特許第6014674号(P6014674)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6014674
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月25日
(54)【発明の名称】合成装置診断用カセットシミュレータ
(51)【国際特許分類】
   G01M 99/00 20110101AFI20161011BHJP
   B01J 19/00 20060101ALN20161011BHJP
   G01T 1/161 20060101ALN20161011BHJP
【FI】
   G01M99/00 Z
   !B01J19/00 321
   !G01T1/161 D
【請求項の数】15
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-533411(P2014-533411)
(86)(22)【出願日】2012年9月28日
(65)【公表番号】特表2014-535041(P2014-535041A)
(43)【公表日】2014年12月25日
(86)【国際出願番号】US2012057979
(87)【国際公開番号】WO2013049608
(87)【国際公開日】20130404
【審査請求日】2015年9月25日
(31)【優先権主張番号】61/541,209
(32)【優先日】2011年9月30日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】305040710
【氏名又は名称】ジーイー・ヘルスケア・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100137545
【弁理士】
【氏名又は名称】荒川 聡志
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100129779
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 俊久
(72)【発明者】
【氏名】チザム,ロバート・エフ
【審査官】 山口 剛
(56)【参考文献】
【文献】 特表2004−515330(JP,A)
【文献】 特表2009−511458(JP,A)
【文献】 特開2007−212240(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0245980(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01M 99/00
A61K 9/00 − 9/72
A61K 43/00
A61K 49/00 − 49/04
G21G 4/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動合成装置のための合成装置カセット診断シミュレータであって、合成装置が、合成装置に装着された合成カセットと係合するための複数のカセット係合装置を含み、シミュレータが、
合成装置によって受け入れられるように成形されたシミュレータ本体と、
シミュレータ本体によって支持される複数の診断素子であって、それぞれが合成装置の複数のカセット係合装置の1つと係合可能である、複数の診断素子とを備え、
複数の診断素子の各々は、そのそれぞれのカセット係合装置によって生じる変位又は効果に対応する信号を供給する、
シミュレータ。
【請求項2】
複数の診断素子のうちの1つ以上に接続された電源を更に備える、請求項1記載のシミュレータ。
【請求項3】
複数の診断素子のうちの1つ以上が、合成装置の回転式アームの回転に対応する信号を供給する、請求項1記載のシミュレータ。
【請求項4】
複数の診断素子のうちの1つ以上が、この診断素子に対する正圧及び負圧のうちの一方の付加に対応する信号を供給する、請求項1記載のシミュレータ。
【請求項5】
複数の診断素子のうちの1つ以上が、シミュレータ本体によって支持されるインジケータの直線運動を検知し、直線運動に対応する信号を供給する、請求項1記載のシミュレータ。
【請求項6】
複数の診断素子のうちの1つ以上が、シミュレータ本体によって支持される細長のピストンロッドの直線的な往復運動を検知し、直線的な往復運動に対応する信号を供給する、請求項1記載のシミュレータ。
【請求項7】
複数の診断素子のうちの1つ以上が、合成装置の加熱素子の温度を検知し、温度に対応する信号を供給する、請求項1記載のシミュレータ。
【請求項8】
複数の診断素子のうちの1つ以上が、合成装置の流路に沿う又は反応バイアルにおける圧力を検知し、圧力に対応する信号を供給する、請求項1記載のシミュレータ。
【請求項9】
コンピュータ制御のコンパレータに対し、複数の診断素子のそれぞれが受信した信号を伝達する手段を更に備える、請求項1記載のシミュレータ。
【請求項10】
信号を伝達する手段が無線通信装置を備える、請求項9記載のシミュレータ。
【請求項11】
信号を伝達する手段が、配線及びコンピュータネットワークのうちの少なくとも一方を備える、請求項9記載のシミュレータ。
【請求項12】
シミュレータ本体が信号を表示する表示手段を更に備える、請求項1記載のシミュレータ。
【請求項13】
自動合成装置の性能診断方法であって、
請求項1記載のシミュレータを合成装置に装着する段階と、
1つ以上のコンピュータプロセッサによって、合成装置がシミュレータに動作するための動作プロトコルを実行するように指示する段階と、
シミュレータを装着した合成装置を動作させることによって生じるデータを記録する段階と、
記録する段階において記録されたデータの少なくとも一部を仕様記録と自動的に比較し、合成装置が適切に動作しているかどうかを判定する段階と
