(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に本発明をスロットマシンに適用した実施の形態について説明する。
【実施例1】
【0012】
先ず第1の実施例について説明する。
図1はスロットマシンの全体斜視図、
図2は前面扉を取外して示す内部の正面図である。
スロットマシン1の筐体は、正面側が開口する箱形状の筐体本体2と、その開口部を閉じる前面扉3とから構成される。
筐体本体2は、天板2a、底板2b、背板2c、左側板2d、右側板2eからなる。
前面扉3は、左端側の上下複数カ所がヒンジによって筐体本体2に取り付けられ、ヒンジを軸として水平に揺動し、筐体本体2の開口部を開閉可能となっている。
前面扉3の右端部には、筐体本体2側と協働して前面扉3を閉鎖し施錠状態とする施錠機構4が設けられている。
前面扉3の表側は、複数の表示窓6を備える遊技パネル5、コイン投入口7、各種の操作レバーやボタン、スイッチ類を備える操作部8、コイン受け皿9、その他の演出表示部10などが設けられた公知の遊技面となっている。これらの詳細は、例えば特開2008−61739号公報に示される。
【0013】
筐体本体2の内部は、仕切板2fによって上下に2分割されている。
仕切板2fの下部には、コインを貯留する貯留タンクとコインを前面扉3のコイン受け皿8へ払い出す払出装置とを備えたホッパ装置11や、電源ボックス12が配置されている。
前面扉3のコイン投入口7から投入されたコインはホッパ装置11に供給され、貯留タンクに貯留されるか、あるいはコイン受け皿9へ排出されるようになっている。
仕切板2fの上部には、前面扉3の各表示窓6に対して1対1で対応させて横に並べたリール14を同一軸線上で回転可能に支持したリールユニット15が取り付けられている。
リールユニット15の上方には、スロットマシンの制御を行う主基板ユニット20が背板2cに取付けて設置されている。
【0014】
以下、主基板ユニット20の構成について詳細に説明する。
図3は主基板ユニットの正面図、
図4は側面図、そして、
図5は台座装置の分解斜視図である。
とくに指定しない限り、
図3の状態を基準として図中の右側を主基板ユニット20の右側、図中の左側を主基板ユニット20の左側とし、図中の手前側を主基板ユニット20の前側、図中の奥側を主基板ユニット20の後側として説明する。
主基板ユニット20は、主制御装置22と、主制御装置を筐体本体2に支持する台座装置25とを備えている。主制御装置22により、遊技内容や演出処理が制御される。
【0015】
台座装置25は、筐体本体2の背板2cに固定される固定ベース部26と、固定ベース部26に支持されて水平に延びる回動中心軸線Zを中心として上下に回動し傾倒姿勢をとることが可能な可動ベース部28とを備えている。
主制御装置22は可動ベース部28に保持され、
図3、
図4に示す保持位置から、回動中心軸線Zに直交してこれから離間する方向(上方)にスライドさせることにより、可動ベース部28から取り外し可能となっている。
【0016】
主制御装置22は、後掲の
図9に示すように、表裏一対の第1ボックス200と第2ボックス300によって構成される横長の矩形状の基板ボックス30と、この基板ボックス30内に収容される平板形状の主基板23とからなっている。
第1ボックス200と第2ボックス300は透明または半透明の樹脂で形成される。
主制御装置22を保持した可動ベース部28を
図4の(a)に示す起立姿勢にすることにより、基板ボックス30が背板2cにそって平行になって、内部の主基板23の表面が筐体本体2の正面側から視認可能となる一方、可動ベース部28を
図4の(b)に示す傾倒姿勢にすることにより、基板ボックス30も筐体本体2の正面側に傾倒して内部の主基板23の裏面が視認可能となるように構成されている。
【0017】
まず、台座装置25の固定ベース部26について、とくに
図5を参照して説明する。
固定ベース部26は金属板のプレス成形品で、横長矩形で平坦な底板部40と、底板部40の横幅方向(左右方向)両端から後方へオフセットした後に左右外方へ延びる取付フランジ部42とを有する。
取付フランジ部42は底板部40の面と平行で、底板部40の上下に亘って延びており、背板2cに取り付けるためのネジを挿通させる穴43が形成されている。
【0018】
底板部40の横幅方向両端部の上部には、可動ベース部28の上部を係止することにより可動ベース部28を起立姿勢位置に保持するための姿勢保持部材56が取り付けられている。
姿勢保持部材56は可撓性を有する合成樹脂製で、底板部40に形成した取付穴に後方から差し込まれて底板部40の前方へ延び、先端に爪57を備えている。
底板部40には、その上端から矩形状に切り欠かれた切欠部44が形成されている。切欠部44は姿勢保持部材56の取り付け位置まで、ほぼ底板部40の左右方向全幅にわたって延びている。
底板部40の下部で横幅方向中央にも、後述する可動ベース部28の裏面から突出する封止ブロック部100を受け入れる矩形の切欠部60が形成されている。
【0019】
図6は固定ベース部26を背面から見た斜視図である。
切欠部44の水平な下辺からは、その全幅にわたって、後方へオフセットした後底板部40の裏面側へ折り返された取付フランジ部46が延びており、この取付フランジ部46も背板2cへの取り付け部となっている。47は取付フランジ部46を背板2cに取り付けるためのネジを挿通させる穴である。
取付フランジ部42と取付フランジ部46の各オフセット量は同一とされ、取付フランジ部42と取付フランジ部46とで固定ベース部26を背板2cに取り付けたとき、底板部40は背板2cと平行になる。
【0020】
さらに、底板部40の下部裏面には、金属板のプレス成形品からなる取付フレーム部材48が取り付けられている。
取付フレーム部材48は、固定ベース部26を筐体2の背板2cに固定した場合に、底板部40と背板2cとの間に形成される空間部分の一部を埋めるもので、底板部40から後方へオフセットして取付フランジ部42および取付フランジ部46と面一の矩形状の取付面部50を有する。
後方から見たとき、取付フレーム部材48は底板部40の切欠部60をカバーしている。
【0021】
取付面部50の上下左右の各辺からはそれぞれの辺の略全長にわたる脚片52が底板部40へ向かって延び、その先端は底板部40と平行に外方へ折り曲げられた接合部54(54a、54b)となって底板部40に溶接結合されている。
取付面部50の上辺から延びた脚片の接合部54aは、その先端がさらに後方へ折り曲げられて、取付フレーム部材48自体および底板部40の剛性を高めている。
【0022】
取付面部50の下辺から延びた脚片の接合部54bは、底板部40の下端まで延びてから先端が後方へ折り曲げられ、底板部40の下端部と背板2cとの間に形成される開口部分を塞ぐ下蓋部55を形成している。
なお、固定ベース部26は底板部40の上端部を筐体本体2の天板2aに当接させた状態で背板2cに固定されるので、底板部40の上端部と背板2cとの間に形成される開口部分は天板2aによって塞がれるが、必要に応じて底板部40の上端部にも上蓋部を設けることができる。
【0023】
取付面部50の左右両側に離れた2カ所には背板2cに固定するためのネジを挿通させる穴62が設けられている。穴62は可動ベース部28の後述する窓孔107に対応させてあり、その高さ位置は、可動ベース部28の回動中心軸線Zの近傍となる取付面部50の下辺寄りとなっている。
【0024】
図5に戻って、底板部40の下端は前方へ折り曲げられて、可動ベース部28を支持するための水平に延びる支持フランジ部65が形成されている。
支持フランジ部65はその前縁を上方へ折り曲げてカバーフランジ67とし、これにより樋状をなしている。支持フランジ部65の左右両端は、上方に折り曲げられて互いに対向する軸支板部70、71となっている。
軸支板部70、71は底板部40の上部に取付けられた左右の姿勢保持部材56のそれぞれ下方に対応する位置に設定されている。
【0025】
各軸支板部70、71には、互いに同一軸線(回動中心軸線Z)上に位置させた軸孔73が設けられている。
右側の軸支板部71には、さらに軸孔73よりも上方でかつ前方に錠取付穴75が形成されている。
カバーフランジ67の左右両端の軸支板部隣接部分は、可動ベース部28を傾倒させたときその当接部87と当接する回動ストッパ68となり、当接したとき可動ベース部28が所定の傾倒姿勢位置となるように、一段低く切り欠かれている。
【0026】
支持フランジ部65の前後方向幅は、可動ベース部28の下端部の前後方向幅寸法と整合させて、可動ベース部28を固定ベース部26に支持した状態で、可動ベース部28の後述する回動軸部86とカバーフランジ67との間に形成される隙間を最小限にしている。
支持フランジ部65のカバーフランジ67の高さは、軸孔73の中心高さよりも高く、回動軸部86を前方から覆い隠すように設定されている。
これにより、回動軸部86とカバーフランジ67との間隙に、バールやスクリュードライバーなどの工具の先端が差し込まれるのを困難にし、回動軸部86の破壊行為を防ぐ。
【0027】
つぎに、可動ベース部28について説明する。
可動ベース部28は、所定の剛性を有する例えばポリカーボネイトなどの透明な合成樹脂製で、
図5に示すように、横長矩形の底板部80と、底板部80の下端から表面側(前方)に向かって延びる載置部82と、底板部80の左右両端からそれぞれ表面側に向かって延びる側板部84、85とを有している。
載置部82には、後述するように主制御装置22(基板ボックス30)を載置する。
載置部82の前端下面には、円柱形状の回動軸部86が一体に形成されている。回動軸部86は側板部84、85の間にわたって左右に延びている。
【0028】
回動軸部86の左右両端には当該回動軸部の軸心にそって軸孔88(後掲の
図7参照)が形成されている。
載置部82および回動軸部86には、側板部84、85から内方へ所定距離だけ離間した位置に、軸孔88の軸心に直交してスリット溝90が設けられている。後述するように、軸孔88はスリット溝90を越えて内側まで延びている。
また、回動軸部86の両端には、固定ベース部26の回動ストッパ68に対応させて、回動軸部86の径方向外方に延びる当接部87が設けられ、前述のように、可動ベース部28を傾倒姿勢位置まで傾倒させた際に、回動ストッパ68に当接するようになっている。
【0029】
底板部80の下部には、横幅(左右)方向中央部にスペースを残して、2つの封止ブロック部100が形成されている。封止ブロック部100は、載置部82上に突出している。
封止ブロック部100はそれぞれ載置部82上の前壁102と裏面側の後壁103(後掲の
図25参照)との間に空間を形成し、下端に開口している。後壁103は底板部80の延長として形成されている。
封止ブロック部100の載置部82上に突出した前壁102には、後述の封印ピン400が挿入される2つの係止孔104が設けられている。係止孔104は上下に切欠き105を有している。
なお、封止ブロック部100内の空間は、2つの係止孔104に対応して2区画に分かれている。
【0030】
底板部80には、封止ブロック部100から左右に所定距離離間させて、矩形の窓穴107が形成されている。
底板部80の裏面には、後掲の
図8に示すように、窓穴107の上側にネジブロック108が形成され、ネジブロック108の下端を窓穴107の上辺に一致させてある。ネジブロック108はその下端面に開口するネジ孔109を備えている。
【0031】
側板部84、85は、載置部82と略同一の前後幅で底板部80の全高さにわたって延びている。
各側板部84、85の前端には、上端および下端の一部を除いて所定の横幅(左右方向幅)の返し部112が内側に向かって延びており、また側板部84、85と底板部80の接続部には返し部112と同一の横幅をもった突条段部113が上下に延びている。
これにより、各側板部84、85の内壁には返し部112と突条段部113の間に、主制御装置の基板ボックスをスライドさせる際の一定前後幅のガイド溝114が形成される。
側板部85の上下方向略中央位置には、返し部112上から前方へ突出したあと内方(左方)へ延びる固定ブラケット部118が設けられ、底板部80に向かって垂直方向にネジを挿通させる穴119が形成されている。
【0032】
底板部80の上端部には、横幅(左右方向)中央に、可動ベース部28に保持された主制御装置22を係止するための係止部120が設けられている。
係止部120は主制御装置を可動ベース部28に装着した際に、基板ボックス30に設けられた不図示の突起部と係止し、また弾性変形させることにより係止を解くことができるようになっている。
底板部80上端には係止部120を挟む左右両側に、基板ボックス30の上端部に設けられた後述のスリット溝に係止するため、上方へ延びる突出片122が形成されている。
【0033】
図7は、回動軸部端部の構成を示す断面図である。
各側板部84、85の下端部には、回動軸部86の端面との間にスリット126を形成するボス板部124、125が設けられている。スリット126は回動中心軸線Zに直交し、このスリット126に固定ベース部26の軸支板部70、71が挿入される。
各ボス板部124、125には、軸孔127が回動軸部86の軸孔88と同軸上に形成されている。
支持ピン128をボス板部124の軸孔127から、軸支板部70の軸孔73を通して、回動軸部86の軸孔88に挿入し、また支持ピン128をボス板部125の軸孔127から、軸支板部71の軸孔73を通して回動軸部86の軸孔88に挿入することにより、可動ベース部28は固定ベース部26に対して回動自在に支持される。
【0034】
この際、支持ピン128はボス板部124、125の軸孔127と回動軸部86の軸孔88については圧入とされるとともに、支持ピン128の頭部はボス板部124、125の外側端面に形成した凹部129内に位置して外側端面から突出しないように設定され、取り付け後の支持ピン128の取り外しができないようになっている。
【0035】
図5に戻って、載置部82の上面には金属板の補強プレート130が取り付けられる。補強プレート130は、載置部82の左右のスリット溝90の間にわたる長さを有して載置部82の上面に重ね合わされる平板部132と、平板部132の後端から上方に延びて底板部80の表面に重ね合わされる縦壁134と、平板部132の左右両端から下方に延びてスリット溝90に差し込まれる軸支板部136とを備える。
軸支板部136には、スリット溝90に差し込まれた状態で回動軸部86の軸孔88と同軸上に位置する孔137が設けられ、孔137は軸孔88と同径である。
【0036】
縦壁134には、2つの封止ブロック部100をカバーする切欠穴140が形成されるとともに、切欠穴140の範囲において平板部132は封止ブロック部100の下を延びており、補強プレート130が可動ベース部28に固定された状態において、封止ブロック部100内に形成される空間の開口をカバーする。
なお、底板部80の前面は補強プレート130に対応する領域116が補強プレートの板厚分だけ窪んでおり、底板部80の表面が補強プレート130とその周辺を含めて平滑な一平面をなすようになっている。
補強プレート130の縦壁134には、切欠穴140を挟む両側に、底板部80の窓穴107にそれぞれ重なる位置に矩形の窓穴142が形成されている。
【0037】
図8は窓穴142部における補強プレートと底板部の固定構造を示す図である。
補強プレート130の窓穴142を形成する際の切り起こし片は、当該窓穴142の上辺から後方へ曲げられてブラケット部144となっている。ブラケット部144は、底板部80の窓穴107を通過してネジブロック108の下端面に重なる。
ブラケット部144に形成された挿通孔145を通して、固定ネジを下方からネジブロック108のネジ孔109にねじ込むことにより、補強プレート130が可動ベース部28に固定される。
この補強プレート130により、可動ベース部28の剛性が高まるので、封印部を抉るなどの試みが行われても、可動ベース部28が保持している基板ボックス30の撓みが抑えられ、不正行為を困難とする。
【0038】
図5、
図7に示すように、側板部85の下端部とボス板部125には同軸の錠取付穴89が形成されている。錠取付穴89の位置は、可動ベース部28を起立姿勢位置にしたとき、固定ベース部26の錠取付穴75と重なるよう設定され、例えば南京錠などを取り付けることによって、可動ベース部28の人為的な傾倒を禁止できる。
【0039】
以上の構成を有する台座装置25は、まず、固定ベース部26の表面側から取付フランジ部42の穴43に取付ネジを挿通して、筐体本体2の背板2c内側の対応する箇所に予め設けられているナット部にねじ込む。
さらに、可動ベース部28を起立姿勢位置とした状態で、可動ベース部の補強プレート130の窓穴142と底板部80の窓孔107とを通して取付フレーム部材48の穴62に取付ネジを挿通して、筐体本体2の背板2c内側の対応する箇所に予め設けられているナット部にねじ込むことにより、背板2cに固定される。
また、背板2cに予め形成された挿通孔に、外部からネジを挿入し取付フランジ部46の穴47に設けられたナットにねじ込む。
これにより、固定ベース部26は、背板2cに対して前方および後方の両方から固定されるので、前方または後方の一方からのみでは背板2cから取り外すことができない。
【0040】
とくに基板ボックス30を可動ベース部28に保持した状態では、可動ベース部の窓孔107、142が基板ボックス30によって塞がれるので、可動ベース部28の前方からこれらの窓孔にスクリュードライバの先端を差し込むこともできない。
また、取付フレーム部材48の穴62は、回動中心軸線Zの近傍であるから、可動ベース部28を傾倒姿勢とした場合でも、スクリュードライバの先端を差し込むことができない。
【0041】
次に、主制御装置22の構成について説明する。
図9は主制御装置22の分解斜視図である。
基板ボックス30は表側の第1ボックス200と裏側の第2ボックス300とからなっている。
主基板23は、隅角部に設けられた小孔24を通して不図示のネジにより第1ボックス200の内側に取り付けられる。主基板23上には、図示しない配線パターンが形成されるとともに、CPUやROM等のICチップを含む各種電子部品、ソケット等が実装されている。
【0042】
第1ボックス200は、主基板23上の比較的背の高い電子部品等を収容可能とする主基板収容部201を有しており、その周縁部には、一段低い段部202が形成されている。
段部202には、主基板上のソケットを挿通させるための複数のソケット挿通孔203が形成されている。
主基板収容部201の表面には、封印履歴記録シートを貼付するための貼付枠204が設定されている。
【0043】
第1ボックス200の右端には、上下方向略中央に固定面205が形成されている。固定面205は、基板ボックス30を可動ベース部28に載置したとき、可動ベース部28の固定ブラケット部118の裏面に重なるように設定され、基板ボックス30を可動ベース部28に固定するためのネジ孔206を備えている。
固定面205の内側(左方)には段差をもって平面部207が隣接し、基板ボックス30を可動ベース部28に固定したときに、固定ブラケット部118の表面と面一に連続するようになっている。
平面部207と固定ブラケット部118の表面は協働して封印シール(図示せず)のシール貼付面を形成する。すなわち、封印シールを平面部207と固定ブラケット部118の両者にまたがって貼付することにより、一旦剥がされるとシール貼付面に剥がされた形跡を残す。
【0044】
第1ボックス200の左右両端の側壁210には、上下方向全高さにわたって外方へ突出するレール形成部211が設けられている。
第2ボックス300は、第1ボックス200に取り付けられた主基板23の裏面に対向する底板部301を有している。底板部301の内面には格子状のリブ302が設けられて剛性を高めている。底板部301の左右両端の側壁310には、上下方向全高さにわたって外方へ突出するレール形成部311が設けられている。
【0045】
図10は第1ボックス200と第2ボックス300のレール形成部を示す図である。
(a)はレール形成部211の側面図、(b)は(a)におけるA−A部拡大断面図、(c)はレール形成部311の側面図、(d)は(c)におけるB−B部拡大断面図、そして(e)は結合状態を示す断面図である。
レール形成部211には、側壁210の後端縁から外方に起立して、上下方向に延びる複数のリブ211bが上下に一列に並ぶように設けられ、各リブの下端から後方へ延びる片とその後端から下方へ延びる片とからなるL字状の複数の引掛部212が形成されている。
また、これらの引掛部212に接続して、引掛部212の外側に側壁210の上下方向全高さにわたる一定幅の帯板部211aが側壁210と平行に形成されている。
【0046】
レール形成部311には、側壁310から外方に起立して、基板高さ方向(前後方向)に延びる片とその前端から側壁310の前縁に沿って上方へ延びる片とからなるL字状の複数の引掛部312が所定間隔をおいて上下に一列に並ぶように設けられている。
また、側壁310から外方に起立して、上下方向全高さにわたる一定幅の縦壁部311aが形成され、この縦壁部311aは、引掛部312の前後方向に延びる片の後端をつないでいる。
【0047】
第1ボックス200と第2ボックス300はこれら複数の引掛部212と引掛部312との係止により結合して、中空箱状の基板ボックス30を形成する。
すなわち、第1ボックス200を第2ボックス300に対向させて上方に所定量ずらせた位置で、第1ボックスの引掛部212を第2ボックスの引掛部312の間に置いて第1ボックスと第2ボックスを重ね合わせ、それから第1ボックス200を第2ボックス300に対して相対的に下方へスライドさせることによって引掛部212と引掛部312が互いに係止する。
