(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、半透明図柄を表示する演出としては、現状上記特許文献1に記載されているような演出しかなく、新鮮味に欠けてしまっているという問題がある。また、上述したような従来の遊技機では、半透明図柄はただ単に停止表示されるのみであり(すなわち、半透明図柄を変動表示させることはない)、半透明図柄を表示することによる演出効果に乏しいという問題もある。さらに、たとえば半透明図柄のとおりに図柄が確定表示されてしまうと、大当たり図柄が確定表示される期待度の小さいリーチ演出へしか発展しないような場合に、半透明図柄が表示されることによって、遊技者が当該図柄変動に期待をもてなくなってしまうという問題もある。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みなされたものであって、半透明図柄を用いた従来にない斬新な演出を行い、遊技者に興趣を抱かせることができる遊技機を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明のうち請求項1に記載の発明は、所定の図柄を変動/確定表示する図柄表示領域を複数有する図柄表示手段と、前記図柄
及び前記図柄と同形状で半透明
にされた半透明図
柄を記憶しているとともに
、前記図柄表示手段における前記図柄及び前記半透明図柄の表示動作を制御する図柄制御手段とを備えており、前記図柄制御手段は、所定条件の充足をもって、前記図柄表示手段における全ての前記図柄表示領域において前記図柄を所定の方向へ変動表示させるとともに、所定の順で各前記図柄表示領域において前記図柄を一旦停止表示させた後、全ての前記図柄表示領域において前記図柄を確定表示させる一方、特定条件の充足をもって、全ての前記図柄表示領域において前記図柄を変動表示させている間に、前記図柄表示領域のうちの一つにおいて前記半透明図柄を前記図柄の変動表示に重ねて表示することにより、当該半透明図柄が表示された前記図柄表示領域に一旦停止表示させる前記図柄を示唆する遊技機であって、前記図柄制御手段が、全ての前記図柄表示領域において前記図柄を変動表示させている間に、前記図柄表示領域のうちの一つにおいて前記半透明図柄を前記図柄の変動表示に重ねて表示させた後、全ての前記図柄表示領域において前記図柄を一旦停止表示とする前に、前記図柄が変動する方向と同じ方向へ前記半透明図柄を変動表示させる表示演出を記憶しているとともに、前記表示演出を実行するか否かを決定する演出決定手段を備えていることを特徴とする。
【0008】
なお、遊技者にとって有利な特別遊技状態の生起の有無を決定する決定手段と、複数個の図柄を表示可能で、図柄を確定表示した際の表示態様によって、決定手段による決定結果を遊技者に報知するための図柄表示装置と、複数種類の図柄、及びそれぞれ種々の変動時間を有し、決定手段による決定結果に対応づけられた複数の図柄変動パターンを記憶しており、図柄変動パターンにしたがって図柄表示装置における図柄の表示動作を制御する図柄制御装置とを備えており、決定手段及び図柄制御装置は、所定条件の充足をもって、特別遊技状態の生起の有無を決定するとともに、該決定結果に応じて、確定表示させる図柄、確定表示させる際の図柄の表示態様、及び図柄変動パターンを選択し、選択した図柄変動パターンにしたがい図柄の変動表示を開始した後、図柄を所定の順で一旦停止表示させ、変動表示の開始から選択した図柄変動パターンに対応する変動時間が経過したことをもって、選択した図柄を選択した表示態様で確定表示させる遊技機において、図柄制御装置は、図柄と同形状の半透明図柄、及び半透明図柄の変動表示態様を記憶しているとともに、図柄の変動表示を開始してから、どの図柄も変動表示している間に半透明図柄を図柄表示装置に表示させ、全ての図柄が一旦停止表示となるまでの間の所定のタイミングまで半透明図柄を停止表示させた後、その半透明図柄を変動表示態様にしたがって変動表示させる演出を実行する第1図柄変動パターンと、図柄の変動表示を開始してから、どの図柄も変動表示している間に半透明図柄を図柄表示装置に表示させ、全ての図柄が一旦停止表示となるまでに半透明図柄を変動表示させることなく消去する演出を実行する第2図柄変動パターンとを記憶しており、所定条件の充足をもって特別遊技状態を生起すると決定した場合、第2図柄変動パターンよりも第1図柄変動パターンの方が選択されやすいように、両図柄変動パターンと決定手段による決定結果とを対応づけているという第1の構成を採用することも可能である。
