(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6014848
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年10月26日
(54)【発明の名称】無電解白金メッキ液
(51)【国際特許分類】
C23C 18/44 20060101AFI20161013BHJP
【FI】
C23C18/44
【請求項の数】9
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-159394(P2014-159394)
(22)【出願日】2014年8月5日
(65)【公開番号】特開2016-37612(P2016-37612A)
(43)【公開日】2016年3月22日
【審査請求日】2014年10月14日
【審判番号】不服2015-12427(P2015-12427/J1)
【審判請求日】2015年7月1日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000228165
【氏名又は名称】日本エレクトロプレイテイング・エンジニヤース株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100162961
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100188640
【弁理士】
【氏名又は名称】後藤 圭次
(72)【発明者】
【氏名】藤波 知之
(72)【発明者】
【氏名】朝川 隆信
【合議体】
【審判長】
板谷 一弘
【審判官】
鈴木 正紀
【審判官】
富永 泰規
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開2013/094544(WO,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2005/0006644(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 18/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水溶性白金化合物、錯化剤、還元剤および安定剤からなるアルカリ性無電解白金メッキ液において、水溶性白金化合物の濃度が0.0005〜0.3mol/L(Ptとして0.1〜60g/L)であり、錯化剤が上記水溶性白金化合物の濃度の2〜300倍(モル比)のポリエチレンアミン類からなり、その濃度が0.001〜5mol/Lで、還元剤が水素化ホウ素化合物からなり、その濃度が0.001〜1mol/Lであり、安定剤がヒドラジン化合物からなり、その濃度が0.001〜1mol/Lであり、水酸化アルカリによりpH11〜14であることを特徴とする無電解白金メッキ液。
【請求項2】
水溶性白金化合物、錯化剤、還元剤および安定剤からなるアルカリ性無電解白金メッキ液において、水溶性白金化合物の濃度が0.0005〜0.3mol/L(Ptとして0.1〜60g/L)であり、錯化剤がエチレンジアミン(EDA)、ジエチレントリアミン(DETA)、トリエチレンテトラミン(TATE)、テトラエチレンペンタミン(TEPA)またはペンタエチレンヘキサミン(PEHA)のうちの少なくとも1種以上のポリエチレンアミン類からなり、その濃度が0.001〜5mol/Lで、かつ、上記水溶性白金化合物の濃度の2倍以上(モル比)あり、還元剤が水素化ホウ素化合物からなり、その濃度が0.001〜1mol/Lであり、安定剤がヒドラジン化合物からなり、その濃度が0.001〜1mol/Lであり、水酸化アルカリによりpH11〜14であることを特徴とする無電解白金メッキ液。
【請求項3】
上記水溶性白金化合物の濃度が0.01〜0.3mol/L(Ptとして2〜60g/L)であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の無電解白金メッキ液。
【請求項4】
上記白金化合物がジニトロジアンミン白金(II)(Pt−Pソルト)であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の無電解白金メッキ液。
【請求項5】
さらに長期安定剤として、メタニトロベンゼンスルフォン酸(NBS)およびその化合物、パラニトロ安息香酸(PNBA)およびその化合物、ジニトロ安息香酸(DNBA)およびその化合物、またはパラニトロフェノール(PNP)およびその化合物のうちの少なくとも1種以上を総量で1〜1,000mg/L含有することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の無電解白金メッキ液。
