(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記印刷条件が両面印刷である場合に、前記印刷範囲指定ファイルで指定された範囲が、奇数ページから始まり、偶数ページで終わるように設定されているか判断する判断手段
を更に備え、
前記補正手段は、前記判断手段により前記印刷範囲指定ファイルで指定された範囲が、奇数ページから始まり、偶数ページで終わるように設定されていないと判断された場合に、前記印刷範囲を設定よりも1ページ小さいページに補正すること
を特徴とする請求項1に記載の印刷制御装置。
前記特定手段は、前記抽出された文字列と、前記印刷範囲指定ファイルを識別する文字列のうち拡張子を除いた文字列が一致する印刷範囲指定ファイルを前記文字列とファイル名が一致するファイルとして特定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の印刷制御装置。
前記処理対象となる印刷データは、スプーラに蓄積されている印刷データであり、複数の印刷データが蓄積されている場合、前記抽出手段は、それぞれの印刷データの印刷データ名から前記文字列をそれぞれ抽出することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の印刷制御装置。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。
【0014】
図1は、本発明実施の形態における印刷システムを示す図である。
【0015】
印刷制御装置101(情報処理装置)、印刷装置102、ホスト103、運用者端末104がネットワーク105を介して通信可能に接続されている。
【0016】
印刷制御装置101は、ホスト103から印刷データや各種登録データを受け取ると共に、当該データを用いて、印刷装置に印刷処理を実行させるための制御をする端末である。プリンタオペレータが、印刷制御装置101を操作して、印刷装置に対して、印刷指示を実行したり、再印刷処理の実行を指示したりする。
【0017】
印刷装置102は、印刷データの印刷処理を実行する装置である。印刷データは、ホスト103などから出力されるものであり、印刷制御装置101からの印刷指示に従って印刷データの印刷処理を行う。
【0018】
ホスト103は、印刷データや各種登録データを出力する上位装置である。また、本発明の実施の形態では、再印刷を行う印刷範囲を指定した印刷範囲指定ファイル(例えば、CSV形式のファイルがあるが、ファイル形式は何でもよい。)の出力も行う。各種ファイルは、直接または運用者端末104を介して、印刷制御装置101へ送信される。
【0019】
運用者端末104は、印刷システムの運用者が操作する端末であり、ホスト103から出力される印刷データなどの各種電子データを印刷制御装置へ転送させる処理等を行う。
【0020】
ネットワーク105は、イントラネット、インターネット等の通信回線である。
【0021】
次に、
図2を用いて、
図1に示した印刷制御装置101のハードウェア構成について説明する。
【0022】
図2は、印刷制御装置101に適用可能な情報処理装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。なお、ホスト103および運用者端末104においても適用可能である。
【0023】
CPU201は、システムバス204に接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。
【0024】
図2に示すように、印刷制御装置は、システムバス204を介してCPU(CentralProcessing
Unit)201、RAM(Random Access Memory)203、ROM(Read Only Memory)202、入力コントローラ205、ビデオコントローラ206、メモリコントローラ207、通信I/Fコントローラ208等が接続された構成を採る。CPU201は、システムバス204に接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。
【0025】
また、ROM202あるいは外部メモリ211には、CPU201の制御プログラムであるBIOS(BASICINPUT
/ OUTPUT SYSTEM)やオペレーティングシステムプログラム(以下、OS)や、各コンピュータが実行する機能を実現するために必要な後述する各種プログラム等が記憶されている(例えば、印刷プログラム)。また、本発明を実施するために必要な情報が外部メモリ211に記憶されている。なお外部メモリ211はデータベースであってもよい。
【0026】
RAM203は、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。CPU201は、処理の実行に際して必要なプログラム等をRAM203にロードして、ロードしたプログラムを実行することで各種動作を実現するものである。
【0027】
また、入力コントローラ(入力C)205は、入力装置209からの入力を制御する。なお、入力装置は、マウス等のポインティングデバイスでもキーボードでもいずれの入力装置であってもよい。
【0028】
