特許第6014784号(P6014784)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社スチールセンターの特許一覧

<>
  • 特許6014784-二輪車用梱包容器 図000002
  • 特許6014784-二輪車用梱包容器 図000003
  • 特許6014784-二輪車用梱包容器 図000004
  • 特許6014784-二輪車用梱包容器 図000005
  • 特許6014784-二輪車用梱包容器 図000006
  • 特許6014784-二輪車用梱包容器 図000007
  • 特許6014784-二輪車用梱包容器 図000008
  • 特許6014784-二輪車用梱包容器 図000009
  • 特許6014784-二輪車用梱包容器 図000010
  • 特許6014784-二輪車用梱包容器 図000011
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6014784
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月25日
(54)【発明の名称】二輪車用梱包容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 19/44 20060101AFI20161011BHJP
   B65D 19/12 20060101ALI20161011BHJP
   B65D 85/68 20060101ALI20161011BHJP
【FI】
   B65D19/44 B
   B65D19/12 A
   B65D85/68 V
【請求項の数】7
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2016-500423(P2016-500423)
(86)(22)【出願日】2015年7月24日
(86)【国際出願番号】JP2015071143
【審査請求日】2016年1月6日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】592035785
【氏名又は名称】株式会社スチールセンター
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100104329
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 卓治
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148149
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 幸男
(74)【代理人】
【識別番号】100161791
【弁理士】
【氏名又は名称】大神田 梢
(72)【発明者】
【氏名】有働 聖一
(72)【発明者】
【氏名】田中 俊臣
(72)【発明者】
【氏名】立花 忠司
(72)【発明者】
【氏名】杉山 京司
【審査官】 長谷川 一郎
(56)【参考文献】
【文献】 特公昭38−003055(JP,B1)
【文献】 特開昭63−178975(JP,A)
【文献】 特開昭56−124557(JP,A)
【文献】 実公昭47−039784(JP,Y1)
【文献】 実開平02−108841(JP,U)
【文献】 実開平03−064220(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 19/44
B65D 85/68
B65D 19/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
二輪車を上面に搭載するスキッドを備える二輪車用梱包容器であって、
所定の間隔を隔てて前記スキッドの上面に配置される一対の第1のレール部材であって、当該第1のレール部材の長手方向に沿って開口部が形成された中空断面形状の一対の第1のレール部材と、
前記スキッドの上面に沿って、搭載された前記二輪車の前輪の径方向に伸び、両端部が前記一対の第1のレール部材のそれぞれと係合する一対の前輪保持部材であって、前記二輪車の輪の幅方向に移動し、当該輪を幅方向に挟持して保持する一対の前輪保持部材と、
各前記第1のレール部材内を前記長手方向に沿ってスライドし、各前記第1のレール部材の開口部に対応する位置に第1のねじ孔が形成された第1のスライド部材と、
各前記前輪保持部材の両端部に取り付けられ、前記一対の第1のレール部材の開口部を介して前記第1のスライド部材の第1のねじ孔に挿入されて当該第1のねじ孔と螺合する第1の締結部材と、を備え、
前記第1の締結部材を前記第1のねじ孔に螺合させ、前記第1のレール部材の開口部と対向する前記第1のスライド部材の面と、前記第1のレール部材の開口部を含む内面と、が当接することにより、前記前輪保持部材を前記第1のレール部材に固定し、前記第1の締結部材と前記第1のねじ孔との螺合を緩めることにより、前記第1のレール部材の開口部と対向する前記第1のスライド部材の面と、前記第1のレール部材の開口部を含む内面と、の当接が解除され、前記第1のスライド部材を前記第1のレール部材内でスライド移動させる、
ことを特徴とする二輪車用梱包容器。
【請求項2】
前記第1のスライド部材は、板状部材であり、当該板状部材の一方の主面が前記第1のレール部材の開口部と対向して配置され、
前記第1のレール部材は、前記開口部を備えるリップ溝形鋼であり、
前記第1の締結部材を前記第1のねじ孔に螺合させ、前記開口部に対向する前記第1のスライド部材の主面と、前記リップ溝形鋼の前記開口部を含む内面と、が当接することにより、前記前輪保持部材を前記第1のレール部材に固定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の二輪車用梱包容器。
【請求項3】
前記第1のレール部材と、前記第1の締結部材が取り付けられた前記前輪保持部材の一端部と、の間に配置され、第2のねじ孔が形成されたナットを更に備え、
前記ナットの前記第2のねじ孔と、前記第1のスライド部材に形成された前記第1のねじ孔とに、前記第1の締結部材を挿入して螺合し、前記前輪保持部材を前記第1のレール部材に固定する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の二輪車用梱包容器。