【請求項6】
あらかじめ混合液A、混合液Bを調製しておき、無電解白金メッキの開始時に混合液A、混合液Bおよび水を混合して無電解白金メッキ液を建浴し、無電解白金メッキすること特徴とする無電解白金メッキ方法。
ここで、混合液Aは、0.01〜0.5mol/L(Ptとして2〜100g/L)の水溶性白金化合物、上記水溶性白金化合物の濃度の2〜300倍(モル比)のポリエチレンアミン類からなる錯化剤、0.01〜2mol/Lのヒドラジン化合物からなる安定剤および水からなり、混合液Bは、0.01〜5mol/Lの水素化ホウ素化合物からなる還元剤、0.01〜15mol/Lの水酸化アルカリおよび水からなる。
【請求項7】
混合液Aの錯化剤がエチレンジアミン(EDA)、ジエチレントリアミン(DETA)、トリエチレンテトラミン(TATE)、テトラエチレンペンタミン(TEPA)またはペンタエチレンヘキサミン(PEHA)のうちの少なくとも1種以上のポリエチレンアミン類からなることを特徴とする請求項6に記載の無電解白金メッキ方法。
【請求項8】
さらに、メタニトロベンゼンスルフォン酸(NBS)およびその化合物、パラニトロ安息香酸(PNBA)およびその化合物、ジニトロ安息香酸(DNBA)およびその化合物、またはパラニトロフェノール(PNP)およびその化合物のうちの少なくとも1種以上の長期安定剤を混合することを特徴とする請求項6または請求項7に記載の無電解白金メッキ方法。
【請求項9】
液温を30〜60℃で行うことを特徴とする請求項6〜請求項8のいずれか1項に記載の無電解白金メッキ方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基材の所望箇所に光沢のある純白金を形成するための無電解白金メッキ液、特にセラミックス等の絶縁物表面に白金を厚付けするための無電解白金メッキ液に関するものである。また、本発明は、高濃度かつ高速度の無電解白金メッキ液およびそれを用いたメッキ方法によって1回の作業で明灰色の白金の厚付けメッキを得ようとするものである。
【背景技術】
【0002】
従来、セラミックス、ガラス、プラスチックス、カーボン、金属等の基材に明灰色の白金を0.5μm以上厚付けメッキしようとする場合には、まず基材の表面に触媒核となる白金、パラジウムまたはニッケルの前駆体を形成するのが一般的であった。この前駆体の核を起点として、置換メッキによって薄い白金層を形成した後、還元メッキを繰り返すことにより所定厚さの白金層となるようにしたり、あるいは、置換メッキを行なうことなく直接還元メッキを繰り返すことにより所定厚さの白金層となるようにしたりしていた。
【0003】
このような還元メッキ液としては、2種類のものが知られている。
一つは、ヒドラジン型無電解白金メッキ液である。
当初は高濃度の白金の金属塩溶液に還元剤を直接添加して還元していた。例えば、特開昭54−127389号公報(後述する特許文献1)の実施例1では、「イットリウムで安定化したジルコニアからなる一方の閉じた管状体に、濃度20g/Lの塩化白金酸溶液を管状体のほゞ半分入れ、更に濃度80vol%のヒドラジンを管状体の残り半分に入れ5分間撹拌かくはんし残液を捨てたところ、管状体内に厚さ約1μの均一な白金被膜が形成された。」ことが記載されている。
【0004】
しかし、このような被膜は白金ブラックのように白金が被着しているにすぎなかった。
また、アンモニア浴を用いる方法において、ヒドロキシルアミン塩がアンモニア浴中の安定剤として非常に優れていることが発見され、「(a)白金のニトロ錯塩若しくは(及び)ニトロアンミン錯塩又はこれ(これら)とパラジウムのニトロ錯塩若しくは(及び)ニトロアンミン錯塩、(b)ヒドロキシルアミン塩、並びに(c)ヒドラジンを含有し、pH10〜13であることを特徴とする白金又は白金−パラジウム合金の無電解メッキ浴」が開示された(特公昭59−33667号公報(後述する特許文献2))。この実施例1には、1μm厚の白金析出層上にアンモニア安定剤の存在下で40〜50℃で2時間メッキを行い、白金析出量が3mg/cm
2、メッキ厚が3μm、白金の利用率が98%である旨が記載されている。
【0005】
しかし、アンモニア浴は刺激臭が強く、大規模に実施しようとすると、設備が大変になるので実用化されなかった。
なお、従来のヒドラジン型無電解白金メッキ液には、さらに安定剤として五酸化二砒素のような安定剤を添加してpHを10〜14にしたメッキ液(特開平3−134178号公報)や一酸化鉛のような安定化剤を添加してpHを10〜12.5にしたメッキ液(特開平5−222543号公報)が知られているが、純白金を析出することができなかった。
【0006】
