【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、少なくとも一方の面にアクリル粘着剤からなる粘着剤層を有する粘着テープであって、前記粘着剤層は、60℃、湿度90%の条件でオレイン酸に24時間浸漬した後の膨潤率が100%以上、130%以下である粘着テープである。
以下、本発明を詳述する。
【0007】
本発明者らは、上記皮脂による粘着剤の剥離の問題に対して鋭意検討した結果、オレイン酸に浸漬した後の膨潤率が特定の範囲であるアクリル粘着剤を用いることによって、皮脂に曝された場合であっても粘着力を維持できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0008】
本発明の粘着テープは、少なくとも一方の面にアクリル粘着剤からなる粘着剤層を有し、上記粘着剤層は、60℃、湿度90%の条件でオレイン酸に24時間浸漬した後の膨潤率が100%以上130%以下である。
上記粘着剤層のオレイン酸膨潤率が上記範囲であることによって、本発明の粘着テープは皮脂の主成分であるオレイン酸による劣化に対して高い耐性を発揮し、人の手が頻繁に触れる部分に用いた場合であっても粘着テープの剥離を防ぐことができる。上記オレイン酸膨潤率の好ましい上限は120%、より好ましい上限は110%である。
なお、本明細書中における「膨潤率」とは、下記式のようにオレイン酸に浸漬する前の粘着剤の重量に対するオレイン酸に浸漬した後の粘着剤の重量の割合を百分率で表した値である。
膨潤率(重量%)=(オレイン酸浸漬後の粘着剤の重量/オレイン酸浸漬前の粘着剤の重量)×100
【0009】
上記範囲のオレイン酸膨潤率を有するアクリル粘着剤層を得る方法としては、アクリル粘着剤に(メタ)アクリレート共重合体を用いる方法が挙げられる。具体的には、例えば、(1)含フッ素(メタ)アクリレートに由来する構成単位を有する(メタ)アクリレート共重合体を含有するアクリル粘着剤を用いる方法や、(2)炭素数が2以下のアルキル基を有する(メタ)アクリレートに由来する構成単位を含有する(メタ)アクリレート共重合体を含有するアクリル粘着剤を用いる方法が挙げられる。以下、上記2種類のアクリル粘着剤について説明する。なお、本明細書中において(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。
【0010】
(1)含フッ素(メタ)アクリレートに由来する構成単位を有する(メタ)アクリレート共重合体を含有するアクリル粘着剤
上記アクリル粘着剤は、含フッ素(メタ)アクリレートに由来する構成単位を有する(メタ)アクリレート共重合体(以下、含フッ素(メタ)アクリレート共重合体と言う。)を含有することが好ましい。含フッ素(メタ)アクリレートに由来する構成単位は、フッ素自身が高い撥水撥油性を示すこと、また、フッ素原子の密なパッキングにより皮脂が分子鎖内に浸入しにくいこと等の理由により、得られる粘着テープに皮脂に対する高い耐性を付与することができる。また、上記アクリル粘着剤が含フッ素(メタ)アクリレート共重合体を含有しても、得られる粘着テープのタック性を維持することができる。
【0011】
上記含フッ素(メタ)アクリレートとしては、例えば、2,2,2−トリフルオロエチルアクリレート、2−(パーフルオロヘキシル)エチルアクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルアクリレート、2−(パーフルオロブチル)エチルアクリレート、3−パーフルオロブチル−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−パーフルオロヘキシル−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−(パーフルオロ−3−メチルブチル)−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、1H,1H,3H−テトラフルオロプロピルアクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチルアクリレート、1H,1H,7H−ドデカフルオロヘプチルアクリレート、1H−1−(トリフルオロメチル)トリフルオロエチルアクリレート、1H,1H,3H−ヘキサフルオロブチルアクリレート、1,2,2,2−テトラフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチルアクリレート等が挙げられる。中でも、皮脂に対する耐性が特に高いことから2,2,2−トリフルオロエチルアクリレートを用いることが好ましい。