【請求項4】
前記スキッドは矩形状であり、前記一対の前輪保持部材は、前記スキッドの一辺に沿って複数設けられた、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の二輪車用梱包容器。
【請求項5】
前記一対の前輪保持部材は、一対の棒状部材である、
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の二輪車用梱包容器。
【請求項6】
二輪車を上面に搭載するスキッドを備える二輪車用梱包容器であって、
所定の間隔を隔てて前記スキッドの上面に配置される一対の第2のレール部材であって、当該第2のレール部材の長手方向に沿って開口部が形成された中空断面形状の一対の第2のレール部材と、
前記スキッドの上面に沿って、搭載された前記二輪車の後輪の幅方向に伸び、両端部が前記一対の第2のレール部材のそれぞれと係合する一対の後輪保持部材であって、前記二輪車の輪の進行方向に移動し、当該輪の外周部を挟持して保持する一対の後輪保持部材と、
各前記第2のレール部材内を前記長手方向に沿ってスライドし、各前記第2のレール部材の開口部に対応する位置に第3のねじ孔が形成された第2のスライド部材と、
各前記後輪保持部材の両端部に取り付けられ、前記一対の第2のレール部材の開口部を介して前記第2のスライド部材の第3のねじ孔に挿入されて当該第3のねじ孔と螺合する第2の締結部材と、を備え、
前記第2の締結部材を前記第3のねじ孔に螺合させ、前記第2のレール部材の開口部と対向する前記第2のスライド部材の面と、前記第2のレール部材の開口部を含む内面と、が当接することにより、前記後輪保持部材を前記第2のレール部材に固定し、前記第2の締結部材と前記第3のねじ孔との螺合を緩めることにより、前記第2のレール部材の開口部と対向する前記第2のスライド部材の面と、前記第2のレール部材の開口部を含む内面と、の当接が解除され、前記第2のスライド部材を前記第2のレール部材内でスライド移動させる、
ことを特徴とする二輪車用梱包容器。
【請求項7】
前記スキッドに対して立ち上がる状態と、折りたたまれる状態と、に変更できるフレームを更に備える、
ことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の二輪車用梱包容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二輪車を搬送または保管するために使用する二輪車用梱包容器に関する。
【背景技術】
【0002】
二輪車をトラック、鉄道等で輸送するとき、または所定の場所で保管するとき、二輪車は、輸送中または保管中の移動を規制するために、二輪車用梱包容器のスキッドに固定される。例えば、特許文献1には、前輪固定治具で二輪車の前輪を保持し、スタンド固定手段で二輪車のセンタースタンドを保持することで、二輪車を輸送パレットに固定する二輪車輸送コンテナが開示されている。
【0003】
また、特許文献2には、スクータの前輪を前輪固定部材の棒材間に落とし込み、支持プレート上面の横ズレ防止部材を跨ぐようにスクータを固定するリターナブルケースが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−11974号公報
【特許文献2】特開2004−123205号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載された前輪固定治具は、フレーム枠に一対の丸棒を4箇所に固定し、この丸棒間に二輪車の前輪を入れて、前輪の位置規制をしている。また、特許文献2に記載された前輪固定部材は、棒材間に前輪を落とし込んで、前輪の位置規制をしている。このように、前輪固定治具の丸棒または前輪固定部材の棒材はパレット等に固定されており、一対の丸棒または棒材の間の幅に入る前輪のみしか保持することができない。また、特許文献1または2には、後輪の移動を規制する固定部材は開示されておらず、また、センタースタンド又は横ずれ防止手段で、二輪車の後輪近傍を保持する構成となっているので、後輪の移動を規制することは難しく、保持できる二輪車の車種は限定される。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、同一のスキッドにより多種類の二輪車を搭載することができる、二輪車用梱包容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の観点に係る二輪車用梱包容器は、
二輪車を上面に搭載するスキッドを備える二輪車用梱包容器であって、
所定の間隔を隔てて前記スキッドの上面に配置される一対の第1のレール部材であって、当該第1のレール部材の長手方向に沿って開口部が形成された中空断面形状の一対の第1のレール部材と、
前記スキッドの上面に沿って、搭載された前記二輪車の前輪の径方向に伸び、両端部が前記一対の第1のレール部材のそれぞれと係合する一対の前輪保持部材であって、前記二輪車の輪の幅方向に移動し、当該輪を幅方向に挟持して保持する一対の前輪保持部材と、
各前記第1のレール部材内を前記長手方向に沿ってスライドし、各前記第1のレール部材の開口部に対応する位置に第1のねじ孔が形成された第1のスライド部材と、
各前記前輪保持部材の両端部に取り付けられ、前記一対の第1のレール部材の開口部を介して前記第1のスライド部材の第1のねじ孔に挿入されて当該第1のねじ孔と螺合する第1の締結部材と、を備え、
前記第1の締結部材を前記第1のねじ孔に螺合させ、前記第1のレール部材の開口部と対向する前記第1のスライド部材の面と、前記第1のレール部材の開口部を含む内面と、が当接することにより、前記前輪保持部材を前記第1のレール部材に固定し、前記第1の締結部材と前記第1のねじ孔との螺合を緩めることにより、前記第1のレール部材の開口部と対向する前記第1のスライド部材の面と、前記第1のレール部材の開口部を含む内面と、の当接が解除され、前記第1のスライド部材を前記第1のレール部材内でスライド移動させる、
ことを特徴とする。
【0008】
前記第1のスライド部材は、板状部材であり、当該板状部材の一方の主面が前記第1のレール部材の開口部と対向して配置され、