もう一つは、安定剤としてエチレンジアミンを用い、還元剤として水素化ホウ素化合物(リチウム、ナトリウム、カリウムまたはアンモニウム塩をいう)を使用した無電解白金メッキ液である。アルカリ性無電解白金メッキ液中では、水素化ホウ素化合物の反応は、以下の第一段階、第二段階および第三段階の反応をすると考えられる。
第一段階:加水分解反応
水素化ホウ素化合物は、無電解白金メッキ液中で加水分解をする。
BH
4− + H
2O → BH
3OH
− + H
2↑
第二段階:BH
3OH
−の酸化反応
BH
3OH
−は、基材上で酸化反応をする。
BH
3OH
− + 3OH
− → BO
2− + 3H
− + 2H
2O
第三段階:H
−の反応
(a)H
−は、電子を放出する。
H
− → H(原子状水素) + e
−
(b)放出された電子は白金イオンを還元する。
Pt
2+ + 2e
− → Pt
0 → Pt(金属)、または
Pt
4+ + 4e
− → Pt
0 → Pt(金属)
(c)原子状水素は、水素ガスとなり、メッキ浴から大気中へ拡散する。
2H → H
2↑
(d)原子状水素は、析出した白金金属中に共析する。
H → Pt…H…Pt
【0007】
従来の無電解白金メッキ液では、上記の第三段階の(d)反応によって、析出した白金メッキ被膜の応力が高くなって基材から剥離したり、黒色の白金メッキ被膜になったりしていた。
【0008】
特許3416901号公報(後述する特許文献3)の請求項2には、メッキ浴を安定化させるためチオ−ル化合物等を添加し、「白金の無電解めっき液において、白金塩として白金ニトロ錯塩,白金ニトロアンミン錯塩又は白金クロロアンミン錯塩を、錯化剤としてエチレンジアミン,エチレンアミン,メチルアミン又はピペリジンを安定剤として亜硝酸塩類を、そして還元剤として水素化ホウ素塩を含有し、かつチオ−ル化合物又は互変異性によりチオ−ル化合物となる化合物を添加剤として含有することを特徴とする白金の無電解めっき液」が開示されている。
【0009】
イオウ元素は白金金属中に安定して取り込まれるので、純白金被膜を得ることができない。しかしながら、チオ−ル化合物は、上記の第三段階の(d)反応を阻害して明灰色の白金メッキが得られる。ただし、実施例によれば6時間で0.9μm前後しか白金がメッキされず、上記の第三段階の(a)〜(c)反応までも阻害してメッキの析出速度を極端に低下させていることがわかる。液温の上昇あるいは白金塩や水素化ホウ素ナトリウムの高濃度化によってこの析出速度を速めたりすると、上記の(d)反応が起こり、析出した白金膜が黒色に変色したり、剥がれたりする欠点が生じることになる。
【0010】
また、析出効率が悪い場合、廃メッキ液には未使用の白金金属塩が残留し、その白金の回収・精製費用を含めるため無電解白金メッキ液が高価なものとなっていた。
【0011】
一方、触媒、センサ、医療機器部品などの工業用途では、性能を劣化させないために、白金以外の金属を含まない意味での純粋な無電解白金メッキが求められている。そのため、このような工業分野では上記の事情を勘案して、できるだけ単純な無電解白金メッキ液を用いざるを得なかった。その結果、上記特許3416901号公報の比較例1で示されるように、2μmの白金メッキ被膜を付けるのに2〜3時間の無電解メッキ作業を5,6回繰り返しているのが実情であった。
【0012】
【特許文献1】特開昭54−127389号公報
【特許文献2】特公昭59−33667号公報
【特許文献3】特許3416901号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、還元剤としての水素化ホウ素化合物に対する安定剤としてヒドラジン化合物を用いることを特徴とする。すなわち、水素化ホウ素化合物から発生する3H
−の上記第三段階の全反応において、アルカリ液中でヒドラジン化合物を共添加することによって、(a)H
−が、原子状水素となり電子を放出する反応、(b)放出された電子が、白金イオンを還元する反応、および(c)原子状水素が、水素ガスとなりメッキ浴から大気中へ拡散する反応、を促進させる結果、(a)〜(c)反応が増大した分だけ相対的に(d)原子状水素が、析出した白金金属中に共析する反応、を減少させることに成功した。ヒドラジン化合物による水素化ホウ素化合物の分解抑制作用によって明灰色の白金メッキが得られ、その析出速度が水素化ホウ素化合物を単独で用いた場合よりもはるかに速くなるとともに、析出効率がほぼ100%達成でき、かつ、10dm
2/L以上という高い浴負荷が達成できることがわかった。本発明者らは、これらの知見を利用して本発明を完成した。ここで、「浴負荷」とは、メッキ液1L当りで処理する基材の表裏面の表面積をいう。
【0014】
