(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
半導体装置の外観検査を行うため、光学式の半導体検査装置は、微細なパターンを光学的に結像させるために高精度な自動焦点制御の機能を備えた顕微鏡システムを搭載している(例えば、特許文献1参照)。
図8は、一般的な光学式の半導体検査装置の概要を示す図である。光照射部101は、顕微鏡の光学系102に対して光を出射する。これにより、光学系102は、光照射部101から入射した光を、内部の反射板などによりXYZステージ104に配置されている半導体ウェハ105の表面に照射光として照射する。撮像装置103は、この照射光からの反射光により、半導体ウェハ105表面を撮像する。このとき、焦点位置制御部106は、光学系102の焦点位置のずれを検出して、XYZステージ104を、光学系102の光軸に対して平行に移動させ、すなわちZ方向に移動させて合焦させる焦点位置の制御を行う。
【0003】
ここで、焦点位置制御部106は、被測定対象である半導体ウェハ105の表面からの反射光により、顕微鏡の光学系102の焦点位置に対する半導体ウェハ105のずれ量を検出する。
そして、焦点位置制御部106は、焦点位置に対するずれ量を示す焦点誤差信号を、半導体ウェハ105が搭載されているXYZステージ104のX軸、Y軸及びZ軸方向に対する3次元調整を行うステージ制御機構107にフィードバックする。
これにより、ステージ制御機構107は、フィードバックされた焦点誤差信号によって、半導体ウェハ105の表面が顕微鏡の光学系102の焦点位置に合うように、XYZステージ104のZ軸方向における位置制御を行う。
【0004】
図9は、外観検査用の半導体検査装置の観察対象である半導体ウェハ105の表面の形状を説明する図である。
図9(a)は、半導体ウェハ105のチップが形成されている表面の構成を示す図である。
図9(b)は、
図9(a)における半導体ウェハ105の領域Rの部分を拡大した図である。
図9(c)は、
図9(b)における領域Rの線分BB’による半導体ウェハ105の線視断面を示す図である。
【0005】
半導体ウェハ105は、
図9(a)に示すように、チップ105Tが周期的に複数個配列されて形成されている。また、
図9(b)に示すように、例えばチップ105Tが半導体記憶装置の場合、チップ105Tは、メモリセルが形成されるセル領域105Cと、メモリセルに対する情報の書き込み及び読み出し等を行うペリフェラル領域105Pとを含んで形成されている。このセル領域105Cとペリフェラル領域105Pとの高さが異なるため、焦点誤差信号が示す焦点位置に対するずれ量が、セル領域105Cとペリフェラル領域105Pとで異なる。
【0006】
また、
図10は、
図9(b)における線分BB’における実際の半導体ウェハ105の断面を示す図である。この
図10において、横軸が半導体ウェハ105における位置を示し、縦軸が半導体ウェハ位置における半導体ウェハの厚さを示している。
図10に示すように、実際には半導体ウェハ105の厚さが部分的に異なり、表面的なうねりが存在している。このため、焦点誤差信号には、このうねりの角度θによる高さ変化の成分が含まれることになる。
【0007】
図11は、
図10に示す半導体ウェハ105の断面における焦点誤差信号を示す波形図である。この
図11において、縦軸が電圧レベルであり、横軸が半導体ウェハ105の位置を示している。ここで、
図11においては、半導体ウェハ105表面の変化により検出された焦点誤差が点線で示されている。また、この点線で示された焦点誤差に対してローパスフィルタをかけた波形が一点鎖線であり、このローパスフィルタをかけた波形に対して、オフセットを印加して生成した焦点誤差信号が実線で示されている。焦点位置制御部106は、この実線の焦点誤差信号に基づいて、ステージ制御機構107を介してXYZステージ104をZ軸方向に移動させ、半導体ウェハ105の表面の焦点位置を制御する。
【0008】
図12は、
図10に示す半導体ウェハ105の断面における焦点誤差信号を示す波形図である。この
図12において、縦軸が電圧レベルであり、横軸が半導体ウェハ105の位置を示している。この
図12においては、
