(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1の電極、第2の電極、及び第1の電極と第2の電極との間に介在する第1の有機層を含む有機電子デバイスであって、第1の有機層が、少なくとも1種の金属有機化合物及び少なくとも1種の金属酸化物を含み、
前記金属酸化物が、ReO3であり、
前記金属酸化物が、第1の有機層の全量を基準として、0.1質量%から5質量%までの量で第1の有機層で使用される、有機電子デバイス。
【技術分野】
【0001】
発明の詳細な説明
本発明は、第1の電極、第2の電極、及び第1の電極と第2の電極との間に介在する第1の有機層を含む有機電子デバイスであって、第1の有機層が、少なくとも1種の金属有機化合物及び少なくとも1種の金属酸化物を含む、有機電子デバイスに関する。本発明は更に本発明による有機電子デバイスを含む装置に関するものである。
【0002】
有機エレクトロニクスは、エレクトロニクスのサブフィールドであり、ポリマー又は小さな有機化合物を含む電子回路を使用している。有機エレクトロニクスの利用分野は、例えば、有機発光ダイオード(OLED)におけるポリマー又は小さな有機化合物の使用、有機太陽電池(有機光起電力学)及び有機トランジスタ、例えば、有機FET及び有機TFTなどのスイッチング素子での使用である。
【0003】
適した新規有機材料を使用することにより、有機エレクトロニクスに基づいた新規なタイプの部品、例えば、ディスプレイ、センサ、トランジスタ、データストア又は光電池を提供することができる。これは、薄型、軽量、軟質で、且つ低コストで生産可能な新規な用途の開発を可能にする。
【0004】
好ましい分野の本出願による使用は、比較的小さな有機化合物を有機発光ダイオードに用いる使用である。
【0005】
有機発光ダイオード(OLED)は、電流によって励起された時に光を放射する材料の特性を活用している。OLEDは、平らな視覚表示装置を製造するために、ブラウン管及び液晶表示装置に替わるものとして特に興味深い。非常にコンパクトな設計と本質的に低電力消費のために、OLEDを含むデバイスは、携帯用途に、例えば、携帯電話、ノートパソコン等の用途に、及び照明用に特に適している。
【0006】
OLEDが作動する方法の基本原理とOLEDの適した構造(層)は、例えば、WO2005/113704号及び本願明細書に引用されている文献に詳述されている。
【0007】
使用される発光物質(発光体)は、蛍光物質(蛍光発光体)並びに、燐光物質(燐光発光体)であってよい。燐光発光体は通常、有機金属錯体であり、一重項発光を示す蛍光発光体とは対照的に、三重項発光を示す(M.A. Baldowら, Appl. Phys. Lett. 1999年, 75, 4〜6頁)。量子力学的な理由で、燐光発光体が使用される時に、4倍までの量子効率、エネルギー効率及び電力効率が可能である。
【0008】
特に興味深いものは、長く効力のある耐用年数、良好な効率、熱応力に対する高い安定性及び低い使用及び動作電圧を有する有機発光ダイオードである。
【0009】
実際に前述の特性を実行するためには、適切な発光材料を提供することが必要であるだけでなく、OLED(相補材料)の他の要素もまた、適切なデバイス組成物中で互いにバランスを取らなければならない。かかるデバイス組成物は、例えば、実際の発光体が分散形で存在する特定のマトリックス材料を含んでよい。更に、組成物はブロッカー材料を含んでよく、正孔ブロッカー、励起子ブロッカー及び/又は電子ブロッカーがデバイス組成物中に存在することが可能である。追加的に又は代替的に、デバイス組成物は、正孔注入材料及び/又は電子注入材料及び/又は電荷輸送材料、例えば、正孔輸送材料及び/又は電子輸送材料を更に含んでよい。実際の発光体と組み合わせて使用される前述の材料の選択は、効率と耐用年数などのパラメータに、並びにOLEDの使用及び動作電圧に有意な影響を及ぼす。
【0010】
特に、有機電子デバイス、特に有機発光ダイオード(OLED)を含む装置の消費電力の削減に対する需要が増大している。消費電力を削減するためには、有機電子デバイスの駆動電圧を低減することが試みられている。これは、駆動電圧の低減に加えて、有機電子デバイス、特にOLEDの寿命を延ばすことが更に重要である。従来技術では、発光素子は、上記の問題を克服するために開発されてきた。
【0011】
US2006/0180812A1号は、前記層の電導性の活性化エネルギーが0.01eV以上であり且つ0.30eV未満である、有機材料と無機材料を含有する層を有する発光素子を開示している。適した有機材料は、アリールアミン骨格を含み且つ正孔輸送特性を有するアリールアミン、例えば、4,4’−ビス(N−{4−[N,N’−ビス(3−メチルフェニル)アミノ]フェニル}−N−フェニルアミノ]ビフェニル(DNTPD)及びN,N’−ビス(スピロ−9,9’−ビフルオレン−2−イル)−N,N’−ジフェニルベンジジン(BSPB)を含む有機化合物である。好適な無機材料は、金属酸化物、特に、モリブデン酸化物、バナジウム酸化物、ルテニウム酸化物、及びタングステン酸化物である。US2006/0180812A1号には、酸化モリブデンの濃度が上昇するほど、抵抗が減少するのに対して、酸化モリブデンの濃度が80質量%を上回る時には、抵抗が増加することが記載されている。
【0012】
US2008/0008905A1号は、正孔輸送有機化合物を含有する光透過導電膜及び正孔輸送有機化合物に対して電子受容性を示す金属酸化物を有する画素又は画素部の電極を開示している。有機化合物は、芳香族アミン化合物、カルバゾール誘導体、芳香族炭化水素及び高分子化合物である。無機化合物は、酸化モリブデンが特に好ましい遷移金属酸化物である。
【0013】
DE102008051132A1号は、特定の層配列を有する有機電子デバイスを開示している。デバイスは、マトリックス材料及びドーパントが電荷移動錯体を形成する、ドーパントを含むマトリックス材料を含む電荷輸送層を含む。DE102008051132A1号には、正孔輸送層に適したマトリックス材料が記載されている。記載されている全ての材料は、有機材料、特に芳香族アミノ化合物である。適したドーパントは、例えば、金属酸化物である。
【0014】
US2006/0008740A1号は、電荷輸送能を有する有機化合物を含む、有機デバイスを開示している。該デバイスは、積層又は混合の方法を介して有機正孔輸送化合物と三酸化モリブデンとの接触時に形成される電荷移動錯体有する電荷移動錯体含有層を含み、その際、有機正孔輸送化合物は、該電荷移動錯体含有層中でラジカルカチオンの状態である。適した有機正孔輸送化合物は、アリールアミン化合物である。
【0015】
上述の従来技術では、消費電力の削減は、有機化合物、特にアリールアミン化合物、及び金属酸化物、特に(殆どの場合)モリブデン酸化物を含む正孔輸送層を使用することによって達成される。
【0016】
しかし、消費電力の削減だけでなく、有機電子デバイスの寿命の延長にも改良の余地がある。
【0017】
従って、低動作電圧、良好な動作寿命並びに優れた効率性及び熱応力に対する高い安定性を示す、有機電子デバイス、特に有機発光ダイオード(OLED)を提供することが本発明の目的である。
【0018】
この課題は、第1の電極、第2の電極及び第1の電極と第2の電極との間に介在する第1の有機層を含む有機電子デバイスであって、第1の有機層が少なくとも1種の金属有機化合物及び少なくとも1種の金属酸化物を含む、前記有機電子デバイスによって解決される。
【0019】
少なくとも1種の金属有機化合物及び少なくとも1種の金属酸化物を含む第1の有機層を有する本発明の有機電子デバイスは、優れた電力効率、寿命、量子効率及び/又は低い動作電圧を示す。
【0020】
金属酸化物
第1の有機層が、少なくとも1種の金属酸化物、好ましくは1種又は2種の金属酸化物、更に好ましくは1種の金属酸化物を含む。
【0021】
金属酸化物は、好ましくは遷移金属酸化物、更に好ましくは周期律表の第4族、第5族、第6族、第7族又は第8族に属する金属の酸化物である。更に一層好ましくは、金属酸化物は、レニウム酸化物、モリブデン酸化物、バナジウム酸化物、タングステン酸化物、ニオブ酸化物、タンタル酸化物、クロム酸化物及びマンガン酸化物から選択される。金属は、あらゆる適した酸化状態で前記酸化物中に存在し得る。最も好ましくは、金属酸化物は、モリブデン酸化物(MoO
x)又はレニウム酸化物(ReO
x)、特にMoO
3又はReO
3である。とりわけ、ReO
3が特に好ましい。本発明者らは、ReO
3を使用することによって優れた動作寿命を有する電子機器が得られることを発見した。
【0022】
金属酸化物は、通常、第1の有機層の全量(100質量%である)を基準として、0.1質量%から10質量%未満までの量で、好ましくは1〜8質量%の量で、更に好ましくは3〜5質量%の量で、第1の有機層において利用される。本発明者らは、金属酸化物の最適量があることを発見した。最適な量を上回る量が使用される場合、電子デバイスの動作寿命は、高いが明らかに最適量の場合よりも減少する。
【0023】
金属有機化合物
第1の有機層は、少なくとも1種の金属有機化合物、好ましくは、1種又は2種の金属有機化合物、更に好ましくは1種の金属有機化合物を含む。
【0024】
「金属有機化合物」(又は有機金属化合物)との用語は、一般に当業者によって理解されている。本発明によれば、この用語は、Gary L. Miesler及びDonald A. Tarr, Prentice-Hall(1998年)、第422頁、第13章、第1段落によって無機化学(第2版)で定義された通りに理解されている。
【0025】
好ましい金属有機化合物は、正孔輸送特性を有する金属有機化合物である。OLEDの場合、正孔輸送特性を有する少なくとも1種の金属有機化合物のバンドギャップは、使用される発光体材料のバンドギャップよりも一般的に大きい。本出願の文脈では、「バンドギャップ」は三重項エネルギーを意味することが理解されている。
【0026】
特に好ましい金属有機化合物はカルベン錯体である。適したカルベン錯体は、例えば、WO2005/019373号、WO2006/056418号、WO2005/113704号、WO2007/115970号、WO2007/115981号及びWO2008/000727号に記載されるカルベン錯体である。
【0027】
特に好ましいカルベン錯体の例は、以下の式(I)
【化1】
の化合物であり、
その式中、記号は以下の意味を有する:
M
1は、それぞれの金属原子について可能なあらゆる酸化状態の、Co、Rh、Ir、Nb、Pd、Pt、Fe、Ru、Os、Cr、Mo、W、Mn、Tc、Re、Cu、Ag及びAuからなる群から選択される金属原子であり;
カルベンは、非荷電であるか又はモノアニオン性であり且つ単座、二座又は三座であってよいカルベン配位子であり、その際、カルベン配位子はビスカルベン又はトリスカルベン配位子であることも可能であり;
Lは、単座又は二座であってよい、モノアニオン性又はジアニオン性配位子であり;
Kは、ホスフィン;ホスホネート及びその誘導体、アルセネート及びその誘導体;ホスフィット;CO;ピリジン;ニトリル及びM
1とのπ錯体を形成する共役ジエンからなる群から選択される非荷電の単座又は二座配位子であり;
nは、カルベン配位子の数であり、その際、nは少なくとも1であり、n>1である時、式Iの錯体中のカルベン配位子は同一又は異なってよく;
mは、配位子Lの数であり、その際、mは0又は1以上であってよく、m>1である時、配位子Lは同一又は異なってよく;
oは、配位子Kの数であり、その際、oは0又は1以上であってよく、o>1である時、配位子Kは同一又は異なってよく;
n+m+oの総和は、金属原子の酸化状態と配位数に依存し、また配位子のカルベン、L及びKの配位座数(denticity)に依存し、さらには配位子のカルベン及びL上の電荷に依存するが、但し、nは少なくとも1であることを条件とする。
【0028】
前記カルベン錯体はWO2005/19373号に記載されている。
【0029】
適したカルベン錯体の一例は、WO2005/19373号に開示されている、式(Ia)
【化2】
を有するfac−イリジウム−トリス(1,3−ジフェニルベンズイミダゾリン−2−イリデン−C,C2’)(lr(dpbic)
3)である。
【0030】
少なくとも1種の金属有機化合物、好ましくは、カルベン錯体は、通常、第1の有機層の全量(100質量%である)を基準として、90質量%を上回り99.9質量%までの量で、好ましくは92〜99質量%の量で、更に好ましくは95〜97質量%の量で第1の有機層中で利用されている。
【0031】
第1の有機層
第1の有機層は、少なくとも1種の金属有機化合物と少なくとも1種の金属酸化物を含む。好ましい金属有機化合物及び好ましい金属酸化物、並びに金属有機化合物と金属酸化物の適量は上記されている。
【0032】
第1の有機層は、好ましくは、正孔輸送層又は正孔注入層、更に好ましくは正孔輸送層である。
【0033】
第1の有機層は好ましくは以下の:
i)0.1質量%から10重量%未満までの、好ましくは1〜8重量%の、更に好ましくは3〜5質量%の金属酸化物、好ましくはあらゆる適した酸化状態の、レニウム酸化物、モリブデン酸化物、バナジウム酸化物、タングステン酸化物、ニオブ酸化物、タンタル酸化物、クロム酸化物及びマンガン酸化物から選択される金属酸化物、更に好ましくは、モリブデン酸化物(MoO
x)又はレニウム酸化物(ReO
x)、特にMoO
3又はReO
3、最も好ましくはReO
3;及び
ii)好ましくはカルベン錯体の、更に好ましくは式(I)のカルベン錯体の、最も好ましくは式(Ia)のカルベン錯体の、90質量%を上回り99.9質量%までの、好ましくは92〜99質量%の、更に好ましくは95〜97質量%の金属有機化合物