本発明は、水素化ホウ素化合物を用いた無電解白金メッキ液とそのメッキ方法であって、ヒドラジン化合物を共存させることによって水素化ホウ素化合物の自己分解を抑制し、白金メッキ液中の白金が異常析出するという課題を解決し、明灰色の白金メッキを得ようとするものである。また、本発明は、高濃度かつ高速度の無電解白金メッキ液およびそれを用いたメッキ方法によって1回の作業で明灰色の白金の厚付けメッキを得ようとするものである。また、本発明の無電解メッキ方法は、10dm
2/L以上という高い浴負荷によってメッキ処理の費用を大幅に削減しようとするものである。また、本発明の無電解白金メッキ液は、析出効率をほぼ100%にすることによって貴金属である白金を回収・精製する費用を削減しようとするものである。また、本発明は、できるだけ単純な液組成にすることによって装飾用途だけでなく工業用途にも適用可能な無電解白金メッキ液およびその方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の課題を解決するための無電解白金メッキ液の一つは、水溶性白金化合物、錯化剤、還元剤および安定剤からなる明灰色のメッキ被膜を得るためのアルカリ性無電解白金メッキ液において、水溶性白金化合物の濃度が白金金属として、0.0005〜0.3mol/L(Ptとして0.1〜60g/L)であり、錯化剤が上記水溶性白金化合物の濃度の2〜300倍(モル比)のポリエチレンアミン類からなり、その濃度が0.001〜5mol/Lであり、還元剤が水素化ホウ素化合物からなり、その水素化ホウ素化合物の濃度が0.001〜1mol/Lであり、安定剤がヒドラジン化合物からなり、そのヒドラジン化合物の濃度が0.001〜1mol/Lであり、水酸化アルカリによりpH11〜14であることを特徴とする。
【0016】
本発明の課題を解決するための無電解白金メッキ液の他の一つは、水溶性白金化合物、錯化剤、還元剤および安定剤からなるアルカリ性無電解白金メッキ液において、水溶性白金化合物の濃度が白金金属として、0.01〜0.3mol/L(Ptとして2〜60g/L)であり、錯化剤がエチレンジアミン(EDA)、ジエチレントリアミン(DETA)、トリエチレンテトラミン(TATE)、テトラエチレンペンタミン(TEPA)またはペンタエチレンヘキサミン(PEHA)のうちの少なくとも1種以上のポリエチレンアミン類からなり、その濃度が0.02〜5mol/Lで、かつ、上記白金化合物の濃度の2倍以上(モル比)あり、還元剤が水素化ホウ素化合物からなり、その水素化ホウ素化合物の濃度が0.01〜1mol/Lであり、安定剤がヒドラジン化合物からなり、そのヒドラジン化合物の濃度が0.01〜1mol/Lであり、水酸化アルカリによりpH11〜14であることを特徴とする。
【0017】
本発明の課題を解決するための無電解白金メッキ方法は、あらかじめ混合液Aと混合液Bを調製しておき、無電解白金メッキの開始時に混合液A、混合液Bおよび水を混合して無電解白金メッキ液を建浴し、無電解白金メッキすること特徴とする。
ここで、混合液Aは、0.01〜0.5mol/L(Ptとして2〜100g/L)の水溶性白金化合物、0.02〜10mol/Lのエチレンジアミン(EDA)、ジエチレントリアミン(DETA)、トリエチレンテトラミン(TATE)、テトラエチレンペンタミン(TEPA)またはペンタエチレンへキサミン(PEHA)のうちの少なくとも1種以上からなり、上記白金化合物の濃度の2〜300倍(モル比)のポリエチレンアミン類からなる錯化剤、0.01〜2mol/Lのヒドラジン化合物からなる安定剤および水からなり、混合液Bは、0.01〜5mol/Lの水素化ホウ素化合物からなる還元剤、0.01〜15mol/Lの水酸化アルカリおよび水からなる。
【0018】
本発明の無電解白金メッキ液における好ましい実施態様は、以下のとおりである。
上記白金化合物の濃度が0.01〜0.3mol/L(Ptとして2〜60g/L)であることが好ましい。より好ましくは、上記白金化合物の濃度が0.05〜0.3mol/L(Ptとして9.8〜60g/L)である。
【0019】
また、上記白金化合物がジニトロジアンミン白金(II)であることが好ましい。
【0020】
さらに長期安定剤として、メタニトロベンゼンスルフォン酸(NBS)およびその化合物、パラニトロ安息香酸(PNBA)およびその化合物、ジニトロ安息香酸(DNBA)およびその化合物またはパラニトロフェノール(PNP)およびその化合物のうちの少なくとも1種以上を総量で1〜1,000mg/L含有することが好ましい。
【0021】
また、液温を30〜60℃で行うことが好ましい。
【0022】
本発明の無電解白金メッキ液において、水溶性白金化合物としては、ジニトロジアンミン白金(II)(Pt(NO
2)
2(NH
3)
2)、テトラアンミン白金(II)ジクロライド([Pt(NH