前記第1のレール部材は、前記開口部を備えるリップ溝形鋼であり、
前記第1の締結部材を前記第1のねじ孔に螺合させ、前記開口部に対向する前記第1のスライド部材の主面と、前記リップ溝形鋼の前記開口部を含む内面と、が当接することにより、前記前輪保持部材を前記第1のレール部材に固定してもよい。
前記第1のレール部材と、前記第1の締結部材が取り付けられた前記前輪保持部材の一端部と、の間に配置され、第2のねじ孔が形成されたナットを更に備え、
前記ナットの前記第2のねじ孔と、前記第1のスライド部材に形成された前記第1のねじ孔とに、前記第1の締結部材を挿入して螺合し、前記前輪保持部材を前記第1のレール部材に固定してもよい。
【0009】
前記スキッドは矩形状であり、前記一対の前輪保持部材は、前記スキッドの一辺に沿って複数設けられてもよい。
【0010】
前記一対の前輪保持部材は、一対の棒状部材であってもよい。
【0014】
本発明の第2の観点に係る二輪車用梱包容器は、
二輪車を上面に搭載するスキッドを備える二輪車用梱包容器であって、
所定の間隔を隔てて前記スキッドの上面に配置される一対の第2のレール部材であって、当該第2のレール部材の長手方向に沿って開口部が形成された中空断面形状の一対の第2のレール部材と、
前記スキッドの上面に沿って、搭載された前記二輪車の後輪の幅方向に伸び、両端部が前記一対の第2のレール部材のそれぞれと係合する一対の後輪保持部材であって、前記二輪車の輪の進行方向に移動し、当該輪の外周部を挟持して保持する一対の後輪保持部材と、
各前記第2のレール部材内を前記長手方向に沿ってスライドし、各前記第2のレール部材の開口部に対応する位置に第3のねじ孔が形成された第2のスライド部材と、
各前記後輪保持部材の両端部に取り付けられ、前記一対の第2のレール部材の開口部を介して前記第2のスライド部材の第3のねじ孔に挿入されて当該第3のねじ孔と螺合する第2の締結部材と、を備え、
前記第2の締結部材を前記第3のねじ孔に螺合させ、前記第2のレール部材の開口部と対向する前記第2のスライド部材の面と、前記第2のレール部材の開口部を含む内面と、が当接することにより、前記後輪保持部材を前記第2のレール部材に固定し、前記第2の締結部材と前記第3のねじ孔との螺合を緩めることにより、前記第2のレール部材の開口部と対向する前記第2のスライド部材の面と、前記第2のレール部材の開口部を含む内面と、の当接が解除され、前記第2のスライド部材を前記第2のレール部材内でスライド移動させる、
ことを特徴とする。
【0015】
前記スキッドに対して立ち上がる状態と、折りたたまれる状態と、に変更できるフレームを更に設けるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、同一のスキッドにより多種類の二輪車を搭載することができる、二輪車用梱包容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態に係る二輪車用梱包容器を模式的に示す全体斜視図である。
図2】本実施の形態に係る二輪車用梱包容器のスキッドの上面図である。
図3図2に示す二輪車用梱包容器のスキッドの左側断面図である。
図4図3に示すスキッドを図2のA−A’線で切断した一部拡大説明図である。
図5図2に示す二輪車用梱包容器のスキッドの右側断面図である。
図6図5に示すスキッドを図2のB−B’線で切断した一部拡大説明図である。
図7図2に示す二輪車用梱包容器のスキッドの正面断面図である。
図8図7に示すスキッドを図2のC−C’線で切断した一部拡大説明図である。
図9図7に示すスキッドを図2のD−D’線で切断した一部拡大説明図である。
図10図7に示すスキッドを図2のE−E’線で切断した一部拡大説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の一実施形態の二輪車用梱包容器について、例えば自動二輪車を梱包する容器を例に、図1〜10を参照して説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る二輪車用梱包容器1の全体斜視図、図2は、本実施の形態に係る二輪車用梱包容器1のスキッドの上面図、図5は、図2に示す二輪車用梱包容器1のスキッドをB−B’線で切断した一部拡大説明図である。
【0019】
本実施の形態に係る二輪車用梱包容器は、図1又は2に示すように、二輪車用梱包容器1の底部を構成するスキッド2と、スキッド2の一対の対向する辺から立ち上がる一対のフレーム部3とを備え、スキッド2に自動二輪車を搭載して、自動二輪車を保管または搬送するために用いられる。
【0020】
なお、以下の説明では、理解を容易にするため、二輪車用梱包容器1の長手方向をX軸方向、幅方向(奥行き方向)をY軸方向、高さ方向をZ軸方向とするXYZ座標を設定し、適宜参照する。
【0021】
フレーム部3は、スキッド2の一辺の両端部から上方であるZ軸方向に向けて立設する一対の第1の支柱301と、一対の第1の支柱301間に渡って設けられ、一対の第1の支柱301を連結する連結部材302と、一対の第1の支柱301が設けられたスキッド2の辺に対向する辺の両端部から上方に立設する一対の第2の支柱303と、一対の第2の支柱303間に渡って設けられ、一対の第2の支柱303を連結する連結部材304とを備える。第1の支柱301、第2の支柱303、及び連結部材302、304は、例えば、薄板鋼板を曲げ加工した中空角材からなる。連結部材302、304は、本実施の形態のように、棒状の角材を組み合わせて構成してもよいし、板状の部材であってよい。連結部材302、304は、スキッド2上に搭載された二輪車のX軸方向の移動を規制できるものであれば、いかなる構成を採用してもよい。
【0022】
フレーム部3の第1の支柱301及び第2の支柱303と、スキッド2とは、それぞれの所定の位置において折畳部材305により接続されている。折畳部材305は、金属製の円筒パイプ等で形成され、当該パイプの両端部の一方を第1の支柱301又は第2の支柱303に、他方をスキッド2に締結部材により固定されている。これにより、スキッド2の四隅に立設された第1の支柱301及び第2の支柱303が傾斜することを防止する。折畳部材305は、第1の支柱301、第2の支柱303、及びスキッド2を固定していた締結部材を緩めることにより取り外すことができる。折畳部材305が取り外されることで、フレーム部3をスキッド2に対して倒すことができ、フレーム部3はスキッド2の上面に折り畳まれる。フレーム部3をスキッド2に対して起立させ、フレーム部3とスキッド2を折畳部材305で連結することにより、二輪車用梱包容器1として使用することができる。