図11のようにローパスフィルタによるフィルタ処理などの特別な信号処理をせず、検出される焦点誤差そのままを焦点誤差信号として、XYZステージ104の位置制御を行う。
図11及び
図12のいずれの焦点誤差信号を用いたとしても、半導体ウェハ105表面の欠陥を光学的に検査するため、高精度な焦点制御が行われる。すなわち、XYZステージ104をXYの2次元平面で移動する際、半導体ウェハ105の厚さ等により生じる焦点位置ずれを補正するため、XYZステージ104をZ方向に移動させる必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、
図11に示す焦点誤差信号を用いる場合、ローパルフィルタの平滑化により、ペリフェラル領域105Pとセル領域105Cとの境界近傍における焦点誤差信号が、実際の焦点誤差に対して大きな誤差を有する。このため、この境界部分に誤差を有する焦点誤差信号を焦点位置制御に用いることにより、境界近傍の焦点位置制御の精度が低下してしまう欠点がある。
図11の場合、セル領域105Cの外観検査を行うため、セル領域105Cの表面が焦点位置にあうように制御される。
【0011】
すなわち、
図11の場合には、半導体ウェハ105における厚さのうねりによる表面の傾きのみを検出するため、上述したローパスフィルタを挿入した焦点誤差の検出を行う。そして、観察対象のセル領域105Cに追従するように、検出された焦点誤差に対してオフセットを印加する制御が行われている。
このとき、半導体ウェハ105の表面のうねりのみに追従するため、ペリフェラル領域105P(Peri)とセル領域105C(Cell)との境界の様に段差に対しては、すでに述べたように高精度な追従が行われない。このため、すでに述べたように、境界近傍の焦点位置制御の精度が低下するため、境界近傍における外観検査の精度も低くなる。
【0012】
また、
図12の場合には、半導体ウェハ105が搭載されているXYZステージ104を移動させるステージ制御機構107の許容する範囲において、焦点誤差信号の応答特性を向上することは可能である。
しかしながら、ペリフェラル領域105Pとセル領域105Cとの一方から他方に対しれ領域が切り替わる際、段差部分で急激に信号強度が変化することにより、焦点誤差信号に対して過渡応答が発生する。このため、領域が切り替わってからしばらくの間、焦点誤差信号が実際の焦点位置の誤差に追従できず、境界近傍の焦点位置制御の精度が低下するため、境界近傍における外観検査の精度も低くなる。
【0013】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、厚さが異なる領域の境界近傍においても、実際の焦点位置の誤差に追従した焦点位置信号を生成し、この焦点位置信号により高精度な焦点位置制御を行う焦点制御装置及びその方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の焦点制御装置は、光学系に対する観察対象の焦点位置からの誤差を示す焦点誤差信号に対して補正を行う誤差信号補正部と、観察対象領域及び当該観察対象領域と異なる高さの非観察対象領域の間において、前記光学系の観察する領域が切り替わる際、観察対象領域及び非観察対象領域の各々に対応する領域信号を出力する領域切り替わり検出部とを備え、前記誤差信号補正部が、前記領域信号が前記非観察対象領域を示す場合、前記焦点誤差信号に対して前記観察対象領域における焦点位置からの誤差に対応する数値となる補正を行うことを特徴とする。
【0015】
本発明の焦点制御装置は、前記誤差信号補正部が、スイッチとコンデンサとを有しており、前記スイッチの一方が前記焦点誤差信号が入力される端子に接続され、当該スイッチの他方がコンデンサの一端に接続され、当該コンデンサの他端が接地されており、前記領域信号が観察対象領域を示す場合に前記スイッチをオン状態とし、前記領域信号が非観察対象を示す場合に前記スイッチをオフ状態として前記焦点誤差信号の補正を行うことを特徴とする。
【0016】
