(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて、本発明の実施例に係るスロットマシン(遊技台)について詳細に説明する。
【0010】
<全体構成>
まず、
図1を用いて、本発明に係るスロットマシン100の全体構成について説明する。なお、同図はスロットマシン100の外観斜視図を示したものである。
【0011】
図1に示すスロットマシン100は、本体101と、本体101の正面に取り付けられ、本体101に対して開閉可能な前面扉102と、を備える。本体101の中央内部には、(図示省略)外周面に複数種類の図柄が配置されたリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、スロットマシン100の内部で回転できるように構成されている。これらのリール110乃至112はステッピングモータ等の駆動装置により回転駆動される。
【0012】
本実施形態において、各図柄は帯状部材に等間隔で適当数印刷され、この帯状部材が所定の円形筒状の枠材に貼り付けられて各リール110乃至112が構成されている。リール110乃至112上の図柄は、遊技者から見ると、図柄表示窓113から縦方向に概ね3つ表示され、合計9つの図柄が見えるようになっている。そして、各リール110乃至112を回転させることにより、遊技者から見える図柄の組み合せが変動することとなる。つまり、各リール110乃至112は複数種類の図柄の組合せを変動可能に表示する表示装置として機能する。なお、このような表示装置としてはリール以外にも液晶表示装置等の電子画像表示装置も採用できる。また、本実施形態では、3個のリールをスロットマシン100の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
【0013】
各々のリール110乃至112の背面には、図柄表示窓113に表示される個々の図柄を照明するためのバックライト(図示省略)が配置されている。バックライトは、各々の図柄ごとに遮蔽されて個々の図柄を均等に照射できるようにすることが望ましい。なお、スロットマシン100内部において各々のリール110乃至112の近傍には、投光部と受光部から成る光学式センサ(図示省略)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部の間をリールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。このセンサの検出結果に基づいてリール上の図柄の回転方向の位置を判断し、目的とする図柄が入賞ライン上に表示されるようにリール110乃至112を停止させる。
【0014】
入賞ライン表示ランプ120は、有効となる入賞ライン114を示すランプである。有効となる入賞ラインは、遊技媒体としてベットされたメダルの数によって予め定まっている。入賞ライン114は5ラインあり、例えば、メダルが1枚ベットされた場合、中段の水平入賞ラインが有効となり、メダルが2枚ベットされた場合、上段水平入賞ラインと下段水平入賞ラインが追加された3本が有効となり、メダルが3枚ベットされた場合、右下り入賞ラインと右上り入賞ラインが追加された5ラインが入賞ラインとして有効になる。なお、入賞ライン114の数については5ラインに限定されるものではなく、また、例えば、メダルが1枚ベットされた場合に、中段の水平入賞ライン、上段水平入賞ライン、下段水平入賞ライン、右下り入賞ラインおよび右上り入賞ラインの5ラインを有効な入賞ラインとして設定してもよく、ベット数に関係なく、一律に同一数の入賞ラインを有効な入賞ラインとして設定してもよい。
【0015】
告知ランプ123は、例えば、内部抽選において特定の入賞役(具体的には、ボーナス)に内部当選していること、または、ボーナス遊技中であることを遊技者に知らせるランプである。遊技メダル投入可能ランプ124は、遊技者が遊技メダルを投入可能であることを知らせるためのランプである。再遊技ランプ122は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要であること)を遊技者に知らせるランプである。リールパネルランプ128は演出用のランプである。
【0016】
ベットボタン130乃至132は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダル(クレジットという)を所定の枚数分投入するためのボタンである。本実施形態においては、ベットボタン130が押下される毎に1枚ずつ最大3枚まで投入され、ベットボタン131が押下されると2枚投入され、ベットボタン132が押下されると3枚投入されるようになっている。以下、ベットボタン132はMAXベットボタンとも言う。なお、遊技メダル投入ランプ129は、投入されたメダル数に応じた数のランプを点灯させ、規定枚数のメダルの投入があった場合、遊技の開始操作が可能な状態であることを知らせる遊技開始ランプ121が点灯する。
【0017】
メダル投入口141は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するための投入口である。すなわち、メダルの投入は、ベットボタン130乃至132により電子的に投入することもできるし、メダル投入口141から実際のメダルを投入(投入操作)することもでき、投入とは両者を含む意味である。貯留枚数表示器125は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。遊技情報表示器126は、各種の内部情報(例えば、ボーナス遊技中のメダル払出枚数)を数値で表示するための表示器である。払出枚数表示器127は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、および、払出枚数表示器127は、7セグメント(60G)表示器とした。
【0018】
スタートレバー135は、リール110乃至112の回転を開始させるためのレバー型のスイッチである。即ち、メダル投入口141に所望するメダル枚数を投入するか、ベットボタン130乃至132を操作して、スタートレバー135を操作すると、リール110乃至112が回転を開始することとなる。スタートレバー135に対する操作を遊技の開始操作と言う。
【0019】
ストップボタンユニット136には、ストップボタン137乃至139が設けられている。ストップボタン137乃至139は、スタートレバー135の操作によって回転を開始したリール110乃至112を個別に停止させるためのボタン型のスイッチであり、各リール110乃至112に対応づけられている。以下、ストップボタン137乃至139に対する操作を停止操作と言い、最初の停止操作を第1停止操作、次の停止操作を第2停止操作、最後の停止操作を第3停止操作という。なお、各ストップボタン137乃至139の内部に発光体を設けてもよく、ストップボタン137乃至139の操作が可能である場合、該発光体を点灯させて遊技者に知らせることもできる。
【0020】
メダル返却ボタン133は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。精算ボタン134は、スロットマシン100に電子的に貯留されたメダル、ベットされたメダルを精算し、メダル払出口155から排出するためのボタンである。ドアキー孔140は、スロットマシン100の前面扉102のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。
【0021】
ストップボタンユニット136の下部には、機種名の表示と各種証紙の貼付とを行うタイトルパネル162が設けられている。タイトルパネル162の下部には、メダル払出口155、メダルの受け皿161が設けられている。
【0022】
音孔181はスロットマシン100内部に設けられているスピーカの音を外部に出力するための孔である。前面扉102の左右各部に設けられたサイドランプ144は遊技を盛り上げるための装飾用のランプである。前面扉102の上部には演出装置160が配設されており、演出装置160の上部には音孔143が設けられている。この演出装置160は、水平方向に開閉自在な2枚の右シャッタ163a、左シャッタ163bからなるシャッタ(遮蔽装置)163と、このシャッタ163の奥側に配設された液晶表示装置157(演出画像表示装置)を備えており、右シャッタ163a、左シャッタ163bが液晶表示装置157の手前で水平方向外側に開くと液晶表示装置157の表示画面がスロットマシン100正面(遊技者側)に出現する構造となっている。なお、液晶表示装置でなくとも、種々の演出画像や種々の遊技情報を表示可能な表示装置であればよく、例えば、複数セグメントディスプレイ(7セグディスプレイ)、ドットマトリクスディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、リール(ドラム)、或いは、プロジェクタとスクリーンとからなる表示装置等でもよい。また、表示画面は、方形をなし、その全体を遊技者が視認可能に構成している。本実施形態の場合、表示画面は長方形であるが、正方形でもよい。また、表示画面の周縁に不図示の装飾物を設けて、表示画面の周縁の一部が該装飾物に隠れる結果、表示画面が異形に見えるようにすることもできる。表示画面は本実施形態の場合、平坦面であるが、曲面をなしていてもよい。
【0023】
右シャッタ163aおよび左シャッタ163bの上部には、不図示の2つのプーリに巻き回したベルトをそれぞれ固定している。すなわち、右シャッタ163aおよび左シャッタ163bは、モータによりプーリを介して駆動するベルトの動作に伴って左右にそれぞれ移動する。
【0024】
右シャッタ163aのうち左シャッタ163b側の端部には右シャッタ縁飾り164aを設けており、左シャッタ163bのうち右シャッタ163a側の端部には左シャッタ縁飾り164bを設けている。この右シャッタ縁飾り164aおよび左シャッタ縁飾り164bにより、詳しくは後述するように、シャッタ163を閉じたときに、右シャッタ縁飾り164aの少なくとも一部と左シャッタ縁飾り164bの少なくとも一部とが衝突するとともに、右シャッタ163aと左シャッタ163bの間からシャッタ163の後方を遊技者が視認不可能に目隠し(遮光)する。なお、視認不可能とは、シャッタ163の後方(奥側、背後側、島側)の光が、シャッタ163の前方(手前側、遊技者側)に漏れないことを含む場合がある。
【0025】
右シャッタ縁飾り164aのほぼ中央には、詳しくは後述する房飾り171aを備え、左シャッタ縁飾り164bのほぼ中央には、詳しくは後述する房飾り171bを備えている。
【0026】
本実施の形態では、シャッタ163の後方に液晶表示装置157を配置しているが、本発明はこれに限られるものではなく、シャッタ163の後方には、静止物や可動物などの各種組み合わせによる各種演出装置を配置する場合があり、これらにさらに液晶表示装置157を組み合わせる場合もある。
【0027】
右シャッタ163aと右シャッタ縁飾り164aは一体で形成される場合があり、また別体で形成される場合もある。左シャッタ163bと左シャッタ縁飾り164bは一体で形成される場合があり、また別体で形成される場合もある。
【0028】
図2は、前面扉102を開けた状態のスロットマシン100を示す正面図である。本体101は、上面板261、左側の側面板260、右側の側面板260、下面板264および背面板242で囲われ、前面に開口する箱体である。本体101の内部には、背面板242の上部に設けた通風口249と重ならない位置に、内部に主制御基板を収納した主制御基板収納ケース210が配置され、この主制御基板収納ケース210の下方に、3つのリール110乃至112が配置されている。主制御基板収納ケース210及びリール110乃至112の側方、即ち向って左側の側面板260には、内部に副制御基板を収納した副制御基板収納ケース220が配設してある。また、向かって右側の側面板260には、主制御基板に接続されて、スロットマシン100の情報を外部装置に出力する外部集中端子板248が取り付けられている。
【0029】
そして、下面板264には、メダル払出装置180(バケットに溜まったメダルを払出す装置)が配設され、このメダル払出装置180の上方、即ちリール110乃至112の下方には、電源基板を有する電源装置252が配設され、電源装置252正面には電源スイッチ244を配設している。電源装置252は、スロットマシン100に外部から供給される交流電源を直流化し、所定の電圧に変換して後述する主制御部300、副制御部400、500等の各制御部、各装置に供給する。さらには、外部からの電源が断たれた後も所定の部品(例えば主制御部300のRAM308等)に所定の期間(例えば10日間)電源を供給するための蓄電回路(例えばコンデンサ)を備えている。