【0048】
とくに
図10の(e)に示すように、第1ボックス200と第2ボックス300の結合状態において、帯板部211aの後端縁は縦壁部311aに当接するとともに、縦壁部311aの外方端縁は帯板部211aの外面と面一になるように設定されている。
これにより、第1ボックスのレール形成部211と第2ボックスのレール形成部311とは協働して、基板ボックスの上下方向に延びるレール32を形成する。
【0049】
図9に戻って、第1ボックス200の下端には封印部を形成するため、左端部に連結部で下端壁222に接続したアッパブラケット230と、アッパブラケット230に隣接して左右方向中央部に延びる矩形ブロック250が形成されている。
図11は第1ボックス200の裏面を示す。
アッパブラケット230と矩形ブロック250の間には、裏面(第2ボックス側)に開口したネジ孔216を備える連結固定部215が設けてある。
第1ボックス200の上端壁209には、その後端の裏面に下方に向かって延びる複数の係止ブロック214が左右方向一列に並んで形成されている。
【0050】
図9に示すように、第2ボックス300の上端壁308における一段低くなった前部には、第1ボックス200の係止ブロック214に対応させて係止凹部316が形成されている。
第1ボックス200と第2ボックス300の結合状態において、第1ボックス200の上端壁209における係止ブロック214が並んだ部分は第2ボックス300の上端壁308における一段低くなった前部の上に重なる。
これにより、第1ボックス200を第2ボックス300との結合位置へスライドさせたときに第1ボックス200の係止ブロック214が係止凹部316に嵌まり込む。
【0051】
そして、第2ボックス300には、第1ボックス200の連結固定部215に対応して矩形の固定ブロック304が設けられている。
固定ブロック304は、第1ボックス200と第2ボックス300の結合状態において、第1ボックス200の連結固定部215のネジ孔216に対応する穴305を有しており、この穴305からネジをネジ孔216にねじ込むことにより、第1ボックス200と第2ボックス300とが互いに固定される。
【0052】
第2ボックス300の上端壁308は底板部301よりも後方へ張り出しており、底板部301の裏面(外面)には上端壁308から下方に延びる形で、底板部301の裏面との間にスリット溝318を形成する係止ブロック317が左右方向に複数設けられている。
スリット溝318には、基板ボックス30を可動ベース部28に保持したときに、可動ベース部28の突出片122(
図5参照)が挿入されて係止する。
【0053】
第2ボックス300の下端には封印部を形成するため、左端部で連結部で下端壁322に接続したロアブラケット330と、下端壁322の左右方向中央に設けた封印ブロック部360と、封印ブロック部360の左右両側で下端壁322から下方に延びるカバー板部350が形成されている。
【0054】
つぎに、封印結合構造について説明する。
図3に示すように、基板ボックス30の下端部には、左端から順に第1封印部34と、第2封印部36、第3封印部38および第2封印部36が並んで設定され、第3封印部38は基板ボックス30の左右方向中央に位置している。各封印部近傍にはA〜Fの符号が付せられている。
第1封印部34(A)と第3封印部38(F)は第1ボックス200と第2ボックス300を封印結合するもので、第2封印部36(B、C、D、E)は基板ボックス30を可動ベース部28に封印結合するためのものである。
【0055】
まず、第1封印部34の封印結合構造を説明する。
第1封印部34は、以下に示すように、第1ボックス200の下端壁222から連結部228を介して延びるアッパブラケット230、第2ボックス300の下端壁322から連結部328、329を介して延びるロアブラケット330、および重ね合わされたアッパブラケット230とロアブラケット330とに被せる封印キャップ500とからなる。
なお、第1封印部34にかかる以下の説明では、第1ボックス200と第2ボックス300の重ね合わせ方向に沿ってアッパブラケット230とロアブラケット330が上下に重ね合わされる方向を上下方向とし、第1ボックス200の下端壁222に近い側を基端、遠い側を先端、そして下端壁222から連結部228およびアッパブラケット230が延びる方向(
図3においては上下方向)を長手方向とする。
【0056】
図12、
図13はアッパブラケット230の構造を示し、
図12の(a)は平面図、(b)は裏面図、
図13の(c)は先端側から見た正面図、(d)は側面図である。(a)は
図3における正面図に相当する。
アッパブラケット230は、略矩形の主板231の基端側の辺(下端壁に面した辺)に端板232を有している。
主板231は下端壁222に対して垂直で、第1ボックス200と第2ボックス300の重ね合わせ面に平行である。主板231の下面は下端壁222の重ね合わせ端縁K(第2ボックス300の下端壁との突き合わせ面)よりわずかに所定量下方にずれている。
【0057】
主板231はその先端側略1/3の部分の側辺が先細に傾斜して、先端の幅が端板232側の基端よりわずかに小さくなっている。主板231の側縁には全長にわたってフランジ238が立っており、主板231の上面にはフランジ238にそって溝235が形成してある。
端板232は、主板231の板面と平行に長手方向から見たとき(
図13の(c))、主板231の上下および左右方向に張り出して外周輪郭が台形をなしており、底辺に対して上辺がわずかに短い。
端板232の上辺の中央には所定幅の切欠き233が形成してある。
【0058】
主板231の上面には、端板232の中央部に連なって左右斜め方向に延び、溝235で切れる堤部234が形成してある。堤部234の高さはフランジ238よりも高く、上面が切欠き233の底に連なっている。
主板231の上面の溝235に挟まれた領域には、さらに堤部234から先端方向に向けて複数(ここでは5本)のビード236が互いに平行に延びている。各ビード236の長さは、堤部234から先端側の平面部分の長手方向略1/3程度であり、高さは堤部234よりわずかに低い。
【0059】
主板231には先端から基端方向に延びる2本のスリット237が形成され、先端中央で当該スリット237に挟まれた部分は両側の部分より基端側へ後退して、後述する封印キャップ500におけるキャッチャ523の縦壁524を逃げるようになっており、また、スリット237自体もキャッチャ523のフランジ527に対する逃げとなっている。スリット237の基端側奥端はフランジ527に対応して傾斜面となっている。
主板231の下面には、スリット237にそってスリット237の外側に爪240が形成されている。爪240は基端側が主板231の下面に対して垂直な係止面240aとなっており、係止面240aから先端側が下面に向う傾斜面240bとなっている。
【0060】
アッパブラケット230を第1ボックス200の下端壁222につなぐ連結部228は、第1ボックス200と第2ボックス300の重ね合わせ方向にそった板状で、上縁が下端壁222からアッパブラケット230の端板232まで延び、端板232の切欠き233の底に連なっている。連結部228の下部は主板231の下面を延びてスリット237に挟まれた部分から突出して、その先端に下方に突出する爪242を形成している。突出部分の連結部228の上面は主板231の下面の延長線上である。
爪242は基端側を垂直の係止面242aとし、係止面242aから先端側が傾斜面242bとなっている。係止面242aは長手方向において主板231の先端近傍に位置している。
連結部228の下面は、爪242直後から端板232近くまで多数段の階段を形成しながら下端壁222に向かって下方に傾斜し、その後下端壁222まで当該下端壁222に対して垂直に延びている。連結部228の下面が階段状に形成されているので、とくに図示を省略したが、基板ボックス30内の主基板23に配置された発光体(例えば、LED)から発せられる光は、第1ボックス200および第2ボックス300の封印状態において、連結部228の基端から先端まで導光している。すなわち、光を透過する状態を目視確認することで、開封痕跡を容易に確認することができる。仮に開封されていれば、連結部228の先端まで導光されないためである。
【0061】
第1ボックス200の下端壁222の外面には、連結部228を囲むカバー堤226がビード状に設けてある。カバー堤226は封印キャップ500における後述する連結部カバー部501のフランジ506の上縁および側縁に沿うように設定された上辺部226aと側辺部226bを有している。
連結部228は下端壁222からアッパブラケット230の端板232までの間その上下幅が大きい等幅(上面と下面が平行)であるが、上面は下端壁222からの距離がカバー堤226の下端壁222からの突出高さに等しくなった位置で直角に曲がって上方に延びている。当該上方に延びる部分はカバー堤226の上辺部に接続して、基端側補強支持部229を形成している。
【0062】
図14、
図15は第2ボックス300のロアブラケット330の構造を示し、
図14の(a)は平面図、(b)は裏面図、
図15の(c)は先端側から見た正面図、(d)は側面図、(e)は(a)におけるC−C部断面図、(f)は(a)におけるD−D部断面図である。
ロアブラケット330はベース331と、これにつながった先端ブロック335とを有する。
ベース331は上面が左右に2分された平坦部332からなり、その間の中央には長手方向に樋溝333が形成されている。
【0063】
樋溝333は、アッパブラケット230の主板231の下面を延びる連結部228を収容可能な幅と深さの断面を有しており、下端壁322と平行な側方から見たとき(
図15の(e))基端側略1/3は平坦部332と平行で、さらに先端側は底壁が上方に傾斜している。
平坦部332の上面には、樋溝333にそって爪340が設けてある。爪340はアッパブラケット230の爪240に対応しており、先端側に平坦部332の面に対して垂直の係止面340aを有し、基端側に傾斜面340bを有している。そして、第1ボックス200と第2ボックス300の結合位置においてアッパブラケット230とロアブラケット330を重ねたときに、係止面340aが爪240の係止面240aと係止するように設定してある。
【0064】
先端ブロック335は左右の接続壁334でベース331の平坦部332とつながっており、接続壁334の間は空間S1となっている。接続壁334の上面は、平坦部332の上面に接続するとともに、先端ブロック335側が高く傾斜している。
先端ブロック335は長手方向に対して垂直、すなわち第2ボックス300の下端壁322と平行に立ち上がった面を有し、この面はアッパブラケット230の主板231の先端との対向面336となる。
【0065】
接続壁334と先端ブロック335は全体として、左右の平坦部332の外辺間の距離を直径とする半円の外周輪郭をもつように成形してある。
ベース331の平坦部332から接続壁334にわたっては外周縁にそって立ち上がるフランジ338が形成されている。
フランジ338の上端面は平坦部332と平行で、下端壁322の重ね合わせ端縁Kの下方に所定量ずれており、第1ボックス200と第2ボックス300を重ねたときアッパブラケット230の主板231を受ける。フランジ338の上端面の平坦部332に対する高さは、アッパブラケット230の端板232の下縁と主板231の下面間の距離と同等に設定してある。
【0066】
先端ブロック335の左右方向中央には、アッパブラケット230先端の爪242を受けるトンネル形状の爪収容部337が形成されている。爪収容部337の外面は先端ブロック335における左右の領域よりも上方に突出している。爪収容部337の天井の基端側は、フランジ338の上端面にアッパブラケット230の主板231を重ねたとき、爪242の上面(連結部228の先端上面)よりも高いが、途中から傾斜させて先端側では爪242の上面よりもわずかに低くなるように設定してある。
【0067】
これにより、第1ボックス200を第2ボックス300に対して結合位置へスライドさせたとき連結部228の先端部を弾性変形させて爪242を押下げるようになっている。
爪収容部337の下部は開放されている。
なお、前述の爪収容部337の先端側の天井高さはフランジ338の上端面よりわずかに低いことになる。
さらに、先端ブロック335には円弧外周縁にそってさらに立ち上がり、爪収容部337の上壁外面と略同高さのフランジ339が形成してある。
【0068】
ロアブラケット330を第2ボックス300の下端壁322につなぐ連結部は、平坦部332の外側の辺に沿ってその基端側から延びる2本の連結部328と、樋溝333の長手方向中心線に沿って樋溝の基端側から延びる連結部329との3本である。いずれも左右幅は平坦部332の板厚程度である。
連結部328の上面(上縁)は平坦部332の上面に連なって下端壁322に対して垂直である。連結部329の上面(上縁)は樋溝333の底面に連なって下端壁322に対して垂直である。各連結部328、329の上下幅は、ロアブラケット330側において、接続する平坦部332および樋溝333の板厚と同じで、下端壁322側で大きくなるように傾斜している。
【0069】
第2ボックス300の下端壁322の外面には、連結部328、329を囲むカバー堤324がビード状に設けてある。カバー堤324は封印キャップ500における後述する連結部カバー部501の下壁504、膨出部505およびフランジ506の側縁に沿うように設定された側辺部324aと下辺部324bを有している。
下端壁322には、その重ね合わせ端縁Kから連結部329の上面の高さまで、アッパブラケット230の連結部228を通過させる切欠き326を形成してある。
【0070】
図16〜
図18は封印キャップ500の構造を示し、
図16の(a)は平面図、(b)は裏面図、
図17の(c)は側面図、(d)は開口端側から見た図、(e)は先端側から見た図、
図18の(f)は(a)におけるE−E部断面図、(g)は(f)におけるF−F部断面図、(h)は(f)におけるG−G部断面図である。
封印キャップ500は樹脂製で、重ね合わせたアッパブラケット230とロアブラケット330とをカバーするブラケットカバー部510と、連結部228、328および329をカバーする連結部カバー部501とからなっている。
連結部カバー部501は、基本断面形状が台形で、上半部の内壁面がアッパブラケット230の端板232の台形輪郭に整合するよう設定されている。下半部の内壁面は樋溝333を含むロアブラケット330を通過させる形状を有するとともに、とくに下壁504には連結部329を収容する膨出部505を有している。
【0071】
連結部カバー部501の開口端における上壁502の中央には、下端壁222における連結部228の付け根部分に形成された基端側補強支持部229を逃げる切欠き507が形成してある。
連結部カバー部501はその開口端において、外縁が上壁502および下壁504に対して垂直となるフランジ506を側壁503から外方に延ばしている。フランジ506の左右方向高さは下壁504につながる角部で0(ゼロ)となっており、長手方向から見た開口端の角部から上の外周輪郭が矩形である。
なお、下壁504から側壁503への角部は、上壁502から側壁503への角部よりも比較的大きな径でアール(R)整形されている。
【0072】
ブラケットカバー部510は平面形が基端側方形、先端側半円で、基端側が開口し先端側は閉じている。
基端側の開口端の外壁は連結部カバー部501の内壁面と整合している。開口端の台形形状にしたがって、平面図上の上壁512と下壁514の外周輪郭は相似形となっている。
連結部カバー部501の上壁502および膨出部505の各先端部中央には切欠き509が形成され、これらの切欠き内でブラケットカバー部510の上壁512と下壁514の膨出部515それぞれの開口端部がリブ508により上壁502および膨出部505と接続している。切欠き509はリブ切断用の工具の刃先を受け入れ可能となっている。
これらの接続位置以外では連結部カバー部501とブラケットカバー部510間は微小な間隙となっている。
なお、
図17の(d)は簡単化のため、連結部カバー部501とブラケットカバー部510の各開口端面のみを示している。
【0073】
ブラケットカバー部510の開口端部における内壁面の中央部の高さ寸法は、膨出部515を除いて、アッパブラケット230の主板231とロアブラケット330のフランジ338を含む平坦部332とを重ねた状態における平坦部332の下面からアッパブラケット230の堤部234の上面までの厚さに略整合させて収容可能となっている。
ブラケットカバー部510の下壁514の膨出部515は、ロアブラケット330の樋溝333を収容可能となっており、膨出部515の下面は長手方向途中から先端に向かって下壁514の一般面まで傾斜している。
【0074】
ブラケットカバー部510の上壁512には、先端側外形の半円に沿った周縁をもち、開口端にそって直線部を有する略円形のプレート保持穴518を形成してある。
プレート保持穴518内には自由状態で上壁512に略沿った高さに遊動プレート520の本体プレート部520aが配置されている。
なお、平面図上、ブラケットカバー部510の上壁512は切欠き509内に延びる突出部511を有して面積を広げ、開口端部における上壁512の剛性を保持している
【0075】
遊動プレート520はプレート保持穴518の内周縁とは間隔をもっており、その本体プレート部520aの基本形状は先端側がプレート保持穴518の内周縁に略沿っており、側縁が長手方向に平行な直線からプレート保持穴518の内周縁に沿う曲線部となり、後端(基端側)は長手方向に対して横に延びる略直線となっている。
本体プレート部520aの上面はわずかに球面状に膨らんでおり、その中央部分は上壁512の一般面から突出している。
本体プレート部520aにはアッパブラケット230の主板231上に形成されたビード236を収容可能なスリット521が形成されている。スリット521は、ブラケットカバー部510の開口端側に開口して長手方向に延びている。形成されるとともに、さらに本体プレート部520aの側縁には矩形の切欠き522が形成されている。スリット521および切欠き522が形成された縁部は櫛歯状の脆弱部となる。
【0076】
本体プレート部520aの裏面(下面)にはアッパブラケット230の爪242と係止するためのキャッチャ523が形成してある。
キャッチャ523は、本体プレート部520aの先端裏面から立ち下がった縦壁524に矩形穴525を有しており、縦壁524の倒れを防止するためのフランジ527を両側縁から裏面間に延ばしている。フランジ527の端縁は基端側に面して傾斜している。
矩形穴525はアッパブラケット230の爪242が通過可能なサイズとしてある。
矩形穴525の下縁は自由状態において、封印キャップ500を被せるアッパブラケットの主板231の下面と同じ高さに設定してある。
矩形穴525の下縁の基端側は下方に向いた傾斜面526とされ、爪242の傾斜面を受けて爪242が滑らかに矩形穴525に進入するようになっている。矩形穴525の基端側の他の辺縁も適度な面取りを施してある。
【0077】
遊動プレート520とプレート保持穴518の内周縁間のスペースには、プレート保持穴518の内周縁にそった細幅の支持片528が延び、その先端側の一端はプレート保持穴518の内周縁にそって回り込んだ上で折り返し片528aで本体プレート部520aの先端の縦壁524の側辺に接続し、他端は本体プレート部520aの側縁にそった直線状にプレート保持穴518の基端側における内周縁に接続している。左右の折り返し片528aに挟まれた空間S2は、ロアブラケット330における先端ブロック335の爪収容部337を受け入れるスペースとなっている。
【0078】
支持片528は自由状態で上面が本体プレート部520aの下面と面一で、本体プレート部520aよりも薄板である。すなわち、支持片528の上面は遊動プレート520およびブラケットカバー部上壁512の外面よりも低くなっている。薄板で両端間が長い支持片528は弾性を示し、遊動プレート520は当該遊動プレートに対する荷重の付加点によってその高さ位置および姿勢が変化可能である。
【0079】
平面図上、プレート保持穴518内周縁にそって、支持片528の外側には段差部519が内方に張り出して形成されている。段差部519の上面は支持片528の下面と略同じ高さであり、一端は空間S2で切れている。また、段差部519の他端はプレート保持穴518の内周縁に続いてブラケットカバー部510の開口端まで側壁513にそって直線状に同じ高さで延びている、段差部519の下面は下壁514から一定高さとなっており、開口端側の直線部分は、アッパブラケット230とロアブラケット330に封印キャップ500を被せる際の、アッパブラケット230のフランジ238の上端縁に対する相対的なスライド面となる。
【0080】
すなわち、下壁514から段差部519の下面までの上記一定高さは、アッパブラケット230とロアブラケット330を重ねた状態におけるロアブラケット330の平坦部332の下面からアッパブラケット230のフランジ238の上面までの厚さに整合させてある。また段差部519の下面の高さにおける左右の側壁513の内壁面間の距離も、アッパブラケット230の主板231(フランジ238)の幅と整合させてある。
【0081】
以下、上述した部材からなる第1封印部34の封印手順について説明する。
まず、