本発明の焦点制御装置は、前記誤差信号補正部が、加算器と定電圧部と2入力1出力のスイッチとを有しており、前記定電圧部が所定のオフセット電圧を出力し、前記加算器が前記焦点誤差信号に対して前記オフセット電圧を加算して補正焦点誤差信号を生成し、前記スイッチの2入力の一方の入力に前記焦点誤差信号が供給され、前記スイッチの2入力の他方の入力に前記補正焦点誤差信号が供給され、前記領域切り替わり検出部が前記領域信号が観察対象領域を示す場合に前記スイッチの2入力の一方、すなわち前記焦点誤差信号が前記スイッチの出力と接続状態となり、前記領域信号が非観察対象を示す場合に前記スイッチの2入力の他方、すなわち前記補正焦点誤差信号が前記スイッチの出力と接続状態となって前記焦点誤差信号の補正を行うことを特徴とする。
【0017】
本発明の焦点制御装置は、前記領域切り替わり検出部が、前記観察対象領域及び前記非観察対象領域の位置座標を記憶したウェハマップ記憶部と、光学系の現在の観察対象が前記観察対象領域あるいは前記非観察対象領域のいずれかであるかを、前記ウェハマップ記憶部を参照して前記領域信号を前記誤差信号補正部に対して出力する前記マップ照合部とを有することを特徴とする。
【0018】
本発明の焦点制御方法は、誤差信号補正部が、光学系に対する観察対象の焦点位置からの誤差を示す焦点誤差信号に対して補正を行う誤差信号補正過程と、領域切り替わり検出部が、観察対象領域及び当該観察対象領域と異なる高さの非観察対象領域の間において、前記光学系の観察する領域が切り替わる際、観察対象領域及び非観察対象領域の各々に対応する領域信号を出力する領域切り替わり検出過程とを含み、前記誤差信号補正部が、前記領域信号が前記非観察対象領域を示す場合、前記焦点誤差信号に対して前記観察対象領域における焦点位置からの誤差に対応する数値となる補正を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
この発明によれば、観察対象領域の高さに対応するように、非観察対象領域における焦点誤差信号を補正するため、段差が異なる領域の境界近傍においても、実際の焦点位置の誤差に追従した焦点位置信号を生成し、この焦点位置信号により高精度に、光学系に対する観察対象の位置を制御する焦点位置制御を行うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
<第1の実施形態>
以下、図面を参照して、本発明の第1の実施形態について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態による焦点制御装置の構成例を示す概略ブロック図である。以下、
図8で示す半導体ウェハ105の表面の外観検査を行う、顕微鏡を有する半導体検査装置におけるこの顕微鏡の焦点位置制御部106と置き換える構成として、本実施形態の焦点制御装置を説明する。
本実施形態の焦点制御装置は、焦点誤差検出部1、誤差信号補正部2、領域切り替わり検出部3、ドライバ4、Z方向ステージ制御部5、XY方向ステージ制御部6を備えている。
【0022】
焦点誤差検出部1は、
図8の顕微鏡の光学系102の半導体ウェハ105表面に対する焦点位置のずれ量を電圧レベルに変換して、焦点誤差信号として出力する。
誤差信号補正部2は、焦点誤差検出部1から供給される焦点誤差信号に対して、領域信号(後述)が非観察対象領域を示す場合、観察対象領域における焦点位置からの誤差に対応する数値となる補正を行う。
【0023】
領域切り替わり検出部3は、光学系102が現在(現時点)において観察している領域が非観察対象領域及び観察対象領域のいずれかであることを示す領域信号を出力する。本実施形態においては、観察対象領域を半導体ウェハ105表面のセル領域105Cとし、非観察対象領域を半導体ウェハ105のペリフェラル領域105Pとして説明する。また、XY方向ステージ制御部6は半導体ウェハ105表面における欠陥の検出に必要な時間を満たす所定の速度により、XYZステージ104をX方向あるいはY方向に移動させる。この際、移動させた距離である移動距離を領域切り替わり検出部3に対して出力する。
【0024】
ドライバ4は、XYZステージ104を駆動させるステージ制御機構107を稼働させるため、供給される焦点誤差信号の電力増幅を行う。Z方向ステージ制御部5は、供給される電力増幅された焦点誤差信号により、ステージ制御機構107を焦点位置のずれ量に対応する焦点誤差信号によって駆動させ、XYZステージ104をZ軸方向に移動させる。
