(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態における電力制御システム100を示すブロック図である。
【0015】
本発明の電力制御システム100は、電源ユニット101〜103と、バッテリ104と、制御手段105と、記憶手段106と、負荷としてのサーバ107〜110とを備えている。本実施形態では、バッテリ104の一例として、無停電電源装置(UPS: Uninterruptible Power Supply)を用いて説明する。また、サーバ107〜110の一例として、ブレードサーバを用いて説明する。本実施形態では負荷の一例としてサーバを用いて説明するが、これに限定されるものではく、ストレージ等でも良い。
【0016】
制御手段105は、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサであるが、これに限定されるものではない。CPUは後述の記憶手段106に記憶されたプログラムを実行し、制御手段105の各種機能を実現する。
【0017】
電源ユニット101〜103はブレードサーバ107〜110に電源を供給する。
【0018】
記憶手段106は、サーバ状態テーブル200と電力情報テーブル300と電力消費特性情報400と制御手段で実行されるプログラム(図示せず)を格納する。記憶手段106はフラッシュメモリ(flash memory)などのメモリであるが、これに限定されるものではない。
【0019】
図2にサーバ状態テーブル200を示す。サーバ状態テーブル200は、各ブレードサーバ107〜110の電源状態を示す情報と起動に必要な電力(起動電力)を示す情報と起動時刻を示す情報とを含む。本実施形態では、ブレードサーバ107〜109の電源がONでありブレードサーバ110の電源がOFFである。また、各ブレードサーバ107〜110の起動電力は200(W)である。また、各ブレードサーバの起動時刻は13時00分である。なお、サーバ状態テーブル200の内容は本実施形態に限定されるものではない。
【0020】
図3に電力情報テーブル300を示す。電力情報テーブル300は、各電源ユニット101〜103およびUPS104の出力可能電力を示す情報を含む。本実施形態では、各電源ユニット101〜103およびUPS104の出力可能電力は200(W)であるとして説明するが、これに限定されるものではない。また、電力情報テーブル300は、UPS104の出力可能時間の情報も含む。本実施形態では、UPS104の出力可能時間は3分であるが、これに限定されるものではない。
【0021】
制御手段105は、記憶手段106にアクセスし、サーバ状態テーブル200および電力情報テーブル300に含まれる情報を取得する。
【0022】
図4に電力消費特性情報400を示す。電力消費特性情報400は、各ブレードサーバ107〜110の電力消費特性を示す情報である。
【0023】
401はブレードサーバ107の電力消費特性を示す線グラフである。402はブレードサーバ108の電力消費特性を示す線グラフである。403はブレードサーバ109の電力消費特性を示す線グラフである。404はブレードサーバ110の電力消費特性を示す線グラフである。
【0024】
本実施形態では、各ブレードサーバ107〜110は自ブレードサーバの起動時に、自ブレードサーバの電力消費特性を示す情報を記憶手段106に送る。よって、本実施形態では、記憶手段106に格納されている電力消費特性情報400には、線グラフ401〜403のみが記載され、線グラフ404は記載されていないものとする。なお、各ブレードサーバ107〜110が自ブレードサーバの電力消費特性を示す情報を記憶手段106に送るタイミングは、これに限定されるものではない。
【0025】
制御手段105は、電源ユニット101〜103とUPS104とブレードサーバ107〜110とを制御する。制御手段105は、電源ユニット101〜103およびUPS104から、電源ユニット101〜103およびUPS104の出力可能電力を示す情報を受け取ると、電力状態テーブル200を更新する。また、制御手段105は、ブレードサーバ107〜110から電源状態、起動電力および起動時刻を示す情報を受け取ると、サーバ状態テーブル200を更新する。
【0026】
なお、本実施形態では、事前に電力情報テーブル300が記憶手段106に格納されているものとして説明するが、これに限定されるものではない。また、本実施形態では、各ブレードサーバの107〜110の起動時にサーバ状態テーブル200に関する情報(電力状態、起動電力、起動時刻の情報)が制御手段105に送信されるとして説明するが、これに限定されるものではない。例えば、電源OFFのブレードサーバが存在する、または、UPSの電源がONである場合に、制御手段105がサーバ状態テーブル200に関する情報および電力情報テーブル300に関する情報を各ブレードサーバ107〜110から取得するような構成にしても良い。
