(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記嵌込み溝における該溝の奥側に位置する内壁面及び前記基部の外壁面の少なくとも一方に形成され、前記基部を前記嵌込み溝に嵌め込み装着する際に閉じ込まれる空気の圧力を低減するための空間を形成する凹部を備えた請求項1、請求項2または請求項3に記載のシール装置。
前記嵌込み溝における内周側に位置する内壁面及び該内壁面に向き合う前記基部の外面の少なくとも一方または前記基部の肉厚内に前記空間に通じる圧抜き通路を形成し、前記空間に残る高圧な流体または侵入流体を前記圧抜き通路を通じて外へ逃がすようにした請求項4または請求項5に記載のシール装置。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1〜
図13は、本発明の第1の実施形態を示している。
図1は大容量泡放水システムにおけるホース等の管類を接続する継手として使用する一対の結合金具の側面図であり、
図2(a)はその結合金具における結合部の正面図であり、
図3はその一対の結合金具を結合した状態の結合部を示す説明図である。
【0013】
図1に示すように、一対の結合金具1はそれぞれが軸方向において前後反転した同一の構造のものとして構成される。また、結合金具1の結合部10は雌雄の区別のない同一の構造のものとして構成される。
【0014】
各結合金具1はそれぞれが略円筒状の管状部材からなる結合金具本体11を備える。結合金具本体11は例えばアルミニウム合金やチタン合金等の金属材料で鍛造や引抜または押出成形法等の加工法によって概略な全体形状に作り出した後、その形状物を切削等の加工法によって最終的な形に仕上げて完成される。
【0015】
また、管状の結合金具本体11の内部空間は該結合金具本体11の中心軸Oに沿う移送流体の通路12となる。結合金具本体11はその軸方向の一端側端部(結合部10を前方としたときの後方側に位置する端部)の外周に凹凸を形成し、この凹凸を形成した部分を、ホース類を取り付けるための装着部13としている。この装着部13にホース類14を取り付ける場合は、まず、装着部13にホース類14の端部を被嵌し、この後にホース類14の端部をバインディング15で締め付けて固定する。なお、
図1に示す符号21は金具接続用ハンドルである。
【0016】
また、結合金具本体11の他端側端部つまり結合する相手の結合部10に向き合う前方に位置する端部の外周面には略円筒状の結合部本体25が被嵌する状態で取付け固定される。この結合部本体25の材料も前記結合金具本体11の材質と同様の例えばアルミニウム合金等の金属材料が用いられる。また、その製造及び加工法も同様である。結合部本体25は後述する結合部10の部分を含め一体に作られる。例えばアルミニウム合金やチタン合金等の金属材料で鍛造や引抜または押出等によって概略な全体形状を作り出し、この概略な形状の物を切削加工等によって仕上げ加工することで作られる。
【0017】
また、結合部本体25の後方側(相手の結合金具が位置する側とは逆向き側)に位置するところの後端部は結合金具本体11に取り付けるための取付け部16となる。この取付け部16の内周には雌ねじ部26が形成されている。この雌ねじ部26に対応して結合金具本体11の中途部外周には雄ねじ部27が形成されている。この雄ねじ部27に結合部本体25の雌ねじ部26を螺合することで結合部本体25は結合金具本体11に対して固定的に取り付けられる。更に、
図2(b)に示す、ねじピン28を用いて結合部本体25は結合金具本体11に固定される。
【0018】
ここで、雌ねじ部26は結合部本体25の他の内面よりも僅かに内方へ突き出して形成した突縁部18の内面に形成される。このため、突縁部18に対応位置する結合金具本体11における外周部分はその突縁部18が内方へ突き出した分、小径に形成される。この小径の部分によって結合金具本体11の外周部分には段部19が形成される。前記雄ねじ部27はその段部19の底面に形成される。したがって、
図1に示すように結合金具本体11の雄ねじ部27に結合部本体25の雌ねじ部26を螺合した取付け位置で結合部本体25の突縁部18が結合金具本体11における段部19の立上がり壁に突き当たることで結合金具本体11に対する結合部本体25の軸方向の位置決めと同時に前方への移動が阻止される。もっとも、結合金具本体11に対する結合部本体25の軸方向への前方の位置が規定できれば、結合部本体25は結合金具本体11の軸周りに回転が可能な取付け方式としたものでもよい。
【0019】
本発明に係る説明において、結合金具本体等の用語において「金具」という語句を含めた名称を用いているが、この場合の「金具」という語句は金属材料に特定することを意味しない。本発明に係る説明での「金具」の語句は所定の機能を持つ意味に使用しており、金属以外の材料であっても強度等の特性において使用が可能であれば、金属以外の材料、例えば繊維補強樹脂等の複合材等も含む。
【0020】
