−−−システム構成−−−
以下に本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本実施形態のレベニューマネジメントシステム100を含むネットワーク構成図である。
図1に示すレベニューマネジメントシステム100は、複数ルートでの客室販売に伴う有意性のある的確な価格設定を、効率的に実行可能とするコンピュータシステムである。
ここで、本実施形態のレベニューマネジメントシステム100が処理結果である提案価格を提示する対象は、当該レベニューマネジメントシステム100によるサービス提供を享受すべく契約した或る宿泊業者(の宿泊施設端末400)である。よって、レベニューマネジメントシステム100はネットワーク20を介し、この宿泊業者の備える宿泊施設端末400と通信可能に接続されている。また、上述の宿泊業者は、自宿泊施設の客室在庫を売り切るため、自社WEBサーバ500で運用される自社WEBサイトや電話受付といった自社ルートのみならず、インターネット上での代理販売を行う複数のネットエージェント200と契約し、各ネットエージェント200に対して自宿泊施設の客室在庫を委託しているものとする。よって、以降はレベニューマネジメントシステム100が各種の処理に際して主たる対象として取り扱うのは、上述の宿泊業者の「自宿泊施設」であるとする。
また、上述の宿泊業者は、契約中の各ネットエージェント200での販売状況を一定時間毎にチェックし、これにより判明したネットエージェント毎の販売状況を受けて、該当宿泊業者の客室在庫調整を自動実行する、いわゆるサイトコントローラ300の利用も行っている。従って、本実施形態のレベニューマネジメントシステム100は、ネットワーク20を通じて、少なくとも、複数のネットエージェント200、サイトコントローラ300、および宿泊施設端末400と結ばれている。また、各宿泊業者が自社の公式WEBサイトを運用するためのWEBサーバが、ネットワーク20には接続されており、レベニューマネジメントシステム100はこれらWEBサーバとも結ばれている。このうち、上述の自宿泊施設に関する公式WEBサイトを運用するサーバが自社WEBサーバ500であり、他社の公式WEBサイトを運用するサーバが他社WEBサーバ600である。なお、サイトコントローラは、チャネルマネージャーと同義である(以下同様)。
勿論、この他にも、PMS(Property Management System)と呼ばれる、宿泊施設における客室の予約、客室管理、料金請求といった一連の業務処理を担う、宿泊施設の基幹システムと接続されているとしてもよい。この場合、レベニューマネジメントシステム100は、サイトコントローラ300から本実施形態の処理に関して得る情報を、このPMSから取得するとしてもよい。また、レベニューマネジメントシステム100は、上述の複数のネットエージェント200、サイトコントローラ300、宿泊施設端末400、およびPMS(不図示)のうち、少なくとも複数のネットエージェント200とサイトコントローラ300を含んで構成するとしてもよい。
次に、上述のレベニューマネジメントシステム100のハードウェア構成例について説明する。
図2は本実施形態のレベニューマネジメントシステム100のハードウェア構成例を示す図である。本実施形態におけるレベニューマネジメントシステム100は、例えばサーバ装置を想定することができる。なお、本実施形態では説明簡便化の為、単体の装置としてレベニューマネジメントシステム100を示しているが、必要な機能毎にサーバを設けて互いに連携させるとしてもよい。
こうしたレベニューマネジメントシステム100は、ハードディスクドライブやSSD(Solid State Drive)などの不揮発性記憶素子で構成された記憶装置101、RAM(Random Access Memory)など揮発性記憶素子で構成されたメモリ103、CPUなどの演算装置104、NIC(Network Interface Card)などの通信装置105が内部BUSにより互いに接続されて構成されている。
このうち記憶装置101には、掲載情報テーブル125、販売実績テーブル126、宿泊プラン販売実績テーブル127、および価格優位性テーブル128が少なくとも記憶されている。これらテーブル125〜128のデータ構成例の詳細については後述する。
こうしたレベニューマネジメントシステム100は、上述の記憶装置101に格納されたプログラム102を、演算装置104がメモリ103に読み出して実行し、必要な機能を実装することになる。但し、こうした各機能は電子回路などのハードウェアとして実現してもよい。
−−−機能構成の例−−−
続いて、レベニューマネジメントシステム100が、例えばプログラム102に基づき構成、保持する機能につき説明を行う。本実施形態のレベニューマネジメントシステム100は、上述した自宿泊施設、および他宿泊業者の宿泊施設すなわち他宿泊施設に関する、複数のネットエージェント200(上述の宿泊業者が契約したもの)それぞれのWEBサイトでの、客室販売価格と顧客評価値とを少なくとも含む所定情報を、該当WEBサイト、自宿泊施設と契約したサイトコントローラ300、および各宿泊施設自身が運営する公式WEBサイト用のWEBサーバ500、600の少なくともいずれかから、所定時間毎に取得し、これを記憶装置101の掲載情報テーブル125に格納する機能を備えている。レベニューマネジメントシステム100は、こうしたネットエージェント200のWEBサイトや上述の公式WEBサイトからの情報取得に際しては、予めデータ収集用ロボット或いはエージェントプログラムを、該当WEBサイトに配置しておき、これらからアップロードされるデータを収集するとすればよい。或いはレベニューマネジメントシステム100は、該当WEBサイトにアクセスしてソースを読み取り、そのソース中より、予め認識している所定タグ配下のデータを取得する、などとしてもよい。
また、レベニューマネジメントシステム100は、上述のように取得し掲載情報テーブル125に格納した情報に基づき、自宿泊施設と顧客評価値が所定範囲で近しい競合施設たる他宿泊業者の宿泊施設(以下、他宿泊施設)、または、上述の自宿泊施設から所定距離内に存在する近隣施設であって、宿泊施設端末400から競合施設として指定を受けた他宿泊施設と、その客室販売価格を各ネットエージェント200のWEBサイトごと又は上述の公式WEBサイトごとに特定し、当該特定した競合施設の顧客評価値と自宿泊施設の顧客評価値との乖離幅と乖離方向(競合施設が自宿泊施設を上回る方向または下回る方向)に応じ、該当ネットエージェント200のWEBサイト又は上述の公式WEBサイトにおける自宿泊施設または上述の競合施設の客室販売価格を所定割合で上下させた価格を、自宿泊施設への提案価格として算定する機能を備えている。
また、レベニューマネジメントシステム100は、通信装置105を介した宿泊施設端末400への上述の提案価格の通知、または該当ネットエージェント200のWEBサイト或いは上述の自宿泊施設の公式WEBサイトを運用する所定サーバに対する、上述の提案価格を該当WEBサイトでの客室販売価格とする旨の設定指示、の少なくともいずれかを行う機能を備えている。従って、レベニューマネジメントシステム100は、ネットエージェント200或いは上述の自宿泊施設の提供するWEBサイトの運用サーバに対し、該当客室の販売価格を設定するアルゴリズムを予め保持しているとしてもよい。