【0030】
メダル払出装置180の右側には、メダル補助収納庫240が配設してあり、この背後にはオーバーフロー端子が配設されている(図示省略)。電源装置252には、電源コード265を接続する電源コード接続部が設けられ、ここに接続された電源コード265が、本体101の背面板242に開設した電源コード用穴262を通して外部に延出している。
【0031】
前面扉102は、本体101の左側の側面板260にヒンジ装置276を介して蝶着され、図柄表示窓113の上部には、演出装置160、および、上部スピーカ272、を設けている。図柄表示窓113の下部には、投入されたメダルを選別するためのメダルセレクタ170、このメダルセレクタ170が不正なメダル等をメダル受皿161に落下させる際にメダルが通過する通路266等を設けている。さらに、音孔181に対応する位置には低音スピーカ277を設けている。
【0032】
図3を用いて、スロットマシン100の制御部の回路構成について詳細に説明する。なお、同図は制御部の回路ブロック図を示したものである。
【0033】
スロットマシン100の制御部は、大別すると、遊技の進行を制御する主制御部300と、主制御部300が送信するコマンド信号(以下、単に「コマンド」と呼ぶ)に応じて、主な演出の制御を行う第1副制御部400と、第1副制御部400より送信されたコマンドに基づいて各種機器を制御する第2副制御部500と、によって構成されている。
【0034】
<主制御部>
まず、スロットマシン100の主制御部300について説明する。
【0035】
主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えており、この基本回路302には、CPU304と、制御プログラムデータ、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止位置等を記憶するためのROM306と、一時的にデータを記憶するためのRAM308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ312と、WDT(ウォッチドックタイマ)314を搭載している。なお、ROM306やRAM308については他の記憶装置を用いてもよく、この点は後述する第1副制御部400や第2副制御部500についても同様である。この基本回路302のCPU304は、水晶発振器314が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。さらには、CPU304は、電源が投入されるとROM306の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ312に送信し、カウンタタイマ312は受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU304に送信する。CPU304は、この割込み要求を契機に各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、水晶発振器314が出力するクロック信号を8MHz、カウンタタイマ312の分周値を1/256、ROM306の分周用のデータを47に設定した場合、割り込みの基準時間は、256×47÷8MHz=1.504msとなる。
【0036】
主制御部300は、0〜65535の範囲で数値を変動させるハードウェア乱数カウンタとして使用している乱数発生回路316と、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路338を備えており、CPU304は、この起動信号出力回路338から起動信号が入力された場合に、遊技制御を開始する(後述する主制御部メイン処理を開始する)。
【0037】
また、主制御部300には、センサ回路320を備えており、CPU304は、割り込み時間ごとに各種センサ318(ベットボタン130センサ、ベットボタン131センサ、ベットボタン132センサ、メダル投入口141から投入されたメダルのメダル受付センサ、スタートレバー135センサ、ストップボタン137センサ、ストップボタン138センサ、ストップボタン139センサ、精算ボタン134センサ、メダル払出装置180から払い出されるメダルのメダル払出センサ、リール110のインデックスセンサ、リール111のインデックスセンサ、リール112のインデックスセンサ、等)の状態を監視している。
【0038】
なお、センサ回路320がスタートレバーセンサのHレベルを検出した場合には、この検出を示す信号を乱数発生回路316に出力する。この信号を受信した乱数発生回路316は、そのタイミングにおける値をラッチし、抽選に使用する乱数値を格納するレジスタに記憶する。
【0039】
メダル受付センサは、メダル投入口141の内部通路に2個設置されており、メダルの通過有無を検出する。スタートレバー135センサは、スタートレバー135内部に2個設置されており、遊技者によるスタート操作を検出する。ストップボタン137センサ、ストップボタン138センサ、および、ストップボタン139は、各々のストップボタン137乃至139に設置されており、遊技者によるストップボタンの操作を検出する。
【0040】
ベットボタン130センサ、ベットボタン131センサ、および、ベットボタン132センサは、メダル投入ボタン130乃至132のそれぞれに設置されており、RAM308に電子的に貯留されているメダルを遊技への投入メダルとして投入する場合の投入操作を検出する。精算ボタン134センサは、精算ボタン134に設けられている。精算ボタン134が一回押されると、電子的に貯留されているメダルを精算する。メダル払出センサは、メダル払出装置180が払い出すメダルを検出するためのセンサである。なお、以上の各センサは、非接触式のセンサであっても接点式のセンサであってもよい。
【0041】
リール110のインデックスセンサ、リール111のインデックスセンサ、および、リール112のインデックスセンサは、各リール110乃至112の取付台の所定位置に設置されており、リールフレームに設けた遮光片が通過するたびにLレベルになる。CPU304は、この信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。
【0042】
主制御部300は、リール装置110乃至112に設けたステッピングモータを駆動する駆動回路322、投入されたメダルを選別するメダルセレクタ170に設けたソレノイドを駆動する駆動回路324、メダル払出装置180に設けたモータを駆動する駆動回路326、各種ランプ338(入賞ライン表示ランプ120、告知ランプ123、遊技メダル投入可能ランプ124、再遊技ランプ122、遊技メダル投入ランプ129は、遊技開始ランプ121、貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、払出枚数表示器127)を駆動する駆動回路328を備えている。
【0043】
また、基本回路302には、情報出力回路334(外部集中端子板248)を接続しており、主制御部300は、この情報出力回路334を介して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路652にスロットマシン100の遊技情報(例えば、遊技状態)を出力する。
【0044】
また、主制御部300は、電源管理部(図示しない)から主制御部300に供給している電源の電圧値を監視する電圧監視回路330を備えており、電圧監視回路330は、電源の電圧値が所定の値(本実施例では9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を基本回路302に出力する。
【0045】
また、主制御部300は、第1副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェースを備えており、第1副制御部400との通信を可能としている。なお、主制御部300と第1副制御部400との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は第1副制御部400にコマンド等の信号を送信できるように構成しているが、第1副制御部400からは主制御部300にコマンド等の信号を送信できないように構成している。
【0046】
<副制御部>
次に、スロットマシン100の第1副制御部400について説明する。
【0047】
第1副制御部400は、主制御部300が送信した制御コマンドを入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第1副制御部400の全体を制御する基本回路402を備えており、この基本回路402は、CPU404と、一時的にデータを記憶するためのRAM408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O410と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ412を搭載している。基本回路402のCPU404は、水晶発振器414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。ROM406は、第1副制御部400の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、バックライトの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータ等を記憶する。
【0048】
CPU404は、所定のタイミングでデータバスを介してROM406の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ412に送信する。カウンタタイマ412は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU404に送信する。CPU404は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
【0049】
また、第1副制御部400には、音源IC418を設けており、音源IC418に出力インタフェースを介してスピーカ272、277を設けている。音源IC418は、CPU404からの命令に応じてアンプおよびスピーカ272、277から出力する音声の制御を行う。音源IC418には音声データが記憶されたS−ROM(サウンドROM)が接続されており、このROMから取得した音声データをアンプで増幅させてスピーカ272、277から出力する。
【0050】
また、第1副制御部400には、駆動回路422が設けられ、駆動回路422に入出力インタフェースを介して各種ランプ420(上部ランプ、下部ランプ、サイドランプ144、タイトルパネル162のランプ、等)が接続されている。
【0051】
また、第1副制御部400には、シャッタ163のモータを駆動する駆動回路424を設けており、駆動回路424には出力インタフェースを介してシャッタ163を設けている。この駆動回路424は、CPU404からの命令に応じてシャッタ163に設けたステッピングモータ(図示省略)に駆動信号を出力する。
【0052】
また、第1副制御部400には、センサ回路426を設けており、センサ回路426には入力インタフェースを介してシャッタセンサ428を接続している。CPU404は、割り込み時間ごとにシャッタセンサ428状態を監視している。
【0053】
また、CPU404は、出力インタフェースを介して第2副制御部500へ信号の送受信を行う。第2副制御部500は、演出画像表示装置157の表示制御を行う。なお、第2副制御部500は、例えば、液晶表示装置157の表示の制御を行う制御部、各種演出用駆動装置の制御を行う制御部(例えば、シャッタ163のモータ駆動を制御する制御部)とするなど、複数の制御部で構成するようにしてもよい。
【0054】
第2副制御部500は、第1副制御部400が送信した制御コマンドを入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第2副制御部500の全体を制御する基本回路502を備えており、この基本回路502は、CPU504と、一時的にデータを記憶するためのRAM508と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O510と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ512と、を搭載している。基本回路502のCPU504は、水晶発振器514が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。ROM506は、第2副制御部500の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、画像表示用のデータ等を記憶する。