【0012】
上記含フッ素(メタ)アクリレート共重合体中における上記含フッ素(メタ)アクリレートに由来する構成単位の含有量は、好ましい下限が30重量%、好ましい上限が80重量%である。上記含フッ素(メタ)アクリレートに由来する構成単位の含有量が30重量%以上であることで、オレイン酸膨潤率を上記範囲に調節しやすくなる。上記含フッ素(メタ)アクリレートに由来する構成単位の含有量が80重量%以下であることで、粘着剤が固くなり過ぎず、より粘着力に優れた粘着テープとすることができる。上記含フッ素(メタ)アクリレートに由来する構成単位の含有量のより好ましい下限は40重量%、より好ましい上限は60重量%である。
【0013】
上記含フッ素(メタ)アクリレート共重合体は、更に炭素数が2以下のアルキル基を有する(メタ)アクリレートに由来する構成単位を含有することが好ましい。上記含フッ素(メタ)アクリレート共重合体が、炭素数が2以下のアルキル基を有する(メタ)アクリレートに由来する構成単位を含有することで、皮脂に対する耐性を更に高めることができる。
【0014】
上記炭素数が2以下のアルキル基を有する(メタ)アクリレートとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレートが挙げられる。中でも、粘着剤が固くなり過ぎず、より粘着力に優れた粘着テープとすることができることから、エチルアクリレートを用いることが好ましい。
【0015】
上記含フッ素(メタ)アクリレート共重合体中における上記炭素数が2以下のアルキル基を有する(メタ)アクリレートに由来する構成単位の含有量は特に限定されないが、好ましい下限が15重量%、好ましい上限が40重量%である。上記炭素数が2以下のアルキル基を有する(メタ)アクリレートの含有量が上記範囲であることによって、得られる粘着テープの皮脂に対する耐性をより高めることができる。上記含フッ素(メタ)アクリレート共重合体中における上記炭素数が2以下のアルキル基を有する(メタ)アクリレートに由来する構成単位の含有量のより好ましい下限は20重量%、より好ましい上限は30重量%である。
【0016】
上記含フッ素(メタ)アクリレート共重合体は、更に、架橋性官能基を有するモノマーに由来する構成単位を含有することが好ましい。
上記含フッ素(メタ)アクリレート共重合体が上記架橋性官能基を有するモノマーに由来する構成単位を含有すると、架橋剤を併用したときに含フッ素(メタ)アクリレート共重合体鎖間が架橋される。その際、架橋度を調節することでゲル分率及び膨潤率を調節することができる。
【0017】
上記架橋性官能基としては、例えば、水酸基、カルボキシル基、グリシジル基、アミノ基、アミド基、ニトリル基等が挙げられる。なかでも、上記粘着剤層のゲル分率の調整が容易であることから、水酸基又はカルボキシル基が好ましい。上記水酸基を有するモノマーとしては、例えば、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。
カルボキシル基を有するモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸が挙げられる。
グリシジル基を有するモノマーとしては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレートが挙げられる。
アミド基を有するモノマーとしては、例えば、ヒドロキシエチルアクリルアミド、イソプロピルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド等が挙げられる。
ニトリル基を有するモノマーとしては、例えば、アクリロニトリル等が挙げられる。これらの架橋性官能基を有するモノマーは単独で用いてもよく、複数を併用してもよい。
【0018】
上記含フッ素(メタ)アクリレート共重合体中における上記架橋性官能基を有するモノマーに由来する構成単位の含有量は特に限定されないが、好ましい下限が1重量%、好ましい上限が5重量%である。上記架橋性官能基を有するモノマーに由来する構成単位の含有量が上記範囲であることによって膨潤率やゲル分率を上記範囲に調節しやすくなる。
【0019】