前記結合部本体25の結合部10は雌雄の区別のない同一構造になって互いに相補形の構造になっている。また、本実施形態では結合部10はそれぞれの結合部本体25と一体に形成されているが、本発明では両者を別部材でそれぞれ構成して両者を連結する構成でもよい。
【0021】
結合部10を形成する結合部本体25の前端部にはその周方向へ等間隔で複数例えば12個の嵌合突部31を突設し、これら嵌合突部31の間を嵌合凹部32としている。したがって、嵌合突部31と嵌合凹部32の組が30°の間隔で配置され、全周にわたり12組が配置される。そして、一対の結合金具1を互いに軸方向において衝合させた場合、一方の結合部本体25の嵌合突部31が結合相手の結合部本体25における嵌合凹部32に嵌合し、また、一方の結合部本体25における嵌合凹部32が結合相手の結合部本体25の嵌合突部31に嵌合する。このことで、結合部10は互いに相補的に係合して結合するようになっている。また、嵌合凹部32の周方向の幅は同じ位置での嵌合突部31の幅よりもやや広く形成されている。したがって、これら嵌合突部31は相手の嵌合凹部32内において
図3に示すように所定の量(G2)だけ周方向への回動が可能である。
【0022】
図3に示されるように、嵌合突部31の周方向の一方側に位置する側面31aは結合部本体25の軸方向に略平行な面として形成される。また、嵌合突部31の周方向の他方側に位置する側面31bは結合部本体25の軸方向に対して嵌合突部31の先が狭くなるように傾斜する。したがって、嵌合突部31はその先端側ほど周方向の幅が狭くなる勾配を片側面に形成される。嵌合凹部32はこれに嵌合する嵌合突部31の形状に合わせてその奥部に行くに従って周方向の幅が狭くなる。
【0023】
図3に示すように、嵌合突部31と結合相手の嵌合凹部32が嵌り合う結合状態において、前記嵌合突部31の先端面と嵌合凹部32の奥壁面との間には間隙G1が形成される。間隙G1を形成したので後述する係止鉤部33をオーバーハング状に傾斜させてもそれらの係止鉤部33同士の係脱操作が可能となっている。
【0024】
前述したように、嵌合突部31の背面と嵌合凹部32の背面との間に間隙G2を形成した。この間隙G2は係止鉤部33が互いに噛み合う状態と、その係止鉤部33同士の係合が外せる後退位置との距離を確保する。また、嵌合突部31と嵌合凹部32とは係止鉤部33が互いに係合する位置以上に軸方向へ進入させることと軸まわりの回転させる操作が可能である。したがって、係止鉤部33相互の係合及び離脱の各操作が余裕を持って楽に操作することが可能である。
【0025】
図3に示すように、各嵌合突部31の一方(結合部本体25の軸方向と略平行に形成されている方)の側面31aには段形鉤状の係止鉤部33が形成される。これら係止鉤部33は嵌合突部31が相手側の嵌合凹部32内に奥まで嵌合させて結合部本体25を互いに周方向へ回動させたときに係脱可能となっている。つまり、
図3に示すように係止鉤部33同士は互いに周方向において噛み合って係止し合い、軸方向において互いに引き離される向きに外れないように結合する。
【0026】
係止鉤部33の係止面33aは結合部本体25の周方向に所定の角度だけオーバーハング状に傾斜している。したがって一対の係止鉤部33同士が互いに係合した状態での噛み合いの係合力が高まる。また、送水使用時、一対の結合金具1における各結合金具本体11に移送水(流体)の流体圧等により互いに引き離される向きの軸方向の荷重が加わると、この軸方向の引張り荷重は結合金具本体11から結合部本体25に伝わり、さらに互いに係止し合う係止鉤部33に伝わるが、係止面33aが所定の角度だけオーバーハング状に傾斜しているので、係止面33aは互いに深く係止し合う向きの周方向の回転力を発生させる。この回転力によって各係止鉤部33相互はより一層強く係合するとともに一旦、結合した一対の結合部本体25の抜けや外れ等の現象を阻止する。
【0027】
図3に示すように、各係止鉤部33の根元部には応力集中を防止するための丸みのある切欠き孔(湾曲部)35が形成されている。嵌合突部31の先端角部も円弧状に形成され、この円弧状の部分は嵌合凹部32と嵌合する際のガイド部37となる。嵌合凹部32の根元部分にも円弧状の丸み38を形成している。ガイド部37及び丸み38は各係止鉤部33における応力集中を防ぎ、かつ係止鉤部33を含む嵌合突部31や嵌合凹部32を備える結合部10自体の強度を高める。
【0028】
図3に示すように、嵌合突部31の傾斜した側面31bの部位にはそれぞれ後述する付勢機構40が設けられている。これらの付勢機構40は円筒形のケース部材41内に突没自在に収容された付勢部材たとえば鋼球42と、この鋼球42に対して突き出す向きの付勢力を与えるためのスプリング43を備えた、いわゆるボールプランジャーを構成している。鋼球42の一部は側面31bから突き出すように配置される。したがって、
図4(a)に示すように嵌合突部31が相手側の嵌合凹部32内に嵌め込む際に鋼球42同時が当接して押し合い、その反発力で嵌合突部31同士を互いに離反する向きに回転するように付勢するように機能する。この結果、嵌合突部31の一方の側面31a同士を互いに近接さる向きに各嵌合突部31をそれぞれ付勢する。そして、この回転付勢力で各係止鉤部33は