【0055】
CPU504は、所定のタイミングでデータバスを介してROM506の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ512に送信する。カウンタタイマ512は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU404に送信する。CPU504は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
【0056】
また、第2副制御部500には、VDP516(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサー)を設けており、このVDP516には、バスを介してROM506、VRAM518が接続されている。VDP516は、CPU504からの信号に基づいてROM506に記憶された画像データ等を読み出し、VRAM518のワークエリアを使用して表示画像を生成し、演出画像表示装置157に画像を表示する。
【0057】
図4(a)を用いて、上述の各リール110乃至112に施される図柄配列について説明する。なお、同図は、各リール(左リール110、中リール111、右リール112)に施される図柄の配列を平面的に展開して示した図である。
【0058】
<図柄配列>
各リール110乃至112には、同図の右側に示す複数種類(本実施形態では8種類)の図柄が所定コマ数(本実施形態では、番号0〜20の21コマ)だけ配置されている。また、同図の左端に示した番号0〜20は、各リール110乃至112上の図柄の配置位置を示す番号である。例えば、本実施形態では、左リール110の番号1のコマには「リプレイ」の図柄、中リール111の番号0のコマには「ベル」の図柄、右リール112の番号2のコマには「スイカ」の図柄、がそれぞれ配置されている。
【0059】
<入賞役の種類>
次に、
図4(b)を用いて、スロットマシン100の入賞役の種類について説明する。なお、同図は入賞役(作動役を含む)の種類、各入賞役に対応する図柄組合せ、各入賞役の作動または払出を示している。
【0060】
本実施形態における入賞役のうち、ビッグボーナス(BB1、BB2)および、レギュラーボーナス(RB)はボーナス遊技に移行する役として、また、再遊技(リプレイ)は新たにメダルを投入することなく再遊技が可能となる役として、それぞれ入賞役とは区別され「作動役」と呼ばれる場合があるが、本実施形態における「入賞役」には、作動役である、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、再遊技が含まれる。また、本実施形態における「入賞」には、メダルの配当を伴わない(メダルの払い出しを伴わない)作動役の図柄組合せが有効ライン上に表示される場合も含まれ、例えば、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、再遊技への入賞が含まれる。
【0061】
スロットマシン100の入賞役には、ビッグボーナス(BB1、BB2)と、レギュラーボーナス(RB)と、小役(チェリー、スイカ、ベル)と、再遊技(リプレイ)がある。なお、入賞役の種類は、これに限定されるものではなく、任意に採用できることは言うまでもない。
【0062】
「ビッグボーナス(BB1、BB2)」(以下、単に、「BB」と称する場合がある)は、入賞により特別遊技であるビッグボーナス遊技(BB遊技)が開始される特別役(作動役)である。対応する図柄組合せは、BB1が「白7−白7−白7」、BB2が「青7−青7−青7」である。また、BB1、BB2についてはフラグ持越しを行う。すなわち、BB1、BB2に内部当選すると、これを示すフラグが立つ(主制御部300のRAM308の所定のエリア内に記憶される)が、その遊技においてBB1、BB2に入賞しなかったとしても、入賞するまで内部当選を示すフラグが立った状態が維持され、次遊技以降でもBB1、BB2に内部当選中となり、BB1に対応する図柄組み合わせ「白7−白7−白7」、BB2に対応する図柄組み合わせ「青7−青7−青7」が、揃って入賞する状態にある。
【0063】
「レギュラーボーナス(RB)」は、入賞によりレギュラーボーナス遊技(RB遊技)が開始される特殊役(作動役)である。対応する図柄組合せは、「ボーナス−ボーナス−ボーナス」である。なお、RBについても上述のBBと同様にフラグ持越しを行う。但し、(詳細は後述するが)ビッグボーナス遊技(BB遊技)においては、レギュラーボーナス遊技(RB遊技)が内部当選することや、図柄組み合わせが入賞ライン上に表示されること、を開始条件とせずに、ビッグボーナス遊技の開始後からレギュラーボーナス遊技を開始し、1回のレギュラーボーナス遊技を終了した場合には次のレギュラーボーナス遊技をすぐに開始するような自動的にレギュラーボーナス遊技を開始させる設定としてもよい。
【0064】
「小役(チェリー、スイカ、ベル)」(以下、単に、「チェリー」、「スイカ」、「ベル」と称する場合がある)は、入賞により所定数のメダルが払い出される入賞役で、対応する図柄組合せは、チェリーが「チェリー−ANY−ANY」、スイカが「スイカ−スイカ−スイカ」、ベルが「ベル−ベル−ベル」である。また、対応する払出枚数は同図に示す通りである。なお、「チェリー−ANY−ANY」の場合、左リール110の図柄が「チェリー」であればよく、中リール111と右リール112の図柄はどの図柄でもよい。
【0065】
「再遊技(リプレイ)」は、入賞により次回の遊技でメダル(遊技媒体)の投入を行うことなく遊技を行うことができる入賞役(作動役)であり、メダルの払出は行われない。なお、対応する図柄組合せは、再遊技は「リプレイ−リプレイ−リプレイ」である。
【0066】
<遊技状態の種類>
次に、スロットマシン100の遊技状態の種類について説明する。遊技状態とは、抽選などにおいて選択する抽選データの種別を識別するための情報である。本実施形態では、スロットマシン100の遊技状態は、通常遊技と、BB遊技と、RB遊技と、ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)の内部当選遊技と、に大別した。但し、内部当選遊技は、通常遊技に含まれる区分けであってもよい。
【0067】
<通常遊技>
通常遊技に内部当選する入賞役には、ビッグボーナス(BB)と、レギュラーボーナス(RB)と、再遊技(リプレイ)と、小役(チェリー、スイカ、ベル)がある。
【0068】
「ビッグボーナス(BB)」は、入賞により特別遊技であるビッグボーナス遊技(BB遊技)が開始される特別役(作動役)である。レギュラーボーナス(RB)」は、入賞によりレギュラーボーナス遊技(RB遊技)を開始する特殊役(作動役)である。「再遊技(リプレイ)」は、入賞により次回の遊技でメダルの投入を行うことなく遊技を行うことができる入賞役(作動役)であり、メダルの払出も行われない。「小役」は、入賞により所定数のメダルが払い出される入賞役である。なお、各々の役の内部当選確率は、通常遊技に用意された抽選データから、各々の役に対応付けされた抽選データの範囲に該当する数値データを、内部抽選時に取得される乱数値の範囲の数値データ(例えば65535)で除した値で求められる。通常遊技に用意された抽選データは、予めいくつかの数値範囲に分割され、各数値範囲に各々の役やハズレを対応付けしている。内部抽選を実行した結果得られた乱数値が、何れの役に対応する抽選データに対応する値であったかを判定し、内部抽選役を決定する。この抽選データは少なくとも1つの役の当選確率を異ならせた設定1〜設定6が用意され、遊技店の係員等はいずれかの設定値を任意に選択し、設定することができる。
【0069】
通常遊技は、内部抽選の結果が概ねハズレ(ビッグボーナス(BB)、レギュラーボーナス(RB)、再遊技(リプレイ)および小役に当選していない)となる設定、又は、停止表示結果がいずれの役の図柄組合せに該当しないハズレの停止表示結果が概ね導出される設定がされており、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数に満たない遊技状態になっている。よって、遊技者にとっては不利益となる遊技状態である。但し、予め定めた条件を満たした場合(例えば、特定の図柄組み合わせが表示された場合)には、再遊技の内部当選の確率を上昇させる変動をさせてもよい遊技状態であり、この場合、遊技に用いられるメダルの消費が抑えられ、小役の入賞によって所定数のメダルが払い出されることにより、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数を超える遊技状態になり、遊技者にとっては利益となる遊技状態になる場合がある。
【0070】
<BB遊技>
BB遊技は、遊技者にとっては利益となる遊技状態になるように設定されている。つまり、BB遊技は、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数を超える遊技状態となる。BB遊技は、本実施形態では、ビッグボーナス(BB)の入賞により開始され、RB遊技(後述する)を連続して繰り返し実行可能になっており、遊技中に予め定められた一の数(例えば、465枚)を超えるメダルが獲得された場合に終了する。但し、BB遊技はRB遊技を複数回数実行可能であればよく、例えば、RB遊技を開始する役(図柄組み合わせは例えば、リプレイ−リプレイ−リプレイ)を設定し、この役が内部当選した場合、または、入賞した場合に、RB遊技を開始するように設定してもよい。さらには、BB遊技は、BB遊技中のRB遊技を除くBB一般遊技を予め定めた回数(例えば、30回)実行した場合、または、BB遊技中に実行したRB遊技の回数が予め定めた回数に達した場合(例えば、3回)に終了するようにしてもよい。
【0071】
<RB遊技>
RB遊技は、遊技者にとっては利益となる遊技状態になるように設定されている。つまり、RB遊技は、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数を超える遊技状態となる。RB遊技は、本実施形態では、レギュラーボーナス(RB)の入賞により開始され、予め定めた一の役が内部当選の確率を上昇させる変動(例えば、「設定1」「通常遊技」に設定された「小役1」の内部当選確率1/15を、予め定めた一の値である内部当選確率1/1.2に上昇させる)をし、予め定めた一の数(例えば、8回)の入賞があった場合に終了する。RB遊技は、予め定めた回数(少なくとも2回)の入賞があった場合(例えば、8回)、または、RB遊技中に実行したRB遊技の回数が予め定めた回数に達した場合(例えば、8回)に終了するようにしてもよい。上述したBB遊技は、RB遊技を複数回数実行可能であるので、一回のRB遊技を行った場合には、BB遊技で得られるメダルの総数よりも少ないメダル数を獲得して終了することとなる。
【0072】
<ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)の内部当選遊技>
ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)の内部当選遊技に内部当選する入賞役には、再遊技(リプレイ)と、小役がある。ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)は内部当選することはなく、ビッグボーナス(BB)かレギュラーボーナス(RB)に対応する図柄組み合わせを入賞させることが可能となっている遊技状態である。
【0073】
但し、ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)に内部当選した次遊技から、再遊技の内部当選の確率を変動させてもよく、例えば、再遊技の内部当選の確率を上昇させる変動をさせて、ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)対応する図柄組み合わせが入賞するまでの間は、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数とほぼ同じとなる遊技状態とし、通常遊技と比べると遊技者にとっては利益となる遊技状態としてもよい。なお、BB遊技、RB遊技は両者とも遊技者にとって利益となる遊技状態であるため、総じて、ボーナス遊技、又は、特別遊技と称する場合がある。
【0074】
<主制御部メイン処理>
