(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、粉塵等を濾過するエアフィルタは、発生する粉塵等の量が多い場合や、粘性のある煙が発生した場合にすぐに目詰まりし、吸引力の低下を起こしやすい。このため、フィルタ交換等のメンテナンスの頻度が高くなるという問題が生じる。
【0007】
近年では、フィルタ交換の頻度を下げるため、布または不織布製の袋状のフィルタ(バグフィルタ)を利用し、粉塵や煙を含む気流を通してろ過する方法が用いられている。この方法では、フィルタ自体による捕集より、堆積した粒子による捕集効果が大きい。このため、一定の時間間隔または圧力損失が設定値に達した場合、堆積した粒子を払い落す処理が必要になる。しかし、粘性の高い煙やヤニが付着していると、払い落す処理では十分に除去することはできない。
【0008】
本発明は、対象物の加工により発生した粉塵等を、フィルタを用いることなく分離して除去することができる加工機用の集塵装置およびレーザ加工機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明は、加工される対象物から発生する煙や粉塵を吸引して引き込むダクトの途中に設けられる加工機用の集塵装置であって、筒型に設けられ、吸引する空気によって内部に回転気流を発生させる本体と、本体の内壁面に沿って設けられ、回転気流によって空気から分離された煙や粉塵を捕獲する第1捕獲部と、本体の内部の途中から、本体の一方端を貫通して外部に延出する排気管と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
このような構成によれば、本体に空気を吸引することで本体の内部で回転気流が発生し、空気に含まれる煙や粉塵が遠心分離される。遠心分離された煙や粉塵は本体の内壁面に沿って設けられた第1捕獲部で捕獲される。そして、煙や粉塵が除去された空気は、本体の内部の途中か外部に延出する排気管を通って排出される。すなわち、本発明では、煙や粉塵を回転気流によって遠心力で分離し、本体の内壁面側に押し付けられる力を利用して第1捕獲部で捕獲する。したがって、空気を通過させるフィルタを用いることなく煙や粉塵を分離することができ、浄化された空気をフィルタによる圧力損失なく排出することができる。
【0011】
本発明の集塵装置において、第1捕獲部は、本体の内壁面に沿って配置された筒状キャッチャや、回転気流によって本体の内壁面に形成される水膜状キャッチャを有していてもよい。これにより、回転気流によって遠心分離した煙や粉塵を筒状キャッチャや水膜状キャッチャで捕獲することができる。
【0012】
本発明の集塵装置において、本体に吸引する空気に液体を混入させるためのノズルをさらに備えていてもよい。これにより、吸引する空気の温度を下げ、気化したガスを凝固させることができる。また、粉塵に液体を混ぜて質量を大きくすることができるため、小さな粉塵であってもより効果的に遠心分離を行うことができるようになる。
【0013】
本発明の集塵装置において、液体は、VOC(Volatile Organic Compounds)消臭液、微酸性電解水、次亜塩素酸ナトリウム水および銀イオン水のうち選択された少なくとも1つを含んでいてもよい。これにより、加工により発生した臭気を除去することができる。
【0014】
本発明の集塵装置において、本体は、本体の他方端から少なくとも途中にかけてほぼ一定の内径を有する直胴部と、本体の他方端に着脱自在に設けられた蓋と、を有していてもよい。これにより、蓋を開けることで本体の直胴部に挿入された集塵部を簡単に引き出したり、本体へ簡単に装着したりすることができる。
【0015】
本発明の集塵装置において、排気管の内側および外側の少なくとも一方に設けられた第2捕獲部をさらに備えていてもよい。これにより、第1捕獲部で捕獲しきれなかった煙や粉塵を第2捕獲部で捕獲することができ、排気管から排出される空気の浄化性能が高まる。
【0016】
本発明の集塵装置において、排気管の後段に設けられた吸引装置と、排気管と吸引装置との間に接続される接続管と、接続管の内部に給水する給水部と、をさらに備えていてもよい。これにより、排気管から排出された空気の湿度が高められ、空気に含まれる僅かな塵を吸引装置の手前の接続管に付着させることができる。
【0017】