XY方向ステージ制御部6は、ステージ制御機構107を所定の速度によって、駆動させ、XYZステージ104をX軸及びY軸の2次元平面上において移動させる。
【0025】
次に、誤差信号補正部2による焦点誤差信号の補正処理について説明する。誤差信号補正部2は、スイッチ21、コンデンサ22及びオペアンプ23を備えている。また、領域切り替わり検出部3はマップ照合部31及びウェハマップ記憶部32を備えている。
ウェハマップ記憶部32には、半導体ウェハ105の表面(2次元座標)におけるチップ105T各々のチップ位置座標と、このチップ105Tにおけるセル領域105C及びペリフェラル領域105Pとを判別する領域位置座標とを示すウェハマップが予め書き込まれて記憶されている。
【0026】
XY方向ステージ制御部6は、XYZステージ104をX方向あるいはY方向に移動させた際、この移動させた距離である移動距離を移動速度と移動時間とによりマップ照合部31に対して出力する。ここで、半導体ウェハ105には、アライメントマーク105Mが設けられている(
図9(a)参照)。XY方向ステージ制御部6は、予めアライメントマーク105Mにより基本位置に初期化された状態からX方向及びY方向へのXYZステージ104の移動距離をマップ照合部31に対して出力する。
【0027】
また、ウェハマップにおけるチップ位置座標と領域位置座標とは、基本位置に対応して決定された座標となっている。上述した構成により、マップ照合部31は、XY方向ステージ制御部6から供給される移動距離の積算値と、ウェハマップにおけるチップ位置座標及び領域位置座標とを比較し、光学系102の観察している領域の位置を検出する。そして、マップ照合部31は、光学系102の観察している領域、すなわち撮像装置103が撮像している領域が、半導体ウェハ105のチップ105Tにおいて、観察対象のセル領域105Cあるいは非観察対象のペリフェラル領域105Pのいずれかであるかを示す領域信号を誤差信号補正部2に対して出力する。ここで、撮像装置103の撮像範囲に観察対象及び非観察対象の双方が含まれている場合、マップ照合部31は、観察対象に対して焦点位置が合うように制御されるように、観察対象の領域を示す領域信号を出力する。
【0028】
誤差信号補正部2において、スイッチ21は、マップ照合部31から供給される領域信号が観察対象を示す場合(例えば、領域信号の信号レベルが「H」の場合)、オン状態(導通状態)となり、焦点誤差検出部1から供給される焦点誤差信号の電圧レベルをコンデンサ22に蓄積させる。
一方、スイッチ21は、マップ照合部31から供給される領域信号が非観察対象を示す場合(例えば、領域信号の信号レベルが「L」の場合)、オフ状態(非導通状態)となり、コンデンサ22に観察対象における焦点誤差信号の電圧レベルを保持させる。
また、必要に応じて、撮像装置が撮像する検査領域(外観検査を行う領域)を微調整することにより、すなわちこの検査領域を狭めることにより、微少に残った過渡応答を避けることが可能となる。
【0029】
図2は、第1の実施形態における誤差信号補正部2による焦点誤差信号の補正処理を説明するグラフである。この
図2において、横軸はウェハ位置を示し、縦軸は焦点誤差信号の電圧レベルを示している。破線は、焦点誤差検出部1から供給される元の焦点誤差信号を示している。また、実線は、誤差信号補正部2が焦点誤差検出部1から供給される元の焦点誤差信号を補正した後のドライバ4に供給される焦点誤差信号を示している。
誤差信号補正部2は、領域切り替わり検出部3から観察対象であるセル領域105Cであることを示す領域信号が供給されている場合、焦点誤差検出部1から供給される元の焦点誤差信号をそのままの電圧レベルでドライバ4に対して供給するとともに、コンデンサ22にこの電圧レベルを蓄積させる。
【0030】
一方、誤差信号補正部2は、領域切り替わり検出部3から非観察対象であるペリフェラル領域105Pであることを示す領域信号が供給されている場合、コンデンサ22に蓄積されている、焦点誤差検出部1から供給されるセル領域105Cにおける焦点誤差信号の電圧レベルをドライバ4に対して供給する。