そして、第1の構成を採用することにより、図柄と同形状の半透明図柄、及び半透明図柄の変動表示態様を記憶しているとともに、図柄の変動表示を開始してから、どの図柄も変動表示している間に半透明図柄を図柄表示装置に表示させ、全ての図柄が一旦停止表示となるまでの間の所定のタイミングまで半透明図柄を停止表示させた後、その半透明図柄を変動表示態様にしたがって変動表示させる演出を実行する第1図柄変動パターンを記憶しているため、半透明図柄が停止表示のみならず、変動表示する可能性もあるという従来にない斬新な遊技を遊技者に提供することができるという効果がある。また、所定条件の充足をもって特別遊技状態を生起すると決定した場合、半透明図柄を変動表示させない第2図柄変動パターンよりも第1図柄変動パターンの方が選択されやすいようにしているため、半透明図柄が変動表示されることにより、遊技者は大当たりの期待感が高まるように感じられ、半透明図柄が変動するかしないかに興趣をもって遊技することができる。
【0009】
さらに、上記第1の構成を採用した遊技機において、図柄制御装置は、図柄の変動方向と同じ方向へ高速でスクロールさせる態様で半透明図柄を変動表示させる第1変動表示態様を記憶しているという第2の構成を採用することも可能である。
さらにまた、上記第1の構成又は第2の構成を採用した遊技機において、図柄制御装置は、図柄の変動方向と同じ方向へ所定距離だけスライド表示させる態様で半透明図柄を変動表示させる第2変動表示態様を記憶しているという第3の構成を採用することも可能である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、図柄制御手段
が、全ての
図柄表示領域において図柄
を変動表示
させている間に、
図柄表示領域のうちの一つにおいて半透明図柄を
図柄の変動表示に重ねて表示させた後、全ての
図柄表示領域において図柄
を一旦停止表示と
する前に、図柄が変動する方向と同じ方向へ半透明図柄を変動表示させる表示演出を記憶している。したがって、半透明図柄が停止表示のみならず、変動表示する可能性もあるという従来にない斬新な遊技を遊技者に提供することができる。
また、図柄制御手段は、表示演出を実行するか否かを決定する演出決定手段を備えており、半透明図柄による演出を行ったり行わなかったりするため、少ないデータ容量で演出のバリエーションを多くもつことができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態となるパチンコ機について、図面にもとづき詳細に説明する。
【0013】
(パチンコ機の全体的な説明)
図1は、パチンコ機1を前面側から示した説明図である。また、
図2は、遊技盤2を前面側から示した説明図である。さらに、
図3は、パチンコ機1を後面側から示した説明図である。
パチンコ機1は、遊技盤2の前面に形成された遊技領域16内へ遊技球を打ち込み、遊技領域16内を流下させて遊技するものであって、遊技盤2は、支持体として機能する機枠3の前面上部に、金属製のフレーム部材であるミドル枠5を介して設置されている。また、遊技盤2の前方には、ガラス板を嵌め込み設置してなる前扉4が、左端縁を軸として片開き可能に機枠3に蝶着されており、該前扉4によって閉塞される遊技盤2の前方空間が遊技領域16とされている。
【0014】
当該遊技領域16は、遊技盤2の前面に円弧状に配設された外レール23及び内レール24等によって囲まれており、遊技領域16に左部における両レール23、24間が遊技球を遊技領域16内へ打ち込むための発射通路13とされている。また、遊技領域16の略中央には、「0」〜「9」の数字や絵柄等からなる装飾図柄を表示するための左右3つの図柄表示領域(左表示領域6a、中表示領域6b、及び右表示領域6cであって、
