(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上記各グループのLEDチップの個数が、LEDチップ1個当たりの駆動電流が当該LEDチップの定格電流の20%±3%の範囲内の値となるように選択されている、請求項1〜5のいずれか一項に記載の照明装置。
上記複数のLEDモジュールは、白色光を発する複数のLEDモジュールと、これら白色光を発する複数のLEDモジュールよりも全体に占める割合が小であり、かつ離散的に配置された、赤色光を発する複数のLEDモジュールと、を含む、請求項11に記載の照明装置。
上記基板の長手方向における上記複数のLEDモジュールの占有割合が、上記基板の幅方向における上記複数のLEDモジュールの占有割合よりも大である、請求項39〜46のいずれか一項に記載の照明装置。
上記基板は、樹脂層と金属配線層とが積層された可撓性を有するフレキシブル配線基板であり、かつ断面形状が、円形状または円弧形状とされている、請求項13〜49のいずれか一項に記載の照明装置。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1および
図2は、本発明の第1実施形態に基づく照明装置を示している。本実施形態の照明装置A1は、基板1、複数のLEDモジュール3、リフレクタ4、筐体5、コネクタ6、およびホルダ7を備えている。照明装置A1は、
図2のz方向において天地を逆にした姿勢で、天井に設けられた開口スペースに設置されることにより、いわゆるダウンライトとして用いられるものである。
【0025】
基板1は、たとえば表面に絶縁処理が施されたアルミ板であり、複数のLEDモジュール3を搭載するためのものである。本実施形態においては、基板1は、円形であり、その直径が66mm程度である。複数のLEDモジュール3が実装されている領域は、直径50〜60mm程度の円形領域である。
図3に示すように、基板1には、配線パターン2が形成されている。配線パターン2は、たとえば銅などの金属膜からなり、複数のLEDモジュール3を実装し、これらに電力供給するためのものである。配線パターン2は、アノード電極21A、カソード電極21B、複数のパッド部22、複数のアノード折り返し部24A、複数のカソード折り返し部24B、複数の斜行連結部25、直行連結部26、アノード接続部27A、およびカソード接続部27Bを有している。配線パターン2のうちLEDモジュール3を実装するための部分以外の部分は、たとえば白色レジストなどの高反射率を有する絶縁層(図示略)によって覆われている。
【0026】
アノード電極21A、カソード電極21Bは、コネクタ6からのびる電線(図示略)を接続するためのものであり、基板1のx方向一端寄りに配置されている。
複数のパッド部22は、複数のLEDモジュール3が実装される部分である。パッド部22は、アノード直線部23A(図中黒色)およびカソード直線部23B(図中灰色)からなる。アノード直線部23Aおよびカソード直線部23Bは、それぞれがx方向に延びており、x方向に直交するy方向に間隔をおいて平行に配置されている。これにより、複数のパッド部22は、すべてがx方向に沿って延びている。また、複数のパッド部22の多くは、y方向に間隔を隔てて平行に配置されている。さらに、いくつかのパッド部22どうしは、x方向に間隔をおいて直列に配置されている。
【0027】
図4は、
図3のS1部詳細図である。各パッド部22には、複数のLEDモジュール3が実装されている。LEDモジュール3は、
図6〜
図8に示すように、LEDチップ31、樹脂パッケージ32、基板33、および一対の実装端子34を備えている。LEDモジュール3は、幅が0.8mm、長さが1.6mm、厚さが0.5mm程度とされており、小型でありかつ非常に薄型のLEDモジュールとして構成されている。
【0028】
基板33は、平面視略矩形状であり、たとえばガラスエポキシ樹脂からなる絶縁基板である。基板33の表面には、LEDチップ31が搭載されている。基板33の裏面には、一対の実装端子34が形成されている。基板33の厚さは、0.08〜0.1mm程度とされている。LEDチップ31は、LEDモジュール3の光源であり、たとえば可視光を発光可能とされている。樹脂パッケージ32は、LEDチップ31を保護するためのものである。樹脂パッケージ32は、LEDチップ31からの光に対して透光性を有するたとえばエポキシ樹脂、またはLEDチップ31からの光によって励起されることにより異なる波長の光を発する蛍光物質を含む透光樹脂を用いてモールド成形されている。たとえば、LEDチップ31からの青色光と、樹脂パッケージ32に含まれる上記蛍光物質からの黄色光を混色させることにより、LEDモジュール3は、白色を照射することができる。上記蛍光物質としては、黄色光を発するものに代えて、赤色光を発するものと緑色光を発するものとを混合して用いてもよい。
【0029】
LEDモジュール3は、一対の実装端子34の一方がアノード直線部23Aに、他方がカソード直線部23Bにたとえばハンダ付けされることにより、パッド部22に実装されている。これにより、1つのパッド部22に実装された複数のLEDモジュール3は、互いに並列に接続される。
図4に示すS1部においては、斜行連結部25を挟んで、並列に接続された複数のLEDモジュール3からなる2つのグループが配置されている。斜行連結部25を挟んで両側に配置された2つのパッド部22は、y方向においてアノード直線部23Aおよびカソード直線部23Bの配置が同じである。斜行連結部25は、一方のパッド部22のアノード直線部23Aと他方のパッド部22のカソード直線部23Bとを連結している。これにより、これらの2つのグループに属する複数のLEDモジュール3は、互いに直列に接続されている。
【0030】
図5に示すS2部においては、直行連結部26を挟んで、並列に接続された複数のLEDモジュール3からなる2つのグループが配置されている。直行連結部26を挟んで両側に配置された2つのパッド部22は、y方向においてアノード直線部23Aおよびカソード直線部23Bの配置が反対である。直行連結部26は、一方のパッド部22のアノード直線部23Aと他方のパッド部22のカソード直線部23Bとを連結している。これにより、これらの2つのグループに属する複数のLEDモジュール3は、お互いに直列に接続されている。
【0031】
図3に示すように、複数のパッド部22のうちy方向において隣り合うものどうしは、アノード折り返し部24Aおよびカソード折り返し部24Bによって接続されている。より詳しくは、アノード折り返し部24Aは、y方向において隣り合うアノード直線部23Aどうしを連結している。カソード折り返し部24Bは、y方向において隣り合うカソード直線部23Bどうしを連結している。
【0032】
アノード電極21Aからカソード電極21Bに至る経路には、複数のパッド部22と、アノード電極21A側から順に1つの直行連結部26および7つの斜行連結部25が配置されている。これにより、複数のLEDモジュール3、すなわち複数のLEDチップ31が、
図9に示されるように接続されている。本実施形態においては、603個のLEDモジュール3(LEDチップ31)が用いられている。これらのLEDモジュール3は、9つのグループ31Aに分けられている。各グループ31Aには、基板33に配置された複数のLEDモジュール3(LEDチップ31)のうち少なくとも2つが互いに並列に接続された並列回路が含まれている。より具体的には、グループ31Aには、互いに並列に接続された67個のLEDモジュール3が含まれている。各グループ31Aに属する67個のLEDモジュール3(LEDチップ31)のアノードは、それぞれ電気的に直接接続されている。さらに、各グループ31Aに属する67個のLEDモジュール3(LEDチップ31)のカソードは、それぞれ電気的に直接接続されている。このように、各グループ31Aでは、複数のLEDモジュール3(LEDチップ31)のみによって、一つの並列回路が形成されている。これらの9つのグループ31Aが、1つの直行連結部26および7つの斜行連結部25によって互いに直列に接続されている。
【0033】
本実施形態においては、603個のLEDモジュール3が基板1に千鳥状に配置されている。複数のLEDモジュール3を発光させる電源仕様は、アノード電極21Aおよびカソード電極21B間の電圧が27V程度、各LEDモジュール3の電圧Vfが3.0V程度、電流Ifが4.0mA程度である。高密度に実装された複数のLEDモジュール3が発光すると、肉眼では複数の点光源の集合とは視認されず、面発光しているように視認される。すなわち、複数のLEDモジュール3が実装された領域は、面状光源部3Aを構成している。
【0034】
図3に示すように、基板1の下端から2/3程度の領域においては、複数のアノード折り返し部24Aが左方に位置し、複数のカソード折り返し部24Bが右方に位置している。そして、直行連結部26が設けられた部分を境として、基板1の上端から1/3程度の領域においては、複数のアノード折り返し部24Aが右方に位置し、複数のカソード折り返し部24Bが左方に位置している。アノード接続部27Aは、アノード電極21Aと、基板1の右上側部分にあるアノード折り返し部24Aとを接続している。カソード接続部27Bは、カソード電極21Bと、基板1の右下側部分にあるカソード折り返し部24Bとを接続している。
【0035】
図1および
図2に示すように、リフレクタ4は、開口41,42を有し、基板1から遠ざかるほど断面寸法が大となるコーン状であり、たとえばアルミからなる。リフレクタ4は、複数のLEDモジュール3を囲んでおり、これらから出射された光をz方向に向かって反射する。本実施形態においては、開口41の直径D1が60mm、開口42の直径D2が100mm、距離Hが50mmとされている。この他に、直径D1が52〜62mm、直径D2が90mm、距離Hが40mm程度の構成であっても好ましい照射が得られる。リフレクタ4の内面は、たとえば凹凸状のAlメッキ面とされている。
【0036】
面状光源部3Aは、開口41において、照明対象の空間(照明空間)に臨む。本実施形態においては、開口41の単位面積当たりの複数のLEDモジュール3の搭載個数密度が、31個/cm
2程度とされている。この実装密度は、開口41の面積に対する複数のLEDモジュール3の占有面積の割合に換算すると39%程度である。
筐体5は、たとえばアルミからなり、基板1およびリフレクタ4を支持している。LEDモジュール3の発光時には、LEDモジュール3からの熱が基板1を介してリフレクタ4および筐体5に伝えられる。これにより、LEDモジュール3の放熱促進を図っている。コネクタ6は、照明装置A1が天井に設置されるときに、建造物側のコネクタ(図示略)と接続されるものである。ホルダ7は、たとえばステンレス(SUS301)製のプレートを折り曲げ加工したものである。ホルダ7は、照明装置A1を天井に取り付ける際に、天井の一部と係合することにより、照明装置A1を保持する。
【0037】
筐体5の内部には、電源ユニットを形成する電源基板60Aが収容されている。電源基板60Aは、支持基板8から筐体5内に立設された樹脂製の支柱9,9によって、支持基板8から離間した状態で支持されている。支持基板8は、基板1とは反対側において筐体5に固定されている。この支持基板8には、筐体5の外方において、コネクタ6が筐体5と同側に取り付けられている。
【0038】