図19の(a)に示すように、第2ボックス300に対してスライド方向にずらせた状態で第1ボックス200を第2ボックス300上に重ね合わせる。両ボックスのずらせ量は、例えばアッパブラケット230の端板232が第2ボックス300における下端壁の外面に接しようとする程度に位置づけて、(b)に示すように、アッパブラケット230の爪242の先端が、ロアブラケット330における接続壁334に挟まれた空間S1にわずかに臨むようにする。
この状態で、アッパブラケット230の連結部228がロアブラケット330の中央の連結部329の上面(上縁)に載り、図示していないが、主板231がフランジ338の上縁に載る。
なお、
図19の(a)は爪240、340を通る断面を示し、(b)および(c)は幅方向中心を通る断面を示している。
【0082】
つぎに、これらアッパブラケット230とロアブラケット330に封印キャップ500を被せる。すなわち、封印キャップ500の連結部カバー部501の開口を先にして、下壁514をロアブラケット330の平坦部332の下面に沿わせながらロアブラケット330の先端側から挿し込んでいく。途中からは段差部519の下面がアッパブラケット230のフランジ238の上端縁上をスライドすることになるので、封印キャップ500の先端を押すだけで滑らかに挿し込める。
封印キャップ500のキャッチャ523は封印キャップ内を上下に横切るように本体プレート部520aから立ち下がっているが、挿し込みの途中では、
図19の(b)に示すように、キャッチャのフランジ527の傾斜している端縁あるいは縦壁524の下端がロアブラケット330の先端ブロック335上を滑りながら逃げて遊動プレート520が姿勢変化することにより先端ブロック335を乗り越える。
【0083】
こうして、連結部カバー部501の開口端面が第2ボックス300の下端壁322に当接するまで封印キャップ500を挿し込むと、
図19の(c)に示すように、キャッチャ523(縦壁524)はロアブラケット330のベース331と先端ブロック335の間の空間S1に嵌まり込むことになる。
キャッチャ523が先端ブロック335に係止して封印キャップ500は長手方向には抜けなくなる。
連結部カバー部501の先端はカバー堤324によって囲まれる。
このあと、第1ボックス200を第2ボックス300に対して結合位置へ向かって、すなわち第1ボックス200を正面から見て下方に、スライドさせる。
これにより、アッパブラケット230の爪242がキャッチャ523(縦壁524)の矩形穴525に進入する。この間、矩形穴525の傾斜面が爪242の傾斜面に押下げられて遊動プレート520は封印キャップ500の内方へ沈む姿勢変化を見せる。
【0084】
結合位置に至ると、
図20の(d)に示すように、アッパブラケット230の主板231の先端とロアブラケットにおける先端ブロック335の対向面336(
図14、15参照)とが近接対向する。そして、爪242がキャッチャ523の矩形穴525を先端側へ抜け出る。同時に、(e)に示すように、アッパブラケット230の爪240(の係止面)がロアブラケット330の爪340(の係止面)に係止して、第1ボックス200の第2ボックス300に対するスライド方向の抜けを阻止する。
【0085】
図20の(d)において、キャッチャ523を通り抜けた爪242の係止面242a(
図13参照)は矩形穴525の穴縁から先端方向にわずかに離間しているが、封印キャップ500を抜こうとすればその遊動プレートのキャッチャ523も一体に移動して、矩形穴525の穴縁が爪242の係止面242aに当接して係止されるから、(d)図示の状態において遊動プレート520は爪242により抜け阻止される位置関係となっている。もちろん、結合位置において爪242の係止面242aと矩形穴525の穴縁が当接していてもよい。
なお、爪240と爪340の係止についても、第1ボックス200と第2ボックス300間のスライド方向の抜けを阻止するものであるから、第1ボックス200と第2ボックス300の結合位置において互いの係止面240a、340aが当接している状態のほか、係止面240aと340aが若干離間して対向している状態も含まれる。
以上の抜け阻止の組み合わせにより第1ボックス200と第2ボックス300の結合は封印状態となる。
そして、下端壁222のカバー堤226が封印キャップ500の連結部カバー部501の先端を囲む。
なお、
図20の(d)および(f)は幅方向中心を通る断面を示し、(e)は爪240、340を通る断面を示している。
【0086】
図20の(d)、(e)に示した封印状態では、封印キャップ500は遊動プレート520の縦壁524をアッパブラケット230の爪242に貫通されて、空間S1に嵌まり込んだ状態から上下方向にも抜けなくなる。
封印キャップ500の下壁514から段差部519の下面までの高さがアッパブラケット230とロアブラケット330を重ねた状態におけるロアブラケット330の平坦部332の下面からアッパブラケット230のフランジ238の上面までの厚さに整合させてあるので、アッパブラケット230とロアブラケット330が重ね合わせ方向に離間することはないから、爪240と爪340の係止が外れることもない。
なお、封印キャップ500の上壁512の突出部511は、アッパブラケット230における端板232の切欠き233に嵌まり込む。
また、縦壁524に係止している爪242は爪収容部337の天井によってわずかに押下げられているので、これも爪240と爪340の係止保持を助ける。
【0087】
この封印状態ではまた、自由状態でアッパブラケット230の主板231の下面高さにあった矩形穴525の下縁が連結部228における爪242を支持する首部の厚さ(高さ)分だけ押下げられるので、遊動プレート520はブラケットカバー部510のプレート保持穴518の穴縁より所定量沈んだ位置となる。
そこで、
図20の(f)に示すように、遊動プレート520が沈んだプレート保持穴518全体に硬化樹脂Pを充填する。硬化樹脂Pは、紫外線など光の照射により硬化する樹脂、加熱により硬化する樹脂あるいは空気中での時間経過により硬化する樹脂から選択するが、非可逆性の硬化樹脂が好ましい。
【0088】
本体プレート部520aは周縁にスリット521や切欠き522を有しているので、硬化樹脂Pはプレート保持穴518の内周面との接着だけでなく、本体プレート部520aの裏面側にも回り込んで、アッパブラケット230の主板231やビード236(
図12参照)と広くかつ複雑な接着面をもち、遊動プレート520を含めた封印キャップ500とアッパブラケット230間の強固な接着状態が得られる。
【0089】
主制御装置22の不具合発生や検査等のため、正規に封印を解除するためには、先ず封印キャップ500における連結部カバー部501とブラケットカバー部510を接続しているリブ508を切断する。連結部カバー部501の内壁面はブラケットカバー部510の外壁と整合しわずかな間隙をもっているので、リブ切断により連結部カバー部501を抜き出すことができる。
これにより、連結部228、あるいは連結部328、329が露出するので、これらを工具で切断すれば第1ボックス200と第2ボックス300が互いにスライド可能となり基板ボックス30を開くことができる。
したがって封印を解除すれば、連結部228、328、329を切断した痕跡や、さらにその前段としてこれらを隠している連結部カバー部501除去のためリブ508を切断した痕跡が残る。
【0090】
このため、第1ボックス200と第2ボックス300を不正に分離するためには、硬化樹脂Pを削り取るなどして除去し、封印キャップ500のプレート保持穴518と本体プレート部520aの隙間から爪240と爪340の係止部分にアクセスしなければならないが、本体プレート部520aの周縁はスリットや切欠きで脆弱構造となっているから、硬化樹脂Pを除去しようとすれば必ず硬化樹脂Pとともに本体プレート部520aの周縁が引きちぎられてその痕跡が残る。また、除去できなくてプレート保持穴518内に残った硬化樹脂Pに対して、再度硬化樹脂を流し込んでも、界面の発生により破壊の痕跡が残ることになる。
【0091】
つぎに、基板ボックス30と可動ベース部28とを結合封印する第2封印部36の封印結合構造について説明する。
図21は第1ボックス200の矩形ブロック250を示し、(a)は正面図、(b)は(a)におけるH−H部断面図である。
第1ボックス200の下端壁222に形成された矩形ブロック250は、アッパブラケット230側から順に2つの角孔部251と1つの角孔部252に区画された枠形状をなしており、前方から見て各角孔部251、252の略中央に、軸を前後方向とした筒状体255が配置されている。
角孔部252を挟んで反対側にも2つの角孔部251が形成されている。
角孔部252の下壁の下面は角孔部251の下壁の下面よりも所定量上方にずれている。
矩形ブロック250の後面は下端壁222の第2ボックス300の下端壁322との外面における重ね合わせ端縁Kに一致している。
第2封印部36は第1ボックス200の角孔部251と第2ボックス300のカバー板部350を用いる。
【0092】
筒状体255の前端部が上下の脆弱な連結部254によって角孔部251の上内壁(下端壁)と下内壁に連結されている。すなわち、連結部254を切断することで筒状体255を切除できる。
筒状体255は前端および後端が矩形ブロック250(角孔部251)の前面および後面に一致している。筒状体255は前端から後端近くまでを大径孔257、後端部を大径孔よりも小さい小径孔258とする貫通孔256を有している。
貫通孔256の上端には、大径孔257から小径孔258にかかるまで軸方向の溝259が形成されている。
【0093】
先の
図9に示すように、第2ボックス300の封印ブロック部360の左右両側に位置するカバー板部350には、第1ボックス200の筒状体255に対応させて、筒状体255に挿入されたピンを通過させる穴351が形成されている。
カバー板部350の前面は第1ボックス200の下端壁222との外面における重ね合わせ端縁Kに一致し、第1ボックス200と第2ボックス300を結合させた状態で、筒状体255の後端とカバー板部350の前面とは面一となり、互いに当接する。
【0094】
可動ベース部28の封止ブロック部100はその前壁102が、基板ボックス30を可動ベース部28に載置した状態で、第2ボックス300のカバー板部350の裏面と面で接するように設定されている。
図5に示したように、前壁102には、前述のように、封印ピン400が貫通する係止孔104が形成されている。
【0095】
封印ピン400について説明する。
封印ピン400は、
図22に示すように、筒状の第1ピン402と、第1ピン402に挿入される第2ピン420とからなり、いずれもPA、PP、POM、PCあるいはABS等の樹脂製である。
図23は第1ピン402を示す図である。(a)は正面図、(b)は上面図、(c)は側面図、(d)は底面図、(e)は背面図、そして(f)は(b)におけるJ−J部断面図である。
第1ピン402は、第1ボックス200の筒状体255の大径孔257に対応する径をもつ大径部403と、小径孔258に対応する径をもつ小径部404とからなる外形を有する。大径部403の長さは筒状体255の大径孔257の長さと整合している。
大径部403側を前、小径部404側を後とする。
【0096】
第1ピン402の外周面には大径部403の前端から小径部404にかかるまで軸方向のキーリブ405が形成されている。
キーリブ405の長さと高さは筒状体255の溝259に対応しており、キーリブ405を溝259に合わせれば、第1ピン402をその前端が筒状体255の前端と面一になるまで押し込むことができ、キーリブ405と溝259の係止により回転方向の位置も固定される。
【0097】
第1ピン402は外形形状に沿った大径孔409と小径孔410とからなる貫通孔408を有している。
大径孔409には、キーリブ405に対して周方向180°の位置に、軸方向全長にわたるスリット411が形成されている。
小径部404には、キーリブ405とスリット411をむすぶ上下方向に対して、直角の左右方向に弾性部413が設けられている。弾性部413は、小径部404の筒壁に形成したコ字形状のスリットに囲まれて、大径部403側を基端とし軸方向後方へ延びる片形状をなし、後端に外方(左右方向)へ突出する係止爪414を有している。
係止爪414は前端を軸方向に垂直な係止面416とし、その後部外面は小径部404と同軸のコーン形状をなして、先端が小径部404の径まで縮径する傾斜面415としている。
【0098】
第1ピン402の前端から係止爪414の係止面416までの距離は、第1ボックス200の筒状体255の長さに、可動ベース部28における封止ブロック部100の前壁102と第2ボックス300のカバー板部350の板厚を加えた長さに対応し、基板ボックス30を可動ベース部28に載置した状態で、係止爪414が前壁102の裏面に係止するよう設定されている。
小径部404の後端の上下には、後述の第2ピンの係止爪と係止する切欠き417が設けられている。
【0099】
図24は第2ピン420を示す図である。(a)は正面図、(b)は上面図、(c)は側面図、(d)は背面図、そして(e)は(b)におけるL−L部断面図である。
第2ピン420は、第1ピン402の大径孔409に整合する径を有する大径部421と、小径孔410に整合する径を有する小径部422とを有し、前端が大径部421の前壁で閉じられ、小径部422の後端に開口する筒孔423を備えている。
大径部421の長さは大径孔409の長さに対応し、全長にわたってスリット411に対応する軸方向のキーリブ424が形成されている。
【0100】
小径部422の後端からは、後方へ弾性部425が延びている。弾性部425は後端に外方(左右方向)へ突出する係止爪426を有し、係止爪426は前端を軸方向に垂直な係止面428とし、その後部外面は小径部422と同軸のコーン形状をなして、先端が当該小径部422の径まで縮径する傾斜面427としている。
弾性部425は、第2ピン420の軸心とキーリブ424を通る直径線上の互いに反対側に設けられている。
係止面428の軸方向位置は、第2ピン420をその前端が第1ピン402の前端と面一になるまで押し込んだときに、第1ピンにおける小径部404の切欠き417の底端面に係止するように設定されている。
【0101】
図25の(a)は、筒状体255に第1ピン402を挿入した状態を示し、(b)は(a)におけるM−M部断面図、(c)は第1ピン402への第2ピン420の挿入が終了した第2の封印結合状態を示し、(d)は(c)におけるN−N部断面図である。
まず、基板ボックス30を可動ベース部28に載置した状態で、第1ピン402をその先端(後端)から筒状体255に差し込んでいくと、第1ピン402の弾性部413が内径方向に撓んで、係止爪414が小径孔258の内径まで引っ込んだ状態で小径部404が小径孔258内に進入する。
【0102】
そして、係止爪414が筒状体255を抜けて第2ボックス300のカバー板部350の穴351から封止ブロック部100における前壁102の係止孔104を通過すると、(a)、(b)に示すように、弾性部413が復元して係止爪414が小径部404外周面から張り出し、その係止面416が前壁102の裏面に係止する。
係止孔104は第1ピン402の小径部404をわずかな間隙をもって通過させ、係止爪414が前壁102に係止する一方、係止孔の上下の切欠き105は小径部404の外周面から張り出した係止爪414が通過可能となっている。ただし、第1ピン402がキーリブ405を溝259に合わせて筒状体255に挿入された状態では係止爪414は左右方向に張り出すので、第1ピン402は係止孔104から抜けない。
【0103】
つぎに、第2ピン420をその先端(後端)から第1ピン402に差し込んでいくと、第2ピン420の弾性部425が内径方向に撓んで、係止爪426が小径孔410の内径まで引っ込んだ状態で小径部422が小径孔410内に進入する。
そして、係止爪426が小径部後端の切欠き417に至ると、
図25の(c)、(d)に示すように、弾性部425が復元して係止爪426が小径部422の外周面から突出し、その係止面428が切欠き417の底端面に係止する。
【0104】
この結果、第1ピン402および第2ピン420の前端は筒状体255の前端と面一で、第1ピン402や第2ピン420を工具で掴むことができない。
基板ボックス30側から延びた第1ピン402の係止爪414が左右に突出して封止ブロック部100の前壁102の裏面に係止することにより、基板ボックス30が可動ベース部28に結合されるが、第1ピン402内に第2ピン420が挿入されることにより弾性部413は撓むことができない。
【0105】
また、第1ピン402の係止爪414が係止している前壁102の係止孔104は上下に係止爪414が通過可能な切欠き105を有しているが、第1ピン402はキーリブ405と溝259の係止により回転が規制されているので、係止爪414を切欠き105位置へ回転させることもできない。
したがって係止爪414が封止ブロック部の前壁102から外れることはなく、基板ボックス30と可動ベース部28の結合が解除されることはない。
【0106】
また、係止爪414を含む封印ピン400の後端が位置する封止ブロック部100の空間は下端のみが開口しているが、可動ベース部28には平板部132を備える補強プレート130が設けられて封止ブロック部100内は閉空間となっているので、当該開口からもドライバ等によって封印ピン400に到達することはできず、基板ボックス30と可動ベース部28はその結合を解除することはできない封印状態となる。
また、第2ボックス300は第1ボックス200と可動ベース部28の間に挟まれて離脱できないから、同時に基板ボックスも封印状態となって、第1ボックス200と第2ボックス300の結合も解除されない。
【0107】
第2封印部36の封印を解除するには、各連結部254を切断して、封印部材である筒状体255を第1ボックス200から切除する。
それから、その筒状体255を90°回転させて、可動ベース部28の封止ブロック部100の前壁102に係止している封印ピン400の係止爪414を係止孔104の切欠き105に合わせることにより、筒状体255を封止ブロック部100から解放する。
これにより、基板ボックス30を可動ベース部28に対して上方へスライドさせ、可動ベース部から取外すことができる。
【0108】
切除された筒状体255に組み付けられていた封印ピン400は、その第2ピン420の係止爪426を径方向内側に押し込んで第1ピン402との係止を外すことにより第1ピンから抜くことができ、その結果、第1ピン402もその係止爪414を径方向内側に押し込んで筒状体255から同様に抜くことができるので、再利用することができる。
【0109】
つぎに、第3封印部38について説明する。これは、基板ボックス30と可動ベース部28とを封印するのに用いる封印ピン400を流用して基板ボックスの第1ボックス200と第2ボックス300間を封印する。
第3封印部38は第1ボックス200の角孔部252と第2ボックス300の封印ブロック部360を用いる。
筒状体255の前端部が上下の脆弱な連結部254によって角孔部252のそれぞれの上内壁(下端壁)と下内壁に連結されている。これにより、連結部254を切断することで筒状体255を切除できる。
筒状体255は、前述した第3封印部36における角孔部251の筒状体と同一である。
【0110】
図26は第1ボックス200の第3封印形成部である角孔部252を示し、
図21の(a)におけるP−P部断面に該当する。
図27は第2ボックス300の第3封印形成部である封印ブロック部360を示す図である。(a)は正面図、(b)は(a)におけるQ−Q部断面図、(c)は(a)におけるR−R部断面図である。
第2ボックス300の下端壁322に設けた封印ブロック部360は、正面図において矩形の枠形状をなし、略中央に筒状体365を備える。
封印ブロック部360は底板部301を下方に延長した底壁361を有し、筒状体365は底壁361から前方へ延びている。
封印ブロック部360の側壁362はそれぞれ両側のカバー板部350と連なっており、その前縁は第1ボックス200の下端壁との外面における重ね合わせ端縁Kに一致する。また、封印ブロック部360の下壁363は側壁362よりも前方へ延びている。
【0111】
筒状体365は前端に開口し第1ピン402の小径部404と整合する径の筒孔366と、後端が底壁361で閉じられ筒孔366に連通する拡径部367とを有する。筒孔366の上下には開口端から拡径部367まで軸方向に延びて係止爪414が通過可能な切欠き溝368が形成されている。
筒状体365は前端が側壁362の前面に一致し、第1ボックス200と第2ボックス300を結合させた状態で、筒状体255の後端と筒状体365の前端とは面一で互いに当接するとともに、互いの軸線が整合するように設定されている。
そして、筒状体255の先端から筒孔366の拡径部367への開口端までの距離を、第1ピン402の先端からその係止爪414の係止面416までの距離に対応させてある。
【0112】
この状態で、前述のように第1ピン402をその前端が筒状体255の前端と面一になるまで挿入すると、その係止爪414が筒状体365における筒孔366の拡径部367への開口端面に係止する。
それから、第1ピン402に第2ピン420をその前端が筒状体255ならびに第1ピン402の前端と面一になるまで挿入すると、第2ピン420の係止爪426が第1ピン402の小径部404の切欠き417に突出して、その係止面428が切欠き417の底端面に係止して、第3の封印結合構造が形成される。
図28はこの状態を示す。
図28の(a)は
図25の(c)に相当する図、(b)は(a)におけるS−S部断面図である。
【0113】
これにより、第2ピン420は第1ピン402から抜けず、第1ピン402は筒状体365から抜けず、第1ピン402と第2ピン420からなる封印ピン400が第1ボックス200と第2ボックス300間の合わせ面を横切る状態に保持されるので、第1ボックス200と第2ボックス300が互いにスライドするのを阻止する。
