特許第6014739号(P6014739)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6014739ガラスシートに焼結フリットパターンを生成するためのフリット含有ペースト
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6014739
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月25日
(54)【発明の名称】ガラスシートに焼結フリットパターンを生成するためのフリット含有ペースト
(51)【国際特許分類】
   C03C 8/24 20060101AFI20161011BHJP
   C03C 17/04 20060101ALI20161011BHJP
   C03C 27/06 20060101ALI20161011BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20161011BHJP
   H05B 33/04 20060101ALI20161011BHJP
   H05B 33/10 20060101ALI20161011BHJP
【FI】
   C03C8/24
   C03C17/04 A
   C03C27/06 101A
   H05B33/14 A
   H05B33/04
   H05B33/10
【請求項の数】3
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-212690(P2015-212690)
(22)【出願日】2015年10月29日
(62)【分割の表示】特願2013-192889(P2013-192889)の分割
【原出願日】2008年11月10日
(65)【公開番号】特開2016-102049(P2016-102049A)
(43)【公開日】2016年6月2日
【審査請求日】2015年11月30日
(31)【優先権主張番号】61/003,835
(32)【優先日】2007年11月20日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】12/228,449
(32)【優先日】2008年8月13日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100090468
【弁理士】
【氏名又は名称】佐久間 剛
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ダブリュー ボテロー
(72)【発明者】
【氏名】エドワード エー キュラー
(72)【発明者】
【氏名】ミシェル エヌ パステル
(72)【発明者】
【氏名】ルー ヂャン
【審査官】 吉野 涼
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2007/067402(WO,A2)
【文献】 特開平10−106443(JP,A)
【文献】 特開2003−234072(JP,A)
【文献】 特開2002−211952(JP,A)
【文献】 特開2000−001335(JP,A)
【文献】 特開2007−332018(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C03C 1/00−29/00
H01L 51/50
H05B 33/04
H05B 33/10
INTERGLAD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
主要表面と、前記主要表面に結合する焼結フリットパターンとを有するガラスシートを備えた組立体を製造する方法であって、
(a)焼結すると前記焼結フリットパターンになるペーストを前記主要表面にパターン化して施用する工程と、
(b)前記ペーストパターンを焼結する工程
とを有し、ここで、
(i)前記ペーストが、焼結の際に溶融するガラス粒子群と、焼結の際に形状およびサイズが実質的に維持される充填剤粒子群と、焼結の際に燃焼および/または揮発する能力のある媒体とを含んでなり、動的散乱によって解析した際に、(1)充填剤粒子群が2.5〜3.5μmの範囲のメジアン粒径を有し、(2)充填剤粒子の少なくとも90%が12μm以下の粒径を有することを特徴とするペーストであり、
(ii)前記焼結フリットパターンが公称高を有し、動的光散乱によって解析する際に、ペーストの充填剤粒子の100%が前記公称高未満の粒径を有し、
(iii)前記焼結フリットパターンが1.0〜2.0μmの範囲のRMS表面粗さを有し、
(iv)前記焼結フリットパターンが、9〜13%の範囲の孔隙率を有することを特徴とする、組立体を製造する方法。
【請求項2】
ディスプレイ装置を製造する方法であって、
請求項1記載の方法で製造された組立体を、前記焼結フリットパターンを用いて基板に結合する、
ディスプレイ装置を製造する方法。