図10は、照明装置A1の電気的構成を説明するための電気回路図である。複数のLEDグループ31Aの直列回路は、定電流電源としての電源ユニット60に接続されている。電源ユニット60は、サージ保護回路61、フィルタ回路62、整流回路63、制御回路64、および逆電圧保護回路65を有している。
サージ保護回路61は、商用交流電源66に接続される一対の給電線67,68の一方に介装されたヒューズ69と、それらの給電線67,68の間に接続されたバリスタ70とを有している。この構成により、当該電源ユニット60を雷サージ等から保護している。
【0039】
フィルタ回路62は、給電線67,68に介装されたインダクタ71と、インダクタ71の両側で給電線67,68間にそれぞれ接続されたコンデンサ72,73とを有している。この構成により、交流電源から伝達されるノイズを除去するためのフィルタ処理が行われる。
整流回路63は、4個のダイオード74をブリッジ接続して構成されている。この構成によって、整流回路63は、給電線67,68からの交流を全波整流する。
【0040】
制御回路64は、集積回路(IC)で構成された定電流ドライバ75と、平滑コンデンサ76〜78と、電流設定用抵抗素子79とを有している。定電流ドライバ75の電源端子75a,75bには、整流回路63から、直流給電線80,81を介して、電力が供給される。それらの直流給電線80,81間に平滑コンデンサ76が接続されている。この平滑コンデンサ76は、定電流ドライバ75への入力電圧を平滑化する。また、一方の直流給電線80と定電流ドライバ75の制御端子75cとの間に、平滑コンデンサ77が接続されている。この平滑コンデンサ77は、定電流ドライバ75の内部の電圧を平滑化する働きを有している。一方、定電流ドライバ75の出力端子75d,75eと、制御回路64一対の出力端子82,83との間には、一対の出力線84,85がそれぞれ接続されている。これらの出力線84,85の間に平滑コンデンサ78が接続されている。この平滑コンデンサ78は、定電流ドライバ75の出力電圧を平滑化する。そして、負極側の出力端子75e(出力線85)と制御端子75cとの間に、電流設定用抵抗素子79が接続されている。定電流ドライバ75は、電流設定用抵抗素子79の抵抗値に応じた大きさの定電流が出力端子75d,75e間に流れるように動作する。したがって、所要の電流値に応じて適切な抵抗値の抵抗素子を選択し、電流設定用抵抗素子79として接続すればよい。
【0041】
逆電圧保護回路65は、出力線84,85の間に直列に接続された一対のツェナダイオード86,87で構成されている。逆電圧保護回路65は、出力線84,85の間に逆電圧がかかったときに、LEDモジュール3にその逆電圧が印加されることを防ぎ、これにより、LEDモジュール3を破壊から守る。
出力端子82,83の間に、リード線88,89を介して、複数のLEDグループ31Aの直列回路が接続される。各LEDグループ31Aを構成する複数のLEDモジュール3は、電源ユニット60に対して、並列に接続されている。したがって、電源ユニット60から供給される定電流制御された電流は、各グループ31Aを構成する複数のLEDモジュール3に分配される。よって、個々のLEDモジュール3に流れる電流(駆動電流)は、電源ユニット60が供給する電流値と、各グループ31AにおけるLEDモジュール3の個数(並列数)とで決まる。そこで、個々のLEDモジュール3の駆動電流が所望の値(たとえば4mA)となるように、電流設定用抵抗素子79の抵抗値および各グループ31Aを構成するLEDモジュール3の個数(並列数)とを設計すればよい。
【0042】
次に、照明装置A1の作用について説明する。
本実施形態によれば、上記複数のLEDモジュール3が構成する面状光源部3Aから光が発せられる。この面状光源部3Aから発せられる光は、基板1の表面の法線方向を中心として進行するものであり、あらゆる方向に向かうものではない。このため、たとえばハロゲンランプに代表される点光源を備えるダウンライトと比べて、所望の範囲に光を向かわせるためのリフレクタ4を小さくすることが可能である。したがって、照明装置A1の小型化が可能であり、照明装置A1を取り付ける天井の設置スペースを省スペース化することができる。また、LEDモジュール3を千鳥状に配置すれば、均一な面発光を得るのに適している。
【0043】
LEDモジュール3(LEDチップ31)に流れる電流Ifの大きさは、4.0mA程度という比較的低電流である。この程度の電流IfでLEDモジュール3を駆動する場合、その発光効率は、70Lm/W弱程度にまで達する。この結果、照明装置A1としては、7.0Wの電力を投入すると、照明装置A1が不可避的に有する吸収や漏光などによる損失があっても、413Lmの明るさを実現している。この発光効率は59Lm/Wであって、ハロゲンランプなどのフィラメントを用いた光源と比べて格段に高効率であり、顕著な省電力を図ることができる。
【0044】
図11は、1個のLEDモジュール3に流れる電流Ifと発光効率Efとの関係を示している。本実施形態のLEDモジュール3は、本図のTypeAに相当する。
図11の関係から、LEDモジュール3に流れる電流Ifが2mA〜8mAの範囲(より好ましくは、2mA〜4mA)において良好な発光効率Efが得られていることが分かる。とくに、電流Ifを4mAとすると、LEDモジュール3を最も高い発光効率で発光させることが可能である。LEDモジュール3の定格電流は20mA程度であるので、高効率の発光を実現するには、電流Ifを定格電流の10%〜40%(If=2mA〜8mAのとき)とすればよい。さらに、20%±3%(If=4mAのとき)とすることにより、LEDモジュール3の単体での効率が最大となる。
【0045】
一方、照明装置A1の全体としての発光効率等を調べた結果が、次表1に示されている。
【0046】
【表1】
試作例Aは、LEDモジュール3を基板1上に603個実装した前述の構成のものである。試作例Bは、試作例Aから1個おきのLEDモジュール3を間引くことによって、基板1上に302個のLEDモジュール3を実装した構成としたものである。この場合、各LEDグループ31Aを構成するLEDモジュール3の個数(並列数)が約半分となり、それに応じて、各LEDモジュール3における駆動電流は、試作例Aの駆動電流4mAの2倍(8mA)となっている。より具体的には、34個のLEDモジュール3で構成された5個のグループ31Aと、33個のLEDモジュール3で構成された4個のグループとの合計9グループを直列接続し、合計で302個のLEDモジュール3を用いている。むろん、別の間引き方も可能であり、例えば、34個のLEDモジュール3で構成された9個のグループを直列接続し、合計306個のLEDモジュール3を用いてもよい。
【0047】
試作例Cは、試作例Bからさらに1個おきのLEDモジュール3を間引き、基板1上に153個のLEDモジュール3を実装した構成としたものである。この場合、各LEDグループ31Aを構成するLEDモジュール3の個数(並列数)は、試作例Aの場合の約4分の1となり、それに応じて、各LEDモジュール3における駆動電流は、試作例Aの場合の4倍の16mAとなっている。試作例Dは、試作例AからLEDモジュール3を均等に間引いて、その個数を5分の1としたものである。この場合、各LEDグループ31Aを構成するLEDモジュール3の個数は試作例Aの場合の約5分の1となり、それに応じて、各LEDモジュール3における駆動電流は、試作例Aの場合の約5倍の20.8mAとなっている。
【0048】
「消費電力」は、全LEDモジュール3による消費電力である。「1m照度」とは、基板1の法線方向に、リフレクタ4の出射側開口42から1m離れた位置で測定した照度(Lx)である。「Lx/W」は、1m照度を消費電力で除した値であり、照明装置全体の発光効率に相当する。「照度むら」は、照度分布の不均一度合いを表す。
LEDモジュール3の個数と照度との関係を
図12に示す。この図および前述の表1から、試作例A,B間で照度に実質的な差がないことが分かる。しかも、表1から、試作例A,B間で、発光効率についても有意な差が認められない。したがって、個々のLEDモジュール3の発光効率では試作例Aの方が有利ではあるが、全体の照度および発光効率に差がないことから、LEDモジュール3の個数が少ない試作例Bの方が、コストを削減でき、かつ、製造工数を削減できる点で有利である。
【0049】
図13は、照度むらの求め方を説明するための図であり、照度のヒストグラムが示されている。照度むらを求める手順は、次のとおりである。まず、基板1の法線方向にリフレクタ4の出射側開口42から1m離れた位置を中心とする一辺3mの正方形受光面(前記法線方向に垂直な面)上の複数の異なる位置で照度を測定する。次に、照度の値毎の度数分布を求め、
図13に示すようなヒストグラムを作成する。そして、最低度数位置aと2番目に低い度数位置bとを結ぶ直線L1を求める。照度上限値付近および照度下限値付近は、ノイズが多いため、予め定める下限閾値c未満の範囲および上限閾値dを超える範囲を排除するための直線L2,L3を求める。さらに、直線L2,L3の間の照度区間において、度数分布曲線L5に外接する直線L4を求める。こうして、直線L1〜L4で囲まれた四角形が求まる。この四角形の面積(参照面積)Srefを求める。次に、直線L4と度数分布曲線L5の間の面積(照度むら面積)Suを求める。参照面積Srefに対する照度むら面積Suの割合を百分率で表し、照度むら(%)(=(Su/Sref)×100)とする。
【0050】
LEDモジュール3の個数と照度むらとの関係を
図14に示す。試作例Aおよび試作例Bでは、照度むらが5%以下であるが、試作例C,Dでは照度むらが10%を超えている。照度むらが大きい場合には、照明装置A1に近い物体があるときに、この物体表面に縞模様等の濃淡模様が観測される。より具体的には、ダウンライトが壁面近くの天井に設置される場合に、当該壁面に照度むらに起因する濃淡模様が形成されるおそれがある。したがって、試作例A,B程度の照度むらに抑えることができれば好ましい。
【0051】
図15は、前述の表1に基づき、個々のLEDモジュール3の駆動電流、1m照度および照度むらの関係を表したグラフである。この
図15から、1個のLEDモジュール3当たり、すなわち、1個のLEDチップ31当たりの駆動電流を8mA以下とすることにより、必要な照度を確保でき、かつ、照度むらを許容範囲に抑制できることが分かる。
一方、上記試作例Aでは、LEDモジュール3の上記搭載個数密度が31個/cm
2程度、あるいは上記占有面積割合が39%程度である。また、上記試作例Bでは、LEDモジュール3の上記搭載個数密度が15個/cm
2程度、あるいは上記占有面積割合が20%程度である。さらに、上記試作例Cでは、LEDモジュール3の上記搭載個数密度が8個/cm
2程度、あるいは上記占有面積割合が10%程度である。そして、上記試作例Dでは、LEDモジュール3の上記搭載個数密度が6個/cm
2程度、あるいは上記占有面積割合が8%程度である。試作例A,Bの範囲の搭載個数密度および占有面積割合が好ましいが、試作例C,Dの場合でも、面状光源部3Aを均一な光を発する発光面として視認することができた。このような均一な面発光を得るには、上記搭載個数密度を5個/cm
2以上(好ましくは12個/cm
2以上、より好ましくは25個/cm
2以上)、あるいは上記占有面積割合を6%以上(好ましくは15%以上、より好ましくは30%以上)とすることが好適である。
【0052】
