(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、前記問題点を解決するために案出されたものであって、本発明の目的は、紙管の長手方向、すなわち、製品が巻き取られる面の長手方向に沿って螺旋状に連続したスティッチ加工を行って、巻き取り物の形態変化なしに巻き取り物が巻き取られた状態で、紙管を効果的に除去可能にして、紙管を除去した状態で、巻き取り物の内側から繰り出しながら使用可能なので、巻き取り物を繰出速度を向上させ、また、巻き取り物が巻き取られた第1製品と第2製品とを連結して使うことによって、製品の連続供給を可能にして、連続生産性を著しく高めうる除去容易な紙管、及びそれを利用した製品の連続使用方法を提供することである。
【0005】
本発明の前記及び他の目的と利点は、望ましい実施形態を説明した下記の説明からより明白になる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的は、円筒状の紙管の巻き取り面に、螺旋状にスティッチ加工されたスティッチ加工部を含むことを特徴とする第1態様による除去容易な紙管によって達成される。
【0007】
ここで、スティッチ加工部の打孔部と非打孔部との長さ比は、0.5:1〜10:1であることを特徴とする。
【0008】
望ましくは、前記スティッチ加工部の水平面と成す角度は、20°〜40°であることを特徴とする。
【0009】
望ましくは、前記スティッチ加工部間の距離は、30mm〜200mmであることを特徴とする。
【0010】
第2態様による除去容易な紙管は、前記紙管の巻き取り面
のスティッチ加工部
以外
の面に巻かれた少なくとも1つの原紙をさらに含むことを特徴とする。
【0011】
第3態様による除去容易な紙管は、第2態様による紙管の最外郭表面を巻く少なくとも1つのフィルムまたは紙をさらに含むことを特徴とする。
【0012】
望ましくは、前記フィルムまたは紙の中心線表面粗度(Ra)は、0.03μm〜10μmであることを特徴とする。
【0013】
望ましくは、前記フィルムまたは紙は、前記紙管の長さよりは短く、巻き取られる製品の長さよりは長いことを特徴とする。
【0014】
望ましくは、前記フィルムまたは紙は、熱収縮されたことを特徴とする。
【0015】
第4態様による除去容易な紙管は、第1態様による除去容易な紙管の最外郭表面を巻く少なくとも1つのフィルムまたは紙をさらに含むことを特徴とする。
【0016】
また、前記目的は、前述した第4態様による除去容易な紙管に巻き取られた巻き取り物を含む少なくとも2つの製品で、前記紙管を除去する第1段階と、前記フィルムまたは紙を除去する第2段階と、前記巻き取り物の外側の結び目を除去した後、外側テールを生成する第3段階と、1つの製品の外側テールと他の製品の内側テールとを連結して連結部を形成する第4段階と、を含むことを特徴とする紙管を利用した製品の連続使用方法によって達成される。
【0017】
望ましくは、前記製品の連続使用方法は、前述した第3態様による除去容易な紙管に巻き取られた巻き取り物を含む少なくとも2つの製品でも適用可能である。
【0018】
また、前記目的は、前述した除去容易な紙管と、前記紙管に巻き取られた巻き取り物と、を含むことを特徴とする除去容易な紙管を利用した物品によって達成される。
【0019】
ここで、前記巻き取り物は、繊維、不織布、フィルムまたは布のうち何れか1つであり得る。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、紙管を容易に除去することができて、作業性や生産効率を高め、また、紙管を除去した後、巻き取り物の内側から使用可能なので、第1製品の外側または内側部と第2製品の内側または外側部とを互いに連結して使えるようになって、製品の連続した供給が可能であって、生産性の向上に大きく寄与することができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
除去容易な紙管において、円筒状の紙管の巻き取り面に、螺旋状にスティッチ加工されたスティッチ加工部を含むことを特徴とする。
【0023】
以下、本発明の実施形態と図面とを参照して、本発明を詳しく説明する。これら実施形態は、単に本発明をより具体的に説明するために例示的に提示したものであり、本発明の範囲が、これら実施形態によって制限されないということは当業者にとって自明である。
【0024】