【請求項3】
前記組立体の前記基板への結合が、レーザーによって生じる放射線を用いて前記焼結フリットパターンを走査することによって行われることを特徴とする請求項2記載のディスプレイ装置を製造する方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本願は、参照することにより本明細書に援用される、2008年8月13日出願の米国特許出願第12/228449号、および2007年11月20日出願の米国仮特許出願第61/003835号の優先権の利益を主張する。
【技術分野】
【0002】
本発明は、ディスプレイ装置、例えば有機発光ダイオード(OLED)を使用するディスプレイ装置などのカバーとして使用するガラスシートのように、ガラスシートにおける焼結フリットパターンの生成に使用するためのフリット含有ペーストに関する。
【背景技術】
【0003】
目下、OLED系のディスプレイは、現在、液晶ディスプレイ(LCD)を使用している多くの用途における使用が考慮されている。OLED系のディスプレイは液晶ディスプレイよりも明るく鮮やかな画像を提供することができ、また、より少ない電力しか必要としない。しかしながらOLEDは、酸素および水分への曝露に起因する損傷を受けやすい。このような曝露は発光装置の耐用年数の短縮につながる可能性がある。したがって、ハーメチック封止は、OLEDの長期性能にとって、基本的要件の1つである。
【0004】
エポキシ樹脂などの有機材料を用いて、OLED系のディスプレイを密閉封止するための努力がなされている。実質的に性能をより向上させる代替技術は、本願の譲受人であるCorning Incorporated社によって開発されている。この方法によれば、ガラス粒子、例えば結晶状粒子などの充填剤粒子、および、例えば1つ以上の溶媒および1つ以上の結合剤および/または分散助剤を含む媒体など、媒体を混合することによって、フリット含有ペーストを作る。ペーストをガラスシート上に施用し、例えば高温加熱炉を用いて焼結し、焼結フリットパターンを生成する。
【0005】
フリット・カバー・ガラスまたは単にカバーとして知られる、結果として得られる組立体は、1つ以上のOLED装置を担持する基板と組み合わされる。カバーと基板は、焼結フリットパターンをレーザー・エネルギーに曝露することによって、一緒に封止される。特に、レーザービームはフリットパターン上を走査する。レーザービームの出力密度および曝露時間は、フリットの温度がその軟化点よりも高くなるように選択される。このようにして、フリットは基板に付着し、カバーと基板の間に強力な封止を形成する。焼結フリットは、有機材料とは対照的にガラスおよびセラミック材料であることから、フリットの封止を通じた酸素および水分の浸透は、前もってOLED装置の封入に用いられるエポキシ封止を通過するよりもはるかに遅い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
焼結フリットの封止を使用するディスプレイ装置は、これまで首尾よく機能してきたが、これらの装置は、改善された接着強度、より大きい処理窓、より低い孔隙率、および/または気密性の増大の恩恵を受けるであろう。本発明によれば、これらの封止がなされるペーストに使用される充填剤粒子のサイズ分布、ならびに、ペーストのガラス粒子のサイズ分布は、これらの特性の決定における重要な役割を果たすことを見出した。以下に十分に説明するように、指定される分布を有する充填剤および/またはガラス粒子を使用することにより、強度、処理窓、孔隙率、および気密性パラメータの少なくとも1つ、好ましくはすべてが実質的に改善されうることも見出した。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の態様によると、本発明は、ガラスシート(12)の主要表面上における、焼結フリットパターン(14)の形成に使用するためのペーストであって、
(a)焼結の際に溶融するガラス粒子群と、
(b)焼結の際に形状およびサイズが実質的に維持される充填剤粒子群と、
(c)焼結の際に燃焼および/または揮発する能力のある媒体と、
を有してなり、
ここで、動的光散乱によって解析する際に、
(i)ガラス粒子群が0.5〜1.5μmの範囲のメジアン粒径を有し、
(ii)ガラス粒子の少なくとも90%が5.0μm以下の粒径を有する、
ペーストを提供する。
【0008】
第2の態様によれば、本発明は、ガラスシート(12)の主要表面上における、焼結フリットパターン(14)の形成に使用するためのペーストであって、
(a)焼結の際に溶融するガラス粒子群と、
(b)焼結の際に形状およびサイズが実質的に維持される充填剤粒子群と、
(c)焼結の際に燃焼および/または揮発する能力のある媒体と、
を有してなり、
動的光散乱によって解析する際に、
(i)充填剤粒子群が、2.5〜3.5μmの範囲のメジアン粒径を有し、
(ii)充填剤粒子の少なくとも90%が12μm以下の粒径を有する、