ビデオコントローラ(VC)206は、ディスプレイ210等の表示器への表示を制御する。なお、表示器は液晶ディスプレイでもCRTディスプレイでもいずれの表示器でも構わない。これらは必要に応じてユーザが使用するものである。
【0029】
メモリコントローラ(MC)207は、ブートプログラム、ブラウザソフトウエア、各種のアプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル、編集ファイル、各種データ等を記憶するハードディスク(HD)やフロッピー(登録商標)ディスク(FD)或いはPCMCIAカードスロットにアダプタを介して接続されるコンパクトフラッシュ(登録商標)等の外部メモリ211へのアクセスを制御する。
【0030】
通信I/Fコントローラ(通信I/FC)208は、ネットワーク(例えば、
図1に示したLAN104)を介して、外部機器と接続・通信するものであり、ネットワークでの通信制御処理を実行する。例えば、TCP/IPを用いたインターネット通信等が可能である。
【0031】
なお、CPU201は、例えばRAM203内の表示情報用領域へアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行することにより、ディスプレイ210上での表示を可能としている。また、CPU201は、ディスプレイ210上に各種操作画面およびマウスカーソル等(不図示)を表示しユーザ指示を可能とする。
【0032】
なお、後述する各処理を実現するためのプログラムは、例えば外部メモリ211に記録されており、必要に応じてRAM203にロードされることによりCPU201によって実行されるものである。さらに、上記プログラムの実行時に用いられる定義ファイルおよび各種情報テーブル等も、外部メモリ211に格納されており、これらについての詳細な説明についても後述する。
【0033】
次に、
図3を用いて、
図1に示した印刷装置102のハードウェア構成について説明する。印刷装置には、SFP(単機能プリンタ)、MFP(複合機)、高速プリンタなどが含まれるが、ここでは、一例として、MFPの場合のハードウェア構成について説明している。
【0034】
図3は、
図1に示した印刷装置102のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0035】
図3において、316はコントローラユニットで、画像入力デバイスとして機能するスキャナ314や、画像出力デバイスとして機能するプリンタ部312と接続する一方、LAN(例えば、
図1に示したLAN104)や公衆回線(WAN)(例えば、PSTNまたはISDN等)と接続することで、画像データやデバイス情報の入出力を行う。
【0036】
コントローラユニット316において、301はCPUで、システム全体を制御するプロセッサである。302はRAMで、CPU301が動作するためのシステムワークメモリであり、プログラムを記録するためのプログラムメモリや、画像データを一時記録するための画像メモリでもある。
【0037】
303はROMで、システムのブートプログラムや各種制御プログラムが格納されている。304はハードディスクドライブ(HDD)で、システムを制御するための各種プログラム、画像データ等を格納する。
【0038】
307は操作部インタフェース(操作部I/F)で、操作部(キーボード等)308とのインタフェース部である。また、操作部I/F307は、操作部308から入力したキー情報(例えば、スタートボタンの押下)をCPU301に伝える役割をする。また、ファックス送信するための送信先のファックス番号の入力を操作部308から行うことができる。
【0039】
305はネットワークインタフェース(NetworkI/F)で、ネットワーク(LAN)500に接続し、データの入出力を行う。306はモデム(MODEM)で、公衆回線に接続し、FAXの送受信等のデータの入出力を行う。
【0040】
318は外部インタフェース(外部I/F)で、USB、IEEE1394、プリンタポート、RS−232C等の外部入力を受け付けるI/F部であり、本実施形態においては認証で必要となる携帯端末のICカード(記憶媒体)の読み取り用のカードリーダ319が外部I/F部318に接続されている。そして、CPU301は、この外部I/F318を介してカードリーダ319による携帯端末のICカードからの情報読み取りを制御し、該携帯端末のICカードから読み取られた情報を取得可能である。以上のデバイスがシステムバス309上に配置される。
【0041】
320はイメージバスインタフェース(IMAGEBUS
I/F)であり、システムバス309と画像データを高速で転送する画像バス315とを接続し、データ構造を変換するバスブリッジである。画像バス315は、PCIバスまたはIEEE1394で構成される。画像バス315上には以下のデバイスが配置される。
【0042】
310はラスタイメージプロセッサ(RIP)で、例えば、PDLコード等のベクトルデータをビットマップイメージに展開する。311はプリンタインタフェース(プリンタI/F)で、プリンタ部312とコントローラユニット316を接続し、画像データの同期系/非同期系の変換を行う。また、313はスキャナインタフェース(スキャナI/F)で、スキャナ314とコントローラユニット316を接続し、画像データの同期系/非同期系の変換を行う。
