【実施例1】
【0019】
図1には、本発明に係るプリフォームの成形用金型、およびプリフォームの冷却方法の実施例1が示されている。
プリフォームは、口栓部、胴部及び胴部の端部を閉塞する底部を備える構成となっているプラスチックボトル成形用プリフォームである。
【0020】
プリフォームの成形用金型1は、
図1に示す如く、コア2と、コアリング3と、ネックリング4と、キャビティ5と、ゲートインサート6とによって構成されている。
【0021】
コア2は、
図2,
図3に示す如く、形成されている。
図2,
図3において、コア2は、円柱状に形成されており、固定部21と、フランジ部22と、支持部23と、棒状部24とによって構成されている。
このコア2には、成形用金型取り付け用のプレートに固定するため、固定部21にフランジ部22が設けられている。
また、固定部21には、フランジ部22が形成されている側とは反対側に、固定部21の径よりも小径に形成される支持部23が設けられている。この支持部23は、コアリング3と、ネックリング4とを所定の位置に支持するためのものである。
【0022】
この支持部23先端には、プリフォームの内壁と同様の形状に形成される棒状部24が形成されている。この棒状部24は、射出成形機から射出される溶融樹脂を外周面で受けて、プリフォームの内周面を形成するためのものである。
【0023】
コアリング3は、
図4に示す如く、形成されている。
図4において、コアリング3は、筒状に形成される筒状本体31を有している。この筒状本体31の一方の端部は、筒状本体31の内径よりも大径となる段差部32が形成されている。
このコアリング3は、筒状本体31の一端面がコア2の固定部21に接触するとともに、コアリング3の筒状本体31の内面が、コア2の支持部23に接触するようになっている。
【0024】
このコアリング3の一方の端部に形成される段差部32には、後述するネックリング4が係合するようになっている。このようにコアリング3は、ネックリング4を押さえ付けて位置決めする作用を有している。すなわち、コアリング3の段差部32によってネックリング4が支持されている。
【0025】
ネックリング4は、
図5に示す如く、形成されている。
図5において、ネックリング4は、プリフォームの口栓部を形成するためのもので、筒状に形成される筒状部41を有している。この筒状部41の外周には、フランジ部42が設けられており、このフランジ部42によって筒状部41の両側に係合部43,44が形成されている。
この筒状部41の一端の内壁には、プリフォームの口栓部を形成するためのアンダーカット部45が設けられている。
【0026】
そして、このネックリング4の他端の合わせ部46は、コア2の支持部23に接触するようになっている。
また、このネックリング4は、筒状部41の一端のアンダーカット部45が形成されていない側の係合部44が、コア2に取り付けられるコアリング3の段差部32と係合し、筒状部41の他端のアンダーカット部45が形成されている側の係合部43が後述するキャビティ5と係合するようになっている。
【0027】
キャビティ5は、
図6,
図7に示す如く、形成されている。
図6,
図7において、キャビティ5は、プリフォームの胴部を形成するためのもので、円筒状に形成されるキャビティ本体51を有している。
このキャビティ本体51の一端には、フランジ状の取り付け部52が設けられている。
このキャビティ5のキャビティ本体51の外周面には、周回する複数の溝53が設けられている。この溝53は、
図7に示す如く、水を流す水路となっており、キャビティ本体51の外周面を冷却する水管回路を形成している。
【0028】
また、キャビティ本体51の一端に設けられる取り付け部52には、
図7に示す如く、内壁面に、キャビティ本体51の内径よりも大径となる係合段部54が形成されている。この係合段部54には、ネックリング4の筒状部41の係合部43が係合するようになっている。
【0029】
ゲートインサート6は、
図8に示す如く、形成されている。
図8において、ゲートインサート6は、プリフォームの底部を形成するためのもので、円柱状に形成されるゲートインサート本体61を有している。
このゲートインサート本体61の一端には、成形用金型内に溶融した樹脂(ポリエチレンテレフタレート(PET))をインジェクションで封入するノズルユニット71をジョイントするための凹孔62が形成されている。また、ゲートインサート本体61の他端には、プリフォームの底部を形成するためにすり鉢状の孔63が形成されている。
