特許第6015079号(P6015079)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6015079
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年10月26日
(54)【発明の名称】プログラム及びキャンペーン管理装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20161013BHJP
【FI】
   G06Q30/02 312
   G06Q30/02 348
【請求項の数】6
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2012-87164(P2012-87164)
(22)【出願日】2012年4月6日
(65)【公開番号】特開2013-218457(P2013-218457A)
(43)【公開日】2013年10月24日
【審査請求日】2015年3月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士ゼロックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伴 昌志
【審査官】 大野 朋也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−362246(JP,A)
【文献】 特開2009−116558(JP,A)
【文献】 特開2006−309420(JP,A)
【文献】 酒井 隆,インターネット時代のダイレクトマーケティング活用法,株式会社同友館,2000年 7月 7日,第1版,pp.130-131
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
キャンペーンの対象とする顧客を抽出するための、顧客の属性情報に関する抽出条件の入力を受け付ける受付手段、
各顧客の属性情報を記憶する顧客属性記憶手段から、前記抽出条件を満足する属性情報を有する顧客を抽出する顧客抽出手段、
前記キャンペーンを実施する店舗で取り扱う商品の変更に応じてキャンペーン商品を変更する都度、前記キャンペーン商品の現時点における在庫量と生産スケジュールとから、前記キャンペーンのために用意できる前記キャンペーン商品の量を前記キャンペーンの予定規模として算出する手段、
前記顧客抽出手段により抽出された顧客群の規模が前記キャンペーンの前記予定規模を超過する場合に、抽出される顧客群の規模が小さくなるように前記抽出条件を調整する抽出条件調整手段、
前記抽出条件調整手段により調整された抽出条件を用いて前記顧客抽出手段に再度顧客の抽出処理を行わせる制御を行う制御手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項2】
前記抽出条件調整手段は、前記顧客抽出手段により抽出された顧客群の規模が、前記キャンペーンの予定規模を下回る場合に、抽出される顧客群の規模が大きくなるように前記抽出条件を調整する、
ことを特徴とする請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記キャンペーンの前記予定規模は、前記キャンペーンの予定実施費用であり、
前記抽出条件調整手段は、前記顧客抽出手段により抽出された顧客群の規模として、前記顧客群に対する前記キャンペーンの実施費用を見積もり、見積もった実施費用と前記予定実施費用との比較に基づき、前記抽出条件を調整する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記コンピュータを、前記抽出条件調整手段により前記抽出条件が調整された場合に、前記キャンペーンにおいて前記顧客抽出手段が抽出する顧客に対して提供するキャンペーン関連情報を、前記抽出条件の調整結果に合わせて修正する修正手段、として更に機能させる、ことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項5】
前記コンピュータを、
前記キャンペーンの対象である商品の情報を管理する商品情報管理手段を監視し、この監視により前記商品の情報の変更を検知した場合に、前記キャンペーンにおいて前記顧客抽出手段が抽出する顧客に対して提供するキャンペーン関連情報に含まれる前記商品に関する情報内容を、前記検知した変更に合わせて修正する第2の修正手段、として更に機能させる、ことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項6】
キャンペーンの対象とする顧客を抽出するための、顧客の属性情報に関する抽出条件の入力を受け付ける受付手段と、
各顧客の属性情報を記憶する顧客属性記憶手段から、前記抽出条件を満足する属性情報を有する顧客を抽出する顧客抽出手段と、
前記キャンペーンを実施する店舗で取り扱う商品の変更に応じてキャンペーン商品を変更する都度、前記キャンペーン商品の現時点における在庫量と生産スケジュールとから、前記キャンペーンのために用意できる前記キャンペーン商品の量を前記キャンペーンの予定規模として算出する手段、