【0027】
制御手段105は、電力消費特性情報400に基づいて、UPS104を電源ONすべきタイミングを計算する。以下では、電源ユニット101〜103によりブレードサーバ107〜119が起動されている状態で、さらにブレードサーバ110を起動したい場合について説明する。UPS104は、ブレードサーバ110を起動するのに必要な電力(200(W))を備え、3分間、出力可能なように充電されているものとする。
【0028】
まず、制御手段105は、既に起動中のブレードサーバ107〜109の電力消費特性を示す線グラフを合成する。
図5にブレードサーバ107〜109の電力消費特性を示す線グラフ401〜403の合成後のイメージ図を示す。500は、線グラフ401〜403の合成後の線グラフである。
【0029】
次に、制御手段105は、起動されていないブレードサーバ110を電源ONするための電力が電源ユニット101〜103だけで確保可能と予測される時刻(A)を計算する。
【0030】
具体的には、
図5の線グラフが閾値まで下がる時刻を計算する。閾値は全電源ユニットが供給可能な電力から起動中のブレードサーバの消費電力を差し引いた値である。
【0031】
本実施形態では閾値は400Wである。なぜなら、電源ユニット101〜103は最大600Wの電力を供給可能であり、まだ起動されていないブレードサーバ111の消費電力は200Wだからである。既に起動中のブレードサーバ107〜109の消費電力が400Wに下がったということは、電源ユニット101〜103がさらに200Wの電力を供給可能であることを意味している。
【0032】
本実施形態では、
図5に示されるように、合成された線グラフが閾値である400Wとなるのは13時05分である。よって、時刻(A)は13時05分である。
【0033】
次に、制御手段105は、UPS104を電源ONすべき時刻(B)を計算する。時刻(B)は、時刻(A)からUPS104の出力可能時間を差し引いた時刻である。本実施形態では、出力可能時間である3分を差し引いた13時02分を時刻(B)と判断する。制御手段105は、13時02分にUPS104によるブレードサーバ110への電力供給を開始すれば、継続的にブレードサーバ110に電力供給できると判断する。なぜなら、13時02分から13時05分まではUPS104がブレードサーバ110に電力供給し、13時05分以降は電源ユニット101〜103がブレードサーバ110に電源供給することが可能だからである。
【0034】
本実施形態では、UPS104によるブレードサーバ110への電力供給がストップするのと同時に電源ユニット101〜103による電力供給が開始されているが、UPS104により電力が供給される時間と電源ユニット101〜103により電力が供給される時間とが多少オーバーラップするような構成にしても良い。すなわち、時刻(B)と時刻(A)との間にUPS104が電力供給を開始するような構成であっても良い。
【0035】
図6は、本実施形態における電力制御システム100の動作を示すフローチャートである。
【0036】
制御手段105は、電源ユニット101〜103とUPS104とブレードサーバ107〜110とから状態情報を取得する(ステップS601)。状態情報には、サーバ状態テーブル200と電力情報テーブル300と電力消費特性情報400とが含まれる。
【0037】
次に、制御手段105は、状態情報を取得すると、全ブレードサーバ107〜110が電源ONか否かを判断する(ステップS602)。全ブレードサーバ107〜110が電源ONの場合、制御手段105はUPS104が電源ONか否かを判断する(ステップS603)。UPS104が電源ONの場合、制御手段105はUPS104を電源OFFして
も電源ユニット101〜103だけで電力供給できるか否かを判断する(ステップS604)。そして、UPS104を電源OFFしても電源ユニット101〜103だけで電力供給できると判断した場合、制御手段105はUPS104を電源OFFする(ステップS605)。
【0038】
S602において、全ブレードサーバの電源がONではないと判断した場合、制御手段105は、電源OFFとなっているブレードサーバの電源をONするために電源ユニット101〜103だけで電力供給できるか否かを判断する(ステップS606)。S606において、電力供給できると判断した場合、制御手段105は、電源ユニット101〜103を用いて電源OFFとなっているブレードサーバの電源をONにし、時刻をサーバ状態テーブル200に記録する(ステップS607)。そして、制御手段105は、UPS104の電源がONであり、かつ、UPS104の電源をOFFしても電力が足りる状態か否かを判断する(ステップS608)。S608で電力が足りると判断した場合、制御手段106はUPS104の電源をOFFにする(ステップS609)。
