特許第6014845号(P6014845)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6014845オーバーレイマーク、これを用いたオーバーレイの計測方法、および半導体デバイスの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6014845
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年10月26日
(54)【発明の名称】オーバーレイマーク、これを用いたオーバーレイの計測方法、および半導体デバイスの製造方法
(51)【国際特許分類】
   G03F 9/00 20060101AFI20161013BHJP
   G03F 7/20 20060101ALI20161013BHJP
【FI】
   G03F9/00 H
   G03F7/20 521
【請求項の数】10
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-218547(P2015-218547)
(22)【出願日】2015年11月6日
【審査請求日】2016年1月27日
(31)【優先権主張番号】10-2015-0096516
(32)【優先日】2015年7月7日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2015-0130524
(32)【優先日】2015年9月15日
(33)【優先権主張国】KR
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】515309575
【氏名又は名称】オーロステクノロジー, インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100109553
【弁理士】
【氏名又は名称】工藤 一郎
(72)【発明者】
【氏名】チャン・ミョンシク
(72)【発明者】
【氏名】イ・ジュンウ
(72)【発明者】
【氏名】チャン・ヒョンジン
(72)【発明者】
【氏名】キム・セウン
(72)【発明者】
【氏名】イ・ギルス
【審査官】 松岡 智也
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−213895(JP,A)
【文献】 特開平08−222514(JP,A)
【文献】 特開平11−260714(JP,A)
【文献】 特表2007−528126(JP,A)
【文献】 特開2007−324371(JP,A)
【文献】 特開2006−066455(JP,A)
【文献】 特開2004−228327(JP,A)
【文献】 特開2000−235947(JP,A)
【文献】 特開2012−124457(JP,A)
【文献】 特開2011−061236(JP,A)
【文献】 特開2014−160868(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/30−21/027、
H01L 21/46、
G03F 7/20−7/24、
G03F 9/00−9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの連続するパターン層または1つのパターン層に別々に形成された2つのパターン間の相対的なズレを決定するオーバーレイマーク400であって、
正方形であり、正方形の角の部分と各辺の中央部にはメサ構造Mが形成され、メサ構造Mは、並列に配置された複数のトレンチで接続された第1オーバーレイ構造410と、
前記第1オーバーレイ構造410の上下左右にそれぞれ配置される4つのオーバーレイパターン421、422、423、424を備え、前記4つのオーバーレイパターン421、422、423、424のそれぞれは、互いに並んだ複数のバー425、426、427、428を備え、前記複数のバー425、426、427、428は、前記第1オーバーレイ構造410から離れるほど長さが長くなり、幅は狭くなり、長さ方向に沿って交互に形成されたトレンチ構造Tとメサ構造Mを備える第2オーバーレイ構造420を含み、
前記第1オーバーレイ構造410と第2オーバーレイ構造420は、異なるパターン層に形成されるか1つのパターン層に別々に形成された異なるパターンと一緒に形成されることを特徴とするオーバーレイマーク。
【請求項2】
各バー425、426、427、428の面積が互いに等しいことを特徴とする請求項1に記載のオーバーレイマーク。
【請求項3】
前記複数のバー425、426、427、428のトレンチ構造Tは、並列に配置された複数のトレンチを含むことを特徴とする請求項1に記載のオーバーレイマーク。
