(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明に係る膜のある実施形態の表面視を示す走査型電子顕微鏡写真(SEM)であり、連結している外縁を有する細孔の第1のセット(1つの細孔を破線で強調する)及び細孔の第1のセットの連結している外縁中に位置している細孔の第2のセット(1つの細孔を実線で強調する)を示す。
【
図2】本発明のある実施形態に係る膜における細孔の第1のセット(粒子の溶解により形成される)の六方充填を示す図であり、六方充填は74体積パーセントである。
図2はまた、細孔の第1のセットを支持しているマトリックス(「ポリマーにより形成された格子間物」)及び細孔の第1のセットの外縁に連結している細孔の第2のセットも示す。
【
図3】本発明のある実施形態に係る膜のある実施形態を示す図であり、第1の多孔質バルクを含む第1のゾーン及び第2の多孔質バルクを含む第2のゾーンを含み、第1のゾーンは負電荷を含み、第2のゾーンは正電荷を含む。
【
図4】本発明のある実施形態に係る膜の拡大した部分断面図を示すSEMであり、第1の多孔質バルクを含む第1のゾーン及び第2の多孔質バルクを含む第2のゾーンを示し、第1のゾーンは負電荷を含み、第2のゾーンは正電荷を含む。
【0009】
[発明の詳細な説明]
[0012]本発明のある実施形態によれば膜が提供され、膜は、第1の微多孔質表面、第2の微多孔質表面、及び第1の微多孔質表面と第2の微多孔質表面との間の多孔質バルクを有する単一層を含み、バルクは、導入された溶解性シリカナノ粒子を除去することにより調製されて外縁を有する細孔の第1のセットであって、第1の制御された細孔径を有する細孔の第1のセットと、細孔の第1のセットの外縁に連結している細孔の第2のセットであって、第2の制御された細孔径を有する細孔の第2のセットと、細孔の第1のセットを支持しているポリマーマトリックスとを含み、第1の制御された細孔径が第2の制御された細孔径よりも大きく、第1の及び/又は第2の微多孔質表面が、電荷が中和した表面、負に荷電した表面又は正に荷電した表面を含む。
【0010】
[0013]膜のある実施形態では、多孔質バルクは、電荷が中和したバルク、負に荷電したバルク及び/又は正に荷電したバルクを含む。いくつかの実施形態では、膜は、多孔質バルクを含む少なくとも1つのゾーンを含み、ゾーンは中性電荷、負電荷及び/又は正電荷を含む。
【0011】
[0014]いくつかの実施形態では、膜は少なくとも1つの追加の多孔質バルク(例えば膜の追加の層又は領域の一部として)を有し、追加のバルクは、導入された溶解性シリカナノ粒子を除去することにより調製されて外縁を有する細孔の第3のセットであって、第3の制御された細孔径を有する細孔の第3のセットと、細孔の第3のセットの外縁に連結している細孔の第4のセットであって、第4の制御された細孔径を有する細孔の第4のセットと、細孔の第3のセットを支持しているポリマーマトリックスとを含み、第3の制御された細孔径は第4の制御された細孔径よりも大きい。少なくとも1つの追加のバルクは、少なくとも1つの電荷が中和したゾーン、負に荷電したゾーン及び/又は正に荷電したゾーン及び/又は電荷が中和したゾーンを含むことができる。
【0012】
[0015]代替として又は追加として、いくつかの実施形態では、膜は少なくとも1つの追加の層を更に含み、追加の層は、(i)第1の多孔質表面、(ii)第2の多孔質表面、及び(iii)追加の層の第1の多孔質表面と第2の多孔質表面との間の多孔質バルクを有し、多孔質バルクは繊維状マトリックスを含む、又は(iv)第1の微多孔質表面、(v)第2の微多孔質表面、及び(vi)追加の層の第1の微多孔質表面と第2の微多孔質表面との間の多孔質バルクを有し、第2の多孔質バルクは、(a)導入された溶解性シリカナノ粒子を除去することにより調製されて外縁を有する細孔の第1のセットであって、第1の制御された細孔径を有する細孔の第1のセットと、細孔の第1のセットの外縁に連結している細孔の第2のセットであって、第2の制御された細孔径を有する細孔の第2のセットと、細孔の第1のセットを支持しているポリマーマトリックスとを含み、第1の制御された細孔径は第2の制御された細孔径よりも大きい、(b)相反転により調製された細孔のセットであって、制御された細孔径を有する細孔のセットを含む、又は(c)繊維状マトリックスを含む、又は(d)延伸若しくはトラックエッチング若しくはeビームにより調製された細孔のセットであって、制御された細孔径を有する細孔のセットを含む。ある実施形態では、追加の層は、少なくとも1つの電荷が中和したゾーン、負に荷電したゾーン及び/又は正に荷電した表面を含み、いくつかの実施形態では、少なくとも1つの電荷が中和したゾーン、負に荷電したゾーン及び/又は正に荷電したゾーンも含む。
【0013】
[0016]いくつかの実施形態では、本発明に係る膜は一体型である(即ち、層、ゾーン及び/又は領域が互いに結合しており、そのため、膜は通常の使用条件下で層剥離しない又は分離しない単一の構造体のように振る舞う)。例えば、膜の製造中に、層、ゾーン及び/又は領域それぞれの一部が互いに浸潤して混ざり合うことができる。
【0014】
[0017]ある実施形態によれば、細孔の第1のセットの制御された細孔径(及び/又は導入されたシリカナノ粒子を除去することにより調製された細孔の別のセットの制御された細孔径)は約50nm〜約1000nmの範囲であり、例えば約160nm〜約630nmの範囲である。そのため、例えば、細孔の第1のセットの細孔径は約160nmである、約180nmである、約200nmである、約220nmである、約240nmである、約260nmである、約280nmである、約300nmである、約320nmである、約340nmである、約360nmである、約380nmである、約400nmである、約420nmである、約440nmである、約460nmである、約480nmである、約500nmである、約520nmである、約540nmである、約560nmである、約580nmである、約600nmである、又は約620nmである。
【0015】
[0018]ある実施形態では、多孔質バルクにおける第2の制御された細孔径(又は外縁を有する細孔に連結している細孔に関しては任意の別のバルクにおける制御された細孔径)は、第1の制御された細孔径(又は外縁を有する細孔に関しては制御された細孔径)の約0.2〜約0.4倍の範囲の割合である。
【0016】
[0019]いくつかの実施形態では、1つの多孔質バルクにおける外縁を有する細孔の制御された細孔径が、別のバルク又は層における細孔の制御された細孔径よりも大きく、例えば、別のバルク又は層における細孔の制御された細孔径が複合膜の保持部を構成する。いくつかの他の実施形態では、バルクにおける外縁を有する細孔の制御された細孔径が、別のバルク又は層における細孔の制御された細孔径よりも小さく、例えば、外縁を有する細孔を含むバルクが複合膜の保持部を構成する。
【0017】
[0020]ある実施形態では、1種又は複数種の膜形成ポリマー及び荷電ポリマーを含む溶液(典型的には、膜形成ポリマー及び荷電ポリマーを溶媒又は溶媒の混合物に溶解させる)中に溶解性シリカナノ粒子を導入し、ナノ粒子含有ポリマー溶液を流延し(ナノ粒子含有ポリマー溶液を基材に流延し、基材が前処理剤又は剥離剤で前処理されていることが好ましく、溶液を流延する前に、薬剤を基材上で乾燥させていることがより好ましい)、ナノ粒子含有ポリマー溶液の相反転を実行して電荷が中和した、負に荷電した又は正に荷電した表面を含む膜を形成し、その後ナノ粒子を溶解させ、生じた膜を洗浄することにより、膜を調製する。
【0018】
