特許第6014705号(P6014705)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6014705
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月25日
(54)【発明の名称】プロセス診断を備えた機器
(51)【国際特許分類】
   G05B 23/02 20060101AFI20161011BHJP
【FI】
   G05B23/02 T
【請求項の数】13
【外国語出願】
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-68905(P2015-68905)
(22)【出願日】2015年3月30日
(62)【分割の表示】特願2013-524161(P2013-524161)の分割
【原出願日】2011年8月9日
(65)【公開番号】特開2015-144012(P2015-144012A)
(43)【公開日】2015年8月6日
【審査請求日】2015年4月30日
(31)【優先権主張番号】12/855,128
(32)【優先日】2010年8月12日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】597115727
【氏名又は名称】ローズマウント インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】特許業務法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】ウォレス,トーマス・シー
【審査官】 牧 初
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−33510(JP,A)
【文献】 特表2005−505822(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0311971(US,A1)
【文献】 特表2008−511938(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0253388(US,A1)
【文献】 特表2006−519446(JP,A)
【文献】 特表2003−524250(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 23/00−23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
工業プロセスにおいて使用される診断を備えた機器であって、
前記工業プロセスに連結するように構成されたフィールド装置と、前記フィールド装置に連結するように構成されたワイヤレスアダプタと、を含み、
前記フィールド装置が、前記工業プロセスのプロセス流体のプロセス変数を検知または制御するように構成されたプロセスインターフェース要素と、
前記プロセスインターフェース要素に連結され、ローカルプロセス信号を提供するように構成された電気回路と、を含み、
前記ワイヤレスアダプタが、フィールド装置からの遠隔プロセス信号を無線で受信するように構成されたワイヤレス通信電気回路と、
前記遠隔プロセス信号および前記ローカルプロセス信号の間の関係を定める診断ルールに基づき、無線で受信した前記遠隔プロセス信号および前記ローカルプロセス信号の関数として、前記工業プロセスの動作を診断するように構成された診断電気回路と、
を含む、機器。
【請求項2】
前記プロセスインターフェース要素がプロセス変数センサを含み、前記ローカルプロセス信号が検知されたプロセス変数を含む、請求項1記載の機器。
【請求項3】
前記プロセスインターフェース要素が制御要素を含み、前記ローカルプロセス信号が設定点に関連付けられる、請求項1記載の機器。
【請求項4】
前記ワイヤレス通信電気回路がメッシュネットワークに従って動作する、請求項1記載の機器。
【請求項5】
前記診断電気回路が前記診断ルールを具現化する、請求項1記載の機器。
【請求項6】
前記診断電気回路がセントラルロケーションに通信される診断に基づいて出力を提供する、請求項1記載の機器。
【請求項7】
前記通信がワイヤレス通信リンクを通じて行われる、請求項6記載の機器。
【請求項8】
前記通信が2線式プロセス制御ループを通じて行われる、請求項6記載の機器。
【請求項9】
前記ワイヤレスアダプタが前記フィールド装置の電気回路と通信するように構成された電気回路を包含する、請求項1記載の機器。
【請求項10】
前記フィールド装置の電気回路との通信がデジタル通信プロトコルに従う、請求項9記載の機器。
【請求項11】
前記2線式プロセス制御ループに接続する前記フィールド装置の端子と連結するように前記ワイヤレスアダプタが構成された、請求項記載の機器。