図4(b)に示すように自ら係合する状態を維持する。つまり、付勢機構40は嵌合突部31をそれぞれ反発する向きに付勢し、結合金具1同士を結合させる際に係止鉤部33を係合する状態まで誘導する作用を発揮するとともに、付勢機構40による付勢力により係止鉤部33同士の係合状態を維持する。
【0029】
一方、
図1に示すように、結合金具本体11の前端部にはシールリング部51が設けられている。シールリング部51は、結合金具本体11の部材を一体に利用して形成される。シールリング部51の部分には後述するシール部材(パッキン部材)61を嵌込み装着するための嵌込み溝52が形成されている。この嵌込み溝52は
図6に示すように結合金具本体11の軸方向の前方へ向いて開口している。また、この嵌込み溝52は結合金具本体11の中心軸に対して同心状に配置して環状に形成されている。
【0030】
嵌込み溝52は、内周側に位置する内壁面52aと外周側に位置する内壁面52bと奥壁面52cを有し、前方は開口した開口部57となっている。内周側内壁面52aは結合金具本体11の中心軸に対して均等な距離を備えた周面であり、外周側内壁面52bも同様に結合金具本体11の中心軸に対し均等な距離を備えた周面である。もちろん、結合金具本体11の中心軸から内周側内壁面52aまでの距離は結合金具本体11の中心軸から外周側内壁面52bまでの距離よりも短い。この内周側内壁面52aと外周側内壁面52bの径差間により結合金具本体11の中心軸に平行で同心な配置に形状された環状の嵌込み溝52を形成する。また、嵌込み溝52の奥壁面52cは結合金具本体11の中心軸に対し直角で環状の壁面となる。
【0031】
図6に示すように、嵌込み溝52の開口の外周側に位置する縁部には内方に向かって突き出し形成された外周押え部55が形成されている。この外周押え部55はシール部材61における首部61cの外周側部分を押えることで、特に流体圧力を受けて外周側へ押し付けられているときにそのシール部材61の基部61aが抜け出ないように機能する第1のストッパとなっている。また、嵌込み溝52における開口の内周側に位置する縁部には外方に向かって突き出し形成された内周押え部56が形成されている。この内周押え部56はシール部材61における首部61cの根本付近を嵌込み溝52の外周側内壁面52bと挟んで押えることで、特に流体圧力が低下した状態でシール部材61を引き出す方向への力が加わったときにそのシール部材61の基部61aが抜け出ないように機能する第2のストッパとなっている。そして、内周押え部56は内周側内壁面52aの開口縁に形成され、外周押え部55は外周側内壁面52bの開口縁に形成され、それら外周押え部55及び内周押え部56はいずれもシール部材61の抜けを阻止する機能を奏するが、後述する如く、それらの機能を発揮する場面や機序は必ずしも同じでない。
【0032】
また、
図6に示すように、嵌込み溝52の開口部57において、外周押え部55を形成する外周側縁部は、内周押え部56を形成する内周側縁部よりも前方へ突き出しており、外周押え部55は内周押え部56よりも前方へ突き出している。すなわち、内周押え部56は外周押え部55に対して結合金具本体11の軸方向に後退した斜めの位置にある。このため、嵌込み溝52の開口部57に外周押え部55と内周押え部56を形成しても、その嵌込み溝52における開口幅を確保できるようになる。
【0033】
ここでは、嵌込み溝52における内周面と外周面との径方向の距離に比べて外周押え部55と内周押え部56の間の間隔寸法が略同じくなるように設定している。しかし、外周押え部55と内周押え部56との間の距離を嵌込み溝52における内周面と外周面との径方向距離に比べて大きくなるように設定することも可能である。シール部材61を嵌め込むときに接触する外周押え部55と内周押え部56の角をアール(丸み)仕上げしたこともあり、嵌込み溝52の開口幅は内外周の径差で形成する本来の開口幅に比べて等しいか大きい。つまり、外周押え部55と内周押え部56を向き合う向きに突き出して形成するようにしても、外周押え部55と内周押え部56との間を結ぶ直線距離(最短距離)が、嵌込み溝52における内周面と外周面との径方向の距離に比べて狭くならない。なお、ここでは、外周押え部55の奥壁面52c側縁部と、内周押え部56の開口部57側縁部との軸方向の距離は、嵌込み溝52の内周面と外周面との径方向の距離の1/2以上とする。いずれにおいても、外周押え部55と内周押え部56を形成してもシール部材61における基部61aを嵌込み溝52に嵌め込む際の作業性を良好に確保できる。
【0034】
外周押え部55または内周押え部56は嵌込み溝52における開口縁全周にわたり連続した環状に形成したが、部分的に設けてもよい。
【0035】