これにより、Z方向ステージ制御部5に対して供給される焦点誤差信号において、セル領域105Cからペリフェラル領域105Pへの切り替わりの境界における過渡応答が無くなる。また、ペリフェラル領域105Pからセル領域105Cへの切り替わりの境界における過渡応答は、コンデンサ22が蓄積されたウェハ位置における厚さが保持されるため、焦点誤差検出部1から異なるウェハ位置のセル領域105Cの電圧レベルの焦点誤差信号が供給されるので、半導体ウェハ105の厚さのうねり分の誤差が過渡応答となる。
【0031】
したがって、本実施形態によれば、従来に比較して、過渡応答における電圧変動が減少し、より高精度に光学系102に対する半導体ウェハ105表面の距離の位置制御を行うことができる。したがって、本実施形態によれば、光学系102の半導体ウェハ105表面に対する焦点位置の制御が高精度に行えるため、撮像装置103が撮像する撮像画像を境界領域においても鮮明化することができ、半導体ウェハ105の表面の外観検査における欠陥の発見の精度を上げることができる。
【0032】
<第2の実施形態>
以下、図面を参照して、本発明の第2の実施形態について説明する。
図3は、本発明の第2の実施形態による焦点制御装置の構成例を示す概略ブロック図である。以下、
図8で示す半導体ウェハ105の表面の外観検査を行う半導体検査装置における焦点位置制御部106と置き換える構成として、本実施形態の焦点制御装置を説明する。
本実施形態の焦点制御装置は、焦点誤差検出部1、誤差信号補正部2A、領域切り替わり検出部3、ドライバ4、Z方向ステージ制御部5、XY方向ステージ制御部6を備えている。第2の実施形態において、第1の実施形態と異なる点は、誤差信号補正部2が誤差信号補正部2Aに替わったのみである。第2の実施形態は、他の構成について、第1の実施形態と同様である。以下、第1の実施形態と異なる誤差信号補正部2Aの構成および動作について説明する。
【0033】
誤差信号補正部2Aは、加算器25、定電圧部26及びスイッチ27を備えている。定電圧部26は、予め設定された電圧値のオフセット電圧を出力する。加算器25は、焦点誤差検出部1から供給される焦点誤差信号の電圧レベルに対して、定電圧部26の出力するオフセット電圧を加算し、加算結果を補正後の焦点誤差信号として出力する。このオフセット電圧は、予め観察対象領域と非観察対象領域との高さの差分を測定し、この差分に対応する電圧として設定されている。
【0034】
スイッチ27は、2入力1出力のスイッチであり、供給される領域信号を選択信号として、2入力の一方かあるいは他方かのいずれかを出力する。2入力の一方の入力には焦点度差検出部1からの焦点誤差信号が供給されており、2入力の他方の入力には加算器25が出力する補整後の焦点誤差信号が供給されている。すなわち、スイッチ27は、焦点誤差検出部1から供給される焦点誤差信号をドライバ4に出力するか、あるいは加算器25から供給される補整後の焦点誤差信号をドライバ4に出力するかの切り替えを行う。
【0035】
本実施形態において、スイッチ21は、マップ照合部31から供給される領域信号が観察対象を示す場合(例えば、領域信号の信号レベルが「H」の場合)、2入力の一方がドライバ4の入力とが接続状態(導通状態)となり、焦点誤差検出部1から供給される焦点誤差信号をドライバ4に対して出力する。
一方、スイッチ27は、マップ照合部31から供給される領域信号が非観察対象を示す場合(例えば、領域信号の信号レベルが「L」の場合)、2入力の他方がドライバ4の入力とが接続状態(導通状態)となり、加算器26から供給される補正された(オフセット電圧が加算された)焦点誤差信号をドライバ4に対して出力する。
【0036】
図4は、第2の実施形態における誤差信号補正部2Aによる焦点誤差信号の補正処理を説明するグラフである。この
図4において、横軸はウェハ位置を示し、縦軸は焦点誤差信号の電圧レベルを示している。破線は、焦点誤差検出部1から供給される元の焦点誤差信号を示している。また、実線は、誤差信号補正部2Aが焦点誤差検出部1から供給される元の焦点誤差信号を補正した後のドライバ4に供給される焦点誤差信号を示している。
誤差信号補正部2Aは、領域切り替わり検出部3から観察対象であるセル領域105Cであることを示す領域信号が供給されている場合、焦点誤差検出部1から供給される元の焦点誤差信号をそのままの電圧レベルでドライバ4に対して供給する。
