(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
滅菌装置における圧力容器の外壁には、エア供給回路、給蒸回路などの種々の配管、安全弁、操作部等の種々の部品が取り付けられていた。
しかし、従来の滅菌装置においては、各配管及び各部品を圧力容器の外壁に直接取り付けており、滅菌装置の製造時における組み立て時間が長時間化してしまうという課題がある。
【0007】
また、滅菌装置は、機種毎に配管や部品のレイアウトが異なっており、新たな機種を設計する際にはその都度、配管や部品のレイアウトを設計しなくてはならないという課題がある。
さらに、滅菌装置を製造元から客先へ輸送する場合、配管や部品を一度取り外してから設置場所にて再度組み付ける工程が必要であり、手間がかかっているという課題もある。
【0008】
そこで、本発明は上記課題を解決すべくなされ、その目的とするところは、滅菌装置の製造時の組み立て時間の短縮及び配管や部品のレイアウト設計の簡略化を図り、且つ輸送時及び据え付け時の手間を省くことができる滅菌装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明にかかる滅菌装置によれば、被滅菌物を収容し、供給される滅菌効果のある流体によって滅菌が行われる圧力容器又は耐圧密閉容器を備える滅菌装置において、少なくとも、圧力容器又は耐圧密閉容器の外側に配置される配管であって外部機器から圧力容器又は耐圧密閉容器内へ供給する
滅菌効果のある前記流体を流通させる供給配管と、該供給配管に設けられている
バルブ、減圧弁、トラップを含む供給用制御機器と、圧力容器又は耐圧密閉容器からの排気を流通させる排気管と、該排気管に設けられている
真空ポンプ又は水エジェクター等の真空機器、圧力スイッチ、減圧弁、トラップを含む排気用制御機器とを一体構造にした配管ユニットを具備
し、前記配管ユニットは、前記圧力容器又は耐圧密閉容器とは別体として構成された配管ユニット用取付体に、少なくとも、前記供給配管、前記供給用制御機器、前記排気管及び前記排気用制御機器が取り付けられて構成され、前記配管ユニット用取付体は、前記圧力容器又は耐圧密閉容器の左側面又は右側面のいずれにも配置可能となるように、正面視すると左右対称に形成されていることを特徴としている。
この構成を採用することによって、少なくとも圧力容器に直接取り付けなくても良い配管等については、予めユニット化しておき、ユニット化した配管ユニットを圧力容器に取り付ければよいので、製造時における組み立て時間を短縮化できる。また、配管等のレイアウトを標準化できるので、異なる機種毎に新たなレイアウト設計をすることもなく、設計の簡略化を図れる。また、設置場所へ輸送する際にも、輸送後に配管ユニットごと圧力容器に取り付けるだけでよいので、輸送時及び据え付け時の手間を省くことができる。
なお、特許請求の範囲でいう供給配管には、滅菌効果のある流体の供給管及び水の供給管を含むものとする。また、特許請求の範囲でいう供給用制御機器には、バルブ、減圧弁、トラップなど供給配管に接続されるものを含むものとする。また、特許請求の範囲でいう排気管には圧力容器内を真空にする際に排気する管及び排水(排液)する管を含むものとし、さらに排気用制御機器には、真空ポンプや水エジェクター等の真空機器、圧力スイッチ、減圧弁、トラップなどを含む。
また、配管ユニット用取付体に少なくとも供給配管、供給用制御機器、排気管及び排気用制御機器を取り付けておくことで、組み立て時間の短縮化、配管や部品のレイアウト設計の簡略化を達成でき、且つ輸送時及び据え付け時の手間を省くことができる。
さらに、この構成によれば、例えば圧力容器又は耐圧密閉容器の左側面に配管ユニット用取付体を配置させる場合と、右側面に配置させる場合とで共通の配管ユニット用取付体を使用することができる。すなわち、滅菌装置としては、その配置場所によって圧力容器又は耐圧密閉容器の蓋体を右方向又は左方向どちらの方向に開けるかを設計時に選択することができるが、蓋体を何れの方向に開けるかで、圧力容器又は耐圧密閉容器の側面においてスペース的に余裕のある左側か右側かで異なる。そこで上記構成のように、配管ユニット用取付体を、圧力容器又は耐圧密閉容器の左側面か右側面かのいずれにも配置可能な形状とすることにより、蓋体を何れの方向に開けるかで異なる製品であっても共通に使用でき、コスト削減に寄与する。
【0011】