ペーストを提供する。
【0009】
第3の態様によれば、本発明は、主要表面と、前記主要表面に結合した焼結フリットパターン(14)を有するガラスシート(12)とを備えた組立体を提供し、前記組立体は、
(a)焼結すると前記焼結フリットパターン(14)になるペーストを前記主要表面にパターン化して施用し、
(b)前記ペーストパターンを焼結する、
ことによって生産され、
(i)前記ペーストは、本発明の第1および/または第2の態様に従ったペーストであり、
(ii)前記焼結フリットパターン(14)は公称高(H)を有し、動的光散乱によって解析する際に、ペーストの充填剤粒子の100%が前記公称高未満の粒径を有する。
【0010】
焼結フリットパターン(14)は1.0〜2.0μmの範囲のRMS表面粗さおよび/または9〜13%の範囲の孔隙率を有することが好ましい。
【0011】
第4の態様によれば、本発明は、ガラスシート(12)の主要表面上に公称高Hを有する、焼結フリットパターン(14)の形成に使用するためのペーストであって、
(a)焼結の際に溶融するガラス粒子群と、
(b)焼結の際に形状およびサイズが実質的に維持される充填剤粒子群と、
(c)焼結の際に燃焼および/または揮発する能力のある媒体と、
を含み、
動的光散乱によって解析する際に、 ペーストの充填剤粒子の100%がH未満の粒径を有するペーストを提供する。
【0012】
第5の態様によれば、本発明は、主要表面と、前記主要表面に結合した焼結フリットパターン(14)を有するガラスシート(12)とを備えた組立体を提供し、ここで前記焼結フリットパターンは、1.0〜2.0μmの範囲のRMS表面粗さ、または9〜13%の範囲の孔隙率、または1.0〜2.0μmの範囲のRMS表面粗さと9〜13%の範囲の孔隙率を有する。
【0013】
本発明の上記のさまざまな態様の概要で用いられた参照番号は、単に読み手の便宜のためであって、本発明の範囲を限定することは意図しておらず、限定と解釈されるべきではない。さらに一般的には、前述の概要および後述する説明は、単に本発明の典型例であって、本発明の本質および特性を理解するための概観または枠組みを提供することが意図されているものと理解されたい。
【0014】
本発明のさらなる特徴および利点は、後述する詳細な説明に記載され、ある程度はその記載から当業者に理解されるであろうし、あるいは、本明細書に記載される通りに本発明を実施することによって認識されよう。添付の図面は、本発明のさらなる理解を提供するために含まれ、本明細書に取り込まれ、本明細書の一部を構成する。本明細書および図面に開示される本発明のさまざまな特徴は、任意およびすべての組合せに使用することができるものと理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施の形態に従ったディスプレイ装置の概略的な垂直断面図。
図2】本発明の実施の形態に従った、焼結フリットパターンが結合したガラスシートの垂直断面図。
図3】枠組みの形状を有する焼結フリットパターンを示す図2のガラスシートの上面図。
図4】従来技術の充填剤粒子(曲線19)、従来技術のガラス粒子(曲線21)、本発明の実施の形態に従った充填剤粒子(曲線23)、および、本発明の実施の形態に従ったガラス粒子(曲線25)の動的光散乱によって決定される粒子分布を示すグラフ。この図における縦軸は分布の決定に用いられる動的光散乱機器のチャネルにおける粒子のパーセンテージを示し、横軸はマイクロメートル単位の粒径を示す。
図5】番号100、200、300、および400によって分類される充填剤とガラス粒子の4つの組合せ(横軸)に対するマイクロメートル単位のRMS表面粗さ(縦軸)のプロット。特に、100は従来技術のガラスと従来技術の充填剤粒子に対応し、200は従来技術の充填剤粒子と本発明の実施の形態に従ったガラス粒子に対応し、300は従来技術のガラス粒子と本発明の実施の形態に従った充填剤粒子に対応し、400は本発明の実施の形態に従ったガラス粒子と本発明の実施の形態に従った充填剤粒子に対応する。
図6】異なる充填剤および粒子分布を有するペーストでできた焼結フリットパターンを用いて調製された、例えばOLEDパッケージなどのパッケージの4点曲げ強度を比較するグラフ。特に、この図のひし形(◆)のデータ点は従来技術の充填剤および従来技術のガラス粒子を使用して作ったパッケージのものであり(ワイブルスロープ=12.8;負荷特性=40.3)、丸(●)のデータ点は本発明の実施の形態に従った充填剤およびガラス粒子を使用して作ったパッケージのものである(ワイブルスロープ=9.7;負荷特性=46.9)。図6の縦軸は確率であり、横軸はポンドフォースにおける、故障までの4点曲げ強度(重量ポンド)である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