[0021]荷電ポリマーは、正の又は負の電荷をもたらすポリマーである。正に荷電したポリマーは、流体に曝された場合に正電荷を担持する又は正に荷電するようになり得る任意のポリマーであることができる。そのため、例えば、骨格、ペンダント基及び/又は鎖末端中にアミノ基、イミノ基、アンモニウム基又はホスホニウム基を有するポリマーが適切である。正電荷を有するポリマーの例として、ポリエチレンイミン、塩化ポリジアリルジメチルアンモニウム、ポリビニルアミン、アミン末端化した酸化ポリエチレン又はポリエチレングリコール、ポリ(2−ビニルピリジン)、ポリ(4−ビニルピリジン)及びポリ(1−ビニルピロリドン−コ−2−ジメチルアミノエチルメタクリレート)が挙げられる。
【0019】
[0022]負に荷電したポリマーは、流体に曝された場合に負電荷を担持する又は負に荷電するようになり得る任意のポリマーであることができる。そのため、例えば、骨格、ペンダント基及び/又は鎖末端中にカルボキシル基、スルホン酸基又はホスホン酸基を有するポリマーが適切である。負電荷を有するポリマーの例として、マレイン酸:メチルビニルエーテルコポリマー、ポリスチレンスルホン酸、スルホン化ポリスルホン(sulfonated polysufone)、スルホン化ポリエーテルスルホン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸及びポリビニルフェノールが挙げられる。
【0020】
[0023]本発明に係る膜は、市販の膜として一般に使用されているポリエーテルスルホン(PES)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)及びポリアクリロニトリル(PAN)等の予め形成したポリマーを使用して製造することでき、有利である。加えて、フッ化水素酸を使用することなくナノ粒子を溶解させることができ、例えば、より安全で環境により優しい溶媒を使用してナノ粒子を溶解させることができる。
【0021】
[0024]その他の実施形態では、フィルタ及びフィルタ装置が提供され、フィルタ及びフィルタ装置は少なくとも1枚の膜を備える。
【0022】
[0025]流体をろ過する方法も本発明の別の実施形態に従って提供され、上述したように、本方法は、流体を少なくとも1枚の膜又は少なくとも1枚の膜を備えるフィルタに通すステップを含む。
【0023】
[0026]本発明によれば、荷電ゾーン(以下において「荷電連続ゾーン」と称する場合がある)は、膜の主要な表面(上流の及び下流の表面)に概して平行で膜の厚さの概して所定の部分に局在している電荷を指す。対称的に、モザイク膜は、膜全体にわたって複数の独立した(非連続の)陰イオン交換領域、陽イオン交換領域及び中性の領域を有する。
【0024】
[0027]本発明に係る膜の実施形態は様々な荷電基を含み、荷電基を有する膜をもたらすのに適した化学物質は当技術分野で既知である。
【0025】
[0028]必要に応じて、膜中の表面、領域及び/又はゾーンにおける所望の電荷の存在を確認するために多くの手法がある。例えば、荷電した色素、例えばメチレンブルー又はトルイジンブルー等の正に荷電した色素及びメタニルイエロー又はポンソーSレッド等の負に荷電した色素を使用して色素スクリーニング試験を実行することができる。代替として又は追加として、例えば様々なpHでの流動電位を決定することにより、ゼータ電位を決定することができる。
【0026】
[0029]本発明の膜によれば、膜を調整する方法は、(a)非荷電ポリマー又は荷電ポリマーを含む溶解性シリカナノ粒子含有ポリマー溶液を含む溶液を基材に流延するステップ、(b)ナノ粒子含有ポリマー溶液の相反転を実行して膜を形成するステップ、(c)ナノ粒子を溶解させ、負に荷電した又は正に荷電した表面を含むナノ粒子空乏膜を得るステップ、及び(d)ナノ粒子空乏膜を洗浄するステップを含む。
【0027】
[0030](a)は、前処理剤又は剥離剤で前処理した基材に溶液を流延するステップを含むことが好ましい。方法のいくつかの実施形態では、前処理した基材に溶液を流延する前に、前処理剤又は剥離剤を基材上で乾燥させる。
【0028】
[0031]いくつかの実施形態では、方法は、ナノ粒子含有ポリマー溶液を約1分〜約2時間の範囲の期間にわたり約40℃〜約80℃の範囲の温度に曝すステップを含む。代替として又は追加として、いくつかの実施形態では、方法は、フィルムを形成するステップ及びフィルムを液体中に浸漬して膜を得るステップを含む。
【0029】
[0032]下記により詳細に記載され得るように、粒子の溶解により膜中に細孔の第1のセットが生じ、細孔の第1のセットは外縁を有し、外縁内に細孔の第2のセットが位置する。
図1に示すように、破線は第1のセットにおける細孔の外縁を強調し、実線は第2のセットにおける細孔を強調する。細孔の第2のセットにより、1つの外縁内の空隙から別の外縁の空隙中への連絡(例えば流体の流れ)が可能になる。
【0030】
[0033]様々な溶解性シリカナノ粒子が本発明の実施形態に係る膜の調製での使用に適している。溶解性粒子が純粋なシリカではないことが好ましい。典型的には、粒子は、直径が約50nm〜約1000nmの範囲であるシリカナノ粒子を含む。ある実施形態では、粒子は、直径が約50nm〜約1000nmの範囲であるシリカナノ粒子を含み、1.96g/cm
3未満の密度を有する。いくつかの実施形態では、シリカナノ粒子は約1.93〜約1.96g/cm
3の粒子密度を有する。
【0031】
[0034]シリカナノ粒子は1000nm未満の粒径、例えば直径を有することができ、特に約160nm〜約630nmの粒径を有することができる。そのため、例えば、ナノ粒子は、約160nmの、約180nmの、約200nmの、約220nmの、約240nmの、約260nmの、約280nmの、約300nmの、約320nmの、約340nmの、約360nmの、約380nmの、約400nmの、約420nmの、約440nmの、約460nmの、約480nmの、約500nmの、約520nmの、約540nmの、約560nmの、約580nmの、約600nmの又は約620nmの粒径を有する。
【0032】
[0035](a)任意選択で水酸化アンモニウムと組み合わせて、第Ia族又は第IIa族の金属の塩の存在下で又はメタロイド化合物の存在下で、水媒体中でオルトケイ酸塩とアルコール又はアルコールの混合物とを反応させるステップ、(b)得られるナノ粒子を単離するステップ、及び(c)(b)からのナノ粒子を酸で処理するステップを含む方法により、シリカナノ粒子を調製することができる。
【0033】
[0036]ある実施形態では、ナノ粒子を、酸処理(c)前にコーティング組成物に含めることができる。
【0034】
[0037]ある実施形態では、ナノ粒子の調製で使用するオルトケイ酸塩はオルトケイ酸テトラアルキルである。オルトケイ酸テトラアルキルの例として、オルトケイ酸テトラメチル、オルトケイ酸テトラエチル、オルトケイ酸テトラプロピル、オルトケイ酸テトラブチル及びオルトケイ酸テトラペンチル。
【0035】
[0038]任意の適切なアルコール又はアルコールの混合物をナノ粒子の調製で使用することができ、例えば、アルコール又はアルコールの混合物は、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール及びそれらの混合物から選択される。
【0036】
[0039]ナノ粒子の調製で使用する金属の塩を、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、マグネシウム及びカルシウムの塩から選択することができる。ある実施形態では、金属の塩は、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、ギ酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸セシウム、酢酸マグネシウム及び酢酸カルシウムから選択される。別の実施形態では、メタロイド化合物はホウ素の化合物であり、例えばホウ酸又はホウ酸アルキル等のホウ酸エステルである。ホウ酸アルキルは、ホウ酸トリメチル又はホウ酸トリエチル等のホウ酸トリアルキルであることができる。