また、前記配管ユニット用取付体は、複数のフレームで構成された枠状フレームであることを特徴としてもよい。
【0012】
また、前記配管ユニット用取付体は、板状のパネルであることを特徴としてもよい。
【0014】
さらに、前記配管ユニット用取付体の下端部には車輪が取り付けられていることを特徴としてもよい。
この構成によれば、配管ユニット用取付体に少なくとも、供給配管、供給用制御機器、排気管及び排気用制御機器を取り付けるとかなりの重量となるが、車輪で移動することができれば組み付け時の作業が極めて容易に行われる。
【0016】
さらに、前記枠状フレームは、鉛直方向に起立して形成され、少なくとも、前記供給配管、前記供給用制御機器、前記排気管及び前記排気用制御機器が取り付けられた枠部と、該枠部の下部において水平方向に延びる脚部とを有することを特徴としている。
この構成によれば、枠部を圧力容器の側面に配置させて、枠部に取り付けられた各管を圧力容器に取り付けることができる。また、脚部は枠部が転倒しないために必要であり、脚部を圧力容器に下方に配置させれば、脚部が邪魔にならずに済み、スペースの有効利用を図ることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の滅菌装置によれば、製造時の組み立て時間の短縮、配管や部品のレイアウト設計の簡略化を達成でき、且つ輸送時及び据え付け時の手間を省くことができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面に基づいて本実施形態に係る滅菌装置について説明する。なお、ここでは滅菌装置の一例としての蒸気滅菌装置について説明する。
図1は、蒸気滅菌装置の外観構成を示す。
蒸気滅菌装置30は、被滅菌物を収容する圧力容器32を有しており、圧力容器32の前面は前面カバー31及び背面カバー29によって覆われている。
図1では前面カバー31及び背面カバー29以外の部位は、圧力容器32が露出しているところを図示している。
前面カバー31には、圧力容器32の内部を開口するための扉28が設けられている。
また、圧力容器32を正面からみて圧力容器32の右側側面には、各配管や各制御機器などを一体にユニット化した配管ユニット10が設けられている。
【0020】
図2に、蒸気滅菌装置の略線図を示す。
圧力容器32は、内缶35と外缶36とを有する二重缶構造となっており、内缶35と外缶36との間の隙間がジャケット部38である。内缶35内に、例えば、包帯、メス、鉗子又は手術着等の被滅菌物が収容される。ジャケット部38には、後述する飽和水蒸気が導入され、内缶35を所定温度となるように加熱させ、その温度を保持させることができる。
【0021】
ジャケット部38には、蒸気発生器40で発生した飽和水蒸気が導入される給蒸配管41が接続されている。給蒸配管41には、給蒸配管41を開閉して飽和水蒸気のジャケット部38への導入の制御を行う給蒸バルブ44が設けられている。
本実施形態では、蒸気発生器40は、水を加熱する電気ヒータを有しており、蒸気発生器40には、外部から水が供給される水配管42が接続されている。また、水配管42には、蒸気発生器40への水の供給の制御を行うべく、水配管42を開閉可能な給水バルブ45が設けられている。
【0022】
上記の水配管42及び給蒸配管41が、特許請求の範囲でいう供給配管に該当する。そして、給蒸バルブ44及び給水バルブ45が特許請求の範囲でいう供給用制御機器に該当する。
【0023】
なお、蒸気発生器40への給水は、蒸気発生器40内に付着するスケール低減のため、蒸気発生器40に軟水またはRO水などの処理水を供給する場合がある。その場合においては、外部からの水が供給される水配管42を二系統に分け、給水バルブ45の一次側に処理水が供給させるように配管を接続してもよい(図示せず)。
【0024】
圧力容器32には、ジャケット部38内の飽和水蒸気を内缶35へ供給するために、ジャケット部38と内缶35とを連結する蒸気配管46が設けられている。蒸気配管46の中途部には、内缶35への飽和水蒸気の供給を制御するための給蒸バルブ43が設けられている。この蒸気配管46は、圧力容器32のジャケット部38と内缶35を連結し、外部機器からは供給されていないので、供給配管には該当しない。したがって、蒸気配管46は、供給配管には該当せず、圧力容器32の外壁に直接取り付けられており、ユニット化させる配管類ではない。
【0025】