上述のように、本発明の態様の幾つかによれば、本発明は、収納用の密閉封止されたパッケージ、例えば、有機発光ダイオード(OLED)に基づくディスプレイ装置などのディスプレイ装置の生産に使用することができる、ガラスシートの主要表面の焼結フリットパターンの形成に使用するためのフリット含有ペーストに関する。
【0017】
図1は、ガラスシート12、焼結フリットパターン14、基板16、少なくとも1つのOLED素子18、および前記OLED素子と電気的に接触する少なくとも1つの電極20を備えた、一般に参照番号10と指定される、密閉封止されたOLEDディスプレイ装置の概略的な垂直断面図である。典型的には、OLED素子18は陽極電極および陰極電極と電気的に接触している。図1における電極20はどちらか一方の電極を表すことが意図されている。簡略化のため、単一のOLED素子のみが示されているが、ディスプレイ装置10には多くのOLED素子が配置されて差し支えない。典型的なOLED素子18は1つ以上の有機層(図示せず)と陽極/陰極電極とを備える。しかしながら、任意の既知のOLED素子18または将来のOLED素子18がディスプレイ装置10に使用できることは、当業者には容易に認識されるはずである。加えて、本発明のパッケージには、OLED素子18のほかに、別のタイプの薄膜装置が収容されうることも理解されるべきである。例えば、薄膜センサ、光電池、点灯装置などが本発明を利用して製作されうる。
【0018】
好ましい実施の形態では、ガラスシート12は、溶融法を使用して生産された、透明な、薄いガラスシート、例えば、Corning Incorporated社のコード番号1737、EAGLE2000(登録商標)またはEAGLE XG(商標)ガラス、または日本電気硝子株式会社、NHTechno社、およびSamsung Corning Precision Glass Co.社が生産する溶融ガラスであるか、あるいは、ガラスシート12は、例えばAGC旭硝子社がOA10ガラスおよびOA21ガラスの生産に使用するフロート法など、他の方法によって生産することもできる。基板16はガラスシート12と同一のガラスでできているか、または不透明な基板であってもよい。
【0019】
ガラスシート12を基板16に封止する前に、ガラスシート12の主要表面にフリット含有ペーストを所定のパターンで堆積させるが、これは、典型的には、単一の線、または複数の接続した線として、ガラスシート12の自由縁13からおよそ1mm離して配置され、典型的には閉じたフレームまたは壁の形状で堆積される。ペーストは、例えば、スクリーン印刷またはプログラマブル・ロボットによって、ガラスシート12に施用することができる。当業者には明白であるように、ペーストの粘度は使用すべき施用技術に適合するように調整される。したがって、「ペースト」と記載するが、本発明の組成物は、一部の事例では、通常のペーストに関係する粘度未満またはその粘度よりも高い粘度を有していて構わない。
【0020】
ガラスシート12に堆積された後、フリット含有ペーストはガラスシートの基板16に封止する前に焼結されることが好ましい。これを達成するためには、堆積したペーストを、例えば、加熱してガラスシート12に取り付け、その後、ガラスシート/加熱されたペーストの組合せを加熱炉に入れてもよく、加熱炉はペーストを焼結して(当技術分野ではペーストを「焼成する」、または「固化成形する」とも称される)、ガラスシート12に結合した焼結フリットパターン14の所望の組立体を形成する。あるいはガラスシート/ペーストパターンの組合せを、焼結するための加熱炉に直接設置して、最初の加熱工程を省略することもできる。さらなる代替として、焼結は、ガラスシート全体ではなく、ペーストパターンおよび周辺のガラスだけを加熱することによって行うこともできる。この局部的な加熱は、ペーストパターン全体に同時に、または部分的に逐次、行うことができる。最初の加熱の間に、例えば有機結合材料などの媒体の有機成分が焼失することから、一般的には、最初の加熱工程を有する加熱炉の手法が好ましい。焼結温度は、当然ながら、ペーストの組成、特に、ペーストのガラス粒子の組成に応じて決まるであろう。
【0021】
焼結フリットパターン14の形成後、必要な場合および望ましい場合には、フリット線に沿った高さ変化が約2〜4μmを超えないようにそれを研磨して、装置10の用途に応じて、典型的な目標高さHを10μm〜20μmを超える高さにするが、さらに典型的には高さHは約14〜16μmである。高さ変化が大きい場合には、ガラスシート12と基板16が接合されるときに、焼結フリットパターンと基板16の間に形成されうるギャップは、焼結フリットパターン14がレーザー封止(下記参照)の間に溶融する場合には閉じない可能性があり、あるいはギャップは、特に冷却の間に、ガラスシートおよび/または基板に亀裂を生じさせうる応力を取り込む可能性がある。適切ではあるが、あまり厚くないフリット高さHは、レーザー封止をガラスシート12の後部から行うことを可能にする。焼結フリットパターン14が薄すぎる場合、レーザー放射を吸収する材料が十分ではなく、失敗に終わる。パターンが厚すぎる場合、ガラスシート表面に、溶融に十分なエネルギーを吸収することができるが、焼結フリットの溶融に必要とされる必要エネルギーが基板16に隣接したフリット領域に達することを妨げるであろう。これは、通常、ガラスシートの基板への結合が乏しいか、またはむらのある結果となる。