【0037】
[0040]上記方法の(c)で用いる酸は、鉱酸又は有機酸であることができる。鉱酸の例として塩酸、硫酸及び硝酸が挙げられ、好ましくは塩酸又は硫酸が挙げられる。有機酸の例として酢酸、ギ酸、トリフルオロ酢酸、トリクロル酢酸及びp−トルエンスルホン酸が挙げられ、好ましくはギ酸が挙げられる。(b)で単離したナノ粒子を1N〜2Nの酸で、例えば1NのHClで、又は水中において10〜50重量%の有機酸で、例えば50%ギ酸水溶液で、約0.5時間〜約3時間の期間にわたり、好ましくは1時間〜2時間の期間にわたり処理することができる。例えば、ナノ粒子を酸槽中で上記の期間にわたり超音波処理することができる。酸処理に続いて、ナノ粒子を酸から単離して脱イオン水で洗浄し、真空下で乾燥させてシリカナノ粒子を得る。
【0038】
[0041]例示的には、シリカナノ粒子を以下のように調製することができる。25℃で保持した6Lのジャケット付きのフラスコ中において、4.8gの酢酸リチウム二水和物(LiOAc、2H
2O)、2480mLの脱イオン水(Di−H
2O)、2.9Lの無水エタノール(ETOH)及び120mLの28重量/重量%NH
3水溶液を、PTFE羽根を備えるオーバーヘッドミキサーを使用して200rpmで30分にわたり撹拌する。乾燥条件(<10%の相対湿度)下で調製した、300mLのEtOHと200mLのオルトケイ酸テトラエチル(TEOS)との溶液を6Lのフラスコ中に速やかに注ぎ、混合を400rpmまで高め、乾燥空気(<1%の相対湿度)を5分にわたりパージする。混合を200rpmまで下げ、乾燥空気のパージを止め、フラスコを封止して反応を合計で1時間にわたり持続する。3回の遠心分離及びEtOH中での再懸濁により、粒子を精製する。
【0039】
[0042]溶解性ナノ粒子、好ましくは精製した溶解性ナノ粒子を含む典型的なストック溶液は、ジメチルホルムアミド(DMF)約30重量%〜約65重量%の範囲の濃度で、及びトリエタノールアミン(TEA)約0.001%〜約0.1%の範囲で分散しているナノ粒子を含む。
【0040】
[0043]様々な手順が粒子の溶解に適している。上述したように、プロセスはフッ化水素酸の使用を避けるべきであり、正確に言うと、より安全で環境により優しい溶媒を使用してナノ粒子を溶解させることができ、また溶解させるべきである。例えば、ナノ粒子含有膜を約1分〜約1時間の範囲の期間にわたり約0.1〜約2モル/Lの範囲の濃度で鉱酸(例えばHCl又はH
2SO
4)中に置き、続いて約30分〜約24時間の範囲の期間にわたり約0.1〜約4モル/Lの範囲の濃度でアルカリ溶液(例えばKOH又はNaOH)中に浸漬し、続いて約30分〜約4時間の範囲の期間にわたり水(例えばDI水)中で洗浄することができる。必要に応じて、その後、膜を約30分〜約2時間の範囲の期間にわたり約40℃〜約80℃の範囲の温度で例えばオーブン中において乾燥させることができる。
【0041】
[0044]典型的には、ナノ粒子含有ポリマー溶液から膜を製造するための相反転プロセスは、ポリマー溶液を基材上に薄いフィルムに流延する又は押し出すステップ、及び以下の内の1つ又は複数によりポリマー(複数種可)を沈殿させるステップを含む:(a)溶媒及び非溶媒の蒸発、(b)曝露面上で吸収する、水蒸気等の非溶媒蒸気への曝露、(c)非溶媒液体(例えば、水及び/又は別の非溶媒若しくは溶媒を含有する相浸漬槽)中での急冷、並びに(d)ポリマーの溶解性を急激に及び大幅に低下させるための熱いフィルムの熱的急冷。湿式プロセス(浸漬沈殿)、蒸気誘起相分離(VIPS)、熱誘起相分離(TIPS)、急冷、乾式−湿式流延及び溶媒蒸発(乾式流延)により相反転を誘起することができる。乾式相反転は、浸漬凝固が起きないことから湿式の又は乾式−湿式の手順と異なる。これらの技術では、最初の均質なポリマー溶液が様々な外部効果に起因して熱力学的に不安定になり、ポリマーが少ない相及びポリマーが豊富な相への相分離を誘起する。ポリマーが豊富な相は膜のマトリックスを形成し、溶媒及び非溶媒のレベルが増加している、ポリマーが少ない相は細孔を形成する。
【0042】
[0045]ポリマーを溶媒又は溶媒の混合物中に溶解させることにより、膜形成ポリマー溶液を調製する。様々なポリマー溶液が本発明での使用に適しており、当技術分野で既知である。適切なポリマー溶液は、例えばポリ芳香族;スルホン(例えば、例えばポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルエーテルスルホン、ビスフェノールAポリスルホン、ポリアリルスルホン及びポリフェニルスルホン等の芳香族ポリスルホンを含むポリスルホン)、ポリアミド、ポリイミド、ポリハロゲン化ビニリデン(ポリフッ化ビニリデン(PVDF)を含む)、ポリプロピレン及びポリメチルペンテン等のポリオレフィン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアクリロニトリル((PAN)、ポリアルキルアクリロニトリルを含む)、セルロースポリマー(酢酸セルロール及び硝酸セルロール等)、フルオロポリマー並びにポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等のポリマーを含むことができる。ポリマー溶液は、ポリマーの混合物、例えば疎水性ポリマー(例えばスルホンポリマー)及び親水性ポリマー(例えばポリビニルピロリドン(PVP))を含むことができる。
【0043】
[0046]1種又は複数種のポリマーに加えて、典型的なポリマー溶液は少なくとも1種の溶媒を含み、少なくとも1種の非溶媒を更に含むことができる。適切な溶媒として、例えばジメチルホルムアミド(DMF);N,N−ジメチルアセトアミド(DMAC);N−メチルピロリドン(NMP);ジメチルスルホキシド(DMSO)、メチルスルホキシド、テトラメチル尿素;ジオキサン;コハク酸ジエチル;クロロホルム;及びテトラクロロエタン;並びにこれらの混合物が挙げられる。適切な非溶媒として、例えば水;様々なポリエチレングリコール(PEG;例えばPEG−200、PEG−300、PEG−400、PEG−1000);様々なポリプロピレングリコール;様々なアルコール、例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール(IPA)、アミルアルコール、ヘキサノール、ヘプタノール及びオクタノール;ヘキサン、プロパン、ニトロプロパン、ヘプタン及びオクタン等のアルカン;並びにアセトン、ブチルエーテル、酢酸エチル及び酢酸アミル等のケトン、エーテル及びエステル;酢酸、クエン酸及び乳酸等の酸;並びに塩化カルシウム、塩化マグネシウム及び塩化リチウム等の様々な塩;並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0044】
[0047]必要に応じて、ポリマーを含む溶液は、例えば1種又は複数種の重合開始剤(例えば過酸化物、過硫酸アンモニウム、脂肪族アゾ化合物(例えば2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロリド(V50))及びこれらの組み合わせの内の任意の1種又は複数種)並びに/又は界面活性剤及び/若しくは剥離剤等の微量成分を更に含むことができる。
【0045】