本発明のレーザ加工機は、対象物に照射するレーザ光を出射するレーザ出射ヘッドと、対象物から発生する煙や粉塵を吸引して引き込むダクトと、ダクトの途中に設けられる上記の集塵装置と、を備えたことを特徴とする。
【0018】
このようなレーザ加工機によれば、レーザ加工の際に発生した煙や粉塵を、空気を通過させるフィルタを用いることなく分離することができ、浄化された空気をフィルタによる圧力損失なく排出することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、対象物の加工により発生した粉塵等を、フィルタを用いることなく分離して除去することが可能になる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明では、同一の部材には同一の符号を付し、一度説明した部材については適宜その説明を省略する。
【0022】
(加工機の構成)
図1は、加工機の構成例を示す斜視図である。
本実施形態に係る集塵装置1は、加工機100によって加工される対象物Wから発生する粉塵等を捕獲するものである。
図1に示す加工機100は、レーザ加工機である。レーザ加工機は、レーザ光のエネルギーを利用して対象物Wの切断等の加工を行う装置である。
【0023】
加工機100は、加工機本体110と、ステージ120と、レーザ出射ヘッド130と、集塵ノズル140と、移動ユニット150と、本実施形態に係る集塵装置1と、を備える。加工機本体110には、正面にスイッチ類111が配置され、内部には図示しない電源ユニット、制御回路、負圧ポンプなどが組み込まれている。加工機本体110の近傍には、ディスプレイ115、キーボード116およびマウス117などの入出力機器が配置され、加工プログラムによる各種の加工条件の設定、読み込み、保存、加工制御を行えるようになっている。
【0024】
ステージ120は、加工機本体110の上に配置され、一方向(例えば、Y軸方向)に移動可能になっている。ステージ120の上には対象物Wが載置される。対象物Wは、ステージ120上に、例えば負圧によって吸着固定される。
【0025】
移動ユニット150は、例えば門型に構成され、ステージ120の上方に配置される。移動ユニット150には、レーザ出射ヘッド130が取り付けられる。レーザ出射ヘッド130は、移動ユニット150によって一方向(例えば、X軸方向)に移動可能になっている。なお、本実施形態では、移動ユニット150によってレーザ出射ヘッド130をX軸方向、ステージ120をY軸方向に移動させて、レーザ光と対象物WとのXY軸に沿った相対的な位置関係を設定しているが、移動ユニット150およびステージ120のいずれか一方をXY軸に沿って移動可能に構成してもよい。
【0026】
レーザ出射ヘッド130は、レーザ光を図示しない光学系によって集光して対象物Wに照射する。本実施形態において、レーザ出射ヘッド130はスキャンミラーによってレーザ光の照射角度を変化させて、レーザ光の照射範囲を走査できるようになっている。レーザ出射ヘッド130は、例えばガルバノスキャナヘッドである。加工の対象物Wとしては、例えば金属、樹脂、紙、木材など、各種の材料のものである。
【0027】
集塵ノズル140は、レーザ加工を行う際に対象物Wから発生する粉塵等を吸引して集める。本実施形態では、集塵ノズル140は、対象物Wの上方に配置され、レーザ出射ヘッド130から出射されるレーザ光の照射範囲を取り囲むような円錐台状のフードを備える。集塵ノズル140には吸引ダクト145が設けられ、集塵ノズル140で集めた粉塵等を、吸引ダクト145を介して吸い上げている。
【0028】
本実施形態に係る集塵装置1は、粉塵等を吸引して引き込むダクト(粉塵等を吸引してから排出装置へ送るまでの通路)の途中に設けられる。集塵装置1は、筒型に設けられた本体10と、本体10の内壁面に沿って設けられた第1捕獲部20と、本体10の内部から外側に延出する排気管30とを備える。なお、
図1に示す集塵装置1においては、説明の便宜上、本体10の蓋を外した状態が示される。
【0029】
この加工機100で対象物Wの加工を行うには、先ず、ステージ120上に対象物Wを載置して、吸引等によって固定する。次に、所定のプログラムによって加工手順を設定し、実行すると、レーザ出射ヘッド130から対象物Wにレーザ光が照射され、レーザ光のエネルギーによって対象物Wの加工(切断、溝加工、マーキングなど)が施される。レーザ光の照射位置は、プログラムの処理によって、レーザ光のスキャンと、ステージ120および移動ユニット150の動作によって制御される。