【0039】
S606において電源OFFとなっているブレードサーバの電源をONするのに電源ユニット101〜103だけで電力が足りないと判断した場合、制御手段105は、UPS104の電源がOFFか否かを判断する(ステップS610)。UPS104が電源OFFの場合、制御手段106は、ブレードサーバを電源ONするために必要な電力を電源ユニット101〜103だけで確保可能と予測される時刻(A)を計算する(ステップS611)。具体的には、上述したように、時刻(A)は、既に起動中のブレードサーバの電力消費特性を示す線グラフを合成し、合成された線グラフが閾値になる時刻である。なお、閾値は、全電源ユニットが供給可能な電力から起動中のブレードサーバの消費電力を差し引いた値である。
【0040】
次に、制御手段105は、時刻(A)からUPS104の出力可能時間を引いた時刻をUPS104の電力供給を開始すべき時刻(B)と判断する(ステップS612)。時刻(B)になると、制御手段105はUPS104の電源をONにする(ステップS613、ステップS614)。電源OFFとなっていたブレードサーバの電源がONされ、制御手段105は、電源ONされたブレードサーバの起動時刻をサーバ状態テーブル200に記録する(ステップS615)。
【0041】
なお、時刻(A)および時刻(B)の計算方法は上述した方法に限定されるものではない。
【0042】
次に、電力制御システム100がサーバ状態テーブル200(
図2)および電力情報テーブル300(
図3)の状態であるときの電力制御システム100の動作を説明する。
【0043】
制御手段105は、電源ユニット101〜103とUPS104とブレードサーバ107〜110とから状態情報を取得する(ステップS601)。
【0044】
制御手段105は、状態情報を取得すると、全ブレードサーバ107〜110が電源ONか否かを判断する(ステップS602)。ブレードサーバ107〜109は電源ONだがブレードサーバ110は電源OFFであるため、ステップS606に進む。制御手段105は、電源OFFとなっているブレードサーバ110の電源をONするために電源ユニット101〜103だけで電力供給が可能であるか否かを判断する(ステップS606)。ブレードサーバ107〜109を起動するために必要な電力(600(W))を電源ユニット101〜103でまかなっているため、電源ユニット101〜103にはブレードサーバ110の電源をONにするための電力は残っていない。よって、ステップS610に進み、制御手段105はUPS104の電源がONか否かを判断する(ステップS610)。UPS104は電源OFFなのでステップS611に進む。
図5の線グラフ(ブレードサーバ107〜109の電力消費特性を示す線グラフの合成図のイメージ)に基づいて、制御手段105は、電源ユニット101〜103だけでブレードサーバ110を起動するために必要な電力(200(W))を確保できる時刻(A)は13時05分と判断する(ステップS612)。
【0045】
そして、UPS104が出力可能時間は3分であるから、制御手段105は、UPS104を電源ONすべき時刻は13時02分と判断する。
【0046】
13時02分になると、制御手段105はUPS104を電源ONにし、ブレードサーバ110は電源ONされる。そして、制御手段105はブレードサーバ110の起動時刻をサーバ状態テーブル200に記録する(ステップS615)。
【0047】
上述したように、本実施形態では、制御手段105が電力消費特性情報に基づいて、ブレードサーバを電源ONするために必要な電力を電源ユニット101〜103だけで確保可能と予測される時刻(A)を計算する。そして、制御手段105は、時刻(A)とUPS104の出力可能時間とに基づいて、UPS104による電力出力を開始すべき時刻(B)を計算する。よって、本実施形態では、電源ユニット101〜103およびUPS104が、サーバ111に対して、継続的かつより早いタイミングで電力供給することができる。
【0048】
このように、本実施形態では、電力消費特性情報に基づいてバッテリの電力出力制御が行われるため、サーバの起動途中でバッテリによる電力供給がストップすることなく可能な限り早いタイミングで複数のサーバを起動することができるという顕著な効果を有する。
【0060】
(付記1)負荷と負荷に電力を供給する電源ユニットと電源ユニットから供給される電力が不足した場合に負荷に不足電力を供給するバッテリとを制御する制御ステップと、負荷の電力消費特性を示す情報である電力消費特性情報を記憶手段に格納するステップとを有し、制御ステップでは、電力消費特性情報に基づいてバッテリの電力出力タイミングが制御されることを特徴とする電力制御方法。
【0061】