また、蒸気配管46には、エアフィルタ47を介してエアを供給可能なエア供給管49が接続されている。エア供給管49の中途部には、エアの供給を制御するエア供給バルブ51が設けられている。エア供給管49も外部機器からのエアの供給は行っていない。
したがって、エア供給管49は、供給配管には該当せず、圧力容器32の外壁に直接取り付けられており、ユニット化させる配管類ではない。
エア供給管49は、蒸気配管46の中途部に接続されており、内缶35へエアを供給する際には、蒸気配管46内にエアを流通させて行っている。
【0026】
また、ジャケット部38内の圧力を示す圧力計20及びジャケット部38内の圧力が異常となった場合に、ジャケット部38の破損を防止するためにジャケット部38内の圧力を逃がすための安全弁22が設けられている。
【0027】
図2に示す真空発生手段34としては、水エジェクター48と、外部から供給される供給水を貯留するタンク50と、タンク50内の供給水を水エジェクター48に供給するためのポンプ52とを有している。
ただし、本発明の真空発生手段としては、水エジェクター48ではなく、真空ポンプであってもよい。
【0028】
水エジェクター48は、一般的に知られている構成のものを採用することができる。本実施形態における水エジェクター48は、T字状のノズル(図示せず)で構成されており、ポンプ52で加圧された水がノズル入口(
図2では水エジェクター48の上端部)に導入される。
ノズル55は、入口から出口(
図2では、水エジェクター48の下端部)の中途部において流路径が細くなっており、この細くなった部分に、圧力容器32からの排気・排水管56(内缶35内の排気・排水管)が接続されている。
【0029】
水エジェクター48の入口に、ポンプ52によって加圧された水が供給されると、ノズルの細くなった箇所でベンチュリの原理によって流速が速くなり、これにより圧力容器32からの排気・排水管56からの排気が吸引される。
水エジェクター48の出口には、タンク50に接続する排水管57が設けられている。排水管57は、ノズル55を通過したタンク50からの水、並びに排気・排水管56から排気されたエア及び水が流通する。このため、タンク50には、排水管57を介して水エジェクター48の作動流体である水を戻すことができ、また圧力容器32からの排気・排水もタンク50に貯留させることができる。
【0030】
内缶35から排気する排気・排水管56及び排水管57は、特許請求の範囲でいう排気管に該当し、排気を実行する水エジェクター48は、特許請求の範囲でいう排気用制御機器に該当し、ユニット化される配管類である。また、水エジェクター48の動作に必要な機器であるポンプ52及びポンプ52に接続されているタンク50も排気用制御機器に該当し、ユニット化される配管類である。
【0031】
なお、圧力容器32の内缶35からの排気・排水管56には、上述した水エジェクター48に接続されている管とは分岐して、タンク50に直接接続された分岐管58が設けられている。
排気・排水管56の、分岐管58側及び水エジェクター48に接続されている側には、それぞれの管を開閉可能なバルブ59、60が設けられている。これらバルブ59,60の開閉動作によって、内缶35内を真空に引くだけでなく、内缶35からタンク50に直接排気・排水することもできる。
この分岐管58は、特許請求の範囲でいう排気管に該当し、またバルブ59,60は特許請求の範囲でいう排気用制御機器に該当するので、これらの構成は、ユニット化される配管類である。
【0032】
なお、タンク50には、水配管42から分岐する分岐管61が接続され、外部からの水が供給されて貯留される。分岐管61の中途部には、分岐管61を開閉するバルブ62が設けられている。また、タンク50には排水管64が設けられており、タンク50内の水を排水することができる。
分岐管61は、特許請求の範囲でいう供給配管に該当し、バルブ62は、特許請求の範囲でいう供給用制御機器に該当し、ユニット化される。
【0033】
本実施形態では、タンク50に外部からの水を供給するための水配管42の分岐管61は、水エジェクター48の吐出側の排水管57に接続されている。このように、タンク50への給水用の分岐管61を水エジェクター48の排水管57に接続したことにより、水撃作用の防止ができる。
【0034】
また、ジャケット部38内のドレンを排出するドレン排管66が、タンク50に接続されている。
ドレン排管66には、蒸気トラップ67が設けられており、蒸気を含む雰囲気の中からドレンだけを排出して、なるべく蒸気をドレン排管66から排出しないようにしている。