前記顧客抽出手段により抽出された顧客群の規模が、前記キャンペーンの前記予定規模を超過する場合に、抽出される顧客群の規模が小さくなるように前記抽出条件を調整する抽出条件調整手段と、
前記抽出条件調整手段により調整された抽出条件を用いて前記顧客抽出手段に再度顧客の抽出処理を行わせる制御を行う制御手段と、
を有するキャンペーン管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム及びキャンペーン管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載されたシステムは、顧客情報を随時収集し、その収集により顧客情報の変化を検知すると、変化のあった顧客をキャンペーン(販売促進活動)の対象等といった、あらかじめ定めておいた施策処理を自動的に実施する。
【0003】
特許文献2には、類似度の高いキャンペーンの統合や、効果を相殺するようなキャンペーンの内容変更を促すために、類似性の高いキャンペーンを見つけ出すシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−243342号公報
【特許文献2】特開2001−155082号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、キャンペーンの対象とする顧客を自動的に抽出するシステムにおいて、抽出される顧客の規模が少なくともキャンペーンの予定規模を超過しないようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る発明は、コンピュータを、キャンペーンの対象とする顧客を抽出するための、顧客の属性情報に関する抽出条件の入力を受け付ける受付手段、各顧客の属性情報を記憶する顧客属性記憶手段から、前記抽出条件を満足する属性情報を有する顧客を抽出する顧客抽出手段、前記キャンペーンを実施する店舗で取り扱う商品の変更に応じてキャンペーン商品を変更する都度、前記キャンペーン商品の現時点における在庫量と生産スケジュールとから、前記キャンペーンのために用意できる前記キャンペーン商品の量を前記キャンペーンの予定規模として算出する手段、前記顧客抽出手段により抽出された顧客群の規模が前記キャンペーンの前記予定規模を超過する場合に、抽出される顧客群の規模が小さくなるように前記抽出条件を調整する抽出条件調整手段、前記抽出条件調整手段により調整された抽出条件を用いて前記顧客抽出手段に再度顧客の抽出処理を行わせる制御を行う制御手段、として機能させるためのプログラムである。
【0007】
請求項2に係る発明は、前記抽出条件調整手段は、前記顧客抽出手段により抽出された顧客群の規模が、前記キャンペーンの予定規模を下回る場合に、抽出される顧客群の規模が大きくなるように前記抽出条件を調整する、ことを特徴とする請求項1に記載のプログラムである。
【0008】
請求項3に係る発明は、前記キャンペーンの前記予定規模は、前記キャンペーンの予定実施費用であり、前記抽出条件調整手段は、前記顧客抽出手段により抽出された顧客群の規模として、前記顧客群に対する前記キャンペーンの実施費用を見積もり、見積もった実施費用と前記予定実施費用との比較に基づき、前記抽出条件を調整する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載のプログラムである。
【0011】
請求項に係る発明は、前記コンピュータを、前記抽出条件調整手段により前記抽出条件が調整された場合に、前記キャンペーンにおいて前記顧客抽出手段が抽出する顧客に対して提供するキャンペーン関連情報を、前記抽出条件の調整結果に合わせて修正する修正手段、として更に機能させる、ことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のプログラムである。
【0012】
請求項に係る発明は、前記コンピュータを、前記キャンペーンの対象である商品の情報を管理する商品情報管理手段を監視し、この監視により前記商品の情報の変更を検知した場合に、前記キャンペーンにおいて前記顧客抽出手段が抽出する顧客に対して提供するキャンペーン関連情報に含まれる前記商品に関する情報内容を、前記検知した変更に合わせて修正する第2の修正手段、として更に機能させる、ことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のプログラムである。
【0013】
請求項に係る発明は、キャンペーンの対象とする顧客を抽出するための、顧客の属性情報に関する抽出条件の入力を受け付ける受付手段と、各顧客の属性情報を記憶する顧客属性記憶手段から、前記抽出条件を満足する属性情報を有する顧客を抽出する顧客抽出手段と、前記キャンペーンを実施する店舗で取り扱う商品の変更に応じてキャンペーン商品を変更する都度、前記キャンペーン商品の現時点における在庫量と生産スケジュールとから、前記キャンペーンのために用意できる前記キャンペーン商品の量を前記キャンペーンの予定規模として算出する手段と、前記顧客抽出手段により抽出された顧客群の規模が、前記キャンペーンの前記予定規模を超過する場合に、抽出される顧客群の規模が小さくなるように前記抽出条件を調整する抽出条件調整手段と、前記抽出条件調整手段により調整された抽出条件を用いて前記顧客抽出手段に再度顧客の抽出処理を行わせる制御を行う制御手段と、を有するキャンペーン管理装置である。