取り立てて定義されていない限り、本明細書で使われるあらゆる技術的及び科学的用語は、当業者によって通常理解されるところと同じ意味を有する。相衝する場合、定義を含む本明細書が優先する。
【0025】
本明細書での説明と類似しているか、同等な方法及び材料が、本発明の実施または試験に使われうるが、適した方法及び材料が、本明細書に記載される。
【0026】
取り立てて記述されないならば、あらゆる百分率、部、比などは、重量基準である。また、量、濃度、または、他の値またはパラメータが、範囲、望ましい範囲または望ましい上限値と望ましい下限値とのリストのうち何れか1つとして与えられる場合、これは、範囲が別途に開示されるか否かに関係なく、任意の上限範囲限界値または望ましい値と、任意の下限範囲限界値または望ましい値との任意の対から形成されたあらゆる範囲を具体的に開示するものと理解しなければならない。数値の値の範囲が、本明細書で言及される場合、取り立てて記述されないならば、その範囲は、その終点及びその範囲内のあらゆる整数と分数とを含むものと意図される。本発明の範疇は、範囲を定義するときに言及される特定値に限定されないものと意図される。
【0027】
用語“約”という用語が、値または範囲の終点の記述に使われる時、本開示内容は、言及された特定の値または終点を含むものと理解しなければならない。
【0028】
本明細書に使われたように、“含む。(comprise)”、“含む(comprising)”、“備える。(include)”、“備える(including)”、“含有する(containing)”、“〜を特徴とする(characterized by)”、“有する。(has)”、“有する(having)”という用語、またはこれらの任意のその他の変形は、排他的ではない含みをカバーしようとする。例えば、要素のリストを含む工程、方法、用品、または器具は、必ずしもそのような要素のみで制限されず、明確に列挙されないか、そのような工程、方法、用品、または器具に内在的な他の要素を含むこともある。また、明らかに逆に記述されないならば、“または”は、包括的な‘または’を言い、排他的な‘または’を言うものではない。
【0029】
出願人が“含む”のような開放型用語で発明またはその一部を定義した場合、取り立てて明示されないならば、その説明が、“本質的になされた”という用語を用いて、そのような発明を説明するものとも解釈されなければならないことが容易に理解しなければならない。
【0030】
本発明の一実施形態による除去容易な紙管の斜視図である
図1から、本発明の第1態様による除去容易な紙管は、円筒状の紙管1の巻き取り面に、螺旋状にスティッチ加工されたスティッチ加工部5を含むことを特徴とする。これにより、巻き取り物が巻き取られた紙管は、スティッチ加工部に沿って容易に除去され、紙管が除去された巻き取り物を内側から繰り出し可能になる(
図2参照)。
【0031】
本発明による除去容易な紙管は、原紙を巻いて紙管を製造する前に原紙3にスティッチ加工を行った後、原紙を巻いて紙管を製造する(
図5及び
図6参照)。この際、原紙は、巻き取り物によって厚さや積層数を決定することが望ましく、また、除去時に、作業性によって調節することが望ましい。原紙が厚いほど、圧縮強度が高くなって、巻き取り物の重量や巻き取り時に、面圧調節が有利であるが、逆に原紙が厚ければ、除去する時、多くの力が必要になるために、作業性が悪くなる。
【0032】
スティッチ加工部5は、本発明の一実施形態による除去容易な紙管に使われる原紙にスティッチング加工部を形成する方法を説明した図面である
図6から、原紙3にギヤ8を有した装置を使って原紙の中間に打孔することで形成しうる。スティッチ加工において、原紙の厚さによって異ならせて適用可能であるが、スティッチ加工部5の打孔部6と非打孔部7との長さ比は、0.5:1〜10:1であることが望ましいが、打孔部と非打孔部との長さ比が、0.5:1未満になれば、打孔部の面積が過度に小さくて紙管を除去する時、高い力が必要であり、除去時に紙管が完全に除去されず、破れる現象が発生し、打孔部と非打孔部との長さ比が、10:1を超過すれば、打孔部の面積が過度に大きくて紙管の取り扱い性が低くて、低い圧縮にも容易に破れる問題が発生する。したがって、巻き取り物の特性や作業効率によって適切な条件設定が必要である。
【0033】
また、スティッチ加工において、スティッチ加工された原紙を特定の角度(θ)(
