によって抽出されることになる。
【0009】
出願人の欧州特許第1784344号明細書、または欧州特許第2062831号明細書に記載され、特許請求されている出願などのためにカプセルは発達してきた。
【0010】
要するに、そのようなカプセルは、典型的に、
−中空の本体、ならびに液体および空気に対して不浸透性であり、本体に取り付けられ、例えばマシンの噴出針などによって穴を開けられるようになっている噴出壁と、
−抽出されることになる焙煎され挽かれたコーヒーのベッドを含む隔室と、
−カプセルの底部端に配設され、カプセルを閉鎖して、隔室内の圧力を保持するためのアルミニウム製膜であって、隔室内部の圧力が特定の所定値に達するとき、アルミニウム製膜に注出穴を開けるための突き刺し手段を伴う、アルミニウム製膜と、
−随意に、カプセル内に噴出される流体の噴出速度を低減させ、内容物のベッド全体に流体を減速した速度で分配するために、流体の噴出を乱すように構成されている手段と
を含む。使用者にとって、マシンタンク内の水のレベルが低すぎて十分な飲み物を調製できなくなるのはいつなのかを知ることが重要である。
【0011】
図1に示す従来技術のカプセルは、飲料調製マシンの流体噴出針によって突き刺される頂部膜を特徴とする。液体がカプセルの隔室内に噴出されるとき、圧力が強まり、そのことが、前述のようにカプセル内部に含まれる原材料(ingredient;成分)を抽出するための抽出手段として機能する。
【0012】
従来技術のカプセルでは、飲料が調製され注出された後、に針がカプセルから除去されるとき、カプセルの頂部膜が突き刺されており、図2に示すように依然として穴が残った状態になる。しかし、そのような場合、抽出用流体の圧力「P」が少なくとも部分的にカプセルの隔室内に残っている。
【0013】
カプセルが抽出用の溶解可能な原材料を含む場合、カプセルの隔室は一般に単一の部分を備え、残留流体圧力が隔室の体積全体に拡散される。
【0014】
図1および2に示すように、カプセルの隔室がいくつかの部分に分けられている場合、残留圧力Pはカプセルの隔室の頂部に作用する。この場合、典型的には焙煎され挽かれたコーヒー「RG」である抽出される原材料は、カプセルの中央部に含まれ、カプセルの隔室の一部がコーヒー原材料の上方に配設され、それによって、図1に示すように流体噴出針を収容することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
すべての場合において、カプセルが使用された後にカプセルの隔室内に残る残留圧力Pによって、しばしば「クジラ現象」と呼ばれるように、液体噴出物が、マシンの針によって突き刺された穴を通ってカプセルの頂部膜の外に噴出する可能性がある。そのようなクジラ現象が、図2に示されている。そのような現象は、無作為に稀に生じるが、無秩序に高温液体が飛び散って出るので望ましくない。更に、液体が、カプセルの頂部膜から漏れ出た液体などの、原材料と混合された水である場合、その現象によってマシン周辺および内部に何らかのバクテリアが発生する可能性があり、それによって消費者が使用後にマシンおよびマシンの周辺を洗浄することに時間をかけなければならなくなるので、そのような現象は清浄度の観点からもまた望ましくない。
【0016】
したがって、本発明の1つの主な目的は、前述のいわゆる「クジラ現象」を防止するカプセルを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
溶解可能および/または抽出可能な食品原材料の塊を封入するための閉鎖された隔室を形成する、飲料調製マシン内で使用するためのカプセルによって前述の目的が達成され、そのカプセルは、
【0018】
(i)カプセル側壁と、
(ii)隔室内の圧力下で抽出用液体を噴出するようになっている飲料調製マシンの流体噴出手段によって突き刺し可能な頂部膜と、
(iii)底部壁と、
(iv)抽出用液体の噴出中に隔室内の液体圧力が増加する影響下で底部壁と相対係合することによって隔室を開放するようになっている手段と
を備えるカプセルにおいて、
流体噴出手段によって突き刺される頂部膜の面の少なくとも一部が、1MPaより高い張力、好適には5MPaより高い張力、より好適には10MPaより高い張力、および100%を上回る、好適には500%を上回る破断伸びを有する弾性材料を備え、流体噴出手段が頂部膜から除去された後に頂部膜が耐漏洩態様で再び閉鎖するようになっていることを特徴とする。
【0019】
本発明に適する弾性材料は、150GPaを下回るヤング率を有するべきである。
【0020】
材料の弾性によって、頂部膜を容易に突き刺すことが可能であり、マシンの液体噴出手段が進むとき、頂部膜は変形することができる。次いで、液体がカプセル内に噴出された後、噴出手段は頂部膜から除去され、頂部膜はその高い弾性によって耐漏洩態様で再び閉鎖する。
【0021】
好適には、流体噴出手段が頂部膜から除去された後、頂部膜は、少なくとも1バール、好適には少なくとも3バール、より好適には少なくとも5バールの流体圧力に耐えることができる。
【0022】