また、レベニューマネジメントシステム100は、上述の客室販売価格と顧客評価値とを少なくとも含む所定情報を取得するに際し、自宿泊施設および上述の他宿泊施設に関する、客室販売価格、顧客評価値、および推薦順位を含む情報を、複数のネットエージェント200それぞれのWEBサイト、自宿泊施設と契約したサイトコントローラ300、および各宿泊施設自身が運営する公式WEBサイトの少なくともいずれかから、所定時間毎に取得し、記憶装置101の掲載情報テーブル125に格納する機能を備えているとしてもよい。
この場合、レベニューマネジメントシステム100は、上述の提案価格の算定に際し、上述で取得した客室販売価格、顧客評価値、および推薦順位を含む情報に基づき、自宿泊施設と顧客評価値または推薦順位が所定範囲で近しい競合施設たる他宿泊施設、または自宿泊施設の近隣宿泊施設であって宿泊施設端末400から指定を受けた競合施設たる他宿泊施設と、その客室販売価格を各ネットエージェント200のWEBサイトごと又は上述の公式WEBサイトごとに特定し、当該特定した競合施設の顧客評価値および推薦順位と自宿泊施設の顧客評価値および推薦順位との各乖離幅と各乖離方向に応じ、該当ネットエージェント200のWEBサイト又は上述の公式WEBサイトにおける自宿泊施設または競合施設の客室販売価格を所定割合で上下させ、提案価格を算定する機能を備えている。
また、レベニューマネジメントシステム100は、上述の提案価格の通知または設定指示の以降に取得した上述の客室販売価格と顧客評価値を含む情報に基づき、自宿泊施設の客室販売価格と提案価格とを照合し、客室販売価格が上述の提案価格に設定されたことを検知した場合、前記所定宿泊施設における所定期間分の客室販売実績をネットエージェント200、サイトコントローラ300、および自宿泊施設の公式WEBサイトの少なくともいずれかから取得し、当該取得した客室販売実績に基づき、所定期間内で該当宿泊施設の客室を提案価格で販売出来た確率を算定する機能を備えている。
また、レベニューマネジメントシステム100は、上述の提案価格を算定するに際し、上述で算定した確率と所定基準との乖離幅の大きさに応じ、該当ネットエージェント200のWEBサイト又は上述の公式WEBサイトにおける自宿泊施設または競合施設の客室販売価格を低減する所定割合を増大した値とし、増大させた所定割合で、自宿泊施設または競合施設の客室販売価格を低減させた価格を、自宿泊施設への提案価格として算定する機能を備えている。
また、レベニューマネジメントシステム100は、宿泊施設端末400より、客室販売価格の下限値の指定を受け付ける機能を備えている。この場合、レベニューマネジメントシステム100は、上述の提案価格を算定するに際し、該当ネットエージェント200のWEBサイト又は上述の公式WEBサイトにおける自宿泊施設または競合施設の客室販売価格を、上述の下限値を下回らない範囲の所定割合で低減させた価格を、自宿泊施設への提案価格として算定する機能を備えている。
また、レベニューマネジメントシステム100は、上述の提案価格の算定に際し、上述で取得した客室販売価格と顧客評価値を含む情報及び当該情報が含む客室販売状況に関する情報に基づき、自宿泊施設と顧客評価値が最も近しい、または自宿泊施設の近隣施設であって宿泊施設端末400から指定を受けた最競合施設を特定し、この最競合施設では客室売り止めとなっている日を、記憶装置101の掲載情報テーブル125、該当ネットエージェント200のWEBサイト、および各宿泊施設の公式WEBサイトのいずれかにて特定し、当該特定した該当日において客室販売がなされており、最競合施設より顧客評価値が低い準競合施設とその客室販売価格を各ネットエージェント200のWEBサイトごと又は上述の公式WEBサイトごとに特定し、当該特定した準競合施設の顧客評価値と自宿泊施設の顧客評価値との乖離幅に応じ、該当ネットエージェント200のWEBサイト又は上述の公式WEBサイトにおける自宿泊施設または準競合施設の客室販売価格を所定割合で上昇させた価格を、自宿泊施設への提案価格として算定する機能を備えている。
また、レベニューマネジメントシステム100は、上述の提案価格の算定に際し、ネットエージェント200のWEBサイトないし販売実績テーブル126から取得した情報に基づき、自宿泊施設の客室残が所定数以下となったことを検知した場合、当該検知時点における競合施設のうち自宿泊施設より顧客評価値が低い競合施設の顧客評価値と自宿泊施設の顧客評価値との乖離幅に応じ、該当ネットエージェント200のWEBサイト又は上述の公式WEBサイトにおける自宿泊施設または競合施設の客室販売価格を所定割合で上昇させた価格を、自宿泊施設への提案価格として算定する機能を備えている。
また、レベニューマネジメントシステム100は、自宿泊施設における所定期間分の客室販売実績として、所定サービスを含む宿泊プランの販売実績を、ネットエージェント200、サイトコントローラ300、および自宿泊施設の公式WEBサイトの少なくともいずれかから取得して、これを宿泊プラン販売実績テーブル127に格納し、当該宿泊プラン販売実績テーブル127に格納した販売実績に基づき、所定サービスを含む宿泊プランを、所定属性の顧客に対し、所定期間内に所定価格で販売出来た確率を算定する機能を備えている。
また、レベニューマネジメントシステム100は、販売予定の宿泊プランとターゲット顧客の各情報を、宿泊施設端末400から受け付け、当該受け付けた各情報が示す属性にマッチする宿泊プランに関して上述で算定した確率に基づき、当該確率が所定基準以上の宿泊プランとその販売価格を特定する機能を備えている。
また、レベニューマネジメントシステム100は、上述の取得した販売実績が示す、上述で特定した宿泊プランの販売元宿泊施設の所在地と、宿泊施設端末400から指定された指定宿泊施設の所在地とについて、予め記憶装置101に保持する価格優位性テーブル128に基づき、販売元宿泊施設と上述の指定宿泊施設との価格優位性の乖離幅と乖離方向に応じ、宿泊プランの販売価格を所定割合で上下させた価格を、上述の指定宿泊施設での宿泊プランの提案価格として算定する機能を備えている。
また、レベニューマネジメントシステム100は、宿泊施設端末400への提案価格の通知、または該当ネットエージェント200或いは自宿泊施設の公式WEBサイトの所定サーバに対する、提案価格を該当WEBサイトでの該当宿泊プランの販売価格とする旨の設定指示、の少なくともいずれかを行う機能を備えている。
−−−データ構造例−−−
次に、本実施形態のレベニューマネジメントシステム100が利用するテーブル等のデータ構造例について説明する。