図8以降に示す)を有する図柄表示部6が設けられている。さらに、図柄表示部6を囲むように種々の電動役物を備えたセンター部材26が遊技盤2に設置されており、該センター部材26の左方には、遊技球が通過可能なゲート部材19が設けられている。加えて、遊技領域16には、一対の爪片を開閉動作可能に備えたチューリップ式電動役物17や開閉可能な扉部材を有する大入賞装置18、遊技球が入賞すると図柄表示部6において図柄が変動を開始する始動入賞口20や多数の遊技釘等が設置されている。
【0015】
また、機枠3の前面側であって上記遊技盤2の下方には、遊技球を発射装置10へ供給するための供給皿7、及び供給皿7から溢れた遊技球を貯留するための貯留皿8が取り付けられており、供給皿7は前扉4の開放に伴い、貯留皿8はミドル枠5の開放に伴い夫々機枠3に対して片開き可能となっている。さらに、貯留皿8の右側には、発射装置10を作動させるためのハンドル9が回動操作可能に設置されている。加えて、供給皿7の前方には、遊技者が任意に押し込み操作可能な押しボタン25が設けられている。
さらに、前扉4の上部には、効果音や各種メッセージ等を報音する一対のスピーカ14、14が設けられており、前扉4の側部には、パチンコ機1の遊技状態等に応じて点灯・点滅する複数のLEDを備えたランプ部材15、15が設けられている。
【0016】
一方、機枠3の後面側には、供給皿7へ貸球や賞品球として払い出される遊技球を貯留するための貯留タンク11、当該貯留タンク11と連結された払出装置12、払出装置12における払い出し動作を制御する払出制御装置28、及び各制御基板や装置・部材に電源電圧を供給するための電源装置29等が設置されている。また、21は、合成樹脂製のカバー状に形成されたセンターカバーであって、当該センターカバー21の内部には、図柄表示部6を有する液晶装置(図柄表示装置)、遊技に係る主たる制御(たとえば、所謂「大当たり抽選」等)を実行するためのメイン制御装置30(
図4に示す)、液晶装置の動作、すなわち図柄表示部6における表示動作等を制御する表示制御装置50(
図4に示す)、ランプ部材15の点灯/点滅動作等を制御する発光制御装置51(
図4に示す)、スピーカ14からの報音動作を制御する音制御装置52(
図4に示す)、及び表示制御装置50や発光制御装置51等の動作を統合的に制御するサブ制御装置40(
図4に示す)等が設置されている。尚、22は、パチンコ機1をトランスに接続するためのプラグであり、27は、アースである。
【0017】
次に、パチンコ機1の制御機構について、
図4をもとに説明する。
図4は、パチンコ機1の制御機構を示したブロック図である。
メイン制御装置30には、大当たり抽選の実行とともに下記部材の動作を制御するメインCPU32、ROMやRAM等といった記憶手段33、タイマ34、及びインターフェイス35等が搭載されたメイン制御基板31が内蔵されている。そして、該メイン制御基板31は、インターフェイス35を介して、始動入賞口20やチューリップ式電動役物17、大入賞装置18、ゲート部材19、払出制御装置28、電源装置29等と接続されている。また、メイン制御基板31は、サブ制御装置40内に内蔵されたサブ統合基板41とも電気的に接続されている。
【0018】
記憶手段33には、「当たり判定」に使用するaカウンタ、「大当たり抽選」に使用するcカウンタ、及び主に「特別図柄」や「装飾図柄」の変動時間である基本変動パターン(図柄変動パターン)を決定するdカウンタ等の複数のカウンタが内蔵されている。各カウンタは、電源投入時から所定の規則に従って所定の数値の間をごく短時間(たとえば1割込2.000ms)のうちに1ずつ加算しながらループカウントするループカウンタであって、当該カウンタを用いた数値の取得は、乱数の取得とみなすことができる。また、aカウンタは0〜100(101通り)の間を、cカウンタは0〜700(701通り)の間を、dカウンタは0〜30(31通り)の間を夫々ループカウントするようになっている。そして、メインCPU32は、遊技球のゲート部材19の通過検出を契機としてaカウンタから1つの数値を取得する一方、遊技球の始動入賞口20又はチューリップ式電動役物17への入賞検出を契機としてcカウンタ及びdカウンタから夫々1つの数値を取得する。
