特許第6015068号(P6015068)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6015068制御機器および制御機器の更新時間表示方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6015068
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年10月26日
(54)【発明の名称】制御機器および制御機器の更新時間表示方法
(51)【国際特許分類】
   G05B 19/05 20060101AFI20161013BHJP
【FI】
   G05B19/05 L
【請求項の数】6
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2012-79703(P2012-79703)
(22)【出願日】2012年3月30日
(65)【公開番号】特開2013-210768(P2013-210768A)
(43)【公開日】2013年10月10日
【審査請求日】2015年2月6日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001586
【氏名又は名称】特許業務法人アイミー国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼石 明
【審査官】 青山 純
(56)【参考文献】
【文献】 特開平03−282906(JP,A)
【文献】 特開2008−177796(JP,A)
【文献】 特開2001−042928(JP,A)
【文献】 特開2005−243008(JP,A)
【文献】 特開2003−140739(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 19/00 − 19/05
G05B 23/00 − 23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1個のPLCと、前記PLCに接続され、所定の設定内容が設定された複数の制御機器とからなるシステムにおける制御機器であって、
PLCと通信するための通信手段と、
ユーザが認識可能な表示を行う表示器と、
前記PLCと通信を開始してから再度の通信を開始するまでの更新時間の周期を計測する更新周期計測手段と、
を有し、
前記制御機器はマスタとして作動し、前記PLCはスレーブとして作動し、前記制御機器は前記PLCと自動的に通信する、制御機器。
【請求項2】
前記表示器は前記更新周期を表示する、請求項1に記載の制御機器。
【請求項3】
前記表示器は前記通信手段の異常を表示する、請求項1に記載の制御機器。
【請求項4】
前記制御機器は複数接続され、
それぞれの制御機器は、前記所定の設定内容を、他の制御機器にコピーする設定内容コピ
ー手段を有する、請求項1〜3のいずれかに記載の制御機器。
【請求項5】
前記制御機器は温度調節器である、請求項1〜4のいずれかに記載の制御機器。
【請求項6】
1個のPLCと、前記PLCに接続された複数の制御機器とからなるシステムにおける、
それぞれの制御機器の更新時間表示方法であって、
前記制御機器はマスタとして作動し、前記PLCはスレーブとして作動し、前記制御機器は前記PLCと自動的に通信し、
前記更新時間表示方法は
前記複数の制御機器のうちの特定の制御機器が前記PLCと最初に通信を開始するステ
ップと、
前記複数の制御機器のうちの特定の制御機器以外の制御機器が前記PLCと通信を行っ
た後に、前記特定の制御機器が再度通信を開始するステップと、
前記制御機器が最初に通信を開始するステップから再度通信を開始するステップまでの
間の時間を検出するステップと、
検出された時間を更新時間として算出するステップと、
算出された更新時間を表示するステップを含む、制御機器の更新時間表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は制御機器および制御機器の更新時間表示方法に関し、特に、通信機能を有する制御機器および制御機器の更新時間表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、システムの統合管理や、品質管理のためのデータ収集などのニーズにより、制御機器を、PLC(Programmable Logic Controller)に接続するニーズが高まっている。そのため、制御機器とPLCを接続するための通信変換器や、PLCと接続する機能をもった制御機器が商品化されている。これらの制御機器として、例えば、温度調節器は制御盤に設置するタイプしかなく、表示も単発光のLEDしか持っていない。
【0003】
図6は従来の制御機器の一例としての温度調節器をPLC等と接続して使用する場合のブロック図である。従来は、PLC51をマスタとし、複数の温度調節器52a〜52cをスレーブとして通信させる場合、PLC側で通信プログラムを作成するか(図6(A))、または、PLC61と温度調節器63a〜63cの間に変換器62を設ける必要があった(図6(B))。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の、図6(A)に示した場合であれば、通信用のプログラム、特に、エラー処理のプログラムを作成する必要があり、時間と手間がかかるという問題があった。また、図6(B)に示した場合であれば、変換器62が必要なため、コストアップになるとともに、設置スペースが必要となり、また、この変換器62の設定はパソコンで行うため、パソコンや専用ソフトが必要になるという問題もあった。
【0005】