【0114】
係止爪414、426は筒状体365内に位置しているので、外部からアクセスして破壊することはできない。
また、封印ブロック部360は底壁361のほか側壁362および下壁363を有して筒状体365を囲み、下壁363は第1ボックス200の下まで延びて、角孔部252の下壁に重なっているので、外部から筒状体365にアクセスすることもできないし、封印ピン400が横切っている第1ボックス200と第2ボックス300の合わせ目に下方からドライバやナイフ等を差し込んで封印ピン400を切断することもできない。
【0115】
以上説明した複数の封印部の利用順序の一例を次に示す。
まず、スロットマシンの製造時において、主基板23が基板ボックス30内に収容されて主制御装置22が組み立てられると、左端の第1封印部34(A)により第1ボックス200と第2ボックス300の結合が封印される。
続いてこの主制御装置22が台座装置25に装着されると、基板ボックス30の平面部207と可動ベース部28の固定ブラケット部118の両者にまたがって封印シールを貼付して、その装着状態が封印される。
そして、基板ボックス30の貼付枠202に貼付された封印履歴記録シートには、第1封印部34を封印した日時及び封印した者の氏名が記載されるように定められている。他の第2封印部を封印した場合も同様である。
したがって、封印履歴記録シートの記載内容と、封印部の切除の形跡を見比べることで、主制御装置22の不正な分解がなされていないかを容易に判断することができる。
【0116】
主制御装置22の不具合発生や検査等により、主基板23を基板ボックス30から取り外す場合、毎回、先ずは封印シールを剥がして基板ボックス30を可動ベース部28に対して上方へスライドさせることにより、主制御装置22が台座装置25から取り外される。
第1回目は、封印済みの第1封印部34の封印が解かれて主基板23が基板ボックス30から取り外される。
主基板23の修理や点検等が終了すると、主基板23が基板ボックス30内に収容されて主制御装置22が再組立てされる。
【0117】
再封印においては、基板ボックス30左端の第1封印部34は連結部228あるいは連結部329が切除されており使用できないから、今度は隣接する第2封印部36(B)を封印する。ここでは、正規の管理者が新たに準備した封印ピン400を、第1ボックス200の筒状体255の貫通孔256から第2ボックス300のカバー板部350の穴351を通して可動ベース部28における封止ブロック部100の係止孔104に挿し込んで、基板ボックス30と可動ベース部28の結合を封印する。この場合、第1ボックス200と第2ボックス300間も同時に封印されている状態となる。
【0118】
以下、検査ごとに封印を解除することになるが、2回目の検査後の封印は封印を解除した第2封印部36(B)に隣接する次の第2封印部(C)において行う。封印に用いる封印ピン400は封印を解除した第2封印部(B)から取り外したものを再利用する。
この後の検査完了後も第2封印部36の(D)、(E)を順次同様に封印していく。
第2封印部36(E)の封印を解除して検査の後は、第3封印部38を封印する。
第3封印部38は基板ボックス30のみで第1ボックス200と第2ボックス300の結合を封印するものである。
この後主基板23の検査等が必要になった場合には、再封印可能な封印部は残っていないので、第3封印部で封印状態のまま主基板23を基板ボックス30ごとメーカーへ返送すればよい。
【0119】
本実施例は以上のように構成され、第1ボックス200および第2ボックス300にそれぞれ接続して両ボックスの結合位置においてそれぞれ連結係止部としての爪240と爪340の係止により互いに連結するアッパブラケット230およびロアブラケット330と、第1ボックス200と第2ボックス300の結合状態においてアッパブラケット230およびロアブラケット330をカバーする封印キャップ500とを有し、
封印キャップ500には、キャッチャ523を有する遊動プレート520を備え、アッパブラケット230には爪242を備え、第1ボックス200と第2ボックス300の結合途中において封印キャップ500をアッパブラケット230およびロアブラケット330に被せたあと、第1ボックス200と第2ボックス300の結合完了位置までの間に遊動プレート520のキャッチャ523が爪242により抜け阻止される封印構造を形成した。
より具体的には、アッパブラケット230とロアブラケット330の間に、第1ボックス200と第2ボックス300の結合途中における爪242の移動経路上に遊動プレート520のキャッチャ523が進入可能な空間S1が形成されるようにして、結合途中に空間S1に進入したキャッチャ523がその後の爪242の移動により、当該爪と係止して空間S1から離脱不可となるようにするので、封印キャップ500が取外し不能となる。
【0120】
これにより、第1ボックス200と第2ボックス300が結合したあとでは、封印キャップ500が取外しできない状態となるので、第1ボックス200側のアッパブラケット230および第2ボックス300側のロアブラケット330が互いに係止している爪240、340部分へのアクセスが阻止され、係止の解除もできないので、第1ボックス200と第2ボックス300の結合を不正に解除することができない。
【0121】
空間S1に進入したキャッチャ523と爪242の係止態様として、キャッチャ523は本体プレート部520aから封印キャップ500内方へ延びた縦壁524に矩形穴525を設けて構成し、この矩形穴525を爪242が貫通するものとしたので、封印キャップ500の取外しが確実に阻止される。
【0122】
また、遊動プレート520は封印キャップ500の本体部に対して変位可能であり、遊動プレート520のキャッチャ523が空間S1に進入する過程でアッパブラケット230やロアブラケット330にキャッチャ523と干渉する部位があってもそれを回避してキャッチャ523を空間S1に位置させることができるから、封印構造の設計の自由度が向上する。
実施例ではとくに、キャッチャ523とロアブラケット330との干渉部位は互いに滑り可能に構成されて、遊動プレート520の姿勢変化でキャッチャ523が干渉部位を乗り越えるようにしている。すなわち、キャッチャ523の縦壁524の側縁からは傾斜した端縁をもつフランジ527が延びており、フランジ527の端縁がロアブラケット330の先端部分を滑りながら姿勢変化するから、遊動プレート520を手で変位させなくても容易にキャッチャ523を空間S1に位置させることができる。
【0123】
第1ボックス200と第2ボックス300は互いにスライド方向に移動させて結合し、封印キャップ500はスライド方向からアッパブラケット230およびロアブラケット330に被せる構成としているので、封印キャップ500内におけるアッパブラケット230およびロアブラケット330との間隙を小さくすることが可能で、コンパクトでガタのない封印構造が得られる。
また、空間S1はロアブラケット330に区画されているので、空間S1に位置したキャッチャ523はロアブラケット330に保持され、したがって封印キャップ500が保持されるため、その後の第1ボックス200と第2ボックス300の結合作業が容易となる。
【0124】
第1ボックス200と第2ボックス300を結合した後には、封印キャップ500の遊動プレート520を配置したプレート保持穴518に硬化樹脂が充填され、しかも遊動プレート520を封印キャップ内方に沈ませてその充填空間が増大するので、封印構造がさらに強固に保持される。
そして、遊動プレート520は弾性をもった支持片528を介して支持され、爪242と遊動プレートにおける縦壁524の矩形穴525とに設けた傾斜面242b、526の案内で変位するので、封印キャップ装着の際に自動的に沈む。
支持片528はプレート保持穴518の内周縁にそって配され、一端はプレート保持穴518の内周縁に、他端は本体プレート部520aに接続しているので細長い形状となりとくに弾性変形しやすい。
なお、硬化樹脂の充填により封印キャップ500本体および遊動プレート520と一体の接着状態となるので、封印状態において支持片528が折損するなどのおそれはない。
【0125】
そして、本体プレート部520aにはスリット521や切欠き522により脆弱部が形成されているので、充填された硬化樹脂を削り取るなどの不正が行われたときは脆弱部も同時に損傷を受けて確実に痕跡が残る。
また、プレート保持穴518はその基本形状を円形としているので、充填される硬化樹脂は均一に隅々まで行き渡る。
【0126】
第1ボックス200とアッパブラケット230は連結部228で接続し、第2ボックス300とロアブラケット330は連結部328、329で接続しているので、これらを適宜切断することにより第1ボックス200と第2ボックス300の結合を容易に解除可能であるが、切断した痕が残るので、不正に解除した場合にはその発見が容易である。
【0127】
なお、封印キャップ500は、ブラケットカバー部510に接続して連結部228、328、329をカバーする連結部カバー部501を備えているので、連結部が直接外力を受けて偶発的に破損するおそれはない。
連結部カバー部501はブラケットカバー部510と一体に1部品の封印キャップ500として形成してあるので、部品点数が少なくて済む。
【0128】
また、第1ボックス200と第2ボックス300の結合状態において、連結部カバー部501がその開口周縁をカバー堤226、324で囲まれて 第1ボックス200および第2ボックス300と係止するようになっているので、封印キャップ500はブラケットカバー部510が被さったアッパブラケット230およびロアブラケット330に保持されるに加えて、連結部カバー部501の開口端側でもカバー堤226、324の内側に嵌まり込んで保持され、ぐらつきのない取付け状態に維持される。
同じく、連結部カバー部501の開口部がカバー堤226、324で囲まれていることによって、基板ボックス30の下端壁222、322と連結部カバー部501の隙間からカッターなどで連結部228、328、329を切断するような不正行為も防止される。
【0129】
さらに、ブラケットカバー部510と連結部カバー部501は切断可能なリブ508で接続されるとともに、連結部カバー部501の内壁面はブラケットカバー部510の外壁より大きく、かつ断面形状が整合しているので、リブ508を切断する前はブラケットカバー部510と連結部カバー部501の隙間から連結部228等に不正にアクセスすることが困難である一方、第1ボックス200と第2ボックス300の結合を正規に解除する場合には、リブ508を切断して連結部カバー部501をブラケットカバー部510から分離し、ブラケットカバー部510の外側をスライドして取外すことにより、簡単に連結部228あるいは328、329にアクセスすることができる。
【0130】
なお、上記実施例の第1封印部では、遊動プレート520を抑えて封印キャップ500の取外しを阻止するため、遊動プレート520に設けられたキャッチャ523の矩形穴525を有する縦壁524を受容空間である空間S1に進入させ、アッパブラケット230の爪242が矩形穴525を貫通することによりキャッチャ523を空間S1から抜けないようにしたが、空間S1から抜けないようにする手段としてはこれに限定されない。
【0131】
例えば、
図29は第1封印部の変形例を示すもので、(a)は封印キャップの断面図、(b)はアッパブラケットの一部破断側面図、(c)は第1ボックスと第2ボックスとの結合位置における封印状態を示す断面図である。
封印キャップ500’の遊動プレート520’がキャッチャ523の代わりにキャッチャ523’を備える。キャッチャ523’は、縦壁524’の先端に基端側へ延びる拡大頭部530を有している。
一方、アッパブラケット230’は、連結部228が主板231から突出する先端に、爪242の代わりに係止突起245を備える。とくに図示はしないが、ロアブラケット330の空間S1も係止突起245が進入可能なサイズに設定される。
係止突起245は、とくに(c)に示すように、第1ボックス200を第2ボックス300との結合位置へスライドさせたときに、キャッチャ523’の拡大頭部530の裏面(抜け側)に係止する。
これによっても、空間S1に進入させたキャッチャ523’は第1ボックスと第2ボックスの結合状態においてその拡大頭部530が係止突起245に阻まれて、空間S1から抜けることができない。
【0132】
なお、係止突起245の拡大頭部530と係止する下面の高さ位置を自由状態における拡大頭部530の裏面よりも低く設定することにより、
図19の(c)に示されるように、上記実施例と同じく第1ボックス200と第2ボックス300の結合状態において遊動プレート520’を封印キャップ500’の内方へ沈ませることができる。この場合、ロアブラケット330に対するアッパブラケット230’のスライドの間に拡大頭部530を滑らかに押下げるように、係止突起245の拡大頭部530と係止する面には傾斜面246を設けてあるが、拡大頭部530の方に傾斜面を設けてもよい。
【実施例2】
【0133】
つぎに、第2の実施例について説明する。
上述した第1の実施例における基板ボックス30は、第1ボックス200と第2ボックス300を上下にずらせた位置で重ね合わせた状態から最後にスライドさせて結合状態にするものとし、そのスライド途中で取り付けた封印キャップ500により封印されるものとしたが、基板ボックスの組立要領としてはその他、第1ボックスと第2ボックスを真正面からスライドなしに重ねる方法や、先に連結している一端側をヒンジにして他端側を開口状態から閉じて結合する方法もあり、このような場合にも封印キャップによる封印が可能である。
第2の実施例は、結合する過程にスライドを含まない基板ボックスに封印キャップを適用するものである。
ここでは、封印キャップを用いた封印部構造のみを説明するため、基板ボックスは概念化した簡単構造で示す。
【0134】
図30は第2の実施例にかかる基板ボックスの外観を示し、(a)は前上方から見た斜視図、(b)は後上方から見た斜視図である。
基板ボックス30Aは表裏一対の第1ボックス200Aと第2ボックス300Aによって構成される。ここでは第1ボックス200Aを上側とし、第2ボックス300Aを下側とする。
第1ボックス200Aと第2ボックス300Aはそれぞれ平面形の基本形状が矩形をなし、樹脂で形成されている。
第1ボックス200Aの裏面側に制御基板を取り付けたうえで、第1ボックス200Aと第2ボックス300Aを上下に重ね合わせて結合することにより、基板ボックス30A内部に制御基板が収容される。第1ボックス200Aの上壁には制御基板上の外部接続用ソケットを挿通させるためのソケット挿通孔203が形成されている。なお、制御基板は図示省略している。
【0135】
図31の(a)は基板ボックス30Aの平面図であり、(b)は(a)におけるAA−AA部断面図、(c)は(a)におけるAB−AB部断面図、(d)は(a)におけるAC−AC部断面図である。(a)における左方を前方、右方を後方とする。
前部においては(b)に示すように、第1ボックス200Aの前端壁272の端縁と第2ボックス300Aの前端壁372の端縁とが互いに当接して重ね合わせ面となっており、第1ボックス200Aの前端壁272の内壁面からは第2ボックス300Aの前端壁372の内壁面に重なる所定サイズのバック壁275が下方に延びている。
【0136】
側部においては(c)に示すように、第1ボックス200Aの側壁273はバック壁275と同じ高さまで下方に延ばした上、その端縁に前後方向に延びる溝276を形成してある。
そして、第2ボックス300Aの側壁373はその外面側を前端壁372の端縁からバック壁275の高さに対応する深さまで切り欠いて、第1ボックス200Aの溝276に進入可能な嵌合壁375を内面側に残した段差部とし、段差部の底面を第1ボックス200Aの側壁273との重ね合わせ面としている。
【0137】
基板ボックス30Aの後部においては(d)に示すように、第1ボックス200Aの後端壁274は側壁273の端縁と同じ高さの端縁から外方に引掛け部277が突出している。
引掛け部277から所定間隙を置いた上部からも堤部278が引掛け部277と平行に外方に突出しており、堤部278の方が引掛け部277よりも突出長さが大きい。後端壁274の上端と堤部278との間には適宜間隔で補強用のフランジ279が設けられている。
第2ボックス300Aの後端壁374は、その外面が第1ボックス200Aの堤部278の外方端面と面一となっており、上端には堤部278の下面にそって内方へ引掛け部377が突出している。
引掛け部377から所定間隙を置いた下方からは第1ボックス200Aの端縁(および引掛け部277)を受ける受け壁378が延びている。
【0138】
こうして、第1ボックス200Aの引掛け部277は第2ボックス300Aの引掛け部377と受け壁378の間のスリットに進入し、第2ボックス300Aの引掛け部377は第1ボックス200Aの引掛け部277と堤部278の間のスリットに進入して、引掛け部同士が係止することにより第1ボックス200Aと第2ボックス300Aが結合状態を保持する。
【0139】
組み付けに当っては、まず第2ボックス300Aに対して第1ボックス200Aの前端壁272側をわずかに持ち上げた斜め姿勢で、第1ボックス200Aの側壁273の溝276に第2ボックス300Aの嵌合壁375を嵌め込みながら、後端壁274の引掛け部277を第2ボックス300Aの引掛け部377と受け壁378の間のスリット開口に位置決めする。
そして、第1ボックス200Aを第2ボックス300Aに対して相対的に後方へ押しながら第1ボックス200Aの前端壁272側を下方に押下げると、引掛け部277、377同士が係止するとともに、第1ボックスの前端壁272の端縁と第2ボックスの前端壁372の端縁とが重ね合わされる。
【0140】
この結合状態において、前端壁272、372の重ね合わせ面Kは内面側においてバック壁275が横切っている。また、側壁273、373においては第2ボックスの嵌合壁375が重ね合わせ面を横切っており、後部では第1ボックス200Aの堤部278と第2ボックス300Aの引掛け部377の合わせ面の内面側で第1ボックスの後端壁274が横切っているので、重ね合わせ面の隙間のどこからも基板ボックス30A内部へのアクセスすることはできない。
そして、第1ボックス200Aと第2ボックス300Aの各前端壁272、372にはそれぞれ後述する封印形成部280、380が設けてあり、これらに被せられた封印キャップ550が、当該封印形成部280、380によって抜け止めされることにより、第1ボックス200Aと第2ボックス300Aの結合状態が封印される。
【0141】
以下、封印構造の詳細について説明する。
図32は第1ボックスの封印形成部を示し、(a)は前方から見た斜視図、(b)は平面図、(c)は正面図、(d)は(b)におけるAD−AD矢視図、(e)は(b)におけるAE−AE部断面図である。
第1ボックス200Aの前端壁272には、第1係止部281と係止板285とからなる封印形成部280が形成されている。
第1係止部281は、とくに(d)に示すように、前端壁272から前方へ垂直に立ち上がった脚部282と、その先端(前端)から前端壁272と平行に下方(第2ボックス300A側)へ延びる係止ロッド283とからなっている。脚部282と係止ロッド283はいずれも4角断面である。脚部282の下面は前端壁272の端縁と面一になっている。
【0142】
係止板285は、第1係止部281との間に所定の間隙をおいて前端壁272から立ち上がっており、先端側に矩形の係止穴286を有している。係止板285の下面は前端壁272に対して垂直で、前端壁272の端縁と面一になっている。
ここで、上記所定の間隙は後述する第2ボックス300Aにおける第2係止部381の係止ロッドが進入可能な大きさとしてある。
前端壁272にはさらに、後述する封印状態において前端壁272に当接する封印キャップ550の筒部開口端の上半部を囲むカバー堤226が形成されている。
【0143】
図33は第2ボックス300Aの封印形成部を示し、(a)は前方から見た斜視図、(b)は平面図、(c)は正面図、(d)は(b)におけるAF−AF矢視図、(e)は(b)におけるAG−AG部断面図である。
第2ボックス300Aの前端壁372には、第2係止部381とフック部385とからなる封印形成部380が形成されている。
第2係止部381は、とくに(d)に示すように、前端壁372から前方へ垂直に立ち上がった脚部382と、その先端(前端)から前端壁372と平行に上方(第1ボックス200A側)へ延びる係止ロッド383とからなっており、係止ロッド383の向きを除いて第1係止部281と同形状、同サイズである。脚部382の上面は前端壁372の端縁(重ね合わせ面K)と面一になっている。
【0144】
フック部385は、第2係止部381に隣接して前端壁372から立ち上がった脚部386と、その先端から上方に延びて先端に爪388を備える弾性片387とからなっている。脚部386の上面も前端壁372に対して垂直で、前端壁の端縁と面一になっている。
爪388は弾性片387の前面(前端壁372に対して反対)側に係止面389を有し、係止面389から上方を傾斜面390として先尖りとなっている。
弾性片387の爪388は第1ボックス200Aの係止板285の係止穴286に進入可能に対応させてあり、係止可能となっている。
また、脚部386の上面から爪388の係止面389までの距離は係止板285の板厚に対応させてある。
【0145】
第1係止部281の脚部282と第2係止部381の脚部382の長さは同等で、それぞれの係止ロッド283、383の前端壁272、372と対向する後面はこれらの前端壁から同一距離L3となっている。