外周押え部55はその縦断面形状を嵌込み溝52における開口側にその円周面を向けた4分の1(円周角90°)の欠けた略円形のものとした。内周押え部56はその縦断面形状を嵌込み溝52における開口側にその円周面を向けた4分の1(円周角90°)の欠けた円形のものとした。外周押え部55の縦断面形状が円周面の部分と、内周押え部56の縦断面形状が円周面の部分が、いずれも嵌込み溝52における開口に向けられるのでそれらの円周面の部分がシール部材61を嵌め込む際の引っ掛かりを少なくし、シール部材61をスムーズに誘導できるようになっている。
【0036】
ここでの実施形態では、結合金具本体11とシールリング部51の部分を一体に形成するようにしたが、この結合金具本体11とシールリング部51を別々の部材とし、その別部材のシールリング部に嵌込み溝52を形成するようにしてもよい。
【0037】
次に、前述したシール部材61について詳しく説明する。
図7に示すように、シール部材61はゴムなどの弾性材料から形成され、全体が環(輪)状に形成される。
図8に示すように嵌込み溝52に差し込んでその嵌込み溝52に装着する基部61aと、その基部61aから前方へ伸びて内方へ向けて屈曲したリップ状先端部61bと、基部61aとリップ状先端部61bを連結する首部61cとからなる。そして基部61aは嵌込み溝52内に押し込むことでその嵌込み溝52内の略全体が嵌り込むように該基部61aの全外面が嵌込み溝52の内面に略密着する寸法に形成される。ここでの実施形態では嵌込み溝52の寸法よりも僅かに小さく形成してある。嵌込み溝52の寸法に比べて基部61aの大きさをそれ程大きくしないようにしたので嵌込み溝52に基部61aを差し込む装着が容易である。このように基部61aの寸法を緩く規定しても後述するシール用突起71を設けるので嵌込み溝52に対する基部61aの密着水密性は確保できる。もちろん、嵌込み溝52の内面に対して基部61aが比較的強く押し当たるように嵌込み溝52の寸法よりも僅かに大きく形成したものであってもよい。
【0038】
また、
図8(a)に示すように、シール部材61の基部61aにおける内端部(嵌込み溝52内へ先に押し込む側の端部)には、該嵌込み溝52の内壁面との間で空間63を形成するための凹部64が形成されている。ここでは基部61aにおける奥端部の内周側に位置する隅部と外周側に位置する隅部を、それぞれ斜めに切り欠いて面取りすることで斜面65a及び斜面65bを形成し、凹部64a,64bとしている。これらの斜面65a及び斜面65bはこれらに対峙する嵌込み溝52の内壁面との間で2つの空間63a及び空間63bを形成する。また、内側の斜面65aは外側の斜面65bよりもそのカット面積を大きく形成した。したがって、内周側に位置する空間63aは外側に位置する空間63bよりもその空間の容積が大きい。斜面65a及び斜面65bは
図8(a)に示すように直線的なカット面として形成したが、空間63a及び空間63bを形成する上では曲線的なカット面で形成したものでもよい。また、空間63a及び空間63bは後述する如く、シール部材61の基部61aを、前記嵌込み溝52に嵌込み装着する際に押し込まれて圧縮される空気の圧力を低減する。
【0039】
ここでは、面取り斜面65aや斜面65bをシール部材61の全周にわたり連続して形成するようにしたが、全周にわたり連続させずに部分的に形成するようにしたものでもよい。この場合、凹部または空間が部分的に形成されるが、この場合でも、嵌込み溝52にシール部材61の基部61aを嵌込み装着する際に押し込む空気はそれらの空間領域に逃げ、押し込まれる空気の圧力を低減することができる。
【0040】
図8(a)及び
図10に示すように、シール部材61には前述した内周押え部56を嵌め込み位置させるための内側段部66と、前述した外周押え部55を嵌め込み位置させるための外側段部67が形成されている。内側段部66はシール部材61の首部61cよりも基部61a側に位置するように形成されており、外側段部67はシール部材61の首部61cよりもリップ状先端部61b側に位置するように形成されている。また、シール部材61における首部61cの部分は基部61aやリップ状先端部61bよりも薄く形成されている。この首部61cは内側段部66と外側段部67の間に位置するように配置される。首部61cの厚さt(
図8(a)参照)は内側段部66と外側段部67の間の距離よりも小さい。したがって、シール部材61における首部61cの部分の変形は確保され、リップ状先端部61bの基部側及び相手金具側への変形を阻害しない。また、首部61cの部分からリップ状先端部61bにわたる内周面全面に流体圧力が効率的に加わるようになる。
【0041】
図8(a)に示すように、シール部材装着用嵌込み溝52に嵌り込まれる領域のシール部材61の基部61aにおける外周側の外壁面には、嵌込み溝52の内壁面に押し当たるためのシール用突起71が形成されている。このシール用突起71は
図9(a)に示すようにその縦断面形状が、頂点が突き出した三角の形状である。シール用突起71の頂点の角度θは、例えば90°とする。また、シール用突起71の形状は、
図9(b)に示すように半円形の縦断面形状のものでも、