【請求項4】
前記複数のバー425、426、427、428のメサ構造Mは、並列に配置された複数のメサを含むことを特徴とする請求項1に記載のオーバーレイマーク。
【請求項5】
クリティカル ディメンション(critical dimension)の測定のために、前記第1オーバーレイ構造410の内部に形成された円形構造430をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のオーバーレイマーク。
【請求項6】
前記第2オーバーレイ構造420は、90度回転に対して不変体であることを特徴とする請求項1に記載のオーバーレイマーク。
【請求項7】
前記オーバーレイパターン421、422、423、424の複数のバー425、426、427、428との間の間隔が一定であることを特徴とする請求項1に記載のオーバーレイマーク。
【請求項8】
前記第1オーバーレイ構造410と第2オーバーレイ構造420の回転中心が一致することを特徴とする請求項1に記載のオーバーレイマーク。
【請求項9】
半導体素子の製造方法において、
2つの連続するパターン層または1つのパターン層に別々に形成された2つのパターンを形成すると同時にオーバーレイマーク400を形成するステップと、
前記オーバーレイマーク400を用いてオーバーレイ値を測定するステップと、
測定されたオーバーレイ値を2つの連続するパターン層または1つのパターン層に別々に形成された2つのパターンを形成するためにプロセス制御に用いるステップとを含み、
前記オーバーレイマーク400は、請求項1からのいずれか一項に記載のオーバーレイマーク400であることを特徴とする半導体素子の製造方法。
【請求項10】
2つの連続するパターン層または1つのパターン層に別々に形成された2つのパターン間のオーバーレイを測定する方法であって、
2つの連続するパターン層または1つのパターン層に別々に形成された2つのパターンを形成すると同時に形成されたオーバーレイマーク400の画像を取得するステップと、
前記オーバーレイマーク400の画像を分析するステップとを含み、
前記オーバーレイマーク400は、請求項1項から項のいずれか一項に記載のオーバーレイマーク400であることを特徴とするオーバーレイの測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オーバーレイマーク、これを用いたオーバーレイの計測方法、および半導体デバイスの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体基板上には、複数のパターン層が順次に形成される。また、ダブルパターニングなどにより、1つの層の回路が2つのパターンに分かれて形成されることもある。これらのパターン層または1つの層の複数のパターンが、予め設定された位置に正確に形成されないと、希望する半導体装置を製造することができない。
【0003】
したがって、パターン層が正確に整列されているかを確認するために、パターン層と同時に形成されるオーバーレイマークが使用される。
【0004】
オーバーレイマークを用いてオーバーレイを測定する方法は、以下の通りである。まず、前工程、例えばエッチング工程で形成されたパターン層に、パターン層の形成と同時にオーバーレイマークの一部である1つの構造を形成する。そして、後工程、例えばフォトリソグラフィ工程においてフォトレジストにオーバーレイマークの残りの構造を形成する。そして、オーバーレイ測定装置により、前工程で形成されたパターン層のオーバーレイ構造(フォトレジスト層を透過して画像を取得する)とフォトレジスト層のオーバーレイ構造の画像を取得して、これらの画像の中心間のオフセット値を計測してオーバーレイ値を測定する。オーバーレイ値が許容範囲を超えた場合、フォトレジスト層を除去し、再作業する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第5180419号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、半導体の製造工程でパターン層が正確に整列されているかを確認するために、パターン層と同時に形成される新しいオーバーレイマークを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した目的を達成するために、本発明は、2つの連続するパターン層または1つのパターン層に別々に形成された2つのパターンの間の相対的なズレを決定する(乃至は計測する)オーバーレイマークであって、正方形であり、正方形の角の部分と各