さらに、ユーザが、これらの機器を使用する判断材料の一つとして、機器のデータ更新周期がある。従来はこの周期を計算で求めたり、PLCでプログラムを組んで測定したり、専用のパソコンソフトで確認するなどの方法しかなく、利便性に問題があった。また、PLCとの通信は目に見えないため、トラブル発生時の原因特定に、非常に時間がかかるという問題もあった。その結果、PLCと接続して使用される温度調節器のような制御機器がユーザにとって使いにくいという問題があった。
【0006】
この発明は上記のような問題点を解消するためになされたもので、ユーザにとって使いやすい、制御機器および制御機器の更新時間表示方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係る制御機器は、所定の設定内容が設定された制御機器である。制御機器は、外部機器と自立的に通信するための通信手段と、ユーザが認識可能な表示を行う表示器とを有する。
【0008】
好ましくは、制御機器はマスタとして作動し、外部機器はスレーブとして作動し、制御機器は外部機器と自動的に通信する。
【0009】
自身がデータ更新する周期を計測する更新周期計測手段を含むのが好ましい。
【0010】
また、表示器は更新周期を表示してもよいし、通信手段の異常を表示してもよい。
【0011】
好ましくは、制御機器は複数接続され、それぞれの制御機器は、所定の設定内容を、他の制御機器にコピーする設定内容コピー手段を有する。
【0012】
制御機器は温度調節器であってもよい。
【0013】
この発明の他の局面においては、制御機器の更新時間表示方法は、1個のPLCと、PLCに接続された複数の制御機器とからなるシステムにおけるものである。それぞれの制御機器の更新時間表示方法は、複数の制御機器のうちの特定の制御機器がPLCと最初に通信を開始するステップと、複数の制御機器のうちの特定の制御機器以外の制御機器がPLCと通信を行った後に、特定の制御機器が再度通信を開始するステップと、制御機器が最初に通信を開始するステップから再度通信を開始するステップまでの間の時間を検出するステップと、検出された時間を更新時間として算出するステップと算出された更新時間を表示するステップとを含む。
【発明の効果】
【0014】
この発明においては、制御機器が、ユーザが認識可能な表示を行う表示器を有するため、制御機器の動作情報をユーザが容易に知ることができる。
【0015】
その結果、ユーザにとって使いやすい制御機器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】この発明の一実施の形態における、PLCと温度調節器との接続状態を示す図である。
図2】PLC11と3台の温度調節器が接続された場合の時間の経過を模式的に示す図である。
図3】温度調節器の制御部がPLCと行う動作を示すフローチャートである。
図4】温度調節器の制御部が内部において行う動作を示すフローチャートである。
図5】温度調節器の表示部の表示状態を示す図である。
図6】従来のPLCと温度調節器との接続状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
まず、この発明の一実施の形態を図面を参照して説明する。ここでは、制御機器として温度調節器を例にあげて説明する。図1は、この実施の形態における、PLC11と温度調節器20とを含む、温度調節器システム10の全体構成を示すブロック図である。図1を参照して、PLC11は外部に接続された温度調節器20のメモリと交信可能な外部メモリ設定部12を有する。外部メモリ設定部12は、温度調節器20のメモリ25の内容を受信したり、PLC11で設定した内容を温度調節器20のメモリ25へ送信可能である。
【0018】
温度調節器20は、温度調節器20全体を制御するCPU21と、CPU21に制御される、表示部22と、キー操作部23と、通信部24とを含む。表示部22はユーザが認識可能な表示を行う。キー操作部23は、ユーザが操作可能な図示のないキーボードを含み、所望のデータを入力して温度調節器20のメモリ25に格納する。通信部(通信手段)24はPLC11と通信可能であり、メモリ25に入力したデータをPLC11の外部メモリ設定部12へ送信する。
【0019】
次に、温度調節器20のCPU21が行う動作について説明する。図2はPLC11と3台の温度調節器20a〜20cが接続された場合の時間の経過を模式的に示す図であり、図3は、特定の温度調節器20aのCPU21が行う処理内容のうち、PLCとの更新時間を算出する場合を示すフローチャートであり、図4は、温度調節器20内部における処理を示すフローチャートである。
【0020】
図2および3を参照して、PLC11と温度調節器20aとが更新時間の算出を行う場合は、まず、通信部24で1回目の交信を開始するための受信処理を行う(ステップS11、以下、ステップを省略する)。次いで、順番判定を行う。具体的には、自ユニット(温度調節器20a)が交信できる順を待ち(S12で自ユニット処理)、交信可能となったときにPLC11と再度の交信を開始し(S13)、処理を終了した時点で、最初の通信をしてから、再度の通信をするまでの更新時間を算出する(S14でYES,S15)。したがって、CPU21は更新周期計測手段として作動する。
【0021】
なお、自ユニット(温度調節器20a)が交信できる順を待つ間、PLC11は他の温度調節器20b〜20cと交信する。
【0022】
このフローチャートをPLC11に接続されている全ての温度調節器20a〜20cが行うため、算出された更新時間は全て同じ時間である。
【0023】
次に、温度調節器20a〜20cの内部における処理について説明する。図4を参照して、内部における異常の発生の有無を検出する(S21)。異常があれば(S21でYES)、その異常を表示部22に表示する(S23)。異常がなければ(S21でNO)、図3で算出した更新時間を表示する(S22)。ここで、異常は通信異常を含む。