を含む方法。
【請求項14】
記録する段階が、動作の時刻及び継続時間を記録することを更に含む、請求項13記載の方法。
【請求項15】
自動合成装置の性能診断システムであって、
請求項1記載のシミュレータと、
動作プロトコルを実行した場合に合成装置がシミュレータにもたらすべき結果を示す仕様記録と、
シミュレータから受信した信号を仕様記録と比較するためのコンピュータ制御のコンパレータと
を備える、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、陽電子放射断層撮影法(PET)及び単一光子放射断層コンピュータ撮影法(SPECT)で使用する放射性医薬品を製造するための自動合成装置等、自動合成装置の分野に関する。より詳細には、本発明は自動合成装置における部品性能を測定する診断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動合成システムは放射性医薬品を製造する上でその重要性を増している。Belgium、LiegeのGE Healthcareが販売するFASTlab(登録商標)システム等の合成システムによって、臨床用途向けの放射性医薬品の小規模製造が行われている。このFASTlab合成装置には、カセットが装着され、作動して、18F−FLT([18F]フルオロチミジン)、18F−FDDNP(2−(1−{6−[(2−[18F]フルオロエチル)(メチル)アミノ]2−ナフチル}エチリデン)マロノニトリル)、18F−FHBG(9−[4−[18F]フルオロ−3−(ヒドロキシメチル)ブチル]グアニン又は[18F]−ペンシクロビル)、18F−FESP([18F]−フルオロエチルスピペロン)、18F−p−MPPF(4−(2−メトキシフェニル)−1−[2−(N−2−ピリジニル)−p−[18p]フルオロベンズアミド]エチルピペラジン)及び18F−FDG([18F]−2−デオキシ−2−フルオロ−D−グルコース)等の放射性医薬品を製造する。
【0003】
このカセットは通常、特定の放射性トレーサを合成するために、反応容器、蒸留容器、試薬バイアル、カートリッジ、フィルタ、シリンジ、チューブ及びコネクタを含む。それぞれの放射性医薬品用のカスタマイズされたカセットを使用して様々な放射性医薬品が製造されている。カセットが装着された合成装置はカセットと協働するように係合して、ストップコック及びシリンジを作動させることにより、カセットを介して放射性同位体を有する原料流体を駆動し、化学合成プロセスを実行する。更に、この合成装置は、内部で生じる化学反応に必要な熱を供給するためにカセットの第1の反応容器を内部に受け入れる加熱キャビティを含む。
【0004】
合成装置は、ポンプシリンジ、バルブ、加熱素子を作動させるようにプログラムされるとともに、原料流体を試薬と混合させるようにするためにカセットに対する駆動ガス(例えば、窒素)を供給し真空を付加すること、適切な精製カートリッジに通して化学反応を行うこと、並びに生産されたトレーサ及び廃棄流体をカセット外部の適切なバイアル容器にポンプで選択的に送出することを制御する。生産物バイアルに収集された流体は、通常、精製及び/又は調合のための別のシステムに投入されるが、合成装置とカセットは、精製済みの化合物をカセットへと元に戻す別個の精製システムに接続して、さらなる処理を行うこともできる。
【0005】
合成した放射性トレーサ製品が使用に適しているかどうかについては品質管理テストによって判定することができるが、品質審査に合格しない製品があるということはカセット又は合成装置に問題がある可能性があることを示すものである。FASTlab等の合成装置は放射性トレーサ製品の製造にますます広く使用されるようになるにつれて、合成装置において仕様又は設定された規格通りに機能していない部品を検知するために、合成装置の性能を監視することができる診断装置の必要性が当技術分野において存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第2007/042781号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
従来技術の必要性を鑑み、本発明は、合成装置に装着するためのカセット診断シミュレータを提供する。本発明のシミュレータのカセットは、合成装置が放射性医薬品の合成に使用される前述の通常のカセットであるように思われるが、そうではなく、カセットに係合するか又は作用する合成装置の各部品の性能を測定することができるよう構成されている。次いで、各部品の性能は、仕様又は所定の基準若しくは規格と比較され、これらの部品が適切に作動する状態であり、必要/所要に応じて動作しているかどうかを判定することができる。従って、本発明は、実際のカセット製品を使用することなく、通常の作業環境において合成装置の診断的評価を行うことができる。
【0008】
一実施形態において、本発明のシミュレータは、回転ストップコック、直線的な往復運動を行うシリンジのピストンロッド、及び合成装置に接続され、合成装置によって動作される1つ以上の圧力測定装置等の診断素子を提供する。それぞれの動き又は圧力が各々、測定されて、基準となる仕様と比較される。測定値には、運動及び/又は加圧の程度、並びに運動及び加圧が生じた時刻及びその継続期間が含まれてもよい。シミュレータでは、1つ以上の診断素子がコンピュータ等の外部記録装置と通信することができ、又はシミュレータ自体に1つ以上の部品の性能を記録することができる。この記録は後で(例えば、診断のためのシミュレーション動作の後で)出力することができる。
【0009】