【請求項12】
漏れているバルブを特定するように前記診断電気回路が構成された、請求項1記載の機器。
【請求項13】
漏れているタンクを特定するように前記診断電気回路が構成された、請求項1記載の機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
本発明は、フィールド装置を使用して工業プロセスを監視または制御する、工業プロセス制御または監視システムに関する。より具体的には、本発明は、ワイヤレスプロセス制御または監視システムに関する。
【0002】
プロセス制御または監視システムは、工業プロセスに使用され、プロセスの動作を監視または制御する。工業プロセスの例としては、精油所、製造プラントなどのプロセスを包含する。プロセス変数トランスミッタは、フィールドロケーションに配設され、これを使用して、プロセス変数、例えば、圧力、流量、温度などを測定し、もう一つのロケーション、例えば、セントラル制御室に送信する。制御フィールド装置は、フィールドに設置され、制御室からのコマンドを受信して、例として、プロセスの動作を制御することができる。例として、制御要素は、バルブの位置を変更し、加熱要素の温度を調節するように構成されることができ、それにより、プロセス変数を制御する。
【0003】
そのようなシステムは、通常、有線接続を使用して動作してきた。配線技術の一つに、同一の二つのワイヤを使用して、フィールド装置と通信し、それに加えてフィールド装置に電力を提供する、2線式プロセス制御ループがある。しかし、より最近では、ワイヤレス通信技術を使用して、プロセス制御または監視システムにおける情報を通信するようになった。これらの技術は、例として、ワイヤレス「メッシュネットワーク」通信技術または直接通信リンクを包含することができる。
【0004】
多くの場合、工業プロセスの動作を診断することが望ましい。そのような診断は、例として、故障したまたは故障しつつあるプロセスの構成要素の特定を包含する。これは、おそらく構成要素が最終的に故障する前に、修理することを可能にし、それにより、信頼性を改善し、ダウンタイムを縮小する。
【0005】
概要
工業プロセスにおける使用のための診断を備えたフィールド装置は、工業プロセス用プロセス流体のプロセス変数を検知または制御するように構成される、プロセス変数センサまたは制御要素を包含する。電気回路は、プロセス変数センサまたはコントローラ要素に連結され、工業プロセスのプロセス変数を測定または制御するように構成される。ワイヤレス通信アダプタは、工業プロセスにおいて通信するように構成されたワイヤレス通信電気回路を包含する。ワイヤレス通信電気回路は、さらに、一つ以上の他のフィールド装置からの一つ以上のプロセス信号を受信するように構成される。診断電気回路は、検知したプロセス変数および受信したプロセス信号の関数として、工業プロセスの動作を診断するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本発明に従うワイヤレスアダプタを有するフィールド装置を包含する工業プロセス制御システムの簡略化されたブロック図である。
図2図1のフィールド装置の簡略化されたブロック図である。
図3図1および図2のフィールド装置に連結されたタイプのワイヤレスアダプタの簡略化されたブロック図である。
図4】本発明に従う工程を示す簡略化されたブロック図である。
図5】プロセス変数トランスミッタおよびバルブコントローラに具現化された本発明を示す図である。
図6】タンクからの漏れ検出に使用する本発明を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
詳細な説明
工業プロセスの適切な動作は、プラント処理能力、アップタイム、品質、エネルギーコスト、環境影響、運用および保守コスト、ならびに他の理由を包含する複数の理由で、重要である。したがって、工業プロセスの動作を適切に診断することが重要である。工業プロセスにおいては、典型的な機器構成は、工業プロセスと情報をやりとりするために使用される単一のプロセスインターフェース要素、例えば、プロセス変数センサまたは制御要素を提供する、フィールド装置を包含する。フィールド装置は、もう一つのロケーション、例えば、セントラルロケーションへ/から情報を送信/受信する。単一以上の装置から情報を受信することが望ましい事例もある。しかし、フィールド装置は、通常、ピアツーピアのリアルタイム通信のための機構を提供しない。さらに、多数の機器構成において具現化されることができる多くの異なるタイプのフィールド装置がある。これは、他のフィールド装置から受信した情報を利用できる、装置レベルにおける応用を具現化することを困難にする。
【0008】