を含み、
その際、金属酸化物と金属有機化合物の合計量は100質量%である。
【0034】
更に好ましい実施態様では、第1の有機層は、
i)0.1質量%から10質量%未満までの、好ましくは1〜8質量%の、更に好ましくは3〜5質量%のReO
3;及び
ii)90質量%を上回り99.9質量%までの、好ましくは92〜99質量%の、更に好ましくは95〜97質量%のカルベン錯体、好ましくは式(I)のカルベン錯体、更に好ましくは式(Ia)のカルベン錯体
を含み、
その際、金属酸化物とカルベン錯体の合計量は100質量%である。
【0035】
第1の有機層は、任意の方法、例えば、湿式法又は乾式法によって製造される。第1の有機層は、例えば、上述の金属有機化合物と金属酸化物との共蒸着によって製造することができる。特にReO
3が真空中で容易に気化されるので、上記の共蒸着法は好ましい方法である。しかしながら、第1の有機層は、上記の金属有機化合物と金属アルコキシドを含む溶液を塗布し且つ焼成するような方法で製造することも可能である。塗布方法としては、例えば、インクジェット法又はスピンコート法を用いてよい。上記の本発明の電子デバイスの更なる有機層は、第1の有機層と同様の方法で製造することができる。
【0036】
第1の有機層は、通常、5〜100nm、好ましくは20〜80nmの厚さを有する。
【0037】
更なる実施形態において、本発明は、有機層、好ましくは、少なくとも1種の金属有機化合物及び少なくとも1種の金属酸化物を含む、正孔輸送層又は正孔注入層に関する。好適な金属有機化合物及び金属酸化物並びに適量は上記されている。好ましくは、正孔輸送層又は正孔注入層は、有機発光ダイオード(OLED)における正孔輸送層又は正孔注入層である。
【0038】
本発明の一実施形態では、有機電子デバイスは、少なくとも1種の式(II)
【化3】
(式中、
R
1及びR
2は互いに独立してF、C
1〜C
8アルキル、又はC
6〜C
14アリールであり、その基は任意に1つ、又はそれ以上のC
1〜C
8アルキル基によって置換されてよいか、又は
2つの置換基R
1及び/又はR
2が結合して縮合ベンゼン環基を形成し、これは任意に1つ、又はそれ以上のC
1〜C
8アルキル基によって置換されてよく、
a及びbは互いに独立して0、又は1〜3の整数であり、
Mはアルカリ金属原子、又はアルカリ土類金属原子であり、
pは、Mがアルカリ金属原子の場合、1であり、Mがアルカリ土類金属原子の場合、2である)
の化合物を含む第2の有機層を更に含む。
【0039】
最も好ましい金属錯体は
【化4】
であり、これは単一の種として、又はLi
gQ
g(式中、gは整数である)、例えば、Li
6Q
6などの他の形で存在することができる。Qは8−ヒドロキシキノレート配位子又は8−ヒドロキシキノレートの誘導体を表す。
【0040】
好ましくは、第2の有機層は、少なくとも1種の式(III)、(IVa)及び/又は(IVb)
【化5】
(式中、
R
81、R
82、R
83、R
84、R
81’、R
82’、R
83’、及びR
84’は互いに独立してH、C
1〜C
18アルキル、Eによって置換された及び/又はDによって中断されたC
1〜C
18アルキル、C
6〜C
24アリール、Gによって置換されたC
6〜C
24アリール、C
2〜C
20ヘテロアリール、又はGによって置換されたC
2〜C
20ヘテロアリールであり、
Qはアリーレン又はヘテロアリーレン基であり、そのそれぞれが任意にGによって置換されてよく;
Dは−CO−;−COO−;−S−;−SO−;−SO
2−;−O−;−NR
25−;−SiR
30R
31−;−POR
32−;−CR
23=CR
24−;又は−C≡C−であり;且つ
Eは−OR
29;−SR
29;−NR
25R
26;−COR
28;−COOR
27;−CONR
25R
26;−CN;又はFであり、GはE、C
1〜C
18アルキル、Dによって中断されたC
1〜C
18アルキル、C
1〜C
18パーフルオロアルキル、C
1〜C
18アルコキシ、又はEによって置換された及び/又はDによって中断されたC
1〜C
18アルコキシであり、その際、
R
23及びR
24は互いに独立してH、C
6〜C
18アリール;C
1〜C
18アルキル又はC
1〜C
18アルコキシによって置換されたC
6〜C
18アリール;C
1〜C
18アルキル;又は−O−によって中断されたC
1〜C
18アルキルであり;
R
25及びR
26は互いに独立してC
6〜C
18アリール、C
1〜C
18アルキル又はC
1〜C
18アルコキシによって置換されたC
6〜C
18アリール;C
1〜C
18アルキル;又は−O−によって中断されたC
1〜C
18アルキルであるか;又は
R
25及びR
26は一緒になって5員環又は6員環を形成し、R
27及びR
28は互いに独立してC
6〜C
18アリール;C
1〜C
18アルキル又はC
1〜C
18アルコキシによって置換されたC
6〜C
18アリール;C
1〜C
18アルキル;又は−O−によって中断されたC
1〜C
18アルキルであり、
R
29はC
6〜C
18アリール;C
1〜C
18アルキル又はC
1〜C
18アルコキシによって置換されたC
6〜C
18アリール;C
1〜C
18アルキル;又は−O−によって中断されたC
1〜C
18アルキルであり、
R
30及びR
31は互いに独立してC
1〜C
18アルキル、C
6〜C
18アリール、又はC
1〜C
18アルキルによって置換されたC
6〜C
18アリールであり;
R
32はC
1〜C
18アルキル、C
6〜C
18アリール、又はC
1〜C
18アルキルによって置換されたC
6〜C
18アリールである)
の化合物を更に含む。
【0041】
式(III)の好ましい化合物は、式(IIIa)
【化6】
(式中、Qは
【化7】
であり、
R
85はH、又はC
1〜C
18アルキルであり且つ
R
85’はH、C
1〜C
18アルキル、又は
【化8】
である)
の化合物である。
【0042】
最も好ましいのは、式(IIIaa)
【化9】
(式中、
R
89はフェナントリル、ピレニル、トリフェニレニル、1,10−フェナントロリニル、トリアジニル、ジベンゾチオフェニル、又はピリミジニルであり、前記基のそれぞれは、任意に1つ、又はそれ以上のC
1〜C
18アルキル、C
6〜C
14アリール、又はC
2〜C
20ヘテロアリール基によって置換されてよく、
R
90はフェナントリル、ピレニル、トリフェニレニル、1,10−フェナントロリニル、トリアジニル、ジベンゾチオフェニル、又はピリミジニルであり、前記基のそれぞれは、任意に1つ、又はそれ以上のC
1〜C
18アルキル、C
6〜C
14アリール、又はC
2〜C
20ヘテロアリール基によって置換されてよく、
R
91はフェナントリル、ピレニル、トリフェニレニル、1,10−フェナントロリニル、トリアジニル、ジベンゾチオフェニル、又はピリミジニルであり、前記基のそれぞれは、任意に1つ、又はそれ以上のC
1〜C
18アルキル、C
6〜C
14アリール、又はC
2〜C
20ヘテロアリール基によって置換されてよく、
R
92はH、フェナントリル、ピレニル、トリフェニレニル、1,10−フェナントロリニル、トリアジニル、ジベンゾチオフェニル、又はピリミジニルであり、前記基のそれぞれは、任意に1つ、又はそれ以上のC
1〜C
18アルキル、C
6〜C
14アリール、又はC
2〜C
20ヘテロアリール基によって置換されてよく、
Aは単結合、アリーレン基、又はヘテロアリーレン基(前記基のそれぞれは、任意に1つ、又はそれ以上のC
1〜C
18アルキル基によって置換されてよい);又は−SiR
87R
88(式中、R
87及びR
88は互いに独立してC
1〜C
18アルキル、又はC
6〜C
14アリール基であり、その基は任意に1つ、又はそれ以上のC
1〜C
18アルキル基によって置換されてよい)である)
の化合物である。
【0043】
式(IVa)及び(IVb)の好ましい化合物は以下の:
【化10】
であり、式中、A、R
89、R
90、R
91及びR
92は上記の通りである。
【0044】
最も好ましいのは式(IVaaa)
【化11】
の化合物である。
【0045】
C
1〜C
18アルキルは、典型的には、直鎖状又は可能であれば、分枝鎖状である。例は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec.−ブチル、イソブチル、tert.−ブチル、n−ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、2,2−ジメチルプロピル、1,1,3,3−テトラメチルペンチル、n−ヘキシル、1−メチルヘキシル、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルヘキシル、n−ヘプチル、イソヘプチル、1,1,3,3−テトラメチルブチル、1−メチルヘプチル、3−メチルヘプチル、n−オクチル、1,1,3,3−テトラメチルブチル及び2−エチルヘキシル、n−ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、又はオクタデシルである。C
1〜C
8アルキルは、典型的には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec.−ブチル、イソブチル、tert.−ブチル、n−ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、2,2−ジメチル−プロピル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、1,1,3,3−テトラメチルブチル及び2−エチルヘキシルである。C
1〜C
4アルキルは、典型的には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec.−ブチル、イソブチル、tert.−ブチルである。
【0046】
任意に置換されてよい、C
6〜C
14アリールは、典型的には、フェニル、4−メチルフェニル、4−メトキシフェニル、ナフチル、特に1−ナフチル、又は2−ナフチル、ビフェニリル、テルフェニリル、ピレニル、2−又は9−フルオレニル、フェナントリル、又はアントリルであり、これは非置換であるか又は置換されてよい。
【0047】
C
2〜C
20ヘテロアリールは、5〜7個の環原子を有する環又は縮合環系を表し、その際、窒素、酸素又は硫黄は可能なヘテロ原子であり、典型的には、少なくとも6つの共役π電子を有する5〜30個の原子を有する複素環式基、例えば、チエニル、ベンゾチオフェニル、ジベンゾチオフェニル、チアントレニル、フリル、フルフリル、2H−ピラニル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ジベンゾフラニル、フェノキシチエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ビピリジル、トリアジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、インドリジニル、イソインドリル、インドリル、インダゾリル、プリニル、キノリジニル、キノリル、イソキノリル、フタラジニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル、プテリジニル、カルバゾリル、カルボリニル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾオキサゾリル、フェナントリジニル、アクリジニル、ピリミジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、イソチアゾリル、フェノチアジニル、イソオキサゾリル、フラザニル又はフェノキサジニルであり、これは非置換であるか又は置換されてよい。
【0048】
C
6〜C
14アリール基及びC
2〜C
20ヘテロアリール基は、好ましくは1つ、又はそれ以上のC
1〜C
8アルキル基によって置換されている。
【0049】
アリーレン基の例は、フェニレン、ナフチレン、フェナレニレン、アントラシレン及びフェナントリレンであり、これは任意に1つ以上のC
1〜C
18アルキル基によって置換されてよい。好ましいアリーレン基は、1,3−フェニレン、3,6−ナフチレン、及び4,9−フェナレニレンであり、これは任意に1つ以上のC
1〜C
18アルキル基によって置換されてよい。
【0050】
ヘテロアリーレン基の例は、1,3,4−チアジアゾール−2,5−イレン、1,3−チアゾール−2,4−イレン、1,3−チアゾール−2,5−イレン、2,4−チオフェニレン、2,5−チオフェニレン、1,3−オキサゾール−2,4−イレン、1,3−オキサゾール−2,5−イレン及び1,3,4−オキサジアゾール−2,5−イレン、2,5−インデニレン、2,6−インデニレン、特にピラジニレン、ピリジニレン、ピリミジニレン、及びトリアゾリレンであり、これは任意に1つ以上のC
1〜C
18アルキル基によって置換されてよい。好ましいヘテロアリーレン基は、2,6−ピラジニレン、2,6−ピリジニレン、4,6−ピリミジニレン、及び2,6−トリアゾリレンであり、これは任意に1つ以上のC
1〜C
18アルキル基によって置換されてよい。
【0051】
特に好ましい実施態様では、第2の有機層は、以下の式
【化12】
の化合物と、以下の式
【化13】
の化合物との混合物を含む。
【0052】
更に特に好ましい実施態様では、第2の有機層は、以下の式
【化14】
の化合物と、以下の式
【化15】
の化合物との混合物を含む。
【0053】
