(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
本願発明に係る開閉器を適用した電磁継電器の実施形態を
図1ないし
図25の添付図面に従って説明する。
第1実施形態に係る電磁継電器は、
図1ないし
図18に図示するように、大略、ベース10と、電磁石部20と、可動鉄片40と、カード50と、接点機構部60と、および、ケース80とで形成されている。
なお、説明の便宜上、
図1においてケース80は図示していない。また、本実施形態では、ベース10に電磁石部20を組み付ける側を正面側(
図2)とし、前記ベース10に接点機構部60を組み付ける側を背面側(
図3)とする。
【0015】
前記ベース10は、
図8および
図9に図示するように、その上面外周縁部のうち、隣り合う辺に沿って平面略L字形状の
仕切り壁である絶縁壁11を一体成形してある。そして、前記絶縁壁11は、その一部を正面側に膨出させることにより、後述する接点機構部60を配置できる凹所12を形成してある。さらに、前記凹所12の略中央部には、後述するカード50の操作突起52を挿入できる方形の操作孔13を設けてある。
【0016】
また、前記ベース10は、
図9Bに示すように、絶縁壁11の正面側の基部近傍に、後述する門型鉄芯30を組み付けるために一対の圧入用凹部14,15を設けてある。前記圧入用凹部14,15は、その内側面の基部に圧壊用突部14a,15aをそれぞれ設けてある。そして、前記圧入用凹部14と隣り合う位置に後述する可動鉄片40を抜け止めする抜け止め孔16aを設けてあるとともに、前記圧入用凹部15と隣り合う位置に可動鉄片40を支持する軸受け部16bを設けてある。さらに、前記圧入用凹部14と絶縁壁11との間に後述するコイル端子37,38を挿通する端子用切り欠き部10aおよび端子用孔10bを設けてある。
【0017】
一方、前記ベース10は、
図9Cに示すように、既述したように絶縁壁11の背面側に設けた凹所12の略中央部に方形の操作孔13を設けてある。また、前記ベース10は、前記操作孔13の周囲に
方形の環状リブ13aを設けてあるとともに、前記操作孔13と隣り合う位置に支持突部12aを突設してある。さらに、前記ベース10は、その外周縁部のうち、前記凹所12の開口縁部に位置する領域に可動接点端子用切り欠き部18aおよび固定接点端子用切り欠き部18bを設けてある。そして、前記絶縁壁11のうち、前記凹所12の開口縁部に位置する領域に、テーパ面を備えた固定接点端子用位置決め段部17を形成してある。前記
固定接点端子用位置決め段部17の奥側隅部には、テーパ面で形成された断面略三角形の
シール溜り部17a(
図7C)を並設してある。また、前記ベース10は前記凹所12と隣り合う位置に圧入溝19a,19bを設けてあるとともに、前記固定接点端子用切り欠き部18bの両側に圧入溝19c,19cを設けてある。
【0018】
なお、前記
シール溜り部17aには、
図10A,10Bに示すように、シール材(図示せず)の注入を容易、かつ、確実にするため、通気溝17bを連通するように設けておいてもよい。
【0019】
電磁石部20は、
図11に示すように、スプール21に門型鉄芯30および一対のコイル端子37,38を組み付けるとともに、コイル39を巻回して構成されている。
【0020】
前記スプール21は、
図11Aに示すように、平行な一対の棒状連結部材22,23で一対の鍔部24,25を連結一体化してある。前記棒状連結部材23の両端には後述する門型鉄芯30を保持するための腕部23a,23bを側方に突設してある。
また、
図11Bに示すように、前記鍔部24の背面側には後述するコイル端子37,38を圧入,保持するための圧入溝24a,24bを並設してある。前記圧入溝24a,24bの対向面には、断面略三角形の抜け止め用突条(図示せず)を軸心方向に沿ってそれぞれ設けてある。