図9(c)に示すように台形の縦断面形状のものでもよく、その形状は問わない。しかし、突出先端が基端側部分よりも狭い縦断面形状に形成されるもの、つまり、突出先端側が尖った形状の方がシール部材を装着する際の装着性や後述するシール性能を発揮する上で好ましい。また、このシール用突起71の代わりに嵌込み溝52の内壁面の方に同様なシール用突起を突設するようにしてもよい。また、嵌込み溝52及びシール部材61の両者にシール用突起をそれぞれ形成するようにしてもよい。
【0042】
シール部材装着用嵌込み溝52に嵌り込まれる領域の前記シール部材61の基部61aには、凹部64aに通じる圧抜き通路75が形成される。本実施形態では
図7(b)及び
図8(b)に示すように基部61aの内側に位置する周面に結合金具本体11の軸方向に沿う溝を形成してこれを圧抜き通路75とする。
図7(b)に示すように圧抜き通路75はシール部材61の90°角間隔で4か所に形成されている。圧抜き通路75は4か所に形成する場合に限らず、後述する如く空間63aに残る圧縮空気等の圧縮流体を外へ逃せればそれよりも少なくても多くてもよい。また、圧抜き通路75は外側に位置する空間63bにも通じるように延長して形成するようにしてもよい。
【0043】
ここでは、シール部材61の方に溝(凹部)を作り、この溝(凹部)により圧抜き通路75を形成するようにした。しかし、シール部材61の基部61aを嵌め込む嵌込み溝52の内壁面の方に圧抜き通路を形成するようにしてもよい。また、シール部材61の基部61aまたは嵌込み溝52側の両方に圧抜き通路をそれぞれ形成するようにしてもよい。さらにはシール部材61の基部61aの肉厚内に孔を形成してこれを圧抜き通路としてもよい。
【0044】
図10で示すように圧抜き通路75の外方端は内周押え部56の立ち上がり壁面に当たっているが、その間は完全に封止されたものではなく、その間から空気や水等の圧力流体を逃がすことは十分可能な状態にある。また、圧抜き通路75はその一端を空間63aに対して完全に開口させる必要がなく、空間63aの近くまで通じていれば、その一端が閉じていても空間63aの圧力流体はその圧力で閉じた一端を押し退けて圧抜き通路75に短絡するように流れる。したがってこれらの状態でも圧抜き通路75は内部の空間に連通または接続するものと云える。
【0045】
次に、シール部材61のリップ状先端部61bについて説明する。
図8(a)に示すように、フリーな状態において、シール部材61におけるリップ状先端部61bの前方に向く面は結合相手の結合金具のリップ状先端部61bに向き合う接触面(衝合面)62となっている。この接触面62は径方向の内側が外側よりも前方へ突き出すように傾斜しており、接触面62の面全体がテーパ状に形成される。
【0046】
そして、
図10に示すように、結合金具1を結合させる前のフリーな状態にあってはシール部材61のリップ状先端部61bにおける接触面62は内方側がより前方へ突き出すように傾斜したテーパ状の形にある。
【0047】
しかし、
図11に示すように、一対の結合金具1を結合した状態ではそれらの接触面62の先端付近のみが衝合し、その最先端付近(径方向の内側部分)がより強く互いに押し当たる封止状態になる。この状態が一対の結合金具1の組み付け位置となる。このとき、リップ状先端部61bの接触面62の頂部付近(径方向の内側)の部分が一番強い面圧で局所的に互いに接触し合うため、リップ状先端部61bの密着性が高まり、流体圧力が極めて低いときでも、リップ状先端部61bの間から外へ流れ出る流体の漏れを防止する。
【0048】
また、流体を移送する時は、両方のリップ状先端部61bに対し、それらの内側から流体の圧力(例えば1.3MPa)が加わるため、
図12に示す如く、リップ状先端部61bは強い圧力で押され、そのときの流体圧力に応じて接触面62同士がより強く広く衝合する状態にリップ状先端部61bが弾性変形し、シール部材61によるシール性が高まる。
【0049】
前述したように、嵌込み溝52の開口縁において、リップ状先端部61bが内側へ向けて屈曲する首部61cの内側部分に対峙している内側に位置する領域の縁部分(内周押え部56)は、外側に位置する領域の縁部分(外周押え部55)に比べて軸方向に後退している。これによって、嵌込み溝52はリップ状先端部61bが内側へ屈曲するための変形を許容する空間領域を確保している。また、該嵌込み溝52の開口縁における外側に位置する領域部分に設けた外周押え部55は前方へ張り出しており、これはリップ状先端部61bの腰部つまり首部61cの先端側部分を受け止める受止め部となる。また、嵌込み溝52の開口縁における内側に位置する領域部分に設けられた内周押え部56は基部61aの先端側部分を受け止める受止め部となる。これらの両受止め機能で前方へ突き出したリップ状先端部61bをしっかりと受け止めて抜けが防止される。
【0050】
ところで、一方の結合金具1のシール部材61は結合相手の他方の結合金具1のシール部材61の方を弁体とみれば弁座となり、他方のシール部材61の方を弁座と見れば弁体となる関係にある。つまり、各シール部材61は互いに安全弁の弁体と弁座の相補な関係にある。そして、これらのシール部材61を互いに突き合わせる弁構造となる。なお、より正確には、シールリング部51とシール部材61が一体的になってそれら両者が弁体または弁座になるという関係である。各シール部材61は一対の結合金具1が互いに結合するときのシール部である。