図5を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部メイン処理について説明する。なお、同図は主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。
【0075】
上述したように、主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)338を設けている。この起動信号を入力した基本回路302のCPU304は、リセット割込によりリセットスタートしてROM306に予め記憶している制御プログラムに従って
図5に示す主制御部メイン処理を実行する。
【0076】
電源投入が行われると、まず、ステップ2001で各種の初期設定を行う。この初期設定では、CPU304のスタックポインタ(SP)へのスタック初期値の設定、割込禁止の設定、I/O310の初期設定、RAM308に記憶する各種変数の初期設定、WDT314への動作許可及び初期値の設定等を行う。
【0077】
ステップ2003ではメダル投入・スタート操作受付処理を実行する。ここではメダルの投入の有無をチェックし、メダルの投入に応じて入賞ライン表示ランプ120を点灯させる。なお、前回の遊技で再遊技に入賞した場合は、前回の遊技で投入されたメダル枚数と同じ数のメダルを投入する処理を行うので、遊技者によるメダルの投入が不要となる。また、スタートレバー135が操作されたか否かのチェックを行い、スタートレバー135の操作があればステップ2005へ進む。
【0078】
ステップ2005では投入されたメダル枚数を確定し、有効な入賞ラインを確定する。
【0079】
ステップ2007では乱数発生回路316で発生させた乱数を取得する。
【0080】
ステップ2009では、現在の遊技状態に応じてROM306に格納されている入賞役抽選テーブルを読み出し、これとステップ2007で取得した乱数値とを用いて内部抽選を行う。内部抽選の結果、いずれかの入賞役(作動役を含む)に内部当選した場合、その入賞役のフラグがONになる。
【0081】
ステップ2011では内部抽選結果に基づき、リール停止データを選択する。
【0082】
ステップ2013では全リール110乃至112の回転を開始させる。
【0083】
ステップ2015では、ストップボタン137乃至139の受け付けが可能になり、いずれかのストップボタンが押されると、押されたストップボタンに対応するリール110乃至112の何れかをステップ2011で選択したリール停止制御データに基づいて停止させる。全リール110乃至112が停止するとステップ2017へ進む。
【0084】
ステップ2017では、入賞判定を行う。ここでは、有効化された入賞ライン114上に、何らかの入賞役に対応する絵柄組合せが表示された場合にその入賞役に入賞したと判定する。例えば、有効化された入賞ライン上に「ベル−ベル−ベル」が揃っていたならばベル入賞と判定する。
【0085】
ステップ2019では払い出しのある何らかの入賞役に入賞していれば、その入賞役に対応する枚数のメダルを入賞ライン数に応じて払い出す。
【0086】
ステップ2021では遊技状態制御処理を行う。遊技状態制御処理では、通常遊技、BB遊技、RB遊技、内部当選遊技、の各遊技状態の移行に関する処理を行い、それらの開始条件、終了条件の成立により、遊技状態を移行する。以上により1ゲームが終了する。以降ステップ2003へ戻って上述した処理を繰り返すことにより遊技が進行することになる。
【0087】
<主制御部300タイマ割込処理>
図6を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部タイマ割込処理について説明する。なお、同図は主制御部タイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。
【0088】
主制御部300は、所定の周期(本実施形態では約2msに1回)でタイマ割込信号を発生するカウンタタイマ312を備えており、このタイマ割込信号を契機として主制御部タイマ割込処理を所定の周期で開始する。
【0089】
ステップ3001では、タイマ割込開始処理を行う。このタイマ割込開始処理では、CPU304の各レジスタの値をスタック領域に一時的に退避する処理などを行う。
【0090】
ステップ3003では、WDT314のカウント値が初期設定値(本実施形態では32.8ms)を超えてWDT割込が発生しないように(処理の異常を検出しないように)、WDT314を定期的に(本実施形態では、主制御部タイマ割込の周期である約2msに1回)リスタートを行う。
【0091】
ステップ3005では、入力ポート状態更新処理を行う。この入力ポート状態更新処理では、I/O310の入力ポートを介して、各種センサ318のセンサ回路320の検出信号を入力して検出信号の有無を監視し、RAM308に各種センサ318ごとに区画して設けた信号状態記憶領域に記憶する。
【0092】
ステップ3007では、各種遊技処理を行う。具体的には、割込みステータスを取得し(各種センサ318からの信号に基づいて各種割込みステータスを取得する)、このステータスに従った処理を行う(例えば、取得した各ストップボタン137乃至139の割込みステータスに基づいて、停止ボタン受付処理を行う)。
【0093】
ステップ3009では、タイマ更新処理を行う。各種タイマをそれぞれの時間単位により更新する。
【0094】
ステップ3011では、コマンド設定送信処理を行い、各種のコマンドが第1副制御部400に送信される。なお、第1副制御部400に送信する出力予定情報は本実施形態では16ビットで構成しており、ビット15はストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット11〜14はコマンド種別(本実施形態では、基本コマンド、スタートレバー受付コマンド、演出抽選処理に伴う演出コマンド、リール110乃至112の回転を開始に伴う回転開始コマンド、ストップボタン137乃至139の操作の受け付けに伴う停止ボタン受付コマンド、リール110乃至112の停止処理に伴う停止位置情報コマンド、メダル払出処理に伴う払出枚数コマンド及び払出終了コマンド、遊技状態を示すコマンド等)、ビット0〜10はコマンドデータ(コマンド種別に対応する所定の情報)で構成されている。
【0095】
第1副制御部400では、受信した出力予定情報に含まれるコマンド種別により、主制御部300における遊技制御の変化に応じた演出制御の決定が可能になるとともに、出力予定情報に含まれているコマンドデータの情報に基づいて、演出制御内容を決定することができるようになる。
【0096】
ステップ3013では、外部出力信号設定処理を行う。この外部出力信号設定処理では、RAM308に記憶している遊技情報を、情報出力回路334を介してスロットマシン100とは別体の情報入力回路652に出力する。
【0097】
ステップ3015では、デバイス監視処理を行う。このデバイス監視処理では、まずはステップ3005において信号状態記憶領域に記憶した各種センサ318の信号状態を読み出して、メダル投入異常及びメダル払出異常等に関するエラーの有無を監視し、エラーを検出した場合には(図示省略)エラー処理を実行させる。さらに、現在の遊技状態に応じて、メダルセレクタ170(メダルセレクタ170内に設けたソレノイドが動作するメダルブロッカ)、各種ランプ338、各種の7セグメント(60G)表示器の設定を行う。
【0098】
ステップ3017では、低電圧信号がオンであるか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(電源の遮断を検知した場合)にはステップ3021に進み、低電圧信号がオフの場合(電源の遮断を検知していない場合)にはステップ3019に進む。
【0099】
ステップ3019では、タイマ割込終了処理を終了する各種処理を行う。このタイマ割込終了処理では、ステップ3001で一時的に退避した各レジスタの値を元の各レジスタに設定等行う。その後、
図5に示す主制御部メイン処理に復帰する。
【0100】
一方、ステップ3021では、復電時に電断時の状態に復帰するための特定の変数やスタックポインタを復帰データとしてRAM308の所定の領域に退避し、入出力ポートの初期化等の電断処理を行い、その後、
図5に示す主制御部メイン処理に復帰する。
【0101】
<第1副制御部400の処理>
図7を用いて、第1副制御部400の処理について説明する。なお、
図7(a)は、第1副制御部400のCPU404が実行するメイン処理のフローチャートである。
図7(b)は、第1副制御部400のコマンド受信割込処理のフローチャートである。
図7(c)は、第1副制御部400のタイマ割込処理のフローチャートである。
【0102】
まず、
図7(a)のステップ4001では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、まずステップ4001で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポートの初期設定や、RAM408内の記憶領域の初期化処理等を行う。
【0103】
ステップ4003では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップ4005の処理に移行する。
【0104】
ステップ4005では、タイマ変数に0を代入する。
【0105】
ステップ4007では、コマンド処理を行う。コマンド処理では第1副制御部400のCPU404は、主制御部300からコマンドを受信したか否かを判別する。
【0106】
ステップ4009では、演出制御処理を行う。例えば、ステップ4007で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する処理を行う。この処理には、例えば、演出データをROM406から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行うことが含まれる。
【0107】
ステップ4011では、ステップ4009の処理結果に基づいて音制御処理を行う。例えば、ステップ4009で読み出した演出データの中に音源IC418への命令がある場合には、この命令を音源IC418に出力する。
【0108】
ステップ4013では、ステップ4009の処理結果に基づいてランプ制御処理を行う。例えば、ステップ4009で読み出した演出データの中に各種ランプ420への命令がある場合には、この命令を駆動回路422に出力する。
【0109】
ステップ4015では、ステップ4009の処理結果に基づいてシャッタ制御処理を行う。例えば、ステップ4009で読み出した演出データの中にシャッタ163への命令がある場合には、この命令を駆動回路424に出力する。
【0110】
ステップ4017では、ステップ4009の処理結果に基づいて第2副制御部500に制御コマンドを送信する設定を行う情報出力処理を行う。例えば、ステップ4009で読み出した演出データの中に第2副制御部500に送信する制御コマンドがある場合には、この制御コマンドを出力する設定を行い、ステップ4003へ戻る。
【0111】
次に、
図7(b)を用いて、第1副制御部400のコマンド受信割込処理について説明する。このコマンド受信割込処理は、第1副制御部400が、主制御部300が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のステップ5001では、主制御部300が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM408に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
【0112】
次に、
図7(c)を用いて、第1副制御部400のCPU404によって実行する第1副制御部タイマ割込処理について説明する。第1副制御部400は、所定の周期(本実施形態では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
【0113】
ステップ6001では、
図7(a)に示す第1副制御部メイン処理におけるステップ4003において説明したRAM408のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップ4003において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。
【0114】
ステップ6003では、ステップ4017で設定された第2副制御部500への制御コマンドの送信や、演出用乱数値の更新処理等を行う。
【0115】
<第2副制御部500の処理>
図8を用いて、第2副制御部500の処理について説明する。なお、