[0048]ポリマーを含む典型的なストック溶液(溶解性ナノ粒子を含む溶液を組み合わせる前)は、約10重量%〜約35重量%の範囲の樹脂(例えばPES、PVDF又はPAN)、約0〜約10重量%の範囲のPVP、約0〜約10重量%の範囲のPEG、約0〜約90重量%の範囲のNMP、約0〜約90重量%の範囲のDMF及び約0〜約90重量%の範囲のDMACを含む。荷電ポリマーがストック溶液に含まれる場合、荷電ポリマーは、全樹脂のみに対して約5重量%以下の量で存在することができる(例えば≦5PHR)。
【0046】
[0049]溶液の適切な構成成分は当技術分野で既知である。ポリマーを含む例示的な溶液、並びに例示的な溶媒及び非溶媒、及び例示的な荷電基として、例えば米国特許第4,340,579号;米国特許第4,629,563号;米国特許第4,900,449号;米国特許第4,964,990号、米国特許第5,444,097号;米国特許第5,846,422号;米国特許第5,906,742号;米国特許第5,928,774号;米国特許第6,045,899号;米国特許第6,146,747号;米国特許第6,780,327号;米国特許第6,783,937号;米国特許第7,208,200号;及び米国特許第7,189,322号に記載のものが挙げられる。
【0047】
[0050]本発明に従って様々なポリマー膜を製造することができるが、好ましい実施形態では、膜は、スルホン膜(ポリエーテルスルホン膜及び/又はポリアリルスルホン膜がより好ましい)、アクリル膜(例えば、(PAN、ポリアルキルアクリロニトリルを含む)又は準結晶膜(例えば、PVDF膜及び/若しくはポリアミド膜)である。
【0048】
[0051]膜を、手動で(例えば基材に手で注ぐ、流延する、若しくは広げる)又は自動で(例えば基材を有する移動床に注ぐ、若しくは流延する)流延することができる。
【0049】
[0052]多重流延技術を含む様々な流延技術が当技術分野で既知である、及び適している。当技術分野で既知の様々な装置を流延に使用することができる。適切な装置として例えば機械式スプレッダが挙げられ、機械式スプレッダは塗布ナイフ、ドクターブレード又は噴霧/加圧システムを含む。塗布装置の一例は押出ダイ又はスロットコーターであり、流延配合物(ポリマーを含む溶液)が導入され得る及び狭いスロットを通って加圧下で押し出され得る流延チャンバを含む。例示的には、約100マイクロメートル〜約500マイクロメートルの範囲で、より典型的には約120マイクロメートル〜約400マイクロメートルの範囲でナイフの隙間を有するドクターブレードを用いて、ポリマーを含む溶液を流延することができる。
【0050】
[0053]当技術分野で既知であるように、様々な流延速度が適している。典型的には、流延速度は少なくとも毎分約3フィート(fpm)であり、より典型的には約3〜約40fpmの範囲であり、いくつかの実施形態では少なくとも約5fpmである。
【0051】
[0054]本発明の実施形態に係る膜の調製に様々な基材が適している。基材が非紙基材であることが好ましい。適切な基材として、例えばガラス、ポリエチレンテレフタレート(PET)(例えばマイラー(MYLAR)として市販されている)等のポリエステル;ポリプロピレン;ポリエチレン(ポリエチレンナフタレート(PEN);ポリエチレンテレフタレートグリコール(PETG)を含む);ポリイミド;ポリフェニレンオキシド;ナイロン;及びアクリルが挙げられる。
【0052】
[0055]また、本明細書に記載の様々な媒体(第2の層、第3の層又は追加の層として使用するため)を、本発明の実施形態に係る複合膜を調製するために使用することができる。
【0053】
[0056]いくつかの実施形態では、基材は前処理剤又は剥離剤で前処理されており、前処理した基材に粒子含有ポリマー溶液を流延する前に薬剤を乾燥させることが好ましい。いかなる特定の理論にも拘束されることなく、いくつかの基材及び/又はポリマーに関して、前処理剤又は剥離剤の使用により、粒子の溶解前における溶解性粒子含有膜の基材からの分離の効率が高められると考えられる。
【0054】
[0057]前処理剤又は剥離剤が、流延配合物で使用する溶媒中に溶解せず、膜処理温度に適合し、流延フィルムが層剥離しない熱処理中に流延フィルムに十分に接着し、膜の樹脂を溶解しない溶媒中に速やかに溶解する(その結果、膜が基材から剥離され得る)ことが好ましい。適切な前処理剤又は剥離剤の例として、ポリビニルアルコール(PVOH)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリ(アクリル酸)及びポリ(メタクリル酸)が挙げられる。
【0055】
[0058]例示的には、脱イオン水中の約5重量%〜約15重量%のPVOHによりPVOHストック溶液を調製し、約1〜約10ミルの範囲の隙間を有する流延バーを使用して基材に流延し、約1分〜約2時間の範囲の期間にわたり約40℃〜約80℃の範囲の温度でオーブン中において乾燥させることができる。
【0056】
[0059]膜は、任意の適切な細孔構造、例えば細孔径(例えば、例として米国特許第4,340,479号に記載されているバブルポイントにより若しくはK
Lにより明らかである、若しくは毛管凝縮流動ポロメトリーにより明らかである)、平均流量細孔(MFP)径(例えば、ポロメーター、例えばポールベアポロメータ(Porvair Porometer)(Porvair plc、ノーフォーク、英国)若しくは商標ポロラクス(POROLUX)(Porometer.com、ベルギー)で入手可能なポロメーターを使用して特徴付ける場合)、細孔率、細孔直径(例えば、例として米国特許第4,925,572号に記載されている改良OSU F2試験を使用して特徴付ける場合)、又は除去率を有することができる。使用される細孔構造は、利用する粒子のサイズ、処理する流体の組成、及び処理した流体の所望の流出レベルに依存する。
【0057】
[0060]加えて、膜は、膜のバルク中における細孔の第1のセットから生じる所望の六方構造を有する。
図2(導入された粒子の溶解から生じる細孔の第1のセット及び最大の空隙率を示す六方構造を示す)に示すように、最大の空隙率は74体積パーセントであり、本発明の実施形態に係る膜は約66%〜約73%の範囲の空隙率を有する。
【0058】
[0061]膜の微多孔質表面は、例えば、5,000倍又は20,000倍の拡大でのSEMから平均表面細孔径を算出することにより例えば決定される任意の適切な平均細孔径を有することができる。
【0059】
[0062]典型的には、本発明の実施形態に係る膜の厚さは約0.5ミル〜約6.5ミルの範囲であり、好ましくは約1ミル〜約3ミルの範囲である。
【0060】
[0063]第2の、第3の及び/又は追加の層が繊維状マトリックスを含む、例えば層が繊維状の多孔質媒体(例えば、織布ウェブ若しくは不織布ウェブ等の織物ウェブ又は湿式媒体)を含む又は溶解性粒子を使用することなく製造された多孔質膜を含むこれらの実施形態では、媒体を任意の適切な材料で製造することができ、繊維状の媒体又は膜が高分子媒体を含むことが好ましい。様々なポリマーが適切であり、溶解性粒子を含まない適切な繊維状の多孔質媒体及び多孔質膜を当業者に既知の方法により調製することができる。
【0061】
[0064]膜は、任意の所望の臨界湿潤表面張力(CWST、例えば米国特許第4,925,572号で定義されている)を有することができる。当技術分野で既知であるように、例えば、例として米国特許第5,152,905号、米国特許第5,443,743号、米国特許第5,472,621及び米国特許第6,074,869号に更に開示されているようにCWSTを選択することができる。典型的には、膜は約70ダイン/cm(約70×10
−5N/cm)よりも高い、より典型的には約73ダイン/cm(約73×10