本発明の好ましい実施形態では、底部壁が、アルミニウム、紙、プラスチックまたはその組合せでできている突き刺し可能な膜である。
【0023】
好適には、飲料調製マシンの液体噴出手段が液体噴出中空針である。
【0024】
本発明の第1の代替形態では、頂部膜が単一層の弾性材料を含む(すなわち、いわゆる単一層膜である)。
【0025】
本発明の第2の代替形態では、頂部膜が、少なくとも部分的に互いに組み合わされた複数の重なり合う層を備えるラミネートであり、ラミネートを構成する少なくとも1つの層が弾性材料でできている。好適には、針が頂部膜を突き刺す領域の積層構造物は、弾性層が再び閉鎖する動きを促進するために、膜の他の領域と比較して付着力がより小さい(または付着力がない)。
【0026】
本発明の第3の代替形態では、頂部膜が非弾性フィルムを含み、少なくともその一部が弾性材料の層によって被覆されている。
【0027】
本発明の第3の代替形態では、弾性材料が液相で非弾性フィルム上に被覆され、次いでその弾性材料が、熱、電子ビームまたは紫外線硬化/処理によって凝固することが好ましい。
【0028】
本発明の第4の代替形態では、頂部膜が非弾性フィルムを備え、非弾性フィルムの少なくとも一部が、「シール状」の付着を用いる接着剤によって、または熱シールもしくは超音波シールを用いて、弾性材料の層で覆われる。
【0029】
本発明の第5の代替形態では、カプセルの頂部膜の表面の一部がシリコーン層によって覆われ、シリコーン層は凝固融解温度を超えて塗布され(すなわち、液体として)、次いで冷却につれて膜上に凝固し膜に付着する(「ホットメルト付着」)。
【0030】
前述のすべての実施形態では、弾性材料が食品用シリコーンであることが好ましく、特に大気湿度(すなわち、周囲温度)と反応することによって固化する液状の単一成分シリコーンであることが好ましい。弾性材料の例には、限定されないが、例えば、スチレンブロック共重合体(SBC)、シリコーンまたは液状シリコーンゴム、エチレンビニルアルコール(EVA)系エラストマー、エチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)、あるいはイソプレンゴムなどの食品用熱可塑性エラストマーが含まれる。
【0031】
本発明の追加の特徴および利点は、図面を参照して以下に説明する現在好ましい実施形態の説明の中に記載され、好ましい実施形態から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】従来技術による液体噴出の開始時のカプセルの概略断面切断図である。
図2】噴出針が頂部膜から除去された後に圧力下で逆流する液体を示す、図1に類似した図である。
図3】本発明による積層された頂部膜の詳細を示す部分的な斜視分解図である。
図4】本発明によるカプセルの概略斜視図であり、頂部膜の表面に付着されている弾性頂部リングを示す図である。
図5】本発明の代替形態を示す、図4に類似した概略図である。
図6】本発明によるカプセルの概略断面切断図であり、噴出針が除去された後に再び閉鎖された膜を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明の説明の中で、「頂部膜」という用語は、「底部膜」の反対側にある、マシンの流体噴出針によって突き刺される膜として理解するべきであり、「底部膜」はカプセルの反対側に配置される膜として理解されるべきである。この定義によって、カプセルおよびマシンの両方が作動態様で係合している場合、マシン内部でのカプセルの位置にかかわらず、「頂部」膜および「底部」膜が定義される。
【0034】
図3図4図5および図6に示すカプセル1は、溶解可能および/または抽出可能な食品材料の塊「RG」を封入するための閉鎖された隔室を形成するカプセル本体を備える。
【0035】
カプセル本体は特に、
(i)カプセル側壁2と、
(ii)隔室内の圧力下で抽出用液体を噴出するようになっているマシンの噴出針4によって突き刺し可能な頂部膜3と、
(iii)アルミニウム製膜である底部壁5と
を備える。
【0036】
図6に示すように、カプセルは、液体の噴出中に隔室内で液体圧力が増加する影響下で底部壁と相対係合することによって隔室を開放するようになっている手段を更に備える。これらの手段は硬質要素6を備え、硬質要素6は、その表面上にアルミニウム製膜5に向いているスパイク7を備える。硬質要素6は、一般に「ピラミッド型プレート」と呼ばれる。カプセルの隔室内で流体が噴出されると、圧力が増加し、それによってピラミッド型プレート6のスパイク7に当るようにアルミニウム製膜を変形させ、遂に膜5を突き刺して、カプセル内で調製されている飲料がカプセルの外に向かってカップ(図示せず)内部に導かれる。
【0037】
本発明によって、流体噴出針によって突き刺されることになる頂部膜の面の少なくとも一部が、5MPaより高い張力、好ましくは10MPaより高い張力、および100%を上回る、好ましくは500%を上回る破断伸びを有する弾性材料を備え、流体噴出手段が頂部膜から除去された後に頂部膜が耐漏洩態様で再び閉鎖するようになっている。より正確には、流体噴出手段が頂部膜から除去された後、頂部膜は少なくとも3バールの流体圧力に耐えることができる。