なお、試作例Aについての搭載個数密度は、算出式「603個/(2.5cm×2.5cm×3.14)」により得られたものである。また、試作例Aについての専有面積割合は、算出式「(603×1.6mm×0.8mm)/(2.5cm×2.5cm×3.14)」により得られたものである。他の試作例についても同様の算出式によって前述の数値を得ることができる。
【0053】
また、前述の照明装置A1では、斜行連結部25を備えることにより、x方向に整然と並べられた複数のLEDモジュール3を、互いに直列に接続された複数のグループに属するように、接続することができる。複数のLEDモジュール3を整然と配置することは、均一な面発光を得るのに重要である。複数のLEDモジュール3を互いに直列に接続された複数のグループに属するように接続することは、個々のLEDモジュール3に流す電流Ifの大きさを高効率発光に適した低電流とするとともに、アノード電極21Aおよびカソード電極21B間の電圧を、定電流制御を比較的行いやすい27V程度とするのに都合がよい。
【0054】
図3に示すように、直行連結部26を境界として、複数のアノード折り返し部24Aおよび複数のカソード折り返し部24Bのx方向における配置が反対となる。これにより、アノード電極21Aおよびカソード電極21Bが配置された側においては、アノード折り返し部24Aとカソード折り返し部24Bとがアノード電極21Aおよびカソード電極21Bを臨むような配置となる。したがって、アノード電極21Aおよびカソード電極21Bから延びるアノード接続部27Aおよびカソード接続部27Bを短縮化することができる。
【0055】
直径D1,D2および距離Hを上述した寸法とすることにより、照明装置A1の照射範囲の照度をダウンライトとして適した分布とすることができる。
図16Aは、直径D1=60mm、直径D2=100mmとした場合に、距離Hを変えたときの照度分布を示している。具体的には、H=55mm,50mm,45mm,40mm,35mm,30mm,25mm,20mm,15mm,10mm,0mmとした場合の照度分布がそれぞれ曲線で示されている。横軸は、照明装置A1から1m離れた照射面において、照明装置A1正面を中心とした半径Rであり、縦軸は、上記照射面における相対照度Bである。相対照度Bは、H=55mm、R=0mmの照度を1とした相対照度である。
【0056】
本図から理解されるように、H=55mm(H/D2=0.55)からH=30mm(H/D2=0.3)のときは、R=0mmの相対照度Bがほとんど1.0であり、Rが大きくなるにつれて相対照度Bがなだらかに減少する分布となっている。これに対し、H=25mmからH=0mmのときは、R=0mmの相対照度Bが顕著に低下してしまう。これは、Hが25mm以下であると、不当に広い範囲に光が漏れてしまっていることを意味する。したがって、H≧30mmとすることが、照射範囲を明瞭に照射するのに好ましい。このような明瞭な照射を得るには、0.5≦D1/D2≦0.69であり、0.3≦H/D2≦0.55となるようにリフレクタ4を構成することが好ましい。
【0057】
図16Bは、直径D1=62mmとし、直径D2および距離Hを種々の値に変えたときの照度分布を示している。横軸は、照明装置A1から1m離れた照射面において、照明装置A1正面を中心とした半径Rであり、縦軸は、上記照射面における相対照度Bである。相対照度Bは、H=45mm、D2=100、R=0mmの照度を1とした相対照度である。
図16Bには、距離Hおよび直径D2を次の組み合わせとした各場合の相対照度Bが示されている。
【0058】
H=55mm、D2=100mm
H=50mm、D2=100mm
H=45mm、D2=100mm
H=40mm、D2=100mm
H=55mm、D2=97mm
H=50mm、D2=97mm
H=45mm、D2=97mm
H=40mm、D2=97mm
H=55mm、D2=95mm
H=50mm、D2=95mm
H=45mm、D2=95mm
H=40mm、D2=95mm
H=55mm、D2=90mm
H=50mm、D2=90mm
H=45mm、D2=90mm
H=40mm、D2=90mm
H=0mm、D2=0mm
図17は、D1=60mm、D2=100mmの場合(D1/D2=0.6)に、距離Hを様々な値としたときの効率を調べた結果を示す。「効率」とは、ここでは、全出射光量のうち、基板1の法線方向においてリフレクタ4の出射側開口42から1m離れた位置を中心とする一辺3mの正方形受光面に入る光量の割合である。H≧30mmの範囲において高い効率が実現されており、H≧40mmの範囲では、距離Hを大きくしても効率にほとんど変化がない。したがって、低背化の観点から、H=30〜40mmとすることが好ましい。
【0059】
図18A〜
図18Dは、次のNo.1〜No.9のように寸法を定めたリフレクタ4において、放射照度を測定した結果を示すグラフである。No.10は、リフレクタがない場合の相対照度である。「放射照度」は、基板1の法線方向においてリフレクタ4の出射側開口42から1m離れた位置を中心とする一辺3mの正方形受光面における値である。各グラフの横軸の「位置」は、前述のような正方形受光面の中心位置からの偏倚を表す。
【0060】
No.1 D1=52mm D2=90mm H=35mm
(D1/D2=0.58、H/D2=0.39)
No.2 D1=52mm D2=90mm H=40mm
(D1/D2=0.58、H/D2=0.44)
No.3 D1=52mm D2=90mm H=45mm
(D1/D2=0.58、H/D2=0.50)
No.4 D1=47mm D2=90mm H=35mm
(D1/D2=0.52、H/D2=0.39)
No.5 D1=47mm D2=90mm H=40mm
(D1/D2=0.52、H/D2=0.44)
No.6 D1=47mm D2=90mm H=45mm
(D1/D2=0.52、H/D2=0.50)
No.7 D1=42mm D2=90mm H=35mm
(D1/D2=0.47、H/D2=0.39)
No.8 D1=42mm D2=90mm H=40mm
(D1/D2=0.47、H/D2=0.44)
No.9 D1=42mm D2=90mm H=45mm
(D1/D2=0.47、H/D2=0.50)
No.11 D1=62mm D2=100mm H=55mm
(D1/D2=0.62、H/D2=0.55)
No.12 D1=62mm D2=100mm H=40mm
(D1/D2=0.62、H/D2=0.40)
No.13 D1=62mm D2=90mm H=40mm
(D1/D2=0.69、H/D2=0.44)
No.14 D1=52mm D2=90mm H=40mm
(D1/D2=0.58、H/D2=0.44)
天井穴の直径を100mmとしたとき、出射側開口42の直径D2は90mm程度の大きさをとることができる。この際にD1=52mmとしたときは、
図18Aに示すように、出射側開口面から基板1までの距離HをH=35mm、H=40mm、H=45mmと変化させた場合、それぞれの放射照度はNo.1、No.2、No.3に示す波形の値となり、いずれも略同じ値になる。
【0061】
一方、D2=90mm、D1=47mmとしたときは、
図18Bに示すように、H=35mm、H=40mm、H=45mmと変化させた場合、それぞれの放射照度はNo.4、No.5、No.6に示す波形の値となり、放射照度にばらつきが生じてしまう。
さらに、
図18Cに示すように、D1=42mmとしたときは、H=35mm、H=40mm、H=45mmと変化させた場合、D1=47mmとした場合に比較してよりいっそう放射照度にばらつきが生じてしまう。
【0062】
以上の測定結果に基づき、D2=90mmと大きくしてD1=45mm以下のリフレクタ4を用いると、設計変更により高さHを変更した際に高さによる放射照度のばらつきが大きくなってしまう。したがって、D2=90mmとした際に、設計変更により放射照度がばらつかないためには、D1=45mm以上であることが望ましい。また、LEDモジュールの搭載個数密度の関係からも、D1=45mm程度以上であることが望ましい。以上からD1/D2=0.5以上が好ましい範囲となる。
【0063】
また、
図18Dに示すようにD2=90mm、H=40mmのリクレクタ4を用いた際、D1=52mmのときにはNo.14に示す波形の放射照度を得ることができる。
一方、D2=90mm、H=40mmとしたままでD1=62mmとすると、No.13に示す波形の放射照度のように、No.14の波形が示す放射照度と比較して、集光の効果が小さくなり、直下の放射照度が弱くなってしまう。
【0064】
以上の理由よりH=40mmとし、出射側開口の直径D2=90mmと大きくした際にはD1=62mm以下、すなわちD1/D2=0.69以下(より好ましくは0.67以下)であることが望まれる。
また、各LEDモジュール3に流す電流Ifを小さくすることは、電流Ifを所望の大きさとするための電圧Vfのバラツキを小さくするのに有利であることが、発明者らの研究により判明した。発明者らは、複数個のLEDモジュール3について、電流Ifを10,100,200,300mAに制御したときの電圧Vfを測定しそのバラツキを評価した。その結果、測定された電圧Vfの標準偏差を平均値で割った変動係数は、電流Ifが10,100,200,300mAの順に、0.79、4.6、6.1、5.4であった。変動係数が大きいほど各測定における電圧Vfのバラツキが大きいことを意味する。本計測においては、電流Ifが10mAのときが、それ以外のときと比べて顕著にバラツキが小さい。本実施形態においては、LEDモジュール3に流れる電流Ifは、10mAよりもさらに低い4.0mAであることから、電圧Vfのバラツキが非常に小さいと推測できる。
【0065】
たとえば、本実施形態とは異なり面状光源部3Aを構成するには至らない個数である6つのLEDチップに7Wの電力を投入した場合、基板1の温度が50〜60℃であったのに対し、本実施形態においては基板1の温度は40〜45℃であった。これは、投入電力が同じでも、発熱源であるLEDモジュール3(LEDチップ31)がより分散された態様で実装されている本実施形態の方が、筐体5への放熱が高くなっているからであると考えられる。このように、面状光源部3Aを有する構成であれば、照明時の放熱を比較的有利に行うことができる。
【0066】
リフレクタ4の内面を凹凸状の金属表面とすることにより、照明装置A1からの光をより均一化することができる。
図19〜
図27は、本発明に係る照明装置およびその構成部品の他の例を示している。これらの図面において上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0067】
図19は、基板1、配線パターン2、および複数のLEDモジュール3の他の例を示している。同図に示された構成においては、基板1が、略小判形状とされている。また、配線パターン2の形状が上述した実施形態と異なっている。複数のLEDモジュール3の実装密度は上述した実施形態と同様である。このような構成によれば、基板1のもととなる材料から作成可能な基板1の枚数を増加させることが可能であり、製造コストの低減に好ましい。
【0068】
図20〜
図22は、LEDモジュール3の他の例を示している。同図に示されたLEDモジュール3は、幅が0.6mm、長さが1.0mm、厚さが0.2mmとされており、小型でありかつ非常に薄型のLEDモジュールとして構成されている。このようなLEDモジュール3を用い、かつ隣り合うLEDモジュール3どうしの隙間を0.5mm程度とすれば、LEDモジュール3の搭載個数密度を少なくとも60個/cm