【0030】
集塵装置1の後段には図示しない吸引装置が接続される。加工機100による加工処理を行う間、吸引装置で発生された負圧によって粉塵等の吸引を行う。すなわち、加工によって対象物Wから発生した粉塵等は、この吸引力によって集塵ノズル140で集められ、吸引ダクト145を介して本実施形態の集塵装置1に送られる。集塵装置1では、吸引された粉塵等を第1捕獲部20で捕獲し、粉塵等の除去された空気を排気管30から排気ダクト35を介して吸引装置に排出する。
【0031】
(集塵装置の詳細)
図2(a)〜
図3(b)は、本実施形態に係る集塵装置の詳細を示す図である。
図2(a)には集塵装置1を斜め上方からみた斜視図が表され、
図2(b)には集塵装置1を側方からみた透視図が表される。
図3(a)には集塵装置1を斜め後方からみた斜視図が表され、
図3(b)には集塵装置1の蓋を外した状態の斜視図が表される。
【0032】
集塵装置1の本体10は、例えば円筒型に構成される。なお、本体10は、多角形型であってもよい。本体10は、ほぼ一定の内径を有する直胴部11を有する。直胴部11の開口端11b(本体10の他方端)には蓋12が着脱自在に設けられる。直胴部11の開口端11bとは反対側の後端11aには導入部13が設けられる。導入部13の導入パイプ131には吸引ダクト145が接続される。本実施形態では、集塵ノズル140から延びる2本の吸引ダクト145が導入部13の導入パイプ131に接続される。
【0033】
導入パイプ131は、筒状の本体10における内壁面の接線方向に延びる。2本の導入パイプ131のそれぞれは、内壁面の周において互いに180°ずれた位置で反対方向に延びるよう設けられる。
【0034】
吸引ダクト145から吸引された空気は、導入パイプ131から導入部13に送られ、ここで回転しながら本体10の内部に引き込まれることになる。導入部13で回転した空気は、本体10の内壁面に沿って旋回しながら進む回転気流となる。
【0035】
本体10の内部には、内壁面に沿って第1捕獲部20が設けられる。
図3(b)に示す例では、第1捕獲部20として筒状キャッチャ201が用いられる。筒状キャッチャ201は、筒状に構成されたスポンジや不織布である。筒状キャッチャ201は、スポンジや不織布を筒状に保持するための芯材201aを有する。芯材201aは、例えば本体10の内壁面に合わせた円形の針金であり、所定のピッチで複数本設けられている。
【0036】
このような筒状キャッチャ201が本体10の内壁面に沿って設けられていることで、回転気流によって遠心力で外側に分離した粉塵等を筒状キャッチャ201のスポンジや不織布で捕獲することができる。
【0037】
排気管30は、本体10の内部の途中から本体10の一方端を貫通して外部に延出している。筒状キャッチャ201によって粉塵等が捕獲され、浄化された空気は排気管30を通って外部に排出されることになる。
【0038】
図4は、回転気流による粉塵等の捕獲について例示する模式図である。
導入部13の導入パイプ131から本体10の内部に空気が引き込まれると、本体10の内部では矢印Aに示すような回転気流が発生する。この回転気流によって空気に含まれる粉塵等は遠心分離される。遠心分離された粉塵等は本体10の内壁面に沿って設けられた筒状キャッチャ201で捕獲される。
【0039】
すなわち、集塵装置1では、本体10の内部で回転気流を発生させて、その回転気流による遠心力で外側に分離する粉塵等を、本体10の内壁面側に押し付けられる力を利用して筒状キャッチャ201で捕獲する。そして、粉塵等が除去された空気は、矢印Bに示すように、本体10の内部の途中、中心部分から外部に延出する排気管30を通って外部に排出される。
【0040】
このように、本実施形態に係る集塵装置1では、空気を通過させるフィルタを用いることなく粉塵等を分離することができ、浄化された空気をフィルタによる圧力損失なく排出することができる。
【0041】
ここで、一般的に、サイクロン型の集塵機では、遠心分離した粉塵等を内壁面に沿って下方に落下させている。しかし、本実施形態に係る集塵装置1では、粉塵等を遠心分離させつつ、その遠心力を利用して第1捕獲部20で捕獲している。このため、本体10を下方に向けて(排気管30の吸い込み口を下に向けて)配置する必要はなく、本体10を水平または僅かに上方に(排気管30の口を上に向けて)配置しても集塵可能である。また、このように本体10を水平または上方にして配置することで、本体10を下方に向けて配置する場合に比べ、回転気流を第1捕獲部20に長時間接触させることができ、粉塵等の捕獲効率が高まる。