係止ロッド283の脚部282下面からの長さL2は、脚部382の上下方向幅に所定長さを加えた値に設定してあり、同様に係止ロッド383の長さL2も、脚部282の上下方向幅に所定長さを加えた値に設定してある。脚部の高さも加えた係止ロッドの長さも両者同一のL1となっている。
前端壁372にはさらに、後述する封印状態において前端壁372に当接する封印キャップ550の筒部開口端の下半部を囲むカバー堤324が形成されている。
【0146】
図34は封印キャップを示し、(a)は後方から見た斜視図、(b)は平面図、(c)は背面図、(d)は(c)におけるAH−AH部断面図である。
封印キャップ550は、略正方形断面で延びる筒部551と、筒部551の上端に接続して内部空間が連通する頭部555とからなる。
頭部555は天壁556が閉じ、筒部551の下端は開口している。
頭部555の対向する一対の側壁557(557a、557b)は筒部551の一対の側壁552(552a、552b)から外方へオフセットしており、底壁558が頭部555の側壁557と筒部551の側壁552をつないでいる。
頭部555の他の一対の側壁は筒部551の他の一対の側壁553(553a、553b)を面一に延ばしたものである。
【0147】
筒部551における一対の対向側壁553a、553b間の距離W1は、第1ボックス200Aの第1係止部281と係止板285の間に第2ボックス300Aの第2係止部381の係止ロッド383を進入させた状態での両ボックスの封印形成部280、380を通過させかつ収容可能なサイズに設定されており、ここでは第1ボックス200Aの第1係止部281と係止板285とが通過可能であればこの条件を満たす。
筒部551の他の1対の対向側壁552a、552b間の距離W2は、係止ロッド283(383)の長さL1にわずかな余裕をもたせた値に設定してある。
【0148】
頭部555と筒部551を結び、筒部551の中心を通る線を軸として、筒部551の軸方向高さH(筒部の先端から底壁558における頭部555の内部空間への開口までの長さ)は、第1係止部281および第2係止部381それぞれの係止ロッド係止ロッド283、383の後面と前端壁272、372間の距離L3に対応している。
頭部555の内部空間の高さ、すなわち底壁558から天壁556までの軸方向高さは、第1係止部281および第2係止部381それぞれの係止ロッド283、383の前後方向幅を収容可能なサイズにしてある。
【0149】
封印手順は以下のとおりである。
まず、第1ボックス200Aを第2ボックス300Aに対して傾斜させた状態で引掛け部277を第2ボックスの引掛け部377と係止させて両ボックスの後端を連結する。
つぎに、第1ボックス200Aを回動させて、封印形成部280における第1係止部281と係止板285の間に、第2ボックス300Aの封印形成部380における第2係止部381の係止ロッド383を位置させて組み合わせ、
図35の(a)に示すように、係止ロッド383の先端(上端)が第1係止部281の脚部282の上面と面一になるように前端壁272と372を接近させる。
なお、この状態での傾斜角度は小さいため、(a)に示すように、両ボックスの前端壁272と372は互いにほぼ垂直方向に対向接近する。
この封印形成部280、380の組み合わせ形態では、第1係止部281の係止ロッド283の先端(下端)も第2係止部381の脚部382の下面と面一になる。
なお、
図35の(a)において封印キャップ550を除く封印形成部のうち、左側は
図32におけるAD−AD矢視相当、右側は
図32におけるAE−AE部断面相当図である。
図35の(b)、(c)においても同様である。
【0150】
これにより、他の係止板285やフック部385を含めて両ボックス200A、300Aの封印形成部280、380を包絡する輪郭がその係止ロッド283(383)の長さL1の範囲内に収まり、係止ロッドの延び方向に頭部555の長手方向を合わせて、封印キャップ550の筒部551内を通過可能となる。
そこで、
図35の(b)のように、封印キャップ550を頭部の長手方向を上下にして筒部551の開口から封印形成部280、380に被せ、筒部551の先端を前端壁272、372に当接させる。係止ロッド283、383は頭部555内に位置することになる。
【0151】
それから、第1ボックス200Aを押し下げて第2ボックス300Aに重ね合わせると組み合わせ形態が変化し、
図35の(c)に示すように、第2係止部381の係止ロッド383が相対的に第1ボックス200A側へさらに突出し、第1係止部281の係止ロッド283も第2ボックス300A側へ突出する。
図36は封印形成部280、380が組み合わさったこの状態を封印キャップ550を除去して示す斜視図である。
突出した係止ロッド283、383は、それぞれ封印キャップ550の頭部555内でその底壁558に係止する。
【0152】
なお、頭部555の側壁557a、557b間の距離はL1+L2よりわずかに大きく設定されて、上下方向に突出した係止ロッド283、383の一方の先端に一方の側壁が当接するまで封印キャップ550を変位させたときにも他方の係止ロッドが底壁558から外れることがないようにしてある。
同時にフック部385の爪388が係止穴286を貫通して係止板285に係止して第1ボックス200Aと第2ボックス300Aが結合状態となる。
また、前端壁272、372に形成されたカバー堤226、324が筒部551の先端に近接してその外周を囲む。
【0153】
以上により、封印形成部280、380はすべて封印キャップ550内に収容された状態となる。
第1ボックス200Aと第2ボックス300Aを分離するためには爪388と係止板285の係止を外さなければならないが、当該係止部にアクセスするには封印キャップ550を外さなければならない。しかし、係止ロッド283、383が封印キャップの頭部555の底壁559に係止しているので封印キャップを抜き出すことも不可能であり、これにより第1ボックス200Aと第2ボックス300Aの結合が封印されたこととなる。
【0154】
封印を解除するためには、封印キャップ550を破断して封印形成部280、380を露出させたあと、フック部385の爪388と係止板285の係止を外す。これにより、第1ボックス200Aと第2ボックス300Aの各前端壁272、372を引き離し、基板ボックス30Aを開くことができる。
したがって封印を解除すれば、破断した封印キャップ550が使用できなくなるので、基板ボックス30Aの不正な開放が防止される。
【0155】
第2の実施例は以上のように構成され、第1ボックス200Aおよび第2ボックス300Aにそれぞれ接続して両ボックスの結合位置において互いに連結する封印形成部280および380と、第1ボックス200Aと第2ボックス300Aの結合状態において封印形成部280および封印形成部380をカバーする封印キャップ550とを有し、
封印キャップ550は頭部555とその底壁558に開口する筒部551とからなり、
封印形成部280には第1係止部281を含み、封印形成部380には第2係止部381を含み、
第1ボックス200Aと第2ボックス300Aの結合途中において封印キャップ550を封印形成部280および380に被せたあと、第1ボックス200Aと第2ボックス300Aの結合完了位置までの間に第1係止部281と第2係止部381が封印キャップ550の底壁558に係止する封印構造を形成した。
より具体的には、封印形成部280と380が第1ボックス200Aと第2ボックス300Aの結合途中においてそれらを組み合わせた形態の輪郭が封印キャップ550を通過可能なものとなることにより封印キャップ550を被せ可能となり、第1ボックス200Aと第2ボックス300Aの結合完了位置までの間に封印形成部280と380の組み合わせの形態が変化してその第1係止部281と第2係止部381が封印キャップ550の底壁558と係止し、封印キャップ550が第1封印形成部280および380から抜けなくなるので、取外し不能となる。
【0156】
これにより、第1ボックス200Aと第2ボックス300Aが結合したあとでは、封印キャップ550が取外しできない状態となるので、封印形成部280および380が互いに連結している部分へのアクセスが阻止され、その解除もできないので、第1ボックス200Aと第2ボックス300Aの結合を不正に解除することができない。
また、封印キャップ550の底壁558がそのまま第1係止部281や第2係止部381と係止する相手部材(封印連結部)として機能するので、別個の構成を設ける必要がない。
【0157】
とくに、第1ボックス200Aと第2ボックス300Aは封印形成部280と380を対向方向に移動させて結合するものであり、封印キャップ550はこの対向方向を横切る方向から封印形成部280および380に被せるものとしているので、それぞれ第1ボックス200Aと第2ボックス300Aに接続した封印形成部280と380の組み合わせの形態を直接的に変化させることができ、構成が簡単である。
【0158】
すなわち、第1ボックス200Aの封印形成部280における第1係止部281の係止ロッド283は第2ボックス300A側へ延び、第2ボックス300Aの封印形成部380における第2係止部381の係止ロッド383は第1ボックス200A側へ延びており、組み合わせた輪郭が封印キャップ550を通過可能な結合途中で封印形成部280および380がすべて封印キャップ550内に収容される一方、第1ボックス200Aと第2ボックス300Aの結合状態において係止ロッド283、383が張り出して封印キャップ550の底壁558と係止する。
また、結合状態においては封印形成部280および380が封印キャップ550内にあるので、これらを不正に切断などして底壁558との係止を解除することもできない。
【0159】
封印形成部280は係止板285を備え、封印形成部380はフック部385を備えて、封印形成部280と380はこれらフック部385と係止板285が互いに係止することにより第1ボックス200Aと第2ボックス300Aの結合位置において連結するようになっているが、封印形成部280における第1係止部281と係止板285は互いに独立して設けられ、封印形成部380における第2係止部381とフック部385も互いに独立して設けられているので、封印キャップ550を強引に取り外そうとする外力が作用して第1係止部281や第2係止部381撓んだりしても、その影響はフック部385や係止板285には及ばず、連動変形し互いの係止が外れてしまうおそれはない。
【0160】
なお、本実施例でも封印形成部280、380が接続する第1ボックス200Aと第2ボックス300Aの前端壁272、372にカバー堤226、324を形成して封印キャップ550の筒部551先端の外周を囲むものとしているが、カバー堤を設けないで前端壁を平坦なものとし、筒部551の先端を単純に平坦面に当接させるだけとすることもできる。この場合には、筒部と前端壁の隙間からナイフ等で封印形成部280または380を切断することにより封印を解除することが可能で、第1ボックス200Aまたは第2ボックス300Aにその痕跡が残ることになり、封印キャップ550は無傷で再使用できる。
しかし、前端壁272、372にカバー堤226、324を設ける方が、隙間から封印形成部280または380を切断することもできないから、不正解除防止の点から、より好ましい。この場合、解除のためには前述のように封印キャップ550を破壊するしかない。
【0161】
つぎに、第2の実施例の変形例について説明する。これは、封印形成部における係止部材と係止板、および係止部材とフック部をそれぞれ一体の兼用構造としたものである。
図37は第1ボックスの封印形成部を示し、(a)は前方から見た斜視図、(b)は平面図、(c)は正面図、(d)は(b)におけるAJ−AJ矢視図である。
第1ボックス200Aの前端壁272には、封印形成部280Bが形成されている。
封印形成部280Bは、とくに(d)に示すように、前端壁272から前方へ垂直に立ち上がった脚部282と、その先端(前端)から前端壁272と平行に下方(第2ボックス300A側)へ延びる係止ロッド283Bとからなっている。脚部282は4角断面であり、その下面は前端壁272の端縁と面一になっている。
【0162】
脚部282の長さは任意であり、ここでは前端壁272から係止ロッド283Bの前端壁372(および前端壁272)に対向する後面までの距離L3bは第2の実施例における前端壁272から係止ロッド283の後面までの距離よりも大きくなっている。
係止ロッド283Bは脚部282よりも薄板状とされて弾性をもたせてある。
係止ロッド283Bの中間には前面(前端壁372に対して反対)側に爪287が設けてあり、係止面288から下方に傾斜面289を有している。
【0163】
図38は第2ボックスの封印形成部を示し、(a)は前方から見た斜視図、(b)は平面図、(c)は正面図、(d)は(b)におけるAK−AK矢視図、(e)は(b)におけるAL−AL部断面図である。
第2ボックス300Aの前端壁372には、封印形成部380Bが形成されている。
封印形成部380Bは、(d)に示すように、前端壁372から前方へ垂直に立ち上がった脚部382Bと、その先端(前端)から前端壁372と平行に上方(第1ボックス200A側)へ延びる係止ロッド383とからなっている。脚部382Bの上面は前端壁372の端縁と面一になっている。
とくに(b)に示すように、脚部382Bは矩形の係止穴392を備えて門型の平面形状を有する。係止ロッド383は脚部382Bの門型の角部から延びており、その後面と、係止穴392の前端壁372から遠い穴縁とはそれぞれ前端壁から同一の距離L3aにある。
【0164】
係止穴392は第1ボックス200A側の封印形成部280Bの係止ロッド283Bを受け入れ可能に対応させてあり、前端壁372から遠い穴縁に係止ロッド283Bの爪287が係止するように設定される。すなわち、前端壁372から当該穴縁までの距離L3aは、第1ボックス200Aにおける前端壁272から係止ロッド283Bの前面までの距離L4と整合する。
また、封印形成部280Bにおける脚部282の下面から爪287の係止面288までの距離は、脚部382Bの前端壁372と平行な上下方向幅(厚さ)に対応させてある。
【0165】
封印形成部280Bにおける係止ロッド283Bの脚部282の下面からの長さは、封印形成部380Bの脚部382Bの上下方向幅に所定長さを加えた値に設定してあり、同様に封印形成部380Bにおける係止ロッド383の長さは、封印形成部280Bの脚部282の上下方向幅に所定長さを加えた値に設定してあり、同一長さとなっている。
第1ボックス200Aの前端壁272と第2ボックス300Aの前端壁372には第2の実施例と同様にカバー堤226、324を設けることができる。
【0166】
図39は封印キャップを示し、(a)は後方から見た斜視図、(b)は平面図、(c)は背面図、(d)は(c)におけるAM−AM部断面図である。
封印キャップ550Bは、筒部551が接続する頭部555の底壁の位置が上下で異なっている。
すなわち、筒部551の先端から上側の底壁558aまでの距離に対して、筒部551の先端から下側の底壁558bまでの距離は短く、そのズレ量は係止ロッド283Bの前後方向の板厚分としてある。
第2の実施例と同様に、筒部551における一対の対向側壁553a、553b間の距離W1’は、係止ロッド283Bの先端部を脚部382Bの係止穴392に進入させた状態での第1ボックス200Aと第2ボックス300Aの封印形成部280B、380Bを包絡する輪郭を通過させかつ収容可能なサイズに設定されており、ここでは第2ボックス300Aの封印形成部380Bが通過可能であればこの条件を満たす。
筒部551における他の1対の対向側壁552a、552b間の距離W2は、係止ロッド283B(383)の長さにわずかな余裕をもたせた値に設定してある。
【0167】
筒部551の側壁552aにそった軸方向高さHa(筒部の先端から底壁558aにおける頭部555の内部空間への開口までの長さ)は、封印形成部380Bの係止ロッド383の後面と前端壁372間の距離L3aに対応し、
側壁552bにそった軸方向高さHb(筒部の先端から底壁558bにおける頭部555の内部空間への開口までの長さ)は封印形成部280Bの係止ロッド283Bの後面と前端壁272間の距離L3bに対応して、その差は係止ロッド283Bの前後方向の板厚分である。
その他は第2の実施例の封印キャップ550と同じである。
【0168】
封印手順は第2の実施例と同様で、まず
図40の(a)のように、封印形成部380Bにおける係止穴に封印形成部280Bの係止ロッド283Bを進入させて、封印形成部380Bの係止ロッド383の先端(上端)が封印形成部280Bの脚部282の上面と面一になるように前端壁272と372を接近させ、係止ロッド283Bの先端(下端)も封印形成部380Bの脚部382Bの下面と面一にする。
【0169】
この状態で、
図40の(b)のように、封印キャップ550Bを封印形成部280B、380Bに被せる。それから、第1ボックス200Aを押し下げて第2ボックス300Aに重ね合わせると組み合わせ形態が変化し、(c)に示すように、封印形成部280Bの係止ロッド283Bと封印形成部380Bの係止ロッド383がそれぞれ突出し、係止ロッド283Bは頭部555における下側の底壁558bに係止し、係止ロッド383は上側の底壁558aに係止する。
同時に、係止ロッド283Bの爪287が封印形成部380Bの脚部382Bの係止穴392に係止して、第1ボックス200Aと第2ボックス300Aが結合状態となる。
図41は封印形成部280B、380Bが組み合わさったこの状態を封印キャップ550Bを除去して示す斜視図である。
【0170】
以上により、この変形例でも封印形成部280B、380Bがすべて封印キャップ550B内に収容された状態となり、第2の実施例と同じ効果を奏する。
さらに、封印形成部280B、380Bはそれぞれ、封印形成部同士を連結するための係止部と封印キャップと係止するための係止部とを兼用する1部材として形成されているので、第2の実施例と比較して封印キャップのサイズ、とくにその左右幅を小さくすることができるという利点を有する。
【0171】
なお、第2の実施例およびその変形例は、第1ボックスと第2ボックスを先に連結している一端側をヒンジにして相対的に回動させ、他端側を開口状態から閉じて結合する基板ボックスについて説明したが、第1ボックスと第2ボックスを真正面から重ねて結合するものについてもそのまま適用可能であり、この場合、両端に封印構造を設ければよい。
さらには、例えば前端壁272を上側の第1ボックスのスライド方向に延びる上壁、前端壁372を第1ボックスの下側に配する第2ボックスから第1ボックスのスライド軌跡上に突出させた部位とみなせば、スライドさせて結合するものにも適用可能である。
【実施例3】
【0172】
つぎに、第3の実施例について説明する。
第3の実施例は第1の実施例における第1封印部34(
図3参照)の構成を変更したものであり、以下に新たな第1封印部34A(
図54参照)の封印結合構造についてのみ説明する。
第1封印部34Aは、後掲の各図に示されるように、第1ボックス200の下端壁222から連結部228Aを介して延びるアッパブラケット630、第2ボックス300の下端壁322から連結部328A、329Aを介して延びるロアブラケット730、および重ね合わされたアッパブラケット630とロアブラケット730とに被せる封印キャップ800とからなる。
なお、第1封印部34Aにかかる以下の説明では、第1の実施例の第1封印部34におけるのと同じく、第1ボックス200と第2ボックス300の重ね合わせ方向に沿ってアッパブラケット630とロアブラケット730が上下に重ね合わされる方向を上下方向とし、下端壁222から連結部228Aおよびアッパブラケット630が延びる方向を前方、逆方向を後方とする。そして、下端壁222に近い側を基端(後側)、遠い側を先端(前側)とも呼ぶ。
【0173】
図42、
図43および
図44はアッパブラケット630の構造を示し、
図42の(a)は平面図、(b)は裏面図、
図43の(a)は先端側から見た正面図、(b)は側面図である。(a)は
図3における正面図に相当する。また、
図44の(a)は上方から見た斜視図、(b)は下方から見た斜視図である。
とくに
図42に示すように、アッパブラケット630は、第1ボックス200と第2ボックス300の重ね合わせ面に平行な略矩形の主板631を有する。主板631はその基端(後)側の辺(下端壁222に面した辺)に端板632を有し、幅方向(左右方向)中央を第1ボックス200の下端壁222から延びる連結部228Aに支持されている。すなわち、連結部228Aはアッパブラケット630の一部も構成している。連結部228Aの先端は平面図上における主板631の矩形部631aの前端縁よりも突出している。
アッパブラケット630は連結部228Aを中心にして左右対称である。
【0174】
図43の(b)に示すように、連結部228Aの上面は下端壁222に対して垂直で、下面は先端から下端壁222に向かって下方に傾斜するとともに多数段の階段を形成している。これにより、第1の実施例における連結部228と同様に、基板ボックス30内の発光体から発せられる光が、第1ボックス200および第2ボックス300の封印状態において、連結部228Aの基端から先端まで導光される。
主板631の上面は連結部228Aの上面と同高の面一であり、主板631の下面は下端壁222の重ね合わせ端縁K(第2ボックス300の下端壁322との突き合わせ面)より所定量上方にずれている。
端板632の上辺の中央には所定幅の切欠き633が形成してある。