【0023】
フレーム部3は、スキッド2に対して折り畳まれるときは、二輪車用梱包容器1は上下方向に縮小するので、複数の二輪車用梱包容器1を上下方向に重ねることができる。したがって、二輪車用梱包容器1を使用しないときには、二輪車用梱包容器1をコンパクトに折り畳んで所定の収納場所に収納することができる。
【0024】
スキッド2は、図1又は2に示すように、4つの所定の長さを有する枠材21、22、23、24をそれぞれの端部で接続した上面視矩形状のフレームで形成され、二輪車用梱包容器1の底部を構成する。枠材21〜24は、例えば、薄板鋼板を曲げ加工した中空角材からなる。また、矩形状のスキッド2の四隅には、一対の第1の支柱301、一対の第2の支柱303を立設するための支持部材36が設けられている。支持部材36は、スキッド2の四隅からZ軸方向に向けて所定の長さ延出し、上端部は第1の支柱301及び第2の支柱303を挿入できるように開口している。支持部材36は、例えば、薄板鋼板を曲げ加工した中空角材からなる。
【0025】
スキッド2には、図1又は図5に示すように、スキッド2の枠材22に平行して、一対のフォーク用ガイド4が設けられている。スキッド2は、フォーク用ガイド4にフォークリフトのフォークが挿入されて搬送される。フォーク用ガイド4は、フォークリフトのフォークが挿入できる断面形状を有し、フォークリフトのフォークの一部または全部を挿入することができる長さを有する。
【0026】
二輪車用梱包容器1は、スキッド2上に搭載された自動二輪車を上方から押さえる押え部材6を備える。押え部材6は、例えば、薄板鋼板を曲げ加工した中空角材で形成され、枠材21、23と略同一の長さを有する。そして、その両端部には、ベルトを挿入するための一対の第1の挿入リング6aが設けられる。スキッド2の対向する一対の辺、例えば、枠材22、24の中央部付近にも、ベルトを挿入するための一対の第2の挿入リング6bが設けられている。一対の第2の挿入リング6bを結んだ線上に、上方(Z軸方向)から押え部材6を下ろし、押え部材6で自動二輪車のステップ付近を押さえる。そして、第1の挿入リング6aと第2の挿入リング6bとにベルトを通して、押え部材6を自動二輪車のステップ付近に固定する。尚、図1では、ベルトは図示せず、使用される位置に配置した押え部材6を模式的に示す。また、第2の挿入リング6bは、図7に示すように、搭載する自動二輪車の車長に応じて、自動二輪車をベルトで固定できるように、枠材22に沿って2箇所に設けてもよい。
【0027】
スキッド2には、自動二輪車の前輪または後輪の幅方向を挟持して保持する一対の第1の車輪保持部材100と、自動二輪車の前輪または後輪の進行方向の外周から挟持して保持する一対の第2の車輪保持部材200と、第1の車輪保持部材100を車輪の幅方向に移動させる第1の移動機構400と、第2の車輪保持部材200を車輪の進行方向に移動させる第2の移動機構500と、が配置されている。
【0028】
次に、第1の車輪保持部材、第1の移動機構、第1の固定部材の構成について、図2〜6、8を参照して説明する。図3は、図2に示す二輪車用梱包容器のスキッドの左側断面図、図4は、図3に示すスキッドを図2のA−A’線で切断した一部拡大説明図、図5は、図2に示す二輪車用梱包容器のスキッドの右側断面図、図6は、図5に示すスキッドを図2のB−B’線で切断した一部拡大説明図、図8は、図7に示すスキッドを図2のC−C’線で切断した一部拡大説明図である。第1の車輪保持部材100は、図2に示すように、前輪用の車輪保持部材101と、後輪用の車輪保持部材111とからなる。前輪用の車輪保持部材101は、その両端部が第1の移動機構400の一部である一対の第1のレール部材401に係合される。
【0029】
前輪用の車輪保持部材101は、スキッド2の枠材21に沿って、複数個、本実施の形態では3つ設けられている。1つの前輪用の車輪保持部材101は、一対の棒状部材101a、101bからなり、一対の棒状部材101a、101bは、前輪(図示せず)を幅方向から挟んで保持する。一対の棒状部材101a、101bは、例えば、薄板鋼板を曲げ加工した中空角材からなる部材である。また、一対の棒状部材は101a、101bは、スキッド2の枠材21に対して上面視で傾斜して配置されており、自動二輪車のハンドルをロック状態にした前輪を保持することができる。このように角度を持った前輪を幅方向の両端部で保持することにより、スキッド2に搭載された自動二輪車を転倒させることなく安定して保持することができる。
【0030】
前輪用の車輪保持部材101の第1の移動機構400は、図2〜4又は8に示すように、スキッド2の枠材21に沿って設けられた一対の第1のレール部材401と、一対の棒状部材101a、101bの両端部に設けられた第1のスライド部材402からなり、第1のスライド部材402が当該第1のレール部材401に沿ってスライドすることにより、一対の棒状部材101a、101bをX軸方向に移動させる。
【0031】
一対の第1のレール部材401は、スキッド2の枠材21に沿って設けられたレール部材401aと、当該レール部材401aと所定の間隔を置いて平行に配置されたレール部材401bとからなる。レール部材401aとレール部材401bとは、前輪の直径より小さい所定の間隔を開けて配置されている。また、レール部材401a、401bは、スキッド2のX軸方向の枠材21に沿って延在し、上面に開口部403が形成され、断面形状をリップ溝とするリップ溝形鋼により形成されている。
【0032】