【0030】
この凹孔63と孔62とは連通路64によって連通するように形成されている。したがって、ノズルユニット71から射出された溶融樹脂は、連通路64を通ってゲートインサート6の孔63内に射出されるようになっている。
このゲートインサート6は、プリフォームの底部を形成するためのもので、このプリフォームの底部は、ノズルユニット71から射出された溶融樹脂によって形成された後、ゲートインサートに形成された水管を流れる水によって冷却される。
【0031】
このプリフォームの底部を形成する樹脂の冷却のため、ゲートインサート6には、リング状に水管回路65が形成されている。この水管回路65は、ゲートインサート6のプリフォーム形成側である内壁面から均等な距離の位置に、ゲートインサート6の壁部を貫通してリング状に水管回路65を形成し、ゲートインサート6の内壁面(孔63の表面)を周回するようにリング状に形成されている。
このリング状に形成される水管回路65は、連通しており、水管回路65の入り口65aから最上段の水管流路66aに水を注入すると、水は、最上段の水管回路65内を流れ、次段の水管回路65に連通する水管流路66bに到達して、水管流路66b内に流れる。
【0032】
次段の水管回路65に連通する水管流路66b内を流れる水は、次段の水管回路65に到達し、次段の水管回路65内を流れ、次々段の水管回路65に連通する水管流路66cに流れる。次々段の水管回路65に連通する水管流路66cに流れた水は、次々段の水管回路65に到達し、次々段の水管回路65内を流れ、次々段の水管回路65に連通する水管流路66dに到達し、この水管流路66dを流れて、冷却水は、外部に排出される。
【0033】
このゲートインサート6に形成されるリング状の水管回路65は、ゲートインサート6の壁部を貫通してリング状に、かつゲートインサート6のプリフォーム形成側の内壁面から均等な距離の位置に、ゲートインサート6の内壁面(孔63の表面)を周回するようにリング状に形成されている。
このようなゲートインサート6は、
図9〜
図12に示すように金属光造形加工法を用いて製造される。金属光造形加工法というのは、金属粉体を高性能・高出力のレーザーで完全溶融し、固溶体化させ、造形物の薄い層を一層ずつ作り、これを積み重ねて立体的な部品を作っていく製造加工法である。
【0034】
すなわち、まず、
図9に示すような造形用プレート100を用意する。この造形用プレート100は、
図8に図示のゲートインサート6のノズルユニット71をジョイントする部分に相当するものである。そして、この造形用プレート100の下面側には、機械加工(切削加工)によって成形用金型内に溶融した樹脂(ポリエチレンテレフタレート(PET))をインジェクションで封入するノズルユニット71がジョイントするための凹孔62が形成されている。
【0035】
この造形用プレート100の上に、ゲートインサート6の材料である金属粉末を、均一に、0.05mm〜0.1mm(例えば、0.05mm)の厚さになるように敷き詰める。そして、造形物のXY断面となる部分にレーザー光をゲートインサート6の構造に合わせて照射する。すると、照射された部分が完全溶融し、薄い断面ができ上がる。この操作を繰り返しながら、金属粉末が塗布された所定の部分の領域(パターン)に、光源からレーザ光を照射して金属粉末を焼結する。この場合、空洞とすべき部分(水管回路65、水管流路66a〜66dに該当する部分)には、レーザ光を照射しないようにする。このようにして金属粉末は、レーザ光の照射によって既に焼結された部分と一体となる。
【0036】
造形用プレート100の上に、金属粉末の塗布、レーザー光の照射による溶融焼結を繰り返すことによつて、
図10に示す如く、造形用プレート100の上に、鉢状の孔63が形成されたプリフォームの底部を形成するための部分が積層され、ゲートインサート本体61の原形110が形成される。
このゲートインサート本体61の原形110は、ゲートインサート本体61として完成されたものではなく、ゲートインサート本体61として機械加工を必要とする部分がある。そこで、ゲートインサート本体61に凹孔63と孔62とを連通する連通路64を形成したり、ノズルユニット71をジョイントするための細部の切削加工等をおこなって、
図11に図示のようなゲートインサート120(
図8に図示のゲートインサート6)を形成する。
【0037】
このように製造することにより、ゲートインサート120(