ドレン排管66は、特許請求の範囲でいう排気管に該当し、蒸気トラップ67は、特許請求の範囲でいう排気用制御機器に該当するので、これらの構成はユニット化される。
【0035】
配管ユニット10の構成について、上記の
図1及び
図3に基づいて説明する。なお、
図3は、枠状フレームの斜視図である。
図1では、圧力容器32の開口側から見て、右側面に配管ユニット10が設けられている例を示している。本実施形態における配管ユニット10は、配管ユニット用取付体の一例として、枠状フレームを採用したものである。
本実施形態における配管ユニット10は、水配管42、給蒸配管41、給蒸バルブ44、給水バルブ45、内缶35から排気する排気・排水管56、排水管57、水エジェクター48、ポンプ52、タンク50、分岐管58、バルブ59、バルブ60、分岐管61、バルブ62が、枠状フレーム70に取り付けられて構成される。
【0036】
図3に示すように、枠状フレーム70は、鉛直方向に起立して鉛直面内で四角形状に形成された枠部72と、枠部72の下部において水平方向に延びる脚部73とを有している。枠部72の一方側には各配管、各制御機器が配置され、他方側に圧力容器32の外表面が位置するように配置される。
枠部72は、鉛直方向に延びる2本の縦材75a、75bと、縦材75a、75bの上端部を連結して水平方向に延びる横材76とを有している。
さらに枠部72から、各配管や各機器を取り付けるための複数の取り付け用枠部77,78,79が、水平方向に突出して設けられている。取り付け用枠部77,78,79のは、圧力容器32に干渉しないように、圧力容器32の外表面と反対方向の一方側に突出している。
【0037】
本実施形態における取り付け用枠部77,78は、平面視するとほぼ四角形状に形成されている。また、最上部の横材76に取り付けられている取り付け用枠部79は一方側に突出する2本の横材から構成されている。
これら取り付け用枠部の構成は、ユニット化する配管及び制御機器の個数や種類によって適宜変更すればよい。
【0038】
また、脚部73は、水平面内に平面視四角形状(本実施形態では長方形)となるように配置された4本の角材若しくは平材によって形成されている。枠部72は、脚部73の長方形の長手方向のほぼ中間位置に立設されている。
脚部73の一方側上面には、枠部72の縦材75a,75bとの間で側面視四角形状の台座部80が設けられている。台座部80は、脚部73の一方側先端部から上方に延びる縦材81と、縦材81の上端部から水平方向に枠部72の縦材75a,75bに延びる横材82とを有している。横材82の上面には平板83が配置されている。このように、台座部80は、縦材81によって支持されているので、平板83に、配管や制御機器のうち大型のものや重量物などを設置することができる。例えば、真空ポンプ等は重量があるので、台座部80に取り付けることが好ましい。なお、
図1に示した枠状フレーム70は、このように台座部80が設けられていない例を示している。
【0039】
また、
図3には図示してしないが、
図1に示したように枠状フレーム70には車輪88を設け、移動を容易にすることが好ましい。ただし、圧力容器32に各配管を固定してしまった後は、枠状フレーム70が移動せずに確実に停止しているようにストッパー90を設けることが必要である。
【0040】
図1において、配管ユニット10の各機器の配置について概略説明すると、水エジェクター48は枠状フレーム70内の下方側に配置され、タンク50も水エジェクター48近傍の枠状フレーム70内の下方側に配置されている。
そして、取り付け用枠部77、78,79には複数の各配管、圧力スイッチ、バルブ、フィルタ等が配置されている。これら各配管、各制御機器の配置位置は、配管の取り回しのしやすさ、圧力容器32への接続の容易さ等を考慮して適宜決定すればよい。
【0041】
図1の配管ユニット10では、配管ユニット10と圧力容器32との取り付けを2箇所で行っている。
配管ユニット10を正面視した場合の左上には、圧力容器32から延びる給蒸配管41の端部と、配管ユニット10から圧力容器32側へ延びる給蒸配管41の端部が、それぞれの端部に形成されたフランジ部41a,41bによって連結されている。
また、配管ユニット10を正面視した場合の左下には、圧力容器32から延びる排気・排水管56の端部と、配管ユニット10から圧力容器32側へ延びる排気・排水管56の端部が、それぞれの端部に形成されたフランジ部によって連結されている(