2にまで高めることが可能である。このような構成によれば、面状光源部3Aをより均一な光を発する発光面として視認させるのに適している。また、このLEDモジュール3は、
図11に示すグラフのType
Bに相当する。このタイプのLEDモジュール3は、電流Ifが小さいほど発光効率を高めることが期待できる。照明装置A1としての消費電力が同じ場合、搭載密度を高めることにより電流Ifを小さくすることが可能である。
【0069】
図23および
図24は、基板1、配線パターン2、および複数のLEDモジュール3の他の例を示している。同図に示された構成においては、基板1の寸法は、上述した例と同様であるが、配線パターン2およびLEDモジュール3の構成が上述した実施形態と異なっている。
図24に示すように、このLEDモジュール3は、リード35A,35Bおよびリフレクタ36を備えている。リード35A,35Bは、たとえばCu−Ni合金からなる板状部材である。リード35Bには、LEDチップ31が搭載されており、リード35Aは、ワイヤを介してLEDチップ31と導通している。リフレクタ36は、たとえば白色樹脂からなる。リード35A,35Bの下面は、リフレクタ36から露出しており、LEDモジュール3を面実装するための実装端子として用いられている。LEDモジュール3は、そのサイズが、4.0mm×2.0mmである。
【0070】
図23および
図24に示すように、本実施形態においては、カソード直線部23Bが比較的広幅とされている。より具体的には、平面視において
図23によく表れているように、LEDチップ31とカソード直線部23Bとが重なるほどの幅とされている。また、リード35Bの裏面のすべてにカソード直線部23Bが対面する格好となっている。なお、本実施形態のLEDチップ31に対してLEDチップ31の極性が逆向きとなるように組み込まれたLEDモジュール3を用いた構成の場合、カソード直線部23Bに代えて、アノード直線部23AをLEDチップ31と重なるほどの広幅としてもよい。
【0071】
配線パターン2は、アノード拡幅部23Aaおよびカソード拡幅部23Baを有している。アノード拡幅部23Aaは、アノード直線部23Aに導通しており、カソード拡幅部23Baは、カソード直線部23Bに導通している。アノード拡幅部23Aaおよびカソード拡幅部23Baは、基板1の端部寄りに配置されており、その外縁が、基板1の外縁に沿った形状とされている。
【0072】
本実施形態においては、搭載個数密度が3.0個/cm
2程度であり、占有面積割合が24%程度である。このような実施形態であっても、たとえば6つ程度のLEDモジュール3が搭載された構成と比べて、面発光していると視認できる面状光源部3Aを構成することができる。さらに、本実施形態のLEDモジュール3どうしの隙間を0.5mm程度とすれば、占有面積割合を70%程度にまで高めることが可能である。このような構成によれば、面状光源部3Aを極めて均一な光を発する発光面として視認させるのに好適である。
【0073】
LEDチップ31からの熱が、リード35Bを介してカソード直線部23Bへと好適に伝達される。カソード直線部23B自体が広幅であることにより、LEDチップ31からの熱を速やかに拡散させることができる。さらに、アノード拡幅部23Aaおよびカソード拡幅部23Baによって、アノード直線部23Aおよびカソード直線部23Bから伝わってきた熱を外部に放散することを促進することができる。このような構成により、本実施形態においては、LEDモジュール3からの熱を効率よく放熱することができる。
【0074】
図25は、基板1、配線パターン2、および複数のLEDモジュール3のさらに他の例を示している。同図に示された基板1は、その外形が102mm程度であり、天井などに開けられたφ150mm程度の開口に設置するのに適したサイズとされた照明装置A1に用いられるものである。この基板1には、
図6〜
図8に示したタイプのLEDモジュール3が、816個程度実装されている。リフレクタ4の開口41の直径D1が70mm程度に設定される。
【0075】
配線パターン2は、複数の非導通放熱部28を有している。非導通放熱部28は、アノード直線部23Aおよびカソード直線部23Bのいずれとも導通しておらず、アノード直線部23Aおよびカソード直線部23Bに対して、基板1の端部寄りに配置されている。各非導通放熱部28は、その外縁が基板1の外縁に沿った形状とされている。このような構成によっても、面状光源部3Aを発光面として視認させることができる。非導通放熱部28を設けることにより、基板1の一部が不当に高温となることを回避することができる。
【0076】
むろん、前述の例に倣って、
図25に示されたLEDモジュール3を間引いて、その個数を
図25の構成の場合の2分の1などとしてもよい。これにより、少ない個数のLEDモジュール3で所要の照度を確保し、かつ、優れた発光効率を実現することができる。
図26は、本発明の第2実施形態に基づく照明装置を示している。本実施形態の照明装置A2は、筐体5の構成が上述した実施形態と異なっている。本実施形態の筐体5は、底部51および筒部52を有しており、これらが一体的に繋がった構造とされている。底部51には、基板1が接している。
【0077】
このような構成によれば、基板1から底部51へと速やかに熱を伝達させることができる。そして、この熱を、底部51から筒部52へと拡散させることが可能である。これにより、複数のLEDモジュール3の放熱性をさらに高めることができる。
図27は、本発明の第3実施形態に基づく照明装置を示している。本実施形態の照明装置A3は、電源ユニットが照明装置本体とは別に配置される電源別置型である。そのため、前述の実施形態のような筐体5が設けられていない。これにより、照明装置本体を低背化できるので、設置スペースが限られている場合でも施工が可能となる。
【0078】
上記の他にも、照明装置の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。たとえば、すべてのLEDモジュール3が同一の波長の光を発する構成の他に、互いに異なる波長の光を発する複数のLEDモジュール3を備える構成であってもよい。たとえば、電球色を発するLEDモジュール3と昼光色を発するLEDモジュール3とを備える構成としてもよい。この場合、電球色を発するLEDモジュール3と昼光色を発するLEDモジュール3とのうち実際に発光させる割合や、電流Ifの大きさを個々に制御することにより、電球色、温白色、白色、昼白色、昼光色の光を任意に照射することが可能である。あるいは、白色のLEDモジュール3を囲むようにたとえば緑色のLEDモジュール3を配置すれば、常時は、白色のLEDモジュール3を発光させ、緊急時には、緑色のLEDモジュール3を発光させるという使い方ができる。LEDモジュール3は、1つのLEDチップ31を備えるものに限定されず、たとえば赤色光、緑色光、青色光を発する3つのLEDチップ31を備える構成としてもよい。
【0079】
基板1や配線パターン2の構成を変更することなく、複数のLEDモジュール3の個数を減らすことにより、照明装置A1〜A3の定格電力を容易に変更することができる。たとえば、照明装置A1の複数のLEDモジュール3から、3つに1つの割合で取り除いたように実装すれば、定格電力を2/3にすることができる。あるいは、照明装置A1〜A3の複数のLEDモジュール3から、3つに2つの割合で取り除いたように実装すれば、定格電力を1/3にすることができる。
【0080】
また、リフレクタ4の出射側開口41側に、レンズを設け、LEDモジュール3から発生する光の集光または拡散を図る構成としてもよい。
基板1の色や、配線パターン2を覆うレジストの色を適宜塗り分ければ、LEDモジュール3の非点灯時に任意の模様や文字が現れる構成とすることができる。
基板1の形状は円形に限定されず、正方形に代表される矩形状、六角形などの多角形状など様々な形状であってもよい。
【0081】
また、照明装置の用途は、ダウンライトに限定されず、面状光源部から光を照射することが好ましい様々な用途に用いることができる。
図28〜
図30は、本発明の第4実施形態に係る照明装置としてのLEDランプを示している。本実施形態のLEDランプA11は、基板101、複数のLEDモジュール103、放熱部材111、電源基板104、複数の電源部品105、ケース106、および一対の口金107を備えており、たとえば直管形蛍光ランプの代替として一般用蛍光ランプ照明器具に取り付けて用いられる。
【0082】
基板101は、たとえばガラスエポキシ樹脂製であり、長矩形状に形成されている。基板101は、放熱部材111上に積層配置されており、たとえばネジなどを用いて放熱部材111に取り付けられている。基板101としては、表面に絶縁処理が施されたアルミ板を用いてもよい。
基板101の上面101aには、複数のLEDモジュール103が実装されている。
図30に示すように、本実施形態においては、複数のLEDモジュール103は、ケース106の中心軸O1を含む平面に沿って配置されている。
図31に示すように、複数のLEDモジュール103は、千鳥状に配置されている。
図32〜
図34に示すように、LEDモジュール103は、LEDチップ131、樹脂パッケージ132、基板133、および一対の実装端子134を備えている。LEDモジュール103は、幅が0.6mm、長さが1.0mm、厚さが0.2mmとされており、小型でありかつ非常に薄型のLEDモジュールとして構成されている。
【0083】
基板133は、平面視略矩形状であり、たとえばガラスエポキシ樹脂からなる絶縁基板である。基板133の表面には、LEDチップ131が搭載されている。基板133の裏面には、一対の実装端子134が形成されている。基板133の厚さは、0.05〜0.08mm程度とされている。LEDチップ131は、LEDモジュール103の光源であり、たとえば可視光を発光可能とされている。樹脂パッケージ132は、LEDチップ131を保護するためのものである。樹脂パッケージ132は、LEDチップ131からの光に対して透光性を有するたとえばエポキシ樹脂、またはLEDチップ131からの光によって励起されることにより異なる波長の光を発する蛍光物質を含む透光樹脂を用いてモールド成形されている。本実施形態においては、たとえば、LEDチップ131からの青色光と、樹脂パッケージ132に含まれる上記蛍光物質からの黄色光を混色させることにより、LEDモジュール103は、白色を照射することができる。上記蛍光物質としては、黄色光を発するものに代えて、赤色光および緑色光を発するものを用いてもよい。
【0084】
図31に示すように、基板101には、配線パターン102が形成されている。配線パターン102は、たとえば銅などの金属膜からなり、複数のLEDモジュール103を実装し、これらに電力供給するためのものである。配線パターン102は、複数のパッド部122を有している。配線パターン102のうちLEDモジュール103を実装するための部分以外の部分は、たとえば白色レジストなどの高反射率を有する絶縁層(図示略)によって覆われている。
【0085】
複数のパッド部122は、複数のLEDモジュール103が実装される部分である。パッド部122は、アノード直線部123A(図中黒色)およびカソード直線部123B(図中灰色)からなる。アノード直線部123Aおよびカソード直線部123Bは、それぞれが長手方向Xに延びており、幅方向Yにおいて間隔をおいて平行に配置されている。これにより、複数のパッド部122は、すべてが長手方向Xに沿って延びている。また、複数のパッド部122の多くは、幅方向Yにおいて間隔を隔てて平行に配置されている。さらに、いくつかのパッド部122どうしは、長手方向Xにおいて間隔をおいて直列に配置されている。