辺の中心部にはメサ構造が形成され、メサ構造は、並列に配置された複数のトレンチで接続された第1オーバーレイ構造と、前記第1オーバーレイ構造の上下左右にそれぞれ配置される4つのオーバーレイパターンを備え、前記4つのオーバーレイパターンのそれぞれは、互いに並んだ複数のバーを備え、前記複数のバーは、前記第1オーバーレイ構造から離れるほど、長さが長く、幅は狭くなり、長さ方向に沿って交互に形成されたトレンチ構造とメサ構造とを備える第2オーバーレイ構造とを含み、前記第1オーバーレイ構造と第2オーバーレイ構造は、異なるパターン層に形成されるか、または一つのパターン層に別々に形成された異なるパターンと一緒に形成されることを特徴とするオーバーレイマークを提供する。
【0008】
前記オーバーレイマークにおいて、それぞれのバーの面積は互いに等しいことが好ましい。
【0009】
また、前記トレンチ構造は、並列に配置された複数のトレンチを含むことがより好ましく、前期メサ構造は、並列に配置された複数のメサを含むことがより好ましい。
【0010】
また、臨界次元(critical dimension)の測定のために、前記第1オーバーレイ構造の内部に形成された円形の構造をさらに含んでもよい。
【0011】
また、前記第2オーバーレイ構造は、90度回転に対して不変体であってもよい。
【0012】
また、前記オーバーレイパターンの複数のバーの間の間隔が一定であってもよい。
【0013】
また、前期4つのオーバーレイパターンのうち、前記第1オーバーレイ構造の上下に配置されるオーバーレイパターンのバーと、前記第1オーバーレイ構造の左右に配置されるオーバーレイパターンのバーは、互いに直交してもよい。
【0014】
また、前記第1オーバーレイ構造と第2オーバーレイ構造の回転中心が一致することが好ましい。
【0015】
また、前記第2オーバーレイ構造は、前工程によって形成されたパターン層に形成され、前記第1オーバーレイ構造は、後工程によって形成されたパターン層に形成されることが好ましい。
【0016】
本発明は、さらに、2つの連続するパターン層または1つのパターン層に別々に形成された2つのパターンを形成すると同時にオーバーレイマークを形成するステップと、前記オーバーレイマークを用いてオーバーレイ値を測定するステップと、測定されたオーバーレイ値を2つの連続するパターン層または1つのパターン層に別々に形成された2つのパターンを形成するためのプロセス制御に用いるステップとを含み、前記オーバーレイマークは、上述したオーバーレイマークであることを特徴とする半導体素子の製造方法を提供する。
【0017】
また、2つの連続するパターン層または1つのパターン層に別々に形成された2つのパターンを形成すると同時に形成されたオーバーレイマークの画像を取得するステップと、前記オーバーレイマークの画像を分析するステップとを含み、前記オーバーレイマークは、上述したオーバーレイマークであることを特徴とするオーバーレイの測定方法を提供する。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係るオーバーレイマークは、半導体の製造工程でパターン層が正確に整列されているかを確認するマークとして使用することができる。また、1つの層の複数のパターンが正確に整列されているかを確認するマークとして使用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明に係るオーバーレイマークの一実施例を示した平面図である。
図2図1に図示されたオーバーレイパターンの一部を拡大した断面図である。
図3】本発明に係るオーバーレイマークの他の実施例を示した平面図である。
図4】本発明に係るオーバーレイマークのさらに他の実施例を示した平面図である。
図5図4に図示された第2オーバーレイ構造のうちいずれか1つのバーの断面を示した図面である。
図6】一般的なオーバーレイマークの非対称性による測定の不正確性を説明するための図面である。
図7】本発明に係るオーバーレイマークのさらに他の実施例の一部を示した平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付された図面を参照して、本発明の一実施例を詳細に説明する。しかし、本発明の実施例は、種々の形態に変形することができ、本発明の範囲が以下の実施例に限定されるものと解釈されてはならない。本発明の実施例は、当該分野の通常の知識を有する者に本発明をより詳細に説明するために提供されたものである。したがって、図面における要素の形状などはより明確な説明をするために誇張されたものであり、図面上で同じ符号で示されている要素は同じ要素を意味する。