一対の棒状部材101a、101bのそれぞれの両端部には、ボルト404により第1のスライド部材402が取り付けられている。第1のスライド部材402は、板状の小片部材であり、第1のレール部材401の開口部403から挿入されて、第1のレール部材401のスライド溝内をスライドする。なお、第1のスライド部材402は、板状でなくてもよく、ピン形状など種々の形状を採用することができる。第1のスライド部材402は、棒状部材101a、101bのそれぞれの両端部に直接取り付けられてよいし、接続部材を介して取り付けられてもよい。本実施の形態では、接続部材405を介して、棒状部材101a、101bと、第1のスライド部材402は接続されている。接続部材405は、板状の小片部材であり、一端部が棒状部材101a、101bの一端部に接続され、他端部の下面に第1のスライド部材402が接続されている。接続部材405を介して棒状部材101a、101bと、第1のスライド部材402を接続した場合には、棒状部材101a、101bの枠材21に対する傾斜角度を変更することができ、搭載する自動二輪車の前輪の傾斜角度に応じて操作者は任意の傾斜角度を設定することができる。
【0033】
第1のスライド部材402は、図4又は8に示すように、レール部材401a、401bの開口部403の開口幅より長い辺を有する四角形金属片であり、内周にねじ溝が形成された孔406を有する。孔406と、ボルト404と、第1のレール部材401と接続部材405との間に配置されるナット407と、により第1の固定部材を構成する。また、接続部材405には、ボルト404を挿入する孔405aが形成されている。第1のスライド部材402を第1のレール部材401に固定するためには、まず第1のスライド部材402をレール部材401a、401bの開口部403から挿入する。そして、ボルト404を、接続部材405の上方から孔405aに貫通させ、レール部材401a、401bと接続部材405との間にナット407を介在させて螺合させる。さらに、ボルト404を、第1のスライド部材402の孔406に螺合させる。また、ボルト404を緩めると、第1のスライド部材402は第1のレール部材401のレール溝内をスライドさせることができ、第1のスライド部材402をX軸方向の所定の位置まで移動させることができる。操作者は希望する所定の位置まで第1のスライド部材402をスライド移動させて、ボルト404を締めると、棒状部材101a、101bは、その位置に固定される。このように、ボルト404とナット407により、第1のスライド部材402はレール部材401a、401bに固定され、車輪はスキッド2の上面に確実に固定することができる。
【0034】
本実施の形態においては、第1の固定部材のナット407は、接続部材405と第1のスライド部材402との間に位置しているが、第1のスライド部材402の下方に位置させるようにしてもよい。また、第1の固定部材は、第1のスライド部材402とボルト404のみで構成してもよい。
【0035】
棒状部材101a、101bの両端部に取り付けた第1のスライド部材402を、レール部材401a、401bのレール溝内でスライドさせることにより、棒状部材101aと棒状部材101bとは、X軸方向に沿って任意の位置に移動させることができる。したがって、操作者は、前輪の車輪の幅方向の長さに応じて棒状部材101aと棒状部材101bとの間隔を変更することができる。棒状部材101aと棒状部材101bとの間隔が確定したら、ボルト404を、第1のスライド部材402の孔406とナット407とに締結させることで、棒状部材101a、101bは、第1のレール部材401に固定される。
【0036】
本実施の形態において、棒状部材101a、101bの両端部に第1のスライド部材402が取り付ける構造を説明したが、本発明はこれに限られない。例えば、棒状部材101a、101bのどちらか一方の両端部に第1のスライド部材402を取り付け、他方には第1のスライド部材402を取り付けない構成を採用することができる。この場合には、一方の棒状部材の第1のスライド部材402のみをレール部材401a、401bのレール溝内でスライドさせ、他方の棒状部材はレール上に固定した状態で、一対の棒状部材101a、101b間の相対距離を変更する。
【0037】
本実施の形態においては、レール部材401a、401bを使用して、一対の棒状部材101a、101bを移動するように構成したが、本発明はこれに限定されない。例えば、1つのレール部材を使用して一対の棒状部材を移動させることも可能である。すなわち、枠材21と平行に、スキッド2の中央部付近に1つのレール部材を配置し、一対の棒状部材101a、101bの中央部付近に当該レール部材と係合するスライド部材を取り付けることにより、本実施の形態と同様な効果を達成することができる。 また、一方の棒状部材の中央部付近にレール部材と係合するスライド部材を取り付け、他方の棒状部材は、レール部材に固定してもよい。
【0038】
後輪用の車輪保持部材111は、図5又は6に示すように、スキッド2の枠材23に沿って、複数個、本実施の形態では前輪用の車輪保持部材101と同数である3つ設けられている。1つの後輪用の車輪保持部材111は、一対の棒状部材111a、111bからなり、一対の棒状部材111a、111bにより、後輪(図示せず)を幅方向から挟んで保持する。一対の棒状部材111a、111bも、例えば、薄板鋼板を曲げ加工した中空角材からなる部材である。
【0039】
後輪用の車輪保持部材111の第1の移動機構400は、図1、2又は5に示すように、スキッド2の枠材23に沿って設けられた一対の第1のレール部材411と、一対の棒状部材111a、111bの両端部に設けられた第1のスライド部材402からなり、第1のスライド部材402が当該第1のレール部材411に沿ってスライドすることにより、一対の棒状部材111a、111bをX軸方向に移動させる。
【0040】
一対の第1のレール部材411は、スキッド2の枠材23に沿って設けられたレール部材411bと、当該レール部材411bと所定の間隔を置いて平行に配置されたレール部材411aとからなる。レール部材411aとレール部材411bとは、後輪の直径より小さい所定の間隔を開けて配置されている。また、レール部材411a、411bは、スキッド2のX軸方向の枠材23に沿って延在し、上面に開口部413が形成され、断面形状をリップ溝とするリップ溝形鋼により形成されている。
【0041】
