(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6014769
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月25日
(54)【発明の名称】EMF検出及び修正を用いたプロセス変量トランスミッタ
(51)【国際特許分類】
G01K 7/20 20060101AFI20161011BHJP
【FI】
G01K7/20 Z
【請求項の数】22
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-534552(P2015-534552)
(86)(22)【出願日】2013年9月18日
(65)【公表番号】特表2015-532421(P2015-532421A)
(43)【公表日】2015年11月9日
(86)【国際出願番号】US2013060313
(87)【国際公開番号】WO2014052110
(87)【国際公開日】20140403
【審査請求日】2015年5月25日
(31)【優先権主張番号】13/629,127
(32)【優先日】2012年9月27日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】597115727
【氏名又は名称】ローズマウント インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】特許業務法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】ルッド,ジェイソン・エイチ
【審査官】
深田 高義
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許第05563587(US,A)
【文献】
米国特許第06356191(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01K 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
検知されたプロセス変量を示す、センサからのセンサ信号を受信するアナログ・デジタル(A/D)変換器であって、前記センサ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器と;
制御信号を前記センサに提供し、前記デジタル信号を受信し、前記デジタル信号を示す計測出力を提供するプロセッサと;
前記プロセッサが前記制御信号を前記センサに提供するよりも先に、前記センサからの既存の入力を受信し、前記既存の入力のレベルを示す検出信号を前記プロセッサに提供し、前記既存の入力を使用して前記センサ信号を補償し、補償された前記センサ信号を前記センサ信号として提供する、検出コンポーネントと、
を含む、
プロセス変量トランスミッタ。
【請求項2】
前記センサ信号が、前記検知されたプロセス変量を示す電圧を含み、
前記検出コンポーネントが、前記既存の入力を既存の電圧として受信する、
請求項1記載のプロセス変量トランスミッタ。
【請求項3】
前記プロセッサに制御可能に接続されており、前記制御信号を制御電流として前記センサに提供する電流源を、
さらに含む、
請求項2記載のプロセス変量トランスミッタ。
【請求項4】
前記センサが、抵抗温度デバイスを含み、前記制御電流が、検知された温度を示す電圧を取得するために前記抵抗温度デバイスに印加される励磁電流を含む、
請求項3記載のプロセス変量トランスミッタ。
【請求項5】
前記検出コンポーネントが、前記既存の電圧を蓄える、
請求項3記載のプロセス変量トランスミッタ。
【請求項6】
前記検出コンポーネントが、前記A/D変換器が前記センサ信号を受信する前に、前記A/D変換器によって受信される前記センサ信号が補償されたセンサ信号を含むように、前記既存の電圧で補償する、
請求項5記載のプロセス変量トランスミッタ。
【請求項7】
前記検出コンポーネントが、前記センサ信号から前記既存の電圧を減算することによって、前記センサ信号を補償し、前記補償されたセンサ信号を取得する、
請求項6記載のプロセス変量トランスミッタ。
【請求項8】
前記減算が、ハードウェアコンポーネントによって実行される、
請求項7記載のプロセス変量トランスミッタ。
【請求項9】
前記検出コンポーネントが、ストレージコンデンサに前記既存の電圧を蓄え、前記ストレージコンデンサが、前記センサ信号から前記既存の電圧を減算するために、前記A/D変換器への入力に切り替えられる、