(付記2)バッテリの出力可能時間を示す情報である出力可能時間情報を記憶手段に格納するステップを有し、負荷は、所定時間経過後に必要な電力が減少するという電力消費特性を有し、制御ステップでは、電力消費特性情報と出力可能時間情報とに基づいて、バッテリの出力可能時間が経過したときに電源ユニットにより不足電力の供給が可能な状態となっているように、バッテリの電力出力タイミングが制御されることを特徴とする付記1に記載の電力制御方法。
【0062】
(付記3)制御ステップでは、バッテリの出力可能時間が経過するのと同時に電源ユニットによる不足電力の供給が可能となるように、バッテリの電力出力タイミングが制御されることを特徴とする付記2記載の電力制御方法。
【0063】
(付記4)負荷は複数のサーバから構成され、電力消費特性情報は、複数のサーバのうち起動中のサーバ全体の電力消費の特性を示す情報であり、制御ステップでは、バッテリの出力可能時間が経過して起動されていないサーバへのバッテリによる電力供給がストップするときに電源ユニットが起動されていないサーバに対して電力供給できる状態となっているように、バッテリの電力出力タイミングが制御されることを特徴する付記2または3記載の電力制御方法。
【0064】
(付記5)制御ステップにおいて、第1の時刻が電力消費特性情報が閾値を越える時刻として計算され、第2の時刻が第1の時刻からバッテリの出力可能時間を引いた時刻として計算され、第2の時刻以降にバッテリが電力供給を開始し、閾値は、電源ユニット全体の出力可能電力から起動されていないサーバの消費電力を引き算した値であることを特徴とする付記4に記載の電力制御方法。
【0065】
(付記6)制御ステップにおいて、複数のサーバのうち第1のサーバと第2のサーバとが起動されていない場合に、第1のサーバに対するバッテリによる電力出力タイミングが制御され、第1のサーバに対する電力供給が開始された後、第2のサーバに対するバッテリによる電力出力タイミングが制御されることを特徴とする付記5に記載の電力制御方法。
【0066】
(付記7)バッテリは、停電時に電力供給するための無停電電源装置であることを特徴とする付記1および6のいずれかに記載の電源制御方法。
【0067】
(付記8)コンピュータに、負荷と負荷に電力を供給する電源ユニットと電源ユニットから供給される電力が不足した場合に負荷に不足電力を供給するバッテリとを制御する制御ステップと、負荷の電力消費特性を示す情報である電力消費特性情報を記憶手段に格納するステップとを実行させ、制御ステップでは、電力消費特性情報に基づいてバッテリの電力出力のタイミングが制御されることを特徴とする電力制御プログラム。
【0068】
(付記9)コンピュータに、バッテリの出力可能時間を示す情報である出力可能時間情報を記憶手段に格納するステップを実行させ、負荷は、所定時間経過後に必要な電力が減少するという電力消費特性を有し、制御ステップでは、電力消費特性情報と出力可能時間情報とに基づいて、バッテリの出力可能時間が経過したときに電源ユニットにより不足電力の供給が可能な状態となっているように、バッテリの電力出力タイミングが制御されることを特徴とする付記8記載の電力制御プログラム。
【0069】
(付記10)制御ステップでは、バッテリの出力可能時間が経過するのと同時に電源ユニットにより不足電力の供給が可能な状態となるように、バッテリの電力出力タイミングが制御されることを特徴とする付記9記載の電力制御プログラム。
【0070】
(付記11)負荷は複数のサーバから構成され、電力消費特性情報は、複数のサーバのうち起動中のサーバ全体の電力消費の特性を示す情報であり、制御ステップでは、バッテリの出力可能時間が経過して起動されていないサーバへのバッテリによる電力供給がストップするときに電源ユニットが起動されていないサーバに対して電力供給できる状態となっているように、バッテリの電力出力タイミングが制御されることを特徴する付記9または10記載の電力制御プログラム。
【0071】
(付記12)制御ステップにおいて、第1の時刻が電力消費特性情報が閾値を越える時刻として計算され、第2の時刻が第1の時刻からバッテリの出力可能時間を引いた時刻として計算され、第2の時刻以降にバッテリが電力供給を開始し、閾値は、電源ユニット全体の出力可能電力から起動されていないサーバの消費電力を引き算した値であることを特徴とする付記11に記載の電力制御プログラム。
【0072】
(付記13)制御ステップにおいて、複数のサーバのうち第1のサーバと第2のサーバとが起動されていない場合に、第1のサーバに対するバッテリによる電力出力タイミングが制御され、第1のサーバに対する電力供給が開始された後、第2のサーバに対するバッテリによる電力出力タイミングが制御されることを特徴とする付記12記載の電力制御プログラム。
【0073】
(付記14)バッテリは、停電時に電力供給するための無停電電源装置であることを特徴とする付記8および13のいずれかに記載の電源制御プログラム。