【0022】
焼結フリットパターン14が研磨される場合には、ガラスシート12を、穏やかな超音波清浄化環境を通過させて、蓄積される可能性のある破片を除去して差し支えない。清浄の間、温度を低く維持することで、焼結フリットパターン14の崩壊を回避することができる。清浄の後(行う場合)、最終的な処理工程を行い、残留水分を除去することができる。例えば、ガラスシート12の組立体およびそこに取り付けられた焼結フリットパターン14を、100℃の温度で6時間以上、真空オーブンに入れることができる。オーブンから除去後、組立体を無塵ボックスに入れて、ほこりおよび破片の蓄積を妨げることができる。
【0023】
封止過程は、焼結フリットパターン、1つ以上のOLED、および電極がフリットパターンの厚さによって隔てられたガラスシート12と基板16との間に挟まれるように、基板16上に積層した1つ以上のOLED18と1つ以上の電極20を備えた基板16の上に、ガラスシート12および焼結フリットパターン14の組立体を設置することを含む。封止過程の間、それらを接触した状態に保つため、穏やかな圧力がガラスシート12および基板16に印加される。
【0024】
その後、レーザービームは、ガラスシート12を通過してフリットパターン14上に方向付けられる。あるいは、基板16が封止波長において透明である場合には、封止は基板16を通過して、またはガラスシート12と基板16の両方を通過して行われうる。各事例では、単一または複数のビームは焼結フリットパターン全体を走査して、パターンを局所的に加熱し、焼結フリットのガラス組成が溶融し、シート12を基板16に接続し、結合するハーメチック封止を形成する。焼結フリットの封止の存在によって生じる、ガラスシート12とシート16の間のギャップは、OLED素子18のハーメチックエンベロープまたはパッケージを形成する。パッケージのハーメチック封止は、周囲環境の酸素および水分がOLEDディスプレイ10内に入ることを防止することにより、OLED18を保護する。
【0025】
結合の間に用いられる単一または複数のレーザービームは、例えば、焼結フリットパターン内の温度勾配をさらに緩やかにするために、焦点をぼやけさせることができる。勾配が急すぎる(焦点を絞りすぎる)場合には、OLEDディスプレイ10に亀裂が現われ、その後に故障する可能性があることに留意されたい。焼結フリットパターンは、一般に、溶融の間に暖機運転および冷却運転の段階を必要とする。加えて、ガラス基板および焼結フリットパターンの組立体は、使用前に不活性雰囲気で保管して、溶融前のO2およびH2Oの再吸収を妨げることが好ましい。
【0026】
フリットパターンに対する単一または複数のレーザービームの移動速度は、約0.5mm/秒〜300mm/秒の範囲でありうるが、30mm/秒〜40mm/秒の速度がさらに典型的である。レーザービームの出力レベルは、光吸収係数および焼結フリットパターンの厚みに応じて変化しうる。必要な出力は、電極20の製作に使用する材料など、反射または吸収層が、フリットパターンの真下(フリットパターンと基板16の間)に設定される場合、およびフリットパターンに対するレーザービームの移動速度によっても影響を受ける。ディスプレイ装置10の冷却は、装置10が、レーザー封止の後の冷却運転の間に過度の応力を経験しないように着手する必要がある。加えて、適切に冷却されない場合には、これらの応力がガラスシートと基板との脆弱な結合をもたらし、結合の気密性に影響を与えうる。焼結フリットパターンへのレーザービームの走査による、密閉封止されたパッケージの形成に関するさらなる詳細は、参照することによってそれらの内容を本明細書に援用する、本願と同一の譲受人に譲受された、米国出願公開第2006/0082298号、同第2007/0128965号、同第2007/0128966号、および同第2007/0128967号の各明細書から入手できる。
【0027】
上述のように、本発明のフリット含有ペーストは、3つの主要成分:(1)ガラス粒子、(2)充填剤粒子、および(3)媒体を含む。各成分について、現在知られる、またはその後に開発されるさまざまな材料を、本発明の実施に使用することができる。例えば、 好ましい実施の形態では、ガラス粒子は、低い溶融温度、および、封止過程に使用するレーザーの動作波長に適合するか、または実質的に適合する波長の実質的な光吸収断面を有するガラス材料からなる。一例として、ガラス粒子を構成するガラスは、鉄、銅、バナジウム、ネオジム、およびそれらの組合せからなる群より選択される1つ以上の光吸収イオンを含みうる。ガラス粒子として好ましいガラスは、22.92モル%のSb23、46.10モル%のV25、0.97モル%のTiO2、0.97モル%のAl23、2.61モル%のFe23、および26.43モル%のP25を含む。