−5N/cm)よりも高いCWSTを有し、約78ダイン/cm(約78×10
−5N/cm)以上のCWSTを有することができる。いくつかの実施形態では、膜は、約82ダイン/cm(約82×10
−5N/cm)以上のCWSTを有する。
【0062】
[0065]湿式の若しくは乾式の酸化により、表面上にポリマーをコーティングする若しくは沈着させることにより、又はグラフト反応により、(例えば、CWSTに影響を及ぼすために、表面電荷、例えば正の若しくは負の電荷を含むために、及び/又は表面の極性若しくは親水性を変えるために)膜の表面の特徴を改変することができる。改変として、例えば照射、極性モノマー若しくは荷電モノマー、荷電ポリマーによる表面のコーティング及び/又は硬化、並びに化学修飾を実行して表面上に官能基を付着させることが挙げられる。ガスプラズマ、蒸気プラズマ、コロナ放電、熱、ファンデグラフ型起電機、紫外線、電子ビーム等のエネルギー源への若しくは様々な他の形態の放射線への曝露により、又はプラズマ処理を使用する表面のエッチング若しくは沈着により、グラフト反応を活性化させることができる。
【0063】
[0066]本発明の実施形態に従って様々な流体をろ過することができる。本発明の実施形態に係る膜を、例えば診断的用途(例えば試料の調製及び/又は診断用の側方流動装置を含む)、インクジェット用途、医薬品産業用の流体のろ過、医学的用途用の流体のろ過(家庭での及び/又は患者の使用向け、例えば静脈内適用を含む、また、例えば血液等の体液のろ過(例えば白血球を除去するため)も含む)、エレクトロニクス産業用の流体のろ過(例えばマイクロエレクトロニクス産業におけるフォトレジスト流体のろ過)、飲食料品産業用の流体のろ過、清澄化、抗体含有流体及び/又はタンパク質含有流体のろ過、核酸含有流体のろ過、細胞検出(インサイチュを含む)、細胞採取、並びに/又は細胞培養流体のろ過を含む様々な用途で使用することができる。代替として又は追加として、本発明の実施形態に係る膜を、空気及び/若しくはガスをろ過するために使用することができる、並びに/又は通気用途(例えば液体ではなく空気及び/若しくはガスを通過させることを可能にする)に使用することができる。本発明の実施形態に係る膜を、例えば眼科用手術製品等の手術用の装置及び製品を含む様々な装置で使用することができる。
【0064】
[0067]流体をろ過するための使用では、複合膜における膜のゾーン、領域及び/又は層は、用途に応じて任意の順序であることができる。例えば、第1の層、ゾーン若しくは領域、又は任意の他の層、ゾーン若しくは領域が「上流の」層、ゾーン若しくは領域、即ち流体に最初に接触する層、ゾーン若しくは領域であることができる。或いは、第1の層、ゾーン若しくは領域、又は任意の他の層、ゾーン若しくは領域が「下流の」層、ゾーン若しくは領域、即ち流体に最後に接触する層、ゾーン若しくは領域であることができる。更に別の代替において、少なくとも3つの層、ゾーン又は領域を有するこれらの実施形態では、任意の層、ゾーン又は領域が「上流の」、「下流の」又は中間の層、ゾーン又は領域であることができる。
【0065】
[0068]膜の上流部が正に荷電したゾーンを含み、膜の下流部が負に荷電したゾーンを含む一実施形態では、流体を処理する方法は、陰イオンの濃度が陽イオンよりも高い流体を膜の上流表面から下流表面に通すステップを含む。いかなる特定のメカニズムに限定されることなく、正に荷電したゾーン中で陰イオンが捕捉される及び/又は結合する際に陰イオンがいくつかの別の陰イオンを退けることができ、予備ろ過機能を実現し、より多くの正に荷電したゾーンを容量まで更なる吸着に使用することが可能になると考えられる。
【0066】
[0069]同様に、膜の上流部が負に荷電したゾーンを含み、膜の下流部が正に荷電したゾーンを含む一実施形態では、流体を処理する方法は、陽イオンの濃度が陰イオンよりも高い流体を膜の上流表面から下流表面に通すステップを含む。いかなる特定のメカニズムに限定されることなく、負に荷電したゾーン中で陽イオンが捕捉される及び/又は結合する際に陽イオンがいくつかの別の陽イオンを退けることができ、予備ろ過機能を実現し、より多くの負に荷電したゾーンを容量まで更なる吸着に使用することが可能になると考えられる。
【0067】
[0070]本発明の実施形態によれば、膜は、平面状、ひだ状及び/又は中空筒状を含む様々な構造を有することができる。
【0068】
[0071]本発明の実施形態に係る膜は典型的には、少なくとも1つの入口及び少なくとも1つの出口を備える並びに入口と出口との間に少なくとも1つの流体流路を規定する筐体内に配置され、少なくとも1枚の本発明の膜又は少なくとも1枚の本発明の膜を備えるフィルタは流体流路を横切ってフィルタ装置又はフィルタモジュールを実現する。ある実施形態では、入口及び第1の出口を備える並びに入口と第1の出口との間に第1の流体流路を規定する筐体、並びに少なくとも1枚の本発明の膜又は少なくとも1枚の本発明の膜を備えるフィルタを備えるフィルタ装置が提供され、本発明の膜又は少なくとも1枚の本発明の膜を備えるフィルタは、第1の流体流路を横切って筐体内に配置される。
【0069】
[0072]クロスフロー用途のために、少なくとも1枚の本発明の膜又は少なくとも1枚の本発明の膜を備えるフィルタは、少なくとも1つの入口及び少なくとも2つの出口を備える並びに入口と第1の出口との間に第1の流体流路を及び入口と第2の出口との間に第2の流体流路を少なくとも規定する筐体内に配置され、本発明の膜又は少なくとも1枚の本発明の膜を備えるフィルタは第1の流体流路を横切ってフィルタ装置又はフィルタモジュールを実現することが好ましい。例示的な実施形態では、フィルタ装置は、クロスフロー用フィルタモジュールと、入口、濃縮出口を備える第1の出口及び浸透出口を備える第2の出口を備える並びに入口及び第1の出口の間に第1の流体流路を並びに入口及び第2の出口の間に第2の流体流路を規定する筐体とを備え、少なくとも1枚の本発明の膜又は少なくとも1枚の本発明の膜を備えるフィルタが第1の流体流路を横切って配置される。
【0070】
[0073]フィルタ装置又はフィルタモジュールは殺菌可能であることができる。入口及び1つ又は複数の出口をもたらす適切な形状の任意の筐体を用いることができる。
【0071】
[0074]処理される流体に適合する、任意の不浸透性の熱可塑性プラスチック材料を含む任意の適切な硬質の不浸透性材料から筐体を製作することができる。例えば、ステンレス鋼等の金属から又はポリマー、例えばアクリル、ポリプロピレン、ポリスチレン若しくはポリカーボネート化樹脂等の透明な若しくは半透明なポリマーから筐体を製作することができる。
【0072】
[0075]以下の実施例は本発明を更に例示するが、当然のことながら、本発明の範囲を決して限定しないと解釈すべきである。
【0073】
[0076]以下の実施例では、下記に記載するように、溶解性粒子をストック溶液中で調製し、PVOHストック溶液を調製する。
【0074】
[0077]約570nmの直径を有するナノ粒子を有するストック溶液を以下のように調製する:溶解性粒子をストック溶液中で以下のように調製する:25℃で保持したジャケット付きフラスコ中において、1mol/Lのアンモニア(NH
3)、8.24mol/Lのエタノール(ETOH)、1mol/Lのメタノール(MeOH)、23.7mol/Lの脱イオン(DI)水、0.15mol/Lのテトラエトキシシラン(TEOS)及び0.0078mol/Lのメタケイ酸ナトリウム(Na
2SiO