【発明の効果】
【0014】
請求項1又はに係る発明によれば、キャンペーンの対象とする顧客を自動的に抽出するシステムにおいて、抽出される顧客の規模が少なくともキャンペーンの予定規模を超過しないようにすることができる。
【0015】
請求項2に係る発明によれば、抽出される顧客の規模がキャンペーンの予定規模の範囲内に収まるようにすることができる。
【0016】
請求項3に係る発明によれば、あらかじめ定められたキャンペーンの予定実施費用に見合った規模の顧客群を抽出することができる。
【0018】
請求項に係る発明によれば、抽出された顧客群に対して提供するキャンペーン関連情報の内容を、抽出条件に応じたものにすることができる。
【0019】
請求項に係る発明によれば、抽出された顧客群に対して提供するキャンペーン関連情報中のキャンペーン対象の商品に関する情報内容を、商品情報管理手段で管理されている最新の状態に維持することができる。

【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】実施形態のキャンペーン管理装置の一例を示す機能ブロック図である。
図2】顧客DB(データベース)のデータ内容の一例を示す図である。
図3】キャンペーンの予定規模が顧客群の規模の上限である場合の、キャンペーン規模調整処理部の処理手順の一例を示す図である。
図4】キャンペーンの予定規模が顧客群の規模の範囲である場合の、キャンペーン規模調整処理部の処理手順の一例を示す図である。
図5】変形例のキャンペーン管理装置の機能ブロック図である。
図6】顧客の層毎のキャンペーンの情報媒体の形態を規定する情報の例を示す図である。
図7】変形例におけるキャンペーン費用見積もり部の処理手順の一例を示す図である。
図8】第2の変形例のキャンペーン管理装置の機能ブロック図である。
図9】第2の変形例におけるキャンペーン予定規模調整処理部の処理手順の一例を示す図である。
図10】第3の変形例のキャンペーン管理装置の機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に説明する実施形態は、商品等についてのキャンペーン(販売促進活動)を自動的に実施するための装置又はシステム、特にキャンペーンの対象とする顧客の抽出や、それら対象顧客に対するキャンペーン情報伝達媒体(ダイレクトメール(DM)や電子メール等)の作成を自動化する装置又はシステムに関するものである。ここでいう「キャンペーン」は、ダイレクトメール(はがきや封書等の形態のもの)や電子メール等の情報伝達媒体を用いた、顧客への情報提供による販売促進活動のことである。
【0022】
図1を参照して、キャンペーン管理装置の実施形態の一例を説明する。
【0023】
図1において、キャンペーン設定入力部10は、ユーザ(例えばキャンペーンの実施担当者)から、キャンペーンについての設定情報の入力を受け付ける。入力された設定情報は、設定情報記憶部12に記憶される。この例では、入力されるキャンペーンの設定情報には、対象顧客抽出条件14とキャンペーン実施情報16とが含まれる。
【0024】
対象顧客抽出条件14は、キャンペーンの対象顧客、すなわちキャンペーンに関する情報の提供先の顧客、を特定する条件を表す情報である。対象顧客抽出条件14は、顧客DB(データベース)20に保持された各顧客の属性情報についての条件である。
【0025】
ここで、顧客DB20には、図2に例示するように、各顧客のID(識別情報)に対応づけて、当該顧客の名前(氏名)、電話番号、郵便番号、住所、メールアドレス、年収、年齢、職業、趣味、及びRFM分析に用いるR(最新購買日)、F(累計購買回数)、M(累計購買金額)の値、及び当該顧客に対して実施済み(すなわちダイレクトメール等を送付済み)のキャンペーンの識別情報、等の各属性項目の情報が登録されている。図2に例示した属性項目群はあくまで一例に過ぎない。顧客DB20には、図2に示した以外の属性項目の情報が登録されていてもよい。逆に、顧客DB20は、図2に例示した属性項目のすべてが登録されている必要はない。
【0026】
対象顧客抽出条件14は、1つの属性項目についての条件であってもよいし、複数の属性項目についての条件の組合せ(例えばAND、ORを初めとする複数の条件からなる論理式)であってもよい。例えば、年齢が「35〜45歳」であるというような条件や居住地が「東北地方である」というような条件、或いは「35歳以上」かつ年収が「500〜1000万円」というような条件や「関東地方以外に在住」かつ「自営業である」という条件等である。また、R(最新購買日)がBランク以上、かつF(累計購買回数)がBランク以上、かつM(累計購買金額)がDランク以上であるという条件を、対象顧客抽出条件14として指定してもよい。また、過去にキャンペーン「B01」又は「B02」を実施したことがある、という条件を対象顧客抽出条件14としたり、あるは対象顧客抽出条件14の論理式を構成する1つの要素条件としたりしてもよい。
【0027】
図1の説明に戻ると、キャンペーン実施情報16は、当該キャンペーンによりユーザに提供する情報コンテンツである。
【0028】