【0021】
図1は、本発明に係るオーバーレイマークの一実施例を示す平面図である。図1を参照すると、本発明に係るオーバーレイマーク100の一実施例は、第1オーバーレイ構造110と第2オーバーレイ構造120とを含む。オーバーレイマーク100は、ウェハのスクライブレーンに形成されてウェハ上の2つ以上のパターン層の間または単層上の2つ以上のパターンの間のオーバーレイを測定するために提供されてもよい。
【0022】
異なるパターン層間のオーバーレイの測定に利用される場合、第1オーバーレイ構造110と第2オーバーレイ構造120が異なるパターン層に形成される。また、同じ層の異なるパターン、例えば、ダブルパターニング工程で形成される2つのパターンの間のオーバーレイ測定に利用される場合には、第1オーバーレイ構造110と第2オーバーレイ構造120が同じ層に形成される。このとき、第1オーバーレイ構造110と第2オーバーレイ構造120は、異なる工程により同じ層に形成される。以下では、便宜上、異なるパターン層間のオーバーレイ測定に基づいて説明する。
【0023】
図1に示すように、本実施例において、第1オーバーレイ構造110は、正方形の形である。第1オーバーレイ構造110の相対する2辺は、第1方向と平行して、残りの2辺は、第1方向と直交する第2方向と平行する。第1方向と第2方向はそれぞれX軸方向とY軸方向であってもよい。
【0024】
第2オーバーレイ構造120は、第1オーバーレイ構造110の上下左右にそれぞれ配置される4つのオーバーレイパターン121、122、123、124を備える。そして、4つのオーバーレイパターン121、122、123、124のそれぞれは、互いに並んだ複数のバー125、126、127、128を備える。各オーバーレイパターン121、122、123、124の複数のバー125、126、127、128は、一定の間隔で配置される。また、オーバーレイパターン121、122、123、124の複数のバー125、126、127、128の長さと幅も互いに等しい。
【0025】
4つのオーバーレイパターン121、122、123、124の中から、第1オーバーレイ構造110の上下に配置されるオーバーレイパターン123、124のバー127、128と、第1オーバーレイ構造110の左右に配置されるオーバーレイパターン121、122のバー125、126は、互いに直交する。第1オーバーレイ構造110の上下に配置されるオーバーレイパターン123、124のバー127、128は、X軸方向に長く延びた形状でY軸方向に沿って配置され、第1オーバーレイ構造110の左右に配置されるオーバーレイパターン121、122のバー125、126は、Y軸方向に長く延びた形状でX軸方向に沿って配置される。左右オーバーレイパターン121、122は、X軸方向のオーバーレイの計測に利用することができ、上下オーバーレイパターン123、124は、Y軸方向のオーバーレイの計測に利用することができる。
【0026】
第1オーバーレイ構造110と第2オーバーレイ構造120の両方とも90度回転に対して不変体であり、第1オーバーレイ構造110と第2オーバーレイ構造120の回転中心Cが一致するので、本実施例のオーバーレイマーク100は、全体が90度回転に対して不変体である。
【0027】
一方、逆に形成してもよいが、前工程で形成されるパターン層には、第2オーバーレイ構造120を形成し、後工程で形成されるパターン層には、第1オーバーレイ構造110を形成することが好ましい。前工程で形成されるパターン層は、後工程で形成されるパターン層に覆われるので、後工程で形成されたパターン層に比べ正確な画像を取得することが難しい。したがって、より正確な測定が容易な第2オーバーレイ構造120を前工程に形成することが有利である。
【0028】
図2は、図1に示したオーバーレイパターンの一部を拡大した断面図である。図2に示したように、オーバーレイパターン121、122、123、124の複数のバー125、126、127、128は、それぞれ複数の微細なバー130を備えることが好ましい。オーバーレイマーク100がウェハのダイ領域に適用される設計規則に所定の間隔や幅と同様の間隔や幅を有することが、実際のダイ領域のオーバーレイとオーバーレイマークによって測定されたオーバーレイ間の誤差を減らすのに役立つからである。これらの複数の微細なバー130は、同じ間隔で形成されてもよい。
【0029】