本発明は、合成装置のプログラムの元となるどのプロトコルに従っても、合成装置の性能の診断に使用することができる。合成装置はカセット又は合成する放射性トレーサの種類及び実行されるプログラムに基づいて通常の製造プロトコルを実行するものと想定されている。また、本発明においては、合成装置はカセットに作用する各部品をテストすることだけを目的として設計されたプロトコル(例えば、「テスト」モード)を実行するように設定することができるものと想定されている。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】例示的な実施形態による、カセットが装着される合成装置を示す図である。
図2】例示的な実施形態による図1のカセットを示す図である。
図3】例示的な実施形態による、合成装置に対する図2のカセットの連結を示す図である。
図4】例示的な実施形態による、合成装置カセット診断シミュレータを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
これらの実施形態及び他の実施形態並びに発明の利点は、添付の図面と共に、発明の様々な例示的実施形態の原則を例として示す以下の詳細な記載から明らかになるであろう。
【0012】
本明細書に記載される発明の実施形態は広範な用役と用途が可能であることは当業者であれば容易に理解されるであろう。従って、本明細書において、発明は例示的な実施形態に関して詳細に記載されているが、この開示は実施形態の例証及び例示であり、例示的な実施形態を実行可能な程度に開示するようになされていることを理解されたい。この開示は、発明の実施形態を限定するか或いは他のいかなる実施形態、適合形態、変更形態、修正形態及び等価な構成形態を排除するよう解釈されることを意図するものではない。
【0013】
シミュレータは、装着される合成装置用の通常の実用カセットとして合成装置に装着される。カセットと合成装置との間のすべての接続は、本発明のシミュレータについても同様に行われる。即ち、このシミュレータカセットは、実際の放射性医薬品を製造するために使用される実用のカセットであるかの如く合成装置に装着され得る。例えば、シミュレータはFASTlab合成装置に装着するように構成することができる。本明細書に記載される例においてはFASTlabが使用されるが、これらの例は例示的な実施形態を示すことを意図するものであり、限定的なものではないことを認識されたい。
【0014】
シミュレータは以下の量及びタイミングを検知し、測定する。
・合成装置の各回転式アームの回転
・合成装置からカセットへの駆動ガスの付加(真空及び正圧の両方)。注入用の水をシミュレータカセットに接続して駆動流体を供給するが、これはシミュレータによってテストする必要はない。簡単に言うと、シミュレータは、必要な正圧及び負圧を検知し、望ましくは、測定及び記録することができるように合成装置の各ガスポートに接続された圧力計を備える。
・シリンジポンプとの係合に使用されるアームの往復運動。シミュレータは、合成装置が係合して動かすシリンジピストンロッド部材を備える。シミュレータのピストンロッドの動きが検知され、望ましくは、測定及び記録される。
・各試薬容器の内容物がマニホールドに送出されるように、各試薬容器をその下方にある突起物に突き刺すための合成装置のアームの動き(この場合は一度だけ、且つ一方向だけの動き)。この動きは測定及び記録されることが望ましい。但し、診断素子の一回の移動で十分である場合がある(装置が勝手にさらなる進退運動を行うことができないことを前提とする)。
・加熱ウェルの動作(反応容器が正確な時刻に正確な継続期間、正確な温度で加熱されていることを確認するため)。
【0015】
シミュレータは、合成装置が仕様の範囲内で機能していること、即ち、適切に且つ期待通りに動作していることの判定を可能にする。合成装置が所要の仕様に準じて機能していることを検知するために必要なすべての回路構成はシミュレータ内に含まれていることが望ましい。更に、シミュレータには合成装置の性能を要求される仕様と比較する回路構成が必要となる場合がある。例えば、所要の回路構成は、シミュレータに関する各部品から予測される性能の報告と、受信した報告を予測される性能と比較するプログラムと、性能が指定された制限範囲内にあるか範囲外であるかを示すインジケータ信号とを受信し、記憶するためのメモリを含むものであってもよい。様々な部品の性能を示すために2つ以上のインジケータが存在してもよい。インジケータは一連のライト、又はテキスト若しくは画像表示で結果を示すものであってもよい。テスト中、合成装置の性能を記録することが望ましい。従って、シミュレータは、実際の合成装置の性能を所要又は所望される仕様と比較する外部計算装置にデータを供給することができる。こうしたデータの供給は様々な態様で行うことができ、これらの態様には、配線接続、無線接続及び/又は遠隔接続(即ち、中央監視室へのインターネットを介した接続)を含むがこれらに限定されない。複数の接続方法を組み合わせて使用してもよい。外部計算装置はコンピュータ又はサーバとすることができる。
【0016】
シミュレータは(例えば、1つ以上のストップコックについて)1つ以上の診断素子又はセンサから、素子が関係する部品の性能を示す信号を収集することができる。診断素子は、非限定的な例として、機械式センサ、電気式センサ、電気機械式センサ、電子式センサ、変換器、抵抗式センサ、容量式センサ、電磁式センサ、スイッチ、光学式センサ、磁気式センサ及び/又は誘導式センサを含んでもよい。これらの素子は、非限定的な例として、動き、距離、温度、圧力及び/又は流れを感知するように構成することができる。診断素子は、測定した量を感知、記録及び送信することができるよう構成することができる。また、診断素子は測定した量と基準となる規格又は設定点との比較を行い、その比較の結果を出力するように構成してもよい。