3)から成る溶液を調製し、1時間にわたり200rpmで撹拌する。動的光散乱及びSEMは約570nmの粒子直径を示す。粒子を2回、遠心分離し、上清を移し、粒子をETOH中で再懸濁させる。次いで、粒子を3回、遠心分離し、上清を移し、粒子を0.1%のトリエタノールアミン(TEA)と共にDMF中で再懸濁させる。ストック溶液は63%(重量/重量)の粒子の最終濃度を有する。
【0075】
[0078]約310nmの直径を有するナノ粒子を有するストック溶液を以下のように調製する:25℃で保持したジャケット付きフラスコ中において、0.9mol/LのNH
3、9.16mol/LのETOH、23.07mol/LのDI水、0.15mol/LのTEOS及び0.0078mol/Lの酢酸リチウム(CH
3COOLi)から成る溶液を調製し、1時間にわたり200rpmで撹拌する。動的光散乱及びSEMは約310nmの粒子直径を示す。粒子を2回、遠心分離し、上清を移し、粒子をETOH中で再懸濁させる。次いで、粒子を3回、遠心分離し、上清を移し、粒子を0.1%のTEAと共にDMF中で再懸濁させる。ストック溶液は55%(重量/重量)の粒子の最終濃度を有する。
【0076】
[0079]ポリビニルアルコール(PVOH)ストック溶液を以下のように調製する:90℃で保持したジャケット付きケトル中において、10重量/重量%のPVOH(96%が加水分解されている、Scientific Polymer Products)と90%のDI水とを組み合わせ、16時間にわたり200rpmで撹拌することにより、溶液を調製する。
【0077】
[0080]一般に、膜が正電荷を有するかどうかの決定では、負に荷電した色素溶液(ポンソーS(レッド)色素、DI水中に0.05%)中に30分にわたり膜を浸す。水酸化アンモニウムの0.1%溶液中で膜を浸出させ、続いてDI水に浸出させて乾燥させる。デジタル顕微鏡写真は、正電荷を有する膜の表面で及びバルク中に赤色色素が存在することを示すが、膜が負電荷又は中性電荷を有する場合には赤色が示されない。
【0078】
[0081]一般に、膜が負電荷を有するかどうかの決定では、正に荷電した色素溶液(トルイジンブルー色素、DI水中に0.05%)中に30分にわたり膜を浸す。膜をDI水に浸出させ、続いて乾燥させる。デジタル顕微鏡写真は、負電荷を有する膜の表面で及びバルク中に青色色素が存在することを示すが、膜が正電荷又は中性電荷を有する場合には青色が示されない。
【0079】
[0082]以下の実施例では、SEM分析及びポロメトリーを使用して細孔の第2のセットの第2の制御された細孔径を決定し、細孔の第2のセットは細孔の第1のセットの外縁間の連結部に位置する。
実施例1
【0080】
[0083]本実施例は、本発明のある実施形態に係る膜の調製を示し、膜は、第1の及び第2の微多孔質表面、第1の微多孔質表面と第2の微多孔質表面との間の多孔質バルクを有する単一層を含み、バルクは、導入された溶解性ナノ粒子を除去することにより調製されて外縁を有する細孔の第1のセットであり、約570nmである第1の制御された細孔径を有する細孔の第1のセットと、細孔の第1のセットの外縁に連結している細孔の第2のセットであり、約171nmである第2の制御された細孔径を有する細孔の第2のセットと、細孔の第1のセットを支持しているポリマーマトリックスとを含み、各表面及びバルクは中性電荷を有する。
【0081】
[0084]約570nmの直径を有する溶解性粒子を有するストック溶液を上述したように調製する。
【0082】
[0085]ポリマー(樹脂)ストック溶液を以下のように調製する:循環槽を使用して25℃で保持したジャケット付きケトル中において、30%(重量/重量)のPES樹脂(BASF、ウルトラソン(Ultrason)E 6020 P)、15%(重量/重量)のNMP及び55%(重量/重量)のDMFを、4時間にわたりオーバーヘッドミキサーを使用して800rpmで混合する。溶液を30分にわたり200mbarで真空下に置いて溶液を脱気する。
【0083】
[0086]流延溶液を以下のように調製する:樹脂ストック溶液及び粒子ストック溶液をフラスコ中で組み合わせ、40%(重量/重量)の粒子、11%のPES、6%のNMP及び43%のDMFの最終濃度で2分にわたり30,000rpmで混合し、続いて30分にわたり200mbarで脱気する。
【0084】
[0087]5milの隙間を空けた流延バーを使用してPVOHストック溶液をガラス板に流延し、2時間にわたり80℃でオーブン中に置いてフィルムを形成する。その後、3milの隙間を空けた流延バーを使用して流延溶液をPVOHフィルムに流延して60℃で15分にわたりオーブン中に置き、続いて1時間にわたり80℃で水中に浸漬し、コーティングした基材から膜を剥離する。膜を30分にわたり1mol/LのHCl中に浸し、次いで18時間にわたり2mol/LのKOH中に浸す。その後、膜を2時間にわたり25℃で水により洗浄し、30分にわたり70℃で乾燥させる。
【0085】
[0088]膜の2つの別々の部分のポンソーS(レッド)色素及びトルイジンブルー色素への個々の曝露後、顕著な赤色又は青色が示されず、そのため、膜が表面で及びバルク全体にわたって中性電荷を有することが示される。
実施例2
【0086】
[0089]本実施例は、本発明の別の実施形態に係る膜の調製を示し、膜は、第1の及び第2の微多孔質表面、第1の微多孔質表面と第2の微多孔質表面との間の多孔質バルクを有する単一層を含み、バルクは、導入された溶解性ナノ粒子を除去することにより調製されて外縁を有する細孔の第1のセットであり、約570nmである第1の制御された細孔径を有する細孔の第1のセットと、細孔の第1のセットの外縁に連結している細孔の第2のセットであり、約171nmである第2の制御された細孔径を有する細孔の第2のセットと、細孔の第1のセットを支持しているポリマーマトリックスとを有し、各表面及びバルクは負の電荷を有する、膜の調製を示す。
【0087】
[0090]約570nmの直径を有する溶解性粒子を有するストック溶液を上述したように調製する。
【0088】
[0091]ポリマー(樹脂)ストック溶液を以下のように調製する:循環槽を使用して25℃で保持したジャケット付きケトル中において、20%(重量/重量)のPES樹脂(BASF、ウルトラソンE 6020 P)、20%(重量/重量)のNMP、59%(重量/重量)のDMF、<1%のPEG−1000及び<1%の1:1のマレイン酸:メチルビニルエーテルコポリマー(Scientific Polymer Products)を、4時間にわたりオーバーヘッドミキサーを使用して800rpmで混合する。溶液を30分にわたり200mbarで真空下に置いて溶液を脱気する。
【0089】
[0092]流延溶液を以下のように調製する:樹脂ストック溶液及び粒子ストック溶液をフラスコ中で組み合わせ、29%(重量/重量)の粒子、11%のPES、11%のNMP、49%のDMF、<1%のPEG−1000及び<1%の1:1のマレイン酸:メチルビニルエーテルコポリマーの最終濃度で2分にわたり30,000rpmで混合し、続いて30分にわたり200mbarで脱気する。
【0090】
[0093]5milの隙間を空けた流延バーを使用してPVOHストック溶液をガラス板に流延し、2時間にわたり80℃でオーブン中に置いてフィルムを形成する。その後、3milの隙間を空けた流延バーを使用して流延溶液をPVOHフィルムに流延して60℃で15分にわたりオーブン中に置き、続いて1時間にわたり80℃で水中に浸漬し、コーティングした基材から膜を剥離する。膜を30分にわたり1mol/LのHCl中に浸し、次いで18時間にわたり2mol/LのKOH中に浸す。その後、膜を2時間にわたり25℃で水により洗浄し、30分にわたり70℃で乾燥させる。
【0091】
[0094]膜のトルイジンブルー色素への曝露後、顕著な青色が示され、そのため、膜が表面で及びバルク全体にわたって負電荷を有することが示される。