図8に図示のゲートインサート6)は、
図12に示すようにプリフォームの底部を形成する樹脂の冷却のための水管回路65がリング状に形成される。すなわち、ゲートインサート120(
図8に図示のゲートインサート6)には、プリフォーム形成側である内壁面(鉢状の孔63の表面)から深さ方向に均等な距離の位置に、壁部を貫通して水管回路65がリング状に形成することができる。
【実施例2】
【0038】
図13には、本発明に係るプリフォームの成形用金型、およびプリフォームの冷却方法の実施例2が示されている。
プリフォームは、口栓部、胴部及び胴部の端部を閉塞する底部を備える構成となっているプラスチックボトル成形用プリフォームである。
【0039】
プリフォームの成形用金型1は、
図1に示す如く、コア2と、コアリング3と、ネックリング4と、キャビティ5と、ゲートインサート8とによって構成されている。
【0040】
コア2は、
図2,
図3に示す如く形成されており、コアリング3は、
図4に示す如く形成されており、ネックリング4は、
図5に示す如く形成されており、キャビティ5は、
図6,
図7に示す如く形成されており、前述した実施例1と同一であるので、ここでは説明を省略する。
本実施例が
図1に図示実施例1と異なっている点は、実施例1のゲートインサート6が、プリフォームの底部を形成する樹脂の冷却のための水管回路65をリング状に形成しているのに対し、本実施例のゲートインサート8が、プリフォームの底部を形成する樹脂の冷却のための水管回路を螺旋状に形成している点である。
【0041】
本実施例2におけるゲートインサート8は、
図14に示す如く、形成されている。
図14において、ゲートインサート8は、プリフォームの底部を形成するためのもので、円柱状に形成されるゲートインサート本体81を有している。
このゲートインサート本体81の一端には、成形用金型内に溶融した樹脂(ポリエチレンテレフタレート(PET))をインジェクションで封入するノズルユニット71をジョイントするための凹孔82が形成されている。また、ゲートインサート本体81の他端には、プリフォームの底部を形成するためにすり鉢状の孔83が形成されている。
【0042】
この凹孔82と孔83とは連通路84によって連通するように形成されている。したがって、ノズルユニット71から射出された溶融樹脂は、連通路84を通ってゲートインサート8の孔83内に射出されるようになっている。
このゲートインサート8は、プリフォームの底部を形成するためのもので、このプリフォームの底部は、ノズルユニット71から射出された溶融樹脂によって形成された後、ゲートインサートに形成された水管を流れる水によって冷却される。
【0043】
このプリフォームの底部を形成する樹脂の冷却のため、ゲートインサート8には、螺旋状に水管回路85が形成されている。この水管回路85は、ゲートインサート8のプリフォーム形成側である内壁面から均等な距離の位置に、ゲートインサート8の壁部を貫通して螺旋状に水管回路85を形成し、ゲートインサート8の内壁面(孔83の表面)を周回するように螺旋状に形成されている。
この螺旋状に形成される水管回路85は、連通しており、水管回路85の入口85aから水管流路86aに水を注入すると、水は、螺旋状に形成される水管回路85内を流れ、水管流路86bに到達して、外部に排出される。
【0044】
このゲートインサート8に形成される螺旋状の水管回路85は、ゲートインサート8の壁部を貫通して螺旋状に、かつゲートインサート8のプリフォーム形成側の内壁面から均等な距離の位置に、ゲートインサート8の内壁面(孔83の表面)を周回するように螺旋状に形成されている。
このようなゲートインサート8は、ゲートインサート6と同様に金属光造形複合加工法を用いて
図15に図示のようなゲートインサート200(
図14に図示のゲートインサート8)が製造される。
【0045】
このゲートインサート200(
図14に図示のゲートインサート8)は、
図15に示すようにプリフォームの底部を形成する樹脂の冷却のための水管回路85が螺旋状に形成される。すなわち、ゲートインサート200(
図14に図示のゲートインサート8)には、プリフォーム形成側である内壁面(鉢状の孔83の表面)から深さ方向に均等な距離の位置に、壁部を貫通して水管回路85が螺旋状に形成することができる。
【0046】
なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。