図44の(a)に示すように、切欠き633の底辺は主板631の上面から傾斜をもって所定量高くなっている。これは、後掲の
図50の(a)に示されるように、封印キャップ800における後述のブラケットカバー延長部807の下面が上壁812の内壁面から傾斜してオフセットしているのに対応させたものである。
【0175】
主板631は、平面図(
図42の(a))上、中央の連結部228Aとの間に所定幅のスリット637を挟んで矩形部631aからさらに前方向へ一定幅で延びる突出部631bを備えている。突出部631bの先端は連結部228Aの先端近傍に位置し、また、スリット637は前方に開口するとともに、その後端は主板631の矩形部631aの前端縁よりも基端側に位置している。
矩形部631aの側縁は前端部が傾斜して、前端縁の幅が基端側よりわずかに小さくなっている。矩形部631aの上面には側縁に沿った内側を端板632から垂直に先端へ向かって突条636が延びている。
矩形部631aの前部には、突条636に沿う内側に前後方向を長手とした矩形孔638が設けてある。
【0176】
突出部631bの上面には、前方を傾斜面634bとし、後端を上面に対して垂直な係止面634aとする所定幅の爪634が設けてある。
主板631(矩形部631a)の上面には、爪634に対して後方向に整列して、爪634と同高で、爪634より広幅の突部635(635a〜635e)が設けられている。
封印キャップ800の後述する桟818には、
図50に示すように、当該封印キャップ装着の際に爪634を通過させるための切欠き819が設けられ、突部635はその切欠き819等を埋めるためのものである。
突部635a〜635dの平面形状は矩形で、前後方向位置は封印キャップ800を被せた封印状態において封印キャップ800の桟818の切欠き819に位置するように設定されている。とくに最先端の突部635aは切欠き819に進入し易いように、前壁の上角がアール(R)で面取りされている。
また最後端の突部635eは端板632の前面に接続して設けられ、その前壁は封印キャップ800の後述する穴815(後掲の
図48参照)の内周面に対応させて傾斜した弧状を呈している。
図42の(b)、
図43の(a)に示すように、突出部631bの外側に隣接する矩形部631aの前端縁には、封印キャップ800の桟818aの下へ後述の硬化樹脂が漏れないように、バリア突片639を設けてある。
【0177】
図44等に示すように、主板631の下面には、スリット637の外側縁と面一に、下方に延びる縦壁640が形成されている。縦壁640は突出部631bの先端からスリット637の奥端近くまで一定高さを維持したあと、当該奥端位置を越えた位置まで傾斜し、端板632の下縁とほぼ同じ一定高さで当該端板632につながっている。
突出部631bの先端は、縦壁640の前縁も含んで、側方が後退する円筒面をなしている。
【0178】
縦壁640の外側面にはそれぞれ主板631から下方に延びる2本の突ブロック641、642が形成されている。
とくに
図42の(b)に示すように、前側の突ブロック641は断面矩形で、外面をロアブラケット730の後述のロック片745(後掲の
図45参照)との当接面641aとしている。下端は縦壁640の下端面の外側縁から面取りされて外方(側方)を向いた傾斜面641bをなしている。
後側の突ブロック642は、後面が下端壁222に平行で、前側角をアールで面取りした断面を有し、後面を係止面642aとしている。この係止面642aは、後述するロック片745の凹部748の後縁部748aに係止する。下端は突ブロック641と同様に縦壁640の下端面の外側縁から面取りされて外方を向いた傾斜面642bをなしている。後側の突ブロック642の縦壁640から外方への突出量は前側の突ブロック641よりも大きい。
【0179】
図42〜
図44に示すように、第1ボックス200の下端壁222の外面には、連結部228Aを囲むカバー堤226Aがビード状に設けてある。カバー堤226Aは封印キャップ800における後述する連結部カバー部801のフランジ806(後掲の
図51参照)の上縁および側縁に沿うように設定してある。
下端壁222の外面はカバー堤226Aに囲まれた領域を周辺領域よりも後退させ、すなわち深くしてある。
カバー堤226Aの上辺部の中央には所定幅で周辺領域の高さまで切除した切欠き227Aが形成してある。
連結部228Aはその上面が周辺領域の高さ位置に達したところで上方に延びて、切欠き227Aにおいて周辺領域に連なり、基端側補強支持部229aを形成している。
【0180】
図45、
図46および
図47は第2ボックス300のロアブラケット730の構造を示し、
図45の(a)は平面図、(b)は裏面図、
図46の(a)は先端側から見た正面図、(b)は側面図、(c)は(a)におけるBA−BA部断面図である。
図47は斜視図である。
ロアブラケット730は下端壁322に対して平行な端板731にそれぞれ下端壁322に対して垂直に先端方向に延びる一対のサイドガイド壁740、一対のロック片745、およびガイドベース733を備えている。
下端壁322外面と端板731間の距離は、第1ボックス200における下端壁222と端板632間の距離と同一である。
図46、
図47に示すように、端板731は、その上辺が下端壁322の上面(第1ボックスとの合わせ面)と同一高さであり、上辺にアッパブラケット630の端板632の下辺を重ねたときに外周輪郭が連なるように、前方から見たときの基本形が底辺に対して上辺がわずかに短い台形をなしているとともに、両側辺の下部1/3程度は互いに平行となっている。
【0181】
ガイドベース733は、上壁734と側壁735を有し下方に開口したコ字形断面をもって、端板731の幅方向中央の下半部から延びる。ガイドベース733の下端は端板731の下辺より所定量高い位置で終わっている。上壁734上面の先端近傍には側縁に接して爪736が形成されている。爪736は前方を傾斜面736bとし、後端を下端壁322に平行な係止面736aとしている。
なお、側壁735の先端の下角部は後述する封印キャップ800の下壁804(後掲の
図49参照)の内壁面に沿うように曲面で面取りして傾斜させてある。
【0182】
サイドガイド壁740は、その下端をガイドベース733(側壁735)の下端と同高として端板731の側辺と平行に所定幅だけ内側を端板731の上辺より上方まで延ばした側壁741と、その上縁から内側に向けたフランジ742とからなっている。側壁741とフランジ742は略同等の板厚を有する。
フランジ742の上面の高さは、アッパブラケット630とロアブラケット730を結合状態に重ねたとき、主板631の矩形部631aの下面に面接するように設定される。
【0183】
平面図(
図45の(a))上、サイドガイド壁740の先端(前端)はガイドベース733の先端よりも所定量後退した位置にある。また、フランジ742の端縁(内側縁)は前半において端板731(下端壁322)に対し垂直で、その後基端に向かってわずかに外方に傾斜してから再び垂直となっている。
サイドガイド壁740の上端(フランジ742)の基端側は端板731の上辺前縁の若干手前に向かう傾斜面743をなし、その後端板731の上辺と同じ高さとなっている。
フランジ742の上面にはアッパブラケット630の矩形孔638に整合して所定深さの矩形凹部744が形成されている。
【0184】
図46の(a)に示すように、ロック片745はその下縁をガイドベース733の上面より所定量高く、上端縁をサイドガイド壁740のフランジ742の上面よりわずかに低い位置としている。
平面図上、ロック片745はガイドベース733とサイドガイド壁740の間をガイドベース733の先端と同位置まで延びている。
ロック片745の先端部には、外方に突出しロック片745の上端面より高く延びた爪746が設けられている。この爪746を含むロック片745の先端部は、側方(外方)が後退する弧状をなしている。爪746は内側面を端板731(下端壁322)およびロック片745の上端面に垂直な第1係止面746aとし、後側面を下端壁322に平行な第2係止面746bとしている。第2係止面746bはサイドガイド壁740の先端よりも前方に位置している。
【0185】
アッパブラケット630とロアブラケット730を結合状態に重ねたとき、爪746の第1係止面746aはアッパブラケット630の突出部631bの外側縁と面接するように設定され、また、突出部631bの先端面とロック片745の爪746を含む先端面とが、封印キャップ800の後述する押し込み部824(
図51参照)の内壁面に対応する円筒面を形成するようになっている。そして、アッパブラケット630とロアブラケット730の後掲の
図55に示す結合状態において、爪746の高さはその上端面が主板631(突出部631b)の上面と面一となるように設定されている。すなわち、爪746の上端面746cは、アッパブラケット630の主板631の上面と面一となるように形成されている。
【0186】
図45の(a)、
図46の(c)に示すように、ロック片745の内壁面には前後方向に離間しそれぞれ上端縁から下方に延びる凹部748、749が形成されている。
後側の凹部749は端板731との付け根からアッパブラケット630の縦壁640における後側の突ブロック642の前後幅の略2倍ほどの範囲にわたっている。凹部749の内側における前後の縁部749aは曲面となっている。
また前側の凹部748は凹部749から離間した位置に、突ブロック642の前後幅に対応して当該突ブロック642を受容可能に配置されている。前側の凹部748の後縁部748aは端板731(下端壁322)に平行な、すなわちロック片745の内壁面に対して垂直な壁面となっている。両凹部748,749の上下方向長さはロアブラケット730にアッパブラケット630を重ねたときに突ブロック642を受容可能に設定してある。
第2ボックス300に対し第1ボックス200を準備位置で重ねたとき、アッパブラケット630の後側の突ブロック642が後側の凹部749の前方寄りに受容され、前側の突ブロック641はロック片745の内壁面に面接するように設定してある。
【0187】
平面図上、ロック片745のサイドガイド壁740に対面する外面は、略前半部が端板731(下端壁322)に対して垂直で、後半部はサイドガイド壁740のフランジ742端縁の傾斜部分と平行に基端まで傾斜している。
図46の(c)、
図47に示すように、ロック片745の上端縁の基端側は、サイドガイド壁740の上端の基端側と整合して、端板731の上辺前縁の若干手前に向かう傾斜面750をなし、その後端板731の上辺と同じ高さとなっている。
サイドガイド壁740、ロック片745およびガイドベース733の板厚は互いに同程度で、端板731の板厚寸法よりは大きくなっている。
図46の(a)、
図47に示すように、端板731の幅方向中央には、ガイドベース733の上面より高い位置から当該端板731の上辺にかけてアッパブラケット630の連結部228Aを通過させる切欠き732が形成されている。
【0188】
図45、
図47に示すように、ロアブラケット730を第2ボックス300の下端壁322につなぐ連結部は、端板731の下端における側辺近くから延びる2本の連結部328Aと、端板731の中央部の切欠き732を一端の開口とする樋状の連結部329Aとの3本である。
連結部328Aは一定の矩形断面で下端壁322に対して垂直に延び、左右幅はサイドガイド壁740の板厚程度であり、上下幅は左右幅よりもわずかに大きい。
樋状の連結部329Aの他端は下端壁322に開口し、したがって下端壁322も上辺から切欠き732と同幅で切り欠かれている。連結部329Aの上縁は下端壁322の上縁につながっている一方、連結部329Aの底面はアッパブラケット630の連結部228Aの下面に対応して下端壁322側が下がるように傾斜している。連結部329Aの板厚は端板731と同程度である。
【0189】
第2ボックス300の下端壁322の外面には、連結部328A、329Aを囲むカバー堤324Aがビード状に設けてある。カバー堤324Aは封印キャップ800における後述する連結部カバー部801の下壁804およびフランジ806(
図49参照)の側縁に沿うように設定してある。
下端壁322の外面はカバー堤324Aに囲まれた領域を周辺領域よりも後退させ、下端壁222外面のカバー堤226Aに囲まれた領域と面一になるようにしてある。
下端壁322のカバー堤324Aに囲まれた領域には、連結部328A、329Aのための基端側補強支持部325a、325bが形成されている。
【0190】
図48、
図49、
図50および
図51は封印キャップ800の構造を示し、
図48の(a)は平面図、(b)は裏面図、
図49の(a)は側面図、(b)は開口端側から見た図、(c)は先端側から見た図、
図50の(a)は縦断面図、(b)は
図48の(a)におけるBC−BC部断面図、(c)は
図48の(a)におけるBD−BD部断面図である。また、
図51の(a)は
図49の(b)におけるBE−BE部断面図、(b)は外観斜視図である。
封印キャップ800は樹脂製の有色透明であり、重ね合わせたアッパブラケット630とロアブラケット730とをカバーするブラケットカバー部810と、連結部228A、328Aおよび329Aをカバーする連結部カバー部801とからなっている。なお、封印キャップ800は無色のものでもよい。
連結部カバー部801は、基本断面形状が台形で上壁802、側壁803および下壁804を有して、上部略1/3部の内壁面がアッパブラケット630の端板632の台形輪郭に整合するよう設定され、下部略2/3の内壁面がロアブラケット730の端板731の台形輪郭に整合するよう設定されている。
【0191】
連結部カバー部801の開口端上部にはブラケットカバー部810の上壁812からロアブラケット730の樋状の連結部329Aと略同幅のブラケットカバー延長部807が延びている。上壁802はブラケットカバー延長部807を挟んで2分されており、それぞれリブ808によりブラケットカバー延長部807と接続している。
ブラケットカバー延長部807の上面は上壁802の内壁面よりもわずかに低いとともに、平面図上、リブ808による接続部において対向するブラケットカバー延長部807の側縁とこれに対向する上壁802の端縁との間には所定の間隙が形成されている。
連結部カバー部801はその開口端において、外縁が上壁802および下壁804に対して垂直となるフランジ806を側壁803から外方に延ばして、外周輪郭の基本形を矩形としている。フランジ806の左右方向高さは、側壁803の下部の垂直部で0(ゼロ)となっており、また矩形の各角部はアール(R)整形されている。
ブラケットカバー延長部807および下壁804の開口端縁には、連結部228Aの基端側補強支持部229a(
図44の(a)参照)、連結部328Aの基端側補強支持部325a(
図45の(a)、
図46の(a)参照)および連結部329Aの基端側補強支持部325b(
図45の(a)、
図46の(a)参照)を逃げる切欠き805a、805b、805c(
図48参照)を設けてある。
【0192】
ブラケットカバー部810は上壁812、側壁813および下壁814を有して、平面形が基端側方形、先端側半円で、基端側が開口し先端側は閉じている。
基端側の開口端の外壁は、連結部カバー部801の内壁面と対応しているが、前方から見たとき、両壁の間には、ブラケットカバー延長部807を除いて、全周にわたって小間隙が設けられている。
上壁812と下壁814の内壁面間距離は重ねた状態のアッパブラケット630の主板631の上面とロアブラケット730のガイドベース733の下端間の距離に整合するよう設定してある。
上壁812の内壁面はアッパブラケット630の主板631の上面に面接するように設定されている。
【0193】
ブラケットカバー部810の開口端の台形形状にしたがって、上から見たとき上壁812と下壁814の外周輪郭は相似形になるとともに、側面図において、先端部における側壁813から下壁814への角部が外方に膨らんだ曲面で面取りされている。
ブラケットカバー部810の開口端下部では、側壁813の外壁が連結部カバー部801の側壁803の端縁とリブ809によって接続されている。
これにより、連結部カバー部801とブラケットカバー部810とは上部のリブ808と下部左右のリブ809の4箇所のみで接続されていることになる。
【0194】
図48の(a)、
図51の(b)に示すように、上壁812には周縁近傍に及ぶ大径をもつ円形の穴815が設けられている。穴815の上面側開口縁にそって所定高さのリング状突堤816が形成されて、穴815の軸長を上壁812の基本板厚よりも長くしている。
とくに
図50に示すように、穴815内には頂点を当該穴815の中心でリング状突堤816の上端よりも低い位置とした曲率の小さい仮想球面QQを設定し、この仮想球面QQに上面を沿わせた所定幅のブリッジ817を、平面図上、穴815の中心を通る前後方向中心線上に形成して両端を穴815の内周面に接続している。ブリッジ817は、下面を上壁812の内壁面と面一の平面とし、側面は傾斜して、下面が上面よりも幅広となっている。
前述のブラケットカバー延長部807は、上壁812をリング状突堤816の高さにオフセットさせて、ブリッジ817の下面の幅で後方へ延ばしたものである。
【0195】
ブリッジ817の両側面からは上縁をそれぞれ仮想球面QQに沿わせた桟818(818a〜818e)が幅方向に延びて、穴815の内周面に接続している。
5本の桟818は前後に並び、その下縁はいずれも上壁812の内壁面と面一の平面内にある。とくに基端側の4本の桟818b〜818eの下縁には、それぞれアッパブラケット630における主板631の爪634および突部635を通過させることができる切欠き819が形成されている。
各切欠き819はブリッジ817に沿って前後方向に整列している。同様の切欠き820が、切欠き819に整列して、穴815の内周面からブラケットカバー部810の開口端までの上壁812内壁面に形成されている。
【0196】
とくに
図51の(b)に示すように、最も先端側の桟818aは、同様にその下縁が上壁812の内壁面と面一の平面内にあるが切欠きは有していない。さらに、当該桟818aの穴815内周面との接続側からは下端壁322に対して平行な係止壁828が下方に延びている。
とくに図示はしないが、係止壁828における桟818aの下面相当高さ位置には、主板631における矩形部631aの前縁に設けたバリア突片639を受け入れる凹部を形成してある。
上壁812の内壁面には、
図49の(b)に示すように、アッパブラケット630の突条636に対応する溝822が開口端から側壁813の先端側半円部に達するまで延びている。
【0197】
側壁813の先端半円部には、平面図上、前後方向中心線を挟んだ両側の所定角度範囲に外面を凹ませた一対の押し込み部824が形成されている。
押し込み部824の高さ位置は側壁813の略上半部であって、押し込み部824の内壁面は垂直(上下)な円筒面824aをなしており、穴815の内周面と面一になっている。円筒面824aは前述のように、アッパブラケット630の弧状の突出部631bとロアブラケット730のロック片の弧状の先端部に対応する。
【0198】
図49の(b)、
図51の(a)に示すように、封印キャップ800内には、側壁813の先端半円部からブリッジ817の下面側縁に沿って後方へ延びる一対の内縦壁826が形成されている。内縦壁826の後端は穴815の略中心に相当する、基端側から3本目と4本目の桟818b、818cの間に位置している。
内縦壁826は、封印状態において、アッパブラケット630のスリット637内に位置するように設定される。
側壁813における内縦壁826が接続する位置から幅方向外方の領域が押し込み部824の内壁面である前述の円筒面824aとなっている。円筒面824aの外側縁において側壁813に接続する外縦壁827が内縦壁826と平行に、上壁812内壁面に接続して後方へ延びている。そして、外縦壁827の後縁が前述の係止壁828の外側縁に接続している。すなわち、係止壁828は外縦壁827の後端から内方へ延びていることになる。
【0199】
押し込み部824(円筒面824a)の下端からは上壁812および下壁814と平行な横壁830がそれぞれ後方へ延びており、内縦壁826および外縦壁827の下端はそれぞれ横壁830の側縁に接続している。係止壁828の下端も横壁830に接続している。
横壁830の後縁は基端側から1本目と2本目の桟818d、818eの間に位置する。横壁830の内側の側縁は後端まで一直線に伸びているが、外側の側縁は係止壁828から後方がわずかにオフセットして幅が細くなっている。
【0200】
図51の(a)に示すように、横壁830における係止壁828より前方の領域には、内縦壁826の下端縁に沿って矩形の係止穴831が形成されている。
横壁830は、封印状態において、アッパブラケット630の縦壁640およびロアブラケット730のロック片745の各下端とロアブラケット730のガイドベース733の上壁734間の間隙に挿し込まれるとともに、係止穴831がガイドベース733上の爪736と係止するように設定されている。
係止壁828は、封印状態において、ロック片745の爪746の後側に位置して第2係止面746bと係止するように設定されている。
【0201】
なお、アッパブラケット630、ロアブラケット730および封印キャップ800における各部位の壁面には成形時型抜きのための傾斜を付与することができる。この際、とくに封印キャップ800では、壁部であれば奥端よりも開口側(すなわち組み付け相手方と対向する側)で板厚が薄くなり、空間であれば開口側が広くなるような傾斜面となるので、アッパブラケット630およびロアブラケット730の壁面もこれに対応して先端側になるほど例えば板厚が薄くなるような傾斜面とする。そして、封印キャップ800がロアブラケット730に係止し、さらに第1ボックス200と第2ボックス300が結合位置となった状態で、互いにガタなく嵌り合うように設定するのが好ましい。