【0086】
LEDモジュール103は、一対の実装端子134の一方がアノード直線部123Aに、他方がカソード直線部123Bにたとえばハンダ付けされることにより、パッド部122に実装されている。これにより、1つのパッド部122に実装された複数のLEDモジュール103は、互いに並列に接続される。また、斜行連結部125を挟んで、並列に接続された複数のLEDモジュール103からなる2つのグループが配置されている。斜行連結部125を挟んで両側に配置された2つのパッド部122は、幅方向Yにおいてアノード直線部123Aおよびカソード直線部123Bの配置が同じである。斜行連結部125は、一方のパッド部122のアノード直線部123Aと他方のパッド部122のカソード直線部123Bとを連結している。これにより、これらの2つのグループに属する複数のLEDモジュール103は、互いに直列に接続されている。
【0087】
このような構成により、複数のLEDモジュール103、すなわち複数のLEDチップ131が、
図35に示されるように接続されている。本実施形態においては、複数のLEDモジュール103は、複数のグループ131Aに分けられている。グループ131Aには、互いに並列に接続された複数のLEDモジュール103が含まれている。これらのグループ131Aが、互いに直列に接続されている。この複数のグループ131Aの直列回路が、電源基板104(
図29参照)に形成された電源ユニットに接続されている。この電源ユニットとしては、前述の
図10に示された定電流電源ユニットと同様のものを適用することができる。
【0088】
各LEDモジュール103(LEDチップ131)のいわゆる定格電流が20mAであるのに対し、実際に流れる電流Ifは、たとえば4.0mA以下である。高密度に実装された複数のLEDモジュール103が発光すると、肉眼では複数の点光源の集合とは視認されず、面発光しているように視認される。すなわち、複数のLEDモジュール103が実装された領域は、面状光源部103Aを構成している。
【0089】
具体的には、LEDランプA11が、40形(基板が1.7cm×120cm程度)の直管形蛍光ランプ相当のサイズである場合、LEDモジュール103の搭載個数は、600個以上である。より好ましくは、LEDモジュール103の搭載個数は、1000個以上、4000個以上、8000個以上、さらには12000個以上である。
LEDランプA11が、20形(基板が1.7cm×58cm程度)の直管形蛍光ランプ相当のサイズである場合、LEDモジュール103の搭載個数は、290個以上である。より好ましくは、LEDモジュール103の搭載個数は、480個以上、1900個以上、3900個以上、さらには5800個以上である。
【0090】
LEDランプA11が、15形(基板が1.7cm×44cm程度)の直管形蛍光ランプ相当のサイズである場合、LEDモジュール103の搭載個数は、200個以上である。より好ましくは、LEDモジュール103の搭載個数は、330個以上、1300個以上、2700個以上、さらには4000個以上である。
LEDランプA11が、10形(基板が1.7cm×33cm程度)の直管形蛍光ランプ相当のサイズである場合、LEDモジュール103の搭載個数は、150個以上である。より好ましくは、LEDモジュール103の搭載個数は、250個以上、1000個以上、2000個以上、さらには3000個以上である。
【0091】
たとえば、40形相当で搭載個数が12000個の場合、隣り合うLEDモジュール103どうしの隙間はLEDモジュール同士の距離を短く詰めた場合であり、その距離はおよそ0.5mm程度である。基板101の面積(1.7cm×120cm:面状光源部が照明空間に臨む開口面積に相当する)に対するLEDモジュール103の搭載個数に置き換えると、およそ60個/cm
2(12000個/(1.7cm×120cm))程度である。また、LEDモジュール103の間隔に余裕を持たせた場合は、基板101の面積に対するLEDモジュール103の搭載個数は5個/cm
2程度となる。また、LEDモジュール103の間隔にさらに余裕を持たせた場合は、基板101の面積に対するLEDモジュール103の搭載個数密度は3個/cm
2程度となる。したがって、基板101の面積に対するLEDモジュールの搭載個数は3個/cm
2程度から60個/cm
2の範囲内であることが好ましい。たとえば、5個/cm
2、20個/cm
2、40個/cm
2などが相当する。
【0092】
基板101の面積に対するLEDモジュール103の合計面積の占有割合という観点からは、その上限は36%程度(0.1cm×0.06cm×12000/(1.7cm×120cm))が好ましい。また、基板101の面積に対するLEDモジュール103の搭載個数が3個/cm
2程度となるようにLEDモジュール同士の距離を設定した場合は、基板101の面積に対するLEDモジュール103の合計面積の占有割合は1.8%程度(0.1cm×0.06cm×600/(1.7cm×120cm))となる。したがって、この場合は基板101の面積に対するLEDモジュール103の合計面積の占有割合は1.8%程度以上であることが望ましい。
【0093】
幅方向Yにおける複数のLEDモジュール103の搭載個数(列数)は、少なくとも3列以上である。隣り合うLEDモジュール103の隙間を0.5mm程度とした場合、この列数は、15列に達する。より好ましくは、長手方向Xにおける単位長さあたりのLEDモジュール103の搭載個数である搭載個数密度は、幅方向Yの単位長さあたりの搭載個数密度よりも大である。また、長手方向XにおけるLEDモジュール103の占有割合は、幅方向Yにおける占有割合よりも大であることが好ましい。このような構成とするには、LEDモジュール103の長手方向を基板101の長手方向Xに沿わせる配置としてもよい。
【0094】
放熱部材111は、たとえばAlからなり、
図28および
図29に示すように基板101の長手方向Xに沿って延びる細長ブロック状とされている。
図30によく表れているように、放熱部材111は、その断面が中空半円形状とされている。放熱部材111の中空部には、電源基板104および複数の電源部品が格納されている。
電源基板104は、たとえばガラスエポキシ樹脂製であり、長矩形状に形成されている。複数の電源部品105は、LEDモジュール103を点灯させるための電源回路として機能するものであり、電源基板104の両面に実装されている。複数の電源部品105は、AC/DCコンバータ151と、コンデンサや抵抗器などの他の機能部品152とを含み、商用電源から供給される交流を直流定電流に変換してLEDモジュール103に供給するように構成されたものである。AC/DCコンバータ151は、電源基板104に実装される他の部品に比べて、空間に占めるサイズが大きい。
【0095】
ケース106は、基板101および放熱部材111を収容するためのものであり、
図30によく表れているように、円形断面を有する直管状の円筒形とされている。ケース106の内面には、内側に突出させられた一対の突出片161が一体形成されている。このような構成のケース106は、たとえばポリカーボネートなどの合成樹脂からなり、押出成形によって一体形成される。
【0096】
図30に表された収容状態において、基板101は、上面101aが突出片161と当接することによってケース106に対する上記中心軸O1に垂直な方向(図中上方向)の移動が規制されている。基板101および放熱部材111、および電源基板104のケース106内への収容は、突出片161の下方において、基板101および放熱部材111をスライドさせながらケース106内に挿入することにより行う。
【0097】
一対の口金107は、蛍光ランプ照明器具のソケットに装着することにより、商用交流電源から電力供給するためのものである。
図29に表れているように、口金107は、有底円筒状のカバー体171と、カバー体171の中空部に収容保持された樹脂ブロック172と、2本の端子173とを備えている。放熱部材111は、一対の口金107によって支持された状態となっている。端子173と電源基板104とは、電線によって接続されている。端子173は、カバー体171および樹脂ブロック172に貫通する状態で設けられている。端子173の一端部(外側の端部)は、蛍光ランプ照明器具の上記ソケットの差込口に嵌合される部分であり、端子173の他端部は、基板101の配線パターン102との間で電気的導通が図られている。
【0098】
次に、LEDランプA11の作用について説明する。
本実施形態によれば、上記複数のLEDモジュール103が構成する面状光源部103Aから光が発せられる。たとえば複数の点光源から発せられる光を観察した場合に、複数の鋭く輝く輝点が認識されるのとは異なり、面状光源部103Aからの光は、全体に均一な輝度を有する光である。このため、たとえばケース106に強力な拡散機能を持たせることなく、LEDランプA11から均一な光を出射することが可能である。これは、ケース106による光の減衰を抑制するのに適しており、LEDランプA11の発光効率を高めることができる。
【0099】
面状光源部103Aから均一な輝度の面状光を適切に出射させるためには、LEDモジュール103の搭載個数を上述した数量、あるいは密度、占有割合とすることが好ましい。幅方向Yにおいてよりも長手方向Xにおいての方が、LEDモジュール103が密に配置されていることは、直管形とされたLEDランプA11からの光が、長手方向Xにおいて不均一に見えてしまうことを抑制するのに適している。
【0100】
LEDモジュール103(LEDチップ131)に流れる電流Ifの大きさとしては、4.0mA以下という値は比較的低電流である。本実施形態に用いられる程度の仕様のLEDモジュール103の場合、電流Ifが小さいほど投入電力のうち発熱に消費される割合を小とすることが可能である。つまり、前述の第1の実施形態の場合と同様に、LEDモジュール103は、8mA以下(より好ましくは4mA以下)の電流で駆動するときに、優れた発光効率が得られる。換言すれば、LEDモジュール103(LEDチップ131)は、定格電流の20%以下(より好ましくは40%以下)の電流で駆動するときに、優れた発光効率が得られる。また、照度むらを改善する観点からも8mA(定格電流の40%)以下(より好ましくは4mA(定格電流の20%)以下)の電流でLEDモジュール103を駆動することが好ましい。
【0101】
また、各LEDモジュール103に流す電流Ifを小さくすることは、電流Ifを所望の大きさとするための電圧Vfのバラツキを小さくするのに有利であることが、発明者らの研究により判明した。発明者らは、複数個のLEDモジュール103について、電流Ifを10,100,200,300mAに制御したときの電圧Vfを測定しそのバラツキを評価した。その結果、測定された電圧Vfの標準偏差を平均値で割った変動係数は、電流Ifが10,100,200,300mAの順に、0.79、4.6、6.1、5.4であった。変動係数が大きいほど各測定における電圧Vfのバラツキが大きいことを意味する。本計測においては、電流Ifが10mAのときが、それ以外のときと比べて顕著にバラツキが小さい。本実施形態においては、LEDモジュール103に流れる電流Ifは、10mAよりもさらに低い4.0mAであることから、電圧Vfのバラツキが非常に小さいと推測できる。