図8(a)は、第2副制御部500のCPU504が実行するメイン処理のフローチャートである。
図8(b)は、第2副制御部500のコマンド受信割込処理のフローチャートである。
図8(c)は、第2副制御部500のタイマ割込処理のフローチャートである。
図8(d)は、第2副制御部500の画像制御処理のフローチャートである。
【0116】
まず、
図8(a)のステップ7001では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、まずステップ7001で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポート初期設定や、RAM508内の記憶領域の初期化処理等を行う。
【0117】
ステップ7003では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップ7005の処理に移行する。
【0118】
ステップ7005では、タイマ変数に0を代入する。
ステップ7007では、コマンド処理を行う。コマンド処理では第2副制御部500のCPU504は、第1副制御部400のCPU404からコマンドを受信したか否かを判別する。
【0119】
ステップ7009では、演出制御処理を行う。例えば、ステップ7007で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する処理を行う。この処理には、例えば、演出データをROM506から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行うことが含まれる。
【0120】
ステップ7011では、ステップ7009の処理結果に基づいて画像制御処理を行う。例えば、ステップ7009読み出した演出データの中に画像制御の命令がある場合には、この命令に対応する画像制御を行い(詳細は後述する)、ステップ7003へ戻る。
【0121】
次に、
図8(b)を用いて、第2副制御部500のコマンド受信割込処理について説明する。このコマンド受信割込処理は、第2副制御部500が、第1副制御部400が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のステップ8001では、第1副制御部400が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM508に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
【0122】
次に、
図8(c)を用いて、第2副制御部500のCPU504によって実行する第2副制御部タイマ割込処理について説明する。第2副制御部500は、所定の周期(本実施形態では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
【0123】
ステップ9001では、
図8(a)に示す第2副制御部メイン処理におけるステップ7003において説明したRAM508のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップ7003において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。
【0124】
ステップ9003では、演出用乱数値の更新処理等を行う。
【0125】
次に、
図8(d)を用いて、第2副制御部500のメイン処理におけるステップ7011の画像制御処理について説明する。同図は、画像制御処理の流れを示すフローチャートを示した図である。
【0126】
ステップ10001では、画像データの転送指示を行う。ここでは、CPU504は、まず、VRAM518の表示領域Aと表示領域Bの描画領域の指定をスワップする。これにより、描画領域に指定されていない表示領域に記憶された1フレームの画像が演出画像表示装置157に表示される。次に、CPU504は、VDP516のアトリビュートレジスタに、位置情報等テーブルに基づいてROM座標(ROM506の転送元アドレス)、VRAM座標(VRAM518の転送先アドレス)などを設定した後、ROM506からVRAM518への画像データの転送開始を指示する命令を設定する。VDP516は、アトリビュートレジスタに設定された命令に基づいて画像データをROM506からVRAM518に転送する。その後、VDP516は、転送終了割込信号をCPU504に対して出力する。
【0127】
ステップ10003では、VDP516からの転送終了割込信号が入力されたか否かを判定し、転送終了割込信号が入力された場合はステップ10005に進み、そうでない場合は転送終了割込信号が入力されるのを待つ。
【0128】
ステップ10005では、演出シナリオ構成テーブルおよびアトリビュートデータなどに基づいて、パラメータ設定を行う。ここでは、CPU504は、ステップ10001でVRAM518に転送した画像データに基づいてVRAM518の表示領域AまたはBに表示画像を形成するために、表示画像を構成する画像データの情報(VRAM518の座標軸、画像サイズ、VRAM座標(配置座標)など)をVDP516に指示する。VDP516はアトリビュートレジスタに格納された命令に基づいてアトリビュートに従ったパラメータ設定を行う。
【0129】
ステップ10007では、描画指示を行う。この描画指示では、CPU504は、VDP516に画像の描画開始を指示する。VDP516は、CPU504の指示に従ってフレームバッファにおける画像描画を開始する。
【0130】
ステップ10009では、画像の描画終了に基づくVDP516からの生成終了割込み信号が入力されたか否かを判定し、生成終了割込み信号が入力された場合はステップ10011に進み、そうでない場合は生成終了割込み信号が入力されるのを待つ。
【0131】
ステップ10011では、RAM508の所定の領域に設定され、何シーンの画像を生成したかをカウントするシーン表示カウンタをインクリメント(+1)して処理を終了する。
【0132】
<第1の実施例に係るシャッタの構成>
図9は、本発明による第1の実施例に係るシャッタの構成を示す図あり、シャッタの端部に設ける縁飾りを示す斜視図である。
【0133】
図10は、
図9に示した縁飾りの正面図である。
【0134】
右シャッタ縁飾り164aは、液晶表示装置157の縦の長さ(上下方向の長さ)以上の長さを有し、前面166aには装飾が施してあり、背面167aには例えば樹脂板を取り付けている。左シャッタ縁飾り164bは、液晶表示装置157の縦の長さ(上下方向の長さ)以上の長さを有し、前面166bには装飾が施してあり、背面167bには例えば樹脂板を取り付けている。樹脂板は、液晶表示装置157に表示された画像の視認性を変更するよう均一に着色(例えば、白色を着色)された樹脂板であり、背後に設けられたステッピングモータによって移動するよう設けられている。具体的には、ピニオン(小口径の円形歯車)をステッピングモータに取り付け、平板状の棒に歯切りをしたラックを樹脂板の背後に取り付け、ピニオンに回転力を加えることによりラックが歯すじ設定された末端まで水平方向に動くようにする。
【0135】
右シャッタ縁飾り164aのほぼ中央には房飾り171aを備え、左シャッタ縁飾り164bのほぼ中央には房飾り171bを備えている。
【0136】
房飾り171aは、支軸172aを備え、この支軸172aによって右シャッタ縁飾り164aの前面166aに回動可能に軸支されている。房飾り171aのうち支軸172aから遠い端部には房部173aを設けている。支軸172aは、房飾り171aの重心位置とずれた位置に設けており、房飾り171aは、右シャッタ163aの動きによって、慣性の法則に基づく動きで振り子運動を行う。
【0137】
同様に、房飾り171bは、支軸172bを備え、この支軸172bによって左シャッタ縁飾り164bの前面166bに回動可能に軸支されている。房飾り171bのうち支軸172bから遠い端部には房部173bを設けている。支軸172bは、房飾り171bの重心位置とずれた位置に設けており、房飾り171bは、左シャッタ163bの動きによって、慣性の法則に基づく動きで振り子運動を行う。
【0138】
房飾り171aや房飾り171bは、シャッタ縁飾りではなく、右シャッタ163aや左シャッタ163bに軸支されるものであってもよい。
【0139】
シャッタ163を閉じ始めると、右シャッタ縁飾り164aと左シャッタ縁飾り164bとが近づき、シャッタ163を完全に閉じたときには右シャッタ縁飾り164aと左シャッタ縁飾り164bとが当接する。本実施形態においては、シャッタ163を閉じる場合に、右シャッタ縁飾り164aと左シャッタ縁飾り164bとが当接する位置までシャッタ163aとシャッタ163bとが移動するようステッピングモータを駆動させている。なぜなら、シャッタ163は、ステッピングモータにより仮想の位置情報に基づいて移動させるが、実際の位置が仮想の位置と異なってしまった場合であっても、右シャッタ縁飾り164aと左シャッタ縁飾り164bとが当接する位置までシャッタ163aとシャッタ163bとを移動させていれば、右シャッタ縁飾り164aと左シャッタ縁飾り164bとの間に隙間が生じる可能性を低くすることができるからである。なお、必ずしも右シャッタ縁飾り164aと左シャッタ縁飾り164bとが当接する位置までシャッタ163aとシャッタ163bとを移動させなくても、右シャッタ縁飾り164aと左シャッタ縁飾り164bとが僅かな距離を隔てて近接する位置までシャッタ163aとシャッタ163bとを移動させる場合があってもよく、この場合、実際の位置が仮想の位置と異なってしまった場合であっても、右シャッタ縁飾り164aと左シャッタ縁飾り164bとの間に隙間が生じる可能性を低くすることができる場合があり、実際の位置が仮想の位置と異なってしまった場合であっても、右シャッタ縁飾り164aと左シャッタ縁飾り164bとが当接することで移動を停止させることができる場合があるからである。なお、右シャッタ縁飾り164aと左シャッタ縁飾り164bとが当接する位置までシャッタ163aとシャッタ163bとを移動させないようにし、右シャッタ縁飾り164aと左シャッタ縁飾り164bとが僅かな距離を隔てて近接する位置までシャッタ163aとシャッタ163bとを移動させるようにしてもよい。この場合も、右シャッタ縁飾り164aと左シャッタ縁飾り164bとの間に隙間が生じる可能性を低くすることができる場合があり、実際の位置が仮想の位置と異なってしまった場合であっても、右シャッタ縁飾り164aと左シャッタ縁飾り164bとが当接することで移動を停止させることができる場合があるからである。
【0140】
右シャッタ縁飾り164aの端部165aの構造、および右シャッタ縁飾り164aの端部165aの構造は、
図11を参照して後述するように、縦方向(長手方向)の全体に亘ってほぼ同じ形状である。
【0141】
図11は、
図10に示した縁飾りの断面図であり、(a)は
図10におけるA−A断面図であり、(b)は
図10におけるB−B断面図であり、(c)は
図10におけるC−C断面図である。
図11では、シャッタ163を閉じた状態の右シャッタ縁飾り164aおよび左シャッタ縁飾り164bを示している。
【0142】
右シャッタ縁飾り164aは、左シャッタ縁飾り164b側に衝突部168aを有し、左シャッタ縁飾り164bは、右シャッタ縁飾り164a側に衝突部168bを有する。シャッタ163を完全に閉じたときには、この衝突部168aと衝突部168bとが衝突する。
【0143】
右シャッタ縁飾り164aは、右シャッタ縁飾り164aと左シャッタ縁飾り164bとの間からシャッタ163の後方を遊技者が視認不可能となるように目隠しをする目隠し部169aおよび目隠し部169cを有し、左シャッタ縁飾り164bは、右シャッタ縁飾り164aと左シャッタ縁飾り164bとの間からシャッタ163の後方を遊技者が視認不可能となるように目隠しをする目隠し部169bを有する。
【0144】
シャッタ163を閉じると、遊技者の視線の方向において、目隠し部169aまたは目隠し部169cの少なくとも一方または両方が、目隠し部169bと重なり、これによって、右シャッタ縁飾り164aと左シャッタ縁飾り164bとの間から、シャッタ163の後方を遊技者が見ることができなくなる。
【0145】
<房飾りを用いた演出の説明>
なお、房飾り171aと房飾り171bは同様の構造であり、右シャッタ163aや左シャッタ163bの動きによって、慣性による移動や振り子運動を行うものである。以下では、房飾り171bについて説明し、房飾り171aについての説明は省略するが、房飾り171aは房飾り171bと同様の動きをするものである。
【0146】