図3は本実施形態における掲載情報テーブル125のデータ構造例を示す図である。掲載情報テーブル125は、自宿泊施設および自宿泊施設以外の他宿泊施設に関する、所在地、複数のネットエージェント200それぞれのWEBサイトまたは該当宿泊施設の公式WEBサイトでの、客室販売価格、顧客評価値、推薦順位たるおすすめ順位または人気度(いずれも該当ネットエージェントでの所定のアルゴリズムで定期的に決定、更新されている)、および売り切り、の各情報を格納したテーブルであり、例えば宿泊施設IDをキーとして、該当宿泊施設の所在地および運営者たる宿泊業者、その公式WEBサイトURL、該当宿泊施設の客室販売を委託しているネットエージェントのID、該当ネットエージェントの提供する客室販売用のWEBサイトURL、該当WEBサイト(公式WEBサイトまたはネットエージェントのWEBサイトのいずれか情報を取得できたもの)での客室販売価格、該当宿泊施設に対する顧客評価値、直近の所定期間におけるおすすめ順位、および、現在既に該当宿泊施設での客室が完売状態であることを示す売り切りフラグ、といった値を、対象期間に対応付けたレコードの集合体となっている。
また、
図4は本実施形態における販売実績テーブル126のデータ構造例を示す図である。この販売実績テーブル126は、自宿泊施設における所定期間分の客室販売価格、販売実績、客室在庫残の各情報を格納したテーブルであり、例えば、対象期間、該当対象期間における客室販売価格、その価格での販売実績、および客室在庫残、の各値を対応付けたレコードの集合体となっている。
また、
図5は本実施形態における宿泊プラン販売実績テーブル127のデータ構造例を示す図である。この宿泊プラン販売実績テーブル127は、自宿泊施設における所定期間分の客室販売実績として、所定サービスを含む宿泊プランの販売実績と、該当宿泊プランの販売先たる顧客の属性と、を格納したテーブルであり、例えば対象期間、該当対象期間における宿泊プランの販売価格、販売実績、該当宿泊プランの顧客属性(例:性別、年代等)、といった値を対応付けたレコードの集合体となっている。
また、
図6は本実施形態における価格優位性テーブル128のデータ構造例を示す図である。この価格優位性テーブル128は、宿泊施設の所在地別の価格優位性の情報を格納したテーブルであり、例えば、地域名をキーとして、該当地域に宿泊施設が所在する場合の価格優位性に対応した、同評価(例:宿泊施設のランク付けとなる星の数、ネットエージェントのWEBサイトでの顧客評価値等)の宿泊施設間の平均販売価格からの割り増し額または割引額、の値を対応付けたレコードの集合体となっている。
−−−処理手順例1−−−
以下、本実施形態におけるレベニューマネジメント方法の実際手順について図に基づき説明する。以下で説明するレベニューマネジメント方法に対応する各種動作は、レベニューマネジメントシステム100のメモリ103に読み出して実行するプログラム102によって実現される。そして、このプログラム102は、以下に説明される各種の動作を行うためのコードから構成されている。
図7は、本実施形態のレベニューマネジメント方法の処理フロー例1を示す図である。この場合、レベニューマネジメントシステム100は、契約中の宿泊施設(自宿泊施設)と、これに競合する他宿泊施設とに関して、30分、或いは1時間といった所定時間毎に、ネットエージェント200の提供する、客室販売用のWEBサイトでの掲載情報を、各ネットエージェント200または、これら各ネットエージェント200での客室販売状況に応じた在庫管理を行っているサイトコントローラ300から取得し、記憶装置101の掲載情報テーブル125に格納する(s100)。なお、以降での説明においては、ネットエージェント200ないしサイトコントローラ300から必要な情報が取得出来ることを前提とする。但し、ネットエージェント200ないしサイトコントローラ300から必要な情報が取得出来ない状況においては、レベニューマネジメントシステム100が備える機能として上述したとおり、各宿泊施設の公式WEBサイトを運用するWEBサーバ500、600から情報取得を行うものとする(以下同様)。勿論、両方の情報取得手法を適宜組み合わせるとしても良い。
ここで掲載情報テーブル125に格納される情報の具体例は、
図3にて例示するように、該当宿泊施設の識別情報たる宿泊施設ID、対象期間(情報取得タイミングの間である掲載情報の取得期間)、ネットエージェントのID、WEBサイトURL、該当WEBサイトでの該当対象期間での客室販売価格、該当宿泊施設に対する該当対象期間の顧客評価値、該当対象期間におけるおすすめ順位、現在既に該当宿泊施設での客室が完売状態であることを示す売り切りフラグ、および客室在庫残、の各値となる。このうち販売実績および客室在庫残の各値は、上述したネットエージェント200のWEBサイトに掲載されていない場合もある。その場合、レベニューマネジメントシステム100は、各ネットエージェント200における販売状況を管理しているサイトコントローラ300またはネットエージェント200の所定サーバに問い合わせを行い、該当データを取得する。勿論、レベニューマネジメントシステム100と、ネットエージェント200およびサイトコントローラ300との間で、データ授受を許容する契約が予め結ばれているものとする。
以上のように掲載情報テーブル125を生成し、一定時間毎に更新しているレベニューマネジメントシステム100は、或るタイミングで、上述の自宿泊施設で運用されている宿泊施設端末400より、客室販売価格の下限値の指定を受け付け、この下限値を上述の自宿泊施設のIDと対応付けてメモリ103に保持する(s101)。
またその後、レベニューマネジメントシステム100は、例えば宿泊施設端末400からの指示を受けて、または予め規定された所定時期の到来を検知して、掲載情報テーブル125から読み取って得た、上述の自宿泊施設と他宿泊施設とに関する、顧客評価値およびおすすめ順位の各値に関して、自宿泊施設と顧客評価値が所定範囲で近しい競合施設たる他宿泊施設を特定する(s102)。なお、当該ステップs102において、レベニューマネジメントシステム100は、宿泊施設端末400から競合施設の指定を受け付けるとしてもよい。
例えば、自宿泊施設の顧客評価値が「4.8」、おすすめ順位が「2位」である場合、この顧客評価値「4.8」の上下0.2の幅、すなわち「4.6」〜「5.0」の範囲に顧客評価値があり、おすすめ順位「2位」の上下2の幅、すなわち「1位」〜「4位」の範囲におすすめ順位がある他宿泊施設を競合施設と特定する。なお、レベニューマネジメントシステム100は、このステップs102に際し、上述のステップs100を再実行して顧客評価値およびおすすめ順位の各値を取得するとしてもよい。
次にレベニューマネジメントシステム100は、上述の競合施設に関して得ている、各ネットエージェント200のWEBサイトにおける顧客評価値およびおすすめ順位と、掲載情報テーブル125から取得した自宿泊施設の顧客評価値およびおすすめ順位との各乖離幅と各乖離方向を算定する(s103)。
例えば、自宿泊施設の顧客評価値が「4.8」、おすすめ順位が「2位」である場合、この顧客評価値「4.8」の上下0.2の幅、すなわち「4.6」〜「5.0」の範囲に顧客評価値があり、おすすめ順位「2位」の上下2の幅、すなわち「1位」〜「4位」の範囲におすすめ順位がある競合施設が、上述のステップs102で3つ特定出来たとする。この3つの競合施設の顧客評価値およびおすすめ順位が、それぞれ、最競合施設:顧客評価値「4.9」、おすすめ順位「1位」、準競合施設:顧客評価値「4.7」、おすすめ順位「3位」、準競合施設:顧客評価値「4.6」、おすすめ順位「4位」、であったとする。