請求項8記載のプロセス変量トランスミッタ。
【請求項10】
前記A/D変換器が、A/D変換機構に接続された差動増幅器を包含し、前記検出コンポーネントが、前記差動増幅器への入力時に前記センサ信号を補償する、
請求項7記載のプロセス変量トランスミッタ。
【請求項11】
前記検出コンポーネントが、前記既存の電圧のレベルを示す前記検出信号を前記プロセッサに提供し、前記プロセッサが、前記既存の電圧が所定の閾値電圧を超えた場合の、前記既存の電圧が過剰であることを示す出力を提供する、
請求項10記載のプロセス変量トランスミッタ。
【請求項12】
前記プロセッサが、制御ループを通じて前記出力を提供する、
請求項11記載のプロセス変量トランスミッタ。
【請求項13】
前記制御ループが、4〜20ミリアンペア制御ループを含む、
請求項12記載のプロセス変量トランスミッタ。
【請求項14】
前記A/D変換器が、熱電対から前記センサ信号を受信する、
請求項1記載のプロセス変量トランスミッタ。
【請求項15】
前記プロセッサが、前記A/D変換器の一部である、
請求項1記載のプロセス変量トランスミッタ。
【請求項16】
前記プロセッサが、前記A/D変換器とは別個の第一のプロセッサ、及び、A/D変換器の一部である第二のプロセッサを含む、
請求項1記載のプロセス変量トランスミッタ。
【請求項17】
プロセス制御システムにおいてプロセス変量を検知するための方法であって、:
センサからの前記プロセス変量を示すセンサ信号を取得するための制御信号を、前記センサに提供する工程と;
前記センサ信号を、アナログ信号からデジタル信号に変換する工程と;
前記デジタル信号を示す出力をプロセス制御ループに提供する工程と;
前記制御信号を提供するよりも先に、前記センサにおける既存の信号レベルを検出する工程であって、前記既存の信号レベルは、前記制御信号を提供する前の前記センサにおける既存の電圧を含む工程と;
前記制御信号を提供した後であって、前記センサ信号を前記デジタル信号に変換する前に、前記既存の信号レベルで前記センサ信号を補償する工程と、
を含む、
方法。
【請求項18】
前記既存の信号レベルが所定の閾値レベルを超えたか否かを検出する工程と;
超えた場合に、前記既存の信号レベルが前記所定の閾値レベルを超えたことを示す前記出力を前記プロセス制御ループに提供する工程と、
をさらに含む、
請求項17記載の方法。
【請求項19】
前記センサが、抵抗性デバイスを含み、
前記制御信号の提供が:
励磁電流の前記抵抗性デバイスへの提供を含む、
請求項18記載の方法。
【請求項20】
前記センサ信号の変換が、計測回路によって実行され、前記センサ信号が、センサ電圧を含み、
補償が:
前記励磁電流を提供するよりも先に、コンデンサに前記既存の電圧を蓄える工程と;
前記センサ電圧を前記デジタル信号に変換するよりも先に、前記センサ電圧から前記既存の電圧を減算するために、前記コンデンサを前記計測回路に切り替える工程と、
を含む、
請求項19記載の方法。
【請求項21】
プロセス変量を検知し、前記検知されたプロセス変量を示すアナログセンサ信号を提供するセンサであって、制御信号を受信し、前記制御信号に応答して前記アナログセンサ信号を出力するように制御可能な前記センサと;
前記センサからの前記アナログセンサ信号を受信するアナログ・デジタル(A/D)変換器であって、前記アナログセンサ信号をデジタル信号に変換する前記A/D変換器と;
前記A/D変換器に接続されており、前記制御信号を前記センサに提供し、前記デジタル信号を受信し、前記デジタル信号を示す計測出力を提供するプロセッサと;
前記プロセッサが前記制御信号を前記センサに提供するよりも先に、前記センサにおける既存の信号レベルを検出し、前記既存の信号レベルを示す検出信号を前記プロセッサに提供する検出コンポーネントであって、前記プロセッサが前記制御信号を前記センサに提供した後に、前記アナログセンサ信号を前記既存の信号レベルで補償する検出コンポーネントと、
を含む、プロセス変量トランスミッタと;
制御ループであって、前記プロセッサが、前記制御ループ上に前記計測出力を提供する制御ループと、
を含む、
プロセス制御システム。
【請求項22】
前記センサが、温度センサを含み、前記制御信号が、前記温度センサのための励磁電流 を含む、
請求項21記載のプロセス制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
背景