図1参照)で巻き付けて紙管を製造するが、この際、原紙を巻く角度、すなわち、スティッチ加工部の角度は、紙管を除去する力、作業性などと関連があるために、場合によっては選定して加工することが望ましい。スティッチ加工部5の水平面と成す角度(θ)は、20°〜40°であることが紙管除去力や作業性に有利である。20°未満であれば、スティッチ加工部が多くなって、結果的に除去時間が多くかかって作業性が著しく落ち、40°を超過する場合、安定して紙管を除去することができず、また除去途中、破れてしまう現象が発生する恐れがある。
【0034】
また、スティッチ加工において、スティッチ加工する原紙の幅11(スティッチ加工部間の距離)によって紙管上にスティッチ加工線と加工線との距離が決定される。原紙の幅(スティッチ加工部間の距離)は、30mm以上、200mm以下であることが望ましい。原紙の幅が200mmを超過する場合、除去しなければならないスティッチ加工面積が減るために、除去力は低くなるが、除去時に、安定した除去にならず、除去途中、紙管が破れる問題が発生し、原紙の幅が30mm未満である場合、スティッチ加工面積が高くなって、紙管の除去に時間が多くかかって作業性が低下するという問題点がある。
【0035】
また、スティッチ加工された紙管1において、スティッチ加工された原紙のみで紙管を製造する場合、原紙の幅が過度に薄くなれば、圧縮強度の低下によって取り扱い性が悪くなって、作業中に容易に破損される問題点が発生し、過度に厚ければ、紙管の除去時に多くの力がかかり、除去途中で破れる問題が発生する。したがって、スティッチ加工された適切な厚さの単一原紙にスティッチ加工部分を除いた残りの部分を2次以上の追加原紙を取り囲むように加工して、紙管の除去効率は高く保持するが、その他の部分の厚さ補強を通じて取り扱い性及び巻き取り面圧によく耐えるように紙管を補強することができる。したがって、本発明の第2態様による除去容易な紙管は、本発明の他の実施形態による除去容易な紙管の斜視図である
図3から、紙管1の巻き取り面のうち、スティッチ加工部5の外面に巻かれた少なくとも1つの原紙3をさらに含むことを特徴とする。
【0036】
また、前述した紙管において、紙管に直接巻き取り物が巻き取られている場合、状況によって紙管を破って引っ張り出す紙管の除去過程で破れた紙管部ないし破損された欠陥などによって、巻き取り物の内側部分の損傷可能性が高い。したがって、それを改善するために、前記方法で製造された紙管の最外郭表面をフィルムまたは紙で取り囲む加工を通じて、1次で原紙除去時に、外側のフィルムまたは紙によって巻き取り物の内部に損傷及び形態変形が起こらないようにした後、残されたフィルムまたは紙をさらに除去させることが望ましい。したがって、本発明の第3態様による除去容易した紙管は、本発明のさらに他の実施形態による除去容易な紙管の斜視図である
図4から、本発明の第2態様による前記紙管1の最外郭表面を巻く少なくとも1つのフィルムまたは紙4をさらに含むことを特徴とする。
【0037】
また、本発明の第4態様による除去容易な紙管は、第1態様による除去容易な紙管1の最外郭表面を巻く少なくとも1つのフィルムまたは紙4をさらに含むことを特徴とする。すなわち、紙管1の巻き取り面のうち、スティッチ加工部5
以外
の面に巻かれた少なくとも1つの原紙3を含まない紙管の最外郭表面を巻く少なくとも1つのフィルムまたは紙4で構成される。
【0038】
この際、紙管の最外郭表面を取り囲むように加工するフィルムまたは紙4は、中心線表面粗度(Ra)が0.03μm〜10μmの値を有することが望ましい。表面粗度(Ra)が0.03μm未満である場合、巻き取り時に巻き取り物が滑られて巻き取りが難しくなり、10μm超過する場合、フィルムまたは紙の表面によって巻き取り物が損傷を被る可能性がある。
【0039】
また、フィルムまたは紙4で紙管の最外郭表面を取り囲むように加工する時、フィルムまたは紙の長さは、紙管の全長よりは短くし、巻き取られる製品(巻き取り物)の長さ(両方断面の長さ)よりは長くすることが紙管を最初に破って出す時、作業性が良い。
【0040】
また、フィルムまたは紙4は、1次で紙管の表面に巻いた後、2次で熱を加えて熱収縮されるように加工することが望ましい。フィルムまたは紙4の収縮される力で紙管と接触していて、以後、紙管の除去時に、紙管に接着されて破れる問題が発生しない。
【0041】
また、本発明による紙管を利用した製品の連続使用方法は、前述した第3態様による除去容易な紙管に巻き取られた巻き取り物2を含む少なくとも2つの製品で、前記紙管1を除去する第1段階と、前記フィルムまたは紙4を除去する第2段階と、前記巻き取り物2の外側の結び目を除去した後、外側テール10を生成する第3段階と、1つの製品の外側テール10と他の製品の内側テール9とを連結して連結部16を形成する第4段階と、を含むことを特徴とする。