式(II)の有機金属錯体は、第2の有機層中に、1〜99質量%の量で、好ましくは25〜75質量%の量で、更に好ましくは約50質量%の量で含有されており、その際、式(II)及び(III)、又は(IVa)又は(IVb)の化合物の量は合計して100質量%である。
【0054】
式(III)の化合物の合成は、J. Kidoら、Chem. Commun.(2008年)5821〜5823頁、J. Kidoら、Chem. Mater. 20 (2008年)5951〜5953頁及びJP2008−127326号に記載されているか、又は本願明細書に記載された方法と同様に実施され得る。
【0055】
式(VIa)及び(VIb)の化合物の合成は、WO2006/128800号に記載されているか、又は本願明細書に記載された方法と同様に実施され得る。
【0056】
式(II)の化合物の合成は、例えば、クリストフ・シュミッツら、Chem. Mater. 12(2000年)3012〜3019頁及びWO00/32717号に記載されているか、又は本願明細書に記載された方法と同様に実施され得る。
【0057】
第2の有機層は好ましくは電子輸送層である。
【0058】
有機電子デバイス
本発明の有機電子デバイスは、第1の電極、第2の電極、及び第1の電極と第2の電極との間に介在する第1の有機層を含み、その際、第1の有機層は、少なくとも1種の金属有機化合物と少なくとも1種の金属酸化物を含む。第1の有機層の好ましい実施形態は上記されている。
【0059】
適した第1の電極と第2の電極は当業者に公知である。
【0060】
本発明の有機電子デバイスは、例えば、有機太陽電池(有機太陽電池)、スイッチング素子、例えば、有機トランジスタ、例えば、有機電界効果トランジスタ(FET)又は有機薄膜トランジスタ(TFT)、有機発光電界効果トランジスタ(OLEFET)、又は有機発光ダイオード(OLED)であり、好ましくは、OLEDである。
【0061】
有機電子デバイスの適した構造は、当業者に公知であり且つ以下に明記されている。
【0062】
有機トランジスタ
有機トランジスタは、一般的に、正孔輸送能力及び/又は電子輸送能力を有する有機層から形成された半導体層;導電層から形成されたゲート電極;及び半導体層と導電層との間に導入された絶縁層を含む。ソース電極とドレイン電極がこの装置に搭載されてトランジスタ素子を製造する。更に、当業者に公知の更なる層が有機トランジスタ中に存在してもよい。好ましい実施形態では、正孔輸送能を有する有機層は、少なくとも1種の金属有機化合物と少なくとも1種の金属酸化物を含む。適した金属有機化合物及び金属酸化物並びに適量は上記されている。
【0063】
有機太陽電池
有機太陽電池(光電変換素子)は、一般に並列に配置された2つのプレート型電極間に存在する有機層を含む。有機層は櫛型電極上に構成してよい。有機層の位置について特に制限はなく、電極の材料についても特に制限はない。しかしながら、並列に配置されたプレート型電極を使用する場合、少なくとも1つの電極は、好ましくは、透明電極、例えばITO電極又はフッ素ドープ酸化スズ電極から形成される。有機層は2つの副層、即ち、p型半導体特性又は正孔輸送容量を有する層、及びn型半導体特性又は電子輸送能で形成された層から形成される。更に、当業者に公知の更なる層が有機太陽電池中に存在することが可能である。好ましい実施形態では、正孔輸送能を有する層は、少なくとも1種の金属有機化合物と少なくとも1種の金属酸化物を含む。適した金属有機化合物及び金属酸化物並びに適量が上記されている。
【0064】
有機発光ダイオード(OLED)
本発明は更に、陽極An及び陰極Ka、陽極Anと陰極Kaとの間に配置された発光層E、発光層Eと陽極Anとの間に配置された正孔輸送層及び/又は正孔注入層、並びに適切であれば、正孔/励起子のための少なくとも1つの遮断層、電子/励起子のための少なくとも1つの遮断層、少なくとも1つの電子輸送層及び少なくとも1つの電子注入層からなる群から選択される少なくとも1つの更なる層を含む有機発光ダイオードであって、正孔輸送層及び/又は正孔注入層は、少なくとも1種の金属有機化合物及び少なくとも1種の金属酸化物を含む、有機発光ダイオードに関する。適した金属有機化合物及び金属酸化物並びに適量は上記されている。
【0065】
本発明のOLEDの構造
本発明の有機発光ダイオード(OLED)は、かくして一般的に以下の構造を有する:
陽極(An)、陰極(Ka)、陽極(An)と陰極(Ka)との間に配置された発光層E、及び発光層Eと陽極Anとの間に配置された正孔輸送層及び/又は正孔注入層。
【0066】
本発明のOLEDは、例えば、好ましい実施態様では、以下の層から形成されてよい:
1.陽極
2.正孔輸送層
3.発光層
4.正孔/励起子の遮断層
5.電子輸送層
6.陰極
【0067】
前述の構造とは異なる層の配列も可能であり、これは当業者に公知である。例えば、OLEDが上記の層の全てを有していないことが可能である;例えば、層(1)、(2)、(3)、(4)及び(6)を有するOLEDも同様に適している。更に、OLEDは、正孔輸送層(2)と発光層(3)との間の電子/励起子の遮断層を有してもよい。更には、OLEDは正孔輸送層(2)と発光層との間に正孔注入層を有してよい。
【0068】
付加的に、複数の前述の機能(電子/励起子ブロッカー、正孔/励起子ブロッカー、正孔注入、正孔輸送、電子注入、電子輸送)が、1つの層に兼備され、例えば、この層に存在する単一の材料によって担われることも可能である。例えば、一実施形態では、正孔輸送層に使用される材料は、励起子及び/又は電子を同時に遮断し得る。
【0069】
更には、OLEDの個々の層は、上記のものの中で、2つ以上の層から順に形成されてよい。例えば、正孔輸送層は、正孔が電極から注入される層と、正孔注入層から発光層に正孔を輸送する層から形成されてよい。電子輸送層は、同様に、複数の層、例えば、電子が電極によって注入された層、及び電子を電子注入層から受け取ってそれらを発光層に輸送する層から構成されてよい。記載されたこれらの層は、エネルギーレベル、耐熱性及び電荷キャリア移動度、さらには有機層又は金属電極によって特定された層のエネルギー差などの要因に応じてそれぞれ選択されている。当業者であれば、発明に従って、発光体物質として使用される有機化合物に最適に適合するようにOLEDの構造を選択することが可能である。特に効率的なOLEDを得るために、例えば、正孔輸送層のHOMO(最高被占分子軌道)は、陽極の仕事関数に一致しなければならず、また電子輸送層のLUMO(最低非占有分子軌道)は、陰極の仕事関数に一致しなければならないが、但し、前述の層が本発明のOLED中に存在することを条件とする。
【0070】
陽極(1)は、正の電荷キャリアを提供する電極である。これは、例えば、金属、種々の金属の混合物、金属合金、金属酸化物、又は種々の金属酸化物の混合物を含む材料から形成され得る。あるいは、陽極は導電性ポリマーであってもよい。適した金属は、主族の金属及び金属の合金、ランタノイドの遷移金属、特に元素の周期表の第Ib族、第IVa族及び第VIa族の金属、及び第VIIIa族の遷移金属を含む。陽極が透明であるべき場合、一般に、元素の周期表(lUPAC版)の第IIb族及び第IVb族の混合された金属酸化物、例えば、インジウムスズ酸化物(ITO)が使用される。同様に、陽極(1)が、例えば、Nature, 第357巻、第477頁〜第479頁(1992年6月11日)に記載されているような、有機材料、例えば、ポリアニリンを含むことも可能である。少なくとも陽極又は陰極のいずれかは、生じた光を放出できるようにするために、少なくとも部分的に透明であるべきである。陽極(1)に用いられる材料は、好ましくはITOである。
【0071】
本発明のOLEDの層(2)に適した正孔輸送材料は、該正孔輸送層が少なくとも1種の金属有機化合物と少なくとも1種の金属酸化物を含まないか、又は少なくとも1種の金属有機化合物と少なくとも1種の金属酸化物の他に含まない場合が、例えば、Kirk-Othmer Encyclopedia of Chemical Technology, 第4版, 第18巻, 第837頁〜第860頁, 1996年に開示されている。正孔輸送分子とポリマーの両方が正孔輸送材料として使用することができる。通常、使用される正孔輸送分子は、トリス[N−(1−ナフチル)−N−(フェニルアミノ)]トリフェニルアミン(1−NaphDATA)、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(α−NPD)、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(TPD)、1,1−ビス[(ジ−4−トリルアミノ)フェニル]シクロヘキサン(TAPC)、N,N’−ビス(4−メチルフェニル)−N,N’−ビス(4−エチルフェニル)−[1,1’−(3,3’−ジメチル)ビフェニル]−4,4’−ジアミン(ETPD)、テトラキス(3−メチルフェニル)−N,N,N’,N’−2,5−フェニレンジアミン(PDA)、α−フェニル−4−N,N−ジフェニルアミノスチレン(TPS)、p−(ジエチルアミノ)ベンズアルデヒドジフェニルヒドラゾン(DEH)、トリフェニルアミン(TPA)、ビス[4−(N,N−ジエチルアミノ)−2−メチルフェニル)(4−メチルフェニル)メタン(MPMP)、1−フェニル−3−[p−(ジエチルアミノ)スチリル]−5−[p−(ジエチルアミノ)フェニル]ピラゾリン(PPR又はDEASP)、1,2−トランス−ビス(9H−カルバゾール−9−イル)シクロブタン(DCZB)、N,N,N’,N’−テトラキス(4−メチルフェニル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン(TTB)、4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(TDTA)、4,4’,4’’−トリス(N−カルバゾリル)トリフェニルアミン(TCTA)、N,N’−ビス(ナフタレン−2−イル)−N,N’−ビス(フェニル)ベンジジン(β−NPB)、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ビス(フェニル)−9,9−スピロビフルオレン(スピロ−TPD)、N,N’−ビス(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ビス(フェニル)−9,9−スピロビフルオレン(スピロ−NPB)、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ビス(フェニル)−9,9−ジメチルフルオレン(DMFL−TPD)、ジ[4−(N,N−ジトリルアミノ)フェニル]シクロヘキサン、N,N’−ビス(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ビス(フェニル)−9,9−ジメチルフルオレン、N,N’−ビス(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ビス(フェニル)−2,2−ジメチルベンジジン、N,N’−ビス(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ビス(フェニル)ベンジジン、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ビス(フェニル)ベンジジン、2,3,5,6−テトラフルオロ−7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン(F4−TCNQ)、4,4’,4’’−トリス(N−3−メチルフェニル−N−フェニルアミノ)トリフェニルアミン、4,4’,4’’−トリス(N−(2−ナフチル)−N−フェニルアミノ)トリフェニルアミン、ピラジノ[2,3−f][1,10]フェナントロリン−2,3−ジカルボニトリル(PPDN)、N,N,N’,N’−テトラキス(4−メトキシフェニル)ベンジジン(MeO−TPD)、2,7−ビス[N,N−ビス(4−メトキシフェニル)アミノ]−9,9−スピロビフルオレン(MeO−スピロ−TPD)、2,2’−ビス[N,N−ビス(4−メトキシフェニル)アミノ]−9,9−スピロビフルオレン(2,2’−MeO−スピロ−TPD)、N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ[4−(N,N−ジトリルアミノ)フェニル]ベンジジン(NTNPB)、N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ[4−(N,N−ジフェニルアミノ)フェニル]ベンジジン(NPNPB)、N,N’−ジ(ナフタレン−2−イル)−N,N’−ジフェニルベンゼン−1,4−ジアミン(β−NPP)、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ビス(フェニル)−9,9−ジフェニルフルオレン(DPFL−TPD)、N,N’−ビス(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ビス(フェニル)−9,9−ジフェニルフルオレン(DPFL−NPB)、2,2’,7,7’−テトラキス(N,N−ジフェニルアミノ)−9,9’−スピロビフルオレン(スピロ−TAD)、9,9−ビス[4−(N,N−ビス(ビフェニル−4−イル)アミノ)フェニル]−9H−フルオレン(BPAPF)、9,9−ビス[4−(N,N−ビス(ナフタレン−2−イル)アミノ)フェニル]−9H−フルオレン(NPAPF)、9,9−ビス[4−(N,N−ビス(ナフタレン−2−イル)−N,N’−ビスフェニルアミノ)フェニル]−9H−フルオレン(NPBAPF)、2,2’,7,7’−テトラキス[N−ナフタレニル(フェニル)アミノ]−9,9’−スピロビフルオレン(スピロ−2NPB)、N,N’−ビス(フェナントレン−9−イル)−N,N’−ビス(フェニル)ベンジジン(PAPB)、2,7−ビス[N,N−ビス(9,9−スピロビフルオレン−2−イル)アミノ]−9,9−スピロビフルオレン(スピロ−5)、2,2’−ビス[N,N−ビス(ビフェニル−4−イル)アミノ]−9,9−スピロビフルオレン(2,2’−スピロ−DBP)、2,2’−ビス(N,N−ジフェニルアミノ)−9.9−スピロビフルオレン(スピロ−BPA)、2,2’,7,7’−テトラ(N,N−ジトリル)アミノ−スピロビフルオレン(スピロ−TTB)、N,N,N’,N’−テトラナフタレン−2−イルベンジジン(TNB)、ポルフィリン化合物及びフタロシアニン、例えば、銅フタロシアニン及び酸化チタンフタロシアニンからなる群から選択される。通常、使用される正孔輸送性ポリマーは、ポリビニルカルバゾール、(フェニルメチル)ポリシラン及びポリアニリンからなる群から選択される。同様に、ポリスチレン及びポリカーボネートなどのポリマーに正孔輸送分子をドープすることによって正孔輸送性ポリマーを得ることも可能である。適した正孔輸送分子は、既に上記した分子である。