一対の棒状部材111a、111bのそれぞれの両端部には、ボルト404により第1のスライド部材402が取り付けられている。第1のスライド部材402は、レール部材411a、411bの開口部413の開口幅より長い辺を有する四角形金属片であり、内周にねじ溝が形成された孔406を有する。ボルト404を、第1のスライド部材402に螺合させて、第1のスライド部材402を第1のレール部材411に固定する。また、ボルト404を緩めると、第1のスライド部材402は第1のレール部材411のレール溝内をスライドさせることができ、第1のスライド部材402をX軸方向の所定の位置まで移動させることができる。また、第1のレール部材401と同様に、レール部材411a、411bと第1のスライド部材402との間、あるいは第1のスライド部材402の下方にナットを取り付けてもよい。
【0042】
棒状部材111a、111bの両端部に取り付けた第1のスライド部材402を、レール部材411a、411bのレール溝内でスライドさせることにより、棒状部材111aと棒状部材111bとは、X軸方向に沿って任意の位置に移動することができる。したがって、操作者は、後輪の車輪の幅方向の長さに応じて棒状部材111aと棒状部材111bとの間隔を変更させことができる。棒状部材111aと棒状部材111bとの間隔が確定したら、ボルト404を第1のスライド部材402の孔406に締結することで、棒状部材111a、111bは、第1のレール部材411に固定される。
【0043】
本実施の形態では、第1の車輪保持部材100は、前輪用の車輪保持部材101と後輪用の車輪保持部材111の2つの第1の車輪保持部材100があると説明したが、第1の車輪保持部材100は、前輪用または後輪用のいずれかひとつの車輪保持部材を備えることとしてもよい。
【0044】
次に、第2の車輪保持部材、第2の移動機構、第2の固定部材の構成について、図1、2、7、9、10を参照して説明する。図7は、図2に示す二輪車用梱包容器のスキッドの正面断面図、 図9は、図7に示すスキッドを図2のD−D’線で切断した一部拡大説明図、図10は、図7に示すスキッドを図2のE−E’線で切断した一部拡大説明図である。
【0045】
第2の車輪保持部材200は、スキッド2の枠材23に沿って、所定の間隔を隔てて平行に設けられた、一対の棒状部材201a、201bからなる。一対の棒状部材201a、201bにより、後輪(図示せず)を進行方向から挟んで保持する。一対の棒状部材202a、202bは、例えば、薄板鋼板を曲げ加工した中空角材からなる部材である。 尚、第2の車輪保持部材200は、前輪を進行方向から挟んで保持してもよい。その場合の構成は、後輪を進行方向から挟んで保持する場合と同様である。
【0046】
本実施の形態では、一対の棒状部材201a、201bは、レール部材411a、411bと同一物であるが、レール部材411a、411bと別途に設けてもよい。
【0047】
第2の移動機構500は、スキッド2の枠材22及び24に沿って設けられた一対の第2のレール部材501と、一対の棒状部材201a、201bの両端部に設けられた第2のスライド部材502からなり、第2のスライド部材502が第2のレール部材501に沿ってスライドすることにより、一対の棒状部材201a、201bをY軸方向に沿って移動させる。すなわち、一対の棒状部材201a、201bは、後輪を一対の棒状部材201a、201b間に載置したときに、後輪が移動する進行方向に沿って移動する。
【0048】
第2の移動機構500は、第1の移動機構400の下方に設けられている。第2の移動機構500と第1の移動機構400が上下に設けられていることで、それぞれ独立して第1の車輪保持部材100と第2の車輪保持部材200を移動させることができる。
【0049】
一対の第2のレール部材501は、後輪の直径より小さい所定の間隔を開けて配置されている。また、第2のレール部材501は、スキッド2のY軸方向である枠材22、23に沿って延在し、上面に開口部503が形成され、断面形状をリップ溝とするリップ溝形鋼により形成されている。
【0050】
一対の棒状部材201a、201bのそれぞれの両端部には、ボルト504により第2のスライド部材502が取り付けられている。第2のスライド部材502は、板状の小片部材であり、第2のレール部材501の開口部503から挿入されて、第2のレール部材501のスライド溝内をスライドする。第2のスライド部材502は、棒状部材201a、201bのそれぞれの両端部に直接取り付けられてよいし、接続部材を介して取り付けられてもよい。本実施の形態では、接続部材505の孔505aを介して、棒状部材201a、201bと、第2のスライド部材502は接続されている。接続部材505は、薄板を折曲して形成され、折曲された部分に孔505aが形成されている。第2のスライド部材502は、内周にねじ溝が形成された孔506を有する。そして、ボルト504が孔505a、孔506に挿入されてねじ溝に螺合することで、棒状部材201a、201bは、第2のレール部材501に固定される。また、ボルト504を緩めると、第2のスライド部材502を第2のレール部材501のレール溝内をスライドさせることができ、第2のスライド部材502をY軸方向の所定の位置まで移動させることができる。第2のスライド部材502に設けられた孔506と、ボルト504により第2の固定部材を構成する。また、第1のレール部材401のように、第2のレール部材501と第2のスライド部材502との間、あるいは第2のスライド部材502の下方にナットを取り付けてもよい。
【0051】
棒状部材201a、201bの両端部に取り付けた第2のスライド部材502を、第2のレール部材501のレール溝内でスライドさせると、棒状部材201a、201bは、Y軸方向に沿って任意の位置に移動することができる。したがって、操作者は、後輪の車輪の径の大きさに応じて棒状部材201aと棒状部材201bとの間隔を変更させことができる。棒状部材201aと棒状部材201bとの間隔が確定したら、ボルト504を第2のスライド部材502の孔506に締結することで、棒状部材201a、201bは、第2のレール部材501に固定される。
【0052】
棒状部材201a、201bは、後輪の進行方向に移動できるが、移動方向は、棒状部材201a、201b間の間隔を広げる方向、又は狭める方向、すなわち第2のレール部材501上においてY軸方向に、両者の間隔を相対的に広げる方向、狭める方向に移動することができる。これによって、後輪の車輪の径の大きさに応じて棒状部材201a、201b間の間隔を変更することができるので、車輪の大きさの異なる車両に応じて、後輪を保持することができる。また、棒状部材201a、201bは、棒状部材201a、201b間の距離を一定に保ちながら、Y方向の移動、すなわち、図2の紙面の左右方向に移動することができるので、車長が異なる車両に応じて後輪を保持することも可能である。