この場合、レベニューマネジメントシステム100は、最競合施設に関する乖離幅として、顧客評価値:4.9−4.8=0.1、おすすめ順位:2位−1位=1、乖離方向として顧客評価値及びおすすめ順位とも最競合施設の方が高いため、乖離方向はマイナス、と特定する。同様にレベニューマネジメントシステム100は、一方の準競合施設に関する乖離幅として、顧客評価値:4.8−4.7=0.1、おすすめ順位:3位−2位=1、乖離方向として顧客評価値及びおすすめ順位とも自宿泊施設のほうが準競合施設より高いため、乖離方向はプラス、他方の準競合施設に関する乖離幅として、顧客評価値:4.8−4.6=0.2、おすすめ順位:4位−2位=2、乖離方向として顧客評価値及びおすすめ順位とも自宿泊施設のほうが準競合施設より高いため、乖離方向はプラスと特定する。
なお、レベニューマネジメントシステム100は、予め宿泊施設端末400より、複数の競合施設が特定出来た場合の、各競合施設の重み付け値について指定を受け、これをメモリ103に保持しているものとする。例えば、最競合施設、すなわち競合度1位の他宿泊施設に関して重み付け1.0、準競合施設、すなわち競合度2位の他宿泊施設に関して、重み付け0.5、次なる準競合施設、すなわち競合度3位の他宿泊施設に関して、重み付け0.2、などとメモリ103に値が保持されている。
この場合、レベニューマネジメントシステム100は、顧客評価値に関する総合乖離幅を、0.1(最競合施設との乖離幅(顧客評価値))×1.0+0.1(一方の準競合施設との乖離幅(顧客評価値))×0.5+0.2(他方の準競合施設との乖離幅(顧客評価値))×0.2=0.1+0.05+0.04=0.19、などと算定する。
また同様に、おすすめ順位に関する総合乖離幅を、1(最競合施設との乖離幅(おすすめ順位))×1.0+1(一方の準競合施設との乖離幅(おすすめ順位))×0.5+2(他方の準競合施設との乖離幅(おすすめ順位))×0.2=1.0+0.5+0.4=1.9、などと算定する。
また、レベニューマネジメントシステム100は、顧客評価値とおすすめ順位とで重要視する割合を、顧客評価値:おすすめ順位=10:0.2、などと、宿泊施設端末400から予め指定され、これをメモリ103に保持しているとする。この場合、レベニューマネジメントシステム100は、自宿泊施設と競合施設との総合乖離幅を、0.19×10+1.9×0.2=1.9+0.38=2.28などと算定する。
またレベニューマネジメントシステム100は、最競合施設との乖離方向:マイナス、一方の準競合施設との乖離方向:プラス、他方の準競合施設との乖離方向:プラス、である場合、乖離方向がプラスである競合施設が多いと判定し、総合乖離方向はプラス、などと判定できる。
上述のステップs103に続き、レベニューマネジメントシステム100は、上述のように算定した乖離幅と乖離方向に応じ、各ネットエージェント200のWEBサイトまたは公式WEBサイトにおける、例えば自宿泊施設の客室販売価格を、上述の下限値を下回らない範囲の所定割合で上下させ、提案価格を算定する(s104)。
例えば、総合乖離幅が「2.28」、総合乖離方向がプラス、であり、単位乖離幅あたりの客室販売価格の増減率が5%(レベニューマネジメントシステム100が宿泊施設端末400から指定を受けて、メモリ103ないし記憶装置101に保持している)と定められている場合、或るネットエージェント200のWEBサイトにおける自宿泊施設の客室販売価格が「25000円」であれば、レベニューマネジメントシステム100は、提案価格を、25000×((2.28×5/100)+1)=27850円、と算定する。
また例えば、総合乖離幅が「1.5」、総合乖離方向がマイナス、であり、単位乖離幅あたりの客室販売価格の増減率が5%と定められている場合、或るネットエージェント200のWEBサイトにおける自宿泊施設の客室販売価格が「25000円」であれば、レベニューマネジメントシステム100は、提案価格を、25000×(1−(1.5×5/100))=23125円、と算定する。但し、上述の客室販売価格の下限値が、例えば23200円であったとすれば、算定した提案価格「23125円」を「23200円」に修正する。
なお、価格を増減させる基準を自宿泊施設の客室販売価格ではなく、例えば、競合施設間で平均した客室販売価格としてもよい。
次に、レベニューマネジメントシステム100は、上述のステップs104で算定した提案価格を宿泊施設端末400に通知する(s105)。或いはレベニューマネジメントシステム100は、算定した提案価格を、該当ネットエージェント200の所定サーバ、または自宿泊施設の公式WEBサイトのサーバに対して、該当WEBサイトでの客室販売価格として設定するよう要求する指示を送信するとしてもよい。
その後、レベニューマネジメントシステム100は、上述の提案価格の通知または上述のサーバへの設定指示の以降のタイミングで、上述のステップs100を再実行し、これにより取得した、提案価格の対象となった自宿泊施設に関する客室販売価格の情報に基づき、自宿泊施設の客室販売価格が上述の提案価格と同一、すなわち客室販売価格が提案価格に設定されたことを検知し(s106)、前記所定宿泊施設における所定期間分の客室販売実績をネットエージェント200またはサイトコントローラ300(勿論、公式WEBサイトからでもよい)から取得し、当該取得した客室販売実績に基づき、所定期間内で該当宿泊施設の客室を提案価格で販売出来た確率を算定する(s107)。
例えばレベニューマネジメントシステム100は、上述の自宿泊施設における直近1ヶ月分の客室販売実績が、該当期間中の全客室在庫100室のうち90室を、提案価格「27850円」で販売済み、であることを示す場合、この直近1ヶ月間で自宿泊施設の客室を提案価格「27850円」で販売出来た確率を75%などと算定する。或いは、上述の自宿泊施設における直近1ヶ月分の客室販売実績が、該当期間中の全客室在庫100室のうち75室を、提案価格「23200円」で販売済み、であることを示す場合、この直近1ヶ月間で自宿泊施設の客室を提案価格「23200円」で販売出来た確率を95%などと算定する。
次にレベニューマネジメントシステム100は、上述のステップs107で算定した確率と所定基準との乖離幅の大きさに応じ、以降の提案価格算定時における、価格増減対象となる基準価格(自宿泊施設または競合施設の客室販売価格)からの低減割合を特定し、メモリ103ないし記憶装置にて、該当ネットエージェント200および該当宿泊施設と対応付けて格納する(s108)。例えば、上述のステップs107で算定した確率が75%、所定基準が80%(すなわち最低限期待する販売確率)である場合、レベニューマネジメントシステム100は、これらの間の乖離幅を5%と算定し、この乖離幅の単位値あたりの係数を0.8などとすると、上述した低減割合を5×0.8=4%などと算定する。