【0042】
繊維を巻き付けた本発明の第3態様による除去容易な紙管で紙管を除去した後、巻き取り物2である繊維(製品)を連続して使う方法を示す図面である
図8から紙管を利用した製品の連続使用方法をより具体的に説明する。
【0043】
先に、第1段階は、前述した第3態様による除去容易な紙管に巻き取られた巻き取り物2を含む少なくとも2つの製品で、前記紙管1を除去する段階であって、紙管は、本発明の技術的特徴によってスティッチ加工部に沿って容易に除去され、これにより、紙管が除去された巻き取り物2を内側から繰り出し可能になる(
図2参照)。
【0044】
第2段階は、フィルムまたは紙4を除去する段階であって、第1段階で1次で紙管除去時に、外側のフィルムまたは紙によって巻き取り物の内部に損傷及び形態変形が起こらないようにした後、残されたフィルムまたは紙4をさらに除去する段階である。
【0045】
第3段階は、第2段階でフィルムまたは紙4が除去された巻き取り物の外側の結び目を除去した後、外側テール10、すなわち、他の巻き取り物との連結のためのテールを生成する段階である。
【0046】
第4段階は、第3段階で形成された1つの製品の外側テール10と他の製品の内側テール9とを連結して連結部16を形成する段階であって、2つ以上の製品でも同様に連結することができて、第1製品の外側または内側部と第2製品の内側または外側部とを互いに連結して使えるようになるので、2つ以上の製品を連続して供給可能であって、生産性の向上に大きく寄与することができる。
【0047】
前述した紙管を利用した製品の連続使用方法は、本発明の第4態様による紙管を用いても、本発明で果たそうとする目的を成しうるということは、当業者に当然である。
【0048】
また、本発明による除去容易な紙管を利用した物品は、前述した除去容易な紙管と、前記紙管に巻き取られた巻き取り物と、を含むことを特徴とする。このような巻き取り物が巻き取られて販売されるあらゆる物品に、本願発明の権利が及ぶことは当然である。
【0049】
このような巻き取り物は、例えば、繊維、不織布、フィルムまたは布のうち何れか1つであり、これらに限定されるものではない。
【実施例】
【0050】
以下、実施例と比較例とを通じて、本発明の構成及びそれによる効果をより詳しく説明する。しかし、本実施例は、本発明をより具体的に説明するためのものであり、本発明の範囲が、これらの実施例に限定されるものではない。
【0051】
[実施例1ないし5]
図6のように、75mm幅の原紙にギヤを用いてスティッチ加工した後、
図5のような概略的な工程を通じて、
図1のような長さ280mmの紙管を製造した。この際、スティッチ加工部の角度(θ)は、水平面と28゜になるように固定して加工した。この際、スティッチ加工は、打孔部と非打孔部との長さ比率を0.5:1、1:1、2:1、5:1、10:1にそれぞれ製造して、実施例1ないし5とした。
【0052】
[実施例6ないし8]
実施例3のような方法で紙管を製造するが、スティッチ加工は、打孔部と非打孔部との長さ比率を2:1に固定した状態で原紙の幅を50mm、75mm、100mmに製造して、実施例6ないし8とした。
【0053】
[実施例9]
実施例3のような方法で紙管を製造するが、スティッチ加工は、打孔部と非打孔部との長さ比率を2:1に固定した状態で、
図3のようにスティッチ加工部を除いた残りの部分を2次原紙で取り囲むように製造して、実施例9とした。
【0054】
[実施例10]
実施例9のような方法で紙管を製造するが、
図4のように完成された紙管の最外郭表面にフィルムを巻く加工を行った。この際、フィルムは、厚さ40μm、表面粗度0.05μmのPET材の収縮フィルムを用いて1次で紙管の表面に巻いた後、2次で熱を加えて収縮されるように加工した。フィルムの収縮される力で紙管と接触していて、以後、紙管の除去時に、紙管に接着されて破れる問題が発生しないようにした。
【0055】
この際、
図7のように、PETフィルムの長さを紙管の長さよりも短く、巻き取り物の長さよりは長くしたものを実施例10(ii)として、実際の巻き取り物(繊維)を巻き付けた。
【0056】
[比較例1ないし3]
実施例10のような方法で紙管を製造するが、
図7のように、PETフィルムの長さを巻き取り物の長さと同一にしたものを比較例1(i)と、紙管の長さよりも長くしたものを比較例2(iii)と、そして、巻き取り物の長さよりも短くしたものを比較例3(iv)として、それぞれの比較例別に実際の巻き取り物(繊維)を巻き付けた。