【0017】
本発明においては、診断素子の中には合成装置が確実に要求通り機能するように目視で検査できるものがあることも想定されている。例えば、スライド式のピストンをシミュレータ内で僅かに動かして、試薬バイアルをその下方にあるカニューレに突き刺すためのシミュレーションを行ってもよい。合成装置がカセット又は合成する放射性トレーサの種類及び実行されるそれぞれのプログラムに基づいて通常の製造プロトコルを実行するものと想定されている。また、本発明では、合成装置がカセットに作用する部品のそれぞれをテストするためだけに設計されたプロトコル(例えば、「テスト」モード)を実行するように設定することが可能であるものと想定している。例えば、合成装置はシミュレータを18F−FDG等の放射性医薬品を製造しているかのように動作させることができる。診断素子によって供給される信号は、合成装置の各部品の動きに対応している。これらの信号は、18F−FDGカセットを使用した場合に合成装置のプログラムのための仕様又はプロトコルに基づいて「得られると予測される」べきものと比較することができる。或いは、合成装置によって製造プロトコル全体を実行するのではなく、短時間に「テストモード」を実行するよう合成装置をプログラムしてもよい。但し、合成装置の部品の評価が可能である態様で行うものとする。
【0018】
シミュレータの電源は内部電源(即ち、バッテリ)又は外部電源(即ち、固定の電源への接続)とすることができる。
【0019】
操作者は、サイクロトロンからの出力(例えば、放射性同位体の流体)をシミュレーションするために不活性流体を供給することができる。例えば、FASTlabでは、流体管路(定期的に変更される)を挿通させて、リザーバ/サイクロトロンからカセットに流体を向けるようにすることができる。本発明では、この供給源管路は、シミュレータに設けられたリザーバに簡単に収集可能な不活性又は放射活性の低温の流体を供給することが望ましい。また、シミュレータはこの流体の供給量が規格の範囲内であることを判定するように構成することができる。例えば、シミュレータに設けられたリザーバは、量の目盛り表示をそれに沿って示す透明の窓を含み、合成装置によって供給された量を可視表示することができる。また、供給量を判定する他の手段を設けてもよい。
【0020】
図1は例示的な実施形態による合成カセット110が装着された合成装置50を示す。合成装置50は放射性医薬品の自動合成装置プラットフォームである。例えば、合成装置50は上述のFASTlabシステムとしてもよい。FASTlabユニットについて記載されているが、これは非限定的な例を意図するものであり、合成装置50は当業者から評価を受けている別の合成装置システムであってもよい。カセット110は合成装置50に装着される。カセット110は使い捨ての試薬セットと流体管路を有する使い捨てカセットである。例示的な実施形態によると、カセット110は本明細書に記載された態様で使用するためのシミュレータカセットであってもよい。以下に、図2乃至図4を参照し、カセット110を詳細に説明する。図1においてカセット110の部品の一部に符号が付与されているが、これらは合成装置50に装着された際のカセット110の向きについての参照を与えるためのものである。
【0021】
合成装置50はポンプ、シリンジ、バルブ、加熱素子を作動させるようにプログラムされるととともに、原料流体を試薬と混合させるようにするためにカセットに対する駆動ガス(例えば、窒素)を供給し真空を付加すること、適切な精製カートリッジに通して化学反応を行うこと、並びに生産されたトレーサ及び廃棄流体を適切なバイアル容器にポンプで選択的に送出することを制御する。生成物バイアルに収集された流体は、通常、精製及び/又は調合のための別のシステムに投入されるが、合成装置とカセットは、カセットに精製済みの化合物を戻す別個の精製システムに接続して、さらなる処理を行うこともできる。滅菌フィルタ52と生成物収集バイアル139が図示されている。生成物収集バイアル139は無菌の収集バイアルである。
【0022】
以下に、図2を参照しながら、例示的なシミュレータカセットを説明する。図2は例示的な実施形態による、使い捨て合成カセット110とその部品を示す。例示的な実施形態によるシミュレータカセットは放射性医薬品を製造するための標準的な合成カセットと同じ態様で構成される。カセット110は25個の3方向/3位置ストップコックバルブ1乃至25を含んだマニホールド112を含む。マニホールドバルブ1乃至25はそれぞれマニホールド位置1乃至25とも称する。これらは図2においてより明確に示されている。マニホールドバルブ1、4及び5、7乃至10、17乃至23及び25にはマニホールドバルブから上方に突出する雌型のルアーコネクタが設けられている。バルブ2、6及び12乃至16はバルブから直立する、細長で蓋のないバイアルケースを有しており、各バイアルケースに挿入された試薬バイアルに刺し通すための直立状態のカニューレを内部に支持する。試薬バイアルにカニューレを突き刺す動きは合成装置装置による駆動によって行われる。バルブ3、11及び24はバルブから直立状態で設けられた細長で蓋のないシリンジシリンダを支持している。バルブ1乃至25は隣接するマニホールドバルブ及びそれぞれのルアーコネクタ、カニューレ及びシリンジシリンダに向けて開口する3つのポートを含む。各バルブは、3つの結合したポートのうちのいずれか2つを互いに流体連通にしており、3つ目のポートに流体を通さないようにするための回転式ストップコックを含む。マニホールド112は、その対向する端部に、ポート121a及び123aをそれぞれ画成する第1及び第2のソケットコネクタ121と123を更に含む。マニホールド112及びバルブ1乃至25のストップコックは、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスルホン、Ultem(登録商標)又はPEEK(商標)等のポリマー材料から形成されることが望ましい。