以下、図面を参照して、本実施の形態の房飾り171aや房飾り171bの動作について説明する。
【0147】
図12は、房飾り171bの動きを説明する図であり、(a)は左シャッタ163bが最左方に位置しており房飾り171bが揺れていない状態を示す正面図であり、(b)は左シャッタ163bが右方に動き出した状態を示す正面図であり、(c)は左シャッタ163bが右方に動いた後に停止した状態を示す正面図であり、(d)は(c)の状態での房飾り171bの近傍を拡大して示す図である。
【0148】
右シャッタ163aおよび左シャッタ163bは液晶表示装置157の前方(遊技者側)にあり、右シャッタ163aおよび左シャッタ163bが閉じる(右シャッタ163aは左方に移動し、左シャッタ163bは右方に移動する)ことで、液晶表示装置157の表示領域を隠し、その隠された領域については遊技者が視認不可能となる。
【0149】
図12(a)に示す状態では、右シャッタ163aは最右方にあり、左シャッタ163bは最左方にあり、液晶表示装置157の表示領域の全てが視認可能になっている。また、
図12(a)に示す状態では、房飾り171bは房部173bが垂れ下がって停止しており、この状態では、房飾り171bは、遊技者の視線と垂直な面において左シャッタ163bや左シャッタ縁飾り164bからはみ出していない。すなわち、液晶表示装置157の表示領域のうち房飾り171bのみによって隠されている領域は存在しない。この状態では、液晶表示装置157の表示領域は、何物にも隠されておらず視認可能な視認可能領域157aと、左シャッタ163b(左シャッタ縁飾り164bを含む)によって隠された(遮蔽された)領域である第一の遮蔽領域157bとからなる。
【0150】
図12(b)に示す状態では、左シャッタ163bが右方に移動し始めている。このとき、房飾り171bは、この左シャッタ163bの移動に伴う慣性力により、支軸172bを中心にして時計回りに回動する。
【0151】
その後、
図12(c)に示す状態は、
図12(b)に示す状態の後に、さらに左シャッタ163bが右方に移動し、その後に停止した状態である。このとき、房飾り171bは、この左シャッタ163bの停止に伴う慣性力により、支軸172bを中心にして反時計回りに回動する。房飾り171bが反時計回りに回動することによって、房飾り171bの房部173bは、左シャッタ縁飾り164bよりも右側にはみ出し、液晶表示装置157の表示領域のうち
図12(b)では視認可能であった領域の前方に達する。この状態では、液晶表示装置157の表示領域は、何物にも隠されておらず視認可能な視認可能領域157aと、左シャッタ163b(左シャッタ縁飾り164bを含む)によって隠された(遮蔽された)領域である第一の遮蔽領域157bと、房飾り171bのみによって隠された(遮蔽された)領域である第二の遮蔽領域157cとからなる。
【0152】
次に、図面を参照して、本実施の形態の房飾り171aや房飾り171bの動作に関連した液晶表示装置157の表示について説明する。
【0153】
図13は、左シャッタ163bが右方に移動し、その後に停止した状態を示す正面図であり、(a)は左シャッタ163bの停止後、房飾り171bが反時計回りに回動し始める状態を示す図であり、(b)は(a)の後、房飾り171bが反時計回りにさらに回動し房部173bが液晶表示装置157の表示領域にはみ出し始めた状態を示す図であり、(c)は(b)の後、房飾り171bが反時計回りにさらに回動し房部173bが液晶表示装置157の表示領域にさら大きくはみ出した状態を示す図である。
【0154】
図13(a)、(b)および(c)では、房飾り171bは支軸172bを中心に反時計回りに回動する。このとき、液晶表示装置157では、房飾り171bの動きに応じた表示157aa、表示157abを行う。表示157aaは、房飾り171bの遥動を視覚的に強調するように、例えば遥動している方向の線(弧状の線、太線、細線、先端と中央とで太さの異なる線)を表示する。表示157abは、房飾り171bの遥動の振れ幅が大きくなったことに応じて、表示157aaから変化させた表示であり、房飾り171bの遥動を視覚的にさらに強調するように、例えば遥動している方向の複数の線(弧状の線、太線、細線、先端と中央とで太さの異なる線)を表示する。
【0155】
なお、房飾り171bの遥動の程度は、左シャッタ163bを駆動するモータをどのように動かしたときに房飾り171bがどのように動くかを予め実験等で求めておき、これによりモータを動作させたときに房飾り171bの動きを認識できるようにしておき、例えば、モータの動作に基づき液晶表示装置157での表示を異ならせる(表示157aaを表示するか、表示157abを表示するか、表示しないか、)ようにしてもよい。
【0156】
また、不図示の光センサ等により房飾り171bの位置を検出し、これにより液晶表示装置157での表示を異ならせる(表示157aaを表示するか、表示157abを表示するか、表示しないか、)ようにしてもよい。
【0157】
図14は、左シャッタ163bが右方に移動し、その後に停止した状態を示す正面図であり、(a)は左シャッタ163bの停止後、房飾り171bが反時計回りに回動し始めた状態を示す図であり、(b)は(a)の後、房飾り171bが反時計回りにさらに回動し房部173bが液晶表示装置157の表示領域にはみ出した状態を示す図であり、(c)は(a)の後、房飾り171bが反時計回りにさらに回動するが、勢いが弱く(b)よりもはみ出し量が少ない状態を示す図である。
【0158】
図14(a)、(b)および(c)の例では、液晶表示装置157では、例えばオタマジャクシのキャラクタ157acを表示している。
【0159】
図14(a)では、キャラクタ157acは、液晶表示装置157の表示領域において上下左右にふらふらと動くように表示している。このキャラクタ157acの動きはランダムでもよいし、一定の規則に基づく動きであってもよい。
【0160】
図14(b)では、房飾り171bが液晶表示装置157の表示領域にはみ出したとき、キャラクタ157acの表示位置が、房飾り171bから離れた位置(例えば、液晶表示装置157の表示領域のうち房部173bによって隠れない位置)である場合を示しており、この場合、キャラクタ157acの表示は、房飾り171bの動きに関わらない(キャラクタ157acの表示は変化しない)。
【0161】
図14(c)では、房飾り171bが液晶表示装置157の表示領域にはみ出したとき、キャラクタ157acの表示位置が、房飾り171bの近くであるが、房飾り171bの動きに勢いがなく(左シャッタ163bの移動速度が遅い場合など)、この場合(例えば、液晶表示装置157の表示領域のうちキャラクタ157acの表示位置に房飾り171bが達しない場合)、キャラクタ157acの表示は、房飾り171bの動きに関わらない(キャラクタ157acの表示は変化しない)。
【0162】
図15は、左シャッタ163bが右方に移動し、その後に停止した状態を示す正面図であり、(a)は左シャッタ163bが右方に移動し始めた状態を示す図であり、(b)は(a)の後、左シャッタ163bがさらに右方に移動した後に停止し、房飾り171bが反時計回りに回動し房部173bが液晶表示装置157の表示領域にはみ出し始めた状態を示す図であり、(c)は(b)の後、房飾り171bが反時計回りにさらに回動し、反時計回りの回動量が最大になった状態を示す図である。
【0163】
図15(a)、(b)および(c)の例では、
図14(a)、(b)および(c)の例と同様に、液晶表示装置157では、例えばオタマジャクシのキャラクタ157acを表示している。
【0164】
図15(a)では、キャラクタ157acは、液晶表示装置157の表示領域において上下左右にふらふらと動くように表示している。このキャラクタ157acの動きはランダムでもよいし、一定の規則に基づく動きであってもよい。
【0165】
図15(b)では、房飾り171bが液晶表示装置157の表示領域にはみ出して、キャラクタ157acの表示位置に達した状態を示しており、このとき、キャラクタ157acの表示は、房飾り171bの動きに関連して変化させる(例えば、キャラクタ157acの表情を変化させる)。例えば、房飾り171bが、液晶表示装置157の表示領域のうちキャラクタ157acの表示位置に達したと同時に、キャラクタ157acの表示内容を変化させる。
【0166】
図15(c)では、房飾り171bが反時計回りにさらに回動し、液晶表示装置157では、あたかも房飾り171bにキャラクタ157acがぶつかったかのように、キャラクタ157acが房飾り171bに弾き飛ばされる表示を行う。すなわち、キャラクタ157acの表示は、房飾り171bの動きに関連して変化させる。
【0167】
<第2の実施例に係るシャッタの構成>
図16は、本発明による第2の実施例に係るシャッタの構成を示すとともに、左シャッタ163bが右方に移動し、その後に停止した状態を示す正面図であり、(a)は左シャッタ163bが最左方よりも右方に位置して停止している状態を示す図であり、(b)は(a)の後、左シャッタ163bが右方に移動した状態を示す図であり、(c)は(b)の後、左シャッタ163bが停止した状態を示す図である。
【0168】
本実施例では、右シャッタ縁飾り164aのほぼ中央には扇飾り175aを備え、左シャッタ縁飾り164bのほぼ中央には扇飾り175bを備えている。
【0169】
扇飾り175aは、支軸176aを備え、この支軸176aによって右シャッタ縁飾り164aの前面166aに回動可能に軸支されている。扇飾り175aのうち支軸176aから遠い端部には扇面177aを設けている。支軸176aは、扇飾り175aの重心位置とずれた位置に設けており、扇飾り175aは、右シャッタ163aの動きによって、慣性の法則に基づく動きで振り子運動を行う。
【0170】
同様に、扇飾り175bは、支軸176bを備え、この支軸176bによって左シャッタ縁飾り164bの前面166bに回動可能に軸支されている。扇飾り175bのうち支軸176bから遠い端部には扇面177bを設けている。支軸176bは、扇飾り175bの重心位置とずれた位置に設けており、扇飾り175bは、左シャッタ163bの動きによって、慣性の法則に基づく動きで振り子運動を行う。
【0171】
図16(a)、(b)および(c)の例では、
図14(a)、(b)および(c)の例と同様に、液晶表示装置157では、例えばオタマジャクシのキャラクタ157acを表示している。
【0172】
図16(a)に示す状態では、右シャッタ163aは最右方にあり、左シャッタ163bは最左方よりも右方にある。また、
図16(a)に示す状態では、扇飾り175bは扇面177bが垂れ下がって停止しており、この状態であっても、扇面177bの一部は、遊技者の視線と垂直な面において左シャッタ縁飾り164bからはみ出し、これにより液晶表示装置157の表示領域の一部を隠し、第二の遮蔽領域157cを生じさせている。この状態では、液晶表示装置157の表示領域は、何物にも隠されておらず視認可能な視認可能領域157aと、左シャッタ163b(左シャッタ縁飾り164bを含む)によって隠された(遮蔽された)領域である第一の遮蔽領域157bと、扇飾り175bのみによって隠された(遮蔽された)領域である第二の遮蔽領域157cとからなる。
【0173】
図16(a)では、キャラクタ157acは、液晶表示装置157の表示領域において上下左右にふらふらと動くように表示している。このキャラクタ157acの動きはランダムでもよいし、一定の規則に基づく動きであってもよい。
【0174】
図16(b)に示す状態では、左シャッタ163bが右方に移動し始めている。このとき、扇飾り175bは、この左シャッタ163bの移動に伴う慣性力により、支軸176bを中心にして時計回りに回動する。
【0175】
その後、
図16(c)に示す状態は、
図16(b)に示す状態の後に、さらに左シャッタ163bが停止した状態である。このとき、扇飾り175bは、この左シャッタ163bの停止に伴う慣性力により、支軸176bを中心にして反時計回りに回動する。扇飾り175bが反時計回りに回動することによって、扇飾り175bの扇面177bは、左シャッタ縁飾り164bよりも右側にはみ出し、液晶表示装置157の表示領域のうち
図16(b)では視認可能であった領域の前方に達する。この例では、扇面177bは、キャラクタ157acの表示位置の前方に達し、キャラクタ157acを隠す。
【0176】
図17は、
図16(c)に続く状態を示す正面図であり、(d)は左シャッタ163bが停止したまま、扇飾り175bが振り子運動で時計回りに回動した状態を示す図であり、(e)は(d)の後、左シャッタ163bが停止したまま、扇飾り175bが振り子運動で反時計回りに回動した状態を示す図であり、(f)は(e)の後、左シャッタ163bが停止したまま、扇飾り175bの振り子運動が収まり、扇飾り175bが停止した状態を示す図である。