【0038】
図3に示す第1の実施形態では、頂部膜3は、少なくとも部分的に互いに組み合わされた複数の重なり合う層8を備えるラミネートであり、ラミネートの構成層のうち少なくとも1つが弾性材料でできている。例えば、図3に示す実施形態では、頂部膜3は4つの重なり合う層を備える。最下層9は、約10MPaの張力および約700%の破断伸びを有する弾性シリコーン層を備える。その真上に配設されている第1の中間層10は、ポリプロピレン材料(約1.5GPaのヤング率および約40MPaの耐力強度)でできている。その真上に配設されている第2の中間層11は、約10MPaの張力および約700%の破断伸びを有する弾性シリコーン層でできている。更に、最上層12は、ポリエチレン(約0.6GPaのヤング率および約35MPaの耐力強度)でできている。
【0039】
図4に示す第2の実施形態では、頂部膜3は、カプセルの頂部膜の面に液体として付着されるシリコーンのリング13によって被覆されている。より正確には、頂部膜の上面の一部は、約10MPaの張力および約700%の破断伸びを有するシリコーン弾性材料の層によって被覆されている。シリコーン層は、液体として付着され、次いで紫外線処理によって室温で固化される。使用されるシリコーンは、食品用である。リング13は、0.1mmと1mmとの間の厚さ、好ましくは0.3mmと0.7mmとの間の厚さを有する。リング13は、液体噴出針4の直径よりも大きい幅、好ましくは針の大きさの3倍の幅を有する。リングは、頂部膜3の上に配置され、マシン内のカプセルの回転位置にかかわらず、針は、頂部膜のうちシリコーンリングによって被覆される領域を貫通して突き刺す。頂部膜の下面が弾性材料によって被覆されることもまた考えられるが、頂部膜の上側を被覆する方がより容易であると考えられるので、そのような実施形態は好ましくない。
【0040】
図5に示す第3の実施形態では、頂部膜3には、シリコーンのリング13が接着されている。リングに使用される材料は、約10MPaの張力および約700%の破断伸びを有するシリコーン弾性材料である。リング13は、0.1mmと1mmとの間の厚さ、好ましくは0.3mmと0.7mmとの間の厚さを有する。リング13は、液体噴出針4の直径よりも大きい幅、好ましくは針の大きさの2倍の幅を有する。リングは、頂部膜3の上に配置され、マシン内のカプセルの回転位置にかかわらず、針は、図5に示すように、頂部膜のうちシリコーンリングによって被覆されている領域を貫通して突き刺す。リング13は、食品用接着剤を使用して頂部膜4に接着されている。
【0041】
消費者がカプセルの向きを合わせる必要がないことから好ましいとされるリング形状の代わりに、液状シリコーンのディスクとして付着され、次いで前述のように固化される簡単なディスクのみを有することも可能であり、または別法として、接着剤、または熱シールもしくは超音波シールによって膜の表面に付着される予め作製されたディスクとして付着される簡単なディスクのみを有することも可能であるが、好ましくは、針を突き刺す真下の領域を封止するのではなく、全体的に封止することが好ましい。そのようなシリコーンのディスク(図示せず)は少なくとも針の直径の2倍の直径を有する。その場合、カプセルの形状は、カプセル保持器内部またはマシン内部のカプセルの向きを提示するために、円形以外の形状に修正されることが好ましく、それによって作動中に針がディスクを貫通して突き刺すようになる。別法として、カプセルのデザインまたはカプセル上の図が、カプセル保持器またはマシン内部のカプセルの正しい向きを消費者に表示する。
【0042】
前述のすべての実施形態では、実験試験によれば、製品調製後のカプセル内の内部残留圧力が0.5バールと5バール(大気圧に対する相対圧力)との間である場合、単層または複数層の膜層と組み合わせて、またはコーティングとして、またはリングとしての、シリコーンなどエラストマーの層である、0.05mmと1mmとの間の厚さ、好ましくは0.1mmと0.5mmとの間の厚さであるエラストマー層が、再閉鎖および耐漏洩性の観点から好結果をもたらすことを示した。
【0043】
そのような試験では、針の直径が0.5mmと3mmとの間、より正確には1.0mmと1.6mmとの間であった。例えば、針は、頂点切断角度30°を含む直径1.5mmを有することができる。カプセル内で液体噴出のために使用される針は、ステンレス製の針である。
【0044】
ここで、本明細書に記載する好ましい実施形態に対して様々な変形形態および修正形態が当業者にとって明らかになることを理解されたい。そのような変形形態および修正形態は、本発明の精神および範囲から逸脱せずに、本発明に付随する利点を減じることなく作製され得る。したがって、そのような変形形態および修正形態は添付の特許請求の範囲によって包含されると意図するものである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6