図3では圧力容器32の下に隠れていて見えない)。
このように、一旦配管ユニット10を組み立ててしまえば、圧力容器32への各配管、各制御機器の組み付けが、極めて簡単に行われる。本実施形態では、2箇所の配管接続だけで、圧力容器32への配管ユニット10の組み付けが終了する。ただし、配管ユニット10と圧力容器32への接続箇所は2箇所に限定するものではない。
【0042】
図2に示したように、枠状フレーム70は、正面視(一方側から見ると)すると左右対称である。このため枠状フレーム70を、圧力容器32の右側面(正面から見た場合に右側)に配置する場合であっても、圧力容器32の左側面に配置する場合であっても、どちらの場合であっても採用することができる。
【0043】
図4には、配管ユニット10を、圧力容器32の左側面(正面から見た場合に左側)に配置した場合の平面図を示している。
この場合には、
図1に示した圧力容器32の右側面に配置される枠状フレーム70と共通の枠状フレーム70を用いることができる。
【0044】
図5には、真空発生手段として、真空ポンプを用いた例における配管ユニット及び圧力容器の斜視図を示す。
図5では、圧力容器32の前面カバー31及び背面カバー29を取り外した状態を図示している。また、
図1で示した構成要素と同一の構成要素については同一の符号を付し、説明を省略する場合もある。
図5の実施形態によれば、枠状フレーム70には台座部80が形成され、台座部80に真空ポンプ91が設置される。
真空ポンプ91のように重量がある機器であっても、車輪88が設けられた枠状フレーム70に取り付けることで、圧力容器32への組み付けが容易に行われる。
【0045】
また、
図5では、前面カバー31を取り外した状態であるので、
図1では前面カバー31に隠れていて見えなかった箇所について説明する。
圧力容器32の外壁上面には、安全弁22が取り付けられている。これらは配管ユニット10には配置されず、圧力容器32に直接固定される。また、エアフィルタ47、エア供給管49、ジャケット部38と内缶35とを連結する蒸気配管46も圧力容器32の外壁に直接取り付けられている。
【0046】
このように圧力容器32の外壁に直接取り付けられ、その後移動等の際にも取り外すことが無い安全弁22、圧力容器32内の圧力を直接測定する圧力計20、エアを圧力容器32内に供給するエア供給管49、エアフィルタ47については、配管ユニット10には配置されず、ユニット化されることはない。
さらに、上述してきた各実施形態では図示していないが、ユーザが蒸気滅菌装置を操作する操作部及び電装部についても配管ユニット10には配置されず、ユニット化されることはない。
【0047】
なお、上述してきた各実施形態では、蒸気滅菌装置30内に蒸気発生器40を内蔵したものについて説明してきた。しかし、本発明としては、このような構成に限定するものではない。
例えば、蒸気滅菌装置30の外部に設けられた蒸気発生器から蒸気を導入する場合には、外部からの蒸気を導入するための給蒸配管についても配管ユニット10に配置するようにするとよい。
【0048】
(第2の実施形態)
次に、
図6に基づいて、蒸気滅菌装置の他の構成である第2の実施形態の略線図について説明する。なお、上述した実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付し、説明を省略する場合もある。
第2の実施形態では、蒸気滅菌装置において圧縮エアーを用いている点で第1の実施形態とは異なる。また、本実施形態の蒸気滅菌装置30も第1の実施形態と同様に、被滅菌物を収納する内缶35と、内缶35と外缶36との間ジャケット部38が形成された二重缶構造の圧力容器32を有している。
【0049】
図6の蒸気配管92の一端部は図示しないボイラに接続され、他端部はジャケット部38に接続されている。ボイラで生じた蒸気は、蒸気配管92を通じてジャケット部38内に供給され、内缶35を加熱することができる。また、蒸気配管92の中途部には、蒸気の供給を制御すべく管を開閉可能な給蒸バルブ93と、蒸気配管92内に蒸気が存するか否かを検出する給蒸圧力スイッチ94と、安全弁96が設けられている。なお、内缶35の加熱に使用されて凝縮したドレンは、蒸気トラップ98が設けられた排出管99を通して、外部へ排出される。ここで、符号100が排出管99の開閉を行なうボールバルブである。