【0072】
更に、一実施形態では、正孔輸送材料としてカルベン錯体を用いることが可能であり、その際、少なくとも1つの正孔輸送材料のバンドギャップは、一般に、使用される発光体材料のバンドギャップよりも大きい。適したカルベン錯体は上記されている。
【0073】
本発明の好ましい実施形態では、正孔輸送層(2)は、少なくとも1種の金属有機化合物と少なくとも1種の金属酸化物を含み、その際、適した金属有機化合物及び適した金属酸化物並びに金属有機化合物と適した金属酸化物の適量は上記されている。
【0074】
発光層(3)は、少なくとも1種の発光体材料を含む。原則的に、該材料は蛍光発光体又は燐光発光体であってよく、適した発光体材料は当業者に公知である。少なくとも1種の発光体材料は、好ましくは、燐光発光体である。優先的に使用される燐光発光体化合物は、金属錯体、特に金属のルテニウム、ロジウム、イリジウム、パラジウム及び白金の錯体、特にイリジウムの錯体をベースとしたものであり、これらは重要性を増している。
【0075】
本発明のOLEDでの使用に適した金属錯体は、例えば、文献WO02/60910A1号、US2001/0015432A1号、US2001/0019782A1号、US2002/0055014A1号、US2002/0024293A1号、US2002/0048689A1号、EP1191612A2号、EP1191613A2号、EP1211257A2号、US2002/0094453A1号、WO02/02714A2号、WO00/70655A2号、WO01/41512A1号、WO02/15645A1号、WO2005/019373A2号、WO2005/113704A2号、WO2006/115301A1号、WO2006/067074A1号、WO2006/056418号、WO2006121811A1号、WO2007095118A2号、WO2007/115970号、WO2007/115981号及びWO2008/000727号に記載されている。
【0076】
更に適した金属錯体は、市販の金属錯体トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム(III)、イリジウム(III)トリス(2−(4−トリル)ピリジナト−N,C
2’)、ビス(2−フェニルピリジン)(アセチルアセトナト)イリジウム(III)、イリジウム(III)トリス(1−フェニルイソキノリン)、イリジウム(III)ビス(2,2’−ベンゾチエニル)ピリジナト−N,C
3’)(アセチルアセトネート)、トリス(2−フェニルキノリン)イリジウム(III)、イリジウム(III)ビス(2−(4,6−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C
2)ピコリネート、イリジウム(III)ビス(1−フェニルイソキノリン)(アセチルアセトネート)、ビス(2−フェニルキノリン)(アセチルアセトナト)イリジウム(III)、イリジウム(III)ビス(ジ−ベンゾ[f,h]キノキサリン)(アセチルアセトネート)、イリジウム(III)ビス(2−メチルジベンゾ[f,h]キノキサリン)(アセチルアセトネート)及びトリス(3−メチル−1−フェニル−4−トリメチルアセチル−5−ピラゾリノ)テルビウム(III)、ビス[1−(9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)イソキノリン](アセチルアセトナト)イリジウム(III)、ビス(2−フェニルベンゾチアゾラート)(アセチルアセトナト)イリジウム(III)、ビス(2−(9,9−ジヘキシルフルオレニル)−1−ピリジン)(アセチルアセトナト)イリジウム(III)、ビス(2−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル−ピリジン)(アセチルアセトナト)イリジウム(III)である。
【0077】
更に、以下の市販の材料が適している:トリス(ジベンゾイルアセトナト)モノ(フェナントロリン)ユウロピウム(III)、トリス(ジベンゾイルメタン)−モノ(フェナントロリン)ユウロピウム(III)、トリス(ジベンゾイルメタン)モノ(5−アミノフェナントロリン)ユウロピウム(III)、トリス(ジ−2−ナフトイルメタン)モノ(フェナントロリン)ユウロピウム(III)、トリス(4−ブロモベンゾイルメタン)モノ(フェナントロリン)ユウロピウム(III)、トリス(ジ(ビフェニル)−メタン)モノ(フェナントロリン)ユウロピウム(III)、トリス(ジベンゾイルメタン)モノ(4,7−ジフェニルフェナントロリン)ユウロピウム(III)、トリス(ジベンゾイルメタン)モノ(4,7−ジ−メチル−フェナントロリン)ユウロピウム(III)、トリス(ジベンゾイルメタン)モノ(4,7−ジメチルフェナントロリンジスルホン酸)ユウロピウム(III)二ナトリウム塩、トリス[ジ(4−(2−(2−エトキシエトキシ)エトキシ)−ベンゾイルメタン)]モノ(フェナントロリン)ユウロピウム(III)及びトリス[ジ[4−(2−(2−エトキシ−エトキシ)エトキシ)ベンゾイルメタン)]モノ(5−アミノフェナントロリン)ユウロピウム(III)、オスミウム(II)ビス(3−(トリフルオロメチル)−5−(4−tert−ブチルピリジル)−1,2,4−トリアゾラート)ジフェニル−メチルホスフィン、オスミウム(II)ビス(3−(トリフルオロメチル)−5−(2−ピリジル)−1,2,4−トリアゾール)−ジメチルフェニルホスフィン、オスミウム(II)ビス(3−(トリフルオロメチル)−5−(4−tert−ブチルピリジル)−1,2,4−トリアゾラート)ジメチルフェニルホスフィン、オスミウム(II)ビス(3−(トリフルオロメチル)−5−(2−ピリジル)ピラゾラート)ジメチルフェニルホスフィン、トリス[4,4’−ジ−tert−ブチル(2,2’)−ビピリジン]−ルテニウム(III)、オスミウム(II)ビス(2−(9,9−ジブチルフルオレニル)−1−イソキノリン(アセチルアセトネート)。
【0078】
好ましい三重項発光体はカルベン錯体である。適したカルベン錯体は当業者に公知であり、例えば、WO2005/019373A2号、WO2006/056418A2号、WO2005/113704号、WO2007/115970号、WO2007/115981号及びWO2008/000727号に記載されている。好ましいカルベン錯体は、上記の式(I)のカルベン錯体である。特に好ましいカルベン錯体は上記の式(la)及び(lb)のカルベン錯体である。
【化16】
【0079】
発光層は、発光体材料の他に更なる成分を含んでよい。
【0080】
例えば、発光体材料の発光色を変化させるために、蛍光染料が発光層中に存在してよい。更に好ましい実施形態では、マトリックス材料が使用されてもよい。このマトリックス材料は、ポリマー、例えば、ポリ(N−ビニルカルバゾール)又はポリシランであってよい。しかしながら、マトリックス材料は、4,4’−N,N’−ジカルバゾールビフェニル(CDP=CBP)又は第三級芳香族アミン、例えばTCTAであってもよい。
【0081】
適したマトリックス材料は、上記のマトリックス材料に加えて、原則的に、正孔及び電子輸送材料として以下に記載された材料、さらには炭素錯体、例えば、WO2005/019373号に記載されたカルベン錯体である。特に適したものは、カルバゾール誘導体、例えば、4,4’−ビス(カルバゾール−9−イル)−2,2’−ジメチルビフェニル(CDBP)、4,4’−ビス(カルバゾール−9−イル)ビフェニル(CBP)、1,3−ビス(N−カルバゾリル)ベンゼン(mCP)、及び以下の出願:WO2008/034758号、WO2009/003919号に記載されたマトリックス材料である。
【0082】
更に、ジベンゾフランが、マトリックス材料として適しており、例えば、US2007/0224446A1号に開示されたジベンゾフラン、例えば、R
1〜R
8基の少なくとも1つが複素環式基であるジベンゾフラン、例えば、化合物A−15、及びWO2009/069442A1号、WO2010/090077A1号及びJP2006/321750A号に開示されたジベンゾフランである。
【0083】
ジベンゾフランをベースとした更なるマトリックス材料は、例えば、US2009066226号、EP1885818B1号、EP1970976号、EP1998388号及びEP2034538号に記載されている。
【0084】
小分子又は記載された小分子の(コ)ポリマーであり得る、更なる適したマトリックス材料は、以下の刊行物に記載されている:
WO2007108459号(H−1〜H−37)、好ましくはH−20〜H−22及びH−32〜H−37、最も好ましくは、H−20、H−32、H−36、H−37、WO2008035571A1号(ホスト1〜ホスト6)、JP2010135467号(化合物1〜46及びHOST−1〜HOST−39及びHost−43)、WO2009008100号の化合物No.1〜No.67、好ましくはNo.3、No.4、No.7〜No.12、No.55、No.59、No.63〜No.67、更に好ましくはNo.4、No.8〜No.12、No.55、No.59、No.64、No.65、及びNo.67、WO2009008099号の化合物No.1〜No.110、WO2008140114号の化合物1−1〜1−50、WO2008090912号の化合物OC−7〜OC−36及びMo−42〜Mo−51のポリマー、JP2008084913号のH−1〜H−70、WO2007077810号の化合物1〜44、好ましくは1、2、4〜6、8、19〜22、26、28〜30、32、36、39〜44、WO201001830号のモノマー1−1〜1−9のポリマー、好ましくはモノマー1−3、1−7、及び1−9のポリマー、WO2008029729号の化合物1−1〜1−36(のポリマー)、WO20100443342号のHS−1〜HS−101及びBH−1〜BH−17、好ましくはBH−1〜BH−17、JP2009182298号のモノマー1−75をベースとした(コ)ポリマー、JP2009170764号、JP2009135183号のモノマー1−14をベースとした(コ)ポリマー、WO2009063757号の好ましくはモノマー1−1〜1−26をベースとした(コ)ポリマー、WO2008146838号の化合物a−1〜a−43及び1−1〜1−46、JP2008207520号のモノマー1−1〜1−26をベースとした(コ)ポリマー、JP2008066569号のモノマー1−1〜1−16をベースとした(コ)ポリマー、WO2008029652号のモノマー1−1〜1−52をベースとした(コ)ポリマー、WO2007114244号のモノマー1−1〜1−18をベースとした(コ)ポリマー、JP2010040830号の化合物HA−1〜HA−20、HB−1〜HB−16、HC−1〜HC−23及びモノマーHD−1〜HD−12をベースとした(コ)ポリマー、JP2009021336号、WO2010090077号の化合物1〜55、WO2010079678号の化合物H1〜H42、WO2010067746号、WO2010044342号の化合物HS−1〜HS−101及びPoly−1〜Poly−4、JP2010114180号の化合物PH−1〜PH−36、US2009284138号の化合物1〜111及びH1〜H71、WO2008072596号の化合物1〜45、JP2010021336号の化合物H−1〜H−38、好ましくはH−1、WO2010004877号の化合物H−1〜H−60、JP2009267255号の化合物1−1〜1−105、WO2009104488号の化合物1−1〜1−38、WO2009086028号、US2009153034号、US2009134784号、WO2009084413号の化合物2−1〜2−56、JP2009114369号の化合物2−1〜2−40、JP2009114370号の化合物1〜67号、WO2009060742号の化合物2−1〜2−56、WO2009060757号の化合物1−1〜1−76、WO2009060780号の化合物1−1〜1−70、WO2009060779号の化合物1−1〜1−42、WO2008156105号の化合物1〜54、JP2009059767号の化合物1〜20、JP2008074939号の化合物1〜256、JP2008021687号の化合物1〜50、WO2007119816号の化合物1〜37、WO2010087222号の化合物H−1〜H−31、WO2010095564号の化合物HOST−1〜HOST−61、WO2007108362号、WO2009003898号、WO2009003919号、WO2010040777号、US2007224446号及びWO06128800号。