3)
4]Cl
2)、テトラアンミン白金(II)水酸塩([Pt(NH
3)
4](OH)
2)、塩化白金(II)(PtCl
2)、塩化白金酸(II)(H
2PtCl
4)、塩化白金酸(II)カリウム (K
2PtCl
4)、シス−ジクロロジアンミン白金(II)(cis−PtCl
2(NH
3)
2)、テトラアンミン白金(IV)水酸塩([Pt(NH
3)
6](OH)
4)、ヘキサアンミン白金(IV)テトラクロライド([Pt(NH
3)
6]Cl
4、ヘキサアンミン白金(IV)水酸塩([Pt(NH
3)
6](OH)
4)、塩化白金(IV)(PtCl
4)、塩化白金酸(IV)(H
2PtCl
6)、塩化白金酸(IV)カリウム(K
2PtCl
6)、ヘキサヒドロキシ白金(IV)(H
2[Pt(OH)
6])、酸化白金(IV) (PtO
2)などがある。これらの白金化合物は、塩化白金酸塩(M
2PtCl
6またはM
2PtCl
4)を出発化合物とするなどして種々の方法で合成することができる。
【0023】
本発明でいう水溶性白金化合物は、錯化剤と混合することによって水溶性白金化合物とすることができるものを含む。本発明の無電解白金メッキ液において、さまざまな水溶性白金化合物が利用できるのは、上記の水素化ホウ素化合物の加水分解反応(段落0006)が白金化合物の種類と無関係だからである。
【0024】
本発明の水溶性白金化合物として、ジニトロジアンミン白金(II)(Pt(NO
2)
2(NH
3)
2)いわゆるPt−Pソルトが好ましい。副反応による生成物を生じないからである。例えば、ヒドラジンとの反応では、
2(NH
3)
2Pt(N0
2)
2 + N
2H
4・H
2O → 2Pt + 5N
2↑ + 9H
20
となる。
【0025】
本発明の無電解白金メッキ液において、その濃度を白金金属として、0.0005〜0.3mol/L(Ptとして0.1〜60g/L)としたのは、高濃度でも低濃度でもほぼ100%近くの析出効率が得られるからである。すなわち、無電解メッキ液から白金が析出すると無電解メッキ液の白金濃度は変化する。しかしながら、ヒドラジン化合物の共存下における水素化ホウ素化合物は暴走反応を起こさず、上記の第三段階の(c)反応が増加して安定して活発に水素を発生する。実用的な範囲として白金金属の濃度は、0.01〜0.3mol/L(Ptとして2〜60g/L)の範囲である。
【0026】
本発明の無電解白金メッキ液において、その水素化ホウ素化合物の濃度が0.001〜1mol/Lとしたのは、従来技術と同様に、白金を還元するのに必要な量を定めた。すなわち、その濃度が0.001mol/L未満では白金を還元するのに不十分であり、濃度が1mol/Lを超えると、還元に寄与しない無駄な水素化ホウ素化合物の量が増えるからである。
【0027】
水素化ホウ素化合物としては、水素化ホウ素リチウム(テトラヒドロホウ酸リチウム)、水素化ホウ素ナトリウム(テトラヒドロホウ酸ナトリウム)、水素化ホウ素カリウム(テトラヒドロホウ酸カリウム)、水素化ホウ素アンモニウム(テトラヒドロホウ酸アンモニウム)などがあるが、入手しやすく還元能力の強い水素化ホウ素ナトリウムが好ましい。水素化ホウ素ナトリウムは、ナトリウムイオンおよび正四面体型のテトラヒドリドホウ酸イオンBH
4-よりなる白色の固体で、還元剤として常用され,複数の官能基を持つ化合物の選択的な還元が可能である。
【0028】
本発明の無電解白金メッキ液において、ヒドラジン化合物を水素化ホウ素化合物と共存させるのは、水素化ホウ素化合物の分解を抑制することによって水素化ホウ素化合物の還元力を高めるためである。すなわち、ヒドラジン化合物が共存しない場合、水素化ホウ素化合物は本発明の無電解白金メッキ液中で緩やかに反応し、例えば、30℃で4時間かけると白金を100%近くまで還元する。しかし、液温を上昇していくと、白金の析出効率は最大80%程度となり、この析出効率が時間とともに減少し、温度を高くするほど、その傾向は著しくなる。これは、いったん基材上に析出した白金が液中に再溶解したり、剥がれて沈殿したりするためである。
【0029】
他方、ヒドラジン化合物だけが存在する場合、本発明の無電解白金メッキ液中で非常に緩やかに反応(例えば4時間で15%程度の還元力)して白金を還元することが知られている。
本発明の無電解白金メッキ液において、ヒドラジン化合物を水素化ホウ素化合物と共存させると、上記の白金の析出効率はほぼ100%となり、時間が経過しても析出効率が下がることはなかった。このような効果をもたらすヒドラジン化合物の濃度は、0.001〜1mol/Lであった。好ましくは、0.01〜1mol/Lである。
【0030】