【0051】
また、一対のシール部材61を結合部10との関係で見ると、それらシール部材61の接触面(シール面)62同士が突き当る衝合位置は、
図3に示される如く、嵌合突部31及び嵌合凹部32の途中である嵌合領域の中間部位に位置する。そして、この衝合位置は、係止鉤部33の係止面33aの係止した領域の中央に位置する。つまり、互いに係合した一対の係止鉤部33の中央部と、互いに接触するシール部材61の接触面62の衝合面とが一致する。
【0052】
また、一対の係止鉤部33の係合した部分は後述する如くその一対の係止鉤部33の切欠き孔(湾曲部)35によって形成する一対の孔の中間に位置する。各シール部材61の接触面62が衝合する面は嵌合突部31の背面と結合相手の嵌合突部31の背面との間に形成される間隙G2を横切る位置でもある。
【0053】
次に、本実施形態の結合金具1を使用したときの作用及び機能について説明する。
まず、
図1に示す如く同軸上で一対の結合金具1の結合部10同士を向き合わせて嵌合突部31を係合相手の嵌合凹部32に差し込むように操作すると、
図3に示す如く嵌合突部31と嵌合凹部32が互いに噛み合う。この際において付勢機構40の鋼球42が互いに突き当たって押し合い、各嵌合突部31を周方向反対向きに回転するように常に付勢するため、結合金具1を周方向へ回転させる作業を積極的に行うまでもなく、係止鉤部33同士が互いに係合する
図3に示す位置まで自動的に誘導される。結合金具1が大型の場合等には操作者がその結合金具1を周方向に回転させる操作を行い、係止鉤部33同士が係合する動きを補助する操作も行ってもよい。
【0054】
本実施形態では、結合金具本体11に結合部本体25が固定した形態であるので結合部本体25のみを独立して回転させることができないが、結合部本体25を結合金具本体11に回転自在に取り付ける構造とした場合はその結合部本体25のみを回転して一対の結合金具1を連結することも可能である。
【0055】
以上の如く、一対の結合金具1を結合した状態では各々のシール部材61が互いに突き当たり当接している。具体的には
図11に示す如く各シール部材61のリップ状先端部61bにおける頂部のみが互いに当接して部分的に押し合う状態にある。そして、通常に流体を移送する通常時の内部圧力(流体圧力)の範囲では
図12に示すように各リップ状先端部61bが内側からその圧力によって押され、シール用接触面62が略全面的に当接してシール部材61間をより強く閉塞する状態になる。
【0056】
そして、嵌込み溝52の内周側に位置する縁部に外方に向かって突き出した内周押え部56を設けたのでその内周押え部56がシール部材61における首部61cの根本付近を押えてその基部61aの抜けを防止する。また、嵌込み溝52の外周側に位置する縁部に設けた外周押え部55もシール部材61の首部61cの外側部分を押え付けるのでその基部61aの抜けを阻止する機能を併せ奏している。
【0057】
特に、外周押え部55は、内周押え部56を形成した嵌込み溝52の内周側に位置する縁部よりも前方へ突き出した嵌込み溝52の外周側に位置する縁部に形成し、外周押え部55が内周押え部56よりも前方に位置して結合金具1の軸方向にずれているのでシール部材61の嵌込み溝52への装着組立性が高まる。
【0058】
ところで、結合金具1を使用した送水ラインの途中に設けたバルブ操作やポンプ間の連携不足等の種々の原因によって送水ライン中にウォーターハンマー等が発生することがあり得る。また、通常では想定し得ない異常で過大な圧力が送水ライン中に発生することも分かった。ここで、結合金具の使用圧(常用最大使用圧力のことであり、これは金具に表示されている。以下、本説明は省略する。)と試験圧力、本発明で想定するより過大な圧力値との関係はその結合金具を使用するシステムに応じて相違するが、大容量泡放水砲システムにおけるホースや管類を接続する接続継手として使用する場合には一般的に流体移送時の通路12内の使用圧(流体圧力)は1.0〜1.6MPa程度であり、試験圧力は1.5〜2.4MPa程度である。一般的に試験圧力は使用圧の1.5倍〜2倍程度であり、本発明で想定する異常で過大な圧力値は使用圧の3倍〜4倍程度(試験圧力の2倍程度)を想定している。
【0059】
いずれにしても、何らかの原因で通路12内の圧力(流体圧力)値が極端に高まり、過大な圧力が発生すると、この圧力が結合金具1にも加わる。すると、PCT/JP2014/069959(特願2015-507292号)の出願に係る発明の結合金具の場合と同様、結合部本体25(例えば嵌合突部31の部分)や結合金具本体11に、結合部10により互いに結合した一対の結合金具の結合を維持しながら結合金具を該結合金具の軸方向へ伸びる変形部を形成し、過大で高圧な圧力が加わったとき、その変形部が変形し、弁体または弁座であるシールリング部51とシール部材61は結合金具の軸方向へリフトして、シールリング部51が