【0042】
また、集塵装置1では、本体10の内壁面に沿って第1捕獲部20が設けられていることで回転気流の空気抵抗は生じるものの、排気管30と第1捕獲部20との間における空気の流れによって回転気流を発生させることは可能である。通常のサイクロン型の集塵機とは異なり、遠心分離させた粉塵等を落下させることなく内壁面に設けられた第1捕獲部20で捕獲するため、内壁面を滑らかにしておく必要はない。なお、筒状キャッチャ201の芯材201aの形状を内壁面に合わせた円形にしておくことで、この芯材201aに沿って空気が回転しやすくなり、回転気流の発生を促すことができる。
【0043】
また、集塵装置1の本体10をほぼ水平に配置することで、蓋12を外して直胴部11から筒状キャッチャ201を水平方向に引き出すことで容易に取り出すことができ、メンテナンス性を向上させることができる。
【0044】
また、蓋12は、透光性を有する材料によって構成されていてもよい。これにより、蓋12を閉めた状態であっても本体10の内部の状況を把握しやすくなる。さらに、本体10の内部に照明(LED等)を設けてもよい。照明によって本体10の内部に設けられた第1捕獲部20の様子を把握しやすくなる。この際、本体10の一部(例えば、直胴部11の一部)に透光性を有する部分を設けてもよい。これにより、本体10の内部の照明から光を照らし、第1捕獲部20を介して本体10の外部にどの程度漏れるかによって、第1捕獲部20の汚れ具合を把握することができる。
【0045】
本実施形態に係る集塵装置1のように、本体10の内部における回転気流の外側にあたる内壁面に沿って第1捕獲部20を配置することで、粉塵等を捕獲しつつ、浄化された空気はフィルタによる圧力損失を受けることなく排出される。つまり、第1捕獲部20に粉塵等が捕獲されても、浄化された空気の流路には影響を与えないため、集塵効率の低下を抑制することができる。
【0046】
特に、対象物Wの材料によっては、加工によって対象物Wから発生する粉塵等に粘性の高い煙やヤニが含まれていることもある。このような粉塵等であっても第1捕獲部20でしっかり捕獲できるとともに、第1捕獲部20での目詰まりとは関係なく浄化された空気を排気管30へ導くことができる。したがって、排気管30および排気ダクト35の後段に吸引装置のフィルタが設けられていても、このフィルタの目詰まりによる負荷を軽減できるとともに、交換頻度を長くすることが可能になる。
【0047】
(水膜状キャッチャ)
図5は、水膜状キャッチャを例示する透視図である。
本実施形態に係る集塵装置1の第1捕獲部20として、筒状キャッチャ201の代わりに水膜状キャッチャ202を用いてもよい。水膜状キャッチャ202は、本体10の内部の回転気流によって内壁面に形成される液体の膜である。
【0048】
水膜状キャッチャ202を構成するには、本体10の内部に水等の液体を一定量貯めておき、この状態で吸引を行って回転気流を発生させる。これにより、貯めておいた液体が回転気流によって筒状の本体10の内壁面に回転しながら拡がり、液体の膜を構成する。液体の膜(水膜状キャッチャ202)は、気流に合わせて本体10の内部を回転移動していく。
【0049】
このように、円筒状の本体10の内部に液体の膜を張った様な状態となり、比重の重い粉塵や煙は液体の膜に押し当られ、液体に捕捉される。筒状の本体10の内部に張られた液体の膜は、吸引を停止すると本体10の下方に集まるため、粉塵等を吸収して汚れた液体は、本体10の下方に設けたドレン42より任意に排出することができる。また、排出ポンプ42aを使用することにより、運転中でも液体を排出することが可能になる。
【0050】
また、液体の排出にあわせ図示しないスプレーノズルや液体投入口より、新たな液体を投入することにより、液体の汚れを連続的に制御することが可能となる。また、水膜状キャッチャ202を用いる集塵装置1では、集塵作用によって浄化された空気を排出する際、空気に湿気を含ませることができる。したがって、この集塵装置1では、集塵効果とともに加湿効果を得ることができる。
【0051】
(液体投入ノズル)