ステップs108の後、再び上述のステップs100〜s103の処理が開始され、提案価格算定の処理を実行する際、レベニューマネジメントシステム100は、ステップs108でメモリ103等に保持した低減割合の値を、該当ネットエージェント200における自宿泊施設に関して読み出し、ステップs104での乖離幅と乖離方向に応じた所定割合に、この低減割合の値を加算して増大させ、該当ネットエージェント200のWEBサイトまたは公式WEBサイトにおける自宿泊施設の客室販売価格を、増大させた所定割合で低減させ、提案価格を算定する(s109)。つまり、販売確率が低かった提案価格を設定した宿泊施設に関しては、次に提案価格を算定する際、所望の販売確率との差異に応じた低減率で値引きし、販売確率を更に確かなものとするのである。
以後、レベニューマネジメントシステム100は、このステップs109の処理からステップs106に処理を戻し、一連のステップs106〜s109を繰り返し実行する。
−−−処理手順例2−−−
続いて、競合施設で売り切り状態が生じている場合の提案価格の算定処理について説明する。
図8は、本実施形態のレベニューマネジメント方法の処理フロー例2を示す図である。この場合、レベニューマネジメントシステム100は、上述の自宿泊施設と顧客評価値が最も近しい、または自宿泊施設の近隣施設であって宿泊施設端末400から指定を受けた最競合施設に関し、客室売り止めとなっている日、すなわち売り切りフラグ「1」が設定された日を、記憶装置101の掲載情報テーブル125ないし該当ネットエージェント200のWEBサイト、或いは該当宿泊施設の公式WEBサイトにて特定する(s200)。
次にレベニューマネジメントシステム100は、当該特定した該当日において客室販売がなされており、最競合施設より顧客評価値が低い準競合施設とその客室販売価格を各ネットエージェント200のWEBサイト、または該当宿泊施設の公式WEBサイトごとに特定する(s201)。
例えば、「5月31日」において客室販売がなされており、最競合施設の「○○ホテル」の顧客評価値「4.9」より低い顧客評価値「4.6」の準競合施設「○○観光ホテル」と、その客室販売価格「18000円」を、ネットエージェント「○○トラベル販売」のWEBサイトにて特定する。
またレベニューマネジメントシステム100は、ステップs201で特定した準競合施設の顧客評価値と自宿泊施設の顧客評価値との乖離幅を算定し(s202)、この乖離幅に応じ、該当ネットエージェント200のWEBサイトまたは公式WEBサイトにおける自宿泊施設または準競合施設の客室販売価格を所定割合で上昇させた価格を、自宿泊施設への提案価格として算定する(s203)。
例えばレベニューマネジメントシステム100は、ステップs201で特定した準競合施設「○○観光ホテル」の顧客評価値「4.6」と自宿泊施設の顧客評価値「4.8」との乖離幅を「0.2」など算定し、この乖離幅「0.2」に所定係数「10%」を乗算して乗算値「2%」を得ておき、該当ネットエージェント「○○トラベル観光」のWEBサイトにおける自宿泊施設の客室販売価格「24000円」を所定割合「2%」増しで上昇させた価格「24480円」を、自宿泊施設への提案価格として算定する。
つまり最競合施設が売り切りとなっている状況において、近隣ないし同クラスの宿泊施設との関係を踏まえて、自宿泊施設の客室販売価格を適宜上昇させ、利益を効率良く確保可能とする。
−−−処理手順例3−−−
続いて、ネットエージェント200での販売客室残に応じて提案価格を算定する処理について説明する。
図9は、本実施形態のレベニューマネジメント方法の処理フロー例3を示す図である。
この場合、レベニューマネジメントシステム100は、ネットエージェント200のWEBサイトないし販売実績テーブル126から、自宿泊施設の客室残が所定数以下となったことを検知し(s300)、当該検知時点における競合施設のうち自宿泊施設より顧客評価値が低い競合施設の顧客評価値と自宿泊施設の顧客評価値との乖離幅を算定する(s301)。
例えばレベニューマネジメントシステム100は、自宿泊施設の客室残が所定数「10室」以下となったことを検知し、当該検知時点における競合施設のうち自宿泊施設の顧客評価値「4.8」より順客評価値が低い競合施設の顧客評価値「4.6」と、自宿泊施設の顧客評価値「4.8」との乖離幅を「0.2」などと算定する。
またレベニューマネジメントシステム100は、上述の乖離幅に応じ、該当ネットエージェント200のWEBサイトまたは公式WEBサイトにおける自宿泊施設または競合施設の客室販売価格を所定割合で上昇させた価格を、自宿泊施設への提案価格として算定する(s302)。
例えばレベニューマネジメントシステム100は、上述の乖離幅「0.2」に、所定係数「10%」を乗算して乗算値「2%」を算定しておき、該当ネットエージェント200のWEBサイトにおける自宿泊施設の客室販売価格「18000円」を「2%」上昇させた価格「18360円」を、自宿泊施設への提案価格として算定する。
−−−処理手順例4−−−
続いて、宿泊プランの提案価格算定を行う場合の処理について説明する。
図10は、本実施形態のレベニューマネジメント方法の処理フロー例4を示す図である。この場合、レベニューマネジメントシステム100は、自宿泊施設および競合施設における所定期間分の客室販売実績として、所定サービスを含む宿泊プランの販売実績をネットエージェント200またはサイトコントローラ300(或いは公式WEBサイト)から取得して、これを宿泊プラン販売実績テーブル127に格納する(s400)。
次にレベニューマネジメントシステム100は、上述のように宿泊プラン販売実績テーブル127に格納した販売実績に基づき、所定サービスを含む宿泊プランを、所定属性の顧客に対し、所定期間内に所定価格で販売出来た確率を算定する(s401)。
例えばレベニューマネジメントシステム100は、直近1ヶ月間で、「レイトチェックアウトとマッサージのサービスが付いた、ゆったり女子会プラン」なる宿泊プランが、「19800円」で、20代女性に50個(各ネットエージェント計)販売出来たとする。また、この宿泊プランの総在庫数は65個だったとする。この場合、直近1ヶ月間での該当宿泊プランの販売確率は、20代女性向けに、(50/65)×100=77%であったと算定できる。
また同様に、レベニューマネジメントシステム100は、直近1ヶ月間で、「アーリーチェックインとウェルカムドリンクが付いた女子会プラン」なる宿泊プランが、「21000円」で、20代女性に40個(各ネットエージェント計)販売出来たとする。また、この宿泊プランの総在庫数は65個だったとする。この場合、直近1ヶ月間での該当宿泊プランの販売確率は、20代女性向けに、(40/65)×100=62%であったと算定できる。
次にレベニューマネジメントシステム100は、販売予定の宿泊プランとターゲット顧客の各情報を、宿泊施設端末400から受け付け、当該受け付けた各情報が示す属性にマッチする宿泊プランに関して上述で算定した確率に基づき、当該確率が所定基準以上の宿泊プランとその販売価格を特定する(s402)。