例えば、顧客に送付するダイレクトメールの印刷デザインの情報がその一例である。ダイレクトメールの印刷デザイン情報には、例えばキャンペーン対象商品の紹介情報のようなキャンペーン対象顧客に共通の情報の他に、顧客の属性情報に応じてカスタマイズされる情報(例えば宛名である顧客の名前や、顧客の年齢層に応じた挨拶文等)が含まれていてもよい。また、キャンペーンで配布するクーポン(優待情報)等が印刷デザインに含まれてもよく、このクーポンの内容を顧客属性に応じて替えることもあり得る。
【0029】
また、キャンペーンの情報伝達媒体として電子メールを用いる場合は、キャンペーン実施情報16には、電子メールの原稿データが含まれる。この原稿データには、例えば、ダイレクトメールと同様の情報コンテンツが含まれる。キャンペーンの電子メールの宛先は、顧客DB20内のメールアドレスの欄から取得される。
【0030】
キャンペーン対象抽出部18は、顧客DB20に登録された顧客の中から、設定情報記憶部12内の対象顧客抽出条件14を満たすものを抽出する。抽出された顧客の情報は、キャンペーン規模調整処理部21に入力される。
【0031】
キャンペーン規模調整処理部21は、キャンペーン規模判定部22及び条件調整部24を有する。
【0032】
キャンペーン規模判定部22は、キャンペーン対象抽出部18から入力された顧客群(対象顧客抽出条件14を満たす顧客群)の情報から、その顧客群の規模を求める。そして、その規模と、予定規模入力部26を介してユーザ(キャンペーン実施担当者)から入力されたキャンペーンの予定規模とを比較することで、抽出された顧客群が予定規模に適合した規模であるか否かを判定する。
【0033】
ここで、抽出された顧客群の「規模」は、その顧客群の大きさを、ある尺度で表したものである。1つの例では、顧客群の規模は、その顧客群に含まれる顧客の人数である。また、別の例では、顧客群に対するキャンペーンの実施に要する費用(「キャンペーン実施費用」と呼ぶ)の額を、その顧客群の規模としてもよい。キャンペーン実施費用には、例えば、ダイレクトメールの作成や郵送に有する費用や、ダイレクトメールに含めるクーポンの優待金額等が含まれる。ダイレクトメールの作成費用には、封入する用紙の価格や印刷費用等が含まれる。電子メールについては、費用を0としてもよいし、メールシステムの運営又は委託の費用から算出した額を費用としてもよい。抽出された顧客群についてかかる費用の総額が、顧客群の「規模」としてのキャンペーン実施費用である。
【0034】
予定規模入力部26から入力される「予定規模」は、ユーザが想定するキャンペーン対象の顧客群の規模の上限値であってもよいし、そのような想定する規模の範囲(上限と下限の組合せ)であってもよい。予定規模が顧客群の規模の上限を示す場合は、キャンペーン規模判定部22は、抽出された顧客群の規模がその予定規模(この場合は上限)を超過しているか否かを判定する。この例では、抽出された顧客群の規模がその予定規模以下であることが目標状態であり、予定規模を上回ると目標が達成できないとして、対策処理を行う(後述する条件調整部24の処理:図3の例)。一方、予定規模が顧客群の規模の範囲を示す場合は、キャンペーン規模判定部22は、抽出された顧客群の規模がその予定規模の範囲内、予定規模の上限を超過している(上回っている)、予定規模の下限を下回っている、のいずれであるかを判定する。この例では、抽出された顧客群の規模がその予定規模の範囲内であることが目標状態であり、予定規模を上回ったり下回ったりした場合は、目標が達成できないとして、対策処理を行う(後述する条件調整部24の処理:図4の例)。
【0035】
キャンペーン規模判定部22は、判定の結果、予定規模が満たされている(目標状態である)と判定した場合には、キャンペーン実施処理部28にキャンペーンを実施するように指示する。逆に、予定規模が満たされていない(目標が達成できていない)と判定した場合には、条件調整部24に対して対象顧客抽出条件14の調整を指示すると共に、この指示に応じて調整された対象顧客抽出条件14を用いてキャンペーン対象抽出部18に対象顧客の抽出を再実行させる。
【0036】
条件調整部24は、キャンペーン規模判定部22からの指示に応じて、設定情報記憶部12内の対象顧客抽出条件14を、抽出される顧客群が予定規模(目標)を満たすようになる方向へと調整する。すなわち、抽出された顧客群の規模が予定規模を上回った(超過した)場合には、抽出される顧客の規模が小さくなるよう対象顧客抽出条件14を厳しくし、逆に抽出された顧客群の規模が予定規模を下回った場合には、抽出される顧客の規模が大きくなるよう、対象顧客抽出条件14を緩和する。
【0037】