【0085】
特に好ましい実施形態では、下記の一般式(X)の1種以上の化合物がマトリックス材料として使用されている。一般式(X)の化合物の好ましい実施形態も同様に以下に記載されている。
【0086】
好ましい実施形態において、本発明は、従って、本発明による有機電子デバイス、好ましくはOLEDであって、一般式(X)
【化17】
(式中、
Tは、NR
57、S、O又はPR
57、好ましくはS又はO、更に好ましくはOであり;
R
57は、アリール、ヘテロアリール、アルキル、シクロアルキル又はヘテロシクロアルキルであり;
Q’は、−NR
58R
59、−SiR
70R
71R
72、−P(O)R
60R
61、−PR
62R
63、−S
(O)2R
64、−S(O)R
65、−SR
66又は−OR
67、好ましくは−NR
58R
59;更に好ましくは
【化18】
(式中、
R
68、R
69は互いに独立してアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘテロアリールであり;好ましくはメチル、カルバゾリル、ジベンゾフリル又はジベンゾチエニルであり;
y、zは互いに独立して0、1、2、3又は4、好ましくは0又は1であり;
R
55、R
56はそれぞれ独立して、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、SiR
70R
71R
72、Q’基又は供与作用又は受容作用を有する基であり;
a’’は0、1、2、3又は4であり;
b’は0、1、2又は3であり;
R
58、R
59は窒素原子と一緒に3〜10個の環原子を有する環状残基を形成し、該基は非置換であるか又はアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール並びに供与作用又は受容作用を有する基から選択される1つ以上の置換基によって置換されてよい、及び/又は3〜10個の環原子を有する1つ以上の更なる環状残基に縮合してよく、その際、縮合した残基は非置換であるか又はアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール及び供与作用又は受容作用を有する基から選択される1つ以上の置換基によって置換されてよい;
R
70、R
71、R
72、R
60、R
61、R
62、R
63、R
64、R
65、R
66、R
67は互いに独立してアリール、ヘテロアリール、アルキル、シクロアルキル又はヘテロシクロアルキルであるか、又は
一般式(X)の2つの単位は、結合又はOを介して、少なくとも1つのヘテロ原子によって任意に中断された、直鎖状又は分枝鎖状の、飽和又は不飽和の橋を介して相互に橋かけされている)
の少なくとも1種の化合物、特に好ましくは三重項発光体としてのカルベン錯体と組み合わせた化合物を含む、前記OLEDに関するものである。
【0087】
好ましいものは式(X)の化合物であり、その際、
TはS又はO、好ましくはOであり、且つ
Q’は
【化19】
であり、
式中、
R
68、R
69はそれぞれ独立して、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘテロアリール;好ましくはメチル、カルバゾリル、ジベンゾフリル又はジベンゾチエニルであり;
y、zはそれぞれ独立して0、1、2、3又は4、好ましくは0又は1である。
【0088】
特に好ましい式(X)の化合物は、以下の式(Xa):
【化20】
(式中、記号及び添え字Q’、T、R
55、R
56、a’’及びb’はそれぞれ上に定義される通りである)
を有する。
【0089】
非常に特に好ましい式(X)の化合物は、以下の式(Xaa):
【化21】
(式中、記号及び添え字R
68、R
69、y、z、T、R
55、R
56、a’’及びb’はそれぞれ上に定義される通りである)
を有する。
【0090】
非常に特に好ましい実施態様において、式(Xaa)では:
TはO又はS、好ましくはOであり;
a’’は1であり;
b’は0であり;
y、zはそれぞれ独立して0又は1であり、且つ
R
68、R
69は、それぞれ独立して、メチル、カルバゾリル、ジベンゾフリル又はジベンゾチエニルであり、
R
55は置換されたフェニル、カルバゾリル、ジベンゾフリル又はジベンゾチエニルである。
【0091】
更に非常に特に好ましい式(X)の化合物は、式(Xab)
【化22】
(式中、記号及び添え字R
68、R
69、y、z、T、R
55、R
56、a’’及びb’はそれぞれ独立して上記の意味を有する)
を有する。
【0092】
特に好ましい実施態様では、式(Xab)中の記号及び添え字は以下の意味を有する:
TはO又はS、好ましくはOであり;
a’’は0であり;
b’は0であり;
y、zは互いに独立して0又は1であり;且つ
R
68、R
69は互いに独立してメチル、カルバゾリル、ジベンゾフリル又はジベンゾチエニルである。
【0093】
特に好ましい式(Xab)の化合物は以下の化合物である:
【化23】
(式中、TはO又はS、好ましくはOである)。
【0094】
式(X)の化合物は、例えば、WO2010079051号、WO2007/077810号、JP2009267255号、US20090017331A1号及びWO2009/003898号にそれぞれ記載された通りに、又は上記の文献に記載された製造方法と類似した方法で製造されてよい。
【0095】
本発明の更に好ましい実施態様では、少なくとも1種の式(V)の化合物は、マトリックス材料として、特に好ましくは三重項発光体としてのカルベン錯体と共に使用される。
【化24】
(式中、
XはNR、S、O又はPRであり;
Rはアリール、ヘテロアリール、アルキル、シクロアルキル、又はヘテロシクロアルキルであり;
Aは−NR
6R
7、−P(O)R
8R
9、−PR
10R
11、−S(O)
2R
12、−S(O)R
13、−SR
14、又は−OR
15であり;
R
1、R
2及びR
3は互いに独立してアリール又はヘテロアリール、アルキル、シクロアルキル、又はヘテロシクロアルキルであり、その際、基R
1、R
2、又はR
3の少なくとも1つはアリール、又はヘテロアリールであり;
R
4及びR
5は互いに独立してアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、基A、又は供与特性、又は受容特性を有する基であり;
n及びmは、互いに独立して0、1、2、又は3であり;
R
6、R
7は窒素原子と一緒になって、3〜10個の環原子を有する環状残基を形成し、該基は非置換であるか、又はアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール及び供与特性、又は受容特性を有する基から選択される1つ以上の置換基で置換されてよい;及び/又は該基は3〜10個の環原子を有する1つ以上の更なる環状残基と縮合されていてよく、その際、縮合された残基は、非置換であるか又はアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール及び供与特性又は受容特性を有する基から選択される1つ以上の置換基で置換されてよく;且つ
R
8、R
9、R
10、R
11、R
12、R
13、R
14及びR
15は互いに独立してアリール、ヘテロアリール、アルキル、シクロアルキル又はヘテロシクロアルキルである)。
【0096】
式(V)の化合物は、WO2010079051号(PCT/EP2009/067120号)に記載されている。
【0097】
一般式(X)の化合物、特にR
55〜R
77残基の化合物の場合、及び一般式(V)の化合物、特にR
1〜R
15残基の化合物の場合:
【0098】
アリール残基又は基、ヘテロアリール残基又は基、アルキル残基又は基、シクロアルキル残基又は基、ヘテロシクロアルキル残基又は基、アルケニル残基又は基、アルキニル残基又は基、供与作用及び/又は受容作用を有する基との用語は、それぞれ以下の通りに定義される:
【0099】
アリール残基(又は基)は、芳香環又は複数の縮合芳香族環から形成された、6〜30個の炭素原子、好ましくは6〜18個の炭素原子の基本骨格を有する残基を意味すると理解される。適した基本骨格は、例えば、フェニル、ナフチル、アントラセニル又はフェナントレニル、インデニル又はフルオレニルである。この基本骨格は、非置換であるか(これは置換可能な全ての炭素原子が水素原子を有することを意味する)、又は1つ以上又は全ての置換可能な基本骨格の位置で置換されてよい。
【0100】
適した置換基は、例えば、重水素、アルコキシ残基、アリールオキシ残基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、カルバゾリル基、シリル基、SiR
78R
79R
80(適したシリル基SiR
78R
79R
80は以下に記載されている)、アルキル残基、好ましくは1〜8個の炭素原子を有するアルキル残基、更に好ましくはメチル、エチル又はi−プロピル、アリール残基、好ましくは順に置換されてよい又は非置換であってよいC
6−アリール残基、ヘテロアリール残基、好ましくは少なくとも1個の窒素原子を含むヘテロアリール残基、更に好ましくはピリジル残基及びカルバゾリル残基、アルケニル残基、好ましくは1つの二重結合を有するアルケニル残基、更に好ましくは1つの二重結合と1〜8個の炭素原子を有するアルケニル残基、アルキニル残基、好ましくは1つの三重結合を有するアルキニル残基、更に好ましくは1つの三重結合及び1〜8個の炭素原子又は供与作用及び受容作用を有する基を有するアルキニル残基である。供与作用及び受容作用を有する適した基は以下に記載されている。置換アリール残基は、最も好ましくは、メチル、エチル、イソプロピル、アルコキシ、ヘテロアリール、ハロゲン、擬ハロゲン及びアミノ、好ましくはアリールアミノからなる群から選択される置換基を有する。アリール残基又はアリール基は好ましくはC
6〜C
18−アリール残基であり、更に好ましくはC
6−アリール残基であり、これは任意に少なくとも1つ又は2つ以上の前述の置換基によって置換される。C
6〜C
18−アリール残基、好ましくはC
6−アリール残基は、更に好ましくは前述の置換基を有していないか、1つ、2つ、3つ又は4つの置換基を有し、最も好ましくは置換基を有していないか、1つ又は2つの置換基を有する。
【0101】
ヘテロアリール残基又はヘテロアリール基は、アリール残基の基本骨格中の少なくとも1つの炭素原子がヘテロ原子によって置換基される点で、また、ヘテロアリール残基の基本骨格が好ましくは5〜18個の環原子を有する点で、前述のアリール残基とは異なる残基を意味すると理解される。好ましいヘテロ原子はN、O及びSである。特に有利に適したヘテロアリール残基は、窒素含有ヘテロアリール残基である。最も好ましくは、基本骨格の1つ又は2つの炭素原子は、ヘテロ原子、好ましくは窒素によって置換されている。基本骨格は、特に好ましくは、系、例えば、ピリジン、ピリミジン及び5員環ヘテロ芳香族、例えば、ピロール、フラン、ピラゾール、イミダゾール、チオフェン、オキサゾール、チアゾール、トリアゾールから選択される。更に、ヘテロアリール残基は、縮合環系、例えば、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、ベンゾピロリル、ジベンゾフリル、ジベンゾチエニル、フェナントロリニル、カルバゾリル残基、アザカルバゾリル残基又はジアザカルバゾリル残基であってよい。基本骨格は、基本骨格の1つ、2つ以上又は全ての置換可能な位置で置換されてよい。適した置換基は、アリール基について既に記載されたものと同じである。
【0102】
アルキル残基又はアルキル基は、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜8、最も好ましくは炭素数1〜4の残基を意味すると理解される。このアルキル残基は、分枝鎖状又は非分枝鎖状であってよく、任意に1つ以上のヘテロ原子、好ましくはSi、N、O又はS、更に好ましくはN、O又はSによって中断されてよい。更に、このアルキル残基はアリール基について記載された1つ以上の置換基によって置換されてよい。更に、本発明によって存在するアルキル残基は少なくとも1つのハロゲン原子、例えば、F、Cl、Br又はI、特にFを有してもよい。更なる実施形態では、本発明によって存在するアルキル残基は、完全にフッ素化されてよい。同様に、アルキル残基が1つ以上の(ヘテロ)アリール基を有することも可能である。従って、本出願の文脈では、例えば、ベンジル基は、置換されたアルキル残基である。この文脈では、上に挙げられた全ての(ヘテロ)アリール基が適している。アルキル残基は、更に好ましくは、メチル、エチル、イソプロピル、n−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル及びtert−ブチルからなる群から選択され、非常に特に好ましいものは、メチル及びエチルである。
【0103】
シクロアルキル残基又はシクロアルキル基は、炭素数3〜20、好ましくは炭素数3〜10、更に好ましくは炭素数3〜8の残基を意味すると理解される。この基本骨格は、非置換であるか(これは置換可能な全ての炭素原子が水素原子を有することを意味する)、又は1つ以上又は全ての置換可能な基本骨格の位置で置換されてよい。適した置換基は、アリール残基について既に上記された基である。同様に、シクロアルキル残基が1つ以上の(ヘテロ)アリール基を有することも可能である。適したシクロアルキル残基の例は、シクロプロピル、シクロペンチル及びシクロヘキシルである。
【0104】
