【実施例1】
【0015】
図2において符号7は第1基板を、符号8は第2基板を夫々示し、第1基板7の第2基板に対向する面(
図2で下面)の所定の個所、すなわち、第1基板7の
図2で左側には、厚い保持盤9が例えばボルト止め(図示せず)されている。
【0016】
この保持盤9(
図3参照)の中央には、内周面に台形雌ねじを形成したねじ筒11(
図2、
図4及び
図5参照)とこのねじ筒11の外側に嵌合するウォーム歯車12とを同軸かつ一体的に結合した駆動リング13(
図4及び
図5参照)が第1基板7に垂直な中心軸の周りを回動可能に支承されている。
【0017】
図示の実施例おける駆動リング13は、
図2に示すように、保持盤9の中央に開口した段付の支持孔14(
図3参照)に回動可能に嵌合しており、この駆動リング13の段付の下面は、蛇の目状の厚板の上面に同軸の環堤部を一体に結合したカバーリング15により閉塞されている。
【0018】
なお、上記カバーリング15は図示しない止めボルトにより保持盤9に固着されており、その結果、駆動リング13は基板7に垂直な中心軸(ねじ筒11の中心軸)方向の移動を拘束された状態で、基板7に回動可能に支承されることになる。
【0019】
また、保持盤9の下面のねじ筒11と整合する部分は肉が盗まれてねじ筒とほぼ同径の凹陥部が形成され、その結果ねじ筒11の上端部はその凹陥部と遊嵌している。
【0020】
これは、この発明によるアタッチメントを低くし、2個目以降の金型のダイハイトの調整量を大きくするためである。
【0021】
一方、
図2及び
図5に示すように、ねじ筒11の内側には台形ねじ杆16が螺合しており、この台形ねじ杆16の第2基板側の端部に第1及び第2基板7、8と並行な取付板17が一体的に結合されている。
【0022】
図示の実施例における取付板17は、
図5に示すように、台形ねじ杆16の下端に一体に形成されたフランジを貫通する付番しない止めボルトにより台形ねじ杆16に結合されている。
【0023】
他方、上記駆動リング13の近傍には、
図2、
図4及び
図5に示すように、第1及び第2基板7、8に平行なシャフト18が配設されている。
【0024】
そして、このシャフト18の中央部に形成されたウォームねじ19がウォーム歯車12と噛み合っている。
【0025】
ちなみに、ウォーム歯車12の近傍にウォームねじ19を配設するには、例えば
図3に示すように、保持盤9の上面に支持孔14と干渉する水平投影形状が略矩形の凹陥部21を形成する。
【0026】
そして、この凹陥部21中にキー22(
図5参照)によってシャフト18に結合されたウォームねじ19をシャフトから抜き外し、ウォームねじ19のみを縦にして凹陥部に落とし込み、このときウォームねじ19とウォーム歯車12とを噛み合わせる。
【0027】
次いで、シャフト18のキー溝23(
図4参照)にキー22を嵌め込んだ状態で、シャフト18の
図4における上端部から保持盤9を水平方向に貫通するキー溝23付のシャフト孔24(
図3参照)に差し込む。
【0028】
このときシャフト18のキー溝23に嵌め込んだキー22をシャフト孔24及びウォームねじ19のキー溝と整合させてシャフト孔に差し込むことが肝要で、このようにすることにより、ウォームねじ19を凹陥部に差し込んだ状態でシャフト18とウォームねじ19とを一体的に結合することができる。
【0029】
なお、凹陥部21(
図3参照)の
図2における縦方向の寸法をウォームねじ19の長さより少し大きく設定することにより、ウォームねじ19を回動可能に支持案内するとともに、長さ方向に移動することを拘束できる。
【0030】
上記のように構成されたこの発明の一実施例によるアタッチメントは、
図2に示すように、取付板17の下面にクランプ25を介して2個目以降の金型の上板をボルト止めする。
【0031】
また、上記金型の下板27を、クランプ25を介して前記第2基板8の上面にボルト止めする。
【0032】
なお、
図2において右側における符号27は1個目の金型の上板を、同じく符号28は1個目の金型の下板を夫々示す。
【0033】
そして、1個目の金型の上板は、前記保持盤9と同じ厚さのスぺーサー28を介して第1基板7に、1個目の金型の下板27は直接に第2基板8にボルト止めされている。
【0034】
そして、シャフト18の外端に形成された異形断面部に係合させたボックスレンチによりウォームねじ19を回せば、これと噛み合うウォーム歯車12及びこれと一体のねじ筒が回動し、結果台形ねじ杆16が上下する。
【0035】
したがって、1個目及び2個目以降の金型のダイハイト、すなわち、それぞれの金型の上板27の上面と下板28の下面との間隔が異なっていても、第1基板7の上面と第2基板の下面との間隔、すなわちプレス機から見た両金型のダイハイトを同一にすることができ、両金型による塑性加工をプレス機の1回の作動により同時にできる。
【0036】
このとき、金型に印加される力はアタッチメントにも印加されるが、その力は台形ねじ杆16と台形雌ねじ孔との螺合部によって担持されるので、プレス機の加工力によりアタッチメントが壊れてしまうことは無い。