【0053】
棒状部材201a、201bを、棒状部材201a、201bの間の間隔を広げる方向、又は狭める方向に移動させるときには、車輪の幅方向を保持している後輪用の車輪保持部材111は、棒状部材201a、201b間の間隔に応じた長さを有することが必要である。したがって、棒状部材201a、201b間の間隔が変更された場合には、その間隔に応じた後輪用の車輪保持部材111に交換したり、後輪用の車輪保持部材111を伸縮自在な構造とすることで、間隔の変更に応じた後輪用の車輪保持部材111を提供することができる。
【0054】
なお、本実施の形態では、後輪用の車輪保持部材111と第2の車輪保持部材200を重ねて配置したが、本発明はこれに限定されない。例えば、前輪用の車輪保持部材101に第2の車輪保持部材200を重ねて配置するようにしてもよい。 また、第2のレール部材501は一対のレール部材として説明したが、ひとつのレール部材をスキッド2の中央部付近に配置して、棒状部材201a、201bの第2のスライド部材502を、当該レール部材上でスライドさせてもよい。
【0055】
以上のように構成された二輪車用梱包容器1において、第1の車輪保持部材100による車輪の幅方向を保持する動作を説明する。具体的には、第1の車輪保持部材100を用いて車輪の幅方向を保持する動作を、前輪用の車輪保持部材101を用いて説明し、後輪用の車輪保持部材111についての説明は省略する。
【0056】
まず、第1のスライド部材402の孔406に螺合しているボルト404を緩めて、第1のスライド部材402が第1のレール部材401内を移動できるようにする。第1のスライド部材402は、レール部材401a、401bのレール溝内をスライドし、一対の棒状部材101a、101bを、スキッド2に載せられた自動二輪車の前輪の幅に対応する位置に移動させる。
【0057】
所定の間隔を隔てて配置された一対の棒状部材101a、101b間に自動二輪車の前輪を挿入し、前輪を挟んで保持するように一対の棒状部材101a、101bの間の距離を狭める。保持する位置が特定されたら、ボルト404を第1のスライド部材402の孔406のねじ山に螺合させて、第1のスライド部材402を第1のレール部材401a、401bに固定する。
【0058】
具体的には、一対の棒状部材101a、101bは、図4に示すように、それぞれ実線で示す位置から点線で示す位置まで、レール部材401aに沿って移動する。一対の棒状部材101a、101bは、レール部材401bに対しても同様に移動する。本実施の形態では、一対の棒状部材101a、101bは、一定の間隔を保ちながら、X軸方向に移動する。一対の棒状部材101a、101bのスライドする方向は、これに限られず、X軸方向に互いに離れる方向、または互いに接近する方向にスライドさせてもよい。尚、一対の棒状部材111a、111bも、図6に示すように、それぞれ実線で示す位置から点線で示す位置まで、レール部材411bに沿って移動する。一対の棒状部材111a、111bは、レール部材411aに対しても同様に移動する。
【0059】
一対の棒状部材101a、101bは、一定の間隔を保ちながら、X軸方向に移動した場合には、複数の一対の棒状部材101a、101bの間隔を狭めて配置することができる。したがって、車輪の幅の小さな複数台の自動二輪車を、矩形状のスキッド2の一辺に沿って搭載することができるので、スキッド2のスペースを有効に利用することができる。本実施の形態では、一対の棒状部材101a、101bは、スキッド2に3つ配置されているが、一対の棒状部材101a、101b間の間隔を狭めて配置する場合には、棒状部材101a、101bを追加して、多くの自動二輪車をスキッド2に搭載することができる。この場合には、後輪用の車輪保持部材111も同数配置することになる。
【0060】
次に、二輪車用梱包容器1において、第2の車両保持部材200により車輪の外周を保持する動作を説明する。
【0061】
まず、図9、10に示すように、第2のスライド部材502の孔506に螺合しているボルト504を緩めて、第2のスライド部材502が第2のレール部材501内をスライドできるようにする。第2のスライド部材502が、第2のレール部材501のレール溝内をスライドし、一対の棒状部材201a、201bを、スキッド2に搭載する自動二輪車の後輪の径に対応する間隔に移動させる。 尚、一対の棒状部材201a、201bの間隔は、自動二輪車の後輪を挟持して保持できればよく、後輪の径より小さい間隔であってもよい。
【0062】
間隔を隔てて配置された一対の棒状部材201a、201b間に自動二輪車の後輪を挿入して、後輪を進行方向から挟んで保持するように一対の棒状部材201a、201bの間隔を狭める。保持する位置が特定されたら、ボルト504を、第2のスライド部材502の孔506のねじ山に螺合させて、第2のスライド部材502を第2のレール部材501に固定する。
【0063】
具体的には、一対の棒状部材201a、201bは、図9に示すように、それぞれ実線で示す位置から点線で示す位置まで、第2のレール部材501上を移動する。本実施の形態では、一対の棒状部材201a、201bは、一定の間隔を保ちながら、Y軸方向に移動する。一対の棒状部材101a、101bのスライドする方向は、これに限られず、Y軸方向に互いに離れる方向、または互いに接近する方向にスライドさせてもよい。
【0064】
一対の棒状部材201a、201bは、一定の間隔を保ちながら、Y軸方向に沿って移動することで、車長の異なる種々の車両に対応して、後輪を保持することができる。また、一対の棒状部材201a、201bが互いに間隔を広げる方向又は狭める方向に移動することで、後輪の径が異なる車両の後輪を保持することができる。
【0065】
このように、第1の車輪保持部材100と第2の車輪保持部材200とで、二輪車の前輪と後輪を保持した後は、押え部材6を自動二輪車のステップ付近に配置して、押え部材6の第1のベルト挿入リング6aと、スキッド2に取り付けられた第2のベルト挿入リング6bとにベルトを掛け渡すことにより、自動二輪車をスキッド2にしっかりと固定する。二輪車がスキッド2に固定された二輪車用梱包容器1は、トラックや鉄道車両に並列または複数段積み重ねられて、搬送される。また、搬送前には所定の収納場所に、並列または複数段積み重ねられて保管される。