さらに、
図5Cに示すように、前記鍔部25の天井面には後述する可動鉄片40の軸部41を回動可能に支持するための軸受け部25aを設けてある。
【0021】
門型鉄芯30は、
図11に示すように、板状磁性材を門型に打ち抜いて形成したもので、両側の脚部31,32のうち、一方の脚部32の正面下方側に磁束密度を低減するための浅溝33を形成するとともに、前記脚部32の外側縁部から背面側に突出する突き出し突起34を設けてある。
【0022】
なお、磁束密度を低減させる手段は、門型鉄芯30の脚部32と後述する可動鉄片40の回動軸部43との対向面のうち、いずれ一方あるいは両方に設けてもよい。特に、可動鉄片40の軸部41と後述するカード50の操作突起52の押圧ポイントPとを結ぶ線の下方側に設けることが好ましい。
【0023】
コイル端子37,38は、
図11に示すように、断面円形のピン形状であり、その上端部に断面正方形の絡げ部37a,38aを形成してあるとともに、その中間部にプレス加工を施して断面略方形とした回り止め部37b,38bを設けてある。
なお、前記絡げ部37a,38aは断面四角形に限らず、長方形、三角形、楕円形であってもよく、好ましくはコイル39を切断できる角部を有する形状であればよい。
【0024】
そして、前記スプール21の腕部23a,23bに門型鉄芯30を組み付けるとともに、鍔部24の圧入溝24a,24bにコイル端子37,38をそれぞれ圧入し、圧入溝24a,24b内に設けた抜け止め用突条に係合して固定する。そして、前記コイル端子37,38の
絡げ部37a,38aを側方に折り曲げた後、前記
棒状連結部材22,23および門型鉄芯30にコイル39を巻回する。さらに、前記コイル39の引き出し線を前記コイル端子37,38の絡げ部37a,38aに絡げ、その角部でコイル39を切断した後、半田付けする。ついで、前記絡げ部37a,38aを曲げ起こすことにより、電磁石部20が完成する。
なお、前記ベース10に対する電磁石部20の組み付けは、可動鉄片40と同時に行う必要があるので、後述する。
【0025】
可動鉄片40は、
図2,3に示すように、上下端部に軸部41,42を設けた回動軸部43と、前記回動軸部43の下半分から側方に延在し、かつ、
先端部44aから上方に延在した延在部47を有するL字形状の回動腕部44と、で構成されている。前記回動腕部44の下辺縁部には抜け止め突起45を突設してあるとともに、その背面側の
先端部44aにプレス加工で多数の突条46を並設してある。前記突条46は、アークによって生成した粘着物質を原因とする可動鉄片40と門型鉄芯30との固着を防止するために設けられている。
なお、前記回動腕部44は必ずしもL字形状である必要はなく、前記回動腕部44の先端部が折れ曲がった形状であればよく、また、単なる短冊形状であってもよい。
【0026】
そして、前記ベース10に、前記電磁石部20および前記可動鉄片40を組み付ける場合には、前記スプール21の鍔部25に設けた軸受け部25aに可動鉄片40の軸部41を位置決めし、門型鉄芯30に可動鉄片40を重ね合わせた状態とする。そして、門型鉄芯30の脚部31,32の先端部を前記ベース10の圧入用凹部14,15に圧入し、前記圧入用凹部14,15内に設けた
圧壊用突部14a,15aを押し潰す。これにより、前記脚部31,32の先端部が前記圧入用凹部14,15の内側面にそれぞれ押し付けられ、位置決めされる(
図5B参照)。同時に、門型鉄芯30に設けた突き出し突起34が絶縁壁11に設けた位置決め用凹部11a(
図2)に嵌合する。また、可動鉄片40の軸部42を前記ベース10の軸受け部16bに回動可能な遊嵌状態とするとともに、抜け止め突起45を前記ベース10の抜け止め孔16aに嵌合して抜け止めする。
【0027】
なお、ベース10に電磁石部20を組み付けた場合には、