【0023】
カセット110は、顧客による取付け及び接続の手間を最小限に抑えて様々な放射性医薬品の臨床バッチの合成に適応するよう設計された組立て済みのユニットの一種である。カセット110は、本発明による放射性医薬品を合成するための、反応容器、試薬バイアル、カートリッジ、フィルタ、シリンジ、チューブ及びコネクタを含む。試薬バイアルへの接続は、突起物が試薬バイアルの隔壁を貫通することにより自動的に行われることが望ましく、これにより、合成装置の試薬へのアクセスが可能になる。
【0024】
カセット110は、例えば、FASTlab等の合成装置に取り付けることができる。合成装置は、カセットと協働するように係合してストップコック及びシリンジをそれぞれ作動させ、カセットを介して放射性同位体を有する原料流体を駆動し、化学合成プロセスを実行することができる。更に、合成装置は、化学反応のために必要な場合には、カセット110の反応容器に熱を供給することができる。合成装置は、ポンプ、シリンジ、バルブ、加熱素子を作動させるようにプログラムされ、原料流体を試薬と混合させるようにするためにカセットに対する窒素を供給し真空を付加すること、適切な精製カートリッジに通して化学反応を行うこと、並びに生産されたトレーサ及び廃棄流体をカセット外部の適切なバイアル容器にポンプで選択的に送出することを制御する。生産物バイアルに収集された流体は、通常、精製及び/又は調合のための別のシステムに投入される。生成物の調合を行った後は、カセット110の内部部品は通常、洗浄されて潜在する放射能がカセットから除去されるが、それでも多少の放射能が残る。このように、カセット110は2段階の放射性合成プロセスを実行するよう動作することができる。
【0025】
図3は、フルテメタモール(18F)注射の製造用のカセット110のマニホールドに対する接続を示しており、すべてのチューブ及び充填済みの試薬バイアルを図示している。フルテメタモール(18F)注射の製造用のカセットが図示され、説明されているが、本発明のシールドカラーはそのようなカセット又はトレーサに限定されず、これに適応可能なカセットと精製カートリッジの組み合わせにも適しているものと想定されている。カセット110はポリマーケース111を含む。ポリマーケース111は平坦且つ大きな前面113を有し、マニホールド112が支持されるケースの空洞115を画成する。図1に示すように、ケース111の前面113は透明にしてもよい。
【0026】
第1の逆相固相抽出SPEカートリッジ114がマニホールド位置18に配置されており、第2の逆相固相抽出カートリッジ116がマニホールド位置22に配置されている。順相(又はアミノ)固相抽出カートリッジ120はマニホールド位置21に配置されている。第1の固相抽出カートリッジ114は一次精製に使用される。アミノカートリッジ120は二次精製に使用される。第2の固相抽出カートリッジ116は溶媒交換に使用される。50cmから2m超の長さのTygon(登録商標)製のチューブ118をマニホールド位置19と、薬剤用物質の製剤を収集する生成物収集バイアル139と間に接続される。生成物収集バイアル139には滅菌フィルタ52を取り付けてもよい(図1参照)。チューブ118は、部分的に破線で示されており(図2において)、ここでは、この視点からすると、マニホールド112の反対側である、前面113の裏側を通っているように示されている。カセットのチューブは特定の材料から作られるものとして特定される、又は特定されるであろうが、本発明では、カセット110で用いられるチューブは適切なものであればいずれのポリマーから形成してもよく、また、必要に応じていかなる長さを有するものとしてもよい。ケース111の前面113には開口部119が画成されており、この開口部119を通して、チューブ118がバルブ19と生成物収集バイアル139との間を通過する。図3はカセットの組立て済み状態と同様のマニホールドを示し、マニホールド位置9におけるMeCN40%と水60%の混合物を含むバイアル、マニホールド位置10におけるMeCN100%のバイアル、マニホールド位置15の突起物に接続された水用バイアル及びマニホールド位置19に接続された生成物収集バイアルへの接続を示す。図3はマニホールド112の反対側を示しており、回転ストップコック並びにポート121a及び123aは図においては隠れている。
【0027】
長さ14cmのチューブ122はカートリッジ114の自由端とマニホールドバルブ17のルアーコネクタとの間に延在している。長さ8cmのチューブ124はカートリッジ116の自由端とマニホールドバルブ23のルアーコネクタとの間に延在している。長さ14cmのチューブ126はカートリッジ120の自由端とマニホールドバルブ20のルアーコネクタとの間に延在している。更に、チューブ128はマニホールドバルブ1のルアーコネクタからターゲット回収容器129(図1及び図3に示す)まで延在し、この回収容器129はQMAカートリッジによるフッ化物除去後の廃棄物濃縮された水を回収する。チューブ128の自由端は、ルアー金具又は細長の針とこれに対応するチューブ等の、コネクタ131を支持しており、空洞をターゲット回収容器129に接続している。本発明の方法では、放射性同位体はH218O]ターゲット水に溶解した[18F]フッ化物であり、マニホールドバルブ6に導入される。
【0028】