【0019】
また、記憶手段33には、
図5(a)に示す如くaカウンタの数値に対応づけられた「普通図柄」、及び
図6に示す如くdカウンタの数値と基本変動パターンとを対応づけた基本変動パターン決定テーブルを記憶している。さらに、記憶手段33には、たとえば図柄表示部6において装飾図柄が変動表示中に始動入賞口20へ遊技球が入賞したような場合に、当該入賞に伴うcカウンタ及びdカウンタの取得数値を保留情報として記憶する保留情報記憶部が設けられている。該保留情報記憶部には、図示しない普通図柄表示部において「普通図柄」の変動表示中に遊技球がゲート部材19を通過した場合におけるaカウンタの取得数値も保留情報として記憶され、aカウンタの取得数値と、cカウンタ及びdカウンタの取得数値とは夫々4つまで記憶される。尚、保留情報記憶部に記憶されている保留情報の数は、図示しない保留情報表示部にて表示される。また、保留情報は、「普通図柄」や「特別図柄」及び「装飾図柄」が確定表示される度に記憶した順番で順次消化され、該消化に伴って新たな保留情報が記憶可能となる。
【0020】
サブ制御装置40には、サブ統合CPU42、記憶手段43、タイマ44、及びインターフェイス45等が搭載されたサブ統合基板41が内蔵されている。該サブ統合基板41は、インターフェイス45を介してメイン制御基板31と電気的に接続されているとともに、表示制御装置50、発光制御装置51、及び音制御装置52と電気的に接続されており、サブ統合CPU42は、後述するようにメイン制御基板31から大当たり抽選に係る信号を受信すると、その信号の内容に応じて各制御装置を制御し、スピーカ14やランプ部材15の動作、図柄表示部6における表示動作を制御するようになっている。
【0021】
また、記憶手段43には、各表示領域6a〜6cにおいて変動/確定表示される「0」〜「9」の数字やアルファベット、絵柄等からなる「装飾図柄」が記憶されているとともに、図柄表示部6における「装飾図柄」の詳細な変動態様やキャラクターの動画を用いたキャラクター演出等からなる複数の詳細変動パターン(図柄変動パターン)が、
図7に示す如くメイン制御基板31で決定される基本変動パターンと対応づけて記憶されている。さらに、記憶手段43には、図示しない特別図柄表示部に表示される「特別図柄」が
図5(b)に示す如く「大当たり抽選」の結果に対応づけて記憶されているとともに、スピーカ14の報音動作態様となる報音パターンやランプ部材15の点灯/点滅動作態様となる点灯/点滅パターン等が基本変動パターンと対応づけて記憶されている。
【0022】
尚、各詳細変動パターンにおける「装飾図柄」の変動態様は、まず高速でスクロールされているように見える高速スクロール変動し、一旦停止表示へ向けて徐々にスクロール速度が下がる低速スクロール変動した後、一旦停止表示を経て確定表示されるといった変動態様をとる。さらに、変動開始後、左表示領域6a、右表示領域6c、中表示領域6bの順で一旦停止表示となり、全表示領域6a〜6cで一旦停止表示された後、全表示領域6a〜6cにおいて「装飾図柄」が確定表示となる。
【0023】
また、基本変動パターンBに対応する詳細変動パターンであるノーマルリーチとは、左表示領域6aに「装飾図柄」が一旦停止表示された後、右表示領域6cに同一の「装飾図柄」が一旦停止表示され、所謂リーチ表示態様が成立する変動パターンであり、リーチ表示態様の成立後は、アニメーション演出に発展することなく比較的短い時間で中表示領域6bに「装飾図柄」が一旦停止表示され、そのまま後述する大当たり装飾図柄表示態様又は外れ装飾図柄表示態様で確定表示されるようになっている。