図6(a)および(b)は、液体を投入するノズルを例示する模式図である。
図6(a)には集塵装置1を後ろ側からみた斜視図が表され、
図6(b)には集塵装置1の透視図が表される。
ノズル40は、例えば本体10の導入部13に取り付けられる。ノズル40は、液体を例えば霧状にして噴出させる。ノズル40から液体を投入すると、本体10へ吸引する空気にこの液体が混入することになる。ノズル40は、本体10に空気を吸入する前に液体を混入できる位置に設けられていることが望ましい。例えば、導入部13における導入パイプ131の直後、または集塵ノズル140の吸引ダクト145の接続部など、本体10の内部において回転気流が発生する前の段階で液体を混入できる位置にノズル40が配置される。
【0052】
このように、吸引した空気に液体を混入した状態で本体10に取り入れ、回転気流を発生させることにより、空気の温度を下げると同時に湿気が高まり、液体の混ざった粉塵等の質量を大きくすることができる。これにより、たとえ小さな粉塵等であってもより効果的に遠心分離を行うことができるようになる。本体10の内部に液体が溜まった場合には、ドレン42から排出すればよい。
【0053】
ここで、ノズル40から投入する液体としては、水のほか、VOC消臭液、微酸性電解水、次亜塩素酸ナトリウム水および銀イオン水のうち選択された少なくとも1つを含んでいてもよい。これにより、加工により発生した臭気を除去することができる。
【0054】
なお、ノズル40から液体を投入する際、第1捕獲部20として筒状キャッチャ201を用いても、水膜状キャッチャ202を用いてもよい。筒状キャッチャ201を用いた場合には、湿気によって質量の増した粉塵等を効率良く捕獲できる。また、水膜状キャッチャ202を用いる場合には、ノズル40から投入する液体を水膜状キャッチャ202として利用してもよい。
【0055】
(第2捕獲部)
図7(a)〜
図9(c)は、第2捕獲部を例示する模式図である。
図7(a)〜
図8(a)では、蓋12を開けた状態で本体10の正面からみた模式図が表される。
図8(b)では、第2捕獲部60の斜視図が表される。
図9(a)〜
図9(c)では、排気管30および第2捕獲部60の正面図が表される。
本実施形態に係る集塵装置1において、排気管30に第2捕獲部60が設けられていてもよい。
【0056】
図7(a)に示す例では、排気管30の内側(内壁面)に沿って第2捕獲部60が設けられている。この第2捕獲部60は、内筒型キャッチャ601である。内筒型キャッチャ601は、排気管30の内壁面に沿って配置された円筒型のスポンジや不織布である。排気管30の内側に内筒型キャッチャ601が設けられていることで、第1捕獲部20で捕獲しきれず粉塵等が僅かに含まれた空気が排気管30に吸い込まれる際に、内筒型キャッチャ601で空気に含まれる粉塵等を捕獲することができる。
【0057】
図7(b)に示す例では、排気管30の外側(外壁面)に沿って第2捕獲部60が設けられている。この第2捕獲部60は、外筒型キャッチャ602である。外筒型キャッチャ602は、排気管30の外壁面に沿って配置された円筒型のスポンジや不織布である。本体10の内部で発生する回転気流によって、比較的重い粉塵等は回転気流の外側の第1捕獲部20で捕獲される。一方、第1捕獲部20で捕獲されなかった比較的軽い粉塵等は回転気流の内側の第2捕獲部60で捕獲される。
【0058】
なお、第2捕獲部60として、内筒型キャッチャ601および外筒型キャッチャ602の両方を備えていてもよい。
【0059】
図8(a)に示す例では、排気管30の内側に設けられる第2捕獲部60として、放射型キャッチャ603が設けられている。放射型キャッチャ603は、排気管30の中心部から放射状に延びる複数のキャッチャ部603aを備える。
図8(a)に示す例では、一例として、45度間隔で8本のキャッチャ部603aが設けられている。排気管30に吸い込まれた空気は、隣り合うキャッチャ部603aの隙間を通って排出される。この際、キャッチャ部603aに空気が接触することで、空気に含まれる粉塵等を捕獲することができる。
【0060】
図8(b)に示すように、第2捕獲部60は、複数の放射型キャッチャ603を重ねた構成であってもよい。この際、複数の放射型キャッチャ603を、中心軸回りに少しずつ回転させながら重ね合わせるようにしてもよい。例えば、本体10の回転気流の回転方向が正面からみて右回転になる場合、排気管30の吸い込み口側から奥に向けて放射型キャッチャ603を僅かに右回転させながら重ねていく。回転角度は、キャッチャ部603aの厚さに相当する角度以下にする。