図5A,5B,5Cに示すように、スプール21の鍔部24,25はベース10の絶縁壁11に当接しておらず、門型鉄芯30だけがベース10に当接している。このため、ベース10に対する電磁石部20の組立誤差が小さく、位置決め精度が高いので、設計通りの支持強度を確保できるとともに、動作特性の良い電磁継電器が得られるという利点がある。
【0028】
カード50は、
図15に示すように、前記ベース10の凹所12に収納可能な形状であり、その正面中央に設けた絶縁用凹部51の底面から操作突起52を突設してある。前記絶縁用凹部51は、前記ベース10の
方形の環状リブ13aに嵌合可能な外形寸法を有している(
図4C)。一方、前記カード50は、その背面の上下縁部に一対の絶縁用リブ53,53を突設するとともに、前記操作突起52と同一軸心上に後述する可動接触片62に当接する突条54を設けてある。前記絶縁用リブ53は、後述する可動接触片62の上下縁部を仕切ることにより、絶縁距離を長くするためのものである(
図4C)。また、前記カード50は、その片側縁部に、前記ベース10に設けた支持突部12aに嵌合する切り欠き部55を設けてある。
したがって、前記ベース10の操作孔13および支持突部12aに、前記カード50の操作突起52および切り欠き部55をそれぞれ組み付けることができる。
【0029】
接点機構部60は、
図2,3に図示するように、可動接点端子61と、固定接点端子70とで構成されている。
前記可動接点端子61は、
図16に図示するように、その側面縁部から側方に延在した可動接触片62の自由端部に可動接点63をカシメ固定してある。前記可動接触片62の基部のうち、その上方縁部に圧入用舌片64を切り起こしてある一方、その下方縁部から
圧入用舌片65を切り起こしてあるとともに、端子部66を延在してある。前記端子部66はプレス加工で打ち抜いた折り曲げ代を2つ折り重ねるとともに、前記折り曲げ代の上端縁部を曲げ起こしてシール止め部67としてある。なお、前記可動接触片62は、その先端部の角部を切り落とし、後述する固定接点端子70とのベース10の内面を介した絶縁距離を長くすることにより、絶縁特性を高めてある。
【0030】
そして、前記可動接点端子61の圧入用舌片64,65をベース10の圧入溝19a,19bに圧入するとともに、その端子部66の基部を前記ベース10の可動接点端子用切り欠き部18aに嵌合する。これにより、前記可動接点端子61のシール止め部67が前記
可動接点端子用切り欠き部18aを塞ぐ(
図6B)一方、可動接触片62がカード50の突条54に当接する。
【0031】
固定接点端子70は、
図17に図示するように、その側面縁部から側方に延在した固定接触片71の先端部に固定接点72をカシメ固定してある一方、その下方縁部から端子部73を延在するとともに、その両側縁部から圧入用リブ74,74を切り起こしてある。また、前記端子部73の基部の奥側にはシール止め部75を突き出し加工で設けてある。そして、前記固定接触片71は、その先端部を前記固定接点72の外周に沿う円弧形状とし、特に、その先端縁部を前記固定接点72と面一となるように切除してある。前記可動接点端子61とのベース10の内面を介した絶縁距離、および、コイル端子37,38との絶縁距離を長くし、絶縁特性を向上させるためである。
【0032】
そして、前記固定接点端子70の
圧入用リブ74,74を前記ベース10の圧入溝19c,19cに圧入し、その上端部76を絶縁壁11に設けた
固定接点端子用位置決め段部17に位置決めするとともに、端子部73の基部を前記固定接点端子用切り欠き部18bに嵌合する。ついで、前記
固定接点端子用位置決め段部17に設けた
シール溜り部17aにシール材(図示せず)を注入して固化させることにより、前記固定接点端子70がベース10に固定され、固定接点72が可動接点63に接離可能に対向する。