テトラブチルアンモニウム重炭酸塩溶離液バイアル130は、バイアルケース内のマニホールドバルブ2に配置され、突起物が突き刺さっている。細長の1mLシリンジポンプ132はマニホールドバルブ3に配置されている。シリンジポンプ132は細長のピストンロッド134を含む。合成装置によってピストンロッド134は往復運動することができ、マニホールド112及び付属の部品を介して流体を引き込んだり押し出したりする。QMAカートリッジ136はマニホールドバルブ4のルアーコネクタに支持されており、長さ14cmのシリコーンチューブ138を介してマニホールド位置5のルアーコネクタに接続されている。カートリッジ136はミリポア社の一部門であるウォーターズ社が販売しているQMA軽質炭酸塩カートリッジであることが望ましい。アセトニトリル80%と水20%(v/v)の溶液にテトラブチルアンモニウム重炭酸塩を投入することにより、QMA及び相間移動触媒から[18F]フッ化物が溶出する。フッ化物注入リザーバ140はマニホールドバルブ6に支持されている。
【0029】
マニホールドバルブ7はそのルアーコネクタによって、第1のポート144から反応容器146まで延在するチューブ142を支持している。マニホールドバルブ8のルアーコネクタは長さ14cmのチューブ148を介して反応容器146の第2のポート150に接続されている。マニホールドバルブ9のルアーコネクタは長さ42cmのチューブ152を介してMeCN40%と水60%(v/v)の混合物が入ったバイアル154に接続している。アセトニトリルと水の混合物は、第1のSPEカートリッジ114においてフルテメタモールの一次精製を可能にするために使用される。マニホールドバルブ10のルアーコネクタは長さ42cmのチューブ156を介してバイアル158に接続されている。バイアル158には100%MeCNが入っており、このMeCNはカートリッジの調製及び第1のSPEカートリッジ114からのフルテメタモールの溶出のために使用される。マニホールドバルブ11は5mLシリンジポンプ160のためのシリンダ壁を支持する。シリンジポンプ160は細長のピストンロッド162を備える。このピストンロッド162は合成装置によって往復運動が可能であり、マニホールド112を介して流体を引き入れたり、押し出したりする。マニホールドバルブ12のバイアルケースは、6−エトキシメトキシ−2−(4’−(N−ホルミル−N−メチル)アミノ−3’−ニトロ)フェニルベンゾチアゾール)が入ったバイアル164を受け入れる。マニホールドバルブ13のバイアルケースは、4M塩酸が入ったバイアル166を受け入れる。この塩酸により、放射性標識中間物の脱保護が行われる。マニホールドバルブ14のバイアルケースは、ナトリウムメトキシドのメタノール溶液が入ったバイアル168を受け入れる。マニホールドバルブ15のバイアルケースは、細長で中空の突起伸張部170を受け入れる。突起伸張部170はマニホールドバルブ15のカニューレの上に配置され、その自由端において細長のウォーターバッグ用突起物170aを備える。突起物170aは、カセット110の流体流路の希釈とすすぎのための水が入った水用ボトル174のキャップ172に突き刺す。マニホールドバルブ16のバイアルケースは、エタノールが入ったバイアル176を受け入れる。エタノールは第2のSPEカートリッジ116から薬剤物質を溶出させるために使用される。マニホールドバルブ17のルアーコネクタは長さ14cmのシリコーンチューブ122を介して位置18のSPEカートリッジ114に接続されている。マニホールドバルブ24は5mlシリンジポンプ180の細長のシリンダを支持している。シリンジポンプ180は、細長のシリンジロッド182を含む。このシリンジロッド182は合成装置によって往復移動することができ、マニホールド112及び付属の部品を介して、流体を引き込んだり、押し出したりする。マニホールドバルブ25のルアーコネクタは長さ42cmのチューブ184を介して反応容器146の第3のポート186に接続されている。
【0030】
カセット110は回転式アームを有する自動合成装置に装着される。回転式アームはバルブ1乃至25のストップコックとそれぞれ係合することにより、カセット作動中に各ストップコックを所望の向きに位置させることができる。また、合成装置は一対の栓を有する。この一対の栓はそれぞれコネクタ121及び123のポート121a及び123aに液密に挿入されている。これら2つの栓は、それぞれ窒素源と真空状態をマニホールド112に与えるものであり、マニホールド112を流れる流体の動きを助けるものであり、また、本発明のカセット110を操作するものである。シリンジプランジャの自由端は合成装置の協働部材と係合し、協働部材によってシリンジ内で往復運動が行われる。水入りのボトルを合成装置に取り付けてから、突起物170に押し付けることにより、設けられた各種のシリンジの動作によって化合物を駆動するための流体へのアクセスが可能になる。反応容器は合成装置の反応ウェル内に配置され、生成物収集バイアル及び廃棄流体バイアルが接続される。合成装置は、放射性同位体送出管路を含む。この放射性同位体送出管路は、通常はバイアル又はサイクロトロンからの出力ラインである放射性同位体の供給源から送出プランジャまで延在している。この送出プランジャは、カセットを合成装置に取り付けることができる第1の持ち上げ位置から、プランジャがマニホールドバルブ6のケースに挿入された第2の引き下げ位置まで、合成装置によって移動させることができる。プランジャはマニホールドバルブ6のケースと密封状態で係合し、合成装置によりマニホールド112に与えられた真空状態により、放射性同位体送出管路を介して処理用のマニホールド112に放射性同位体が引き出される。更に、合成過程の前に、合成装置のアームによって試薬バイアルがマニホールド112のカニューレに押し付けられる。その後、合成過程を開始することができる。
【0031】