本発明は、フィールド装置と連結し、ワイヤレス通信能力をフィールド装置に提供することができる、ワイヤレスアダプタを提供する。ワイヤレスアダプタは、ワイヤレスネットワークを通じて、取り付けられた装置からの情報に加えて他のフィールド装置からの情報も受信するように構成された、処理電気回路を包含する。処理電気回路は、診断情報の提供に使用される情報に装置、自動化、ネットワーク由来のまたはユーザが定義可能なルールを適用し、性能情報または他のタイプの情報を判定する能力を有する。アダプタは、ワイヤレスネットワークを通じてそのような情報を伝送するまたはフィールド装置に提供する能力を有する。アダプタは、警告またはイベントの判定、結果の計算、措置の自動化プラットフォームまたはプラント人員への伝達、情報のビジネス応用への構成、プロセスが所望の状態、効率、コストまたは残りの寿命から逸したことの指摘を包含するルールを具現化し、安全もしくは環境影響情報または他のタイプの情報を提供するように構成されることができる。
【0009】
本発明のワイヤレスアダプタ(ワイヤレス通信モジュール)は、プロセス変数、制御信号または診断信号を包含する種々のタイプのデータを受信する能力を有する。プロセス変数は、通常、プロセス内で制御される一次変数である。本明細書で使用されるプロセス変数は、プロセスの状態、例えば、例として、圧力、流量、温度、製品レベル、pH、濁度、振動、位置、モータ電流、プロセスの任意の他の特性などを説明する任意の変数を包含する。制御信号は、プロセスを制御するために使用される、(プロセス変数以外の)任意の信号を包含する。例として、制御信号は、所望のプロセス変数値(すなわち、設定点)、例えば、所望の温度、圧力、流量、製品レベル、pHまたは濁度などを包含し、コントローラによって調節されるか、またはこれを使用してプロセスを制御する。また、制御信号は、較正値、警告、警告状態、制御要素に提供される信号、例えば、バルブアクチュエータに提供されるバルブ位置信号、加熱要素に提供されるエネルギーレベル、ソレノイドオン/オフ信号など、またはプロセスの制御に関する任意の他の信号を包含することができる。本明細書で使用される診断信号は、プロセス制御ループにおける装置および要素の動作に関する情報を包含するが、プロセス変数または制御信号は包含しない。例として、診断信号は、バルブ軸の位置、印加されたトルクもしくは力、アクチュエータ圧力、バルブの作動に使用する加圧ガスの圧力、電圧、電流、電力、抵抗、静電容量、インダクタンス、装置温度、静摩擦、摩擦、フルオンおよびフルオフ位置、移動量、周波数、振幅、スペクトルおよびスペクトル構成要素、剛性、電界もしくは磁界強度、持続時間、強さ、運動量、電気モータ逆起電力、モータ電流、ループ関連パラメータ(例えば、制御ループ抵抗、電圧もしくは電流)またはシステムにおいて検出もしくは測定されることができる任意の他のパラメータを包含する。さらにまた、プロセス信号は、プロセスまたはプロセス内の要素に関する任意の信号、例えば、例として、プロセス変数、制御信号または診断信号を包含する。フィールド装置は、プロセス制御ループの一部を形成するか、プロセス制御ループに連結し、プロセスの制御または監視に使用される任意の装置を包含する。
【0010】
図1は、任意のプロセス制御ループ16を通じて制御室14と通信するものとして図示されたフィールド装置12を包含する、工業プロセス制御または監視システム10を示す簡略化された図である。制御室14は、プロセス制御ループ16に連結された電源18および検知レジスタ20を包含するものとして図示されている。フィールド装置は、プロセスインターフェース要素22を包含する。プロセスインターフェース要素は、フィールド装置12がプロセス変数トランスミッタとして動作するように構成される場合、プロセス流体のプロセス変数を検知するプロセス変数センサを含むことができる。同様に、プロセスインターフェース要素22は、フィールド装置12がコントローラとして動作するように構成される場合、制御要素、例えば、バルブ、加熱器、冷却器、振動器、ポンプなどを含むことができる。フィールド装置12は、本発明に従うワイヤレスアダプタ30を包含する。図1に、第二のフィールド装置ワイヤレスアダプタ42を有する第二のフィールド装置40も図示する。ワイヤレスアダプタ30および42は、ワイヤレス通信リンク50を形成するように構成される。図1に示す例では、制御室14は、ワイヤレス通信電気回路52も包含する。この機器構成では、フィールド装置12および40は、ワイヤレス通信リンク50を通じて互いに通信することができ、通信電気回路52を使用して、ワイヤレス通信リンク50を通じて制御室14とも通信できる。通信リンク50は、任意の所望の規格、例として、データがその最終的なロケーションに達するまで情報のロバスト通信を確実にする方式で装置間にデータを転送することができるメッシュネットワーク機器構成を包含する規格に従うことができる。