ヘテロシクロアルキル残基又はヘテロシクロアルキル基は、シクロアルキル残基の基本骨格中の少なくとも1つの炭素原子がヘテロ原子によって置換される点で前述のシクロアルキル残基とは異なる残基を意味すると理解される。好ましいヘテロ原子はN、O及びSである。最も好ましくは、シクロアルキル残基の基本骨格の1つ又は2つの炭素原子はヘテロ原子によって置換される。適したヘテロシクロアルキル残基の例は、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、テトラヒドロフラン、ジオキサンから誘導される残基である。
【0105】
アルケニル残基又はアルケニル基は、アルキル残基の少なくとも1つのC−C単結合がC−C二重結合に置き換えられている点で異なる、少なくとも2つの炭素原子を有する前述のアルキル残基に対応する残基を意味すると理解される。
【0106】
アルキニル残基又はアルキニル基は、アルキル残基の少なくとも1つのC−C単結合がC−C三重結合で置き換えられている点で異なる、少なくとも2つの炭素原子を有する前述のアルキル残基に対応する残基を意味すると理解される。アルキニル残基は、好ましくは1つ又は2つの三重結合を有する。
【0107】
SiR
78R
79R
80基は、R
78、R
79及びR
80がそれぞれ独立してアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はOR
73であるシリル残基を意味すると理解される。
【0108】
SiR
74R
75R
76基は、R
74、R
75及びR
76がそれぞれ独立してアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はOR
73であるシリル残基を意味すると理解される。
【0109】
本願の文脈においては、供与作用又は受容作用を有する基又は置換基は以下の群を意味すると理解される:
供与作用を有する群は、+I及び/又は+M効果を有する群を意味すると理解され、受容作用を有する群は、−I及び/又は−M効果を有する群を意味すると理解される。好ましい適した基は、C
1〜C
20−アルコキシ、C
6〜C
30−アリールオキシ、C
1〜C
20−アルキルチオ、C
6〜C
30−アリールチオ、SiR81’’R82’’R83’’、OR73、ハロゲン残基、ハロゲン化C
1〜C
20−アルキル残基、カルボニル(−OC(R81’’))、カルボニルチオ(−C=O(SR81’’))、カルボニルオキシ(−C=O(OR81’’))、オキシカルボニル(−OC=O(R81’’))、チオカルボニル(−SC=O(R81’’))、アミノ(−NR81’’R82’’)、擬ハロゲン残基、アミド(−C=O(NR81’’))、−NR81’’C=O(R83’’)、ホスホネート(−P(O)(OR81’’)
2、ホスフェート(−OP(O)(OR81’’)
2)、ホスフィン(−PR81’’R82’’)、ホスフィンオキシド(−P(O)R81’’
2)、サルフェート(−OS(O)
2OR81’’)、スルホキシド(−S(O)R81’’)、スルホネート(−S(O)
2OR81’’)、スルホニル(−S(O)
2R81’’、スルホンアミド(−S(O)
2NR81’’R82’’)、NO
2、ボロン酸エステル(−OB(OR81’’)
2)、イミノ(−C=NR81’’R82’’))、ボラン残基、スタンナン残基、ヒドラジン残基、ヒドラゾン残基、オキシム残基、ニトロソ基、ジアゾ基、ビニル基、スルホキシイミン、アラン(alane)、ゲルマン、ボロキシム(boroxime)及びボラジンから選択される。
【0110】
供与作用又は受容作用を有する前述の群に記載されたR81’’、R82’’及びR83’’残基は、それぞれ独立して:
置換又は非置換のC
1〜C
20アルキル又は置換又は非置換のC
6〜C
30−アリール、又はOR
76であり、好適で且つ好ましいアルキル及びアリール残基は上記されている。R81’’、R82’’及びR83’’残基は、更に好ましくはC
1〜C
6−アルキル、例えば、メチル、エチル又はi−プロピル基、又はフェニルである。好ましい実施形態では、SiR81’’R82’’R83’’の場合、R81’’、R82’’及びR83’’は好ましくはそれぞれ独立して置換又は非置換のC
1〜C
20−アルキル又は置換又は非置換のアリール、好ましくはフェニルである。
【0111】
供与又は受容作用を有する好ましい置換基は、以下の:
C
1〜C
20アルコキシ、好ましくはC
1〜C
6アルコキシ、更に好ましくはエトキシ又はメトキシ;C
6〜C
30−アリールオキシ、好ましくはC
6〜C
10−アリールオキシ、更に好ましくはフェニルオキシ;SiR81’’R82’’R83’’、ここでR81’’、R82’’及びR83’’は好ましくはそれぞれ独立して置換又は非置換のアルキル、又は置換又は非置換のアリール、好ましくはフェニル;更に好ましくは、少なくとも1つのR81’’、R82’’及びR83’’残基は置換又は非置換のフェニルであり、適した置換基は上記されている;ハロゲン残基、好ましくは、F、Cl、更に好ましくはF、ハロゲン化C
1〜C
20アルキル残基、好ましくはハロゲン化C
1〜C
6アルキル残基、最も好ましくはフッ素化C
1〜C
6アルキル残基、例えば、CF
3、CH
2F、CHF
2又はC
2F
5;アミノ;好ましくはジメチルアミノ、ジエチルアミノ又はジアリールアミノ、更に好ましくはジアリールアミノ;擬ハロゲン残基、好ましくはCN、−C(O)OC
1〜C
4−アルキル、好ましくは−C(O)OMe、P(O)R
2、好ましくはP(O)Ph
2からなる群から選択される。
【0112】
供与作用又は受容作用を有する極めて特に好ましい置換基は、メトキシ、フェニルオキシ、ハロゲン化C
1〜C
4アルキル、好ましくはCF
3、CH
2F、CHF
2、C
2F
5、ハロゲン、好ましくはF、CN、SiR81’’R82’’R83’’(適したR81’’、R82’’及びR83’’残基は既に上記されている)、ジアリールアミノ(NR84’’R85’’、ここでR84’’、R85’’はそれぞれC
6〜C
30−アリールである)、−C(O)OC
1〜C
4−アルキル、好ましくは−C(O)OMe、P(O)Ph
2からなる群から選択される。
【0113】
ハロゲン基は、好ましくはF、Cl及びBr、更に好ましくはF及びCl、最も好ましくはFを意味すると理解される。
【0114】
擬ハロゲン基は好ましくはCN、SCN及びOCN、更に好ましくはCNを意味すると理解される。
【0115】
供与作用又は受容作用を有する前述の基は、本願に記載されているが、供与作用又は受容作用を有する基として上記リストに挙げられていない、更なる残基及び置換基が供与作用又は受容作用を有する可能性を除外していない。
【0116】
供与作用及び/又は受容作用を有するアリール残基又は基、ヘテロアリール残基又は基、アルキル残基又は基、シクロアルキル残基又は基、ヘテロシクロアルキル残基又は基、アルケニル残基又は基及び供与作用及び/又は受容作用を有する基は、上記の通り、置換されるか又は非置換であってよい。本願の文脈において、非置換基は、基の置換可能な原子が水素原子を有する基を意味すると理解される。本願の文脈において、置換された基とは、1つ以上の置換可能な原子が少なくとも1つの位置で水素原子の代わりに置換基を有する基を意味すると理解される。適した置換基は、アリール残基又は基について上記された置換基である。
【0117】
同じ番号を有する残基が本願による化合物において2度以上生じる場合、これらの残基はそれぞれ独立して上記の定義を有してよい。
【0118】
式(X)の化合物中の残基Tは、NR
57、S、O又はPR
57、好ましくはNR
57、S又はO、更に好ましくはO又はS、最も好ましくはOである。式(V)中の残基Xは、NR、S、O又はPR、更に好ましくはO又はS、最も好ましくはOであり;
【0119】
残基R
57は、アリール、ヘテロアリール、アルキル、シクロアルキル又はヘテロシクロアルキル、好ましくはアリール、ヘテロアリール又はアルキル、更に好ましくはアリールであり、ここで、前述の残基は非置換であるか又は置換されてよい。適した置換基は上記されている。R
57は、更に好ましくは、前述の置換基によって置換されてよい又は非置換であってよいフェニルである。R
57は、最も好ましくは、非置換のフェニルである。
【0120】
R残基は、アリール、ヘテロアリール、アルキル、シクロアルキル、又はヘテロシクロアルキルであり、その際、前述の残基は、非置換であるか又は置換されてよい。適した置換基は上記されている。Rは更に好ましくは前述の置換基によって置換されてよい又は非置換であってよいフェニルである。Rは、最も好ましくは、非置換のフェニルである。
【0121】
式(X)の化合物中のQ’基は、−NR
58R
59、−P(O)R
60R
61、−PR
62R
63、−S(O)
2R
64、−S(O)R
65、−SR
66又は−OR
67;好ましくはNR
58R
59、−P(O)R
60R
61又は−OR
67、更に好ましくは−NR
58R
59である。
【0122】
式(V)の化合物中のA基は、−NR
6R
7、−P(O)R
8R
9、−PR
10R
11、−S
(O)2R
12、−S(O)R
13、−SR
14、又は−OR
15、好ましくは−NR
6R
7、−P(O)R
8R
9又は−OR
15、更に好ましくは−NR
6R
7である。
【0123】
R
58〜R
67及びR
74〜R
76及びR
6〜R
15残基はそれぞれ次の通りに定義される:
R
58、R
59、R
6、R
7は、窒素原子と一緒に、3〜10個の環原子を有する環状残基を形成し且つ非置換であるか又はアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール及び供与作用又は受容作用を有する基から選択される1つ以上の置換基によって置換されてよく及び/又は3〜10個の環原子を有する1つ以上の更なる環状残基に縮合してよく、その際、縮合した残基は非置換であるか又はアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール及び供与作用又は受容作用を有する基から選択される1つ以上の置換基によって置換されてよく;
R
60、R
61、R
62、R
63、R
64、R
65、R
66、R
67、R
74、R
75、R
76、R
8、R
9、R
10、R
11、R
12、R
13、R
14、R
15はそれぞれ独立してアリール、ヘテロアリール、アルキル、シクロアルキル又はヘテロシクロアルキル、好ましくはアリール又はヘテロアリールであり、その際、残基は非置換であるか又はアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール及び供与作用又は受容作用を有する基から選択される1つ以上の残基よって置換されてよく、更に好ましくは非置換又は置換のフェニルであり、上記されている適した置換基、例えば、トリル又は以下の式の基である:
【化25】
(式中、T基及びR
70、R
71及びR
72残基はそれぞれ独立して式(X)の化合物について定義された通りである)。
【0124】
R
60、R
61、R
62、R
63、R
64、R
65、R
66及びR
67及びR
8、R
9、R
10、R
11、R
12、R
13、R
14、R
15は最も好ましくはそれぞれ独立してフェニル、トリル又は以下の式
【化26】
(式中、TはNPh、S又はOである)
の基である。
【0125】
有利に適した−NR
58R
59基及び−NR
6R
7基の例は、ピロリル、2,5−ジヒドロ−1−ピロリル、ピロリジニル、インドリル、インドリニル、イソインドリニル、カルバゾリル、アザカルバゾリル、ジアザカルバゾリル、イミダゾリル、イミダゾリニル、ベンズイミダゾリル、ピラゾリル、インダゾリル、1,2,3−トリアゾリル、ベンゾトリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、テトラゾリル、1,3−オキサゾリル、1,3−チアゾリル、ピペリジル、モルホリニル、9,10−ジヒドロアクリジニル及び1,4−オキサジニルからなる群から選択され、その際、前述の基は非置換であるか又はアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール及び供与作用又は受容作用を有する基から選択される1つ以上の置換基によって置換されてよく;−NR
6R
7基及び−NR
58R
59基は、好ましくは独立してカルバゾリル、ピロリル、インドリル、イミダゾリル、ベンズイミダゾリル、アザカルバゾリル及びジアザカルバゾリルから選択され、その際、前述の基は非置換であるか又はアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール及び供与作用又は受容作用を有する基から選択される1つ以上の置換基によって置換されてよく;−NR
58R
59基及び−NR
6R
7基は独立して更に好ましくは非置換であるか又はアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール及び供与作用又は受容作用を有する基から選択される1つ以上の置換基によって置換されてよいカルバゾリルである。
【0126】
特に好ましい−NR
58R
59基及び−NR
6R
7基は、以下の:
【化27】
(式中、
R
68、R
69はそれぞれ独立してアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘテロアリールであり、好ましくはメチル、カルバゾリル、ジベンゾフリル又はジベンゾチエニルであり;
y、zはそれぞれ独立して0、1、2、3又は4であり、好ましくは0又は1である)
であり、例えば、以下のものである:
【化28】
【化29】
【0127】
式(X)の化合物中のR
55、R
56及び式(V)の化合物中のR
4、R