さらに、基本変動パターンCに対応する詳細変動パターンであるロングリーチとは、上記同様にしてリーチ表示態様が成立した後、中表示領域6bに「装飾図柄」が一旦停止表示されるまでの間にアニメーション演出へと発展する変動パターンであり、アニメーション演出の終了に伴い中図柄表示領域6bに「装飾図柄」が一旦停止表示され、そのまま大当たり装飾図柄表示態様又は外れ装飾図柄表示態様で確定表示されるようになっている。加えて、基本変動パターンDに対応する詳細変動パターンである擬似連+スーパーリーチとは、全ての表示領域6a〜6cに大当たり装飾図柄表示態様及びリーチ表示態様以外の表示態様(擬似連表示態様)で「装飾図柄」が一旦停止表示され、確定表示するかのように見せた後、再度全ての表示領域6a〜6cにおいて「装飾図柄」が変動するといった所謂擬似連演出を実行した後、リーチ表示態様が成立する変動パターンである。また、リーチ表示態様の成立後は、中表示領域6bに「装飾図柄」が一旦停止表示されるまでの間にロングリーチとは異なるアニメーション演出に発展し、アニメーション演出の終了に伴い中表示領域6bに「装飾図柄」が一旦停止表示され、そのまま大当たり装飾図柄表示態様又は外れ装飾図柄表示態様で確定表示されるようになっている。そして、
図6及び
図7から明らかなように、基本変動パターンBは「大当たり抽選」の結果が「外れ」であると選択されやすく、逆に「大当たり」であると選択されにくくなっている一方、基本変動パターンDは「大当たり抽選」の結果が「大当たり」であると選択されやすく、逆に「外れ」であると選択されにくくなっており、基本変動パターンDは、基本変動パターンBや基本変動パターンCよりも「大当たり抽選」の結果が「大当たり」である可能性、すなわち大当たり信頼度が高くなっている。
【0024】
そして、上記パチンコ機1における基本的な遊技動作について、以下簡略に説明する。
遊技者によってハンドル9が回動操作されると、発射装置10が作動し、発射通路13を介して遊技球を遊技領域16内へ打ち込む。そして、遊技領域16内へ打ち込まれた遊技球がゲート部材19を通過すると、当該通過がメインCPU32により検出される。すると、メインCPU32は、通過検出のタイミングでaカウンタから1つの数値を取得し、取得した数値が所定の「当たり数値(“7”)」であるか否かを判定するといった「当たり判定」を実行するとともに、普通図柄表示部において「普通図柄」を変動表示させる。そして、「当たり判定」の結果、「当たり」である(すなわち、取得数値が「当たり数値」である)と、「普通図柄」の変動表示を所定時間(たとえば30秒間)にわたり継続した後、
図5(a)に示す如き「普通図柄(“1”)」を確定表示させるとともに、チューリップ式電動役物17の爪片を所定の設定時間(たとえば1.0秒間)だけ開動作させる。一方、「当たり判定」の結果、「外れ」である(すなわち、取得した数値が「当たり数値」以外の数値である)と、「普通図柄」の変動表示を所定時間にわたり継続した後、
図5(a)に示す如き「普通図柄(“−”)」を確定表示させる。
【0025】
また、遊技領域16内を流下する遊技球が図柄始動口20又はチューリップ式電動役物17へ入賞する(所定条件を充足する)と、当該入賞がメインCPU32により検出される。すると、メインCPU32は、入賞検出のタイミングでcカウンタ及びdカウンタから1つの数値を取得し、cカウンタにおける取得数値が所定の「大当たり数値(たとえば“0”又は“300”)」であるか否かを判定するといった「大当たり抽選」を実行する。そして、「大当たり抽選」の結果、「大当たり」である(すなわち、取得数値が「大当たり数値」である)と、
図6(b)に示す基本変動パターン決定テーブルを用い、dカウンタの取得数値に対応する基本変動パターンを読み出す。一方、「大当たり抽選」の結果、「外れ」である(すなわち、取得数値が「大当たり数値」以外の数値である)と、
図6(a)に示す基本変動パターン決定テーブルを用い、dカウンタの取得数値に対応する基本変動パターンを読み出す。その後、メインCPU32は、「大当たり抽選」の結果(「大当たり」であるか「外れ」であるか)、及び読み出した基本変動パターン(特に変動時間)の種類を示す情報を含んだ指令コマンドを作成するとともに、当該指令コマンドをサブ統合CPU42へと送信する。
【0026】