【0028】
充填剤粒子は、焼結フリットパターン14の熱膨張率を、主としてガラスシート12および基板16の熱膨張率に適合するか、または実質的に適合するように調節する目的で、ペーストに含まれる。充填剤粒子は、逆のまたは追加の充填剤として機能しうる。充填剤粒子は、ペーストのガラス粒子を焼結する際に、充填剤粒子が、それらの形状およびサイズ、さらに重要なことには、それらの位相構造、したがってそれらの熱膨張率を実質的に維持するように、十分に高い溶融温度を有する材料からなる。充填剤粒子として適切な材料の例としては、セラミック、特に、焼結されたガラス粒子の膨張率を相殺するために、負の熱膨張係数を有するセラミックが挙げられ、好ましい材料は、50モル%のSiO2、25モル%のAl23、および25モル%のLi2Oの組成を有するリチウムアルミノケイ酸塩である。
【0029】
その名前が示すように、媒体の役割は、分配設備によって取り扱うことのできる組成物を提供することであり、それらが処理されて焼結フリットパターン14を形成するときに、所定の位置にガラスおよび充填剤粒子を保持する。典型的には、媒体としては、1つ以上の溶媒、例えば、松根油、テキサノール(TEXANOL)などのペンキに使用するタイプの溶媒、および1つ以上の結合剤および/または分散助剤、例えば、エチルセルロース、メチルセルロース、またはニトロセルロースなどのセルロース誘導体、低分子量ポリプロピレンなど、ガラス粒子のガラス転移温度未満にする有機ポリマー、および/または1つ以上の界面活性剤が挙げられる。好ましい媒体は、約4重量%のエチルセルロース、および約2重量%の分散助剤SOLSPERSEとANTI−TERRAの混合物と共に、テキサノールを含む。媒体の成分は、焼結温度で燃焼および/または揮発するように選択される。上述の最初の加熱工程が用いられる場合、すべてのまたは一部の媒体は、焼結の前に、燃焼および/または揮発しうることに留意されたい。いずれにせよ、本願の関連では、この方法で生産されたペーストは「燃焼および/または揮発する能力のある」媒体を有するものであろう。
【0030】
ガラス粒子、充填剤粒子、および媒体は、本発明のフリット含有ペーストにおいて、さまざまな割合を有しうる。重量%に関する、ガラス粒子の充填剤粒子に対する比は、焼結フリットの所望のCTEを達成するように選択され、媒体の量は分配に適したペーストのレオロジーを提供するように選択される。ペーストは、従来の混合装置および方法を使用して、粒子および媒体を合わせることによって生成されうる。例えば、上述の好ましい粒子および媒体を使用して、70重量%のガラス粒子を30重量%の充填剤粒子と乾燥混合し、次に、3部の媒体の1部の粒子混合物に対する比で、媒体を粒子混合物と混合することによって、ペーストが生成されうる。
【0031】
本発明の実施に使用することができる、ガラス粒子、充填剤粒子、および媒体のさらなる説明は、米国特許第6,998,776号の一部係属出願である、「フリットと共にハーメチック封止されたガラスパッケージおよび製造方法(Glass Package that is Hermetically Sealed with a Frit and Method of Fabrication)」という発明の名称で、本願と同一の譲受人に譲受された、米国特許出願公開第2005/0001545号の明細書から入手でき、これら両方の内容は、参照することによって本明細書に援用される。
【0032】
上述のように、フリットの封止について、焼結(および、行う場合には研磨)後のフリット高さは10〜20μmであり、通常は約14〜16μmである。図4に示すように、従来技術の方法において(曲線19および21参照)、動的光散乱によって決定される充填剤およびガラス粒子のメジアン粒径は、それぞれ約4.5μmおよび1.4μmであった。しかしながら、粒子の通常の空気分級の後には、一部の粒子(ガラスと充填剤の両方)は、実質的にメジアンよりも大きくなりうる。例えば、一部の充填剤粒子は15〜20μmの大きさになり、一部のガラス粒子は10〜15μmの大きさになる。特に、従来技術のフリット含有ペーストでは、10%を超える充填剤粒子が12μmよりも大きく、10%を超えるガラス粒子が5μmよりも大きかった。
【0033】
充填剤粒子が大きくなると表面粗さは大きくなり、表面粗さが大きくなると、フリット化したガラスシート12と基板16との良好な接触を妨げることが判明した。このような良好な接触の欠如は、すなわち、気密性および機械的強度が劣ったレーザー封止をもたらすことが分かった。
【0034】
充填剤またはガラスのいずれかについての、より大きい粒子に関連することが判明した、さらなる問題は、粒子の不均一な混合の結果としての不均一な熱的特性および機械的特性である。加えて、充填剤粒子は焼結工程の間に焼結されず(形状およびサイズは変化しない)、封止の際に基板を付着させないことから、大きい充填剤粒子は脆弱な部分を作り出し、欠陥の原因として作用し、したがって、機械的強度の低下につながり、封止の気密性を危うくしうる。