例えばレベニューマネジメントシステム100は、販売予定の宿泊プランとターゲット顧客の各情報として、宿泊プラン:「女子会プラン」、ターゲット顧客:「20代女性」を宿泊施設端末400から受け付けたとする。レベニューマネジメントシステム100は、ここで受け付けた各情報が示す属性にマッチする宿泊プラン、すなわち「女子会プラン」のキーワードが含まれ、主たる販売先が「20代女性」であった、上述の「レイトチェックアウトとマッサージのサービスが付いた、ゆったり女子会プラン」、および、「アーリーチェックインとウェルカムドリンクが付いた女子会プラン」の2つの宿泊プランを特定し、これら各宿泊プランの20代女性への販売確率が、それぞれ「77%」、「62%」であり、所定基準「70%」以上の宿泊プランは、「レイトチェックアウトとマッサージのサービスが付いた、ゆったり女子会プラン」であり、その販売価格は「19800円」であると特定する。つまり、「女子会プラン」として20代女性に売れ筋の宿泊プランとその内容を特定したこととなる。
続いてレベニューマネジメントシステム100は、上述で特定した「レイトチェックアウトとマッサージのサービスが付いた、ゆったり女子会プラン」の販売元宿泊施設の所在地と、宿泊施設端末400から指定された指定宿泊施設(例:自宿泊施設を運営する宿泊業者が運営する他の宿泊施設であり、上述の販売元宿泊施設と同等の機能、顧客評価のもの)の所在地とについて、価格優位性テーブル128に基づき、販売元宿泊施設と上述の指定宿泊施設との価格優位性の乖離幅と乖離方向を特定する(s403)。
例えばレベニューマネジメントシステム100は、「レイトチェックアウトとマッサージのサービスが付いた、ゆったり女子会プラン」の販売元宿泊施設の所在地「箱根」と、宿泊施設端末400から指定された指定宿泊施設の所在地「外房」とについて、価格優位性テーブル128に基づき、販売元宿泊施設と指定宿泊施設との価格優位性の乖離幅を「+10%−1%=9%」、乖離方向をマイナス、などと特定する。
次にレベニューマネジメントシステム100は、上述のステップs403で特定した乖離幅と乖離方向に応じ、該当宿泊プランの販売価格を、所定割合で上下させた価格を、上述の指定宿泊施設での該当宿泊プランの提案価格として算定する(s404)。
例えばレベニューマネジメントシステム100は、上述のステップs403で特定した乖離幅「9%」と乖離方向「マイナス」に応じ、該当宿泊プランの販売価格「19800円」を、所定割合「9%」で低減(マイナス)させた価格「18018円」を、指定宿泊施設での該当宿泊プランの提案価格として算定する。或いはレベニューマネジメントシステム100は、価格優位性の乖離幅「5%」、乖離方向「プラス」である場合、該当宿泊プランの販売価格「19800円」を、所定割合「5%」で増額(プラス)させた価格「20790円」を、指定宿泊施設での該当宿泊プランの提案価格として算定する。
次にレベニューマネジメントシステム100は、上述の指定宿泊施設を運用する上述の宿泊業者の宿泊施設端末400に対し、ステップs404で算定した該当宿泊プランの提案価格を通知し(s405)、処理を終了する。或いはレベニューマネジメントシステム100は、このステップs405において、ネットエージェント200の所定サーバまたは指定宿泊施設の公式WEBサイトのサーバに対して、上述の提案価格を該当WEBサイトでの該当宿泊プランの販売価格とする旨の設定指示を行うとしてもよい。
−−−処理手順例5−−−
続いて、ネットエージェント200において客室売り止めとなっていない宿泊施設の比率および宿泊日までの残日数に応じて提案価格を算定する処理について説明する。
図11は、本実施形態のレベニューマネジメント方法の処理フロー例5を示す図である。
この場合、レベニューマネジメントシステム100は、上述の掲載情報テーブル125を参照し、現時点における各宿泊施設の所在地および顧客評価値を読み取り、上述の自宿泊施設と顧客評価値が所定範囲で近しく所在地が自宿泊施設から所定範囲内に所在する競合施設を特定し、その数をカウントする(s500)。またレベニューマネジメントシステム100は、ここで特定した競合施設の客室販売状況たる売り切りフラグの値を掲載情報テーブル125から読み取り、売り切りフラグの値が「0」すなわち売り止め状態にはない競合施設を特定し、その数をカウントする(s501)。レベニューマネジメントシステム100は、例えば、自宿泊施設と同じ「A区B町・・・」の町内に所在し、顧客評価値の差異が例えば0.2以内である競合施設の数を、「30」などとカウントし、その「30」の競合施設のうち、「5月31日」において売り切りフラグの値が「0」すなわち客室販売が継続中である競合施設の数を「20」などとカウントする。
次にレベニューマネジメントシステム100は、上述のステップs500、s501でカウントした、所定日において客室売り止めとなっていない競合施設の数を、全ての競合施設の数で除算し、競合施設中に占める販売中すなわち売り止めとなっていない宿泊施設の割合を算定する(s502)。上述の例であれば、レベニューマネジメントシステム100は、所定日において客室売り止めとなっていない競合施設の数「20」を、全ての競合施設の数「30」で除算し、競合施設中に占める販売中すなわち売り止めとなっていない宿泊施設の割合を「66%」などと算定することになる。
続いてレベニューマネジメントシステム100は、ステップs502で算定した割合の大きさと、所定ネットエージェントのWEBサイトにおける自宿泊施設の販売中客室の宿泊日までの残日数の大きさとに応じて、上述の割合が所定値より大きいほど及び残日数が所定値より少ないほど、該当ネットエージェントのWEBサイト又は公式WEBサイトにおける自宿泊施設または競合施設の客室販売価格を所定割合で低減させ、他方、上述の割合が所定値より小さいほど及び上述の残日数が所定値より多いほど、該当ネットエージェントのWEBサイト又は公式WEBサイトにおける自宿泊施設または競合施設の客室販売価格を所定割合で増加させ(s503)、その価格を自宿泊施設への提案価格として宿泊施設端末400に通知する(s504)。或いはレベニューマネジメントシステム100は、この提案価格を、該当ネットエージェント或いは自宿泊施設の公式WEBサイトの所定サーバに対する、該当提案価格を該当WEBサイトでの客室販売価格とする旨の設定指示を行うとしてもよい。
なお、上述のステップs503の処理のため、レベニューマネジメントシステム100は、上述の割合の程度と上述の残日数の多寡とに対する、客室販売価格の低減割合および増加割合を定めたルールをプログラム102にて予め保持している。そのルールの例を、
図12に示す。この
図12にて例示するように、自宿泊施設以外の宿泊施設すなわち全競合施設が売り止め中である場合、レベニューマネジメントシステム100は、予め定めた最大増加割合(例:+40%)を既存の客室販売価格に適用して増額し、提案価格とする。また、上述の客室販売中の競合施設の割合が50%以上であり、残日数が15日以上である場合、レベニューマネジメントシステム100は、既存の客室販売価格を変更せず、これをそのまま提案価格とする。また、客室販売中の競合施設の割合が上述同様に50%以上であり、残日数が4日〜14日である場合、レベニューマネジメントシステム100は、所定の低減割合(例:−15%)を既存の客室販売価格に適用して減額し、提案価格とする。同様に、客室販売中の競合施設の割合が50%以上であり、残日数が3日以内である場合、レベニューマネジメントシステム100は、予め定めた最大低減割合(例:−40%)を既存の客室販売価格に適用して減額し、提案価格とする。