上記含フッ素(メタ)アクリレート共重合体は、本発明の効果を阻害しない範囲で、更に、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、ノニルアクリレート、イソボルニルアクリレート、ベンジルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、酢酸ビニル等に由来する構成単位を含んでいてもよい。
【0020】
上記含フッ素(メタ)アクリレート共重合体は、重量平均分子量の下限が50万、上限が200万であることが好ましい。上記含フッ素(メタ)アクリレート共重合体の重量平均分子量が上記範囲であることによって、得られる粘着テープをより粘着力に優れるものとすることができる。上記含フッ素(メタ)アクリレート共重合体の重量平均分子量のより好ましい下限は60万、より好ましい上限は120万である。なお、重量平均分子量は、重合条件(例えば、重合開始剤の種類又は量、重合温度、モノマー濃度等)によって調整できる。
【0021】
上記含フッ素(メタ)アクリレート共重合体を合成するには、上記構成単位の由来となるアクリルモノマーを重合開始剤の存在下にてラジカル反応させればよい。重合方法は特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。例えば、溶液重合(沸点重合又は定温重合)、エマルジョン重合、懸濁重合、塊状重合等が挙げられる。中でも、合成が簡便であることから溶液重合が好ましい。
【0022】
重合方法として溶液重合を用いる場合、反応溶剤として、例えば、酢酸エチル、トルエン、メチルエチルケトン、メチルスルホキシド、エタノール、アセトン、ジエチルエーテル等が挙げられる。これらの反応溶剤は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0023】
上記重合開始剤は特に限定されず、例えば、有機過酸化物、アゾ化合物等が挙げられる。上記有機過酸化物として、例えば、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシピバレート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート等が挙げられる。上記アゾ化合物として、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル等が挙げられる。これらの重合開始剤は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0024】
上記含フッ素(メタ)アクリレート共重合体を含有するアクリル粘着剤は架橋剤を含有することが好ましい。上記含フッ素(メタ)アクリレート共重合体が上記架橋性官能基を有するモノマーに由来する構成単位を有する場合、架橋剤によって架橋構造を構築することができる。
上記架橋剤は特に限定されず、例えば、イソシアネート系架橋剤、アジリジン系架橋剤、エポキシ系架橋剤、金属キレート型架橋剤等が挙げられる。なかでも、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤が好ましい。
上記架橋剤の配合量は、上記含フッ素(メタ)アクリレート共重合体を含有するアクリル粘着剤100重量部に対して0.01〜10重量部が好ましく、0.1〜5重量部がより好ましい。
【0025】
上記含フッ素(メタ)アクリレート共重合体を含有するアクリル粘着剤は、シランカップリング剤を含有していてもよい。上記含フッ素(メタ)アクリレート共重合体を含有するアクリル粘着剤がシランカップリング剤を含有することで、被着体に対する密着性を向上させることができるため、粘着テープの皮脂に対する耐性を更に高めることができる。
上記シランカップリング剤は特に限定されず、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメチルメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、メルカプトブチルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。なかでも、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシランが好適である。
【0026】