一方、サブ統合CPU42では、指令コマンドを受信すると、「大当たり抽選」の結果に応じて最終的に確定表示する「装飾図柄」や擬似連表示態様において一旦停止表示させる「装飾図柄」を決定する(たとえば決定のための抽選を実行する等)とともに、基本変動パターンに対応する詳細変動パターンを読み出し、タイマ44により計時しながら、読み出した詳細変動パターンにしたがって図柄表示部6における「装飾図柄」を変動表示させる。また、特別図柄表示部においても「特別図柄」の変動を開始する。そして、「装飾図柄」及び「特別図柄」の変動を開始してから、実行中の詳細変動パターンの変動時間の経過に伴い、「大当たり抽選」の結果に応じた「装飾図柄」を図柄表示部6に、「特別図柄」を特別図柄表示部に夫々確定表示する。つまり、「大当たり抽選」の結果が「大当たり」であると、図柄表示部6では同一の「装飾図柄」を3つ並べる大当たり装飾図柄表示態様(たとえば「“7・7・7”」)で確定表示させ、特別図柄表示部には大当たり特別図柄(“7”)を確定表示させる。また、「大当たり抽選」の結果が「外れ」であると、図柄表示部6では3つのうち少なくとも1つの「装飾図柄」が異なる外れ装飾図柄表示態様(たとえば「“1・2・3”」)で確定表示させ、特別図柄表示部には外れ特別図柄(“−”)を確定表示させる。
【0027】
そして、「大当たり抽選」の結果が「大当たり」であると、「装飾図柄」及び「特別図柄」の確定表示後、大入賞装置18の扉部材を所定回数にわたって断続的に開成させるといった所謂「大当たり状態」を生起させる。一方、「大当たり抽選」の結果が「外れ」であると、「装飾図柄」及び「特別図柄」の確定表示後、次の遊技球の図柄始動口20又はチューリップ式電動役物17への入賞に起因した「大当たり抽選」を実行する。
【0028】
(「半透明図柄」を用いた演出)
ここで、本発明の要部となる「半透明図柄」を用いた演出について説明する。
「半透明図柄」は、サブ統合基板41の記憶手段43に記憶されており、各「装飾図柄」と同じ形状であるものの半透明に形成されている。また、「半透明図柄」の表示態様として、停止表示態様のみならず、「装飾図柄」同様に高速でスクロールするように見える変動表示態様(第1変動表示態様)も記憶手段43に記憶されている。したがって、サブ統合CPU42による制御のもと、「半透明図柄」を所定の時間にわたり停止表示させた後に変動表示させることで、従来「装飾図柄」で行っているスベリ演出に類似した演出を実行可能としている。さらに、サブ統合CPU42は、「半透明図柄」を用いた後述する演出を実行するか否かをランダムに決定可能な演出決定手段(たとえば「大当たり抽選」等と同様の乱数取得により決定)46を備えている。
【0029】
そして、サブ統合CPU42では、上記指令コマンドを受信した際、基本変動パターンの種類を参酌し、基本変動パターンB、C、Dであると、演出決定手段により「半透明図柄」を用いた演出を実行するか否かを決定し、「実行」と決定した(特定条件が充足された)場合には、以下のようにして「半透明図柄」を用いた演出を実行する。すなわち、基本変動パターンがB又はCである場合、最終的に確定表示する「装飾図柄」を決定した後、左表示領域6aに確定表示する「装飾図柄」と同じ「半透明図柄」を読み出し、全表示領域6a〜6cにおいて「装飾図柄」が変動を開始してから、左表示領域6aに「装飾図柄」が一旦停止表示されるまでの間における特定のタイミング(予めプログラミングされている)で、右表示領域6cに読み出した「半透明図柄」を表示させる。その後、基本変動パターンB又はCに対応する詳細変動パターンにしたがい、左表示領域6aに「半透明図柄」と同じ「装飾図柄」が一旦停止表示した後、右表示領域6cにも「半透明図柄」と同じ「装飾図柄」が一旦停止表示されてリーチ表示態様が成立し、以降は上述したようなノーマルリーチ又はロングリーチ演出が実行されることになる。尚、「半透明図柄」は、右表示領域6cに「装飾図柄」が一旦停止表示されるタイミングで右表示領域6cから消去される。
【0030】