【0037】
一方、誤差信号補正部2Aは、領域切り替わり検出部3から非観察対象であるペリフェラル領域105Pであることを示す領域信号が供給されている場合、オフセット電圧が加算されて補正された焦点誤差信号の電圧レベルをドライバ4に対して供給する。
これにより、Z方向ステージ制御部5に対して供給される焦点誤差信号において、セル領域105Cからペリフェラル領域105Pへの切り替わりの境界における過渡応答と、ペリフェラル領域105Pからセル領域105Cへの切り替わりの境界における過渡応答との双方をなくすことができる。
したがって、本実施形態によれば、従来に比較して、過渡応答における電圧変動が減少し、より高精度な焦点位置の制御が行えるため、半導体ウェハ105の表面の外観検査における欠陥の発見の精度を上げることができる。
【0038】
<焦点誤差検出方法1>
次に、本実施形態における焦点誤差信号を得るための焦点誤差検出について説明する。
図5は、PSD(Position Sensitive Detector:光位置検出器)を用いた焦点誤差検出部1による焦点誤差検出を説明するための図である。この
図5において、破線で示されているXYZステージ104と半導体ウェハ105とは焦点位置がずれているZ方向の位置にある場合を示している。また、実線で示されているXYZステージ104と半導体ウェハ105とは焦点位置が合っているZ方向の位置にある場合を示している。
【0039】
半導体レーザ201は、焦点誤差検出用の検出光を出射する。
コリメートレンズ(Collimator Lens)202は、半導体レーザ201の出射した検出光を平行光に変換する。
ミラー203は、平行光となった検出光を透過し、対物レンズ204に対して出射する。
対物レンズ204は、検出光を半導体ウェハ105の表面に出射し、半導体ウェハ105の表面で反射した反射光をミラー203に対して出射する。
ミラー203は、半導体ウェハ105の表面からの反射光を、PSD205に対して出射する。
【0040】
PSD205は、自身のいずれの位置に反射光が入射したかに対応して検出信号を出力する。すなわち、PSD205は、直線状の検出部を有しており、その中央を合焦した位置として設定しておく。そして、検出部の中央の位置に対して、いずれの方向にずれているかにより、Z方向の合焦の位置に対して+方向にずれているのか、あるいは−方向にずれているのかが検出され、また中央の位置に対してずれた距離から、Z方向における合焦位置からのずれ量の絶対値が求められる。したがって、PSD205は、+方向及び−方向のZ軸におけるズレ方向を電圧の極性(+/−)で示し、電圧値によりずれ量を示した検出信号をバッファ206に対して出力する。バッファ206は、検出信号を増幅し、焦点誤差信号として誤差信号補正部2に対して供給する。
【0041】
したがって、本実施形態によれば、従来に比較して、過渡応答における電圧変動を無くすことができ、より高精度に光学系102に対する半導体ウェハ105表面の距離の位置制御を行うことができる。したがって、本実施形態によれば、光学系102の半導体ウェハ105表面に対する焦点位置の制御が高精度に行えるため、撮像装置103が撮像する撮像画像を境界領域においても鮮明化することができ、半導体ウェハ105の表面の外観検査における欠陥の発見の精度を上げることができる。
【0042】
<焦点誤差検出方法2>
次に、本実施形態における焦点誤差信号を得るための他の焦点誤差検出について説明する。
図6は、ナイフエッジ(Knife Edge)を用いた焦点誤差検出部1による焦点誤差検出を説明するための図である。この
図6において、破線で示されているXYZステージ104と半導体ウェハ105とは焦点位置がずれているZ方向の位置にある場合を示している。また、実線で示されているXYZステージ104と半導体ウェハ105とは焦点位置が合っているZ方向の位置にある場合を示している。
【0043】
半導体レーザ301は、焦点誤差検出用の検出光を出射する。
コリメートレンズ(Collimator Lens)302は、半導体レーザ301の出射した検出光を平行光に変換する。