【0066】
尚、本実施の形態では、一対の棒状部材201a、201b間の間隔を変更することで、車長の異なる車両、後輪の径が異なる車両の車輪を保持することに対応していたが、本発明はこれに限定されない。例えば、一対の棒状部材を、複数設けることにより、一つのスキッドで、車長の異なる車両、後輪の径が異なる車両を混在させて搭載することができるようにしてもよい。 また、車輪保持部材を棒状部材とすることで、簡単な構造で、さまざまな車種の車両をスキッドに搭載することができる。
【0067】
さらに、第2の車輪保持部材200により保持される後輪の進行方向の車輪を保持する位置、保持する間隔を変更するとともに、第1の車輪保持部材100も同時に利用することにより後輪の幅方向の保持する間隔を変更することもできる。そして、第1の車輪保持部材100と第2の車輪保持部材200を同時に利用することで、スキッド2上の車輪を確実に保持することができる。
【0068】
本実施の形態では、第1の車輪保持部材100は、複数個あると説明したが、本発明はこれに限定されない。すなわち、第1の車輪保持部材100を一つだけ設けることにより、大型の自動二輪車に特化した二輪車用梱包容器を提供することができ、大型の自動二輪車の車幅、車長に応じて、車輪を保持することができる。
【0069】
本実施の形態では、第1の車輪保持部材100は、スキッド2の一辺に沿って設けられことを説明したが、これに限定されない。例えば、大型自動二輪車等を、矩形状のスキッド2の対角線に沿って載置し、大型の自動二輪車の車輪の幅に応じて第1の車輪保持部材100の一対の棒状部材101a、101b間の間隔を変更し、大型の自動二輪車の前輪を保持することもできる。
【0070】
本実施の形態では、第1の車輪保持部材100は、スキッド2に固定された構成として説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、第1の車輪保持部材100を、スキッド2から着脱自在に構成して、持ち運びできるようにしてもよい。
【0071】
本実施の形態では、第1の車輪保持部材100と第2の車輪保持部材200の双方を備える二輪車用梱包容器について説明したが、本発明はこれに限られない。例えば、第1の車輪保持部材100と第2の車輪保持部材200のどちらか一方を備える構成としてよい。
【0072】
本実施の形態では、第1の車輪保持部材100は、前輪用の車輪保持部材101と後輪用の車輪保持部材111を備える二輪車用梱包容器1について説明したが、本発明はこれに限られない。どちらか一方、例えば前輪用の車輪保持部材101のみを備える構成としてもよい。
【0073】
以上説明したように、本実施の形態に係る二輪車用梱包容器1において、スキッド2に載せられた二輪車の車輪の幅方向に移動でき、車輪の幅方向を挟持して保持する第1の車輪保持部材100を設けたので、車輪の幅が相違する複数の車両をスキッド2に搭載することができる。これにより、車輪の幅が異なる車両毎にスキッド2を準備する必要がなく、ひとつのスキッド2で兼用できるので、コスト削減と二輪車搬送の効率化を図ることができる。
【0074】
また、本実施の形態に係る二輪車用梱包容器1において、スキッド2に車輪の進行方向に移動でき、車輪の外周部を保持する第2の車輪保持部材200を設けたので、車長の異なる車両ごとに、または車輪の直径の異なる車両毎にスキッド2を準備する必要がなく、ひとつのスキッド2で、車長または車輪の直径の異なる車両の搬送に対応することができる。
【0075】
以上本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
【0076】
本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、この発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。すなわち、本発明の範囲は、実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、この発明の範囲内とみなされる。
【産業上の利用可能性】
【0077】
発明は、同一のスキッドにより多種類の二輪車を搭載することができる、二輪車用梱包容器に利用することができる。
【符号の説明】
【0078】
1 二輪車用梱包容器
2 スキッド
21 枠材
22 枠材
23 枠材
24 枠材
3 フレーム部
36 支持部材
301 第1の支柱
302 連結部材
303 第2の支柱
304 連結部材
4 フォーク用ガイド
6 押えさ部材
6a 第1の挿入リング
6b 第2の挿入リング
100 第1の車輪保持部材
101 前輪用の車輪保持部材
101a 棒状部材
101b 棒状部材
111 後輪用の車輪保持部材
111a 棒状部材
111b 棒状部材
200 第2の車輪保持部材
201a 棒状部材
201b 棒状部材
400 第1の移動機構
401 第1のレール部材
401a レール部材
401b レール部材
402 第1のスライド部材
403 開口部
404 ボルト
405 接続部材
405a 孔
406 孔
407 ナット
411 第1のレール部材
411a レール部材
411b レール部材
500 第2の移動機構
501 第2のレール部材
502 第2のスライド部材
503 開口部
504 ボルト
505 接続部材
505a 孔
506 孔
【要約】
二輪車用梱包容器(1)は、二輪車を上面に載せるスキッド(2)と、二輪車の車輪の幅方向に移動し、当該車輪の幅方向の両端部を挟持して保持する一対の第1の車輪保持部材(100)と、一対の車輪保持部材(100)を車輪の幅方向に移動させる第1の移動機構(400)と、第1の車輪保持部材(100)をスキッド(2)に固定する第1の固定部材と、を備える。一対の第1の車輪保持部材(100)により車輪を、幅方向から挟持して保持し、一対の第1の車輪保持部材(100)を第1の固定部材でスキッド(2)に固定することで二輪車をスキッド(2)に固定する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10