【0202】
以下、上述した部材からなる第1封印部34Aの封印手順について説明する。
まず、準備位置として、第2ボックス300に対してスライド方向にずらせた状態で第1ボックス200を第2ボックス300上に重ね合わせる。
図52の(a)はこの状態における側面図、(b)は(a)におけるBF−BF部断面図で、断面以外の主な輪郭を仮想線で示してある。
両ボックスのずらせ量は、例えばアッパブラケット630の端板632が第2ボックス300における下端壁322の上縁(合わせ面)近傍に載る程度に位置づけて、(b)に示すように、アッパブラケット630の縦壁640の後側の突ブロック642をロアブラケット730のロック片745の後側の凹部749に受容させる。前側の突ブロック641はロック片745の内側面に面接する。各突ブロック641、642の下端が傾斜面641b、642bとなっているので重ね易い。
この状態で、主板631の矩形部631aがサイドガイド壁740のフランジ742に載る。
【0203】
つぎに、これら重ねたアッパブラケット630とロアブラケット730に封印キャップ800を被せる。すなわち、封印キャップ800の連結部カバー部801の開口を先にして、下壁814をロアブラケット730のサイドガイド壁740およびガイドベース733の下端に沿わせながらロアブラケット730の先端側から挿し込んでいく。
途中からはアッパブラケット630の主板631が上壁812の内壁面に沿ってスライドすることになるので、封印キャップ800の先端を押すだけで滑らかに挿し込める。この際、主板631の上面には爪634や突部635が形成されているが、封印キャップ800にはこれらを通過させることができる切欠き819、820が桟818等に設けてあるので、支障は生じない。また上壁812の溝822がアッパブラケット630の突条636にガイドされるので、左右のぶれも生じない。
まずは、封印キャップ800の横壁830が、ロアブラケット730のガイドベース733の上壁734上とロアブラケット730のロック片745の下端との間をスライドする。
【0204】
図53の(a)は挿し込み途中の状態を示し、(b)は挿し込み完了後の状態を示す。なお、簡単化のため
図53にはアッパブラケット630を省略している。
挿し込みの途中では、
図53での図示を省略しているが、封印キャップ800の横壁830は、アッパブラケット630の縦壁640の下端とロアブラケット730のガイドベース733の上壁734上との間をスライドする。そして、アッパブラケット630の爪634および突部635は、封印キャップ800の切欠き819を通過しながら、
図53の(a)に示すように、係止壁828がロアブラケット730のロック片745先端の円筒面を押すので、ロック片745が撓んで、係止壁828がロック片745の爪746の後側に移動するのを許す。
この際、アッパブラケット630の連結部228Aが相対的に封印キャップ800の一対の内縦壁826間に進入する。
【0205】
こうして、連結部カバー部801の開口端面が第2ボックス300の下端壁322に当接するまで封印キャップ800を挿し込むと、
図53の(b)に示すように、ロック片745は当初の自由状態に戻って、その爪746の第2係止面746bに封印キャップ800の係止壁828が係止する。
また、横壁830の係止穴831もガイドベース733上面の爪736に係止する。
これにより、封印キャップ800は合計4箇所でロアブラケット730と係止状態となり、抜けなくなる。
連結部カバー部801の先端はカバー堤324Aによって囲まれる。
【0206】
このあと、第1ボックス200を第2ボックス300に対して結合位置へ向かって、スライドさせる。
ロアブラケット730のロック片745の後側の凹部749に受容されていたアッパブラケット630の突ブロック642は、前側角をアール面取りされ、凹部749の縁部も曲面となっているので滑らかに凹部749の縁を乗り越える。ロック片745は外方に膨らむように弾性変形して、突ブロック642がロック片745の内側面をスライドして前進するのを許す。
【0207】
図54〜
図56は結合状態における第1封印部34Aの状態を示し、
図54の(a)は
図52の(a)におけるBF−BF部相当のアッパブラケット630とロアブラケット730の関係を示す断面図、(b)はアッパブラケット630と封印キャップ800の関係を示す平面図である。
図55は結合位置における封印キャップ800を除去して示す斜視図、
図56は
図48の(a)におけるBC−BC部相当の断面図である。
結合位置に至ると、
図54の(a)に示すように、アッパブラケット630の後側の突ブロック642がロアブラケット730のロック片745の前側の凹部748に嵌り込む。突ブロック642は、後面が下端壁222に平行で、凹部748の後縁部748aも下端壁322に平行であるため、係止状態となる。
また、
図54の(b)、
図56に示すように、アッパブラケット630の主板631上の爪634が封印キャップ800の穴815における最先端側の桟818aを弾性的に乗り越えて当該桟818aに係止する。
【0208】
これにより、アッパブラケット630は爪634と封印キャップ800の桟818aとの係止により封印キャップ800から抜けなくなり、突ブロック642とロック片745の凹部748との係止によりロアブラケット730からも抜けなくなる。さらに、
図54の(a)に示すように、封印キャップ800の内縦壁826で裏支えされたアッパブラケット630の縦壁640の前側の突ブロック641がロック片745の内側面に当接するとともに、
図55に示すように、アッパブラケット630の突出部631bの外側縁がロック片745の爪746(の第1係止面746a:
図45参照)に当接するので、ロック片745の先端部は内方に変位できなくなる。この結果、ロック片745の先端を撓ませて係止壁828を爪746との係止から解放することも阻止される。
また、
図56に示すように、係止穴831を備える横壁830は進入した縦壁640の下縁およびロック片745の下縁とガイドベース733の上壁734との間に挟まれて変形不可となり、係止穴831と爪736の係止が外れることもない。
以上の抜け阻止の組み合わせにより第1ボックス200と第2ボックス300の結合は封印状態となる。
【0209】
封印状態において、アッパブラケット630の主板631に設けた矩形孔638はロアブラケット730のフランジ742の矩形凹部744に重なるとともに、突部635は封印キャップ800の桟818等の切欠き819、820内に位置する。
また、下端壁222のカバー堤226Aが封印キャップ800の連結部カバー部801の先端を囲む。
封印状態において、さらに封印キャップ800の穴815全体に硬化樹脂Pを充填する。硬化樹脂Pは、紫外線など光の照射により硬化する樹脂、加熱により硬化する樹脂あるいは空気中での時間経過により硬化する樹脂から選択するが、非可逆性の硬化樹脂が好ましい。
【0210】
穴815には桟818間に間隙が形成されているので、硬化樹脂Pはその間隙を通して、裏面の主板631上とロック片745の爪746の上端面746cとに及び、封印キャップ800とアッパブラケット630とロアブラケット730とを接着状態とする。これにより、外部から爪746に対してアクセスされた場合でも、爪746が撓むことを防止でき、不正な解除を防止できる。
他方、桟818等の切欠き819、820は突部635で埋められているので、多量の硬化樹脂Pの流入を防止している。これにより、封印キャップ800が有色に形成されていても、紫外線が透過しづらいことによる硬化樹脂の未硬化を防止している。また、主板631における矩形部631aの前端が当接する係止壁828には矩形部631a前縁のバリア突片639を受け入れる凹部が形成されているので、当該当接部から硬化樹脂Pが漏れ出ることもない。
桟818間の間隙には主板631の矩形孔638が臨んでいるので、硬化樹脂Pは矩形孔638からさらにロアブラケット730のフランジ742の矩形凹部744に及び、その周辺領域に回りこんでアッパブラケット630とロアブラケット730も接着状態として、封印キャップ800とアッパブラケット630およびロアブラケット730間の強固な接着状態が得られる。
【0211】
主制御装置22の不具合発生や検査等のため、正規に第1封印部34Aの封印を解除するためには、先ず封印キャップ800における連結部カバー部801とブラケットカバー部810を接続しているリブ808、809を切断する。連結部カバー部801の内壁面はブラケットカバー部810の外壁と整合しわずかな間隙をもっているので、リブ808、809の切断により連結部カバー部801を抜き出すことができる。
これにより、連結部228A、あるいは連結部328A、329Aが露出するので、これらを工具で切断すれば第1ボックス200と第2ボックス300が互いにスライド可能となり基板ボックス30を開くことができる。
したがって封印を解除すれば、連結部228A、328A、329Aを切断した痕跡や、さらにその前段としてこれらを隠している連結部カバー部801除去のためリブ808等を切断した痕跡が残る。
【0212】
このため、第1ボックス200と第2ボックス300を不正に分離するためには、硬化樹脂Pを削り取るなどして除去し、封印キャップ800の穴815部における桟818と爪634の係止部分にアクセスしようと試みることになるが、周辺の桟818は細い上、切欠き819も有して脆弱構造となっているから、硬化樹脂Pを除去しようとすれば必ず硬化樹脂Pとともに引きちぎられてその痕跡が残る。
除去できなくて穴815内に残った硬化樹脂Pに対して、再度硬化樹脂を流し込んでも、界面の発生により破壊の痕跡が残ることになる。
しかも、穴815に面しているアッパブラケット630の突ブロック642とロック片745の凹部748との係止部分までは穴815に面している主板631の裏側に隠れているので、アクセスすることができない。
とくに図示しないが、他の第2封印部(36)、第3封印部(38)を備える点は第1の実施例と同じであり、第1封印部34Aを含むこれらの封印部の利用も第1の実施例と同様である。
【0213】
本実施例は以上のように構成され、第1ボックス200および第2ボックス300にそれぞれ接続して両ボックスの結合位置において互いに結合するアッパブラケット630およびロアブラケット730と、第1ボックス200と第2ボックス300の結合状態においてアッパブラケット630およびロアブラケット730をカバーする封印キャップ800とを有し、
封印キャップ800には係止壁828を備え、ロアブラケット730には係止壁828に係止する爪746を有するロック片745を備えて、第1ボックス200と第2ボックス300の結合途中において封印キャップ800をロアブラケット730に被せたあと、第1ボックス200と第2ボックス300の結合完了位置までの間に、封印キャップ800がロック片745により抜け阻止される位置関係となるように構成されて、第1ボックス200と第2ボックス300の結合状態において封印キャップ800を取外し不能とした封印構造を形成した。
【0214】
これにより、第1ボックス200と第2ボックス300が結合したあとでは、封印キャップ800が取外しできない状態となるので、第1ボックス200側のアッパブラケット630および第2ボックス300側のロアブラケット730が互いに係止している部分へのアクセスが阻止され、係止の解除もできないので、第1ボックス200と第2ボックス300の結合を不正に解除することができない。
【0215】
とくに、ロック片745は弾性変形してその爪746が封印キャップ800の係止壁828と係止し、アッパブラケット630は縦壁640を備えて、第1ボックス200と第2ボックス300が結合した状態において縦壁640がロック片745に当接するようになっているので、第1ボックス200と第2ボックス300の結合後はロック片745の弾性変形が規制されて、爪746と係止壁828の係止が解除不可となり、封印キャップ800が取外せなくなる。
【0216】
封印キャップ800にはさらに係止穴831を有する横壁830を備え、ロアブラケット730には爪736を有するガイドベース733を備えて、第1ボックス200と第2ボックス300の結合完了位置までの間に横壁830が弾性変形してその係止穴831が爪736と係止する。そして、第1ボックス200と第2ボックス300が結合した状態において横壁830は縦壁640およびロック片745の各下縁とガイドベース733との間に挟まれて弾性変形が規制され、係止穴831と爪736の係止が解除不可となり、これによっても封印キャップ800が取外せなくなる。
【0217】
そして、封印キャップ800の係止穴831は第1ボックス200と第2ボックス300の重ね合わせ方向からガイドベース733の爪736と係止し、係止壁828は重ね合わせ方向に対して垂直な方向からロック片745の爪746と係止するので、片方の係止を外すような外力を加えても他方の係止は外れないので、封印キャップ800の組み付け状態が確実に保持される。
【0218】
第1ボックス200と第2ボックス300は互いにスライド方向に移動させて結合し、封印キャップ800はスライド方向からロアブラケット730に被せて保持されるため、その後の第1ボックス200と第2ボックス300の結合作業が容易となる。
また、スライドによる結合のため、封印キャップ800内におけるアッパブラケット630およびロアブラケット730との間隙を小さくすることが可能で、コンパクトでガタのない封印構造が得られる。
【0219】
第1ボックス200と第2ボックス300を結合した後には、封印キャップ800の穴815に硬化樹脂が充填され、アッパブラケット630およびロアブラケット730と接着されるので、封印構造がさらに強固に保持される。
そして、封印キャップ800の穴815には切欠き819を有し相互間に間隙を形成した細い桟818による脆弱部が形成されているので、充填された硬化樹脂を削り取るなどの不正が行われたときは脆弱部も同時に損傷を受けて確実に痕跡が残る。
【0220】
第1ボックス200とアッパブラケット230は連結部228Aで接続し、第2ボックス300とロアブラケット730は連結部328A、329Aで接続しているので、これらを適宜切断することにより第1ボックス200と第2ボックス300の結合を容易に解除可能であるが、切断した痕が残るので、不正に解除した場合にはその発見が容易である。
【0221】
なお、封印キャップ800は、ブラケットカバー部810に接続して連結部228A、328A、329Aをカバーする連結部カバー部801を備えているので、連結部が直接外力を受けて偶発的に破損するおそれはない。
連結部カバー部801はブラケットカバー部810と一体に1部品の封印キャップ800として形成してあるので、部品点数が少なくて済む。
【0222】
また、第1ボックス200と第2ボックス300の結合状態において、連結部カバー部801がその開口周縁をカバー堤226A、324Aで囲まれて第1ボックス200および第2ボックス300と係止するようになっているので、封印キャップ800はブラケットカバー部810が被さったアッパブラケット630およびロアブラケット730に保持されるに加えて、連結部カバー部801の開口端側でもカバー堤226A、324Aの内側に嵌まり込んで保持され、ぐらつきのない取付け状態に維持される。
同じく、連結部カバー部801の開口部がカバー堤226A、324Aで囲まれていることによって、基板ボックス30の下端壁222、322と連結部カバー部801の隙間からカッターなどで連結部228A、328A、329Aを切断するような不正行為も防止される。
【0223】
さらに、ブラケットカバー部810と連結部カバー部801は切断可能なリブ808、809で接続されるとともに、連結部カバー部801の内壁面はブラケットカバー部810の外壁より大きく、かつ断面形状が整合しているので、リブ808、809を切断する前はブラケットカバー部810と連結部カバー部801の隙間から連結部228A等に不正にアクセスすることが困難である一方、第1ボックス200と第2ボックス300の結合を正規に解除する場合には、リブ808、809を切断して連結部カバー部801をブラケットカバー部810から分離し、ブラケットカバー部810の外側をスライドして取外すことにより、簡単に連結部228Aあるいは328A、329Aにアクセスすることができる。
【0224】
実施の形態における封印部として、第1の実施例の第1、第3封印部34、38では基板ボックスを形成する第1ボックスと第2ボックスの結合状態を封印し、第2封印部36では基板ボックスと台座装置(可動ベース部)間を封印する例について示し、第2、第3の実施例では基板ボックスを形成する第1ボックスと第2ボックスの結合状態を封印する例について示したが、これに限定されず、封印部の数や組み合わせは任意である。
【0225】
なお、実施の形態では封印部を基板ボックスの下端部に設定したものとしたが、封印部の位置は基板ボックスの上部や側部でもよい。
また、封印ピンの封印部への挿入方向も、基板ボックスにおける前後方向とした各実施例に限らず、左右方向や上下方向としてもよい。
あるいはまた基板ボックスにおける主基板23と配線コネクタの接続部に対する封印等にも適用することができるとともに、さらには、封印対象としては基板ボックスに限定されず、結合状態を封印する必要のある任意の構造体に適用可能である。
【0226】
さらに、実施の形態は遊技機としてスロットマシンに適用した例を示したが、本発明はこれに限定されず、異なるタイプの遊技機、具体的には遊技媒体として遊技球を用いる弾球式の遊技機、いわゆるパチンコ機等に適用してもよい。例えば、特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機として実施するようにしてもよい。
また、弾球式でない遊技機、例えば、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部および取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機として実施するようにしてもよい。
【0227】
以下、上述した実施の形態から抽出される発明の特長を、必要に応じて効果等とともに示す。
(1)第1部材と第2部材を結合してなる構造体を配設した遊技機において、
第1部材および第2部材にそれぞれ設けられ第1部材と第2部材の結合位置において互いに連結する第1封印形成部および第2封印形成部と、
第1部材と第2部材の結合状態において前記第1封印形成部および第2封印形成部をカバーするカバー部材とを有し、
該カバー部材には封印連結部を備え、
前記第1封印形成部および第2封印形成部の少なくとも一方には封印係止部を備え、
第1部材と第2部材の結合途中において前記カバー部材を前記第1封印形成部および第2封印形成部の少なくとも一方に被せたあと、第1部材と第2部材の結合完了位置までの間に前記封印連結部が前記封印係止部により抜け阻止される位置関係となるように構成されて、
第1部材と第2部材の結合状態において前記カバー部材を取外し不能とした封印構造を形成していることを特徴とする遊技機。
第1部材と第2部材が結合したあとでは、カバー部材が取外しできない状態となるので、第1封印形成部と第2封印形成部の連結部分へのアクセスが阻止され、連結の解除ができないので、第1部材と第2部材の結合を不正に解除することができない。
【0228】
(2)前記第1封印形成部と第2封印形成部の間に、第1部材と第2部材の結合途中における前記封印係止部の移動経路上に前記カバー部材の封印連結部が進入可能な受容空間が形成されるよう構成されて、
結合途中に前記受容空間に進入させた前記封印連結部が、その後の前記封印係止部の移動により当該封印係止部と係止して前記受容空間から離脱不可となるようにすることを特徴とする(1)に記載の遊技機。
封印連結部が受容空間から抜けなくなるので、カバー部材が取外しできない状態となる。
(3)前記封印連結部は、前記受容空間に進入する部位に連結穴を有し、
前記封印係止部が前記連結穴を貫通して係止することを特徴とする(2)に記載の遊技機。
(4)前記封印連結部は、前記受容空間に進入する部位に拡大頭部を有し、
前記封印係止部が前記拡大頭部の前記受容空間からの抜け側に係止することを特徴とする(2)に記載の遊技機。
【0229】
(5)前記カバー部材の封印連結部をカバー部材の本体部に対して変位可能に設け、
前記封印連結部が前記受容空間に進入する過程で前記第1封印形成部または第2封印形成部の当該封印連結部と干渉する部位を封印連結部の変位で回避可能としたことを特徴とする(2)から(4)のいずれか1に記載の遊技機。
第1封印形成部や第2封印形成部に封印連結部と干渉する部位があっても回避して封印連結部を受容空間に位置させることができるので、封印構造の設計の自由度が向上する。
(6)前記封印連結部は前記カバー部材の本体部に弾性部を介して支持され、
封印連結部と前記第1封印形成部または第2封印形成部との干渉部位は互いに滑り可能に構成され、前記封印連結部がその姿勢変化で干渉部位を乗り越えて前記受容空間に進入するようにしたことを特徴とする(5)に記載の遊技機。
封印連結部を手で変位させなくても容易に受容空間に位置させることができる。
【0230】
(7)前記受容空間に進入した前記封印連結部が前記第1封印形成部または第2封印形成部に保持されることを特徴とする(2)から(6)のいずれか1に記載の遊技機。
第1部材と第2部材の結合途中で封印連結部が保持されることにより、その後の第1部材と第2部材の結合作業が容易となる。