上記シランカップリング剤の含有量は特に限定されないが、上記含フッ素(メタ)アクリレート共重合体を含有するアクリル粘着剤100重量部に対する好ましい下限が0.1重量部、好ましい上限が5重量部である。上記シランカップリング剤の含有量が0.1重量部以上であることによって皮脂に対する耐性を更に高めることができる。含有量が5重量部以下であることによって再剥離の際の糊残りを抑えることが出来る。上記シランカップリング剤の含有量のより好ましい下限は1重量部、より好ましい上限は3重量部である。
【0027】
上記含フッ素(メタ)アクリレート共重合体を含有するアクリル粘着剤は、必要に応じて、可塑剤、乳化剤、軟化剤、充填剤、顔料、染料等の添加剤、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂等の粘着付与剤、その他の樹脂等を含有していてもよい。
【0028】
上記含フッ素(メタ)アクリレート共重合体を含有するアクリル粘着剤は、ゲル分率が5%以上であることが好ましい。
上記含フッ素(メタ)アクリレート共重合体を含有するアクリル粘着剤のゲル分率が5%以上であることで、膨潤率を上記範囲に調節しやすくなる。上記含フッ素(メタ)アクリレート共重合体を含有するアクリル粘着剤のゲル分率のより好ましい下限は10%である。上記含フッ素(メタ)アクリレート共重合体を含有するアクリル粘着剤のゲル分率の上限は特に限定されないが、好ましい上限は95%、より好ましい上限は90%である。
【0029】
(2)炭素数が2以下のアルキル基を有する(メタ)アクリレートに由来する構成単位を有する(メタ)アクリレート共重合体を含有するアクリル粘着剤
上記アクリル粘着剤は、炭素数が2以下のアルキル基を有する(メタ)アクリレートに由来する構成単位を含む(メタ)アクリレート共重合体(以下、単に、炭素数が2以下のアルキル基を有する(メタ)アクリレート共重合体と言う。)を含有することもまた好ましい。炭素数が2以下のアルキル基を有する(メタ)アクリレート共重合体は、極性及び凝集力が高いため、皮脂の分子鎖内への浸入を防ぐことが出来ることから、得られる粘着テープに皮脂に対する優れた耐性を付与することができる。
【0030】
上記炭素数が2以下のアルキル基を有する(メタ)アクリレートとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレートが挙げられる。中でも、粘着剤が固くなり過ぎず、より粘着力に優れた粘着テープとすることができる観点から、エチルアクリレートを用いることが好ましい。
【0031】
上記炭素数が2以下のアルキル基を有する(メタ)アクリレート共重合体中における上記炭素数が2以下のアルキル基を有する(メタ)アクリレートに由来する構成単位の含有量は、好ましい下限が80重量%、好ましい上限が97重量%である。上記炭素数が2以下のアルキル基を有する(メタ)アクリレートに由来する構成単位の含有量が80重量%以上であることで、皮脂に対する耐性をより高めることができる。上記炭素数が2以下のアルキル基を有する(メタ)アクリレートに由来する構成単位の含有量が97重量%以下であることで、粘着剤が固くなり過ぎず、より粘着力に優れた粘着テープとすることができる。上記炭素数が2以下のアルキル基を有する(メタ)アクリレートに由来する構成単位の含有量のより好ましい下限は90重量%、より好ましい上限は95重量%である。
【0032】
上記炭素数が2以下のアルキル基を有する(メタ)アクリレート共重合体は、更に、架橋性官能基を有するモノマーに由来する構成単位を含有することが好ましい。
上記炭素数が2以下のアルキル基を有する(メタ)アクリレート共重合体が上記架橋性官能基を有するモノマーに由来する構成単位を含有すると、架橋剤を併用したときにアクリル粘着剤鎖間が架橋される。その際、架橋度を調節することでゲル分率及び膨潤率を調節することができる。
【0033】
上記架橋性官能基としては、例えば、水酸基、カルボキシル基、グリシジル基、アミノ基、アミド基、ニトリル基等が挙げられる。なかでも、上記粘着剤層のゲル分率の調整が容易であることから、水酸基又はカルボキシル基が好ましい。上記水酸基を有するモノマーとしては、例えば、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。
カルボキシル基を有するモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸が挙げられる。
グリシジル基を有するモノマーとしては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレートが挙げられる。