【0102】
斜行連結部125を備えることにより、長手方向Xに整然と並べられた複数のLEDモジュール103を、互いに直列に接続された複数のグループに属するように、接続することができる。複数のLEDモジュール103を整然と配置することは、均一な面発光を得るのに重要である。複数のLEDモジュール103を互いに直列に接続された複数のグループに属するように接続することは、個々のLEDモジュール103に流す電流Ifの大きさを高効率発光に適した低電流とするとともに、アノード電極121Aおよびカソード電極121B間の電圧を、定電流制御を比較的行いやすい27V程度とするのに都合がよい。
【0103】
たとえば、本実施形態とは異なり面状光源部103Aを構成するには至らない個数のLEDチップに同等の輝度を発するための電力を投入した場合、基板の温度が50〜60℃であったのに対し、本実施形態においては基板101の温度は40〜45℃であった。これは、投入電力が同じでも、発熱源であるLEDチップ131がより分散された態様で実装されている本実施形態の方が、放熱が促進されているからであると考えられる。このように、面状光源部103Aを有する構成であれば、照明時の放熱を比較的有利に行うことができる。
【0104】
上述のように、ケース106の内側には対をなす突出片161が設けられており、これら突出片161が基板101の幅方向Yの両端において上面101aと当接することによって、ケース106に対してケース106の中心軸O1に垂直な方向(ケース106の半径方向)の移動が規制される。これにより、LEDランプA11の組み立て時には、ケース106内に基板101を挿入するだけで、ケース106に対する基板101の相対的な位置決めを図ることができる。したがって、LEDランプA11の組み立て作業を容易に行うことができる。
【0105】
図36は、LEDランプA11におけるLEDモジュール103の配置構成の変形例を示している。この変形例においては、複数のLEDモジュール103のほとんどが上述した白色光を発するものであるのに加えて、少量のLEDモジュール103rが赤色光を発するものとして構成されている。LEDモジュール103rは、所定数の白色光を発するLEDモジュール103を挟んで離散的に配置されている。このような構成によれば、青色光および黄色光のみを混色させることによって得られる白色光よりも、色味が深い、いわゆる演色性が高い光を出射することができる。
【0106】
図37〜
図39は、LEDランプA11に用いられるLEDモジュール103の変形例を示している。この変形例においては、LEDモジュール103は、その平面視寸法が1.6mmx0.8mm、高さが0.55mm程度とされている。この場合、隣り合うLEDモジュール103どうしの隙間を0.5mmとすれば、基板101の面積に対するLEDモジュール103の合計面積の占有割合を47%程度に高めることができる。
【0107】
図40〜
図42は、LEDランプA11に用いられるLEDモジュール103の他の変形例を示している。この変形例においては、LEDモジュール103は、ケース135を備えている。ケース135は、たとえば白色樹脂からなり、LEDチップ131および樹脂パッケージ132を囲む反射面135aを有している。反射面135aは、LEDチップ131から側方に進行する光を反射することにより上方に向かわせるためのものである。このため、このLEDモジュール103は、比較的高輝度のタイプに属する。LEDモジュール103は、その平面視寸法が4.0mmx2.0mm、高さが0.55mm程度とされている。この場合、隣り合うLEDモジュール103どうしの隙間を0.5mmとすれば、基板101の面積に対するLEDモジュール103の合計面積の占有割合を70%程度に高めることができる。
【0108】
図43および
図44は、本発明の第5実施形態に係るLEDランプを示している。なお、これらの図において、上記第4実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付している。本実施形態のLEDランプA12は、基板101および放熱部材111の構成が、上述した第4実施形態と異なっている。
本実施形態においては、基板101として、比較的薄肉の樹脂層(図示略)と金属配線層(図示略)とからなるフレキシブル配線基板が用いられている。このような基板101は、可撓性に富んでおり、円筒形状とされた放熱部材111に巻きつけられている。このため、基板101の幅方向Yは、本実施形態においては放熱部材111の周方向となっている。
【0109】
基板101の上記金属配線層は、上述した実施形態の配線パターン102と同様の構成とされており、複数のLEDモジュール103が実装されている。複数のLEDモジュール103は、千鳥状に高密度に配置されている。
このような実施形態によってもLEDランプA12の発光効率を高めることができる。LEDランプA12は、複数のLEDモジュール103が発光することにより、円筒の表面全体が発光するような形態を呈する。このため、ケース106による拡散機能をさらに弱めることが可能である。これは、ケース106の透過率を高めることに繋がり、LEDランプA12の発光効率を高めるのに有利である。
【0110】
また、LEDモジュール103を搭載可能な基板101の面積を飛躍的に拡大することが可能であり、LEDモジュール103の搭載個数を増大するのに好適である。具体的には、LEDモジュール103の搭載個数を、LEDランプA12が10形相当の場合で9400個程度、15形の場合で12500個程度、20形の場合で18000個程度、さらに40形の場合には37000個にまで増やすことができる。
【0111】
図45〜
図47は、本発明の第6実施形態に基づくLEDランプを示している。本実施形態のLEDランプA13は、放熱部材111の構成および複数の電源部品105の配置が上述した実施形態と異なっている。
本実施形態においては、
図47によく表れているように、放熱部材111の表面には複数の凹部111aが形成されており、凹凸を有する形状となっている。凹部111aは、基板101の長手方向Xに沿って放熱部材111の略全長にわたって形成されている。
【0112】
また、電源基板104は、複数の金属製のリード141よって基板101に取り付けられている。複数のリード141は、たとえば、一方の端部が電源基板104の長手方向両端部に対してハンダ付けによって固定されており、他方の端部が基板101の上面101aに設けられた図示しないパッドにハンダ付けされている。これにより、電源基板104は、基板101ないし放熱部材111に対して離間して配置されている。なお、基板101の配線と電源基板104の配線とは、リード141を介して電気的導通が図られている。
【0113】
ケース106においては、突出片161が、ケース106の中心軸O1から下方(半径方向)に偏倚し、かつ当該中心軸O1に平行な面内において突出しているとともに、上記中心軸O1に沿う方向に延びている。基板101は、ケース106の中心軸O1から上面101aとは反対側に偏倚した位置にあり、電源基板104は、ケース106の中心軸O1近傍に位置している。このように、電源基板104が基板101よりも中心軸O1寄りに位置していることから、電源基板104の幅寸法を、基板101の幅寸法よりも大とすることができる。基板101、放熱部材111、および電源基板104のケース106内への収容は、突出片161の下方において、基板101および放熱部材111をスライドさせながらケース106内に挿入することにより行う。
【0114】
口金107は、有底円筒状のカバー体171と、カバー体171の中空部に収容保持された樹脂ブロック172と、2本の端子173とを備えている。樹脂ブロック172には凹部172aが形成されており、この凹部172aに放熱部材111の長手方向X端部を嵌挿することにより、口金107は放熱部材111に取り付けられている。これにより、LEDランプA13において、放熱部材111は、一対の口金107によって支持された状態となっている。
【0115】
カバー体171と樹脂ブロック172との間には部分円筒状の隙間が設けられており、口金107が放熱部材111に取り付けられた状態において、ケース106の長手方向X両端部が上記隙間に挿入されている。ここで、
図19に表れているように、ケース106の長手方向Xの先端縁106aと樹脂ブロック172の端縁172bとの間には、隙間が設けられている。
【0116】
このような構成によれば、比較的大サイズであるAC/DCコンバータ151をケース106内において適切に配置することができる。また、ケース106が仮に熱膨張したとしても、口金107と干渉することを抑制することが可能である。
本発明に係るLEDランプは、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係るLEDランプの各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【0117】
すべてのLEDモジュール103が同一の波長の光を発する構成の他に、互いに異なる波長の光を発する複数のLEDモジュール103を備える構成であってもよい。たとえば、電球色を発するLEDモジュール103と昼光色を発するLEDモジュール103とを備える構成としてもよい。この場合、電球色を発するLEDモジュール103と昼光色を発するLEDモジュール103とのうち実際に発光させる割合や、電流Ifの大きさを個々に制御することにより、電球色、温白色、白色、昼白色、昼光色の光を任意に照射することが可能である。LEDモジュール103は、1つのLEDチップ131を備えるものに限定されず、たとえば赤色光、緑色光、青色光を発する3つのLEDチップ131を備える構成としてもよい。
【0118】
本発明の実施形態について詳細に説明してきたが、これらは本発明の技術的内容を明らかにするために用いられた具体例に過ぎず、本発明はこれらの具体例に限定して解釈されるべきではなく、本発明の精神および範囲は添付の請求の範囲によってのみ限定される。
この出願は、2008年8月11日に日本国特許庁に提出された特願2008−206865号、2008年12月12日に日本国特許庁に提出された特願2008−317048号、2008年12月22日に日本国特許庁に提出された特願2008−324837号、2009年1月9日に日本国特許庁に提出された特願2009−3727号、および2009年4月27日に日本国特許庁に提出された特願2009−108334号、に対応しており、これらの出願の全開示はここに引用により組み込まれるものとする。
【0119】
以下、この明細書および添付図面から抽出され得る特徴を記す。
照明装置は、基板と、上記基板に配置された複数のLEDチップによって構成された面状光源部と、を備えている。より具体的には、上記面状光源部は、照明空間(照明対象の空間)に所定の開口面積で臨む。そして、上記複数のLEDチップは、上記開口面積に対する搭載個数密度が3個/cm
2以上となるように上記基板に配置(好ましくは均等に配置)されており、これにより面状の光源を形成している。上記開口面積は、照明空間に臨む基板の面積よりも大きくてもよい。つまり、面状光源部が基板の面積よりも大きな開口面積で照明空間に臨む場合がある。また、上記開口面積は、照明空間に臨む基板表面の面積であってもよい。つまり、面状光源部において照明空間に臨む開口面積が基板表面の面積と等しい場合がある。この場合において、基板表面の一部領域のみが照明空間に臨む場合には当該一部領域の面積が開口面積であり、基板表面の全領域が照明空間に臨む場合には当該全領域の面積が開口面積である。