【0043】
317は画像処理部で、入力画像データに対し補正、加工、編集を行ったり、プリント出力画像データに対して、プリンタの補正、解像度変換等を行う。また、これに加えて、画像処理部317は、画像データの回転や、多値画像データに対してはJPEG、2値画像データはJBIG、MMR、MH等の圧縮伸張処理を行う。
【0044】
スキャナ部314は、原稿となる紙上の画像を照明し、CCDラインセンサで走査することで、ラスタイメージデータとして電気信号に変換する。原稿用紙は原稿フィーダのトレイにセットし、装置使用者が操作部308から読み取り起動指示することにより、CPU301がスキャナ314に指示を与え、フィーダは原稿用紙を1枚ずつフィードし原稿画像の読み取り動作を行う。
【0045】
プリンタ部312は、ラスタイメージデータを用紙上の画像に変換する部分であり、その方式は感光体ドラムや感光体ベルトを用いた電子写真方式、微少ノズルアレイからインクを吐出して用紙上に直接画像を印字するインクジェット方式等があるが、どの方式でも構わない。プリント動作の起動は、CPU301からの指示によって開始する。なお、プリンタ部312には、異なる用紙サイズまたは異なる用紙向きを選択できるように複数の給紙段を持ち、それに対応した用紙カセットがある。
【0046】
操作部308は、LCD表示部を有し、LCD上にタッチパネルシートが貼られており、システムの操作画面を表示するとともに、表示してあるキーが押されるとその位置情報を操作部I/F307を介してCPU301に伝える。また、操作部308は、各種操作キーとして、例えば、スタートキー、ストップキー、IDキー、リセットキー等を備える。
【0047】
尚、表示部はプリンタによって表示性能が異なり、タッチパネルを介して操作をできるプリンタ、単に液晶画面を備え文字列を表示(印刷状態や印刷している文書名の表示)させるだけのプリンタによって本発明は構成されている。
【0048】
ここで、操作部308のスタートキーは、原稿画像の読み取り動作を開始する時などに用いる。スタートキーの中央部には、緑と赤の2色LEDがあり、その色によってスタートキーが使える状態にあるかどうかを示す。また、操作部308のストップキーは、稼働中の動作を止める働きをする。また、操作部308のIDキーは、使用者のユーザIDを入力する時に用いる。リセットキーは、操作部からの設定を初期化する時に用いる。
【0049】
カードリーダ319は、CPU301からの制御により、携帯端末内に備えられたICカードに記憶されている情報を読み取り、該読み取った情報を外部I/F318を介してCPU301へ通知する。
【0050】
以上のような構成によって、印刷装置102は、スキャナ314から読み込んだ画像データをLAN104上に送信したり、LAN104から受信した印刷データをプリンタ部312により印刷出力することができる。また、印刷装置102は、スキャナ314から読み込んだ画像データをMODEM306から公衆回線網上にFAX送信したり、公衆回線網からFAX受信した画像データをプリンタ312で印刷出力したりすることができる。
【0051】
次に、
図4から
図11を用いて、本発明の実施の形態における具体的な処理の流れを説明する。
【0052】
図4は、本発明の実施の形態における全体の処理の流れを示すフローチャートである。
【0053】
なお、本実施の形態では、この処理は、印刷制御装置においてなされる処理として説明するが、これに限られるものではなく、印刷装置において実行されてもよい。
【0054】
ステップ401において、印刷制御装置は、各種ファイルを取得する。各種ファイルには、ホスト103から出力された印刷データや再印刷を行う印刷範囲を指定したファイル(本実施の形態では、CSV形式のファイル。)が含まれる。また、これらのファイルは、任意のタイミングで取得しているものとする。
【0055】
CSVファイルの一例を、
図7に示す。CSVファイル701は、11〜14ページ、105〜120ページ、1001〜1020ページ、2011〜2038ページを印刷することが定義されていることを示している。なお、印刷範囲を指定するファイルは、CSV形式のファイルに限られるものではなく、ページ範囲の指定が可能な形式であればよい。
【0056】
ステップ402において、印刷制御装置は、印刷プログラムを起動する。プリンタオペレータにより起動指示がなされることにより処理を実行する。表示装置には、起動後のメニュー画面を表示する。
【0057】
ステップ403において、印刷制御装置は、印刷範囲設定画面を表示する。プリンタオペレータにより印刷範囲設定画面を表示する要求がなされた場合に表示する。
【0058】
印刷範囲設定画面の一例を、