なお、通常、接点開閉に伴って発生する接点の磨耗粉が
ベース10の内面に付着し、溜まることにより、固定接点と可動接点とが電気的に短絡しやすくなり、絶縁劣化する。これに対し、本願発明によれば、可動接触片62の先端部および固定接触片71の先端部を切除してある。このため、固定接点72とベース10(凹所12の内面)との絶縁距離、または、可動接点63とベース10(凹所12の内面)との絶縁距離を長くでき、絶縁劣化を防止できるという利点がある。
【0033】
ケース80は、
図2,3に図示するように、前記ベース10に嵌合可能な箱形状を有し、その上面隅部に孔81を設けてある。また、ケース80は、
図18に図示するように、その天井面隅部に、前記スプール21の
テーパ部24c(
図1)に当接して誤挿入を防止する位置決め用突条82を一体成形してある。さらに、前記ケース80は、その天井面の短辺側隅部に、成形時のゲートによる不具合を回避するための段部83を有している。
【0034】
そして、内部構成部品を組み付けたベース10にケース80を嵌合した後、前記ベース10の底面に図示しないシール材を注入,固化してシールする。ベース10にケース80を嵌合すると、固定接点端子70のシール止め部75がケース80の内側面近傍に位置する。このため、可動接点端子61に設けたシール止め部67および固定接点端子70に設けたシール止め部75がシール材の侵入を阻止し、動作不良,接触不良の発生を防止できる。
ついで、前記ケース80の孔81を熱封止することにより、組立作業が完了する。
【0035】
次に、本発明に係る電磁継電器の動作について説明する。
電磁石部20のコイル39に電圧が印加されていない場合には、可動接触片62のバネ力でカード50が絶縁壁11側に付勢されており、可動接点63が固定接点72から開離している一方、可動鉄片40の回動腕部44の先端部44aが門型鉄芯30から離れている(
図13A)。
【0036】
そして、前記電磁石部20のコイル39に電圧を印加して励磁すると、可動鉄片40の回動腕部44の先端部44aが吸引され、軸部41,42を中心として可動鉄片40が回動する。そして、前記回動腕部44が押圧ポイントPでカード50の操作突起52を押し込むと(
図13B)、軸部41と押圧ポイントPとを結ぶ線を中心とする捩りモーメントが作用する。このため、軸部42が門型鉄芯30から離れるとともに、可動鉄片40の先端部44aから延在した延在部47の先端縁部が門型鉄芯30に接近する(
図13C)。ついで、延在部47の先端縁部が門型鉄芯30に吸着して安定状態となる(
図13D)。この結果、カード50が最終位置まで押し込まれ、板厚方向に変位した可動接触片62の可動接点63が固定接点72に接触する。
【0037】
本実施形態では、門型鉄芯30の脚部32の下方側に磁束密度低減手段である浅溝33を設けてあるので、磁気抵抗が大きくなり、磁束密度が低下する。このため、可動鉄片40に捩りモーメントが作用すると、可動鉄片40の軸部42がストロークの初期段階で門型鉄芯30から離れる。この結果、動作電圧にバラツキがなくなり、安定した動作特性を有する電磁継電器が得られるという利点がある。
なお、磁束密度を低減させる手段としては、浅溝33に限らず、例えば、突起を設けてもよく、あるいは、遮磁板、銅メッキ等の非磁性体で構成してもよい。
また、磁束密度を低減させる手段は、前記門型鉄芯30および前記可動鉄片40の両方、または、いずれか一方に設けてもよい。
さらに、磁束密度を低減させる手段は、前述の
浅溝33、突起、遮磁板、非磁性体を組み合わせてもよく、例えば、門型鉄芯30に浅溝33と非磁性体とを設けて構成してもよい。
【0038】
ついで、前記コイル39の電圧の印加を停止すると、可動接触片62のバネ力により、カード50が押し戻され、カード50の操作突起52が可動鉄片40の回動腕部44を押し戻すことにより、元の状態に復帰する。