【0035】
特にガラス粒子に関しては、焼結は粒径によって決まり、したがって、より大きいガラス粒子サイズはより長い焼結時間、または部分的な焼結につながる。部分的な焼結は、言い換えれば、焼結フリットのより大きい孔隙率をもたらし、これが封止の気密性を低下させ、封止の機械的強度を著しく低減しうる。
【0036】
これらを考慮すると、本発明によれば、充填剤粒子、ガラス粒子、または充填剤とガラス粒子の両方の分布は仕様の範囲内に保たれる。したがって、充填剤粒子は、動的光散乱によって解析する場合には、2.5〜3.5μm(好ましくは、2.75〜3.25μm、さらに好ましくは、約3μm)の範囲のメジアン粒径を有し、少なくとも90%(好ましくは95%、さらに好ましくは、実質的にすべて)の充填剤粒子が12.0μm以下(好ましくは11.0μm以下、さらに好ましくは10.0μm以下)の粒径を有すると同時に、ガラス粒子は0.5〜1.5μm(好ましくは、0.75〜1.25μm、さらに好ましくは、約1μm)の範囲のメジアン粒径を有し、少なくとも90%(好ましくは95%、さらに好ましくは、実質的にすべて)のガラス粒子が5.0μm以下(好ましくは4.0μm以下、さらに好ましくは3.0μm以下)の粒径を有する。
【0037】
図4の曲線23および25は上記特性を有する一群の充填剤およびガラス粒子を示している。この図の粒子分布は、対照として球状の粒子を使用し、Microtrac,Inc.社(米国ペンシルバニア州モンゴメリービル所在)製造の動的光散乱装置を用いて決定した。母集団は曲線19および21の分布を有する粒子のさらなる研磨によって作られた。ガラス粒子の場合には、研磨の際に生じる熱に起因するガラスの酸化を低減するため、研磨は不活性雰囲気下で行われた。あるいは、研磨装置を冷却してこれらの酸化を最小限に抑えることもできる。
【0038】
充填剤粒子に関しては、上記特性に加えて、100%の充填剤粒子が焼結フリットパターン14の公称高H未満の粒径を有する場合も好ましい。フリットパターン全体にさらに均一な高さを達成するために研磨されたフリットパターンでは、高さHは研磨後の高さである。Hよりも小さくなるように(好ましくは0.5H以下、さらに好ましくは0.3H以下、最も好ましくは0.2H以下)メジアン充填剤粒子サイズを低下させることにより、フリット高さよりも高い構造を作り出す、幾つかの充填剤粒子の凝集の可能性は著しく低下する。これは、レーザー封止後の故障の原因の数を低減し、生産歩留まり、機械的強度、およびフリット封止の気密性を改善する。
【実施例】
【0039】
これから示す実施例のように、上述の粒子分布が、より滑らかな表面およびより低い孔隙率を有する焼結フリットパターンを生成することが判明した。それらはまた、改善された気密性、および、レーザー放射を使用してこれらパッケージを封止するためのより広い処理窓を備えた、より強いOLEDパッケージを提供することも判明した。これらの実施例は、本発明を例証することを意図しているが、添付の特許請求の範囲に記載する本発明を制限することは意図していない。
実施例1:表面粗さ
この実施例は、表面粗さにおける、ガラス粒子単独(図5における200の欄を参照)、充填剤粒子単独(図5における300の欄を参照)、またはガラス粒子および充填剤粒子の両方(図5における400の欄を参照)のサイズの縮小効果を実証する。
【0040】
ガラス粒子に関しては、粒径を縮小すること、特に粒径分布の裾の長さを除去することによって、ガラス粒子を使用して生産される焼結フリットパターンの表面粗さが改善されることを見出した。
【0041】
焼結フリットのトポグラフィーにフーリエ解析(自動相関)を用いると、表面粗さの二乗平均平方根平均(RMS)が図4の曲線21のガラス粒子の2.97μm(図5における100の欄を参照)から曲線25のガラス粒子の1.67μm(図5における200の欄を参照)に縮小することが分かった。
【0042】
充填剤粒子サイズ単独の縮小は、より滑らかな表面を達成することも判明した。充填剤粒子サイズを3μm未満にする場合(図4の曲線23参照)、表面粗さのRMSは曲線19の2.97μmの値(図5における100の欄を参照)から1.70μm(図5における300の欄を参照)に低下することが判明した。ガラス粒子と充填剤粒子の両方のサイズを縮小した場合には、RMSはさらに1.45μmにまで減少した(図5における400の欄を参照)。
【0043】
表面粗さにおけるこれらの低下は、顕著な改善である。OLED装置(バックプレーン)を積載する基板16に、より粗いフリット表面が封止される場合、光学顕微鏡で撮像された画像は、先頭にインデントを作ることにより、充填剤粒子が金属層を機械的に変形することを示す。より粗いフリット表面は、フリットのバックプレーンの整列過程の間に、バックプレーンにさらに引っかき傷を生じることも観察された。実際問題として、これらの引っかき傷はOLEDの動作に悪影響を与えることが分かった。