【0177】
図17(d)では、
図16(c)において扇面177bによってキャラクタ157acが隠された後、扇飾り175bが振り子運動で時計回りに回動し、液晶表示装置157の表示領域が扇飾り175bによって隠されないものとなった状態を示している。このとき、液晶表示装置157では、一旦隠されたキャラクタ157acを消去し、あるいは半透明で表示し(例えば、薄い色で表示したり、透けて見える状態で表示したりしてもよい)、その後、扇飾り175bの遥動に伴い、液晶表示装置157では、キャラクタ157acが徐々に現れるように、徐々に濃く、徐々にはっきりと表示する。このとき、
図17(e)に示すように扇飾り175bの遥動は継続しているので、キャラクタ157acは見えたり、扇飾り175bで隠されたりが続き、キャラクタ157acがはっきりと認識できるには至らない。
【0178】
その後、
図17(f)では、扇飾り175bの動きは停止し、キャラクタ157acは、はっきりと現れ、遊技者が確実に視認可能な状態となる。
【0179】
<第3の実施例に係るシャッタの構成>
図18は、本発明による第3の実施例に係るシャッタの構成を示すとともに、左シャッタ163bが右方に移動し、その後に停止した状態を示す正面図であり、(a)は左シャッタ163bが最左方よりも右方に位置して停止している状態を示す図であり、(b)は(a)の後、左シャッタ163bが右方に移動した後に停止した状態を示す図であり、(c)は(b)の後、左シャッタ163bが停止したままの状態を示す図である。
【0180】
本実施例では、右シャッタ縁飾り164aの後方に、液晶表示装置157の縦の長さと同等の長さのスライド扉178bを設けている。左シャッタ163bには、右上がりの斜面163baを設けており、スライド扉178bはその下部において右上がりの斜面179bを有し、斜面179bが斜面163ba上に位置することによって、左シャッタ163bが停止しているときにはスライド扉178bは自重で左方に移動し、左シャッタ163bの後方(裏側)に収納される。なお、スライド扉178bの底部に斜面179bを設けずに斜面163baのみによってスライド扉178bを自重で左シャッタ163bの後方に収納するものとしてもよいし、スライド扉178bは左シャッタ163bの前方に収納するものとしてもよい。
【0181】
スライド扉178bは、斜面163ba上をスライド(水平移動)可能なものであり、
図18(b)に示すように、移動していた左シャッタ163bが停止すると、慣性力によって左シャッタ縁飾り164bよりもはみ出して右方に移動する。この状態では、液晶表示装置157の表示領域は、何物にも隠されておらず視認可能な視認可能領域157aと、左シャッタ163b(左シャッタ縁飾り164bを含む)によって隠された(遮蔽された)領域である第一の遮蔽領域157bと、スライド扉178bのみによって隠された(遮蔽された)領域である第二の遮蔽領域157cとからなる。
【0182】
その後、
図18(c)に示す状態では、
図18(b)に示す状態の後に、スライド扉178bは、斜面163baに沿って、自重で左方に移動し、左シャッタ163bの後方に収納される。このとき液晶表示装置157では、スライド扉178bが移動することによって視認可能となった領域にキャラクタ157acを表示するようにしてもよい。
【0183】
<パチンコ機への適用>
本発明に係る遊技台は、
図19および
図20を参照して説明するパチンコ機にも適用可能である。
【0184】
図19はパチンコ機1100を正面側(遊技者側)から見た外観斜視図である。
【0185】
パチンコ機1100は、外部的構造として、外枠1102と、本体1104と、前面枠扉1106と、球貯留皿付扉1108と、発射装置1110と、遊技盤1200と、をその前面に備える。
【0186】
外枠1102は、遊技機設置営業店に設けられた設置場所(島設備等)へと固定させるための縦長方形状から成る木製の枠部材である。
【0187】
本体1104は、外枠1102の内部に備えられ、ヒンジ部1112を介して外枠1102に回動自在に装着された縦長方形状の遊技機基軸体となる部材である。また、本体1104は、枠状に形成され、内側に空間部1114を有している。また、本体1104が開放された場合、本体1104の開放を検出する不図示の内枠開放センサを備える。
【0188】
前面枠扉1106は、ロック機能付きで且つ開閉自在となるようにパチンコ機1100の前面側となる本体1104の前面に対しヒンジ部1112を介して装着され、枠状に構成されることでその内側を開口部とした扉部材である。なお、この前面枠扉1106には、開口部にガラス製又は樹脂製の透明板部材1118が設けられ、前面側には、スピーカ1120や枠ランプ1122が取り付けられている。前面枠扉1106の後面と遊技盤1200の前面とで遊技領域1124を区画形成する。また、前面枠扉1106が開放された場合、前面枠扉1106の開放を検出する不図示の前面枠扉開放センサを備える。
【0189】
球貯留皿付扉1108は、パチンコ機1100の前面において本体1104の下側に対して、ロック機能付きで且つ開閉自在となるように装着された扉部材である。球貯留皿付扉1108は、複数の遊技球(以下、単に「球」と称する場合がある)が貯留可能で且つ発射装置1110へと遊技球を案内させる通路が設けられている上皿1126と、上皿1126に貯留しきれない遊技球を貯留する下皿1128と、遊技者の操作によって上皿1126に貯留された遊技球を下皿1128へと排出させる球抜ボタン1130と、遊技者の操作によって下皿1128に貯留された遊技球を遊技球収集容器(俗称、ドル箱)へと排出させる球排出レバー1132と、遊技者の操作によって発射装置1110へと案内された遊技球を遊技盤1200の遊技領域1124へと打ち出す球発射ハンドル1134と、遊技者の操作によって各種演出装置1206の演出態様に変化を与えるチャンスボタン1136と、チャンスボタン1136を発光させるチャンスボタンランプ1138と、遊技店に設置されたカードユニット(CRユニット)に対して球貸し指示を行う球貸操作ボタン1140と、カードユニットに対して遊技者の残高の返却指示を行う返却操作ボタン1142と、遊技者の残高やカードユニットの状態を表示する球貸表示部1144と、を備える。また、下皿1128が満タンであることを検出する不図示の下皿満タンセンサを備える。
【0190】
発射装置1110は、本体1104の下方に取り付けられ、球発射ハンドル1134が遊技者に操作されることによって回動する発射杆1146と、遊技球を発射杆1146の先端で打突する発射槌1148と、を備える。
【0191】
遊技盤1200は、前面に遊技領域1124を有し、本体1104の空間部1114に臨むように、所定の固定部材を用いて本体1104に着脱自在に装着されている。なお、遊技領域1124は、遊技盤1200を本体1104に装着した後、開口部から観察することができる。
【0192】
図20は、
図19に示した遊技盤1200を正面から見た略示正面図である。
【0193】
遊技盤1200には、外レール1202と内レール1204とを配設し、遊技球が転動可能な遊技領域1124を区画形成している。
【0194】
遊技領域1124の略中央には、演出装置1206を配設している。この演出装置1206には、略中央に装飾図柄表示装置1208を配設し、その周囲に、普通図柄表示装置1210と、第1特別図柄表示装置1212と、第2特別図柄表示装置1214と、普通図柄保留ランプ1216と、第1特別図柄保留ランプ1218と、第2特別図柄保留ランプ1220と、高確中ランプ1222を配設している。なお、以下、普通図柄を「普図」、特別図柄を「特図」と称する場合がある。
【0195】
演出装置1206は、演出可動体1224を動作して演出を行うものである。
【0196】
装飾図柄表示装置1208は、装飾図柄ならびに演出に用いる様々な表示を行うための表示装置であり、本実施形態では液晶表示装置(Liquid Crystal Display)によって構成する。この装飾図柄表示装置1208は、左図柄表示領域1208a、中図柄表示領域1208b、右図柄表示領域1208cおよび演出表示領域1208dの4つの表示領域に分割し、左図柄表示領域1208a、中図柄表示領域1208bおよび右図柄表示領域1208cはそれぞれ異なった装飾図柄を表示し、演出表示領域1208dは演出に用いる画像を表示する。さらに、各表示領域208a、208b、208c、208dの位置や大きさは、装飾図柄表示装置1208の表示画面内で自由に変更することを可能としている。なお、装飾図柄表示装置1208として液晶表示装置を採用しているが、液晶表示装置でなくとも、種々の演出や種々の遊技情報を表示可能に構成されていればよく、例えば、ドットマトリクス表示装置、7セグメント表示装置、有機EL(ElectroLuminescence)表示装置、リール(ドラム)式表示装置、リーフ式表示装置、プラズマディスプレイ、プロジェクタを含む他の表示デバイスを採用してもよい。
【0197】
普図表示装置1210は、普図の表示を行うための表示装置であり、本実施形態では7セグメントLEDによって構成する。第1特図表示装置1212および第2特図表示装置1214は、特図の表示を行うための表示装置であり、本実施形態では7セグメントLEDによって構成する。
【0198】
普図保留ランプ1216は、保留している普図変動遊技の数を示すためのランプであり、本実施形態では、普図変動遊技を所定数(例えば、2つ)まで保留することを可能としている。第1特図保留ランプ1218および第2特図保留ランプ1220は、保留している特図変動遊技の数を示すためのランプであり、本実施形態では、特図変動遊技を所定数(例えば、4つ)まで保留することを可能としている。高確中ランプ1222は、遊技状態が大当りが発生し易い高確率状態であること、または高確率状態になることを示すためのランプであり、遊技状態を大当りが発生し難い低確率状態から高確率状態にする場合に点灯し、高確率状態から低確率状態にする場合に消灯する。
【0199】
また、この演出装置1206の周囲には、所定の球進入口、例えば、一般入賞口1226と、普図始動口1228と、第1特図始動口1230と、第2特図始動口1232と、可変入賞口1234を配設している。
【0200】
一般入賞口1226は、本実施形態では遊技盤1200に複数配設しており、この一般入賞口1226への入球を所定の球検出センサ(図示省略)が検出した場合(一般入賞口1226に入賞した場合)、払出装置1152を駆動し、所定の個数(例えば、10個)の球を賞球として上皿1126に排出する。上皿1126に排出した球は遊技者が自由に取り出すことが可能であり、これらの構成により、入賞に基づいて賞球を遊技者に払い出すようにしている。なお、一般入賞口1226に入球した球は、パチンコ機1100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。本実施形態では、入賞の対価として遊技者に払い出す球を「賞球」、遊技者に貸し出す球を「貸球」と区別して呼ぶ場合があり、「賞球」と「貸球」を総称して「球(遊技球)」と呼ぶ。
【0201】
普図始動口1228は、ゲートやスルーチャッカーと呼ばれる、遊技領域1124の所定の領域を球が通過したか否かを判定するための装置で構成しており、本実施形態では遊技盤1200の左側に1つ配設している。普図始動口1228を通過した球は一般入賞口1226に入球した球と違って、遊技島側に排出することはない。球が普図始動口1228を通過したことを所定の球検出センサが検出した場合、パチンコ機1100は、普図表示装置1210による普図変動遊技を開始する。
【0202】
第1特図始動口1230は、本実施形態では遊技盤1200の中央に1つだけ配設している。この第1特図始動口1230への入球を所定の球検出センサが検出した場合、後述する払出装置1152を駆動し、所定の個数(例えば、3個)の球を賞球として上皿1126に排出するとともに、第1特図表示装置1212による特図変動遊技を開始する。なお、第1特図始動口1230に入球した球は、パチンコ機1100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
【0203】