実施例3
【0092】
[0095]本実施例は、本発明の別の実施形態に係る膜の調製を示し、膜は、第1の及び第2の微多孔質表面、第1の微多孔質表面と第2の微多孔質表面との間の多孔質バルクを有する単一層を含み、バルクは、導入された溶解性ナノ粒子を除去することにより調製されて外縁を有する細孔の第1のセットであり、約570nmである第1の制御された細孔径を有する細孔の第1のセットと、細孔の第1のセットの外縁に連結している細孔の第2のセットであり、約171nmである第2の制御された細孔径を有する細孔の第2のセットと、細孔の第1のセットを支持しているポリマーマトリックスとを有し、各表面及びバルクは正の電荷を有する、膜の調製を示す。
【0093】
[0096]約570nmの直径を有する溶解性粒子を有するストック溶液を上述したように調製する。
【0094】
[0097]ポリマー(樹脂)ストック溶液を以下のように調製する:循環槽を使用して25℃で保持したジャケット付きケトル中において、20%(重量/重量)のPES樹脂(BASF、ウルトラソンE 6020 P)、20%(重量/重量)のNMP、59%(重量/重量)のDMF、<1%のPEG−1000及び<1%の分岐型ポリエチレンイミン(Sigma−Aldrich)を、4時間にわたりオーバーヘッドミキサーを使用して800rpmで混合する。溶液を30分にわたり200mbarで真空下に置いて溶液を脱気する。
【0095】
[0098]流延溶液を以下のように調製する:樹脂ストック溶液及び粒子ストック溶液をフラスコ中で組み合わせ、29%(重量/重量)の粒子、11%のPES、11%のNMP、49%のDMF、<1%のPEG−1000及び<1%の分岐型ポリエチレンイミンの最終濃度で2分にわたり30,000rpmで混合し、続いて30分にわたり200mbarで脱気する。
【0096】
[0099]5milの隙間を空けた流延バーを使用してPVOHストック溶液をガラス板に流延し、2時間にわたり80℃でオーブン中に置いてフィルムを形成する。その後、3milの隙間を空けた流延バーを使用して流延溶液をPVOHフィルムに流延し、60℃で15分にわたりオーブン中に置き、続いて1時間にわたり80℃で水中に浸漬し、コーティングした基材から膜を剥離する。膜を30分にわたり1mol/LのHCl中に浸し、次いで18時間にわたり2mol/LのKOH中に浸す。その後、膜を2時間にわたり25℃で水により洗浄し、30分にわたり70℃で乾燥させる。
【0097】
[0100]膜のポンソーSへの曝露後、顕著な赤色が示され、そのため、膜が表面で及びバルク全体にわたって正電荷を有することが示される。
実施例4
【0098】
[0101]本実施例は、本発明の別の実施形態に係る膜の調製を示し、膜は、第1の及び第2の微多孔質表面、第1の微多孔質表面と第2の微多孔質表面との間の第1の及び第2の多孔質バルクをそれぞれ含む第1の及び第2のゾーンを有する単一層を含み、バルクはそれぞれ、導入された溶解性ナノ粒子を除去することにより調製されて外縁を有する細孔の第1のセットであって、約570nmである第1の制御された細孔径を有する細孔の第1のセットと、細孔の第1のセットの外縁に連結している細孔の第2のセットであって、約171nmである第2の制御された細孔径を有する細孔の第2のセットと、細孔の第1のセットを支持しているポリマーマトリックスとを含み、一方のゾーンは正に荷電したゾーンを含み、他方のゾーンは、独立して負に荷電したゾーンを含む。
【0099】
[0102]約570nmの直径を有する溶解性粒子を有する2種のストック溶液を上述したように調製する。
【0100】
[0103]第1のポリマー(樹脂)ストック溶液を以下のように調製する:循環槽を使用して25℃で保持したジャケット付きケトル中において、20%(重量/重量)のPES樹脂(BASF、ウルトラソンE 6020 P)、20%(重量/重量)のNMP、59%(重量/重量)のDMF、<1%のPEG−1000及び<1%の1:1のマレイン酸:メチルビニルエーテルコポリマー(Scientific Polymer Products)を、4時間にわたりオーバーヘッドミキサーを使用して800rpmで混合する。溶液を30分にわたり200mbarで真空下に置いて溶液を脱気する。
【0101】
[0104]第1の流延溶液を以下のように調製する:樹脂ストック溶液及び粒子ストック溶液をフラスコ中で組み合わせ、29%(重量/重量)の粒子、11%のPES、11%のNMP、49%のDMF、<1%のPEG−1000及び<1%の1:1のマレイン酸:メチルビニルエーテルコポリマーの最終濃度で2分にわたり30,000rpmで混合し、続いて30分にわたり200mbarで脱気する。
【0102】
[0105]第2のポリマー(樹脂)ストック溶液を以下のように調製する:循環槽を使用して25℃で保持したジャケット付きケトル中において、20%(重量/重量)のPES樹脂(BASF、ウルトラソンE 6020 P)、20%(重量/重量)のNMP、59%(重量/重量)のDMF、<1%のPEG−1000及び<1%の分岐型ポリエチレンイミン(Sigma−Aldrich)を、4時間にわたりオーバーヘッドミキサーを使用して800rpmで混合する。溶液を30分にわたり200mbarで真空下に置いて溶液を脱気する。
【0103】
[0106]第2の流延溶液を以下のように調製する:樹脂ストック溶液及び粒子ストック溶液をフラスコ中で組み合わせ、29%(重量/重量)の粒子、11%のPES、11%のNMP、49%のDMF、<1%のPEG−1000及び<1%の分岐型ポリエチレンイミンの最終濃度で2分にわたり30,000rpmで混合し、続いて30分にわたり200mbarで脱気する。
【0104】
[0107]5milの隙間を空けた流延バーを使用してPVOHストック溶液をガラス板に流延し、2時間にわたり80℃でオーブン中に置いてフィルムを形成する。その後、3milの隙間を空けた流延バーを使用して第1の流延溶液をPVOHフィルムに流延し、60℃で15分にわたりオーブン中に置く。その後、5milの隙間を空けた流延バーを使用し、コーティングしたものに第2の流延溶液を流延して60℃で15分にわたりオーブン中に置き、続いて1時間にわたり80℃で水中に浸漬し、コーティングした基材から膜を剥離する。膜を30分にわたり1mol/LのHCl中に浸し、次いで18時間にわたり2mol/LのKOH中に浸す。その後、膜を2時間にわたり25℃で水により洗浄し、30分にわたり70℃で乾燥させる。
【0105】
[0108]膜のポンソーS(レッド)色素及びトルイジンブルー色素への曝露後、一方のゾーン及び自由微多孔質表面に関して顕著な赤色が示され、他方のゾーン及び他方の自由微多孔質表面に関して顕著な青色が示され、そのため、膜が、正に荷電したゾーン及び負に荷電したゾーンを別々に有することが示される。
【0106】
[0109]
図3は、第1の多孔質バルクを含む第1のゾーン及び第2の多孔質バルクを含む第2のゾーンを含む膜を図式的に表し、第1のゾーンは負電荷を含み、第2のゾーンは正電荷を含む。
【0107】
[0110]
図4は、実施例で調製した膜の拡大した部分断面図を示すSEMであり、第1の多孔質バルクを含む第1のゾーン及び第2の多孔質バルクを含む第2のゾーンを示し、第1のゾーンはバルク全体にわたって負電荷を含み、第2のゾーンはバルク全体にわたって正電荷を含み、膜が一体型であることも示される。
実施例5
【0108】