一方、上述の客室販売中の競合施設の割合が30%以下であり、残日数が15日以上である場合、レベニューマネジメントシステム100は、所定の増加割合(例:+10%)を既存の客室販売価格に適用して増額し、提案価格とする。同様に、客室販売中の競合施設の割合が30%以下であり、残日数が4日〜14日である場合、レベニューマネジメントシステム100は、所定の増加割合(例:+20%)を既存の客室販売価格に適用して増額し、提案価格とする。また、客室販売中の競合施設の割合が30%以下であり、残日数が3日以内である場合、レベニューマネジメントシステム100は、予め定めた最大増加割合(例:+40%)を既存の客室販売価格に適用して増額し、提案価格とする。
−−−他の実施形態1−−−
ここで、上述までの形態に更なる改良を加えた実施形態について説明する。以下に説明する他の実施形態1は、将来の発生が予測あるいは予定されている事象に基づいて、提案価格を調整する技術となる。こうした他の実施形態1におけるレベニューマネジメントシステム100は、記憶装置101において、イベントテーブル129、および提案価格調整テーブル130を更に保持しているものとする。
このうちイベントテーブル129は、現時点から数ヶ月先など所定期間未来の将来時期に関して、上述の自宿泊施設の所在地(を含むエリア)における所定事象の発生予測情報を時系列順に格納したテーブルである。
図13に例示するイベントテーブル129の具体的な構造は、例えば、予測・予定された事象の発生期間を規定する対象期間の値をキーとして、荒天現象に対応した事象1、会議に対応した事象2、スポーツイベントに対応した事象3、コンサートに対応した事象4、といった各種事象の種類と規模(
図13の例の場合、“大”、“中”)を示す値を対応付けた構成となっている。
このようなイベントテーブル129は、レベニューマネジメントシステム100が、気象予測組織の情報提供装置(サーバ等)や、国際会議開催予定が掲載される公的機関や会議場運営企業のWEBサイト(の提供サーバ)、或いは、プロスポーツ試合やコンサートの開催予定が掲載されるイベントプロモーターのWEBサイト(の提供サーバ)などに一定時間毎にアクセスし、取得した情報を格納したものとなる。こうした事象は、宿泊施設を利用する者の行動を左右しうるものであるため、上述の提案価格についても、これら事象を踏まえて調整するとすれば、妥当性のある有意な価格での客室販売が実行されることとなる。
また、上述のテーブルのうち提案価格調整テーブル130は、上述のイベントテーブル129が示す事象の種類や規模といった属性値を照合することで、該当事象による客室需要の増減傾向に応じた提案価格の調整値を規定するテーブルである。
図14に例示する提案価格調整テーブル130の具体的な構造は、例えば、予測・予定された事象の種類をキーとして、該当事象の規模を示す事象レベル、およびその場合の客室需要の増減率、および提案価格の調整率、といった値を対応付けた構成となっている。このような提案価格調整テーブル130は、レベニューマネジメントシステム100の管理者等が予め規定して記憶装置101に格納したものとなる。
続いて、この実施形態におけるレベニューマネジメント方法の処理について説明する。
図15は、他の実施形態1におけるレベニューマネジメント方法の処理手順例を示すフロー図である。この場合、レベニューマネジメントシステム100は、記憶装置101のイベントテーブル129の各レコードうち、対象期間欄の値が、現在時刻より例えば1ヶ月先の時期であるものを特定し(s600)、当該特定したレコードが示す事象の種類およびレベルの値を取得する(s601)。例えば、
図13のイベントテーブル129から、対象期間「2015/5/1〜5/31」のレコードを特定した場合、このレコードから、事象の種類として「サミット」および「日米親善野球」の2種の値と、これら各事象のレベルとしていずれも「大」の値が得られることになる。
次にレベニューマネジメントシステム100は、上述のステップs601で得た事象の種類およびレベルの各値を、提案価格調整テーブル130の各レコードに照合して、上述のステップs600でレコード検索時に対象とした将来時期、すなわち対象期間「2015/5/1〜5/31」における自宿泊施設の客室需要の増減傾向とそれに応じた提案価格の調整率を判定する(s602)。例えば、
図14の提案価格調整テーブル130から、対象期間「2015/5/1〜5/31」の事象2「サミット」、事象レベル「大」について、需要増減率「+30%」、価格調整率「+8%」の値が得られ、同様に、事象3「日米親善野球」、事象レベル「大」について、需要増減率「+12%」、価格調整率「+5%」の値が得られることになる。
続いてレベニューマネジメントシステム100は、上述のステップs602で得た値が、1つの事象に関するものか複数の事象に関するものか判定する(s603)。この判定の結果、1つの事象のみに関して値を得ている場合(s603:1つ)、レベニューマネジメントシステム100は、該当対象期間における自宿泊施設に関する提案価格として、既に求めている値(
図7〜11の各フローで得ているもの)に対し、ステップs602で得た価格調整率を適用して上下させ、提案価格の調整を行う(s604)。例えば、本フローの実行前に既に求めてある提案価格が「25000円」で、ステップs602で得た価格調整率が「+3%」であった場合、レベニューマネジメントシステム100は、25000円×1.03=25750円、と調整後の提案価格を算定する。
一方、上述の判定の結果、複数事象に関して値を得ている場合(s603:複数)、レベニューマネジメントシステム100は、複数事象に関して得ている値の合算値を算定し、この合算値を、該当対象期間における自宿泊施設に関して既に求めてある提案価格に適用して提案価格の調整を行う(s605)。例えば、本フローの実行前に既に求めてある提案価格が「25000円」で、ステップs602で得た価格調整率が「+8%」および「−10%」であった場合、レベニューマネジメントシステム100は、その合算値を、+8+(−10)=−2%、と算定する。この場合、レベニューマネジメントシステム100は、25000円×−0.98=24500円、と調整後の提案価格を算定する。
レベニューマネジメントシステム100は、こうして算定した調整後の提案価格を、上述の宿泊施設端末400への調整後提案価格として通知するか、または該当ネットエージェント200或いは自宿泊施設の公式WEBサーバ500に対する、調整後提案価格を該当WEBサイトでの客室販売価格とする旨の設定指示、の少なくともいずれかを行う(s606)。
こうした形態にてレベニューマネジメントを実行すれば、例えば、一定期間先に関して予測されている、台風や大雪、豪雨などの気象現象や、或いは大規模な国際会議やスポーツイベントなどの開催といった、所定事象の発生に伴う、該当時期に関する多数の宿泊予約キャンセル、或いは、過度の宿泊予約の集中を踏まえて、提案価格を調整してその有意性の精度を高め、より的確な価格設定が可能となる。