【0024】
なお、CPU21は、PLCとの更新時間算出処理と温度調節器20内部における処理とを順に行う。
【0025】
次に、PLC11と複数の温度調節器20a〜20cの接続状態や表示部22a〜22cにおける表示内容について説明する。図5は、PLC11に複数の温度調節器20a〜20cが接続された状態を示すブロック図である。また、ここでは、温度調節器20aと20cにおいては、「1300」が表示され、温度調節器20bにおいては、「C.ERR」が表示されている。
【0026】
ここで、温度調節器20a、20cに表示されている「1300」は、温度調節器20a、20cについては異常がなく、PLCとの更新時間が例えば、1300msであることを示している。一方、「C.ERR」は、温度調節器20bの内部に異常が生じていることを示している。ここで、「C」はエラーの内容であり、「ERR」は異常発生を示す。
【0027】
図5に示すように、表示部22が、ユーザの認識可能な表示を行うため、異常を生じている温度調節器を容易に判別可能である。また、異常を生じていない温度調節器については、PLC11との更新時間を容易に知ることができる。
【0028】
なお、表示部22が行うユーザの認識可能な表示は、図に示したように、文字や数字や記号等が好ましい。また、これらの表示のために、複数のセグメントからなる表示要素を用いてもよい。
【0029】
次に、この実施の形態における通信の詳細について説明する。この実施の形態においては、PLC11に接続された温度調節器20がマスタとして作動し、PLC11はスレーブとして作動する。したがって、それぞれの温度調節器20のCPU21は、自律的(自発的)にPLC11と交信する。その結果、従来のように、PLC11側でプログラムを作成する必要がなく、また、従来必要であった変換器も不要である。
【0030】
次に、この発明のさらに他の実施の形態について説明する。この実施の形態においては、温度調節器は同様に接続された他の温度調節器に対して作動用のパラメータを設定する。
【0031】
図5を参照して、ここでは、温度調節器20a〜20cがPLC11に直列に接続されている。なお、それぞれの温度調節器20a〜20cは、図1に示す構成を有している。この実施形態では、CPU21の図示のないROMは、制御プログラムとして、パラメータコピー用の制御プログラムを備えており、ROMには、パラメータテーブルが格納される。
【0032】
各温度調節器20a〜20cは、同じ用途、例えば、同じ制御対象の温度制御に使用されるものであり、設定されるパラメータは、同一である。この実施の形態では、複数の温度調節器20a〜20cに対して効率的にパラメータの設定を行なえるように、パラメータが設定された温度調節器20aのパラメータを、他の温度調節器20b〜20cにコピー可能である。このパラメータのコピーは、コピー元、又は、コピー先となる温度調節器20a〜20cを指定し、この温度調節器20a〜20cに、キー操作部23a〜23cの操作による実行命令を与えることで、指定された温度調節器20a〜20cからのパラメータコピー(アップロード)、又は、パラメータコピー(ダウンロード)を可能としている。
【0033】
この実施の形態では、キー操作部23によって温度調節器20bまたは20cのユニット番号を指定する。キー操作部23によって複数の温度調節器を指定して一括してパラメータコピーを行うことも可能である。
【0034】
次に、さらに他の実施の形態について説明する。この実施の形態においては、従来PLCが行っていたような、予め作成されたプログラムによるプログラム通信ではなく、プログラムの不要なプログラムレス通信を行う。
【0035】
ここで、プログラムレス通信は、PLC11のメモリ25を介して、温度調節器21のパラメータを読み書きしたり、ラン/ストップしたりする機能である。PLC11との通信は温度調節器21aが自動で行うので、通信プログラムの作成が不要である。
【0036】
この通信には、コンポ通信と、コピー機能とが存在する。コンポ通信とは、複数の温度調節器をRS-485で接続し、目標値とRUN/STOPの一斉変更を行う機能である。
【0037】
コピー機能とは、マスタ(例えば、温度調節器20a)の設定値を、スレーブ(例えば、温度調節器20b)にコピーすることができる機能(設定内容コピー手段として作動)である。プログラムレス通信、またはコンポ通信で使用できる。
【0038】
次に、この実施の形態に係る温度調節器の機能について説明する。この実施の形態においては、温度調節器は、複数のプロトコルを有し、その選択が可能である。したがって、プロトコルの異なる、複数の異なるPLCと接続が可能になる。
【0039】
なお、上記実施の形態においては、制御機器として、温度調節器を例にあげて説明したが、これに限らず、デジタルパネルメータや、インバータや、センサー等であってもよい。
【0040】
上記実施の形態においては、表示部は、更新時間とエラーとを表示する場合について説明したが、これに限らず、自装置の有する機能や、PLCの作動状態や、パラメータを表示するようにしてもよい。
【0041】
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示された実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0042】
この発明に係る制御機器はユーザが認識可能な表示を行う表示器を有し、ユーザにとって使いやすい制御機器を提供できるため、制御機器として有利に使用される。
【符号の説明】
【0043】
10 温度調節器システム、11 PLC、20 温度調節器、21 CPU、22 表示部、23 キー操作部、24 通信部、25 メモリ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6