【0011】
図2は、フィールド装置12の簡略化された図であり、電気回路62を通してマイクロプロセッサ60に連結されたインターフェース要素22を図示する。電気回路62は、例として、インターフェース要素22が制御要素として構成される場合にはデジタル/アナログ変換器を含み、またはインターフェース22がセンサとして構成される場合にはアナログ/デジタル変換器を包含することができる。マイクロプロセッサ60は、プログラミング命令および他の情報を含有することができるメモリ64に連結されるものとして図示されている。I/O(入力/出力)電気回路66は、任意のプロセス制御ループ16に連結されるものとして示されている。ワイヤレスアダプタ30は、任意の適した機器構成に従うフィールド装置12内の電気回路に連結されることができる。図2に示す例では、任意のコネクタは、ワイヤレスアダプタ30と、マイクロプロセッサ60、I/O電気回路66またはプロセス制御ループ16との間に示されている。
【0012】
図3は、種々の電気回路ブロックを示すアダプタ300の簡略化されたブロック図である。スーパーキャパシタ320が図示されており、装置300は、HART(登録商標)有線通信に加えて、例えば、ワイヤレスHART(登録商標)規格(IEC規格62591)によるワイヤレス通信のために構成される。
【0013】
図3に図示されるように、アダプタ300は、メモリおよび通信用モデムも包含する、マイクロコントローラ340を包含する。メモリを使用して、プログラミング命令、機器構成データ、変数などを保存する。HART(登録商標)アナログ電気回路342は、DCブロッキングキャパシタ346を通してプロセス変数トランスミッタ308と連結するように構成される。無線モジュール344が提供され、これにより、アダプタ300は、RF通信技術を使用して通信することが可能になる。DC/DC変換器として構成された、直列接続されたレギュレータ348が提供される。電流分流回路350は、レギュレータ348と並列接続され、オペアンプ354によって制御されるバイパストランジスタ352を包含する。オペアンプ354は、基準電圧(Vref)と、レギュレータ348に適用された電圧との差に基づいて動作する。レギュレータ348は、低損失(LDO)レギュレータ360に2.3ボルト出力を提供する。低損失(LDO)レギュレータ360は、マイクロプロセッサ340、HARTアナログ回路342、リセット回路382およびADC380に、調整された2ボルト電源出力を提供する。
【0014】
バイパストランジスタ352を通った電流を使用して、スーパーキャパシタ320を充電する。スーパーキャパシタ320にわたる電圧は、電圧クランプ370を使用して設定される。例として、電圧クランプは、2.2ボルトに設定することができる。もう一つのDC/DC変換器372は、昇圧変換器として構成され、低損失(LDO)レギュレータ374に調整された3ボルトの電圧出力を提供する。低損失(LDO)レギュレータ374の出力は、2.8ボルトに設定され、これを使用して無線モジュール344に調整された電力を提供する。
【0015】
マイクロプロセッサ340は、スーパーキャパシタ320の電圧を監視するために使用される、アナログ/デジタル変換器380に接続される。マイクロプロセッサ340は、リセット回路382にも接続される。マイクロプロセッサ340は、レベルシフト回路384を通して無線モジュール344にデータを提供する。
【0016】
ループ302の電圧降下量を最小限にしながら、電気回路が最大限のワイヤレス通信活動量をサポートできることが好ましい。それ故、アダプタ300は、好ましくは、極めて効率的な方式でループ302からの電力を使用するように構成される。ある特有の機器構成では、これは、低電力マイクロコントローラ340、例として、Texas Instruments MSP430F1481および低電力アナログ回路構成要素を使用することにより達成されることができる。これらの構成要素は、低供給電圧によって電力を与えられることができ、全回路電力消費を最小限にすることもできる。さらに、マイクロコントローラ340は、特定の機能、例として、通信機能を必要としないときには、所望の場合、「スリープ」モードに入るように構成されることができる。図3に示す機器構成では、別個のモデムは利用されない。代わりに、マイクロコントローラ340を使用して、モデム機能を提供する。
【0017】
無線モジュール344に大量の電力を提供することも好ましい。これにより、より頻繁な通信および信頼性の増大が可能になる。追加の電力を使用して、トランスミッタ308からの情報を表示でき、アダプタ300を、例として、メッシュネットワークにおける他のプロセストランスミッタのためのルータとして使用することが可能になり、より高い送信電力を使用することが可能になる。これにより、もう一つのワイヤレス装置からアダプタ300を通してホストまでのパスは、装置からホストまでの直接のパスよりも信頼性が高くなるため、結果として、メッシュネットワークの信頼性がより高くなることができる。