本発明は、プロセス制御及び監視システムに使用されるプロセス変量トランスミッタに関する。より具体的には、本発明は、センサにわたるEMF電圧の監視に関する。
【0002】
プロセス変量トランスミッタは、プロセス制御又は監視システムにおけるプロセスパラメータを計測するために使用される。マイクロプロセッサベースのトランスミッタは、多くの場合、センサ、センサからの出力をデジタル形式に変換するためのアナログ・デジタル(A/D)変換器、デジタル化された出力を補償するためのマイクロプロセッサ及び補償された出力を送信するための出力回路を包含する。現在、この送信は、通常、プロセス制御ループ、例えば、4〜20ミリアンペア制御ループを通じて又は無線で行われる。
【0003】
そのようなシステムによって計測される一つの例示的なパラメータに温度がある。温度は、時として白金抵抗温度計(PRT)と呼ばれることもある抵抗性の温度デバイス(RTD)の抵抗値又は熱電対からの電圧出力を計測することによって検知される。当然ながら、これらのタイプの温度センサは、単に例示的なものであり、他のものも同じように使用できる。同様に、温度は、単に一つの例示的なプロセス変量であり、例として、pH、圧力、流量などを包含する種々の他のプロセス制御パラメータを同じように計測できる。それ故に、本論議は、温度センサに関して進行するが、他のパラメータの検知に関しても論議を同じように容易に進行できることが認識される。
【0004】
温度センサと計測トランスミッタとの間には、故障又は劣化し得る多くの接続点が存在する。接続点又は計測線が高いレベルの抵抗値を有する場合には、センサ計測の正確性に影響を及ぼす小電流がこれらの接続点又は線に誘導されることがある。センサ接続点及び計測線は、劣化することがあり、したがって、配線の摩損、腐食に起因して、これらの高いレベルの抵抗値が見られる又は単に接続不良となることがある。これらの場合のいずれも、温度センサにわたり又は計測ループにおいて小電圧が発生し始めることがあり、温度変化に敏感になり得る可能性がある。これらの電圧は、計測の不正確性を引き起こすことがある。
【0005】
一つの具体的な例として、抵抗温度検出器(又は、RTD)によるオーム計測は、比率計算により、最大で6つの個々の電圧点を使用することによって生成される。これらの計測値のすべてを収集するには約60ミリ秒かかる。RTD計算における代表的な方程式では、重要であり得かつRTD計算に送り込むことができる一つの項によって、トランスミッタの最終出力に有意なレベルの正確性が提供される。この項は、計測線における計測に先在し、V
emfと呼ばれる残留電圧である。
【0006】
V
emfの値を取得するために、RTDにわたって励磁電流が全く誘導されない場合には、最大で二回、60ミリ秒間、センサごとに電圧計測値が得られる。これらの計測値は、他の事柄の中でも、摩損、腐食又は接続不良に起因してセンサ配線に誘導されることがある熱電圧を表す。これらの計測値は、励磁電流が存在する場合には、ソフトウェアにおいて、RTDにわたって計測された電圧降下から減算できる。米国特許第6,356,191号は、このプロセスに関し、このプロセスは非常によく機能する。
【0007】
しかしながら、V
emfに関する計測値を収集するには時間がかかる。例えば、一つの従来のシステムでは、V
emf計測値を収集するのにかかる時間は、センサごとに約120ミリ秒である。これが温度トランスミッタにおける更新速度に悪影響を与えることがある。
【0008】
概要
差動電圧がプロセス変量に関する、センサのパラメータを計測するのに使用される。差動電圧の計測よりも先に、センサにわたる既存の電圧がストレージコンデンサにラッチされる。ストレージコンデンサにラッチされた電圧は、センサにわたる差動電圧から減算される。減算は、計測がデジタル値に変換される前に行なわれる。これにより、差動電圧の計測における不正確性を低減する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】プロセス流体の温度を検知する温度センサを包含する工業プロセス制御システムを示す簡略図である。
【
図2】
図1のトランスミッタをより詳細に図示するブロック図である。
【
図3A】EMF検出コンポーネントを備えたトランスミッタをより詳細に示す例示的な概略及び部分ブロック図である。
【
図3B】EMF検出コンポーネントを備えたトランスミッタをより詳細に示す例示的な概略及び部分ブロック図である。
【
図4】