5はそれぞれ独立してアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、更なるA基又は供与作用又は受容作用を有する基であり;好ましくはそれぞれ独立してアルキル、アリール、ヘテロアリール又は供与作用又は受容作用を有する基である。例えば、R
55又はR
56又はR
4又はR
5はそれぞれ独立して以下のものであってよい:
【化30】
【0128】
式(X)の化合物において、a’’R
55基及び/又はb’R
56基が存在してよく、その際、a’’及びb’は、
a’’は0、1、2、3又は4であり;好ましくは独立して0、1又は2であり;
b’は0、1、2又は3であり;好ましくは独立して0、1又は2である。
【0129】
最も好ましくは少なくともa’’又はb’は0であり、非常に特に好ましくはa’’及びb’はそれぞれ0であるか又はa’’は1であり且つb’は0である。
【0130】
式(V)の化合物において、mR
4基及び/又はn’R
5基が存在してよく、その際、m及びnは、
mが0、1、2、3又は4であり;好ましくは独立して0、1又は2であり;
nが0、1、2又は3であり;好ましくは独立して0、1又は2である。
【0131】
最も好ましくは少なくともm又はnは0であり、非常に特に好ましくはm及びnはそれぞれ0であるか又はmは1であり且つnは0である。
【0132】
一般式(V)の更に好ましい化合物は、以下の式(XI)
【化31】
(式中、
R
70、R
71、R
72はそれぞれ独立してアリール、ヘテロアリール、アルキル、シクロアルキル又はヘテロシクロアルキルである)
に対応する。
【0133】
式(V)の化合物の好ましい例は、以下のものである:
【化32】
【0134】
前記化合物は、WO2010079051号(PCT/EP2009/067120号;特に19〜26頁、27〜34頁の表、35〜37頁及び42〜43頁)に記載されている。
【0135】
特に好ましいマトリックス材料の例を以下に示す:
【化33】
【化34】
【化35】
【化36】
【0136】
上記の化合物において、TはO、又はS、好ましくはOである。Tが分子内で2回以上生じる場合、全ての基Tは同じ意味を有する。
【0137】
更に、発光層は、追加の又は単独のマトリックス材料として及び/又は追加の発光体材料として更なるカルベン錯体を含んでよい。好適な更なるカルベン錯体は、上記と同じカルベン錯体、特に式(I)のカルベン錯体である。
【0138】
好ましい実施形態では、発光層は、2質量%から70質量%までの、好ましくは5〜40質量%の少なくとも1種の前述の発光体材料と、30〜98質量%、好ましくは60〜95質量%の少なくとも1種の前述のマトリックス材料(一実施態様では、少なくとも1種の式(V)の化合物)とから形成されており、その際、発光体材料とマトリックス材料との合計は100質量%になる。
【0139】
好ましい実施態様では、発光層は、少なくとも1種の前述のマトリックス材料(一実施態様における式(V)の化合物)、例えば、
【化37】
及び2種のカルベン錯体、好ましくは以下の式
【化38】
を含む。
【0140】
前記実施態様では、発光層は、2質量%から40質量%までの、好ましくは5〜35質量%の以下の式
【化39】
及び60〜98質量%、好ましくは65〜95質量%の、少なくとも1種の前述のマトリックス材料(一実施態様では、式(V)の化合物)及び
【化40】
から形成され、その際、カルベン錯体と、少なくとも1種の上記のマトリックス材料(一実施態様における式(V)の化合物)との合計は100質量%になる。
【0141】
好ましい実施態様において、発光層は、マトリックス材料として以下に記載される、少なくとも1種の前述のマトリックス材料(一実施態様における式(V)の化合物)及び1種又は2種のカルベン錯体、好ましくは式(Ia)及び/又は(Ib)のカルベン錯体を含む。
【0142】
更なる実施態様では、少なくとも1種の前述のマトリックス材料(一実施態様における式(V)の化合物)は、正孔ブロッカー/励起子ブロッカー材料として使用され、好ましくは三重項発光体としてのカルベン錯体と一緒に使用される。少なくとも1種の前述のマトリックス材料(一実施態様における式(V)の化合物)も、三重項発光体としてのカルベン錯体と一緒に、マトリックス材料及び正孔ブロッカー/励起子ブロッカー材料の両方として使用されてよい。
【0143】
正孔/励起子(4)のブロッキング層が、前述のマトリックス材料(一実施態様における式(V)の化合物)を全く含まないか又は前述のマトリックス材料(一実施態様における式(V)の化合物)のいずれか1種の他に含まない場合、OLEDは、正孔のブロッキング層が存在する場合、典型的にはOLEDで使用される、正孔ブロッカー材料、例えば、2,6−ビス(N−カルバゾリル)ピリジン(mCPy)、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(バソクプロイン(BCP))、ビス(2−メチル−8−キノリナト)−4−フェニルフェニラト)アルミニウム(III)(BAIq)、フェノチアジンS,S−二酸化物誘導体、及び1,3,5−トリス(N−フェニル−2−ベンジルイミダゾリル)ベンゼン)(TPBI)を有し、TPBIも電子伝導性材料として適している。更に適した正孔ブロッカー及び/又は電子輸送材料は、2,2’,2’’−(1,3,5−ベンゼントリイル)トリス(1−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール)、2−(4−ビフェニルイル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、8−ヒドロキシキノリノラトリチウム、4−(ナフタレン−1−イル)−3,5−ジフェニル−4H−1,2,4−トリアゾール、1,3−ビス[2−(2,2’−ビピリジン−6−イル)−1,3,4−オキサジアゾ−5−イル]ベンゼン、4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン、3−(4−ビフェニルイル)−4−フェニル−5−tert−ブチルフェニル−1,2,4−トリアゾール、6,6’−ビス[5−(ビフェニル−4−イル)−1,3,4−オキサジアゾ−2−イル]−2,2’−ビピリジル、2−フェニル−9,10−ジ(ナフタレン−2−イル)アントラセン、2,7−ビス[2−(2,2’−ビピリジン−6−イル)−1,3,4−オキサジアゾ−5−イル]−9,9−ジメチルフルオレン、1,3−ビス[2−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾ−5−イル]ベンゼン、2−(ナフタレン−2−イル)−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン、トリス(2,4,6−トリメチル−3−(ピリジン−3−イル)フェニル)ボラン、2,9−ビス(ナフタレン−2−イル)−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン、1−メチル−2−(4−(ナフタレン−2−イル)フェニル)−1H−イミダゾ[4,5−f][1,10]フェナントロリンである。更なる実施態様では、WO2006/100298号に開示された、カルボニル基を含む基を介して結合された芳香環又は芳香族複素環を含む化合物、例えば、WO2009003919号(PCT/EP2008/058207号)及びWO2009003898号(PCT/EP2008/058106号)に記載された、ジシリルカルバゾール、ジシリルベンゾフラン、ジシリルベンゾチオフェン、ジシリルベンゾホスホール、ジシリルベンゾチオフェンS−酸化物及びジシリルベンゾチオフェンS,S−二酸化物からなる群から選択されるジシリル化合物、及びWO2008/034758号に開示されたジシリル化合物を、正孔/励起子(4)のブロッキング層として又は発光層(3)中のマトリックス材料として使用することが可能である。
【0144】
好ましい実施態様では、本発明は、(1)陽極、(2)正孔輸送層、(3)発光層、(4)正孔/励起子のブロッキング層、(5)電子輸送層及び(6)陰極の層を含み、適切であれば更なる層を含む本発明のOLEDであって、正孔輸送層が少なくとも1種の金属有機化合物と少なくとも1種の金属酸化物を含む前記OLEDに関する。適した金属有機化合物及び金属酸化物並びに適量は上記されている。
【0145】
本発明のOLEDの層(5)に適した電子輸送材料は、金属キレート化オキシノイド(oxinoid)化合物、例えば、2,2’,2’’−(1,3,5−フェニレン)トリス[1−フェニル−1H−ベンズイミダゾール](TPBI)、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(Alq
3)、フェナントロリンベースの化合物、例えば、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(DDPA=BCP)又は4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(DPA)、及びアゾール化合物、例えば、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(PBD)及び3−(4−ビフェニリル)−4−フェニル−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール(TAZ)、8−ヒドロキシキノリノラトリチウム(Liq)、4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(BPhen)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)−4−(フェニルフェノラト)−アルミニウム(BAIq)、1,3−ビス[2−(2,2’−ビピリジン−6−イル)−1,3,4−オキサジアゾ−5−イル]ベンゼン(Bpy−OXD)、6,6’−ビス[5−(ビフェニル−4−イル)−1,3,4−オキサジアゾ−2−イル]−2,2’−ビピリジル(BP−OXD−Bpy)、4−(ナフタレン−1−イル)−3,5−ジフェニル−4H−1,2,4−トリアゾール(NTAZ)、2,9−ビス(ナフタレン−2−イル)−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(NBphen)、2,7−ビス[2−(2,2’−ビピリジン−6−イル)−1,3,4−オキサジアゾ−5−イル]−9,9−ジメチルフルオレン (Bby−FOXD)、1,3−ビス[2−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾ−5−イル]ベンゼン(OXD−7)、トリス(2,4,6−トリメチル−3−(ピリジン−3−イル)フェニル)ボラン(3TPYMB)、1−メチル−2−(4−(ナフタレン−2−イル)フェニル)−1H−イミダゾ[4,5−f][1,10]フェナントロリン(2−NPIP)、2−フェニル−9,10−ジ(ナフタレン−2−イル)アントラセン(PADN)、2−(ナフタレン−2−イル)−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(HNBphen)を含む。層(5)は、電子輸送を促進し且つOLEDの層の境界面での励起の消失を防ぐためにバッファ層又はバリヤー層として作用し得る。層(5)は、好ましくは、電子の移動性を改善し、且つ励起の消失を減少させる。好ましい実施態様において、TPBIは電子導体材料として使用される。原則的に、電子導体層は電子導体材料として少なくとも1種の式(V)の化合物を含むことが可能である。
【0146】
好ましい実施態様において、本発明のOLEDの電子輸送層(5)は、式(II)の有機金属錯体及び好ましくは更に式(III)、(IVa)又は(IVb)の化合物を含む。層(5)は好ましくは電子の移動性を改善する。式(II)、(III)、(IVa)及び(IVb)の化合物並びに前記化合物の有機層、特に、電子輸送層における適量は上記されている。
【0147】
正孔輸送材料及び電子輸送材料として上記された材料の中で、幾つかは複数の機能を果たす。例えば、電子輸送材料の幾つかは、それらが低いHOMOを有する時に、同時に正孔ブロッキング材料である。これらは、例えば、正孔/励起子(4)のブロッキング層において使用できる。
【0148】
電荷輸送層は、使用される材料の輸送特性を改善するために、第一に層厚さを更に厚くするために(ピンホール/短回路の回避)、そして第二にデバイスの動作電圧を最小にするために電子的にドープされてもよい。例えば、正孔輸送材料は、電子受容体でドープされてよい;例えば、フタロシアニン又はアリールアミン、例えば、TPD又はTDTAはテトラフルオロテトラシアノキノジメタン(F4−TCNQ)で又はMoO
3もしくはWO
3でドープされてよい。電子ドーピングは当業者に公知であり、例えば、W. Gao, A. Kahn, J. Appl. Phys., 第94巻, 第1号, 2003年7月1日(p−ドープ有機層); A. G. Werner、F. Li, K. Harada、M. Pfeiffer、T. Fritz、K. Leo. Appl. Phys. Lett., 第82巻, 第25号, 2003年6月23日及びPfeifferら、Organic Electronics 2003, 4, 89〜103頁に開示されている。
【0149】