【0061】
これにより、重ね合わせの方向において複数のキャッチャ部603aによって捻られた壁が構成され、複数の放射型キャッチャ603を通過する空気に、本体10の回転気流と同じ方向の回転が加えられる。排気管30内での空気の回転によって、本体10の回転気流も安定することになる。したがって、空気は本体10から排気管30内へ効率良く吸い込まれ、空気に含まれる粉塵等は、キャッチャ部603aに接触する際に捕獲される。
【0062】
図9(a)に示す例では、排気管30の内側に設けられる第2捕獲部60として、ハニカム型キャッチャ604が設けられている。ハニカム型キャッチャ604のハニカムの大きさや個数は、排気管30に吸い込まれる空気の圧力損失が粉塵等の捕獲量によって実質的に増加しないよう設定される。
【0063】
図9(b)に示す例では、排気管30の内側に設けられる第2捕獲部60として、同心円型キャッチャ605が設けられている。同心円型キャッチャ605では、中心部の空気の流れを妨げにくくすることができる。
【0064】
図9(c)に示す例では、排気管30の内側に設けられる第2捕獲部60として、スパイラル型キャッチャ606が設けられている。スパイラル型キャッチャ606では、放射方向の支柱が不要になり、空気の流れを妨げにくくすることができる。また、スパイラル型キャッチャ606は、外側から内側にかけて軸方向に延ばした形状になっていてもよい。
【0065】
内筒型キャッチャ601、放射型キャッチャ603、ハニカム型キャッチャ604、同心円型キャッチャ605およびスパイラル型キャッチャ606のような排気管30の内側に設けられる第2捕獲部60においては、排気管30における空気の流路を覆うような網目の詰まったフィルタ状のものではなく、大きな流路が設けられたものである。
【0066】
ここで、排気管30内の風量は最大25m
3/分、風速は計算値で最大50m/秒になり、稼働中の本体10内部と大気圧との差圧は500Pa〜1000Pa程度になる。したがって、排気管30の内側に設けられる第2捕獲部60の圧力損失は50Pa以内に設定されることが望ましい。
【0067】
一般に、排気管30の覆うようなフィルタの圧力損失は、風量が増すのと比例して大きくなる。一方、本実施形態における第2捕獲部60は、フィルタとは異なり、風量が変わっても圧力損失の変化は非常に小さい。また、フィルタの圧力損失は、粉塵保持容量が増えるに従い大きくなるが、本実施形態における第2捕獲部60の圧力損失は、粉塵捕獲量が増加しても実質的に変化しない。
【0068】
本実施形態に係る集塵装置1では、本体10の内部で発生する回転気流での遠心力を利用して粉塵等を第1捕獲部20で捕獲する。第2捕獲部60は、第1捕獲部20で捕獲しきれなかった粉塵等を排気管30の吸い込み口近傍で捕獲することができる。したがって、第2捕獲部60は、排気管30の吸い込み口近傍から少なくとも排気管30の途中まで設けられていれることが望ましい。
【0069】
また、第2捕獲部60におけるスポンジや不織布の目の粗さを、第1捕獲部20(筒状キャッチャ201)におけるスポンジや不織布の目の粗さと変えるようにしてもよい。すなわち、第1捕獲部20では比較的重い粉塵等を捕獲しやすく、第2捕獲部60では比較的軽い粉塵等を捕獲しやすい。したがって、第2捕獲部60の目の粗さを、第1捕獲部20の目の粗さよりも細かくしておくとよい。同様に、第2捕獲部60の材料を、第1捕獲部20(筒状キャッチャ201)の材料と変えるようにしてもよい。
【0070】
(給水部)
図10は、給水部を例示する模式図である。
本実施形態に係る集塵装置1において、排気管30と吸引装置200との間に給水部50が設けられていてもよい。排気管30には排気ダクト35が接続され、その先に吸引装置200が設けられる。吸引装置200は、吸引装置本体210と、フィルタ部220と、吸引ポンプ230とが設けられる。排気ダクト35は、排気管30と、吸引装置200のフィルタ部220に設けられた接続口215との間に接続される。
【0071】