図3に示す回路の動作の一つの例を示すフロー図である。
【0010】
詳細な説明
図1は、工業プロセス制御システム5の簡略図である。
図1では、プロセス配管7がプロセス流体を伝える。プロセス変量トランスミッタ10がプロセス配管7に接続するように構成される。トランスミッタ10は、プロセス変量センサ18を包含し、これは一つの態様では、抵抗温度デバイス又は他の温度センサを含む。しかしながら、これは単に例示的なものであり、センサ18は、流量センサ、pHセンサ、圧力センサなどを包含する任意の種々の他のセンサでもよい。
【0011】
トランスミッタ10は、情報をリモート位置、例えば、プロセス制御室6に送信する。送信は、プロセス制御ループ、例えば、2線式制御ループ11を通じて行うことができる。プロセス制御ループは、例として、4〜20ミリアンペアプロセス制御ループ、デジタル通信を伝えるプロセス制御ループ、無線プロセス制御ループなどを包含する任意の所望の形式に従うことができる。
図1に示す例では、プロセス制御ループ11は、制御室6における電源6Aによって給電される。この電力は、電力をプロセス変量トランスミッタ10に提供するのに使用される。検知抵抗器6Bは、ループ11を通り流れる電流を検知するのに使用できるが、他の機構も同じように使用できる。
【0012】
図2は、
図1に示す工業プロセス制御システム5の一部分のブロック図であり、トランスミッタ10が一層詳細に示されている。
図2では、実例として、センサ18がプロセス変量トランスミッタであり、検知されているプロセスからの入力14を受信する。実例として、入力は、配管7を通り流れるプロセス流体であり、実例として、センサ18は、温度センサ、例えば、抵抗温度デバイスである。実例として、センサ18は、検知されたパラメータ(例えば、温度)を示すアナログ出力20を、トランスミッタ10内のA/D変換器22に提供する。
【0013】
一つの態様では、実例として、アナログ信号を増幅及びフィルタリングする回路(
図2には示さない)に、センサ18からの出力20が適宜提供されることが留意されるべきである。これは、センサ18の一部又はトランスミッタ10もしくは別個の回路でもよい。いずれの場合も、増幅及びフィルタリングされた信号20は、その後、A/D変換器22に提供される。A/D変換器22は、センサ18によって提供されるアナログ信号20のデジタル表現であるデジタル化された出力をプロセッサ24に提供する。
【0014】
プロセッサ24は、付随するメモリ及びクロック回路を包含し、プロセス制御ループ11を通じて検知されたパラメータに関する情報を提供する。プロセッサ24は、入力/出力(I/O回路)を包含でき又はI/O回路は別個に提供され得、この回路がループ11におけるデジタル形式の情報を又は電流フローを制御することによってループ11ではあるがアナログ形式の情報を送信することが留意されるべきである。したがって、検知されたパラメータに関する情報は、トランスミッタ10によってプロセス制御ループ11を通じて提供される。プロセッサ24は、この態様において、A/D変換器22と別個のものとして示される。しかしながら、以下に論じるように、これはA/D変換器22に包含することができ又はA/D変換器22は、プロセッサ24とは別個の、A/D変換器22の他の部分及びEMF補償を制御するそれ特有の状態機械もしくはプロセッサを有することができる。本記述は、単なる例として提供される。
【0015】
図2は、トランスミッタ10がプロセッサ24によって制御される電流源30を包含することも示す。電流源30は、必要に応じて、センサ18に励磁電流(制御信号とも呼ばれる)を提供できる。例えば、センサ18が抵抗温度デバイスである場合には、電流源30は、抵抗温度デバイスにわたって励磁電流を提供し、このため抵抗温度デバイスにわたる電圧を使用して、流体の検知された温度を示す出力20を提供できる。
【0016】
図2に示す態様は、A/D変換器22がEMF検出コンポーネント26を包含することも図示する。EMF検出コンポーネント26は、励磁電流の印加よりも先に、センサ18の既存のEMF電圧を検出する。コンポーネント26は、A/D変換器22の内部又は外部のどちらにもあることができる。
図2に示す例では、A/D変換器22の内部に示されるが、これは単なる例である。EMF検出コンポーネント26は、検出された既存のEMF電圧のレベルを示す出力をプロセッサ24に提供し、励磁電流が印加される場合に、既存のEMF電圧に関連させて信号20を修正するために、信号20における電圧から既存のEMF電圧を減算するようにも構成される。