対象顧客抽出条件14を厳しくするには、例えば、その対象顧客抽出条件14が表す顧客属性項目の値の範囲を狭めればよい。例えば、対象顧客抽出条件14が「40歳以上」という条件である場合、それを「45歳以上」に変更すれば、対象顧客抽出条件14が厳しい方向に調整されたことになる。調整1回当たりの調整幅はあらかじめ設定しておいてもよいし、対象顧客抽出条件14の付属情報としてユーザが設定してもよい。ここで、1回当たりの調整幅は、属性項目ごとに個別に設定してもよい(例えば年齢については「5」歳ずつ、年収については「50」万円ずつ、等)し、最初にユーザが入力した対象顧客抽出条件14に含まれる属性項目の値の10%(例えば「40歳以上」なら「4」歳刻み)等というように、属性項目によらず一律に設定してもよい。対象顧客抽出条件14が属性項目の範囲を指定するものである場合、その条件を厳しくする方法として、その範囲の上限を下げるのか、下限を上げるのか、上限と下限の両方を動かして範囲を狭めるのか、をシステムのデフォルト値として、又は個々のキャンペーン毎のユーザが、設定しておいてもよい。また、対象顧客抽出条件14が、複数の属性項目についての条件の論理式で表される場合、対象顧客抽出条件14を厳しくする際にそれら属性項目のうちのどれ(複数であってもよい)の範囲を調整するかを、システムのデフォルト値として、又は個々のキャンペーン毎のユーザが、設定しておいてもよい。また複数の属性項目の範囲を同時に調整するのか、順に調整するのか、順に調整する場合にはどの順番で調整するのかを、設定しておいてもよい。
【0038】
以上、対象顧客抽出条件14を厳しくする場合を例にとったが、その逆に緩和する場合についても同様の考え方をすればよい。
【0039】
条件調整部24により対象顧客抽出条件14が調整(変更)されると、キャンペーン対象抽出部18が、顧客DB20の中から、調整後の対象顧客抽出条件14を満たす顧客群の抽出処理を行う。そして、抽出された顧客群が予定規模を満たしているかどうかを再度キャンペーン規模判定部22が判定し、満たしていなければ条件調整部24により対象顧客抽出条件14を再度調整し、再調整後の対象顧客抽出条件14を用いてキャンペーン対象抽出部18が再度対象顧客の抽出を行う。このようにして、予定規模が満たされるまで、対象顧客抽出条件14の調整と、調整後の対象顧客抽出条件14を用いた顧客の抽出とを繰り返す。そして、キャンペーン規模判定部22が、予定規模が満たされたと判定した場合に、キャンペーン実施処理部28によりキャンペーンが実施される。
【0040】
キャンペーン実施処理部28は、キャンペーン実施情報16を用いてキャンペーンを実施する。この実施形態では、キャンペーンの実施とは、キャンペーン対象についての情報をユーザに提供することである。例えば、キャンペーン実施処理部28は、キャンペーン実施情報16に含まれるダイレクトメールの印刷デザインの情報を用いて、付属する印刷システムにダイレクトメールの印刷(及び封筒への封入)を行わせる。ダイレクトメールの印刷では、抽出された個々の顧客の属性項目群を参照して、宛名や宛先住所等が、定型部分に対して差込印刷(バリアブル印刷とも言う)される。また、ダイレクトメールに印刷する内容の少なくとも一部(例えば挨拶文やクーポンの内容)を、顧客の年齢や収入、RFMなどの属性項目の値に応じたものとしてもよい。電子メールでキャンペーンを行う場合は、キャンペーン実施処理部28は、キャンペーン実施情報16に含まれる電子メールの原稿データに対して宛名やその他属性値に応じたコンテンツを加えるなどして、キャンペーン用の電子メールを作成し、その電子メールを顧客のメールアドレス宛に送信する。
【0041】
図3は、キャンペーンの「予定規模」が顧客群の規模の上限である場合の、キャンペーン規模調整処理部21の処理手順の一例を示す。この手順は、キャンペーン対象抽出部18が対象顧客抽出条件14を用いて顧客群を抽出する毎に実行される。この手順では、まず、キャンペーン規模調整処理部21内のキャンペーン規模判定部22が、キャンペーン対象抽出部18の抽出した顧客群の規模(例えば人数)を求める(S10)。次に、キャンペーン規模判定部22が、その求めた規模が、予定規模入力部26に対してユーザが入力した予定規模を超えているかどうかを判定する(S12)。超えていないと判定した場合(判定結果がNo)、予定規模が達成されたので、キャンペーン規模調整処理部21の処理は完了し、キャンペーン実施処理部28にキャンペーンの実施を指示する。超えていると判定した場合(判定結果がYes)、条件調整部24が、対象顧客抽出条件14を厳しくする方向に調整し、キャンペーン対象抽出部18に対し、調整後の対象顧客抽出条件14に従って顧客を再抽出するように指示する(S14)。この指示に応じてキャンペーン対象抽出部18が再度顧客の抽出を行うと、その抽出結果の顧客群に対して再度図3の手順が実行される。
【0042】
図4は、キャンペーンの予定規模が顧客群の規模の範囲である場合の、キャンペーン規模調整処理部の処理手順の一例を示す図である。この手順では、まず、キャンペーン規模判定部22が、キャンペーン対象抽出部18の抽出した顧客群の規模を求め(S10)、求めた規模が、予定規模入力部26に対してユーザが入力した予定規模の上限を超えているかどうかを判定する(S12a)。超えていると判定した場合(判定結果がYes)、条件調整部24が、対象顧客抽出条件14を厳しくする方向に調整し、キャンペーン対象抽出部18に対し、調整後の対象顧客抽出条件14に従って顧客を再抽出するように指示する(S14)。超えていないと判定した場合(判定結果がNo)、抽出された顧客群の規模が予定規模の下限を下回っているかどうかを判定する(S16)。下回っていれば(判定結果がYes)、条件調整部24が、対象顧客抽出条件14を緩和する方向に調整し、キャンペーン対象抽出部18に対し、調整後の対象顧客抽出条件14に従って顧客を再抽出するように指示する(S18)。S16の判定結果がNoであれば、顧客群の規模が予定規模の範囲内ということなので、キャンペーン規模調整処理部21の処理は完了し、キャンペーン実施処理部28にキャンペーンの実施を指示する。なお、S14及びS18の再抽出の指示に応じてキャンペーン対象抽出部18が再度顧客の抽出を行うと、その抽出結果の顧客群に対して再度図4の手順が実行される。