第2特図始動口1232は、電動チューリップ(電チュー)と呼ばれ、本実施形態では第1特図始動口1230の真下に1つだけ配設している。この第2特図始動口1232は、左右に開閉自在な羽根部材1232aを備え、羽根部材1232aの閉鎖中は球の入球が不可能であり、普図変動遊技に当選し、普図表示装置1210が当たり図柄を停止表示した場合に羽根部材1232aが所定の時間間隔、所定の回数で開閉する。第2特図始動口1232への入球を所定の球検出センサが検出した場合、払出装置1152を駆動し、所定の個数(例えば、4個)の球を賞球として上皿1126に排出するとともに、第2特図表示装置1214による特図変動遊技を開始する。なお、第2特図始動口1232に入球した球は、パチンコ機1100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
【0204】
可変入賞口1234は、大入賞口またはアタッカーと呼ばれ、本実施形態では遊技盤1200の中央部下方に1つだけ配設している。この可変入賞口1234は、開閉自在な扉部材1234aを備え、扉部材1234aの閉鎖中は球の入球が不可能であり、特図変動遊技に当選して特図表示装置が大当たり図柄を停止表示した場合に扉部材1234aが所定の時間間隔(例えば、開放時間29秒、閉鎖時間1.5秒)、所定の回数(例えば15回)で開閉する。可変入賞口1234への入球を所定の球検出センサが検出した場合、払出装置1152を駆動し、所定の個数(例えば、15個)の球を賞球として上皿1126に排出する。なお、可変入賞口1234に入球した球は、パチンコ機1100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
【0205】
さらに、これらの入賞口や始動口の近傍には、風車と呼ばれる円盤状の打球方向変換部材1236や、遊技釘1238を複数個、配設していると共に、内レール1204の最下部には、いずれの入賞口や始動口にも入賞しなかった球をパチンコ機1100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出するためのアウト口を設けている。
【0206】
このパチンコ機1100は、遊技者が上皿1126に貯留している球を発射レールの発射位置に供給し、遊技者の操作ハンドルの操作量に応じた強度で発射モータを駆動し、発射杆1146および発射槌1148によって外レール1202、内レール1204を通過させて遊技領域1124に打ち出す。そして、遊技領域1124の上部に到達した球は、打球方向変換部材1236や遊技釘1238等によって進行方向を変えながら下方に落下し、入賞口(一般入賞口1226、可変入賞口1234)や始動口(第1特図始動口1230、第2特図始動口1232)に入賞するか、いずれの入賞口や始動口にも入賞することなく、または普図始動口1228を通過するのみでアウト口1240に到達する。
【0207】
次に、パチンコ機1100の演出装置1206について説明する。
【0208】
この演出装置1206の前面側には、遊技球の転動可能な領域にワープ装置1242およびステージ1244を配設し、遊技球の転動不可能な領域に演出可動体1224を配設している。また、演出装置1206の背面側には、装飾図柄表示装置1208および遮蔽装置1246(以下、シャッタと称する場合がある)を配設している。すなわち、演出装置1206において、装飾図柄表示装置1208および遮蔽手段は、ワープ装置1242、ステージ1244、および演出可動体1224の後方に位置することとなる。
【0209】
ワープ装置1242は、演出装置1206の左上方に設けたワープ入口1242aに入った遊技球を演出装置1206の前面下方のステージ1244にワープ出口1242bから排出する。
【0210】
ステージ1244は、ワープ出口1242bから排出された球や遊技盤1200の釘などによって乗り上げた球などが転動可能であり、ステージ1244の中央部には、通過した球が第1特図始動口1230へ入球し易くなるスペシャルルート1244aを設けている。
【0211】
演出可動体1224は、本実施形態では人間の右腕の上腕と前腕を模した上腕部1224aと前腕部1224bとからなり、肩の位置に上腕部1224aを回動させる不図示の上腕モータと肘の位置に前腕部1224bを回動させる不図示の前腕モータを備える。演出可動体1224は、上腕モータと前腕モータによって装飾図柄表示装置1208の前方を移動する。
【0212】
遮蔽装置1246は、水平方向に開閉自在な2枚の右シャッタ1246a、左シャッタ1246bからなり、装飾図柄表示装置1208および前面ステージ1244の間に配設する。
【0213】
右シャッタ1246aおよび左シャッタ1246bの上部には、不図示の2つのプーリに巻き回したベルトをそれぞれ固定している。すなわち、右シャッタ1246aおよび左シャッタ1246bは、モータによりプーリを介して駆動するベルトの動作に伴って左右にそれぞれ移動する。
【0214】
右シャッタ1246aのうち左シャッタ1246b側の端部には、上述した構造の右シャッタ縁飾り164aを設けており、左シャッタ1246bのうち右シャッタ1246a側の端部には、上述した構造の左シャッタ縁飾り164bを設けている。この右シャッタ縁飾り164aおよび左シャッタ縁飾り164bにより、遮蔽装置1246を閉じたときに、右シャッタ縁飾り164aの少なくとも一部と左シャッタ縁飾り164bの少なくとも一部とが衝突するとともに、右シャッタ1246aと左シャッタ1246bの間から遮蔽装置1246の後方を遊技者が視認不可能に目隠し(遮光)する。
【0215】
右シャッタ縁飾り164aのほぼ中央には、上述した構造の房飾り171aを備え、左シャッタ縁飾り164bのほぼ中央には、上述した構造の房飾り171bを備えている。
【0216】
本実施の形態では、遮蔽装置1246の後方に装飾図柄表示装置1208を配置しているが、本発明はこれに限られるものではなく、遮蔽装置1246の後方には、静止物や可動物などの各種組み合わせによる各種演出装置を配置する場合があり、これらにさらに装飾図柄表示装置1208を組み合わせる場合もある。
【0217】
右シャッタ1246aと右シャッタ縁飾り164aは一体で形成される場合があり、また別体で形成される場合もある。左シャッタ1246bと左シャッタ縁飾り164bは一体で形成される場合があり、また別体で形成される場合もある。
【0218】
<封入式遊技台への適用>
本発明に係る遊技台は、遊技台内に封入されたメダルを循環使用する封入式遊技台にも適用可能である。
【0219】
また、本発明に係る遊技台は、遊技台内に封入された遊技球を循環使用する封入式遊技台にも適用可能である。
【0220】
<付記>
本発明は、
1.
所定の演出領域を備えた演出手段(例えば、液晶表示装置157)と、
前記演出領域の少なくとも一部を遮蔽する移動体(例えば、シャッタ163)と、
前記移動体を駆動する駆動手段(例えば、シャッタ163を駆動するモータ)と、
を備えた遊技台であって、
前記移動体は、
前記駆動手段による駆動によって移動する第一の移動部材(例えば、右シャッタ縁飾り164a、左シャッタ縁飾り164b)と、
前記第一の移動部材に取り付けられ、前記第一の移動部材と共に移動する第二の移動部材(例えば、房飾り171a、房飾り171b)と、
を備え、
前記第一の移動部材は、前記演出領域における少なくとも第一の演出領域(例えば、第一の遮蔽領域157b)を遮蔽可能であり、
前記第二の移動部材の少なくとも一部は、前記第一の移動部材の移動に伴う慣性力によっても移動可能であり、
前記第二の移動部材は、前記慣性力によって移動した際、前記第一の演出領域以外の少なくとも第二の演出領域(例えば、第二の遮蔽領域157c)を遮蔽可能である、
ことを特徴とする遊技台、としたので、
演出の興趣を高めることができる遊技台を提供することができる。
【0221】
また、第二の移動部材が移動する周辺の演出領域に注目させることが可能となる場合がある。
【0222】
また本発明は、
2.
1.に記載の遊技台であって、
前記第一の移動部材は、前記駆動手段による駆動により前記演出領域を遮蔽する第一の方向に移動可能であり、
前記第二の移動部材は、前記第一の移動部材が前記第一の方向に移動することによって生じる前記第一の方向への慣性力によって、前記第一の方向の先にある前記第二の演出領域を遮蔽可能である、
ことを特徴とする遊技台、としたので、
第二の移動部材を駆動させる駆動手段を新たに設けずとも、第二の移動部材を移動させることができる場合がある。
【0223】
また本発明は、
3.
1.または2.に記載の遊技台であって、
前記第二の移動部材の少なくとも一部は、前記慣性力により、前記第一の演出領域から前記第二の演出領域に移動した後、自重により、前記第一の演出領域に戻る、
ことを特徴とする遊技台、としたので、
第二の移動部材を、第二の演出領域に移動した後に、別の駆動手段を用いずとも、時間が経過すれば第一の演出領域内に戻らせることができる場合がある。
【0224】
また本発明は、
4.
1.乃至3.のいずれか一項に記載の遊技台であって、
前記演出手段は、画像表示装置であり、
前記画像表示装置は、前記第二の移動部材の少なくとも一部が前記第二の演出領域を遮蔽するのに伴って、前記第二の移動部材の動作に関連する画像(例えば、画像157aa)を表示する、
ことを特徴とする遊技台、としたので、
第二の移動部材が移動する領域の画像が変化するので、更に遊技者の興味を引くことが可能となる場合がある。
【0225】
<付記2>
なお、以上説明した本発明は、
1.
所定の演出領域を備えた演出手段と、
前記演出領域の少なくとも一部を遮蔽する移動体と、
前記移動体を駆動する駆動手段と、
を備えた遊技台であって、
前記移動体は、
前記駆動手段による駆動によって移動する第一の移動部材(例えば、左シャッタ163b)と、
前記第一の移動部材に取り付けられ、前記第一の移動部材と共に移動する第二の移動部材(例えば、房飾り171b)と、
を備え、
前記第一の移動部材は、前記演出領域における第一の演出領域を前記第一の移動部材の少なくとも一部で遮蔽する第一の方向に移動可能であり、
前記第二の移動部材は、前記第一の移動部材が前記第一の方向に移動した後、前記第一の演出領域を遮蔽する位置で停止することによって生じる前記第一の方向への慣性力によっても移動可能であり、
前記第二の移動部材は、前記第一の方向への慣性力によって移動した際、前記第一の移動部材で遮蔽されていない前記第一の方向の先にある第二の演出領域を前記第二の移動部材の少なくとも一部で遮蔽可能であり、
前記第二の移動部材は、前記第一の方向への慣性力によって前記第二の演出領域を遮蔽する遮蔽位置に移動した後、自重により、前記第二の演出領域を前記第二の移動部材の少なくとも一部で遮蔽しない非遮蔽位置に戻り停止するものである、
ことを特徴とする遊技台、としたので、
・演出の興趣を高めることができる遊技台を提供することができる。
また本発明は、
2.
1.に記載の遊技台であって、
前記演出領域は、画像を表示する領域であり、
前記演出手段は、前記第一の移動部材が前記第一の演出領域を前記第一の移動部材の少なくとも一部で遮蔽する位置で停止した後、前記第二の演出領域を含む前記演出領域に所定の演出画像を表示するものである、
ことを特徴とする遊技台、とした。
また本発明は、
3.
所定の演出領域を備えた演出手段と、
前記演出領域の少なくとも一部を遮蔽する移動体と、
前記移動体を駆動する駆動手段と、
を備えた遊技台であって、
前記移動体は、
前記駆動手段による駆動によって移動する第一の移動部材(例えば、左シャッタ163b)と、
前記第一の移動部材に取り付けられ、前記第一の移動部材と共に移動する第二の移動部材(例えば、扇飾り175b)と、
を備え、
前記第一の移動部材は、前記演出領域における第一の演出領域を前記第一の移動部材の少なくとも一部で遮蔽する第一の方向に移動可能であり、
前記第二の移動部材は、前記第一の移動部材が前記第一の方向に移動した後、前記第一の演出領域を遮蔽する位置で停止することによって生じる前記第一の方向への慣性力によっても移動可能であり、
前記第二の移動部材は、前記第一の方向への慣性力によって移動した際、前記第一の移動部材で遮蔽されていない前記第一の方向の先にある第二の演出領域を前記第二の移動部材の少なくとも一部で遮蔽可能であり、
前記第二の移動部材は、前記第一の方向への慣性力によって前記第二の演出領域を遮蔽する第一の遮蔽位置に移動した後、自重により、前記第一の遮蔽位置よりも遮蔽範囲が小さい第二の遮蔽位置に戻り停止するものである、
ことを特徴とする遊技台、としたので、
・演出の興趣を高めることができる遊技台を提供することができる。
本発明の態様は、上述した個々の実施例に限定されるものではなく、個々の実施例の各要素のいかなる組合せも本発明に含み、また、当業者が想到しうる種々の変形も含むものであり、本発明の効果も上述した内容に限定されない。すなわち、特許請求の範囲に規定された内容およびその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更および部分的削除が可能である。