図4は、合成装置カセット診断シミュレータ400を示す。カセット400は図1乃至図3を参照して上述した態様で構成してもよい。カセット400は、本明細書に記載の診断シミュレーションを行うために、診断素子及びプロセッサ等のさらなる部品を有してもよい。処理ユニット402はカセット400に配置された各種センサからの測定データ収集場所として機能する。処理ユニット402は1つ以上のコンピュータプロセッサ及び記憶部品を含んでいる。記憶部品は、コンピュータメモリ又は他の記憶媒体であってもよく、これらはハードドライブ及び/又はフラッシュメモリ等の永久記憶及び/又は一時記憶のどちらのものでもよい。処理ユニット402は種々の診断素子からデータ/測定値を受信することできる。処理ユニット402はこのデータを記録及び分析することができる。実施形態によっては、診断素子自体が測定された量及びデータを基準点及び設定と比較し、その比較結果を測定された量と共に処理ユニットに送ることできるものもある。処理ユニット402はプログラムすることが可能であり、ソフトウェアルーチンを実行することができる。実施形態によっては、処理ユニット402は解析機能を持たず、生データを受信するだけの場合もある。カセット400は内部又は外部のいずれの電源を有してもよい。例えば、カセット400は、バッテリ又はカセット400に接続された他の電源を有してもよい。
【0032】
処理ユニット402は無線送信器404を有するものとして示されている。無線送信器404により、カセット400は外部装置に通信可能に接続され、収集したデータを送信することができる。無線送信はネットワークに基づいてコンピュータを介して行われる。外部装置(図示せず)はコンピュータ装置であってもよい。別の実施形態においては、無線送信器の代わりにポート又は他の通信ポイントが置かれ、外部装置と物理的に接続できるようになっている。例えば、ポートを介してケーブルをカセット400に接続し、コンピュータによるネットワークを介してカセットと外部の計算装置とを通信可能に接続するようにしてもよい。そうした実施形態においては、各診断素子から受信した信号を外部のコンピュータに送信してもよく、外部のコンピュータが合成装置の性能を仕様と比較する。他の実施形態においては、フラッシュドライブ又は他の記憶媒体をポートに接続して、これを測定データの収集場所とすることができる。記憶媒体はその後、データの移動及び/又は分析のために、取り外し、計算装置に接続してもよい。
【0033】
実施形態によっては、無線送信器404は、受信機を有するか又は送受信機として構成されて、データ/情報の受信を可能にし得る。ポートとして構成した場合は、ポートは双方向のポートとし、データの送受信ができるようにしてもよい。このような構成により、処理ユニット402に対する指示及び/又はプログラムのアップロードが可能となる。
【0034】
接続部406a乃至406iは、カセット400における、処理ユニット402と、センサ及び他の測定装置を含む種々の診断素子408a乃至408iとの接続を示す。接続部406a乃至406iは、有線又は無線のいずれの接続でもよい。接続部406a乃至406iが部分的に異なるように複数の接続態様を組み合わせて使用してもよい。例えば、無線と有線の接続を混合させたものを使用してもよい。当然のことながら、図4に示す診断素子408a乃至408iは例示的且つ非限定的なものである。更に、符号で示す位置は大まかな位置であって、特定の診断素子408a乃至408i又は接続部406a乃至406iの正確な位置又は構成を表すことを意図したものではない。当業者であれば本発明の範囲を逸脱することなしに様々な診断素子の種類及び構成が可能であることが分かる。
【0035】
診断素子408a乃至408iは、非限定的な例として、機械式センサ、電気式センサ、電気機械式センサ、電子式センサ、変換器、抵抗式センサ、容量式センサ、電磁式センサ、スイッチ、光学式センサ、磁気式センサ及び/又は誘導式センサ等の素子を含んでもよい。これらの素子は、非限定的な例として、動き、距離、温度、圧力及び/又は流れを感知するように構成することができる。診断素子は、製造カセットの実際の運動及び動作をシミュレーションするように構成してもよい。そのため、診断素子は製造カセットの態様での動きに対する抵抗を与えるものであってもよい。診断素子は、測定された量を感知し、記録し、送信するよう構成することができる。場合によっては、診断素子、カセットにおける特定の素子に関連する動き、圧力、及び/又は温度をシミュレーションすることができるシミュレータとしてもよい。シミュレータは、通常の製造カセットと同様に、合成装置からの指令又は信号に応じてシリンジポンプ又はストップコックバルブ等の素子を作動させるよう構成してもよい。診断素子は、記録及び分析のために、カセット素子の反応及び動きを記録することができる。
【0036】
各診断素子は、自己完結型のユニットであってもよい。診断素子はモジュール式の構造を有し、簡単に接続及び交換ができるものとしてもよい。例えば、診断素子は、「プラグアンドプレイ」式の構造を有するものとしてもよい。診断素子は測定された量と基準となる規格又は設定点との比較を行い、その比較結果及び/又は測定された量を出力するよう構成してもよい。実施形態によっては、診断素子がそれぞれ1つ以上の外部装置にデータを出力してもよいものもある。本実施形態においては、処理ユニット402は迂回してもよいものとされる。
【0037】