このヒドラジン化合物と水素化ホウ素化合物の共存効果は、ヒドラジン化合物により上記の第三段階の(c)反応を増加させるためである。アルカリ溶液中でヒドラジン化合物は酸化するので、無電解白金メッキ時に水素化ホウ素化合物の還元作用を抑制する。そして、上記の第三段階の(a)〜(c)反応が増加した分だけ(d)反応が減少し、明灰色の白金メッキが効率よく得られる。(d)反応が起こらなければ、無電解メッキ液中の白金濃度が変化しても、析出する白金メッキは明灰色であり、安定している。また、この基材上に析出した白金金属がメッキ液の界面における新たな活性サイトとなり、ここで水素化ホウ素化合物から水素原子を奪う。その結果、水素化ホウ素化合物の白金錯体に対する還元力が更に高まり、Pt(II)錯体またはPt(IV)錯体を次の白金金属に還元する促進作用を発揮して短時間で析出が完了する。よって、10dm
2/L以上という高い浴負荷が達成できる。
【0031】
本発明の無電解白金メッキ液において、錯化剤をエチレンジアミン(EDA)、ジエチレントリアミン(DETA)、トリエチレンテトラミン(TATE)、テトラエチレンペンタミン(TEPA)またはペンタエチレンへキサミン(PEHA)のうちの少なくとも1種以上のポリエチレンアミン類としたのは、水に対して不溶または難溶性の白金化合物を水溶性とするためである。それゆえ、ポリエチレンアミン類を含む水溶液に溶解する白金化合物は、水溶性白金化合物とした。また、ポリエチレンアミン類は白金化合物を構成している配位子よりも錯形成能力が高く、かつその量も多いため、他の配位子と再結合せずブロックされていると考えられる。
【0032】
結果として、これらのポリエチレンアミン類は水溶性白金の配位子のように振舞うことになるので、水溶性白金化合物を形成している配位子をメッキ液中で交換して白金濃度と無関係に安定した新たな白金錯体を形成する。また、ポリエチレンアミン類は、水素化ホウ素化合物による選択的還元をマスクする。すなわち、基材を浸漬して空気撹拌しても、メッキ液中で上記白金(II)錯体または白金(IV)錯体の自己分解は生じないのはポリエチレンアミン類のマスク効果による。結果的に、析出した白金金属が水素を吸蔵することも再溶解することもない。
【0033】
本発明の無電解白金メッキ液において、そのポリエチレンアミン類の濃度を0.001〜5mol/Lで、かつ、上記白金化合物の濃度の2倍以上(モル比)としたのは、上記のマスク効果をメッキ液中で発揮させるためである。ポリエチレンアミン類の濃度が5mol/Lを超えると、水の存在量が不足して水素化ホウ素化合物の還元反応が遅くなるので実用的でなくなる。また、ポリエチレンアミン類の濃度が0.001mol/L未満になると、新たな白金錯体の形成能力が不足するので実用的でなくなる。よって、ポリエチレンアミン類の濃度を0.001〜5mol/Lとした。また、ポリエチレンアミン類は溶離した白金イオンが液中で白金金属になるのを防止するため白金化合物の濃度の2倍以上(モル比)とした。なお、ポリエチレンアミン類は無電解白金メッキの最中に補充することができる。
【0034】
本発明において、長期安定剤としてメタニトロベンゼンスルフォン酸(NBS)およびその化合物、パラニトロ安息香酸(PNBA)およびその化合物、ジニトロ安息香酸(DNBA)およびその化合物またはパラニトロフェノール(PNP)およびその化合物のうちの少なくとも1種以上を用いることができる。これらの芳香族ニトロ化合物は、ニトロ基により白金表面近傍での触媒活性度を低下させ、非触媒面への析出(パターンメッキをする場合にはパターン外の析出)を防止させる。また、メッキ液中では水素化ホウ素化合物の分解に伴う白金(II)錯体の自己分解を防止する作用をする。代表的にはニトロベンゼンスルホン酸およびその化合物が挙げられる。メッキ液中における芳香族ニトロ化合物は1〜1,000mg/L含有するのが望ましい。この範囲であれば、非触媒面への析出やメッキ液での自己分解を長時間防ぐことができる。長期安定剤の濃度が1mg/L未満だと、無電解白金メッキ液の安定化効果が発揮されない。一方、濃度が1,000mg/Lを超えると、無電解白金メッキ析出を大きく阻害するからである。より好ましい範囲は、10〜500mg/Lである。
【0035】
また、本発明においてメッキ液は、水酸化アルカリによりpH11〜14とする。白金化合物と錯化剤によって形成するPt(II)錯体またはPt(IV)錯体の錯形成能力を高め、無電解白金メッキ液の安定性を高めるためである。また還元剤の分解によってpHが変動するのを避け、ヒドラジン化合物を安定して水素化ホウ素化合物に作用させるためである。すなわち、上記の段落0006の第三段階の(a)および(b)反応を促進するためである。
【0036】
なお、本発明の無電解白金メッキ方法において、メッキ液の液温は、従来の無電解白金メッキ液と同様に、30〜60℃とするのが良い。