【0043】
次に、図5図7を参照して、第1の変形例を説明する。この変形例は、キャンペーンの規模の尺度として、キャンペーン実施費用の金額を用いる場合の例である。図5は、この変形例のキャンペーン管理装置の機能ブロック図であり、図1に示した要素と同様の要素には同一符号を付して説明を省略する。
【0044】
この変形例では、キャンペーン実施費用見積もり部25が、キャンペーン対象抽出部18の抽出した顧客群の情報を用いて、その顧客群に対するキャンペーン実施費用の見積もりを行う。各顧客に対するキャンペーンの費用(=顧客当たり単価)が同一である単純な例では、その顧客当たり単価に対して、抽出された顧客群の人数を乗じることで、キャンペーン実施費用が求められる。ダイレクトメールを用いるキャンペーンの場合、顧客当たり単価は、ダイレクトメールに封入する用紙の単価及び枚数、印刷の単価(例えば、白黒印刷か、フルカラー印刷か、金色などの特色を用いるか等により変わる)、封筒の価格、郵送費、封入するクーポンの優待金額等から求められる。用紙の単価や枚数、クーポン優待金額等の見積もりの基礎となる情報は、例えば、キャンペーン実施情報16から抽出すればよい。なお、クーポンの優待金額については、その満額を顧客当たり単価に反映させるのではなく、過去の実績から分かっているクーポンの利用率(配布したクーポンの数に対する実際に使用されたクーポンの数の比率)を乗じた金額を反映させるようにする。
【0045】
また、キャンペーン費用の顧客当たり単価を顧客の属性に応じて変化させてもよい。例えば、図6の例では、顧客の年収属性値を何段階かの層に分け、キャンペーン発信情報の媒体形態を層毎に異ならせている。すなわち、この例では、キャンペーンの媒体として、年収1000万円以上の顧客にはカード形式のクーポン、挨拶状、キャンペーンチラシの入った封書形式のダイレクトメールを、年収800万円〜1000万円の顧客にはZ折り圧着式はがき形態のダイレクトメールを、年収800万円未満の顧客には電子メールを、それぞれ用いる。顧客の層別(複数の層への分類)には、年収以外の属性項目を用いてもよいし、複数の属性項目の組合せを用いてもよい。図6に例示したような、顧客の層別及び各層に対応するキャンペーン形態を規定する情報は、例えばキャンペーン実施情報16に組み込む形で、ユーザにより指定される。
【0046】
このように顧客を層別する場合のキャンペーン実施費用見積もり部25の処理手順の例を図7に示す。この手順では、キャンペーン費用見積もり部25は、キャンペーン対象抽出部18の抽出した各顧客の属性情報を取得し(S20)、それら各顧客の属性情報から顧客毎のキャンペーン費用(単価)を算出する(S22)。対象顧客毎の単価の算出にあたっては、図6に例示したような判定基準情報を参照して、対象顧客に適用するキャンペーンの媒体形態を特定し、その媒体形態の内容からその対象顧客のためのキャンペーン単価を算出する。そして、キャンペーン実施費用見積もり部25は、それら各対象顧客のキャンペーン単価を合計することで、キャンペーン実施費用(総額)を算出する(S24)。
【0047】
キャンペーン実施費用見積もり部25が見積もったキャンペーン実施費用は、抽出された対象顧客群の規模を示す情報として、キャンペーン規模判定部22に入力される。ユーザは、予定規模入力部26に対して、キャンペーンの予定規模として、キャンペーンの予算額の上限又は範囲を入力する。キャンペーン規模判定部22は、見積もられたキャンペーン実施費用とキャンペーン予算額(上限又は範囲)とを比較し、見積額が予算額を満たしている(すなわち上限以下、又は範囲内)かどうかを判定する。そして、予算額が満たされていなければ、条件調整部24により、対象顧客抽出条件14が予算額を満たす方向に調整され、再度対象顧客の抽出が行われる。このようなキャンペーン規模判定部22と条件調整部24の処理手順は、図3又は図4に例示したものと同様でよい。
【0048】
次に、図8及び図9を参照して、第2の変形例を説明する。この第2の変形例では、キャンペーン対象の顧客群の予定規模を、キャンペーン対象の商品の供給量の予測値から定める。図8は、この第2の変形例のキャンペーン管理装置の機能ブロック図であり、図1に示した要素と同様の要素には同一符号を付して説明を省略する。
【0049】
この変形例のキャンペーン管理装置は、商品供給量監視部30を備えている。商品供給量監視部30は、キャンペーンを実施する企業の基幹システム32にアクセスするなどの方法により、キャンペーンの実施期間におけるキャンペーン対象の商品の供給量の予測値の情報を得る。キャンペーンの実施期間は、ダイレクトメール等で提供するキャンペーンの内容が有効となる期間(例えば同封されるクーポンの有効期間)である。キャンペーンの実施期間の情報は、キャンペーン実施情報16の一部としてユーザが入力しておく。基幹システム32は、商品の生産や在庫のスケジュールや実績のデータを管理しているので、キャンペーン実施期間が分かれば、例えば現時点の在庫量や生産スケジュールなどから、そのキャンペーンのために用意できる商品の量(供給量)が予測できる。この商品供給量の予測値、すなわち予測供給量が、キャンペーンの予定規模としてキャンペーン規模調整処理部21に入力される。この予測供給量は、キャンペーン規模の上限を示すものとする。キャンペーン規模調整処理部21は、図9に例示するような手順でキャンペーン規模の調整を行う。なお、例えばキャンペーンの実施までの日数が短い場合などには、予測供給量として現在の在庫量を用いてもよい。