−−−他の実施形態2−−−
この実施形態においては、一般的な相場感覚では高すぎると認識される客室販売価格での客室販売を効率的に回避する技術について示す。顧客から客室販売価格が高すぎると思われた場合、該当宿泊施設に関する顧客評価値は大きく低下する傾向にある。したがって、この点について宿泊施設の運営企業としては十分な配慮が必要である。一方、或る時期にごく小数の競合施設しか客室販売を行っていない状況下で、その競合施設が過度に高価な客室販売価格をネットエージェント等に掲載していた場合、上述までの各実施形態をそのまま実行すると、得られる提案価格もその過度に高価な客室販売価格に影響を受けた値となる懸念がある。
こうした事態に対応するレベニューマネジメントシステム100は、記憶装置101において、
図16に例示する適正販売価格テーブル131を備えている。この適正販売価格テーブル131は、顧客評価値レベルをキーとして、該当レベルに対応して予め規定した客室販売価格の妥当値、および、他宿泊施設での過去の客室販売価格の平均値、を対応付けた構成となっている。上述の妥当値に関しては知見ある所定の管理者等が設定した値となる。
続いて、この実施形態におけるレベニューマネジメント方法の処理について説明する。
図17は、他の実施形態2におけるレベニューマネジメント方法の処理手順例を示すフロー図である。この場合、レベニューマネジメントシステム100は、既に所定期間に関して提案価格「40000」円を算定済みの自宿泊施設の顧客評価値を、掲載情報テーブル125(
図3)より抽出し、これを記憶装置101の適正販売価格テーブル131に対して照合し(s700)、該当顧客評価値レベルに応じた妥当値または平均値の少なくともいずれかを特定する(s701)。例えば、該当自宿泊施設の顧客評価値が「4.2」であった場合、顧客評価値レベル「4.0<L≦4.3」のレコードから、妥当値「24000」円または平均値「25200」円を特定できることになる。
次にレベニューマネジメントシステム100は、上述のステップs701で特定した、妥当値と平均値のうち小さい値と、既に得ている提案価格「40000」円とを比較し、上述の妥当値または平均値と提案価格との乖離幅を算定する(s702)。上述の例の場合、妥当値「24000」円と平均値「25200」円のうち、小さい方の「24000」円と、既に得ている提案価格「40000」円との乖離幅として、「16000」円を算定できることになる。
続いてレベニューマネジメントシステム100は、上述のステップs702で得た乖離幅が、予め定めて記憶装置101に保持する基準値を越えるか判定する(s703)。この基準値が例えば「5000」円であれば、上述の例にあげた乖離幅「16000」円はこの基準値を超えていると判定される。
上述の判定の結果、乖離幅が基準値を越える場合(s703:y)、レベニューマネジメントシステム100は、過度な高値販売による顧客評価低下の懸念に関する警告情報を、上述の宿泊施設端末400へ通知する(s704)。また、レベニューマネジメントシステム100は、上述の乖離幅と乖離方向に応じ、上述の提案価格を所定割合で上下させて調整する処理を更に実行し(s705)、処理を終了する。
例えば上述のように、自宿泊施設の提案価格が「40000」円、妥当値と平均値のうち小さい方の値が「24000」円、基準が「5000」円である時、乖離方向は、妥当値等の値より提案価格が大きいため「高値方向」であり、乖離幅は「16000」円となる。この場合、提案価格の調整を行うレベニューマネジメントシステム100は、上述の乖離方向「高値方向」に基づき、提案価格を低減すべきと特定し、例えば乖離幅を基準値「5000」円とするよう、24000+5000=29000円を、調整後の提案価格として算定する。
−−−他の実施形態3−−−
この実施形態においては、ネットエージェント間での客室販売手数料率の相違を踏まえ、こうしたネットエージェントのユーザたる宿泊施設での利益確保の最適化を図る技術について説明する。この場合のレベニューマネジメントシステム100は、記憶装置101において手数料率テーブル132を保持している。この手数料率テーブル132は、
図18にて例示するように、ネットエージェントごとの、客室販売代行の手数料率を規定したテーブルである。この手数料率は、客室販売価格のうちネットエージェントの取り分として徴収される、いわゆる販売手数料に該当する。
続いて、この実施形態におけるレベニューマネジメント方法の処理について説明する。
図19は、他の実施形態3におけるレベニューマネジメント方法の処理手順例を示すフロー図である。この場合、レベニューマネジメントシステム100は、既に所定期間に関して各ネットエージェントに関して提案価格を算定済みであるとする。例えば、対象期間「2015/5/1〜5/31」について、ネットエージェント「a0001」に関する提案価格は「10000」円、ネットエージェント「a0002」に関する提案価格は「9400」円、ネットエージェント「a0003」に関する提案価格は「8000」円、であったとする。
この場合、レベニューマネジメントシステム100は、各ネットエージェントに関して算定済みの提案価格と、手数料率テーブル132にて保持する該当ネットエージェントの販売手数料率とに基づき、各ネットエージェント経由での客室販売により得られる利益額を算定する(s800)。上述の例の場合、ネットエージェント「a0001」に関して、利益額は、10000×(1−0.12)=8800円、ネットエージェント「a0002」に関して、利益額は、9400×(1−0.06)=8836円、ネットエージェント「a0003」に関して、利益額は、8000×(1−0.06)=7520円、と算定出来る。
次にレベニューマネジメントシステム100は、上述のステップs800で算定した利益額の大きさに応じ、ネットエージェントに関する推奨情報として、例えばネットエージェントの推奨ランキングを生成し(s801)、これを宿泊施設端末400へ通知して(s8021)、処理を終了する。上述の例の場合、ランキング1位が「ネットエージェント:a0002」、2位が「ネットエージェント:a0001」、3位が「ネットエージェント:a0003」といった推奨ランキングとなる。
これによれば、ネットエージェントごとに異なる販売手数料率を踏まえた客室販売の方針について、上述の自宿泊施設の担当者等に提示することが可能となる。上述のごとき推奨情報を認識した自宿泊施設の担当者等は、例えば対象期間に関して、推奨ランキング下位のネットエージェントから順に客室販売情報の掲載を所定期間で(或いは客室販売数達成に応じて)ストップし、最終的には自社公式WEBサイトを最後として客室販売情報の掲載を継続するといった販売戦略を実行出来る。こうした販売戦略を採用出来るとすれば、宿泊施設として効率的に収益最大化を図ることが出来る。
以上説明したように本実施形態によれば、複数ルートでの客室販売に伴う有意性のある的確な価格設定が、効率的に実行可能となる。
以上、本発明の実施の形態について、その実施の形態に基づき具体的に説明したが、これに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。