給水部50は、例えば排気ダクト35の途中に設けられる。給水部50は、排気ダクト35の内部に給水する機能を有する。ここで、給水には、水のほか、VOC消臭液、微酸性電解水、次亜塩素酸ナトリウム水および銀イオン水のうち選択された少なくとも1つを含む液体を供給することを含む。また、供給には、噴霧および放水が含まれる。給水部50から排気ダクト35の内部に給水することで、排気ダクト35を通る空気の湿度が高められ、空気に含まれる僅かな塵を吸引装置200の手前の排気ダクト35の内壁に付着させることができる。これにより、排気ダクト35自体がフィルタの役目を果たし、吸引装置200に設けられたフィルタ部220の目詰まりによる負荷を軽減できるとともに、フィルタ部220の清掃や交換の頻度を長くすることが可能になる。
【0072】
排気ダクト35の途中には、排出用ドレン(図示せず)が設けられていてもよい。給水部50から供給した水や液体を排気ダクト35の内部に貯めておき、溜まった水や液体を定期的に排出用ドレンから排出すればよい。
【0073】
(集塵ノズル)
図11は、集塵ノズルの例を示す断面図である。
本願発明者は、
図8に示す集塵ノズル140を創出し、特許に至った(特許第5729739号)。
【0074】
すなわち、この集塵ノズル140は、レーザ出射ヘッド130から出射されるレーザ光の回りを取り囲むことができる回転対称の形状を有する。集塵ノズル140は、レーザ光の走査エリア21を形成するために必要な錐状の空間23を取り囲む。
【0075】
この集塵ノズル140の下縁29と対象物Wとの間には隙間31が設けられ、周囲の空気を集塵ノズル140内へ供給する。加えて、集塵ノズル140の下端には、圧縮空気供給口33が接続され、圧縮空気を集塵ノズル140内へ供給し、これによっても集塵ノズル140内に旋回流を生じさせる。
【0076】
集塵ノズル140のスカート部25には吸引ダクト145が接続される。この吸引ダクト145は、スカート部25の水平断面において接線方向へ接続し、図示しない蛇腹管などにより連通する吸引ポンプの負圧により、排気をおこなう。これにより集塵ノズル140内に旋回流36を生じさせる。
【0077】
この集塵ノズル140によれば、集塵ノズル140の下縁29と対象物Wとの間に設けられた隙間31から集塵ノズル140内へ供給された空気41、および、集塵ノズル140の下端の圧縮空気供給口33から集塵ノズル140内へ供給された空気は、レーザ加工部位の近傍の空気をほぼ巻き込んで、上昇流となり、集塵ノズル140の回転対称の形状に沿って旋回流36となり、回転対称の形状の接線方向へ、吸引ダクト145を通って排気される。さらに昇降部27の上縁とレーザ出射ヘッド130との隙間32から供給される空気45は、下降流となって旋回流36に合流し、吸引ダクト145を通って排気される。
【0078】
このような集塵ノズル140を用いることで、加工機100における加工の際の粉塵等を効率良く吸引することができる。このような吸引効率の高い集塵ノズル140を用いた場合、通常のフィルタを用いた集塵機では、短時間でフィルタの目詰まりを起こしてしまう。そこで、本実施形態に係る集塵装置1を適用することで、粉塵等の効率のよい吸引から、目詰まりを発生させずに効果的な集塵を実現することができる。
【0079】
以上説明したように、実施形態に係る集塵装置1によれば、対象物Wの加工により発生した粉塵等を、フィルタを用いることなく分離して除去することが可能になる。
【0080】
なお、上記に本実施形態およびその具体例を説明したが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。例えば、レーザ出射ヘッド130は一軸方向に移動する移動ユニット150に設けられる場合のほか、多関節アームに設けられていてもよい。また、前述の各実施形態またはその具体例に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除、設計変更を行ったものや、各実施形態の特徴を適宜組み合わせたものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に包含される。
【解決手段】本発明は、加工される対象物から発生する煙や粉塵を吸引して引き込むダクトの途中に設けられる加工機用の集塵装置であって、筒型に設けられ、吸引する空気によって内部に回転気流を発生させる本体と、本体の内壁面に沿って設けられ、回転気流によって空気から分離された煙や粉塵を捕獲する第1捕獲部と、本体の内部の途中から、本体の一方端を貫通して外部に延出する排気管と、を備えたことを特徴とする。