図12に示す位置から
図13に示す位置に移動し、シールリング部51と、結合相手の結合金具のシールリング部51との間の隙間の幅が増し、A
1からA
2に変化する。この様に、シールリング部51と、結合相手の結合金具のシールリング部51との間の隙間の幅がA
1からA
2に変化すると、リップ状先端部61bが内側からの内部圧力(圧力流体)に耐えられなくなるので、シール部材61は
図13に示す如く捲れた状態になる。この結果、捲れた状態のシール部材61の間にリーク路80が出現し、このリーク路80は結合金具本体
11の通路12に連通しているのでその通路12内の過大な高圧流体はそのリーク路80を通じて結合金具1の外へ放出する。また、各シール部材61のリップ状先端部61bは流体圧力及びリーク路80を経て放出される水流の勢いで引きずられて捲れ、
図13に示す形になることが多い。
【0060】
そして、
図13で示す如く、リップ状先端部61bが捲れると、シール部材61は一般に外れ易い。
しかし、本実施形態では、前述したように嵌込み溝52における内周側に位置する縁部に内周押え部56を形成したので、その内周押え部56がシール部材61を押さえ、シール部材61の抜けを抑制する。そして、高圧流体がリーク路80を通じて結合金具1の外へ流出し、流体通路12内の流体圧が低下すると、シール部材61は元に戻る。
【0061】
また、外周押え部55は、嵌込み溝52における内周側に位置する縁部よりも前方へ突き出した同じく嵌込み溝52における外周側に位置する縁部に形成したので、シール部材61の抜け抑制機能が高くなる。よって、試験圧力を越える圧力を受けない場合には、内周押え部56がなくてもよい。内周押え部56を設けたことで、異常で過大な圧力を受けてシールリング部材51とシール部材61が結合金具の軸方向へリフトして、シール部材61が
図13の様な状態になっても、シール部材61の基部61aが嵌込み溝52内に保持され、シール部材61の抜けを防止できる。また、通路12の高圧流体がリーク路80を通じて外へ流出し、通路12内での流体圧力を低下させるため、結合部10等が破損したり損傷したりする事態を回避できる。一対の結合金具1は流体通路12内に高圧流体が発生したとしてもその結合状態を維持する。
【0062】
一方、シールリング部51の嵌込み溝52にシール部材61を装着する場合について説明する。シール部材61の基部61aを嵌込み溝52に嵌め込む際、ヘラ等の工具を用いてシール部材自体の弾性を利用して基部61aの首部61c側部分を押してその基部61aを嵌込み溝52に押し込む。基部61aの押込み方向端部に斜面65a及び斜面65bを形成し、その差込み先端部を狭く形成したので、斜面65a及び斜面65bを面取り形成していない従来の場合に比べて、嵌込み溝52へのシール部材61の装着が容易である。
【0063】
一般に、シール部材61の基部61aを嵌込み溝52に押し込む作業を行う際、嵌め込み初期時において嵌込み溝52内の奥に閉じ込まれた空気は次第に圧縮され、その圧縮空気の圧力が高まって、シール部材61の基部61aを嵌込み溝52に押し込む作業を妨げ、シール部材61の装着作業は困難を極める。
【0064】
しかし、本実施形態ではシール部材61の基部61aに斜面65a及び斜面65bを面取り形成したので嵌込み溝52内に空間63a,63bを形成できる。したがって、シール部材61の基部61aを嵌込み溝52内に押し込む際に閉じ込まれる空気の圧力上昇を緩和できる。そして、シール部材61の基部61aを嵌込み溝52内に押し込む際に生じるシール部材61の弾性反発力を小さくするため、シール部材61の基部61aを嵌込み溝52に押し込む作業が容易になる。また、シール部材61を嵌込み溝52内に無理やりに押し込む必要性がなくなるのでシール部材61の装着時にそのシール部材61を痛めることが少なくなる。したがって、シール部材61を正しい装着位置に速やかに楽に装着できるようになり、製造上の歩止まりを改善できる。
【0065】
また、シール部材61の基部61aには嵌込み溝52の内壁面に押し当たるシール用突起71を形成したので、そのシール用突起71が嵌込み溝52の内壁面に部分的に強く押し当たり、基部61aの外壁面と嵌込み溝52の内壁面の間からの洩れを防止する。つまり、シール用突起71は流体の洩れる予想ルートの途中に高圧押し当て面部を形成するので流体の洩れを防止し、シール性を確保する。特に、移送する流体の圧力が低圧の場合でも、基部61aの外壁面と嵌込み溝52の内壁面の間から洩れる流体を抑制し、低圧時のシール性を高めるという効果が得られる。
【0066】
また、シール用突起71は基部61aの壁面に対し、部分的に形成すれば足りるので嵌込み溝52に基部61a全体を強く密着して嵌め込む場合に比べ、そのシール部材61を装着する際の支障は大きくない。また、シール用突起71は基部61aの公差を小さく厳密に規定する必要性も小さくなり、製造コストの低減化が図れる。
【0067】