【0120】
このような構成によれば、複数のLEDチップを基板上に高密度配置することで面状光源部が形成されている。そのため、数個の高輝度LEDを用いる場合に比較して、1チップ当たりの駆動電流を抑制できるから、エネルギー効率のよい電流域でLEDチップを発光させることができる。したがって、発光効率に優れた照明装置を実現できる。しかも、LEDチップの高密度配置によって、実質的な面状光源を形成できるので、均一な輝度での発光が可能になる。さらにまた、1チップ当たりの駆動電流が小さいので、発熱量を抑制できる。そのため、放熱対策が容易であり、それに応じて照明装置の構成を簡素化および小型化することができる。
【0121】
また、上記面状光源部から発せられる光は、上記基板の表面の法線方向を中心として進行するものであり、あらゆる方向に向かうものではない。このため、たとえばハロゲンランプに代表される点光源を備える照明装置と比べて、所望の範囲に光を向かわせるためのたとえばリフレクタを小さくすることが可能である。したがって、上記照明装置の小型化が可能であり、上記照明装置を取り付ける場合には、天井の設置スペースを小さくすることができる。
【0122】
第1の側面によって提供される照明装置では、上記複数のLEDチップは、1チップ当たりの駆動電流が、当該LEDチップの定格電流の40%以下(より好ましくは20%以下)である。さらに具体的には、上記複数のLEDチップは、1チップ当たりの駆動電流が、当該LEDチップの定格電流の20±3%の範囲内の値であることが好ましい。より具体的には、上記複数のLEDチップは、1チップあたりの駆動電流が8mA以下(より好ましくは4mA以下)であってもよい。
【0123】
このような駆動電流域においては、LEDチップは優れた発光効率を有するので、エネルギー効率のよい面状光源を提供でき、これにより、優れた発光効率の照明装置を実現できる。
また、LEDチップ1個当たりの駆動電流が大きい場合には、個々のLEDチップの輝度が大きくなり、照度むらが生じるおそれがある。より具体的には、照明装置から近距離にある物体表面(たとえば壁面)に縞状等の濃淡模様が形成されるおそれがある。これに対して、1チップ当たりの駆動電流を前述の範囲に設計すると、照度むらを効果的に抑制することができる。すなわち、発光効率の向上および照度むらの抑制を併せて達成することができる。
【0124】
一つの形態においては、上記複数のLEDチップは、互いに直列に接続された複数のグループに属しており、上記各グループに属する上記複数のLEDチップは、互いに並列に接続されている。このような構成によれば、上記LEDチップを高い発光効率で発光させるのに適している。
より具体的には、上記照明装置は、上記複数のLEDチップに電流を供給する定電流電源をさらに含み、上記複数のグループが上記定電流電源に直列に接続されていてもよい。これにより、定電流電源から供給される電流は、各グループにおいて、並列接続された複数のLEDチップに分配される。したがって、個々のLEDチップの駆動電流は、各グループを構成するLEDチップの個数(並列数)に応じた値となる。
【0125】
第2の側面によって提供される照明装置では、上記各グループのLEDチップの個数(並列数)が、LEDチップ1個当たりの駆動電流が当該LEDチップの定格電流の40%以下(好ましくは20%以下)となるように選択されている。より具体的には、上記各グループのLEDチップの個数(並列数)が、LEDチップ1個当たりの駆動電流が当該LEDチップの定格電流の20%±3%の範囲内の値となるように選択されていることが好ましい。また、上記各グループのLEDチップの個数(並列数)が、LEDチップ1個当たりの駆動電流が8mA以下(より具体的には4mA以下)となるように選択されていてもよい。
【0126】
一つの形態においては、それぞれが、1以上の上記LEDチップと、互いに離間配置された一対の実装端子とを有する複数のLEDモジュールを備えている。
この場合に、上記開口面積に対する上記複数のLEDモジュールの占有面積割合が、20%以上であることが好ましい。
また、一つの形態においては、上記複数のLEDモジュールは、上記一対の実装端子が第1方向において離間する姿勢で、それぞれが上記第1方向と直角である第2方向に沿うように互いに平行に配置された複数の列をなすように配置されている。このような構成によれば、均一な面発光を実現するのに有利である。
【0127】
一つの形態においては、上記複数のLEDモジュールは、千鳥状に配置されている。このような構成によれば、均一な面発光を実現するのに好適である。
第3の側面によって提供される照明装置では、上記基板には、それぞれが、上記第2方向に延びており、かつ上記第1方向に離間して平行に配置されたアノード直線部およびカソード直線部からなる、複数のパッド部と、上記複数のパッド部のうち上記第2方向において隣り合い、かつ上記第1方向においてそれぞれのアノード直線部およびカソード直線部が同じ側に配置されたものの一方の上記アノード直線部と他方の上記カソード直線部を連結する斜行連結部と、を有する配線パターンが形成されており、上記複数のLEDモジュールは、上記アノード直線部および上記カソード直線部にまたがるように実装されている。
【0128】
このような構成によれば、上記第2方向に整然と配置された上記LEDモジュールを、互いに直列に接続された複数のグループに属するように、接続することができる。複数の上記LEDモジュールを整然と配置することは、均一な面発光を得るのに重要である。複数のLEDモジュールを互いに直列に接続された複数のグループに属するように接続することは、個々の上記LEDモジュールに流す電流の大きさを高効率発光に適した低電流とするのに都合がよい。
【0129】
一つの形態においては、上記配線パターンは、上記第1方向において隣り合う上記アノード直線部を連結するアノード折り返し部、および上記第1方向において隣り合う上記カソード直線部を連結するカソード折り返し部を有する。
一つの形態においては、上記配線パターンは、上記複数のパッド部のうち上記第2方向において隣り合い、かつ上記第1方向においてそれぞれのアノード直線部およびカソード直線部が反対側に配置されたものの一方の上記アノード直線部と他方の上記カソード直線部を連結する直行連結部をさらに有する。
【0130】
一つの形態においては、上記複数のパッド部に対して上記第2方向一方寄りに配置された、アノード電極およびカソード電極をさらに備える。このような構成によれば、上記アノード折り返し部および上記カソード折り返し部が、上記アノード電極および上記カソード電極を臨む配置とすることができる。これは、上記アノード折り返し部および上記カソード折り返し部と上記アノード電極および上記カソード電極とを接続する部分の長さを短縮するのに好ましい。
【0131】
一つの形態においては、上記カソード直線部または上記アノード直線部が、平面視において上記各LEDモジュールの上記LEDチップと重なる幅とされている。このような構成によれば、上記LEDチップから発生した熱を上記カソード直線部または上記アノード直線部を介して放散するのに適している。
一つの形態においては、上記配線パターンは、上記基板の端部寄りに配置されており、上記基板の端縁に沿った外形を有するアノード拡幅部およびカソード拡幅部の少なくともいずれかを有する。このような構成によれば、上記LEDチップから発生した熱を上記アノード拡幅部および上記カソード拡幅部の少なくともいずれかを介して放散するのに適している。
【0132】
一つの形態においては、上記配線パターンは、上記アノード直線部および上記カソード直線部と非導通とされており、かつ上記アノード直線部および上記カソード直線部に対して上記基板の端部寄りに位置する非導通放熱部を有する。このような構成によれば、上記基板からの放熱性を高めるのに適している。
一つの形態においては、上記基板は円形状であり、上記基板の上記複数のLEDチップが搭載された面の法線方向に向かって末広がり状とされ、かつ上記面状光源部を囲むリフレクタをさらに備えており、上記リフレクタの上記基板側の基板側開口直径D1と上記基板とは反対側の出射側開口直径D2とが、0.5≦D1/D2≦0.69であり、かつ上記基板側開口および上記出射側開口の距離Hと上記出射側開口直径D2とが、0.3≦H/D2≦0.55とされている。このような構成によれば、上記照明装置によって、明瞭かつ均一に照射するのに好ましい。
【0133】
一つの形態においては、上記リフレクタの基板側開口面積に対する上記複数のLEDチップの搭載個数密度が、3.0個/cm
2以上である。
一つの形態においては、上記リフレクタの基板側開口面積に対する上記複数のLEDチップの搭載個数密度が、25個/cm
2以上である。
一つの形態においては、上記リフレクタの基板側開口面積に対する上記複数のLEDチップの搭載個数密度が、60個/cm
2以上である。
【0134】
一つの形態においては、上記リフレクタの基板側開口面積に対する上記複数のLEDチップの占有面積割合が、30%以上である。
一つの形態においては、上記リフレクタの基板側開口面積に対する上記複数のLEDモジュールの占有面積割合が、70%以上である。
このような構成によれば、上記面状光源部を複数の点光源の集合ではなく、発光面として視認させるのに好ましい。上記搭載個数密度が、60個/cm
2以上または上記占有面積割合が、70%以上であるという構成は、上記LEDモジュール間に0.5mm程度の隙間を確保しても実現可能であり、上記LEDモジュールを上記基板に搭載するためのいわゆるマウンターとして一般的なものを用いることができるという利点がある。
【0135】
一つの形態においては、上記基板に対して上記リフレクタとは反対側に配置されており、上記基板が接する底部と、上記底部に一体的に繋がる筒部とを有する、金属からなる筐体をさらに備える。このような構成によれは、上記LEDモジュールからの放熱を上記筐体を介してより促進することができる。
上記リフレクタの表面は、凹凸状の金属面とされている。このような構成によれば、上記照明装置からの光を均一化するのに有利である。
【0136】
第4の側面によって提供される照明装置は、帯状の基板と、上記基板に配置された複数のLEDチップと、を備えるLEDランプの形態を有する。このLEDランプ、それぞれが、1以上の上記LEDチップと、互いに離間配置された一対の実装端子とを有する複数のLEDモジュールを備えている。また、LEDランプは、40形直管形蛍光ランプ相当の形状およびサイズを有している。上記複数のLEDモジュールの個数は、600個以上である。
【0137】
一つの形態においては、上記各LEDモジュールは、その平面視寸法が1.0mm×0.6mm以下である。
一つの形態においては、上記各LEDモジュールは、その平面視寸法が1.6mm×0.8mm以下である。
一つの形態においては、上記各LEDモジュールは、その高さが0.2mm以下である。
【0138】
一つの形態においては、上記複数のLEDモジュールの個数が、1000個以上である。
一つの形態においては、上記複数のLEDモジュールの個数が、4000個以上である。
一つの形態においては、上記複数のLEDモジュールの個数が、8000個以上である。
【0139】
一つの形態においては、上記複数のLEDモジュールの個数が、12000個以上である。