また、サブ統合CPU42は、基本変動パターンがDである場合には、まず擬似連表示態様において一旦停止表示させる「装飾図柄」を決定した後、左表示領域6aに一旦停止表示する「装飾図柄」と同じ「半透明図柄」を読み出すとともに、全表示領域6a〜6cにおいて「装飾図柄」の変動を開始する(
図8(a)、(b))。そして、左表示領域6aに「装飾図柄」が一旦停止表示されるまでの間における特定のタイミングで、右表示領域6cに読み出した「半透明図柄」を表示させる(
図8(c))。しかしながら、左表示領域6aに「半透明図柄」と同じ「装飾図柄」が一旦停止表示された(
図9(a))後、右表示領域6cにおける「装飾図柄」が低速スクロール変動となり、リーチ表示態様が成立するかに見える所定のタイミング(予めプログラミングされている)で、「半透明図柄」を変動表示させる(
図9(b))。そして、右表示領域6cには、「半透明図柄」とは異なる「装飾図柄」が一旦停止表示され、中表示領域6bに「装飾図柄」が一旦停止表示されたことをもって擬似連表示態様が成立し(
図9(c))、以降は上述したような擬似連+スーパーリーチに係る演出が実行されることになる。尚、右表示領域6cにおける「半透明図柄」の変動表示は、特定時間(たとえば0.5秒間)だけ実行され、右表示領域6cに「装飾図柄」が一旦停止表示される前には右表示領域6cから消去される。
【0031】
(本実施形態のパチンコ機による効果)
以上のようなパチンコ機1によれば、「半透明図柄」の表示態様として高速でスクロールするように見える変動表示態様も有しているため、「半透明図柄」が停止表示のみならず、変動表示する可能性もあるという従来にない斬新な遊技を遊技者に提供することができる。また、「大当たり抽選」の結果、「大当たり」である場合に選択されやすい詳細変動パターンにおいて「半透明図柄」を変動表示させるため、「半透明図柄」が変動表示されることにより、遊技者は大当たりの期待感が高まるように感じられ、「半透明図柄」が変動するかしないかに興趣をもって遊技することができる。
【0032】
また、停止表示した「半透明図柄」と同じ「装飾図柄」が一旦停止表示されることにより、リーチ表示態様が成立してしまう状況において、「半透明図柄」を変動表示させるため、遊技者に、リーチ表示態様の成立が確定するまで同変動に期待をもたせ続けることができる上、変動表示したことにより、大当たり信頼度の低い詳細変動パターンから大当たり信頼度の高い詳細変動パターンへと演出内容が昇格したように感じさせることのできる趣向性の高い新規な遊技を提供することができる。
【0033】
さらに、特に左表示領域6a、中表示領域6b、右表示領域6cの3つの表示領域6a〜6cを有し、左表示領域6a、右表示領域6c、中表示領域6bの順で「装飾図柄」が一旦停止表示されるものにおいて、表示領域6a〜6cで変動表示が開始してから、左表示領域6aが一旦停止表示される前に「半透明図柄」を右表示領域6cに表示するとともに、右表示領域6cに「装飾図柄」が一旦停止表示されるよりも前に「半透明図柄」を変動表示させるため、上記リーチ表示態様の成立が確定するまで同変動に期待をもたせ続けることができる等の効果を一層顕著なものとすることができる。
加えて、サブ統合CPU42は、「半透明図柄」を用いた演出を実行するか否かを決定する演出決定手段46を備えているため、同じ詳細変動パターンであっても「半透明図柄」による演出を行ったり行わなかったりするため、少ないデータ容量で演出のバリエーションを多くもつことができる。
【0034】
(本発明の変更例について)
なお、本発明の遊技機に係る構成は、上記実施形態に何ら限定されるものではなく、パチンコ機全体の構成、図柄表示部における「装飾図柄」の表示態様や「半透明図柄」の変動に係る構成等について、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で必要に応じて適宜変更可能である。
【0035】
(半透明図柄の変動表示態様が異なる変更例)
上記実施形態では、各表示領域6a〜6cにおいて夫々1つの「装飾図柄」しか表示しないものであるため、「半透明図柄」の変動表示態様として高速スクロール変動を記憶させているが、たとえば
図10及び