【0231】
(8)前記第1封印形成部および第2封印形成部の一方には封印係止部を備え、
第1部材と第2部材の結合途中において前記カバー部材を前記第1封印形成部および第2封印形成部の少なくとも一方に被せたあと、前記封印係止部が前記封印連結部と係止するよう構成し、
前記第1封印形成部および第2封印形成部の前記封印係止部を備えない他方には取外し規制部を備えて、
第1部材と第2部材の結合状態において、前記取外し規制部が前記封印係止部と封印連結部の係止の解除を規制して、前記カバー部材を取外し不能とした封印構造を形成することを特徴とする(1)に記載の遊技機。
第1部材と第2部材の結合状態において取外し規制部が封印係止部と封印連結部の係止の解除を規制するから、当該第1部材と第2部材の結合状態を解除することができない。
(9)前記封印係止部は、前記第1部材と第2部材の結合完了位置までの間に弾性変形して前記封印連結部と係止し、
前記取外し規制部は、第1部材と第2部材の結合状態において、前記封印係止部の弾性変形を規制するように構成されていることを特徴とする(8)に記載の遊技機。
取外し規制部が封印係止部の弾性変形を規制するから、弾性変形による係止封印連結部と封印係止部の係止が解除不可となり、カバー部材が確実に第2封印形成部に保持される結果、取外せなくなる。
【0232】
(10)前記カバー部材は、第1封印連結部と第2封印連結部を備え、
前記封印係止部は、前記第2封印形成部に備えられた第1封印係止部と第2封印係止部とからなり、
前記第1封印係止部は弾性変形して第1封印連結部と係止し、前記第2封印連結部は弾性変形して第2封印係止部と係止するよう構成し、
前記第1封印形成部は、第1取外し規制部と第2取外し規制部を備えて、
第1部材と第2部材の結合状態において、前記第1取外し規制部が前記第1封印係止部の弾性変形を規制し、前記第2取外し規制部が前記第2封印連結部の弾性変形を規制するように構成されていることを特徴とする(1)に記載の遊技機。
カバー部材が第1封印連結部と第1封印係止部との係止、および第2封印連結部と第2封印係止部との係止によって第2封印形成部に保持され、それぞれ第1取外し規制部、第2取外し規制部によって弾性変形が規制されるので、カバー部材が一層確実に取外せなくなる。
【0233】
(11)前記第2封印形成部の第1封印係止部は前記カバー部材の前記第1封印連結部に第1の方向から係止し、前記第2封印係止部は前記カバー部材の前記第2封印連結部に第1の方向とは異なる第2の方向から係止するように構成されていることを特徴とする(10)に記載の遊技機。
第1封印連結部と第1封印係止部の係止と、第2封印連結部と第2封印係止部の係止の方向が互いに異なるので、片方の係止を外すような外力を加えても他方の係止は外れず、カバー部材の組み付け状態が確実に保持される。
【0234】
(12)前記第1封印形成部が主板を有して、該主板が前記第2取外し規制部をなし、第1取外し規制部が前記主板に沿って前記カバー部材の組み付け方向に延びた縦壁であり、
前記第2封印形成部の第1封印係止部が前記縦壁と同方向に延び、前記主板と平行な面内で弾性変形可能なロック片の先端に当該先端の変位方向と平行な係止面を有する爪を備えたものであり、第2封印係止部が前記主板と平行に延びたガイドベースの上面に形成され、当該上面および前記カバー部材の組み付け方向に対して垂直な係止面を有する爪であり、
前記カバー部材の第1封印連結部が前記第2封印形成部への組み付け方向に対して垂直で前記ロック片の爪と係止可能な係止壁であり、第2封印連結部が前記ガイドベースの上面と平行に組み付け方向に延びた横壁に形成されて前記前記ガイドベースの上面の爪と係止可能な係止穴であることを特徴とする(10)または(11)に記載の遊技機。
【0235】
(13)前記第1封印形成部の前記縦壁と前記第2封印形成部の前記ロック片の互いに対向する面の一方には第1結合連結部を備え、他方には第2結合連結部を備えて、
第1部材と第2部材の結合状態において前記第1結合連結部と前記第2結合連結部とが爪係止構造を形成することを特徴とする(12)に記載の遊技機。
爪係止構造の形成によって結合状態から第1封印形成部を抜くことができなくなるとともに、第1封印形成部と第2封印形成部間の爪係止構造が第1取外し規制部と第1封印係止部を兼用して形成されるので、構成が簡単となる。
(14)前記第1結合連結部が第1部材と第2部材の重ね合わせ方向と平行に延びる突条であり、
前記第2結合連結部が前記突条を受容する凹部であることを特徴とする(13)に記載の遊技機。
【0236】
(15)前記カバー部材は、前記第1封印形成部の主板と面接する上壁を有し、
該上壁に形成した穴に複数の桟を設けて、
前記主板が、第1部材と第2部材の結合状態において、前記桟の1つと係止する爪を備えており、
前記カバー部材の穴に硬化樹脂を充填して第1部材と第2部材の結合状態が封印されることを特徴とする(13)または(14)に記載の遊技機。
桟と爪の係止を不正に解除する目的で充填された硬化樹脂を削り取るなどの行為が行われたときは桟が脆弱なため同時に損傷を受けて確実に痕跡が残る。
(16)前記第1封印形成部の主板には、該主板と前記第2封印形成部との対向面間に前記硬化樹脂を導く貫通孔が前記桟間の間隙に臨んで設けられていることを特徴とする(15)に記載の遊技機。
カバー部材と第1封印形成部の間に加え、第2封印形成部とも接着状態となり封印が強固となる。
【0237】
(17)第1部材と第2部材は互いに重ね合わせ面に平行なスライド方向に移動させて結合するものであり、前記カバー部材は前記スライド方向から前記第1封印形成部および第2封印形成部に被せるものであることを特徴とする(1)から(16)のいずれか1に記載の遊技機。
カバー部材内における第1封印形成部および第2封印形成部との間隙を小さくすることが可能で、コンパクトでガタのない封印構造が得られる。
【0238】
(18)第1部材と前記第1封印形成部および第2部材と前記第2封印形成部の少なくとも一方は連結部を介して接続しており、該連結部を切断することにより第1部材と第2部材の結合を解除可能としたことを特徴とする(1)から(17)のいずれか1に記載の遊技機。
連結部を切断することにより第1部材と第2部材の結合を簡単に解除することができるとともに、切断した痕が残るので、不正に解除した場合にはその発見が容易である。
(19)前記カバー部材は、前記第1封印形成部および第2封印形成部に被せられる封印形成部カバー部に接続して前記連結部をカバーする連結部カバー部を備えることを特徴とする(18)に記載の遊技機。
連結部カバー部に覆われることにより、連結部が偶発的な破損から保護される。
【0239】
(20)第1部材と第2部材は互いに重ね合わせ面に平行なスライド方向に移動させて結合するものであり、前記カバー部材は前記スライド方向から前記第1封印形成部および第2封印形成部に被せるものであり、
前記カバー部材の桟は前記スライド方向を横切る方向に設けられ、
第1部材と第2部材の結合に至るまでの間に前記主板の爪が横切る桟には、前記主板の爪の通過を許す切欠きが設けられ、
前記主板上には第1部材と第2部材の結合状態において、前記桟に設けられた切欠きを埋める突部が備えられていることを特徴とする(15)または(16)に記載の遊技機。
カバー部材と第1封印形成部の組み付けが容易になるとともに、硬化樹脂が多量に充填されるのが防止される。
【0240】
(21)第1部材と第2部材を結合してなる構造体を配設した遊技機において、
第1部材および第2部材にそれぞれ連結部を介して接続して第1部材と第2部材の結合位置において互いに連結する第1封印形成部および第2封印形成部と、第1部材と第2部材の結合状態において前記第1封印形成部および第2封印形成部に被せられる封印形成部カバー部とを備える封印構造を形成し、
さらに前記連結部をカバーする連結部カバー部を有することを特徴とする遊技機。
連結部を切断することにより第1部材と第2部材の結合を簡単に解除することができるとともに、切断した痕が残るので、不正に解除した場合にはその発見が容易である。そして、連結部は連結部カバー部に覆われることにより、偶発的な破損から保護される。
【0241】
(22)前記封印形成部カバー部と連結部カバー部は易切断部を介して一体のカバー部材として形成されていることを特徴とする(21)に記載の遊技機。
封印形成部カバー部と連結部カバー部が1部品となっているので、部品点数が低減される。
第1部材と第2部材の結合を解除する場合には、易切断部を切断することにより封印形成部カバー部から分離して連結部カバー部のみを除去することができる。
(23)前記連結部カバー部は筒状であり、前記封印形成部カバー部の外側を通過可能にその内壁面が当該封印形成部カバー部の外壁より大きく形成されていることを特徴とする(22)に記載の遊技機。
連結部カバー部を封印形成部カバー部の外側をスライドさせて取外すことにより、封印形成部カバー部を残したまま簡単に連結部にアクセスすることができる。
(24)前記連結部カバー部はその内壁面の断面形状が前記封印形成部カバー部の外壁の断面形状と整合していることを特徴とする(23)に記載の遊技機。
易切断部の切断前は、連結部カバー部と封印形成部カバー部間の隙間からも連結部への不正なアクセスが困難である。
【0242】
(25)第1部材と第2部材の結合状態において、前記連結部カバー部が第1部材または第2部材と係止することを特徴とする(21)から(24)のいずれか1に記載の遊技機。
カバー部材がその封印形成部カバー部において第1封印形成部および第2封印形成部に保持されるに加えて、連結部カバー部と第1部材または第2部材との係止によっても保持されるので、カバー部材のぐらつきのない取付状態が維持される。
(26)第1部材および第2部材に前記連結部カバー部の開口周縁に対応する囲み部が形成されて、前記連結部カバー部は前記囲み部に嵌まり込んで第1部材および第2部材と係止することを特徴とする(25)に記載の遊技機。
連結部カバー部が囲み部に嵌まり込むことにより係止状態がとくに確実なものとなる。
さらに、第1部材および第2部材と連結部カバー部の隙間からカッターなどで連結部を切断するような不正行為も防止される。
【0243】
(27)第1部材と第2部材を結合してなる構造体を配設した遊技機において、
第1部材および第2部材にそれぞれ設けられ第1部材と第2部材の結合位置において互いに連結する第1封印形成部および第2封印形成部と、
該第1封印形成部および第2封印形成部をカバーするカバー部材とを有し、
該カバー部材には本体部に対して変位可能な封印連結部を備え、
前記第1封印形成部および第2封印形成部の少なくとも一方には封印係止部を備え、
第1部材と第2部材の結合途中において前記カバー部材を前記第1封印形成部および第2封印形成部の少なくとも一方に被せたあと、第1部材と第2部材の結合完了位置までの間に前記封印連結部が前記封印係止部により抜け阻止される位置関係となるよう構成され、
結合完了位置において前記カバー部材の本体部と封印連結部の間に硬化樹脂を充填して第1部材と第2部材の結合状態が封印され、
前記結合完了位置までの封印連結部と封印係止部の相対移動に伴って前記封印連結部が変位して、前記硬化樹脂の充填空間が増大することを特徴とする遊技機。
封印係止部により抜け阻止されるとともに充填空間を増大させた封印連結部を硬化樹脂で固定するので、封印構造が強固に保持される。
【0244】
(28)前記封印連結部が前記カバー部材の本体部に弾性部を介して支持され、
前記カバー部材装着の際の前記封印係止部と封印連結部の相対移動時に当該封印係止部と封印連結部のいずれかに形成した傾斜面に案内されて封印連結部が変位するものであることを特徴とする(27)に記載の遊技機。
硬化樹脂の充填空間を増大させるため封印連結部を手で押すなどしなくてもカバー部材装着の際に自動的に変位する。
(29)前記封印連結部は前記カバー部材の本体部の壁面に沿った板状部を備えて、該板状部が前記壁面に形成した穴内に位置し、前記弾性部は穴縁に沿って配されて一端が穴縁に他端が板状部に接続していることを特徴とする(28)に記載の遊技機。
弾性部は穴縁に沿っているので細長い形状となり、とくに弾性変形しやすい特性のものが形成できるので、封印連結部の姿勢変化や変位の高い自由度が得られる。
【0245】
(30)前記封印連結部の板状部には脆弱部が形成されていることを特徴とする(29)に記載の遊技機。
充填された硬化樹脂を削り取るなどの不正が行われたときに脆弱部も同時に損傷を受け易いので、確実に痕跡が残る。
(31)前記封印連結部の板状部が位置する前記本体部の穴の基本形状を円形としたことを特徴とする(29)または(30)に記載の遊技機。
穴に充填される硬化樹脂が均一に隅々まで行き渡るので、確実な充填ができ、安定した封印状態が得られる。
【0246】
(32)前記第1封印形成部と第2封印形成部が第1部材と第2部材の結合途中において所定の組み合わせ形態となって前記カバー部材を被せ可能となり、
第1部材と第2部材の結合完了位置までの間に前記第1封印形成部と第2封印形成部の組み合わせ形態が変化してその封印係止部がカバー部材の前記封印連結部と係止し、前記カバー部材が前記第1封印形成部および第2封印形成部から抜けなくなるものであることを特徴とする(1)に記載の遊技機。
封印連結部が封印係止部と係止することによりカバー部材が取外しできない状態となる。
【0247】
(33)前記第1封印形成部の封印係止部は第2部材側へ延び、前記第2封印形成部の封印係止部は第1部材側へ延びており、
前記所定の組み合わせ形態は、前記第1封印形成部および第2封印形成部を包絡する輪郭が前記カバー部材を通過可能な状態であり、
前記第1部材と第2部材の結合途中で第1封印形成部および第2封印形成部がすべて前記カバー部材内に収容され、
第1部材と第2部材の結合状態において、前記封印係止部が前記所定の組み合わせ形態における前記輪郭よりも張り出して前記封印連結部と係止することを特徴とする(32)に記載の遊技機。
結合状態において封印係止部等はカバー部材内にあるので不正に切断などして封印連結部との係止を解除することもできない。
(34)前記カバー部材は、頭部と、頭部の底壁に接続して内部空間が連通する筒部とからなり、該筒部から前記第1封印形成部および第2封印形成部に被せるものであり、
前記封印連結部が前記底壁であることを特徴とする(33)に記載の遊技機。
簡単なカバー部材の構成の一部がそのまま封印連結部として機能するので、別途の封印連結部を設ける必要がない。
【0248】
(35)前記第1封印形成部は第1連結係止部を備え、第2封印形成部は第2連結係止部を備えて、前記第1封印形成部と第2封印形成部は前記第1連結係止部と第2連結係止部が互いに係止することにより第1部材と第2部材の結合位置において連結するものであり、
前記第1封印形成部の封印係止部と第1連結係止部は互いに独立して設けられ、前記第2封印形成部の封印係止部と第2連結係止部は互いに独立して設けられていることを特徴とする(32)から(34)のいずれか1に記載の遊技機。
カバー部材を強引に取り外そうとする外力が作用して封印係止部が撓んだりしても、第1連結係止部や第2連結係止部が連動して変形し互いの係止が外れてしまう状態になるおそれがない。
【0249】
(36)前記第1封印形成部は第1連結係止部を備え、第2封印形成部は第2連結係止部を備えて、前記第1封印形成部と第2封印形成部は前記第1連結係止部と第2連結係止部が互いに係止することにより第1部材と第2部材の結合位置において連結するものであり、
前記第1封印形成部の封印係止部と第1連結係止部は兼用部材として設けられ、前記第2封印形成部の封印係止部と第2連結係止部は兼用部材として設けられていることを特徴とする(32)から(34)のいずれか1に記載の遊技機。
第1、第2封印形成部の封印係止部と連結係止部がそれぞれ兼用の1部材となっているので、これらに被せるカバー部材のサイズを小さくすることができる。
【0250】
(37)第1部材と第2部材は前記第1封印形成部と第2封印形成部を対向方向に移動させて結合するものであり、前記カバー部材は前記第1封印形成部と第2封印形成部の対向方向を横切る方向から当該第1封印形成部および第2封印形成部に被せるものであることを特徴とする(1)、(32)から(36)のいずれか1に記載の遊技機。
なお、「第1封印形成部と第2封印形成部を対向方向に移動させて結合する」とは、第1部材と第2部材を真正面から重ねて結合する場合だけでなく、一端側をヒンジにして他端側を開口状態から閉じて結合する場合を含むものである。
【0251】
(38)前記(1)から(37)の遊技機のいずれかにおいて、当該遊技機がパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機。なかでも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(または作動口を通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
【0252】
(39)前記(1)から(37)の遊技機のいずれかにおいて、当該遊技機がスロットマシンであることを特徴とする遊技機。なかでも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
【0253】
(40)前記(1)から(37)の遊技機のいずれかにおいて、当該遊技機がパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機。なかでも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用するとともに、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
【0254】
前述の第1の実施例においては、基板ボックス30が発明における構造体に該当し、第1ボックス200が第1部材に、そして第2ボックス300が第2部材に該当する。アッパブラケット230が第1封印形成部に、ロアブラケット330が第2封印形成部に、爪242が封印係止部に該当する。
また、封印キャップ500がカバー部材に該当し、キャップ本体の上壁512に形成したプレート保持穴518がカバー部材の本体部の壁面に形成した穴に該当する。
遊動プレート520が封印連結部に該当し、その本体プレート部520aが板状部に該当し、支持片528と折り返し片528aが弾性部を形成している。
なお、封印キャップ500において、遊動プレート520と支持片528および折り返し片528aを除くキャップ本体がカバー部材の本体部に相当する。
また、遊動プレートのキャッチャ523が収まる空間S1が受容空間にあたる。そして、縦壁524の矩形穴525が連結穴に該当する。
ブラケットカバー部510が封印形成部カバー部に該当し、リブ508が易切断部に、そしてカバー堤226、324が囲み部に該当する。
本体プレート部520aのスリット521および切欠き522が形成された部分が脆弱部となる。
【0255】
第1の実施例の変形例においては、アッパブラケット230’が第1封印形成部に該当し、その係止突起245が係止部に該当する。
そして、拡大頭部530を有する遊動プレート520’が封印連結部に該当する。
その他は第1の実施例におけると同じである。
【0256】
第2の実施例においては、基板ボックス30Aが発明における構造体に該当し、第1ボックス200Aが第1部材に、そして第2ボックス300Aが第2部材に該当する。
封印形成部280が第1封印形成部に該当し、封印形成部380が第2封印形成部に該当する。封印キャップ550がカバー部材に該当している。
とくに封印キャップ550の底壁558が封印連結部に該当し、第1係止部281の係止ロッド283と第2係止部381の係止ロッド383とが封印係止部に該当する。また、封印形成部280の係止板285が第1連結係止部に該当し、封印形成部380のフック部385が第2連結係止部に該当する。
【0257】
第2の実施例の変形例においては、封印形成部280Bが第1封印形成部に該当し、封印形成部380Bが第2封印形成部に該当する。
そして、封印形成部280Bにおける係止ロッド283Bの爪287部分が第1連結係止部として機能し、係止ロッド283Bの先端部分が封印係止部として機能する。また、封印形成部380Bにおける係止ロッド383が封印係止部として機能し、係止穴392を備えた脚部382Bが第2連結係止部として機能している。
その他は第2の実施例におけると同じである。
【0258】
第3の実施例においては、第1ボックス200が第1部材に、そして第2ボックス300が第2部材に該当する。アッパブラケット630が第1封印形成部に、ロアブラケット730が第2封印形成部に、封印キャップ800がカバー部材に
該当する。
封印キャップ800の係止壁828が封印連結部(第1封印連結部)に、係止穴831を有する横壁830が第2封印連結部に該当し、ロアブラケット730の爪746を有するロック片745が封印係止部(第1封印係止部)に、爪736を有するガイドベース733が第2封印係止部に該当する。そして、ロック片745に当接するアッパブラケット630の縦壁640が取外し規制部(第1取外し規制部)に、それぞれの下縁がガイドベース733に対向する縦壁640およびロック片745は第2取外し規制部に該当する。
ブラケットカバー部810が封印形成部カバー部に該当し、リブ808、809が易切断部に、そしてカバー堤226A、324Aが囲み部に該当する。
縦壁640の突ブロック642が第1結合連結部に、ロック片745の凹部748が第2結合連結部に該当して、突ブロック642の係止面642aが凹部748の後縁部748aに係止する構成が爪係止構造に該当する。
主板上631上面の爪634が桟と係止する爪に該当し、矩形孔638が貫通孔に該当する。