第5の側面によって提供される照明装置は、帯状の基板と、上記基板に配置された複数のLEDチップと、を備えるLEDランプの形態を有する。このLEDランプは、それぞれが、1以上の上記LEDチップと、互いに離間配置された一対の実装端子とを有する複数のLEDモジュールを備えている。そして、LEDランプは、20形直管形蛍光ランプ相当の形状およびサイズを有している。上記複数のLEDモジュールの個数は、290個以上である。
【0140】
一つの形態においては、上記複数のLEDモジュールの個数が、480個以上である。
一つの形態においては、上記複数のLEDモジュールの個数が、1900個以上である。
一つの形態においては、上記複数のLEDモジュールの個数が、3900個以上である。
【0141】
一つの形態においては、上記複数のLEDモジュールの個数が、5800個以上である。
第6の側面によって提供される照明装置は、帯状の基板と、上記基板に配置された複数のLEDチップと、を備えるLEDランプの形態を有する。このLEDランプは、それぞれが、1以上の上記LEDチップと、互いに離間配置された一対の実装端子とを有する複数のLEDモジュールを備えている。そして、LEDランプは、15形直管形蛍光ランプ相当の形状およびサイズを有している。上記複数のLEDモジュールの個数は、200個以上である。
【0142】
一つの形態においては、上記複数のLEDモジュールの個数が、330個以上である。
一つの形態においては、上記複数のLEDモジュールの個数が、1300個以上である。
一つの形態においては、上記複数のLEDモジュールの個数が、2700個以上である。
【0143】
一つの形態においては、上記複数のLEDモジュールの個数が、4000個以上である。
第7の側面によって提供される照明装置は、帯状の基板と、上記基板に配置された複数のLEDチップと、を備えるLEDランプとしての形態を有している。このLEDランプは、それぞれが、1以上の上記LEDチップと、互いに離間配置された一対の実装端子とを有する複数のLEDモジュールを備えている。LEDランプは、10形直管形蛍光ランプ相当の形状およびサイズを有している。上記複数のLEDモジュールの個数は、150個以上である。
【0144】
一つの形態においては、上記複数のLEDモジュールの個数が、250個以上である。
一つの形態においては、上記複数のLEDモジュールの個数が、1000個以上である。
一つの形態においては、上記複数のLEDモジュールの個数が、2000個以上である。
【0145】
一つの形態においては、上記複数のLEDモジュールの個数が、3000個以上である。
一つの形態においては、上記各LEDモジュールは、その平面視寸法が1.0mm×0.6mm以下である。
一つの形態においては、上記各LEDモジュールは、その平面視寸法が1.6mm×0.8mm以下である。
【0146】
一つの形態においては、上記各LEDモジュールは、その高さが0.2mm以下である。
第8の側面によって提供されるLEDランプは、帯状の基板と、上記基板に配置された複数のLEDチップと、を備えるLEDランプとしての形態を有している。このLEDランプは、それぞれが、1以上の上記LEDチップと、互いに離間配置された一対の実装端子とを有する複数のLEDモジュールを備えている。上記基板の面積に対する上記複数のLEDモジュールの搭載個数密度は、3.0個/cm
2以上である。
【0147】
一つの形態においては、上記基板の面積に対する上記複数のLEDモジュールの搭載個数密度が、5.0個/cm
2以上である。
一つの形態においては、上記基板の面積に対する上記複数のLEDモジュールの搭載個数密度が、20個/cm
2以上である。
一つの形態においては、上記基板の面積に対する上記複数のLEDモジュールの搭載個数密度が、40個/cm
2以上である。
【0148】
一つの形態においては、上記基板の面積に対する上記複数のLEDモジュールの搭載個数密度が、60個/cm
2以上である。
一つの形態においては、上記基板の幅方向における上記複数のLEDモジュールの搭載個数が3個以上である。
一つの形態においては、上記基板の長手方向における上記複数のLEDモジュールの搭載個数密度が、上記基板の幅方向における上記複数のLEDモジュールの搭載個数密度よりも大である。
【0149】
一つの形態においては、上記各LEDモジュールは、その平面視寸法が1.0mm×0.6mm以下である。
一つの形態においては、上記各LEDモジュールは、その平面視寸法が1.6mm×0.8mm以下である。
一つの形態においては、上記各LEDモジュールは、その高さが0.2mm以下である。
【0150】
第9の側面によって提供される照明装置は、帯状の基板と、上記基板に配置された複数のLEDチップと、を備えるLEDランプとしての形態を有している。このLEDランプは、それぞれが、1以上の上記LEDチップと、互いに離間配置された一対の実装端子とを有する複数のLEDモジュールを備えている。そして、上記基板の面積に対する上記複数のLEDモジュールの占有面積割合が、20%以上であり、かつ、上記各LEDモジュールの平面視寸法が4.0mm×2.0mm以下である。
【0151】
第10の側面によって提供される照明装置は、帯状の基板と、上記基板に配置された複数のLEDチップと、を備えるLEDランプとしての形態を有している。このLEDランプは、それぞれが、1以上の上記LEDチップと、互いに離間配置された一対の実装端子とを有する複数のLEDモジュールを備えている。そして、上記基板の面積に対する上記複数のLEDモジュールの占有面積割合が、30%以上である。
【0152】
一つの形態においては、上記基板の面積に対する上記複数のLEDモジュールの占有面積割合が、35%以上である。
一つの形態においては、上記基板の面積に対する上記複数のLEDモジュールの占有面積割合が、45%以上である。
一つの形態においては、上記基板の面積に対する上記複数のLEDモジュールの占有面積割合が、70%以上である。
【0153】
一つの形態においては、上記各LEDモジュールは、その平面視寸法が1.0mm×0.6mm以下である。
一つの形態においては、上記各LEDモジュールは、その平面視寸法が1.6mm×0.8mm以下である。
一つの形態においては、上記各LEDモジュールは、その高さが0.2mm以下である。
【0154】
一つの形態においては、上記基板の長手方向における上記複数のLEDモジュールの占有割合が、上記基板の幅方向における上記複数のLEDモジュールの占有割合よりも大である。
一つの形態においては、上記複数のLEDモジュールは、発する光の波長が互いに異なるものを含む。
【0155】
一つの形態においては、上記複数のLEDモジュールは、白色光を発する複数のLEDモジュールと、これら白色光を発する複数のLEDモジュールものよりも全体に占める割合が小であり、かつ離散的に配置された、赤色光を発する複数のLEDモジュールと、を含む。
一つの形態においては、上記各LEDチップに流れる電流は、その定格電流の20%以下である。
【0156】
第11の側面によって提供される照明装置は、帯状の基板と、上記基板に配置された複数のLEDチップによって構成された面状光源部と、を備え、LEDランプとしての形態を有している。
一つの形態においては、上記基板を収容する断面円形管状のケースをさらに有する。
一つの形態においては、上記複数のLEDチップは、互いに直列に接続された複数のグループに属しており、上記各グループに属する上記複数のLEDチップは、互いに並列に接続されている。
【0157】
一つの形態においては、それぞれが、1以上の上記LEDチップと、互いに離間配置された一対の実装端子とを有する複数のLEDモジュールを備えており、上記複数のLEDモジュールは、上記一対の実装端子が上記基板の幅方向において離間する姿勢で、それぞれが上記基板の長手方向に沿うように互いに平行に配置された複数の列をなすように配置されている。
【0158】
一つの形態においては、上記複数のLEDモジュールは、千鳥状に配置されている。
一つの形態においては、上記基板は、樹脂層と金属配線層とが積層された可撓性を有するフレキシブル配線基板であり、かつ断面形状が、円形状または円弧形状とされている。
一つの形態においては、上記ケースは直管状とされており、かつ、このケースには、その中心軸に平行な面内において対をなすようにして内側に突出する突出片が一体形成されており、上記基板は、上記突出片によって上記ケースに対する半径方向の移動が規制される。
【0159】
このような構成によれば、複数のLEDチップ(あるいは複数のLEDモジュール)から発せられる光は、肉眼によっては点光源からの光とは認識されず、面状光として認識指される。このため、たとえば複数の点光源からの光を面光源と見せかけるほどの拡散を、この面状光に対しては行う必要がない。したがって、上記LEDランプからの光を不当に減衰してしまうことを回避可能であり、上記LEDランプの発光効率を高めることができる。また、上記複数のLEDチップの搭載数が多いほど、各LEDチップに流す電流値を相対的に小さくすることができる。これは、上記LEDチップに投入したエネルギーのうち発熱に消費される割合を小さくするのに有利であり、上記LEDランプの発光効率を高めるのに適している。
【0160】
第12の側面によって提供される照明装置は、基板と、上記基板に配置された複数のLEDチップと、上記複数のLEDチップに電流を供給する定電流電源とを備え、上記複数のLEDチップは、互いに直列に接続された複数のグループに属しており、上記各グループに属する上記複数のLEDチップは、互いに並列に接続されており、上記複数のグループが上記定電流電源に直列に接続されており、上記各グループのLEDチップの個数が、LEDチップ1個当たりの駆動電流が当該LEDチップの定格電流の40%以下となるように選択されている。
【0161】
一つの好ましい形態では、上記各グループのLEDチップの個数が、LEDチップ1個当たりの駆動電流が当該LEDチップの定格電流の20%以下となるように選択されている。
一つの好ましい形態では、上記各グループのLEDチップの個数が、LEDチップ1個当たりの駆動電流が当該LEDチップの定格電流の20%±3%の範囲内の値となるように選択されている。
【0162】
一つの好ましい形態では、それぞれが、1以上の上記LEDチップと、互いに離間配置された一対の実装端子とを有する複数のLEDモジュールを備えている。
一つの好ましい形態では、上記複数のLEDモジュールは、上記一対の実装端子が第1方向において離間する姿勢で、それぞれが上記第1方向と直角である第2方向に沿うように互いに平行に配置された複数の列をなすように配置されている。
【0163】
一つの好ましい形態では、上記複数のLEDモジュールは、千鳥状に配置されている。
一つの好ましい形態では、上記複数のLEDチップを囲むリフレクタと、上記基板に対して上記リフレクタとは反対側に配置された筐体とをさらに含み、前記筐体の内部に、前記定電流電源を形成する電源基板が収容されている。
一つの好ましい形態では、前記定電流電源は、供給する電流値を設定する電流設定用抵抗素子を含み、前記電流設定用抵抗素子の抵抗値および上記各グループに属する上記LEDチップの個数が、上記LEDチップ1個当たりの駆動電流が当該LEDチップの定格電流の40%以下となるように設計されている。
【0164】
一つの好ましい形態では、前記定電流電源は、上記複数のLEDチップに電流を供給する一対の出力線の間に接続され、前記複数のLEDチップに逆電圧が印加されることを防ぐ逆電圧保護回路を含む。