【0050】
すなわち、まず、キャンペーン規模調整処理部21のキャンペーン規模判定部22が、キャンペーン対象抽出部18が抽出した顧客の数の情報を取得する(S30)。次に、その顧客数に対し、過去の実績等から分かっているキャンペーンの効率(すなわちキャンペーン対象の顧客数に対する、そのキャンペーンにより実際に売れた商品の数の比率)を乗じる等の方法により、キャンペーン実施期間における対象商品の販売予測数を計算する(S32)。また、商品供給量監視部30から、キャンペーン実施期間における対象商品の予測供給量を取得する(S34)。S32とS34の実行順序は問わない。そして、キャンペーン規模判定部22は、取得した予測供給量が0であるかどうかを判定し(S36)、0であれば、キャンペーンの停止をキャンペーン実施処理部28に指示する。この場合、キャンペーン実施処理部28は、表示画面に対して商品供給量が0であるため、キャンペーンを実施できない旨のメッセージを表示するなどにより、ユーザに状況を報知してもよい。
【0051】
S36で商品の予測供給量が0でないと判定した場合、キャンペーン規模判定部22は、販売予測量がその予測供給量より大きいか否かを判定する(S40)。大きいと判定した場合(判定結果がYes)は、条件調整部24に対し、対象顧客抽出条件14を厳しくする方向に調整する旨の指示を行うと共に、キャンペーン対象抽出部18に再抽出を指示する(S42)。また、S40の判定結果がNo(販売予測数が予測供給量以下)の場合は、キャンペーン実施処理部28に対してキャンペーンの実施を指示する。
【0052】
なお、販売予測数も予測供給量もあくまで予測値に過ぎないので、S40での両者の大小判定において誤差を見込むようにしてもよい。例えば、S40での判定で用いる販売予測数に対して10%の誤差を見込んでおき、販売予測数×1.1が予測供給量より大きいか否かを判定するようにしてもよい(この例は、キャンペーン実施期間中の商品供給切れを極力避ける方向性のものである)。
【0053】
この第2の変形例によれば、キャンペーン実施期間中に準備可能な商品の数(予測供給量)に見合わない過大な数の顧客群に対してキャンペーンを行ってしまう可能性が低減され、キャンペーン実施期間中に商品が足りなくなる可能性が低くなる。
【0054】
図9の手順では、販売予測数が予測供給量以下であれば、販売予測数がどれだけ少なくてもキャンペーンを実施することになる。しかしながら、在庫維持費用等の点でキャンペーン実施期間の販売予測数が予測供給量に比して小さすぎることが問題となる場合もある。そこで、図9の手順の変形として、予測供給量を基準として、キャンペーン期間中の販売予測数の適正範囲を設定しておき、見積もった販売予測数がその適正範囲を下回る場合には、条件調整部24により対象顧客抽出条件14を緩和する方向に調整してもよい。この場合、適正範囲の上限は、予測供給量そのもの(又はこれに対して誤差を見込んだ値)であり、下限は例えば予測供給量に対してある割合を乗じたものである(例えば、予測供給量の7割以上販売できると予測される場合に適正とするなど)。この例では、販売予測数が適正範囲内である場合にのみ、キャンペーン実施処理部28によるキャンペーンの処理が実施される。
【0055】
なお、以上に説明した第2の変形例における商品の予測供給量(予測在庫量)に基づく対象顧客抽出条件14の調整機能を、第1の変形例でのキャンペーンの予定実施費用(予算)に基づく対象顧客抽出条件14の調整と併用してもよい。この場合、キャンペーンの実施費用が予算範囲内となり、かつ販売予測数が予測供給量に対して適正範囲内となるように、対象顧客抽出条件14を調整すればよい。
【0056】
次に、図10を参照して、第3の変形例を説明する。この第3の変形例では、キャンペーンの規模や対象商品の情報が変更された場合に、その変更に応じてキャンペーン実施情報16を自動的に修正するための仕組みを提案する。
【0057】
すなわち、この第3の変形例では、条件調整部24が、対象顧客抽出条件14を調整すなわち変更した場合に、その調整に合わせて対象顧客抽出条件14を変更する。
【0058】
例えば、キャンペーン対象抽出部18により抽出された顧客群の規模が予定規模入力部26から入力された予定規模より大きくなったために、対象顧客抽出条件14を厳しくする方向に変更した場合、その条件14を満たす顧客群の属性の範囲が変更前より絞り込まれることとなる。このような属性範囲の絞り込みにより、ダイレクトメール等に掲載する情報コンテンツに絞り込みや変更を加えた方がよい場合がある。一例を挙げると、「スポーツが趣味である」という対象顧客抽出条件14を「野球が趣味である」に変更した場合、ダイレクトメール等に記載する顧客への呼びかけの文を「スポーツ好きの皆様へ」から「野球好きの皆様へ」に変更したり、掲載する商品を野球関連のものに絞り込んだりするなどである。ダイレクトメール等に掲載する情報コンテンツは、キャンペーン実施情報16に含まれているので、キャンペーン実施情報16を変更すればよい。以上は対象顧客抽出条件14を厳しくする場合であったが、緩和する場合も同様である。条件調整部24は、このような対象顧客抽出条件14の変更に応じた、キャンペーン実施情報16の変更を行う。