【0050】
内缶35内に空気を導入するためのエア供給管が符号102である。エア供給管102にはエアフィルタ104およびエア供給バルブ105が設けられている。なお、このエア供給バルブ105は三方弁であって、三方のうち一方に飽和水蒸気を内缶35内に供給するための配管106が配設されており、三方弁の切換えによって配管106を通して、内缶35内に蒸気または空気が供給される。
【0051】
内缶35内に供給されて被滅菌物を加熱して滅菌を施した水蒸気のドレンは、排出管108および蒸気トラップ110を経由して排出される。また、符号111は、排出管108を開閉するボールバルブである。また、符号112は真空配管である。真空配管112は、内缶35内から排気、蒸気の排出等を行なうべく接続されている。真空配管112には、三方弁であるモータバルブ114が接続されている。モータバルブ114には、真空配管112と、真空ポンプ116側からの配管117と、排出管108,99側に接続された排出管119とが接続されている。また、真空配管112の中途部には、滅菌圧力計118が接続されると共に、内缶35内の圧力を測定する圧力センサ120と、扉を開けることが可能かを判断するために、内缶35に圧力を有しているか否かを検出する安全圧力スイッチ122と、内缶35の温度を検出する内缶温度センサ124とが接続されている。
【0052】
配管117と真空ポンプ116との間には、シャワーノズルを有する給水プラグ126が接続されている。さらに、この給水プラグ126には、真空ポンプ116に水を供給する給水管128が接続されている。給水管128には、管の開閉を行なう給水バルブ129が設けられると共に、給水管129に給水すべき水が存在しているか否かを検出する給水圧力スイッチ130が設けられている。
【0053】
圧縮空気源から、圧縮空気元バルブ132を介して内缶35を開閉する扉(図示せず)の密閉を図るためのパッキン134に、圧縮空気が配管135を通って供給される。配管135の中途部には圧縮空気圧力スイッチ136が設けられている。
【0054】
図6の実施形態のように、圧縮空気を外部から導入して、各バルブやパッキン134を駆動する構造の蒸気滅菌装置において、特許請求の範囲でいうユニット化される供給配管として、蒸気配管92、給水管128、及び圧縮空気源に接続された配管135が含まれる。
【0055】
また、本実施形態でいうユニット化される供給用制御機器には、上述した蒸気配管92、給水管128、及び圧縮空気源に接続された配管135に接続された制御機器が全て含まれるものである。具体的には、蒸気配管92に接続された給蒸バルブ93と、蒸気配管92内に蒸気が存するか否かを検出する給蒸圧力スイッチ94はユニット化される。また、給水管123に接続された、真空ポンプ116、給水バルブ129、給水圧力スイッチ130もユニット化される。さらに、圧縮空気源に接続された配管135圧縮空気圧力スイッチ136もユニット化される。
【0056】
また、本実施形態でいうユニット化される排気管には、真空配管112、真空ポンプ126からの配管117、ジャケット部38からの排出管99、内缶35からの排出管108が含まれる。
そして、本実施形態でいうユニット化される排気用制御機器として、真空ポンプ126、モータバルブ114、2つの蒸気トラップ98、ボールバルブ100が含まれる。
【0057】
第2の実施形態においても、ユニット化される供給配管、供給用制御機器、排気管、排気用制御機器については、
図3に示した枠状フレームに取り付けることにより、ユニット化される。
なお、第2の実施形態において、ユニット化されずに圧力容器32に直接固定される構成としては、安全弁96、エア供給管102、エアフィルタ104、エア供給バルブ105がある。
【0058】
(第3の実施形態)
次に、
図7に基づいて、滅菌装置の他の構成である第3の実施形態の略線図について説明する。なお、上述した実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付し、説明を省略する場合もある。
第3の実施形態では、滅菌剤としては蒸気を用いるのでなく、酸化エチレンガスを用いている。また、本実施形態の蒸気滅菌装置30も第1の実施形態及び第2の実施形態と同様に、被滅菌物を収納する内缶35と、内缶35と外缶36との間ジャケット部38が形成された二重缶構造の圧力容器32を有している。
【0059】