【0018】
図3の実施態様では、無線モジュール344は、スーパーキャパシタ320によって電力を与えられる。それ故、無線モジュール344に提供される電力を増大させるために、スーパーキャパシタ320によって保存される電力を増大させることが好ましい。図3の機器構成では、これは、オペアンプ354および分流トランジスタ352と連接するループ302と連結する端子にわたる電圧の降下を調整するレギュレータ348のための分流要素としてスーパーキャパシタ320を配置することにより達成される。図3では、プロセス制御ループ302を連結するループ端子にわたる電圧は、1ボルトに調整される。これは、オペアンプ354および分流トランジスタ352を使用して、スーパーキャパシタに向かう電流を調節することにより達成される。この機器構成では、レギュレータ348は、ループ302と直列で動作し、オペアンプ354によって形成されたフィードバックループ内にある。より非効率的な機器構成では、別個の1ボルト分流レギュレータおよびスーパーキャパシタ充電回路を具現化することができる。しかし、これには、動作させるために追加の構成要素および追加の電力を要する。対照的に、図3に明記する機器構成では、アダプタ300の電気回路によって使用されない任意のループ電流は、効率を増大させるために分流キャパシタ320に導かれる。これは、結果として、無線モジュール344に利用可能な電力量が最大限となる。電圧クランプ370は、キャパシタ320が充電される際の電圧を判定する。スーパーキャパシタ320の電圧が電圧クランプ370によって設定された電圧に達すると、過電流は、キャパシタ320ではなく、クランプ370を通って流れる。
【0019】
DC/DC変換器348は、1ボルトの入力電圧で動作する、低電力「昇圧」スイッチングレギュレータとして構成される。レギュレータ348は、1ボルトの入力電圧を十分に高い電圧に増大して、残りの電気回路に電力を与える。図3の例では、これは2.3ボルトである。変換器は、スイッチドキャパシタタイプの変換器、インダクタに基づくブースト変換器、変圧器に基づく変換器または他の適した機器構成であることができる。LDOレギュレータ360は、レギュレータ348からの2.3ボルト出力を2.0ボルトに調整し、レギュレータ348からのいかなるスイッチングノイズも除去する。LDOレギュレータ360からの出力を使用して、マイクロプロセッサ340、HART(登録商標)アナログ回路342、メモリ、リセット電気回路382およびアナログ/デジタル変換器380に電力を与える。
【0020】
HART(登録商標)アナログ回路ブロック342は、例として、キャリア検出回路、受信回路および送信回路を含むことができる。好ましくは、これらの回路は、許容できる通信の整合性を維持しながら、低い所要電力を有するように構成される。マイクロプロセッサ340内のメモリを使用して、プログラミングコードおよび一時的な変数を保存することができる。マイクロプロセッサ340の内部にあるタイマを使用して、「ソフトウェア」モデム機能を提供することができる。マイクロプロセッサ340のメモリは、内部フラッシュメモリ、RAMに加えてEEPROMまたは他の不揮発性メモリを包含することができる。マイクロコントローラ340は、マイクロコントローラ340に容量電圧を表すデジタル出力を提供するアナログ/デジタル変換器380を使用して、スーパーキャパシタ320にアクセスする電圧を監視するように構成されることができる。所望の場合、マイクロコントローラ340を使用して、無線送信をサポートするために十分な電圧をキャパシタが有しているか否かを判定することができる。リセット回路382を使用して、電圧が不十分な場合にはマイクロコントローラ340が動作しないことを確実にすることができる。例として、リセット回路382は、LDOレギュレータ360からの供給電圧が十分な電圧レベルに達した場合にマイクロコントローラ340をリセットするか、または電源を入れるように構成されることができる。電気回路を使用して、電力「グリッチ」が発生した場合にマイクロコントローラ340をリセットすることもできる。
【0021】
無線モジュール344は、LDOレギュレータ374によって提供された2.8ボルトの安定した電圧で動作する。先に論じたように、スーパーキャパシタ320が2.2ボルトで充電される場合、DC/DC変換器レギュレータ372は、電圧を3ボルトに昇圧する。使用中、スーパーキャパシタの電圧は減少するため、昇圧変換器が必要となる。LDOレギュレータ374を使用して、無線モジュール344に安定した2.8ボルトを提供する。好ましくは、レギュレータ372は、およそ1ボルトの最小電圧から、およそ2.2ボルトの最大電圧までで動作するように構成される。一部の機器構成では、マイクロコントローラ340は、スーパーキャパシタ320の電圧が1ボルト未満である場合に無線モジュール344の電気回路の電源を切るように構成される。