図11に示すように、各表示領域60a〜60cにおいて「装飾図柄」の変動方向へ複数の「装飾図柄」を表示可能なものにおいては、「半透明図柄」の変動表示態様が下記のようなものであってもよい。すなわち、、全表示領域60a〜60cにおいて「装飾図柄」の変動を開始した(
図10(a)、(b))後、左表示領域6aに「装飾図柄」が一旦停止表示されるまでの間における所定のタイミングで、右表示領域6cに、左表示領域60aで一旦停止表示される「装飾図柄」のうちの1つと同じ「半透明図柄」を表示させる(
図10(c))。このとき「半透明図柄」の表示位置は、「半透明図柄」の表示位置へ、「半透明図柄」と同じ「装飾図柄」が一旦停止表示することにより、リーチ表示態様が成立する位置とする。それから、左表示領域60aに「装飾図柄」が一旦停止表示された(
図11(a))後、右表示領域60cにおける「装飾図柄」が低速スクロール変動となり、リーチ表示態様が成立するかに見える特定のタイミングで、「半透明図柄」を変動させて「半透明図柄」の表示位置を変更する(
図11(b))。つまり、右表示領域60cにおいて、上部に停止表示されている「半透明図柄」を下方へスライド表示し、中部に停止表示させる(「半透明図柄」を「装飾図柄」の変動方向と同方向へ所定距離だけスライド表示させる)。そして、変更後の「半透明図柄」の表示位置へ、「半透明図柄」と同じ「装飾図柄」が一旦停止表示されることで、リーチ表示態様は成立せず、最終的に中表示領域6bに「装飾図柄」が一旦停止表示されたことをもって擬似連表示態様が成立する(
図11(c))ように構成してもよい。
【0036】
以上のようなパチンコ機においても、「半透明図柄」の表示態様として表示位置がスライドする変動表示態様(第2変動表示態様)も有しているため、「半透明図柄」が停止表示のみならず、変動表示する可能性もあるという従来にない斬新な遊技を遊技者に提供することができる。また、上記実施形態のパチンコ機1同様、大当たり信頼度の高い詳細変動パターンにおいて「半透明図柄」を変動表示させるようにすれば、「半透明図柄」が変動表示されることにより、遊技者は大当たりの期待感が高まるように感じられ、「半透明図柄」が変動するかしないかに興趣をもって遊技することができる。
【0037】
(他の変更例)
上記実施形態及び変更例ともに、「半透明図柄」の表示位置を右表示領域6c、60cとしているが、「半透明図柄」の表示位置は右表示領域6c、60cに何ら限定されないし、変動表示させるタイミング等についても適宜変更可能である。
また、「半透明図柄」の変動表示態様として複数の態様を備えてもよく、たとえば上記変更例のパチンコ機において、「半透明図柄」が高速スクロール変動するような変動表示態様をも備え、大当たり信頼度の高さ等に応じてスライドする変動表示態様と高速スクロールする変動表示態様とを使い分けるようにしてもよい。
【0038】
さらに、「半透明図柄」を変動表示した後、「装飾図柄」を同様に変動表示するように構成する(すなわち、「半透明図柄」の変動表示が「装飾図柄」の変動表示を予告するように構成する)をことも可能である。たとえば、「半透明図柄」を変動させるに際して高速スクロール表示するのであれば、「装飾図柄」についても、「半透明図柄」と同じ「装飾図柄」を一旦停止表示した後、高速スクロール変動して一旦停止表示した「装飾図柄」と異なる「装飾図柄」が一旦停止表示されるようにしたり、「半透明図柄」がスライドしたのであれば、「装飾図柄」についても一旦停止表示した後にスライドするようにする構成が考えられる。
さらにまた、上記実施形態では、「半透明図柄」を変動表示させた際、擬似連演出を発生させるようにしているが、擬似連演出ではなく、「半透明図柄」を変動表示させない場合と比較して大当たり信頼度の高いアニメーション演出が開始されるようにしてもよく、「半透明図柄」の変動表示が何を報知するのかについても適宜変更可能である。
加えて、上記実施形態では、遊技機の一例であるパチンコ機について説明しているが、半透明図柄を表示可能な図柄表示装置を備えていれば、スロットマシーン等の他の遊技機にも適用することができる。