図8に示す。印刷範囲設定画面801には、印刷範囲を指定する欄(開始ページ、終了ページ)805〜808が含まれる。なお、従来は、プリンタオペレータが印刷範囲の指定をするためにこの欄に数値を直接入力する利用の形態となっていた。クリアボタン802は、印刷範囲欄に入力された数値をクリアするためのボタンである。自動ボタン803は、トグルボタンで、ボタンが押下される毎に「自動」と「手動」が切り替わる。「自動」が選択された状態で、印刷実行ボタン809が押下されると、印刷データに対応するCSVファイルが自動的に特定されることとなる。特定方法の詳細な処理は後述する。CSV読込みボタン804は、「自動」が選択されている場合、グレイアウト表示となり選択ができない状態となるが、「手動」が選択された場合に、選択可能な状態になる。このボタンを押下することで、プリンタオペレータは、CSVファイルを明示的に選択することができるようになる。
【0059】
ステップ404において、印刷制御装置は、印刷範囲を指定する処理を行う。具体的には、印刷制御装置にスプールされている印刷データを対象に、再印刷するページが定義されているCSVファイルを特定して印刷範囲をセットする処理である。
【0060】
詳細な処理の流れを、
図5を用いて説明する。
【0061】
図5は、本発明の実施の形態における印刷範囲を指定する処理の流れを示すフローチャートである。
【0062】
ステップ501において、印刷制御装置は、ファイル取込みの種別を判定する。「自動」の場合、ステップ502へ進み、「手動」の場合、ステップ510へ進む。具体的には、印刷範囲設定画面801で、プリンタオペレータにより、803ボタンが「自動」と表示されている状態で、印刷実行ボタン809が押下されるとステップ502へ進み、803ボタンが「手動」と表示されている状態で、CSV読取りボタン804が選択されるとステップ510へ進む。
【0063】
ステップ502において、印刷制御装置は、印刷データ名を取得する。なお、本発明の実施の形態では、印刷データ名は、拡張子を含む文字列をいうものとする。印刷データ名を取得する印刷データは、印刷制御装置のスプーラに蓄積されている処理待ちの印刷データが対象となる。スプーラのファイル一覧の一例を
図9に示す。スプーラ901には、処理待ちの印刷データが4件蓄積されていることを示している。複数の印刷データが蓄積されている場合は、順番に印刷データ名を取得することとなる。なお、スプーラに蓄積されている処理待ちの印刷データは、印刷制御装置101、ホスト103、運用者端末104などから予め投入されるものとする。
【0064】
ステップ503において、印刷制御装置は、印刷データ名の取得が成功したかを判定する。Yesの場合、ステップ504へ進み、Noの場合、ステップ509へ進み、エラーメッセージの表示をしてステップ501へ戻る。スプーラに処理待ちの印刷データがない場合は、Noとなる。
【0065】
ステップ504において、印刷制御装置は、印刷範囲指定ファイル(CSVファイル)を特定する処理を行う。
【0066】
詳細な処理の流れを、
図6を用いて説明する。
【0067】
図6は、本発明の実施の形態における印刷範囲指定ファイルを特定する処理の流れを示すフローチャートである。
【0068】
ステップ601において、印刷制御装置は、有効長を取得する。有効長とは、印刷データ名から印刷範囲指定ファイルを特定する際に、印刷データ名に含まれる文字列から何文字用いるかを決定するための数値(文字列の長さ)である。本実施の形態では、デフォルトを「255」とし、任意の数値を設定できるものとして説明する。なお、有効長の設定は、管理者などが予め設定するものである。
【0069】
図10は、有効長を用いる例である。ここでは、有効長がデフォルト設定(255)の場合と、「5」が設定された場合を示している。
【0070】
まず、デフォルト設定の場合を説明する。対象となる印刷データ名が「A0001−01.PIT」の場合、印刷データ名は、255文字より少ないため、拡張子を含むすべての文字列が切り出される(「A0001−01.PIT」)。そして、切り出した文字列をキーにして、切り出した文字列とファイル名が完全に一致するCSVファイルを検索する(「A0001−01.PIT.CSV」が特定される)。なお、ファイル名とは、コンピュータのファイルシステム中に保存されたファイルを特定(識別)するためにつける名前のことをいうが、本発明の実施形態では、ファイル名をピリオドと拡張子以外の部分の文字列部分をいい、ピリオドと拡張子をまとめて拡張子というものとする。そのため、切り出した文字列が「A0001−01.PIT」である場合、拡張子部分以外の文字列が完全に一致する「A0001−01.PIT.CSV」が特定されることとなる。
【0071】
一方、有効長が「5」の場合を説明する。対象となる印刷データ名が「A0001−01.PIT」の場合、印刷データ名のうち、5文字が切り出される(「A0001」)。そして、切り出した文字列をキーにして、切り出した文字列とファイル名が完全一致するCSVファイルを検索する(「A0001.CSV」が特定される)。
【0072】
切り出した文字列とファイル名が完全一致するCSVファイルを検索するものであるため、目的や用途に応じて適用させるCSVファイルを切り替えることが可能となる。
【0073】
なお、拡張子を無視するという設定をすることも可能である。上記例では、有効長デフォルト(255)の場合に、拡張子「.PIT」を含む文字列が切り出されるが、拡張子を無視する設定がされている場合、拡張子を無視した文字列が切り出される(「A0001−01」)。従って、この場合は、「A0001−01.CSV」というファイルが存在した場合に、このファイルが特定されることとなる。