図3は、本発明に係るオーバーレイマークの他の実施例を示した平面図である。図3に示した実施例は、第2オーバーレイ構造220において、図1に示した実施例と差があるため、ここでのみ説明をする。図3に示した実施例は、図1に示した実施例とは異なって、第2オーバーレイ構造220が90度回転に対して可変体である。また、180度回転に対しても可変体である。本実施例において、第2オーバーレイ構造220のオーバーレイパターン221、222、223、224は、相対するオーバーレイパターン221と222、223と224のバー225と226、227と228が互いに直交するように構成される。
【0030】
以下、図1に示したオーバーレイマーク100を用いたオーバーレイの計測方法について説明する。オーバーレイの計測方法は、オーバーレイマーク100の画像を取得するステップと、オーバーレイマーク100の画像を分析するステップとを含む。オーバーレイマーク100は、2つの連続するパターン層または1つのパターン層に別々に形成された2つのパターンを形成すると同時に形成される。
【0031】
オーバーレイマーク100の画像を取得するステップは、第1オーバーレイ構造110の画像を取得するステップと、第2オーバーレイ構造120の画像を取得するステップと、これらの画像の結合画像を取得するステップとを含んでもよい。
【0032】
第1オーバーレイ構造110と第2オーバーレイ構造120が異なる層に形成されている場合には、異なる光源を使用して画像を取得してもよい。前工程で形成された第2オーバーレイ構造120は、後工程で形成されたパターン層によって覆われるので、後工程で形成されたパターン層を通過することができる波長の光を利用して画像を取得することが好ましい。
【0033】
オーバーレイマーク100の画像を分析するステップは、取得された結合画像から第1オーバーレイ構造110の中心と第2オーバーレイ構造120の中心のオフセットを測定するステップであってもよい。また、第2オーバーレイ構造120の中心と第1オーバーレイ構造110の内側端に対応する線の間の距離を測定するステップであってもよい。
【0034】
以下、図1に示したオーバーレイマーク100を用いた半導体素子の製造方法について説明する。オーバーレイマーク100を用いた半導体素子の製造方法は、オーバーレイマーク100を形成するステップで開始される。2つの連続するパターン層または1つのパターン層に別々に形成された2つのパターンを形成すると同時にオーバーレイマーク100を形成する。
【0035】
次に、オーバーレイマーク100を用いてオーバーレイ値を測定する。オーバーレイ値を測定するステップは、上述したオーバーレイの計測方法と同様である。
【0036】
最後に、測定されたオーバーレイ値を2つの連続するパターン層または1つのパターン層に別々に形成された2つのパターンを形成するためのプロセス制御に利用する。つまり、導出されたオーバーレイをプロセス制御に利用して、連続するパターン層または2つのパターンが所定の位置に形成されるようにする。
【0037】
図4は、本発明に係るオーバーレイマークのさらに他の実施例を示す平面図であり、図5は、図4に示した第2オーバーレイ構造のうちいずれか1つのバーの断面を示す図である。
【0038】
図4を参照すると、本実施例は、第1オーバーレイ構造310と第2オーバーレイ構造320と円形構造330とを含む。円形構造330は、第1オーバーレイ構造310の内側に形成される。円形構造330は、光学画像を基におおよその臨界次元(critical dimension)の計測ができるようにする。これを利用して半導体の製造工程において工程の安定性を確保することができる。また、円形構造330は、第1オーバーレイ構造310によるパターン認識(pattern recognition)をする場合、もっとユニークな環境を作ってオーバーレイを測定するためのプロセスであるターゲットセンタリング(target centering)をより安定的に行わせる役割を果たすこともできる。
【0039】
図4に示すように、本実施例において、第1オーバーレイ構造310は、正方形である。第2オーバーレイ構造320は、第1オーバーレイ構造310の上下左右にそれぞれ配置される4つのオーバーレイパターン321、322、323、324を備える。また、4つのオーバーレイパターン321、322、323、324のそれぞれは互いに並んだ複数のバー325、326、327、328を備える。それぞれのオーバーレイパターン321、322、323、324の複数のバー325、326、327、328は、一定の間隔で配置される。
【0040】
図1に示された実施例とは異なる本実施例の特徴は、1つのオーバーレイパターン(例えば、321)を構成する複数のバー325a、325b、325c、325d、325eの長さと幅が異なることである。複数のバー325a、325b、325c、325d、325eは、それぞれのバー325a、325b、325c、325d、325eの面積が互いに等しくなるように、第1オーバーレイ構造310から遠ざかるほど長さが長くなり、幅は狭くなる。つまり、最も内側に配置されるバー325aは、長さが最も短く、幅は最も広くて、最も外側に配置されるバー325eは、長さが最も長く、幅は最も狭い。