陰極(6)は、電子又は負の電荷キャリアを導入する役割を果たす電極である。陰極に適した材料は、元素の周期表(古いIUPAC版)の、第Ia族のアルカリ金属、例えば、Li、Cs、第IIa族のアルカリ土類金属、例えば、カルシウム、バリウム又はマグネシウム、第IIb族の金属(ランタニド及びアクチニド、例えば、サマリウムを含む)からなる群から選択される。更に、金属、例えば、アルミニウム又はインジウム、及び全ての記載された金属の組み合わせを使用することも可能である。更にリチウム含有有機金属化合物又はフッ化カリウム(KF)は、動作電圧を減少させるために有機層と陰極との間に適用できる。
【0150】
本発明によるOLEDは、当業者に公知の更なる層を更に含んでよい。例えば、正の電荷の輸送を促進させ且つ/又は層のバンドギャップを互いに適合させる層は、層(2)と発光層(3)との間に適用されてよい。あるいは、この更なる層は保護層の役割を果たしてもよい。類似の手法では、追加の層は、負の電荷の輸送を促進し且つ/又は層の間のバンドギャップを互いに整合させるために、発光層(3)と層(4)との間に存在してよい。あるいは、この層は保護層の役割を果たしてもよい。
【0151】
好ましい実施態様において、本発明のOLEDは、層(1)〜(6)の他に、少なくとも1種の下記の次の層を含む:
− 陽極(1)と正孔輸送層(2)との間の正孔注入層;
− 正孔輸送層(2)と発光層(3)との間の電子のブロッキング層;
− 電子輸送層(5)と陰極(6)との間の電子注入層。
【0152】
正孔注入層のための材料は、銅フタロシアニン、4,4’,4’’−トリス(N−3−メチルフェニル−N−フェニルアミノ)トリフェニルアミン(m−MTDATA)、4,4’,4’’−トリス−(N−(2−ナフチル)−N−フェニルアミノ)トリフェニルアミン(2T−NATA)、4,4’,4’’−トリス(N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ)トリフェニルアミン(1T−NATA)、4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(NATA)、チタンオキシドフタロシアニン、2,3,5,6−テトラフルオロ−7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン(F4−TCNQ)、ピラジノ[2,3−f][1,10]フェナントロリン−2,3−ジカルボニトリル(PPDN)、N,N,N’,N’−テトラキス(4−メトキシフェニル)ベンジジン(MeO−TPD)、2,7−ビス[N,N−ビス(4−メトキシフェニル)アミノ]−9,9−スピロビフルオレン(MeO−スピロ−TPD)、2,2’−ビス[N,N−ビス(4−メトキシフェニル)アミノ]−9,9−スピロビフルオレン(2,2’−MeO−スピロ−TPD)、N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ−[4−(N,N−ジトリルアミノ)フェニル]ベンジジン(NTNPB)、N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ−[4−(N,N−ジフェニル−アミノ)フェニル]ベンジジン(NPNPB)、N,N’−ジ(ナフタレン−2−イル)−N,N’−ジフェニルベンゼン−1,4−ジアミン(α−NPP)から選択されてよい。原則的に、正孔注入層は、少なくとも1種の金属有機化合物と少なくとも1種の金属酸化物を含むことが可能である。適した金属有機化合物及び適した金属酸化物並びに前記金属有機化合物と前記金属酸化物の適量は上記されている。
【0153】
電子注入層のための材料として、例えば、KF又はLiqが選択され得る。KFがLiqよりも更に好ましい。
【0154】
当業者は適した材料がどのように選択されるべきか知っている(例えば、電気化学の研究に基づいて)。個々の層に適した材料は当業者に公知であり且つ例えば、WO00/70655号に開示されている。
【0155】
更に、本発明のOLEDに使用される層の幾つかが、電荷キャリア輸送の効率を向上させるために表面処理されることが可能である。記載されたそれぞれの層の材料の選択は、好ましくは高効率及び寿命を有するOLEDを得ることによって決定される。
【0156】
本発明のOLEDは当業者に公知の方法によって製造できる。一般に、本発明のOLEDは、個々の層の適した基材上への連続的な蒸着によって製造される。適した基材は、例えば、ガラス、無機半輸送(semitransport)、典型的にはITO、又はIZO、又はポリマーフィルムである。蒸着の場合、慣用の手法、例えば、熱蒸発、化学蒸着(CVD)、物理蒸着(PVD)などを使用することが可能である。代替プロセスでは、OLEDの有機層は、当業者に公知のコーティング技術を利用して、適した溶媒の溶液又は分散液から適用することができる。
【0157】
一般に、異なる層は、以下の厚さを有する:陽極(1)50〜500nm、好ましくは100〜200nm;正孔伝導層(2)5〜100nm、好ましくは20〜80nm、発光層(3)1〜100nm、好ましくは10〜80nm、正孔/励起子のブロッキング層(4)2〜100nm、好ましくは5〜50nm、電子導電層(5)5〜100nm、好ましくは20〜80nm、陰極(6)20〜1000nm、好ましくは30〜500nm。陰極に関する本発明のOLEDにおける正孔と電子の再結合領域の相対的な位置及びそれによるOLEDの発光スペクトルは、他の要因の中でも、それぞれの層の相対厚さによって影響され得る。これは再結合領域の位置が、好ましくは、ダイオードの光学共振特性に、ゆえに発光体の発光波長に適合するように、電子輸送層の厚さが選択されるべきであることを意味する。OLED中の個々の層の層厚さの比は、使用される材料に依存する。使用される追加の層の層厚さは当業者に公知である。電子導電層及び/又は正孔伝導層が、それらが電気的にドープされた時に規定の層厚さよりも大きな厚さを有することが可能である。
【0158】
第1の有機層、特に、本願の正孔輸送層又は正孔注入層を使用することによって、高効率及び低動作電圧のOLEDを得ることが可能である。しばしば、第1の有機層、特に、本願の正孔輸送層又は正孔注入層の使用によって得られるOLEDは、更に長い寿命を有する。OLEDの効率は、OLEDの他の層を最適化することによって更に改善することができる。形状付けられた基材及び動作電圧の低下又は量子効率の向上をもたらす新規な電子輸送材料も同様に本発明のOLEDにおいて有用である。更に、異なる層のエネルギーレベルを調整し且つエレクトロルミネセンスを促進するために、追加の層がOLED中に存在してよい。
【0159】
OLEDは、少なくとも1つの第2の発光層を更に含んでよい。OLEDの全ての発光は、少なくとも2つの発光層の発光から構成されており、また白色光を含んでもよい。
【0160】
OLEDは、エレクトロルミネセンスが有用である全ての装置で使用されてよい。適したデバイスは好ましくは、固定式及び移動式視覚的表示装置並びに照明装置から選択される。固定式の視覚的表示装置は、例えば、コンピュータ、テレビの視覚的表示装置、プリンタ、キッチン用品及び広告パネルにおける視覚的表示装置、照明及び情報パネルである。移動式の視覚的表示装置は、例えば、携帯電話、ラップトップ型コンピュータ、デジタルカメラ、MP3プレーヤー、乗り物における視覚的表示装置並びにバス及び電車の行先表示である。本発明のOLEDを使用できる更なるデバイスは、例えば、キーボード;衣類;家具;壁紙の品目である。
【0161】
更に、本願の電子輸送層は、逆構造物を有するOLEDにおいて使用できる。逆構造のOLED及び典型的には本願明細書で使用される材料は、当業者に公知である。
【0162】
更に、本発明は、本発明の有機電子デバイス、又は本発明の有機層、特に、電子輸送層を含む、固定式の視覚的表示装置、例えば、コンピュータ、テレビの視覚的表示装置、プリンタ、キッチン用品及び広告パネルの視覚的表示装置、照明、情報パネル、及び移動式の視覚的表示装置、例えば、携帯電話、ラップトップ型コンピュータ、デジタルカメラ、MP3プレーヤー、乗り物における視覚的表示装置並びにバス及び電車の行先表示;照明装置;キーボード;衣類;家具;壁紙の品目からなる群から選択される装置に関する。
【0163】
以下の実施例は、例示目的のためだけに挙げられており、特許請求の範囲を限定するものではない。特段記載されない限り、全ての部及びパーセンテージは質量である。
【0164】
実施例
I 導電性
比較の導電性例1
陽極として使用されるITO基材は、最初に、LCD製造のために市販の洗剤(Deconex(登録商標)20NS、及び25ORGAN−ACID(登録商標)中和剤)を用いて洗浄され、次いで超音波洗浄機内でアセトン/イソプロパノール混合物中で洗浄される。可能性のある有機残留物を除去するために、基剤を、オゾン中で連続的なオゾン流に更に25分間曝す。この処理も、ITOの正孔注入特性を改善する。
【0165】
その後、以下に記載した有機材料を、約10
−8ミリバールで約0.5〜5nm/分の速度で蒸着によって清浄な基材に適用する。Ir(dpbic)
3(V1)は、80nmの厚さを有する基材に適用される。
【化41】
【0166】
最終的に、100nm−厚さのAl電極が蒸着によって適用される。
【0167】
導電性例1
比較の導電性例1のようなデバイスの製造及び構造は、5質量%のMoO
3がドープされたlr(dpbic)
3(V1)を除いて、lr(dpbic)
3(V1)単独の代わりに基材に適用される。
【0168】
導電性例2
比較の導電性例1のようなデバイスの製造及び構造は、5質量%のReO
3がドープされたlr(dpbic)
3(V1)を除いて、lr(dpbic)
3(V1)単独の代わりに基材に適用される。
【0169】
導電性例及び比較の導電性例のデバイスについて測定された、A@2V、mA/cm2@2V、電気抵抗Ω・cm及び導電性S/mを以下の表1に示す。
【表1】
【0170】
金属酸化物がドープされた、特にReO
3がドープされたV1の導電性は、V1単独の導電性よりも遙かに高い。
【0171】
II 適用例
比較の適用例1
陽極として使用されるITO基材は、最初に、LCD製造のために市販の洗剤(Deconex(登録商標)20NS、及び25ORGAN−ACID(登録商標)中和剤)を用いて洗浄され、次いで超音波洗浄機内でアセトン/イソプロパノール混合物中で洗浄される。可能性のある有機残留物を除去するために、基剤を、オゾン中で連続的なオゾン流に更に25分間曝す。この処理も、ITOの正孔注入特性を改善する。次に、AJ20−1000(Plexcoreから市販されている)を、スピンコートして正孔注入層(約40nm)を形成するために乾燥させる。
【0172】
その後、以下に記載した有機材料を、約10
−8ミリバールで約0.5〜5nm/分の速度で蒸着によって清浄な基材に適用する。正孔輸送及び励起子ブロッカーとして、lr(dpbic)
3(V1)を40nmの厚さを有する基材に適用する。
【化42】
【0173】
その後、30質量%の化合物(V2)
【化43】
、35質量%の化合物(V1)及び35質量%の化合物(V3)
【化44】
の混合物を、40nmの厚さで蒸着によって適用する(化合物V2は発光体材料として機能し、化合物V1及びV3はマトリックス材料として機能する)。
【0174】
その後、材料(V3)
【化45】
を、励起子及び正孔ブロッカーとして蒸着によって5nmの厚さで適用する。
【0175】
次に、25質量%の(8−ヒドロキシキノリノラト−リチウム(Liq))
【化46】
と、75質量%の(V4)
【化47】
との混合物を、電子輸送層として蒸着によって40nmの厚さで適用し、その際、厚さ2nmのフッ化カリウム層(電子注入層)であり、最終的には、厚さ100nmのAl電極である。
【0176】
適用例1
OLEDの製造及び構造については、lr(dpbic)
3(V1)が40nmの厚さで基材に適用されることを除いて、比較の適用例1と同様であり、その際、最初の35nmはMoO
3(50質量%)でドープされて正孔輸送及び励起子ブロッカーを形成する。
【0177】
適用例2
OLEDの製造及び構造については、lr(dpbic)
3(V1)が40nmの厚さで基材に適用されることを除いて、比較の適用例1と同様であり、その際、最初の35nmはReO
3(50質量%)でドープされて正孔輸送及び励起子ブロッカーを形成する。
【0178】
適用例3
OLEDの製造及び構造については、lr(dpbic)
3(V1)が40nmの厚さで基材に適用されることを除いて、比較の適用例1と同様であり、その際、最初の35nmはReO
3(3質量%)でドープされて正孔輸送及び励起子ブロッカーを形成する。
【0179】
適用例4
OLEDの製造及び構造については、lr(dpbic)
3(V1)が40nmの厚さで基材に適用されることを除いて、比較の適用例1と同様であり、その際、最初の35nmはReO
3(5質量%)でドープされて正孔輸送及び励起子ブロッカーを形成する。
【0180】
OLEDを特徴付けるために、エレクトロルミネセンススペクトルを、様々な電流及び電圧で記録する。更に、電流−電圧特性を、発光出力と組み合わせて測定する。光出力を、光度計でキャリブレーションすることによって測光パラメータに変換することができる。寿命を測定するために、OLEDを定電流密度で動作させ、光出力の低下を記録する。寿命は、輝度が初期輝度の半分に減少するまでに経過した時間として定義されている。
【0181】
適用例及び比較の適用例のデバイスについて測定された、V@300cd/m
2、Im/W@300cd/m
2、EQE(%)@300cd/m
2、寿命(h)@2000cd/m
2、寿命(h)@300cd/m
2及び色(CIE)を、以下の表2に示し、その際、比較の適用例の測定データを100に設定し、適用例のデータを、比較の適用例のデータに関連させて明確に示す。
【表2】
【0182】
適用例のデバイスの寿命、出力効率及び量子効率は、比較の適用例のデバイスと比較して優れている。