【0074】
図11に適用例を示す。ここでは、業務Aの印刷データとして「A0001−01.PIT」、「A0001−02.PIT」、「A0001−03.PIT」があり、業務Bの印刷データとして「B0001−01.PIT」、「B0001−02.PIT」、「B0001−03.PIT」がある。
【0075】
まず、それぞれの印刷データ毎にページ範囲を指定したCSVファイルを適用する場合、それぞれに適用するCSVファイルを用意すると共に有効長として「12」を設定する。この例では、印刷データ名「A0001−01.PIT」に対しては「A0001−01.PIT.CSV(11ページ〜15ページ)」が特定されることとなる。他の印刷データに対しても同様にそれぞれ用意された対応するCSVファイルが特定されることとなる。
【0076】
一方、業務ごとにまとめてページ範囲を指定したCSVファイルを適用する場合、業務毎に適用するCSVファイルを用意すると共に有効長として「5」を設定する。この例では、業務Aの3つの印刷データに対しては「A0001.CSV(1ページから10ページ)」が特定されることとなる。業務Bの3つの印刷データに対しても同様に対応するCSVファイルが特定される。共通する印刷データ名を含む場合、有効長の指定により、複数の印刷データに対してCSVファイルを適用させることが可能となる。
【0077】
なお、適用する有効長については、1つであってもよいし、複数であってもよい。例えば、
図11において、有効長を「5」と「12」の両方適用するようにした場合、業務毎に共通のページ指定と印刷データ毎に個別のページ指定とを同時にすることが可能となる。このように、運用管理者は、目的や用途に応じて適用する有効長を1つか複数かを指定できるものとする。
【0078】
ステップ602からステップ606で具体的な処理手順を説明する。
【0079】
ステップ602において、印刷制御装置は、有効長を用いて印刷データ名を切り出す(抽出する。)。ここでは、処理対象となっている印刷データから有効長分の文字列を切り出す。なお、有効長が複数指定されている場合は、それぞれの有効長に応じた文字列の切り出しを行うものとする。
【0080】
ステップ603において、印刷制御装置は、切り出した文字列を用いて、印刷範囲指定
ファイルの検索を行う。印刷範囲指定ファイルは所定のフォルダ等に保存されているものとする。
【0081】
ステップ604において、印刷制御装置は、切り出した文字列とファイル名が完全に一致する印刷範囲指定ファイルが存在したかを判定する。Yesの場合、ステップ605へ進み、Noの場合、処理を終了する。
【0082】
ステップ605において、印刷制御装置は、検索ヒットした印刷範囲指定ファイルを処理対象となっている印刷データに適応すべき印刷範囲指定ファイルとして特定する。
【0083】
以上、
図6を用いて、印刷範囲指定ファイルを特定する処理の説明を行った。
【0084】
ステップ505において、印刷制御装置は、ステップ504において特定した印刷範囲指定ファイルを取得する。複数の印刷範囲指定ファイルが特定された場合は、それぞれ取得する。
【0085】
ステップ506において、印刷制御装置は、印刷範囲指定ファイルの設定内容が正当であるかを判定する。Yesの場合、ステップ507へ進み、Noの場合、ステップ509へ進み、エラーメッセージの表示をしてステップ501へ戻る。ここでは、例えば、区切り文字「、」で区切られているか、数値が設定されているか、ページ範囲指定に矛盾はないかなどのチェックを行うことで正当性の確認を行う。
【0086】
ステップ507において、印刷制御装置は、印刷データに印刷範囲をセット(指定)する。なお、対応する印刷範囲指定ファイルが複数ある場合は、すべてのページを適用して印刷範囲をセットする。
図11において、有効長を「5」と「12」の両方適用するようにした場合、印刷データ「A0001−01.PIT」に対して、印刷データに固有の「A0001−01.PIT.CSV(11ページから15ページ)」と業務Aに共通の「A0001.CSV(1ページから10ページ)」とが特定される。従って、この場合、印刷データ「A0001−01.PIT」には、1ページから10ページおよび11ページから15ページを印刷範囲としてセットする。
【0087】
ステップ508において、印刷制御装置は、スプーラに蓄積されている全ての印刷データに対して処理を行ったかを判定する。Yesの場合、処理を終了し、Noの場合、ステップ502に戻り、次の印刷データを対象に処理を継続する。
【0088】
一方、ステップ510において、印刷制御装置は、印刷範囲指定ファイルを選択する。ここでは、プリンタオペレータの操作に応じて、印刷範囲指定ファイルの選択を行う。
【0089】
ステップ511において、印刷制御装置は、印刷範囲指定ファイルの設定内容が正当であるかを判定する。Yesの場合、ステップ512へ進み、Noの場合、ステップ513へ進み、エラーメッセージの表示をしてステップ501へ戻る。
【0090】