【0059】
このような機能により、キャンペーンにおいて顧客に提供する情報の内容が、対象顧客抽出条件14に応じたものに維持されることとなる。
【0060】
また、この第3の変形例では、商品情報監視部34が、基幹システム32等で管理される、キャンペーン対象の商品の情報を監視し、商品の情報に変更があった場合に、その変更に応じてキャンペーン実施情報16を自動的に変更する。
【0061】
例えば、対象商品の価格、内容量、構成成分等に変更があった場合、商品情報監視部34がその変更内容を検知し、キャンペーン実施情報16内のその対象商品についての説明のデータを、その変更内容に応じたものに修正する。例えば、商品の価格が変更された場合、キャンペーン実施情報16内のその商品の価格の値を変更後の値へと修正し、商品の内容物が増えた場合(例えば付属品が追加されるなど)には、キャンペーン実施情報16のその商品の説明にその増えた内容物の情報を追加する。
【0062】
このような機能により、キャンペーンにおいて顧客に提供する情報の中の、対象商品についての情報が、常に最新の状態を反映したものとなる。
【0063】
例えば、「一週間の間にウェブページへのアクセスや来店等といったコンタクトのあった顧客のうち特定の属性を持つ人に対して、販促情報を送付することで購入を促す」という活動を毎週繰り返すなどといった反復継続的なキャンペーン活動がある。このようなキャンペーン活動においては、店舗(及びウェブページ)で取り扱う商品又は商品群がキャンペーンの対象となる。商品情報監視部34によるキャンペーン実施情報16のメンテナンス機能によれば、このような反復継続的なキャンペーン活動についても、一度キャンペーン実施情報16を設定情報記憶部12に登録しておけば、時間の経過に伴って対象商品の内容に変更が生じた場合でも、自動的にその変更に応じてキャンペーン実施情報16が変更される。
【0064】
図10に例示した第3の変形例は、図1に示した実施形態の装置構成をベースとしたものであったが、図5及び図8に示した変形例の装置構成に対して第3の変形例におけるキャンペーン実施情報16のメンテナンス機能を追加してももちろんよい。
【0065】
以上に説明した第3の変形例は、対象顧客抽出条件14の調整に対応するキャンペーン実施情報16の修正機能と、商品情報の変更に対応するキャンペーン実施情報16の修正機能とを併せ持つものであったが、いずれか一方の修正機能のみでももちろんよい。
【0066】
以上に例示したキャンペーン管理装置は、例えば、汎用のコンピュータに上述の各機能モジュールの処理を表すプログラムを実行させることにより実現される。ここで、コンピュータは、例えば、ハードウエアとして、CPU等のマイクロプロセッサ、ランダムアクセスメモリ(RAM)およびリードオンリメモリ(ROM)等のメモリ(一次記憶)、HDD(ハードディスクドライブ)を制御するHDDコントローラ、各種I/O(入出力)インタフェース、ローカルエリアネットワークなどのネットワークとの接続のための制御を行うネットワークインタフェース等が、たとえばバスを介して接続された回路構成を有する。また、そのバスに対し、例えばI/Oインタフェース経由で、CDやDVDなどの可搬型ディスク記録媒体に対する読み取り及び/又は書き込みのためのディスクドライブ、フラッシュメモリなどの各種規格の可搬型の不揮発性記録媒体に対する読み取り及び/又は書き込みのためのメモリリーダライタ、などが接続されてもよい。上に例示した各機能モジュールの処理内容が記述されたプログラムがCDやDVD等の記録媒体を経由して、又はネットワーク等の通信手段経由で、ハードディスクドライブ等の固定記憶装置に保存され、コンピュータにインストールされる。固定記憶装置に記憶されたプログラムがRAMに読み出されCPU等のマイクロプロセッサにより実行されることにより、上に例示した機能モジュール群が実現される。また、以上に例示したキャンペーン管理装置の構成要素群を、ネットワークを介して相互に通信可能な複数のコンピュータに分散して実装し、それら分散された構成要素群がネットワークを介して相互に通信することで、上述したキャンペーン管理装置の機能を実現するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0067】
10 キャンペーン設定入力部、12 設定情報記憶部、14 対象顧客抽出条件、16 キャンペーン実施情報、18 キャンペーン対象抽出部、20 顧客DB、21 キャンペーン規模調整処理部、22 キャンペーン規模判定部、24 条件調整部、25 キャンペーン実施費用見積もり部、26 予定規模入力部、30 商品供給量監視部、32 基幹システム、34 商品情報監視部。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10