ミラー303は、平行光となった検出光を反射し、ミラー304に対して出射する。
ミラー304は、ミラー303からの検出光を透過し、対物レンズ305に対して出射する。
対物レンズ305は、検出光を半導体ウェハ105の表面にて集光するように出射し、半導体ウェハ105の表面で反射した反射光をミラー304に対して出射する。
【0044】
ミラー304は、半導体ウェハ105の表面からの反射光を反射し、集光レンズ306に対して出射する。
ナイフエッジ307は、集光レンズ306と光検出器(Photo Detector)308との間に配置され、集光レンズ306から光検出器308に入射される光の一部を遮光する。このナイフエッジ307は、XYZステージ104がZ軸において合焦の位置にある場合、集光レンズ306からの反射光が集光する位置に配置されている。すなわち、集光レンズ306は、半導体ウェハ105表面からの反射光を、ナイフエッジ307の先端近傍の空間において集光させる。
光検出器308は、光検出部が光検出部308Aと光検出部308Bとに2分割されており、集光レンズ306から入射される反射光を、光検出部308Aと光検出部308Bとの受光量の差分により、検出信号を出力する。
【0045】
図7は、光検出器308によって、焦点位置からのずれ量に対応した焦点誤差検出信号を生成する処理を説明する図である。
図7(a)は、XYZステージ104がZ軸において合焦の位置にある場合に、集光レンズ306から光検出器308に入射する反射光の状態を示している。この場合、XYZステージ104がZ方向において合焦の位置にあり、ナイフエッジ307の歯の上部において反射光が集光しているため、反射光に遮光される部分は無く、全てが光検出器308に対して入射することになる。これにより、光検出器308においては、光検出部308Aと光検出部308Bとが受光する反射光の光量が同様である。このため、差動アンプ309は、非反転入力端子と反転入力端子とに同一の電圧が供給されるため、焦点誤差信号としては「0V」を出力する。
【0046】
また、
図7(b)は、XYZステージ104がZ軸において合焦の位置からずれた位置にある場合に、集光レンズ306から光検出器308に入射する反射光の状態を示している。この場合、XYZステージ104がZ方向において、対物レンズ305の焦点位置に対して対物レンズ305に対して近い位置にある。このため、ナイフエッジ307の位置に対して光検出器308に近い位置にて焦点を結ぶことになり、反射光の一部が遮光され、光検出部308Aより光検出部308Bが受光する光量が大きくなる。このため、差動アンプ309は、反転入力端子に供給される電圧が、非反転入力端子に供給される電圧より大きくなり、極性が(−)の光量差に対応した焦点誤差信号を出力する。
【0047】
また、
図7(c)は、XYZステージ104がZ軸において合焦の位置からずれた位置にある場合に、集光レンズ306から光検出器308に入射する反射光の状態を示している。この場合、XYZステージ104がZ方向において、対物レンズ305の焦点位置に対して対物レンズ305に対して遠い位置にある。このため、ナイフエッジ307の位置に対して光検出器308に遠い位置にて焦点を結ぶことになり、反射光の一部が遮光され、光検出部308Bより光検出部308Aが受光する光量が大きくなる。このため、差動アンプ309は、非反転入力端子に供給される電圧が、反転入力端子に供給される電圧より大きくなり、極性が(+)の光量差に対応した焦点誤差信号を出力する。
【0048】
また、
図1における誤差信号補正部2及び領域切り替わり検出部3と、
図3における誤差信号補正部2A及び領域切り替わり検出部3との各々の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより顕微鏡の光学系の焦点位置制御を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0049】
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0050】
以上、この発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。