【0057】
前記実施例1ないし10及び比較例1ないし3による紙管を使って、次のような評価を通じて、その結果を表わした。
【0058】
[評価方法]
1.スプリット強度の評価(Peel TEST)
図9に示されたPeelテスト機を使って、スティッチ加工処理された紙管の端部に輪をかけて上向きに引っ張りながら、スプリットされる強度を測定した。
【0059】
2.圧縮強度の評価(紙管長さの垂直方向圧縮)
図10に示したように、紙管を横にした状態で圧力を加えて、紙管が20mm収縮される時にかかる荷重を測定した。
【0060】
3.スプリット性と損傷有無の評価
その他のスプリット性と損傷有無の評価は、肉眼で合否を判定した。
【0061】
前記実施例1ないし5のように紙管を製造して、比較評価した結果を、下記の表1及び
図11に表わした。下記の表1で“スプリット時間”は、紙管を完全に破れるのにかかる時間を意味する。
【表1】
【0062】
表1及び打孔部と非打孔部との比率によるスプリット強度と圧縮強度とを示すグラフである
図11から確認できるように、打孔部と非打孔部との比率によって紙管除去時に発生するスプリット強度と紙管の圧縮強度とが変化する。打孔部の比率が高いほど、スプリット強度が低くて、除去作業が容易であるが、一方、圧縮強度が低くなって、紙管の取り扱い時に容易に破れてしまう現象と、実際の巻き取り過程で面圧が低くて作業性が落ちる結果とを得た。したがって、巻き取り物と工程によって打孔部と非打孔部との比率調節が必要であるということが分かり、0.5:1〜10:1の比率で行うことが最も望ましい。
【0063】
前記実施例6ないし8のように紙管を製造して、原紙の幅によるスプリット強度及び圧縮強度を評価した結果を、下記の表2及び
図12に表わした。
【表2】
【0064】
表2及び原紙の幅によるスプリット強度と圧縮強度とを示すグラフである
図12から確認できるように、スティッチ加工された原紙の幅によってスプリット強度と圧縮強度とが変化する。原紙の幅が広いほど、定められた長さでスプリットされる量は減るので、スプリットするのにかかる時間が短くなって、作業性は向上するが、スプリット強度が高くなる。また、原紙の幅が広くなるほど、スティッチ加工部の絶対量も減るので、紙管を圧縮する強度が上がる傾向を表わすということが分かる。
【0065】
前記実施例3のように1次原紙にスティッチ加工して製造された紙管と実施例9のように2次原紙で補強した紙管とのスプリット強度及び圧縮強度を評価した結果を、下記の表3に表わした。
【表3】
【0066】
表3から分かるように、スティッチ加工部を除いた残りの部分を2次原紙で補強することによって、スプリット強度は、同じレベルで紙管の圧縮強度を高めうるということが分かる。このような方法でスプリット強度を低めて作業性を高め、また、圧縮強度を高めて取り扱い過程で発生する紙管の損傷や破損を著しく減らしうる。但し、補強する原紙の厚さを過度に厚くするか、2次、3次で数枚補強する場合、スティッチ加工部と非加工部との厚さ差によって、スティッチ加工部が、むしろ容易に破れてしまうなどの作業性や取り扱い性が良くない結果が得られるために、適切に調節して補強しなければならない。
【0067】
前記実施例10及び比較例1ないし3のように、スティッチ加工された紙管の表面にフィルムの加工処理有無及び加工されたフィルムの長さによる作業性(紙管除去)及び内部製品の損傷有無を評価した結果を、下記の表4に表わした。
【表4】
【0068】
表4から分かるように、表面(最外郭)をフィルムで取り囲んだ紙管のスプリット時に、作業性には影響を受けず、紙管の除去時に紙管の破断面や損傷部によって巻き取り物の内部が損傷される現象を著しく改善しうるということが分かる。この際、実施例10のように、紙管の最外郭表面に使われるフィルムや紙は、紙管の全長よりは短く、巻き取り物(製品)よりは長くして、最初の紙管をスプリットするために、紙管の開始部分のスティッチ加工部を引き破る作業性には影響を与えずとも、巻き取り物よりは長いために、製品の内側面を効果的に保護することができるということが分かる。
【0069】
前記実施例から分かるように、本発明によって開発された除去可能な紙管は、多様な実施例を通じて必要な機能を付与して最適化することができる。また、前記実施例は、本発明に係わる望ましい代表的な実施例であり、前記実施例に限定されないということは明確である。