【0017】
図3Aは、トランスミッタ10のより詳細な図であり、
図2と同様の部材には同じ番号が付けられている。
図3Aは、A/D変換器22及びEMF検出コンポーネント26についてもより詳細に具体的に示す。
図3Aに示す態様では、実例として、A/D変換器22は、差動増幅器32及びシグマデルタ変換器34を包含する。当然ながら、シグマデルタ変換器34は、単なる例として示され、他の変換機構も同じように使用できる。
【0018】
図3Aは、EMF検出コンポーネント26が実例としてレベル検出器26、スイッチS1、S2及びS3ならびにコンデンサC1を包含することも示す。
図3Aは、センサ18がそれぞれ、入力端子42及び44に接続できる二つのリード38及び40を有することを示す。一つの態様では、端子42及び44にわたる電圧は、電圧源46によって表されるEMF電圧に加えて、センサ18によって検知される温度を示す。センサ18は、実例として、それぞれ、二つの追加の端子に接続された二つの追加のリードを持つ4リードセンサでもよい。これは、以下に記述する
図3Bに関して一層詳細に示される。しかしながら、本例示の目的のために、記述を、端子42及び44に接続された二つのリードを有するセンサ18に関して進行する。
【0019】
EMF検出コンポーネント26のより詳細な動作を、
図4に関して以下に記述する。しかしながら、簡潔に言えば、励磁電流I
rtdがセンサ18にわたり提供される前に、端子42及び44にわたる電圧が最初にコンデンサC1にわたりラッチされる。これにより、事実上、ストレージコンデンサC1に、センサ18における既存の電圧(すなわち、EMF電圧46)が蓄えられる。その後、スイッチS2を開き、スイッチS1及びS3を閉じる。プロセッサ24が電流源30を制御して、センサ18にわたって励磁電流I
rtdを印加し、センサ18にわたる電圧を生じさせて温度計測を行う。この回路構成は、差動増幅器32に入力される前に、端子42及び44にわたる電圧からコンデンサC1における電圧を減算するように動作する。換言すれば、差動増幅器32に入力される、端子42と回路ノード60との間の電圧差は、コンデンサC1に以前から電圧が蓄えられているので、それから事実上取り除かれたEMF電圧46を有する。同時に、レベル検出器36がEMF電圧46を示す、コンデンサC1にわたる電圧レベルを検出する。一つの態様では、レベル検出器36は、EMF電圧と、経験的に又は別の方法で設定できる一以上の閾値とを比較するコンパレータである。EMF電圧が任意の閾値を超えた場合には、検出器36は、この表示をプロセッサ24に出力する。プロセッサ24は、その後、EMF電圧が過剰であり、さらなる作用を要するか否かを決定できる。
【0020】
それ故に、差動増幅器32は、端子42及び44にわたる電圧から減算されたので、EMF電圧46ではなく、センサ18にわたる電圧を示す出力をシグマデルタ変換器34に提供する。レベル検出器36からの出力及び変換器34からの出力は、さらなる処理のためにプロセッサ24に提供される。
【0021】
図4は、トランスミッタ10の動作をより詳細に図示する。トランスミッタ10の動作を、互いに関係する
図2、
図3A及び
図4に関してここに記述する。
【0022】
プロセッサ24は、最初に、スイッチS2を閉じ、スイッチS1及びS3を開くための制御信号を提供する。これは、
図4のブロック80に示され、プロセッサ24が電流源30を制御して抵抗器18にわたって励磁電流I
rtdを印加する前に行なわれる。それ故に、これはストレージコンデンサC1にわたって既存のEMF電圧をラッチする効果を有する。これを
図4のブロック82に示す。
【0023】
プロセッサ24は、その後、スイッチS2を開き、スイッチS1及びS3を閉じる。これを
図4のブロック84に示す。プロセッサ24は、その後、電流源30を作動させて、センサ18にわたって励磁電流I
rtdを印加する。これを
図4のブロック86に示す。
【0024】
それ故に、EMF電圧46とともにセンサ18にわたる電圧が端子42及び44にわたって印加される。コンデンサC1が入力電圧からEMF電圧を減算するように作用し、このため差動増幅器32の入力に印加される(端子42及びノード60にわたる)電圧が実質的に単にセンサ18にわたる電圧となる。差動増幅器32への入力時に、センサ入力電圧からEMF電圧を減算することを、
図4のブロック88に示す。
【0025】