また、本発明において空気撹拌する場合は、セラミックスおよびプラスチックスのいずれも多孔質材料による空気撹拌であることが好ましい。多孔質のセラミックスおよびプラスチックスは白金メッキ液中で不活性なので、白金が析出することがなく、また無電解メッキが終了後は多孔質のセラミックスおよびプラスチックスを酸洗いすることができるからである。
【発明の効果】
【0037】
本発明の無電解白金メッキ液によれば、ヒドラジン化合物の安定剤としての効果によって水素化ホウ素化合物の自己分解を抑制し、無電解白金メッキ液中の白金が異常析出することを防止することができる。その結果、水素化ホウ素化合物の還元作用が安定化し、セラミックス等の基材における析出界面で次々安定的に白金を加速的に析出させることができる効果が得られる。また、本発明の無電解白金メッキ液によれば、白金化合物の種類や濃度が変化してもポリエチレンアミン類の錯体効果によって析出した白金が再溶解せず、10dm
2/L以上という高い浴負荷によっても、厚メッキが得られる。また、本発明の無電解白金メッキ液によれば、できるだけ単純な液組成にすることによって明灰色の白金を膜厚のばらつきなく、基材に純白金を強固な密着力で析出させることができる効果が得られることがわかる。
よって、本発明の無電解白金メッキ液は健全な無電解白金メッキ被膜を作業性良く安定形成させることが可能となるなど、半導体装置、太陽電池基材、自動車部品、医療用器具、装飾用等、産業上有用な効果がもたらされる。
【0038】
本発明の無電解白金メッキ方法によれば、10dm
2/L以上という高い浴負荷によってメッキ処理の費用を大幅に削減することができる。また、析出効率をほぼ100%にすることによってメッキ廃液処理の費用を削減することができる。
【実施例】
【0039】
次に、本発明の好適な実施例について述べる。
〔実施例1〕
[1] 基材
ジルコニア基板(株式会社ニッカトー製、ZR−Y=ZrO
282.5%+Y
2O
317.3%+他0.2%)を縦25mm×横25mm×厚さ1mmのサイズで使用した。
【0040】
[2] 粗化および白金触媒化
ジルコニア基板の粗化は、サンドブラスト処理とフッ素化合物処理(13%酸性フッ化アンモニウム溶液、室温で12時間浸漬した後に水洗・乾燥)を行った後、800℃で熱処理を行った。白金触媒化は、市販の白金コロイド分散液(田中貴金属工業株式会社製、Pt粒径2〜5nmφ、Pt10g/L、有機溶剤系)を塗布した後、大気中で300℃、20分間熱処理してジルコニア基板上に白金触媒を固着した。
【0041】
[3] 無電解白金メッキ
あらかじめ混合液Aと混合液Bをそれぞれ調製した。混合液Aは、ジニトロジアンミン白金(II)(Pt−Pソルト:Pt(NO
2)
2(NH
3)
2)、エチレンジアミン(C
2H
8N
2)、ヒドラジン・一水和物(NH
2NH
2・H
2O)を水に溶解して調製した。また混合液Bは、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH
4)、水酸化ナトリウム(NaOH)を水に溶解して調製した。無電解白金メッキ液は、この混合液Aと混合液Bと水を加えてジニトロジアンミン白金(II)(Pt−Pソルト:Pt(NO
2)
2(NH
3)
2)0.082mol/L、エチレンジアミン(C
2H
8N
2)2.40mol/L、ヒドラジン・一水和物(NH
2NH
2・H
2O)0.16mol/L、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH
4)0.13mol/L、水酸化ナトリウム(NaOH)0.42mol/L、および残りが水となるように建浴した。この無電解白金メッキ液15.6mLを40℃として、ジルコニア基板10枚を2時間メッキした。浴負荷は、87dm
2/Lであった。
【0042】
全てのジルコニア基板上に、明灰色でクラックのない高密着性の白金メッキ被膜が得られた。析出効率は100%、平均膜厚は0.85μm、膜厚ばらつきは6.0%であった。
【0043】
全てのジルコニア基板を大気中1,000℃で熱処理を行った結果、いずれも光沢のある銀色の良好な白金被膜が得られた。
【0044】
〔実施例2〕
無電解白金メッキ液は、実施例1と全く同様に建浴した。この無電解白金メッキ液1.56mLを40℃として、ジルコニア基板1枚を1時間メッキした。浴負荷は、87dm
2/Lであった。
【0045】
ジルコニア基板上に、明灰色でクラックのない高密着性の白金メッキ被膜が得られた。析出効率は99%、平均膜厚は0.85μm、膜厚ばらつきは5.5%であった。
【0046】
ジルコニア基板を大気中1,000℃で熱処理を行った結果、光沢のある銀色の良好な白金被膜が得られた。