【0039】
本発明に係る第2実施形態は、
図19に図示するように、可動接点端子61の端子部66の基部の奥側にシール止め部67を突き出し加工で形成するとともに、固定接点端子70に補強用突条77を突き出し加工で形成した場合である。
本実施形態によれば、材料の歩留まりが良く、製造しやすいという利点がある。
他は前述の実施形態と同様であるので、同一部分には同一番号を附して説明を省略する。
【0040】
本発明に係る第3実施形態は、
図20に図示するように、可動接点端子61の端子部66の基部の奥側縁部から切り出して折り曲げることにより、シール止め部67を形成した場合である。
本実施形態によれば、ケース80の内側面に長い前記シール止め部67が接近し、シール材の侵入をより一層確実に防止できるという利点がある。
他は前述の実施形態と同様であるので、同一部分には同一番号を附して説明を省略する。
【0041】
本発明に係る第4実施形態は、
図21に図示するように、可動接点端子61の端子部66の基部の奥側にシール止め部67である貫通孔を打ち抜き加工で形成した場合である。
本実施形態によれば、材料の歩留まりが良く、製造しやすいという利点がある。
【0042】
本発明に係る第5実施形態は、
図22に図示するように、固定接点端子70に設けた端子部73の基部よりも奥側の縁部から切り出して折り曲げることにより、ケース80の内側面に接近した長い
弾性のシール止め部75を形成した場合である。
本実施形態によれば、ケース80の内側面に長い
弾性の前記シール止め部75が接近し、シール材の侵入をより一層確実に防止できるという利点がある。
【0043】
本発明に係る第6実施形態は、
図23ないし
図25に図示するように、前述の第1実施形態とほぼ同様であり、異なる点はツイン接点構造とした点である。
すなわち、
図24,25に図示するように、可動接触片62の先端部を巾方向に2分割して分割片62a,62aを設けるとともに、前記分割片62aの自由端部に可動接点63aをそれぞれ設けてある。一方、固定接触片71の自由端部に
棒状の固定接点72を設けることにより、クロスバー接点構造としてある。本実施形態によれば、接触信頼性の高い電磁継電器が得られるという利点がある。
他は前述の第1実施形態とほぼ同様であるので、同一部分には同一番号を附して説明を省略する。
【実施例1】
【0044】
本実施例に係る電磁継電器の磁気特性を測定した。測定結果を
図14Aに示す。一方、従来例に係る電磁継電器の磁気特性を同様に測定した。測定結果を
図14Bに示す。
なお、
図14A,
図14Bのグラフ図において縦軸は押圧ポイントPに負荷される荷重を示し、横軸はカードの移動量であるストロークを意味する。また、前記グラフ図の右端側はコイルに電圧が印加されていない状態、すなわち、カードが移動していない状態を示している。そして、グラフ図の左側に移動するにつれ、コイルに電圧が印加されてカードが移動した状態を示している。
【0045】
本願発明では、可動鉄片40の軸部42が門型鉄芯30の脚部32から離れ、延在部47の先端縁部が門型鉄芯30の脚部31に接近する(
図13C)。このため、
図14Aから明らかなように、点線で示したコイルによる磁力がストロークの初期段階で急激に増大する。これに対し、
図14Bに示す従来例では、磁力が急上昇するポイントが遅い。
すなわち、本願発明では、磁束密度低減手段を設けることにより、可動鉄片40の軸部42が門型鉄芯30の脚部32から離れやすくなるので、磁力をストロークの初期段階で急上昇させることができる。この結果、動作電圧のバラツキを防止でき、安定した動作特性を有する電磁継電器が得られる。
また、磁力の急上昇する位置が遅すぎると、一点鎖線で示した押圧ポイントPに作用するバネ負荷がコイルによる磁力よりも大きくなり、動作不能となるおそれがあり、これを防止できるという効果もある。