【0022】
マイクロコントローラ340は、無線モジュール344とマイクロコントローラ340との間のデジタル通信回線を通じて通信することにより、無線モジュール344を使用してワイヤレスで情報を送信するように構成されることができる。無線が2.8電源によって動作する一方、マイクロコントローラが2ボルト電源によって動作するため、二つの構成要素間のデジタル通信回線は、レベルシフト電気回路384を使用してレベルシフトされる必要がある。例として、これは、極めて低電力レベルのトランスレータ回路、例えば、Texas Instruments SN74LVC2T45DCUを使用して実行されることができる。
【0023】
一つの機器構成では、マイクロコントローラ340は、ループ302を連結するループ端子にわたる電圧の降下を調節するように構成されることができる。例として、マイクロコントローラ340からの任意の制御回線341は、分流電気回路350のオペアンプ354の反転入力部に連結されることができる。そのような機器構成では、適した状態下でループ電圧の降下を増大させることによって、追加の電力を無線のために利用可能にすることができる。同様に、アダプタ300の電気回路のプロセス制御ループへの影響を縮小する必要がある場合、電圧降下を減少させることができる。しかし、これにより、無線モジュールおよびアダプタ300の他の電気回路に提供される電力が少なくなり、性能を低下させる可能性がある。
【0024】
図4は、本発明の一つの実施態様例に従う工程を示す、簡略化されたフローチャート400である。フローチャート400は、開始ブロック402で始まり、任意のブロック404への通過を制御する。ブロック404において、ワイヤレスアダプタは、ワイヤレスアダプタが連結されたフィールド装置からのローカルプロセス信号を受信するように構成される。ブロック406において、ワイヤレスアダプタ30は、通信リンク50を通して遠隔装置からのプロセス信号を受信する。ブロック408において、診断工程は、遠隔プロセス信号および任意のローカル信号に基づいて実行される。診断は、任意の数のローカルおよび/または遠隔プロセス信号に基づくことができる。ブロック408において、診断情報を判定し、制御はブロック410へ進む。ブロック410において、ワイヤレスアダプタ30は、診断出力を提供する。この診断出力は、フィールド装置12にローカルに提供されることも、例として、ワイヤレス通信リンク50または2線式プロセス制御ループ16を通して遠隔ロケーションに送られることもできる。プロセスは、終了ブロック412で完了して終わる。図4に示す工程は、検出した事象の発生、例えば、プロセス内で検出された事象の発生に基づいて自動的に作動させる、周期的に作動させる、またはワイヤレスアダプタ30が診断の実行を始めるコマンドを受信した場合に遠隔で起動させることもできる。図に示す工程は、フィールドアダプタ30のマイクロプロセッサ4において具現化されることができる。これらの工程は、メモリ64に保存されたプログラミング命令に従うことができる。この機器構成は、多様な装置からのデータを使用して、フィールド装置内の診断を実行する能力を提供する。これにより、単一の装置が診断目的のために多様な他の装置からのプロセス信号にアクセスすることが可能になる。
【0025】
一つの応用例は、完全に閉じたバルブ周辺において漏れているプロセス流体の検出である。そのような例の機器構成では、流量センサは、制御バルブの上流に位置付けられる。バルブが完全に閉じている場合、流体の流れは流量センサを通過して流れることはない。バルブが完全に閉じており、弁座に対して十分な圧力がある場合、流れは完全に阻止される。しかし、バルブおよび弁座は経時的に損耗する。この損耗により、結果として、弁座に対するバルブの着座が不完全になり、結果として、「完全に閉じた」位置にある場合でも流体がバルブを通過して流れてしまう。
【0026】
図5は、プロセス配管444に連結されたバルブコントローラ440および流量計442を示す図である。この機器構成では、コントローラ440およびトランスミッタ442は、各々、ワイヤレスアダプタ30を包含している。どちらのワイヤレスアダプタ30も、他の装置のワイヤレスアダプタからのワイヤレス信号(流速またはバルブ位置)を受信することができる。この機器構成では、図4に示すブロック408において具現化された診断ルールは、以下の通りであることができる。
【0027】
バルブが閉じており、座圧力がXとYとの間であり、流量が0よりも大きい場合、バルブに漏れがあるか、または流量センサに誤りがある。