図7の符号140は内缶35内に清浄空気を導入するためのエアフィルタである。エアフィルター140からエア供給管142を通った清浄空気は、エア供給バルブ144を介して内缶35内に導入される。
【0060】
酸化エチレンガスは、ボンベ(図面上ではE.O.Gと表記する。)内に封入され、ボンベが接続されたガス供給管145を通して内缶35内に供給される。ガス供給管145は、ガスフィルター147、給ガス弁148、気化器150を介して内缶35内に酸化エチレンガスを導入することができるように接続されている。なお、ガス供給管145とエア供給管142とは途中で1本になるように接続されている。ガス供給管145とエア供給管142の接続部分には安全弁151が設けられている。また、内缶35内を加湿するために、図示しない蒸気発生装置が蒸気配管152、加湿弁154を介して内缶35へ接続されている。
【0061】
真空ポンプ155は、内缶35から外部へ向かって延びる排気管156に接続され、内缶35内の空気を引いて真空状態にする。真空ポンプ155には、給水管164が接続されており、外部からの呼び水が導入される。また、給水管164は真空ポンプ155の接続前に分岐し、ジャケット部38に接続されている。
【0062】
圧力容器32には、少なくとも2つの温度センサが設けられている。そのうちの一方が外缶温度センサ158であって、外缶36の温度を測定している。2つの温度センサのうちの他方が内缶温度センサ160である。内缶温度センサ160は、内缶35内の温度を測定するようにしている。圧力センサ162は、内缶35内の圧力を測定することができるように内缶35内に接続されている。
【0063】
図7の実施形態のように、酸化エチレンガスを外部から導入して、滅菌を行う滅菌装置において、特許請求の範囲でいうユニット化される供給配管として、蒸気配管152、給水管164、及びE.O.Gに接続されたガス供給管145が含まれる。
また、本実施形態でいうユニット化される供給用制御機器には、上述した蒸気配管152、給水管164、及びガス供給管145に接続された制御機器が全て含まれるものである。
【0064】
また、本実施形態でいうユニット化される排気管には、排気管156が含まれる。
そして、本実施形態でいうユニット化される排気用制御機器として、真空ポンプ155が含まれる。
【0065】
なお、第3の実施形態において、ユニット化されずに圧力容器32に直接固定される構成としては、外缶温度センサ158、内缶温度センサ160、圧力センサ162、エアフィルタ140、エア供給管142、エア供給バルブ144、安全弁151が含まれる。
【0066】
なお、第3の実施形態においては、滅菌剤として酸化エチレンガスを用いたものについて説明したが、滅菌剤として気化させた過酸化水素や、ホルムアルデヒドガス(蒸気との混合を含む)を用いた場合の滅菌装置でも、配管ユニットを構成して製造時の組み立て時間の短縮、配管や部品のレイアウト設計の簡略化及び輸送時の手間を省くことができる。
【0067】
また、上述した各実施形態では、被滅菌物を収容する滅菌槽として二重缶構造の圧力容器について説明してきた。しかし、滅菌槽としては圧力容器に限定するものではなく、耐圧密閉容器であればよい。
【0068】
なお、上述した各実施形態では、配管ユニット用取付体として、複数のフレームによって構成された枠状フレームを例に挙げて説明してきた。しかし、配管ユニット用取付体としては、枠状フレームに限られることはなく、板状のパネルを採用してもよい。
すなわち、圧力容器32とは別体の板状のパネル(図示せず)に、少なくとも、供給配管、供給用制御機器、排気管及び排気用制御機器を取り付けることにより、製造時の組み立て時間の短縮、配管や部品のレイアウト設計の簡略化を達成でき、且つ輸送時及び据え付け時の手間を省くことができる。なお、板状のパネルと言っても、転倒しないように下端部は幅広の構成にし、また移動が容易となるように下端部に車輪を設けるようにするとよい。
【0069】
さらに、配管ユニットとしては、配管ユニット取付体に、少なくとも、供給配管、供給用制御機器、排気管及び排気用制御機器を取り付けて一体化するのではなく、供給配管及び排気管をそれぞれマニホールド化し、一体となすように構成してもよい。
このような構成によれば、枠状フレームや板状のパネルである配管ユニット取付体を用いなくても、製造時の組み立て時間の短縮、配管や部品のレイアウト設計の簡略化を達成でき、且つ輸送時及び据え付け時の手間を省くことができる。