【0047】
〔実施例3〕
無電解白金メッキ液は、実施例1と全く同様に建浴した。この無電解白金メッキ液1.56mLを50℃として、ジルコニア基板1枚を30分間メッキした。浴負荷は、87dm
2/Lであった。
【0048】
ジルコニア基板上で、明灰色でクラックのない高密着性の白金メッキ被膜が得られた。析出効率は100%、平均膜厚は0.85μm、膜厚ばらつきは7.3%であった。
【0049】
ジルコニア基板を大気中1,000℃で熱処理を行った結果、光沢のある銀色の良好な白金被膜が得られた。
【0050】
〔実施例4〕
無電解白金メッキ液は、ジニトロジアンミン白金(II)(Pt−Pソルト:Pt(NO
2)
2(NH
3)
2)を塩化白金酸(IV)(H
2PtCl
6)に変えたこと以外は、実施例1と同様にして建浴した。この無電解白金メッキ液1.56mLを40℃として、ジルコニア基板1枚を4時間メッキした。浴負荷は、87dm
2/Lであった。
【0051】
ジルコニア基板上で、明灰色でクラックのない高密着性の白金メッキ被膜が得られた。析出効率は100%、平均膜厚は0.85μm、膜厚ばらつきは6.1%であった。
【0052】
ジルコニア基板を大気中1,000℃で熱処理を行った結果、光沢のある銀色の良好な白金被膜が得られた。
【0053】
〔実施例5〕
無電解白金メッキ液は、ジニトロジアンミン白金(II)(Pt−Pソルト:Pt(NO
2)
2(NH
3)
2)をヘキサヒドロキシ白金(IV)(Pt−Oソルト:H
2[Pt(OH)
6])に変えたこと以外は、実施例1と同様にして建浴した。無電解白金メッキ液1.56mLを40℃として、ジルコニア基板1枚を4時間メッキした。浴負荷は、87dm
2/Lであった。
【0054】
ジルコニア基板上で、明灰色でクラックのない高密着性の白金メッキ被膜が得られた。析出効率は100%、平均膜厚は0.85μm、膜厚ばらつきは6.4%であった。
【0055】
ジルコニア基板を大気中1,000℃で熱処理を行った結果、光沢のある銀色の良好な白金被膜が得られた。
【0056】
〔実施例6〕
無電解白金メッキ液は、メタニトロベンゼンスルフォン酸ナトリウム(C
6H
4NNaO
5S)100mg/Lを加えたこと以外は、実施例1と同様にして建浴した。建浴後2時間放置して、この無電解白金メッキ液1.56mLを40℃として、ジルコニア基板1枚を4時間メッキした。浴負荷は、87dm
2/Lであった。
【0057】
ジルコニア基板上で、明灰色でクラックのない高密着性の白金メッキ被膜が得られた。析出効率は100%、平均膜厚は0.85μm、膜厚ばらつきは6.4%であった。
【0058】
ジルコニア基板を大気中1,000℃で熱処理を行った結果、光沢のある銀色の良好な白金被膜が得られた。
【0059】
つぎに、比較例について述べる。
〔比較例1〕
無電解白金メッキ液は、ヒドラジン・一水和物(NH
2NH
2・H
2O)を添加しなかった以外は、実施例1と同様にして建浴した。無電解白金メッキ液15.6mLを40℃として、ジルコニア基板10枚を4時間メッキした。浴負荷は、87dm
2/Lであった。
【0060】
全てのジルコニア基板上で、灰色と黒色の不均質でクラックの多く存在する白金メッキ被膜が得られたが、その一部は剥離を生じて無電解白金メッキ液中に沈殿していた。析出効率は84%であったが、平均膜厚は0.57μm、膜厚ばらつきは45.8%であった。
【0061】
全てのジルコニア基板を大気中1,000℃で熱処理を行った結果、いずれも光沢と無光沢からなる不均質な白金被膜が形成した。
【0062】
〔比較例2〕
無電解白金メッキ液は、ヒドラジン・一水和物(NH
2NH
2・H
2O)を0.48mol/L添加し、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH
4)を添加しなかったこと以外は、実施例2と同様にして建浴した。無電解白金メッキ液1.56mLを40℃として、ジルコニア基板1枚を4時間メッキした。浴負荷は、87dm
2/Lであった。
【0063】
ジルコニア基板上に、明灰色の白金メッキが全面には析出せず、部分的に析出し、析出効率は14%と著しく低かった。このジルコニア基板を大気中1,000℃で熱処理を行った結果、部分的に析出した白金メッキ被膜が光沢のある銀色の白金被膜となっていた。
【0064】
以上に説明したように、本発明の無電解白金メッキ液によれば、ヒドラジン・一水和物の共添加によって水素化ホウ素化合物の還元作用が安定し、セラミックス等の基材における析出界面で次々安定的に白金を析出させることができることがわかる。また、本発明の無電解白金メッキ液によれば、ポリエチレンアミン類の錯体効果によって安定的に白金を析出させることができる効果が得られることがわかる。