[0111]本実施例は、本発明の別の実施形態に係る膜の調製を示し、膜は、第1の及び第2の微多孔質表面、第1の微多孔質表面と第2の微多孔質表面との間の多孔質バルクを有する単一層を含み、バルクは、導入された溶解性ナノ粒子を除去することにより調製されて外縁を有する細孔の第1のセットであり、約310nmである第1の制御された細孔径を有する細孔の第1のセットと、細孔の第1のセットの外縁に連結している細孔の第2のセットであり、約93nmである第2の制御された細孔径を有する細孔の第2のセットと、細孔の第1のセットを支持しているポリマーマトリックスとを含み、各表面及びバルクは負電荷を含む。
【0109】
[0112]約310nmの直径を有する溶解性粒子を有するストック溶液を上述したように調製する。
【0110】
[0113]ポリマー(樹脂)ストック溶液を以下のように調製する:循環槽を使用して40℃で保持したジャケット付きケトル中において、20%(重量/重量)のPES樹脂(BASF、ウルトラソンE 6020 P)、20%(重量/重量)のNMP、59%(重量/重量)のDMF、<1%のPEG−200及び<1%の1:1のポリ(メタクリル酸)(Scientific Polymer Products)を、4時間にわたりオーバーヘッドミキサーを使用して800rpmで混合する。溶液を30分にわたり200mbarで真空下に置いて溶液を脱気する。
【0111】
[0114]流延溶液を以下のように調製する:樹脂ストック溶液及び粒子ストック溶液をフラスコ中で組み合わせ、28%(重量/重量)の粒子、10%のPES、10%のNMP、52%のDMF、<1%のPEG−200及び<1%のポリ(メタクリル酸)の最終濃度で2分にわたり30,000rpmで混合し、続いて30分にわたり200mbarで脱気する。
【0112】
[0115]5milの隙間を空けた流延バーを使用してPVOHストック溶液をガラス板に流延し、2時間にわたり80℃でオーブン中に置いてフィルムを形成する。その後、7milの隙間を空けた流延バーを使用して流延溶液をPVOHフィルムに流延し、60℃で15分にわたりオーブン中に置き、続いて1時間にわたり80℃で水中に浸漬し、コーティングした基材から膜を剥離する。膜を30分にわたり0.5mol/LのHCl中に浸し、次いで4時間にわたり2mol/LのKOH中に浸す。その後、膜を2時間にわたり25℃で水により洗浄し、30分にわたり70℃で乾燥させる。
【0113】
[0116]膜のトルイジンブルー色素への曝露後、顕著な青色が示され、そのため、膜が表面で及びバルク全体にわたって負電荷を有することが示される。
実施例6
【0114】
[0117]本実施例は、本発明の別の実施形態に係る膜の調製を示し、膜は、第1の及び第2の微多孔質表面、第1の微多孔質表面と第2の微多孔質表面との間の多孔質バルクを有する単一層を含み、バルクは、導入された溶解性ナノ粒子を除去することにより調製されて外縁を有する細孔の第1のセットであり、約310nmである第1の制御された細孔径を有する細孔の第1のセットと、細孔の第1のセットの外縁に連結している細孔の第2のセットであり、約93nmである第2の制御された細孔径を有する細孔の第2のセットと、細孔の第1のセットを支持しているポリマーマトリックスとを含み、各表面及びバルクは正電荷を含む。
【0115】
[0118]約310nmの直径を有する溶解性粒子を有するストック溶液を上述したように調製する。
【0116】
[0119]ポリマー(樹脂)ストック溶液を以下のように調製する:循環槽を使用して40℃で保持したジャケット付きケトル中において、20%(重量/重量)のPES樹脂(BASF、ウルトラソンE 6020 P)、20%(重量/重量)のNMP、59%(重量/重量)のDMF、<1%のPEG−4000及び<1%のポリ(2−ビニルピリジン)(Scientific Polymer Products)を、4時間にわたりオーバーヘッドミキサーを使用して800rpmで混合する。溶液を30分にわたり200mbarで真空下に置いて溶液を脱気する。
【0117】
[0120]流延溶液を以下のように調製する:樹脂ストック溶液及び粒子ストック溶液をフラスコ中で組み合わせ、28%(重量/重量)の粒子、10%のPES、10%のNMP、52%のDMF、<1%のPEG−4000及び<1%のポリ(2−ビニルピリジン)の最終濃度で2分にわたり30,000rpmで混合し、続いて30分にわたり200mbarで脱気する。
【0118】
[0121]5milの隙間を空けた流延バーを使用してPVOHストック溶液をガラス板に流延し、2時間にわたり80℃でオーブン中に置いてフィルムを形成する。その後、7milの隙間を空けた流延バーを使用して流延溶液をPVOHフィルムに流延し、60℃で15分にわたりオーブン中に置き、続いて1時間にわたり80℃で水中に浸漬し、コーティングした基材から膜を剥離する。膜を30分にわたり0.5mol/LのHCl中に浸し、次いで4時間にわたり2mol/LのKOH中に浸す。その後、膜を2時間にわたり25℃で水により洗浄し、30分にわたり70℃で乾燥させる。
【0119】
[0122]膜のポンソーSへの曝露後、顕著な赤色が示され、そのため、膜が表面で及びバルク全体にわたって正電荷を有することが示される。
【0120】
[0123]本明細書で引用されている、出版物、特許出願及び特許を含む全ての参考文献は、それぞれの参考文献が参照により組み込まれることが個別に及び具体的に示された場合並びに本明細書に全体が記述された場合と同程度に、参照により本明細書に組み込まれる。
【0121】
[0124]本発明を説明する文脈における(特に、以下の特許請求の範囲の文脈における)用語「a」及び「an」並びに「the」並びに「少なくとも1つ」並びに同様の指示語の使用は、本明細書中に別段の指示がない又は文脈に明らかに矛盾しない限り、単数及び複数の両方を包含すると解釈すべきである。1つ又は複数の項目のリストに続いて用語「少なくとも1つの」の使用(例えば、「A及びBの内の少なくとも1つ」)は、本明細書に別段の指示がない又は文脈に明らかに矛盾しない限り、列挙した項目から選択される1項目(A若しくはB)又は列挙した項目の内の2つ以上の任意の組合せ(A及びB)を意味すると解釈すべきである。用語「含む(comprising)」、「有する」、「含む(including)」及び「含有する」は、別段の注記がない限りオープンエンド用語(即ち、「含むが限定されない」を意味する)として解釈すべきである。本明細書中における値の範囲の記述は、本明細書中に別段の指示がない限り、範囲内にあるそれぞれ別々の値に個別に言及する簡便な方法として役立つことを意図しているだけであり、それぞれ別々の値は、それらの値が本明細書中に個別に記述されているかのように本明細書に組み込まれる。本明細書に記載した全ての方法を、本明細書に別段の指示がない又は文脈に明らかに矛盾しない限り任意の適切な順序で実施することができる。本明細書に示した任意の及び全ての例、又は例示的な言葉(例えば「等」)の使用は、本発明をより明らかにすることを意図しているだけであり、別段の主張がない限り本発明の範囲に制限を加えるものではない。本明細書中の言葉は、本発明の実施に不可欠な任意の非請求要素を示すと解釈すべきではない。
【0122】
[0125]本発明を実施するための、本発明者らに既知である最良の形態を含む本発明の好ましい実施形態が本明細書に記載される。これらの好ましい実施形態の変形は、前述の記載を読むことにより当業者に明らかになることができる。本発明者らは、当業者が必要に応じてそのような変形を用いることを予期しており、本発明者らは、本発明が本明細書に具体的に記載したのとは別の方法で行なわれることを意図する。従って、本発明は、準拠法により許容されているように、本明細書に添付した特許請求の範囲に列挙された主題の全ての変形及び等価物を含む。更に、全ての可能な変形における前述した要素の任意の組み合わせは、本明細書に別段の指示がない又は文脈に明らかに矛盾しない限り本発明に包含される。