本実施形態では、シール部材61の基部61aに圧抜き通路75を部分的に設けたのでこの圧抜き通路75により次のような機能及び作用が得られる。すなわち、一対の結合金具1を結合した状態で比較的高圧の流体を移送し続けると、その比較的高圧の流体の一部が、シール部材61の基部61aを嵌め込んだ嵌込み溝52内に入り込み、その嵌込み溝52内に位置する空間63aや空間63bに留まる。そして、空間63aや空間63b内への侵入流体等の圧力、特に空気の圧力を高めるようになる。これは、上述したシール用突起71を設けた場合でも起こり得る現象である。
【0068】
このように空間63aや空間63bに高圧の流体が入り込み、その空間63a,63b内に留まる空気の圧力が高い状態にあると、弾性材料からなるシール部材61の軸方向の圧縮性を阻害し、シール部材61の軸方向へ圧縮が難くなる。一方、係止鉤部33の係止面33aは、オーバーハング状に傾斜しているので一対の結合金具1の結合を外す際に一対の結合部本体25を互いに離反する向きに引き離す操作が必要であるが、シール部材61を軸方向へ圧縮させ難いので結合した結合金具1を外し難くなる。
【0069】
しかし、本実施形態では、シール部材61の基部61aに圧抜き通路75を形成し、空間63内の侵入流体等、特に比較的容積が大きい方の空間63a内の侵入流体等を外へ逃がすのでシール部材61の軸方向の圧縮性が大きく阻害されることが少ない。比較的容積が小さい方の空間63b内の侵入流体等も圧力が高い場合には、基部61aを前方(首部61c側)へ押し上げるので空間63aを通じて圧抜き通路75から外へ逃げるものと考えられる。いずれにしても、圧抜き通路75を設けたことでシール部材61の軸方向への圧縮性を確保し、一対の結合金具1の結合を外し易くなる。
【0070】
次に、
図14を参照して、本発明の第2の実施形態を説明する。
図14は嵌込み溝52にシール部材61を装着した状態の縦断面図である。この第2の実施形態では前記嵌込み溝52における内壁面のうち奥の内壁面に凹部85を形成し、この凹部85により前記空間63と同様の機能を奏する空間86を形成するようにしたものである。この空間86は前記圧抜き通路75に対して連通可能な位置に設けられる。この空間86を形成すれば、シール部材61に形成する凹部64を小さく、またはシール部材61に形成する凹部64を省略することも可能である。また、凹部85は前記圧抜き通路75に対して直接に開口する位置に形成することが望ましい。
【0071】
次に、
図15(a)(b)を参照して本発明の第3の実施形態を説明する。この第3の実施形態では、シール部材61の基部61aにおける奥壁面に筋状の溝88を形成してこれを他の圧抜き通路としたものである。前記空間63a,63bを連通する圧抜き通路として溝88を追加したので、空間63a,63b相互が連通することで空間63a,63bにわたり圧抜き効果が高まる。
【0072】
次に、
図16を参照して本発明の第4の実施形態を説明する。この第4の実施形態はシール部材61の基部61aの奥端面の中間部位に凹部90を形成し、この凹部90によって前記空間63a,63bと同様に機能する別の空間91を追加形成するようにした。この空間91を設ける場合には前述した実施形態の凹部64を省略することが可能である。
【0073】
次に、
図17及び
図18を参照して本発明の第5の実施形態を説明する。前述した各実施形態ではシール部材61がその基部61aから前方へ伸びて内方へ向けて屈曲したリップ状先端部61bを形成したが、本実施形態では先端部61bを結合金具1の軸方向に大きく屈曲することなく軸方向前方へ張り出して形成するようにしたものである。この形式のシール部材61にも上述した各実施形態のものを採用できる。
図18は一対の結合金具1を連結したときのそのシール部材61相互の状態を示している。
【0074】
前述した各実施形態ではオスメスのない一対の同一構造の結合部で付勢機構を備えた金具(特開平9−119577号公報を参照)の形態であったが、本発明の結合金具はその結合部や金具形式に依存せず、例えば消防用金具としての大容量泡放水砲用の差込式結合金具・ねじり式結合金具(平成25年総務省令第23号省令の規格を参照)のものや、ストルツ式金具(DIN14300 A-Druckkupplung)等にも適用が可能である。また、結合金具以外の安全弁等、例えばJISB8210「蒸気用及びガス用ばね安全弁」に示される各種の弁にも適用可能である。
【0075】
そして、本発明の実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、前記各実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、前述した各実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に異なる実施形態に亘る構成要素を組み合わせたものでもよい。
【解決手段】嵌込み溝に着脱自在に嵌込み装着するシール部材を備えたシール装置において、弾性シール部材61の基部を嵌込み装着する嵌込み溝における外周側に位置する縁部に内方に向かって突き出し形成されて弾性シール部材61を押える外周押え部55を備えたシール装置。