本実施例では、このような構造により、デフォーカス(defocus)が発生しても、単一の幅のバーを備えた場合に比べて精度(precision)の確保が容易であるという利点がある。また、単一の幅のバーを備えた場合に比べて光学中心に近い領域により多くの光の強さ(intensity)情報量の確保が可能なため、下記のメサ、トレンチ型と組み合わされて、精度(precision)の確保が容易であるという利点がある。
【0041】
図1に示された実施例とは異なる本実施例の他の特徴は、第1オーバーレイ構造310の辺と第2オーバーレイ構造320のバー325、326、327、328が長さ方向に沿ってメサ(mesa、M)の構造とトレンチ(trench、T)構造が交互に形成された形状であることである。図4で濃く表示された部分が凹部分である。図4に示された実施例には、メサ−トレンチ−メサ−トレンチ−メサにそれぞれ1/5ずつの領域が割り当てられていることが示されているが、必要に応じて異なった領域に分割してもよい。
【0042】
このような構造の適用は、オーバーレイマークの製作時の工程上の非対称性によって発生する誤差を減らすことができるという利点がある。
【0043】
図6に示すように、半導体工程によりオーバーレイ構造を製作する場合、構造の両側斜面の角度(α、β)が異なることがある。これらの非対称性はCMP(chemical mechanical polishing)、CVD(chemical vapor deposition)、RIE(reactive−ion etching)などの半導体工程で発生することができる。トレンチ構造またはメサ構造で同じ層のオーバーレイ構造をすべて製作する場合には、これらのオーバーレイマークの制作時の非対称性によって、焦点の高さ、測定に使用される光の波長帯域に応じて、オーバーレイの測定値が異なって測定される問題がある。
【0044】
しかし、図4及び5に示すように、同じ層にトレンチ構造とメサ構造が交互に形成された形態のオーバーレイ構造を使用する場合には、トレンチ構造での誤差とメサ構造での誤差が一部相殺されて、測定の不正確性を最小限に抑えることができるという利点がある。つまり、半導体工程で構造を形成する際に、構造がメサ構造であるかトレンチ構造であるかに応じて非対称性が異なって現れるので、誤差が一部相殺されることがある。また、誤差の大きさを測定して、オーバーレイ測定の精度を高めることもできる。たとえば、オーバーレイマークの中心から同じ距離に配置された一対のトレンチ構造の中心点と、中心から同じ距離に配置された一対のメサ構造の中心点との差を計算する方法によってオーバーレイ構造の不正確性を測定し、これによりオーバーレイ測定の精度を高めることができる。また、トレンチ構造での誤差とメサ構造での誤差を測定して、誤差が小さい構造の測定値を使用することにより、オーバーレイ測定の精度を高めることもできる。
【0045】
図7は、本発明に係るオーバーレイマークのさらに他の実施例の平面図である。図示するように、2つの連続するパターン層または1つのパターン層に別々に形成された2つのパターン間の相対的なズレを決定する(乃至は計測する)オーバーレイマーク400は、正方形であり、正方形の角の部分と各辺の中央部にはメサ構造Mが形成され、メサ構造Mは、並列に配置された複数のトレンチで接続された第1オーバーレイ構造410と、前記第1オーバーレイ構造410の上下左右にそれぞれ配置される4つのオーバーレイパターン421、422、423、424を備え、前記4つのオーバーレイパターン421、422、423、424のそれぞれは、互いに並んだ複数のバー425、426、427、428を備え、前記複数のバー425、426、427、428は、前記第1オーバーレイ構造410から離れるほど長さが長くなり、幅は狭くなり、長さ方向に沿って交互に形成されたトレンチ構造Tとメサ構造Mを備える第2オーバーレイ構造420を含み、前記第1オーバーレイ構造410と第2オーバーレイ構造420は、異なるパターン層に形成されるか、または1つのパターン層に別々に形成された異なるパターンと一緒に形成されることを特徴とする。
【0046】
また、前記オーバーレイマーク400において、各バー425、426、427、428の面積は互いに等しいことが好ましい。
【0047】