【0028】
バルブが完全に閉じている状態が短期間である場合、流れは、流量計を通過し続けることがある。ルールは、この遅れを考慮して具現化されることができる。ルールは、装置間の通信ラグに基づいて調節することもできる。この通信ラグは、ワイヤレス通信リンク50を通じた通信を監視することによる判定、タイムスタンプに基づく判定、オペレータなどよるプログラム化ができる。
【0029】
図6は、本発明のもう一つの具現化例である。図6では、プロセス流量トランスミッタ452および454が提供され、隣接したバルブコントローラ456および458にそれぞれ連結される。液位計460は、タンク462に連結される。流量トランスミッタ452およびバルブコントローラ456はタンク462への入口に連結され、流量トランスミッタ454およびバルブコントローラ458はタンク462からの出口に連結される。ワイヤレスアダプタ30がトランスミッタ452および454、ならびに液位計460に連結される場合、ルールは、タンク462内の潜在的な漏れを特定するように具現化されることができる。そのようなルールは以下の通りであることができる。
【0030】
タンクへの流入が0に等しく、タンクからの流出が0に等しく、かつタンク液位が減少している場合、タンクに漏れがある可能性がある。
【0031】
バルブコントローラ456および458がワイヤレスアダプタ30を包含している場合、追加の診断を実行することができる。例として、漏れているバルブを特定することができる。
【0032】
診断の実行に加えて、本発明のアダプタ30を使用して効率を改善することができる。例として、バルブは、約70%開いて動作する際、正確な流れ制御と低エネルギー損失との組み合わせを提供する。例として、図5に示すように、ワイヤレスアダプタをバルブコントローラおよび関係する流量トランスミッタ上に据え付ける場合、流速と対比したバルブ位置を監視できる。効率的動作のために好ましい範囲から外れて動作するバルブを特定することができる。例えば、関係するポンプのサイズを縮小してエネルギー消費を縮小させる補正措置を取ることができる。また、エネルギーコスト情報をワイヤレスアダプタ30に提供する場合、過剰なエネルギー消費のリアルタイムのエネルギーコストを計算して伝送することができる。フィールド装置がワイヤレスアダプタを装備したポンプモータを含む場合、モータ速度および電力消費をリアルタイムで監視および管理して、エネルギー節約の増大および関係する制御バルブ性能の改善を提供することができる。
【0033】
本発明は、大規模な工業プロセスにおいて具現化されることができる。例として、多くの異なるタイプのフィールド装置および機器構成は、工業プロセスにおいて具現化され、異なるプロトコルを使用して通信するように構成することができる。本発明のワイヤレスアダプタ30を任意のこれらのフィールド装置に連結することによって、診断の具現化または他の目的に使用するための異なるタイプのフィールド装置間のプロセス信号の通信を提供することができる。さらに、ワイヤレスアダプタ30を使用して、既存のフィールド装置を改良することができる。
【0034】
好ましい実施態様を参照しながら本発明を説明したが、本発明の本質および範囲を逸することなく、形態および詳細に変更を加えることができることを当業者は理解するであろう。診断出力は、ワイヤレス通信リンクを通じて提供する、または2線式プロセス制御ループを通じて送信することができる。ワイヤレスアダプタは、アナログまたはデジタルプロトコルを使用してフィールド装置と通信することができる。診断は、ローカルプロセス信号およびもう一つのフィールド装置から受信したプロセス信号に基づくことができる。本発明は、本明細書に具体的に図示または論じたもの以外の、他のフィールド装置および機器構成とともに使用することができる。さらに、統計パラメータ、ファジー論理、重み関数などに基づくものを包含する、より複雑な診断ルールを具現化することができる。診断は、時間または周波数領域における解析を包含する、さらなるプロセス信号の解析に基づくことができる。ローカルプロセス信号は、ローカルロケーション、例えば、フィールド装置で発信されたプロセス信号である。遠隔プロセス信号は、もう一つのロケーション、例えば、もう一つのフィールド装置から受信したプロセス信号である。診断ルールは、論理、データソース、データユーザまたはフィールド装置に送られ、編集、削除もしくは一つ以上のフィールド装置から他のフィールド装置に任意の組み合わせの有線またはワイヤレス通信技術を使用してコピーできる他のタイプの診断ルールを非限定的に含む。これにより、必要に応じて、診断の作成、削除、修正または再使用が可能になる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6