差動増幅器32は、その後、センサ18にわたる電圧の計測を示す入力をシグマデルタ変換器34に提供する。これを
図4のブロック90に示す。
【0026】
変換器34は、その後、差動増幅器32によって出力された計測信号をデジタル化し、センサ電圧のデジタル表現をプロセッサ24に提供する。これを
図4のブロック92に示す。
【0027】
レベル検出器36がコンデンサC1にわたる電圧レベルを検出し、これはEMF電圧46と実質的に等しい。先に論じたように、これは、コンデンサC1におけるEMF電圧と一以上の閾値とを比較することによって行うことができる。当然ながら、これは同じようにデジタル化できる。EMF電圧レベルの検出を、
図4のブロック94に示す。
【0028】
EMF電圧レベルがプロセッサ24に提供され、このためプロセッサ24は、EMF電圧が警告状態又はユーザが気付くべき他の問題を示すほど高いか否かを決定できる。例えば、電圧レベルが所定の閾値を超えた場合には、リード38及び40の過度の損耗もしくは腐食、端子42及び44のいずれかの接続不良、センサ18とA/D変換器22との接続に使用される配線の摩損もしくは腐食又は任意の種々の他の状態を示すことができる。例えば、熱勾配にさらされる場合には熱電対接合が生じることがあり、EMF電圧に追加する。これも、同じようにEMF電圧46に取り込まれる。特定の電圧閾値は、経験的に又は別の方法で設定でき、一つよりも多くの値を同じように設定できる。一つの態様では約+/−12mVに設定されるが、任意の他の所望の電圧レベルを同じように使用できる。EMF電圧レベルが過剰であるか否かの検出を、
図4のブロック96に示す。
【0029】
プロセッサ24は、EMF電圧レベルが過剰であると決定した場合には、ユーザが検出可能な過剰EMFインジケータを生成し、このためユーザはこの状態を知る。これを
図4のブロック98に示す。例えば、一つの態様では、プロセッサ24は、EMF電圧が過剰であることを示す状態ビットを単に設定し、その情報を、ループ11を使用して制御室6に送信する。当然ながら、他のタイプのインジケータも同じように使用できる。
【0030】
図3Aは、センサ18が端子42及び44のみに接続されていることを示すが、ここでもまた、これが単に例示的なものであることに留意されたい。
図3Bは、センサ18が端子52及び54にそれぞれ接続された追加のリード48及び50を持つ4リードセンサである態様を示す。励磁電流I
rtdが端子52における電流源30及びリード50からセンサ18に印加される。プロセッサ24は、端子42、44、52及び54からの入力を受信するマルチプレクサ53を制御し、このため所望の電圧が差動増幅器32及びEMF検出コンポーネント26に入力される。実質的にすべての励磁電流I
rtdが端子52及び54と抵抗器R1にわたるまでとの間を流れるので、端子42及び44との接続における電圧降下を大いに除去できる。これにより正確性が改善される。しかしながら、回路内に望ましくない既存の電圧46がなおも存在することがあり、
図3A及び
図4に関して先に述べたように、これは検出及び補償できる。
【0031】
熱電対(又は、他の電圧センサ)が使用される場合の態様では、センサからの電圧が存在するが、センサと接続する配線及び接合の高い抵抗性に起因する抵抗値もセンサループに存在する。この抵抗値が変化する場合には、いくつかのタイプの劣化状態、例えば、他の態様において先に言及したものを示すことがある。そのような態様では、センサループにおける抵抗値は、RTDの抵抗値を検知するのと同じ方法で、励磁電流を印加することによって計測できる。熱電対(又は、他のセンサ)電圧は、ループ抵抗値の計測を取得するために、(先に論じた既存のEMF電圧46のように)補償される。これを断続的に行ってループ抵抗値を監視できる。
【0032】
したがって、本システムがシステム内の任意の計測線又は端子に存在する残留(既存の)EMF電圧を自動的に補償すると理解できる。抵抗温度デバイスに関して記述したが、それらのループ抵抗値を計測するために、熱電対にも同じように適用できる。当然ながら、他のパラメータを検知する他のセンサに適用でき、温度は単なる例として記述されている。補償がハードウェアにおいて、極めて迅速に、センサ計測のデジタル化よりも先に行なわれることも理解できる。したがって、これは、計測回路の通常の整定時間以内において十分に実行できる。
【0033】
本発明を好ましい態様に関して記述したが、当業者は、本発明の本質及び範囲から逸することなく、形態及び詳細に変更を為せることがわかる。