アミド基を有するモノマーとしては、例えば、ヒドロキシエチルアクリルアミド、イソプロピルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド等が挙げられる。
ニトリル基を有するモノマーとしては、例えば、アクリロニトリル等が挙げられる。これらの架橋性官能基を有するモノマーは単独で用いてもよく、複数を併用してもよい。
【0034】
上記炭素数が2以下のアルキル基を有する(メタ)アクリレート共重合体中における上記架橋性官能基を有するモノマーに由来する構成単位の含有量は特に限定されないが、好ましい下限が1重量%、好ましい上限が5重量%である。上記架橋性官能基を有するモノマーに由来する構成単位の含有量が上記範囲であることによって膨潤率やゲル分率を上記範囲に調節しやすくなる。
【0035】
上記炭素数が2以下のアルキル基を有する(メタ)アクリレート共重合体は、本発明の効果を阻害しない範囲で、更に、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、ノニルアクリレート、イソボルニルアクリレート、ベンジルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、酢酸ビニル等に由来する構成単位を含んでいてもよい。
【0036】
上記炭素数が2以下のアルキル基を有する(メタ)アクリレート共重合体は、重量平均分子量の下限が20万、上限が200万であることが好ましい。上記炭素数が2以下のアルキル基を有する(メタ)アクリレート共重合体の重量平均分子量が上記範囲であることによって、得られる粘着テープをより粘着力に優れるものとすることができる。上記炭素数が2以下のアルキル基を有する(メタ)アクリレート共重合体の重量平均分子量のより好ましい下限は25万、より好ましい上限は120万である。なお、重量平均分子量は、重合条件(例えば、重合開始剤の種類又は量、重合温度、モノマー濃度等)によって調整できる。
【0037】
上記炭素数が2以下のアルキル基を有する(メタ)アクリレート共重合体を合成する方法は特に限定されず、上記含フッ素(メタ)アクリレート共重合体と同様の合成方法を用いることができる。また、重合開始剤も、上記含フッ素(メタ)アクリレート共重合体と同様のものを用いることができる。
【0038】
上記炭素数が2以下のアルキル基を有する(メタ)アクリレート共重合体を含有するアクリル粘着剤は架橋剤を含有することが好ましい。上記炭素数が2以下のアルキル基を有する(メタ)アクリレート共重合体が上記架橋性官能基を有するモノマーに由来する構成単位を有する場合、架橋剤によって架橋構造を構築することができる。
上記架橋剤は特に限定されず、例えば、イソシアネート系架橋剤、アジリジン系架橋剤、エポキシ系架橋剤、金属キレート型架橋剤等が挙げられる。なかでも、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤が好ましい。
上記架橋剤の配合量は、上記炭素数が2以下のアルキル基を有する(メタ)アクリレート共重合体を含有するアクリル粘着剤100重量部に対して0.01〜10重量部が好ましく、0.1〜5重量部がより好ましい。
【0039】
上記炭素数が2以下のアルキル基を有する(メタ)アクリレート共重合体を含有するアクリル粘着剤は、シランカップリング剤を含有していてもよい。上記炭素数が2以下のアルキル基を有する(メタ)アクリレート共重合体を含有するアクリル粘着剤がシランカップリング剤を含有することで、被着体に対する密着性を向上させることができるため、粘着テープの皮脂に対する耐性を更に高めることができる。
上記シランカップリング剤は、上記含フッ素(メタ)アクリレート共重合体を含有するアクリル粘着剤で述べたシランカップリング剤と同様のものを、同様の使用量で用いることができる。
【0040】
上記炭素数が2以下のアルキル基を有する(メタ)アクリレート共重合体を含有するアクリル粘着剤は、必要に応じて、可塑剤、乳化剤、軟化剤、充填剤、顔料、染料等の添加剤、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂等の粘着付与剤、等のその他の樹脂等を含有していてもよい。
【0041】
上記炭素数が2以下のアルキル基を有する(メタ)アクリレート共重合体を含有するアクリル粘着剤は、ゲル分率が80%以上であることが好ましい。