また、前記複数のバー425、426、427、428のトレンチ構造Tは、並列に配置された複数のトレンチを含むことがより好ましく、前記複数のバー425、426、427、428のメサ構造Mは、並列に配置された複数のメサを含むことがより好ましい。
【0048】
また、臨界次元(critical dimension)の測定のために、前記第1オーバーレイ構造410の内部に形成された円形構造430をさらに含んでもよい。
【0049】
また、前記第2オーバーレイ構造420は、90度回転に対して不変体であってもよい。また、前期オーバーレイパターン421、422、423、424の複数のバー425、426、427、428との間の間隔が一定であってもよい。
【0050】
また、前期4つのオーバーレイパターン421、422、423、424のうち、前記第1オーバーレイ構造410の上下に配置されるオーバーレイパターン423、424のバー427、428と、前記第1オーバーレイ構造410の左右に配置されるオーバーレイパターン421、422のバー425、426は、互いに直交してもよい。
【0051】
また、前記第1オーバーレイ構造410と第2オーバーレイ構造420の回転中心が一致することが好ましい。
【0052】
また、前記第2オーバーレイ構造420は、前工程によって形成されたパターン層に形成され、前記第1オーバーレイ構造410は、後工程によって形成されたパターン層に形成されることが好ましい。
【0053】
本発明は、さらに、2つの連続するパターン層または1つのパターン層に別々に形成された2つのパターンを形成すると同時にオーバーレイマーク400を形成するステップと、前記オーバーレイマーク400を用いてオーバーレイ値を測定するステップと、測定されたオーバーレイ値を2つの連続するパターン層または1つのパターン層に別々に形成された2つのパターンを形成するためにプロセス制御に用いるステップとを含み、前記オーバーレイマーク400は、上述したオーバーレイマーク400であることを特徴とする半導体素子の製造方法を提供する。
【0054】
また、2つの連続するパターン層または1つのパターン層に別々に形成された2つのパターンを形成すると同時に形成されたオーバーレイマーク400の画像を取得するステップと、前記オーバーレイマーク400の画像を分析するステップとを含み、前記オーバーレイマーク400は、上述したオーバーレイマーク400であることを特徴とするオーバーレイの測定方法を提供する。
【0055】
本実施例は、図5に示した実施例とは異なって互いに並んだ2つ以上のトレンチおよび/またはメサが長さ方向に沿って交互に配置される。トレンチ構造だけ互いに並んだ2つ以上のトレンチで形成したり、メサ構造だけ互いに並んだ2つ以上のメサで形成したり、トレンチ構造とメサ構造の両方を互いに並んだ2つ以上で形成したりすることができる。本実施例の構造は、信号の強さを向上させるという利点がある。
【0056】
上述した実施例は、本発明の好適な実施例を説明したに過ぎず、本発明の権利範囲は、説明された実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想と請求の範囲内で当該分野の通常の知識を有するものにより、様々な変更、変形、または置換が可能であり、これらの実施例は、本発明の範囲に属するものと理解されるべきである。
【符号の説明】
【0057】
100、200、300、400 オーバーレイマーク
110、310、410 第1オーバーレイ構造
120、220、320、420 第2オーバーレイ構造
121、122、123、124 オーバーレイパターン
125、126、127、128 バー
130 微細なバー
221、222、223、224 オーバーレイパターン
225、226、227、228 バー
321、322、323、324 オーバーレイパターン
421、422、423、424 オーバーレイパターン
425、426、427、428 バー
430 円形構造
【要約】      (修正有)
【課題】半導体の製造工程でパターン層が正確に整列されているかを確認する、新しいオーバーレイマークを提供する。
【解決手段】2つの連続するパターン層または1つのパターン層に別々に形成された2つのパターン間の相対的なズレを決定するオーバーレイマーク400であって、正方形の第1オーバーレイ構造410と、前記第1オーバーレイ構造の上下左右にそれぞれ配置される4つのオーバーレイパターン421〜424を備え、前記4つのオーバーレイパターンのそれぞれは、互いに並んだ複数のバー425a〜428dを備える第2オーバーレイ構造420とを含む。
【選択図】図7
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7