ステップ512において、印刷制御装置は、印刷データに対する印刷範囲としてセット(指定)する。印刷範囲のセットは、スプーラに蓄積されている処理待ちのすべての印刷データを対象に行う。プリンタオペレータは、一つの印刷範囲指定ファイルを選択することにより、複数の印刷データに対して同じページ範囲の指定が可能となる。また、印刷データ毎にページ範囲を異ならしめたい場合は、印刷データ毎に印刷範囲指定ファイルを選択することで実現可能となる。
【0091】
以上、
図5を用いて、印刷範囲を指定する処理の説明を行った。
【0092】
ステップ405において、印刷制御装置は、印刷装置においてページ範囲が指定された印刷データを印刷させるための印刷処理を行う。具体的には、印刷装置に対して、印刷データの所定のページ範囲を指定して印刷処理を行う指示を実行する。最後に、印刷装置は、実行指示に応じて所定のページを印刷することとなる。
【0093】
なお、印刷範囲指定ファイルにおいて、複数の範囲のページが指定されている場合であって、直前の終了ページより小さい開始ページが設定されている場合は、先頭ページまで戻って印刷処理を繰り返す。例えば、「3ページから6ページ」の次に「2ページ」と指定されている場合は、「2ページ」を印刷するために一度1ページに戻った上、処理を行う。このように先頭に戻らないと、各種設定(例えばフォント設定)が反映されないため意図した印刷ができないからである。
【0094】
また、両面印刷を行う場合、印刷範囲指定ファイルにおいては、奇数ページ(表面)から始まり、偶数ページ(裏面)で終わるように設定されていることが前提となるが、これに反した内容の設定がなされている場合、設定ページより「1」小さいページに補正する。ただし、(開始ページ<終了ページ)の関係が成り立たなければ、(終了ページ=開始ページ+1)と補正する。
【0095】
ステップ406において、印刷制御装置は、印刷処理が成功した印刷範囲指定ファイルを自動的に削除する設定がなされているかを判定する。Yesの場合、ステップ407へ進み、Noの場合、処理を終了する。自動削除設定は、運用管理者などが予め設定しておくものである。この設定をオフにすることで、印刷範囲指定ファイルを再利用することができるようになる。
【0096】
ステップ407において、印刷制御装置は、印刷処理が成功した印刷データに対応する印刷範囲指定ファイルを削除する。
【0097】
以上、
図4を用いて、本発明の実施の形態における全体の処理の流れを説明した。
【0098】
上述した通り、本発明によれば、印刷対象となる印刷データのページ指定を、人手を介することなく指定可能として、印刷データの印刷処理を実現する方法を提供することが可能となる。
【0099】
以上、一実施形態について示したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記録媒体等としての実施態様をとることが可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0100】
また、本発明におけるプログラムは、処理方法をコンピュータが実行可能なプログラムであり、本発明の記憶媒体は処理方法をコンピュータが実行可能なプログラムが記憶されている。なお、本発明におけるプログラムは各装置の処理方法ごとのプログラムであってもよい。
【0101】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するプログラムを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムを読出し実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0102】
この場合、記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムを記憶した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0103】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、DVD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、EEPROM、シリコンディスク等を用いることができる。
【0104】
また、コンピュータが読み出したプログラムを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0105】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0106】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。また、本発明は、システムあるいは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適応できることは言うまでもない。この場合、本発明を達成するためのプログラムを格納した記録媒体を該システムあるいは装置に読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0107】
さらに、本発明を達成するためのプログラムをネットワーク上のサーバ、データベース等から通信プログラムによりダウンロードして読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。