上記炭素数が2以下のアルキル基を有する(メタ)アクリレート共重合体を含有するアクリル粘着剤のゲル分率が80%以上であることで、膨潤率を上記範囲に調節しやすくなる。炭素数が2以下のアルキル基を有する(メタ)アクリレート共重合体を含有するアクリル粘着剤のゲル分率のより好ましい下限は90%である。上記炭素数が2以下のアルキル基を有する(メタ)アクリレート共重合体を含有するアクリル粘着剤のゲル分率の上限は特に限定されないが、好ましい上限は98%、より好ましい上限は95%である。
【0042】
上記粘着剤層の厚みは特に限定されないが、上記粘着剤層の厚みの好ましい下限は5μm、好ましい上限は50μmである。上記粘着剤層の厚みが5μm以上であることによって、得られる粘着テープをより粘着性に優れたものとすることができる。上記粘着剤層の厚みが50μm以下であることによって、得られる粘着テープをより加工性に優れるものとすることができる。
【0043】
本発明の粘着テープは、基材を有するサポートタイプであってもよいし、基材を有さないノンサポートタイプであってもよい。サポートタイプの場合には、基材の片面に上記粘着剤層が形成されていてもよいし、両面に上記粘着剤層が形成されていてもよい。
【0044】
上記基材は特に限定されず、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等のポリオレフィン系樹脂フィルム、PETフィルム等のポリエステル系樹脂フィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム、ポリ塩化ビニル系樹脂フィルム、ポリウレタン系樹脂フィルム、ポリエチレン発泡体シート、ポリプロピレン発泡体シート等のポリオレフィン発泡体シート、ポリウレタン発泡体シート等が挙げられる。これらの基材のなかでも、PETフィルムが好ましい。また、耐衝撃性の観点からはポリオレフィン発泡体シートが好ましい。
また、上記基材として、光透過防止のために黒色印刷された基材、光反射性向上のために白色印刷された基材、金属蒸着された基材等も用いることができる。
【0045】
本発明の粘着テープの製造方法は特に限定されず、例えば、本発明の粘着テープが基材を有する両面粘着テープである場合は以下のような方法が挙げられる。
まず、(メタ)アクリレート共重合体、必要に応じて架橋剤等に溶剤を加えてアクリル粘着剤aの溶液を作製して、このアクリル粘着剤aの溶液を基材の表面に塗布し、溶液中の溶剤を完全に乾燥除去して粘着剤層aを形成する。次に、形成された粘着剤層aの上に離型フィルムをその離型処理面が粘着剤層aに対向した状態に重ね合わせる。
次いで、上記離型フィルムとは別の離型フィルムを用意し、この離型フィルムの離型処理面にアクリル粘着剤bの溶液を塗布し、溶液中の溶剤を完全に乾燥除去することにより、離型フィルムの表面に粘着剤層bが形成された積層フィルムを作製する。得られた積層フィルムを粘着剤層aが形成された基材の裏面に、粘着剤層bが基材の裏面に対向した状態に重ね合わせて積層体を作製する。そして、上記積層体をゴムローラ等によって加圧することによって、基材の両面に粘着剤層を有し、かつ、粘着剤層の表面が離型フィルムで覆われた粘着テープを得ることができる。
【0046】
また、同様の要領で積層フィルムを2組作製し、これらの積層フィルムを基材の両面のそれぞれに、積層フィルムの粘着剤層を基材に対向させた状態に重ね合わせて積層体を作製し、この積層体をゴムローラ等によって加圧することによって、基材の両面に粘着剤層を有し、かつ、粘着剤層の表面が離型フィルムで覆われた粘着テープを得てもよい。
【0047】
本願発明の粘着テープの用途は特に限定されないが、皮脂に対する耐性に優れているため、人の手が頻繁に触れる電子機器の部品を固定するために、特に好適に用いることができる。具体的には、スマートホンやタブレット端末等の携帯型電子機器のタッチパネル部分を固定したり、カーナビ等の車載電子機器のディスプレイパネル部分を固定するのに好ましく用いることができる。
このような本願発明の粘着テープを用いた、電子機器部品固定用の粘着テープもまた、本発明の一つである。
【0048】
本発明の粘着テープの形状は特に限定されず、長方形等であってもよいが、上述のようにタッチパネル等の固定に好適であることから、額縁状が好ましい。また、本願発明の粘着テープは、人の手が頻繁に触れる部位であっても高い粘着力を維持できるため、粘着テープの幅が狭くても好ましく用いることができる。