非限定的な例として、診断素子408aは反応容器146に与えられた温度を検知するための温度センサとしてもよい。診断素子408b、408e及び408fはピストンロッド134、162及び182の移動を測定するリミットスイッチとしてもよい。診断素子408c、408d及び408hはカセット400の特定の流路の圧力を測定する圧力変換器である。例えば、診断素子408dは、ソケットコネクタ121のポート121aの圧力を測定するよう配置されている。同様に、診断素子408hはソケットコネクタ123のポート123aに配置されている。診断素子408cは、合成装置におけるN2等の不活性の駆動ガスの供給源の素子等の外部素子の圧力を測定するよう配置されている。診断素子408gは溶離液バイアル130内のセンサであり、挿入されたカニューレに対して試薬バイアルが押し付けられた又は突き刺された程度を測定するよう構成されている。例えば、バルブ2はバルブから直立する細長で蓋のないバイアルケースを有し、バイアルケースに挿入された試薬バイアルを突き刺すための直立するカニューレを内部に支持する。試薬バイアルにカニューレを突き刺す動きは合成装置装置による駆動によって行われる。診断素子408gはこの試薬バイアルの移動を測定するよう構成されたセンサである。診断素子408gはカニューレがバイアルに対して印加する圧力又は力も感知するものとしてもよい。診断素子408gは溶離液バイアル130内に配置してもよく、また、バイアルに挿入されたカニューレの先端が特定の高さに到達したことを感知するものであってもよい。この目的のために、カセット400における溶離液バイアル130は、製造カセットにおける、センサが内部に配置され、試薬が入った溶離液バイアル130と類似又は同じ隔壁を有する空のバイアルとしてもよい。カセット400は、これと類似するさらなる診断素子であって、カセット400の一部として、他のバイアルに配置された診断素子408g’として図示される診断素子を有してもよい。診断素子408g’は個別に処理ユニット402に接続してもよい(図示せず)。診断素子408iはストップコックの回転を感知することを目的とする素子からなる。当然のことながら、カセット400に1つの診断素子408iに符号が示されているものの、図4に示すようにカセット400においてストップコックのそれぞれについて個別の診断素子があることが望ましい。上述の通り、カセットは25の3方向/3位置ストップコックバルブ1乃至25を有する。ストップコックバルブ1乃至25は図2により明確に示され、上記において説明されている。診断素子408iはそれぞれ同じものとしてもよい。診断素子408iはストップコックが特定の位置まで回動されたときに感知するリミットスイッチとしてもよい。更に、各診断素子408iは処理ユニット402への共通接続部406iにつながるものとして図示されているが、実施形態によっては、各診断素子408iは処理ユニット402に対する個別の接続を有してもよい。例示的な実施形態として、図4に示す診断素子408iはストップコック20を監視するものとしてもよい。
【0038】
カセット400はリザーバ410を有してもよい。リザーバ410はカセット400に内蔵されてもよく、又は、カセットの外部に配置され、カセット400の流体管路に流動結合されてもよい。リザーバ410は、カセット400の作動流体を収集する行き止まりタイプのリザーバとしてもよい。従って、合成装置から供給された流体がリザーバより遠くに移動しない場合に、リザーバ410は生成物収集バイアル139の代わりとしてもよい。当然のことながら、実施形態によっては、取り外し可能な収集バイアル139又は同様のバイアルをリザーバ410として使用してもよい場合もある(合成装置によってカセット400に供給された流体がカセットから収集される)。よって、例示的な実施形態によると、カセット400は診断プロセスの一部として使用する作動流体を含むものとしてもよい。作動流体は、実際の試薬と、放射性医薬品の製造に使用される放射性同位体とから構成してもよい。他の実施形態においては、作動流体は実際の試薬と放射性同位体材料とをシミュレーションしたものであってもよい。作動流体は、放射性医薬品の製造中に使用される実際の試薬及び放射性同位体と同じ態様で、カセット400を介して流体の流れをシミュレーションするために使用される不活性流体としてもよい。リザーバ410は作動流体の収集場所として機能してもよい。リザーバ410はカセット400の種々の素子に対する多数の接続部を有してもよく、又は、生成物収集バイアルと同様に、単一の投入用接続部を有してもよい。リザーバ410は取り外し可能で、流体の収集後は空にすることができるものであってもよい。
【0039】
当然のことながら、カセット400に他の診断素子を設けて、さらなるパラメータを測定するようにしてもよい。こうした診断素子はそれぞれ、位置、圧力又は温度等の機械的設定を記録、分析及び送信が可能な信号に変換するための変換機とすることができる。例えば、カセット400はシリンジシミュレータ及びストップコックシミュレータを有してもよい。これらはそれぞれ、シリンジポンプのアクチュエータ及びストップコックのアクチュエータの位置に対応する可変抵抗をもたらす。合成装置はシリンジ又はストップコックを作動させ、ある位置まで移動させてもよい。同様に、圧力シミュレータは印加された圧力を電気信号に変換するよう構成されている。診断素子は、抵抗−インダクタンス−キャパシタンス(又は、RLC)装置/回路としてもよく、且つ/或いは固体の部品を採用してもよい。
【0040】
放射性標識フルテメタモールの合成についてカセット110を説明したが、本発明では本発明のシミュレータが他のいかなる放射性医薬品の合成用のカセットを模倣するように構成してもよいことを想定している。
【0041】
本発明の例示的な実施形態を図示し説明したが、発明の教示から逸脱しない範囲で変更及び改変を行うことができることは当業者に明らかである。上記の説明及び添付の図面に含まれる内容は、限定としてではなく、例示のみを目的として与えられたものである。発明の実際の範囲は、従来技術に基づき正しい視点でとらえた添付の特許請求の範囲において定められる。
図1
図2
図3
図4