実施例2:処理窓
この実施例は、レーザー封止のための処理窓が、ガラス粒子の大きさに関わらず、より小さい充填剤粒子を有するペーストでは、はるかに大きくなることを示す。より広い封止窓は、より多くの種類のガラスシート12、基板16、およびOLED構造を用いてレーザー封止過程を使用できることから、望ましい。
【0044】
表1に示すように、最初に3〜7μm(図4の曲線19参照)の範囲の粒子を有する充填剤を使用したペーストでは、封止窓は10および20mm/sのレーザー封止速度で約2〜3ワットの範囲である。また、最も広い封止幅(すなわち、元々の予備焼結した幅の割合)は約80%である。レーザー出力がさらに増大すると、望ましくないレーザーの痕跡(すなわち、レーザービームに曝露後の焼結フリット線に沿ったくぼみ)が現れ始める。
【0045】
しかしながら、小さい充填剤粒子(およそ〜3μmメジアンが移動;図4における曲線23参照)を用いたペーストでは、封止窓は約7〜9ワットの範囲であり、これは、従来技術の充填剤のものと比較して約3倍大きい。封止窓の下端は、表1にも示される封止幅のように、従来技術のペーストのものと同様である。しかしながら、上端ははるかに大きい。実際、曲線23の充填剤粒子を有する封止幅の上端は90%を超える。これは、より小さい充填剤粒子を使用するペーストの処理窓が、はるかに大きくなることを示している。
実施例3:パッケージ強度
図6は、より小さい充填剤を有するペーストが、より大きい機械的強度を示すことを例証している。
【0046】
この場合における封止幅は約88%であった。この幅では、小さい充填剤粒子を有するフリット(図4における曲線23;図6における丸印(●)のデータ点)は、より大きい充填剤粒子を有するもの(図4における曲線19;図6におけるひし形(◆)のデータ点)よりも強い。負荷特性S0は、大きい充填剤ペーストで179N(40.3重量ポンド)、小さい充填剤のペーストで209N(46.9重量ポンド)であった。したがって、小さい充填剤ペーストの改善は約15%である。図6に示すように、6つのサンプルを除き、試験した28サンプルの強度は、178N(40重量ポンド)よりも大きかった。
実施例4:気密性
小さい充填剤粒子(すなわち、図4の曲線23の充填剤粒子)を有するペーストを使用して形成された焼結フリットパターンを有する4つのガラスシートを、気密性を試験するために内部Caパッチを用いたシートに封止した。2枚は10mm/sのレーザー速度、他の2枚は20mm/sのレーザー速度で封止した。Caパッチの厚さは750nmであった。光学レーザー出力を使用して、封止窓内に各シートを封止した。
【0047】
封止の後、すべてのシートを85℃〜85RH%(相対湿度)のチャンバに入れて、パッケージの長期気密性能を試験した。3000時間を過ぎた後も、小さい充填剤粒子を有するフリットに基づく単一セルは、気密性を失わなかった。また、試験パッケージのいずれも、焼結フリットからの滲出は見られなかった。
実施例5:孔隙率
表2は、図4のさまざまな粒子分布を使用して生産した焼結フリットについての孔隙率の試験結果を示している。フリットを区分化し、空隙容量を決定することにより、孔隙率を工学的に測定した。
【0048】
表2に示すように、ガラス粒子サイズの縮小は、焼結フリットの孔隙率を17.85%から12.77%に低下させるが、ガラスと充填剤の両方の粒子サイズの縮小は孔隙率をさらに9.84%まで低下させる。より低い孔隙率は、さらに均一な物理的および熱的特性、さらに良好な熱伝達、およびより大きい機械的強度を有する焼結フリットをもたらす。
【0049】
前述のことから、ガラス粒子サイズの縮小、特に、分布の裾の長さを除去することは、焼結フリットの孔隙率を低下させることが示されているが、レーザー処理窓またはパッケージの機械的強度を改善するためには必須ではなく、充填剤粒子サイズの縮小はフリットの封止過程を改善し、より滑らかな焼結フリット表面、より広い処理窓、および、より大きい機械的強度をもたらす。ガラスおよび充填剤粒子のサイズの両方の縮小はこれらの利益のすべてを提供する。
【0050】
本発明の範囲および精神から逸脱しない、さまざまな変更については、前述の開示から当業者には明らかであろう。一例に過ぎないが、本発明のペーストは、現在、点灯装置に用いられている、ソーダ石灰またはホウケイ酸塩ガラスなど、OLEDに現在用いられる以外のガラスを用いることもでき、例えば、ペーストはCorning Incorporated社のコード0211マイクロシート・ガラスを使用することができる。添付の特許請求の範囲は、変更、変形、および等価物などと同様に、本明細書に記載される特定の実施の形態にも及ぶことが意図されている。
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】
図1
図2
図3
図4
図5
図6