(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1のテレビ受信機では、CM区間内の所定のタイミングごとの音量の平均値を用いてCM区間の全体の音量を本編区間の音量よりも一定量下げるように構成されているため、CM区間に極端に音量が大きい部分が存在する場合には、CM区間の全体の音量を本編区間の音量よりも一定量下げたとしても、CM区間の極端に音量が大きい部分において大音量が出力されてしまうという問題点がある。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、大音量が出力されることを確実に抑制することが可能な音声信号出力機
器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の
一の局面による音声信号出力機器は、
外部機器
にコンテンツの音声信号を出力す
る出力部と
、外部機器の音量設定情報を取得す
る取得部と、コンテンツの音声信号
レベルを取得
し、音声信号レベルと音量設定情報とに対応する外部機器での出力音量
が所定
の閾値よりも大きい場合に、
音声信号レベル、または、音量設定情報のいずれかを小さくする制御部とを備
える。
【0008】
この発明の
一の局面による音声信号出力機器では、上記のように、
コンテンツの音声信号レベルを取得し、音声信号レベルと音量設定情報とに対応する外部機器での出力音量が所定の閾値よりも大きい場合に、音声信号レベル、または、音量設定情報のいずれかを小さくする制御部を設けることによって、コンテンツを再生する際に、出力音量の演算結果に基づいて再生時に実際に外部機器から出力される音量を、出力音量が所定の音量閾値よりも大きい部分において小さくすることができるので、極端に出力音量が大きい部分が局所的に存在する場合にも、コンテンツの音声が外部機器から大音量で出力されることを確実に抑制することができる。
また、音声信号の出力方法に応じて、コンテンツに含まれる音声信号レベルを小さくするか、または、外部機器側で音量設定情報を小さくするかのいずれかを選択することができるので、出力方法に適した方法で外部機器での出力音量を小さくする制御を行うことができる。
【0009】
上記
一の局面による音声信号出力機器において、好ましくは、制御部は
、出力音量
と所定の閾値とを再生前に順次比較する。このように構成すれば、コンテンツを再生する際に、実際に外部機器から出力される音量を出力音量が所定
の閾値よりも大きい部分において順次小さくすることができるので、コンテンツの音声が外部機器から大音量で出力されることをより確実に抑制することができる。
【0011】
上記一の局面による音声信号出力機器において、好ましくは、制御部は
、出力部から
出力されるコンテンツの音声信号がビットストリーム
である場合に、外部機器の音量設定情報を小さくし、コンテンツの音声信号がビットストリーム
以外である場合に、
音声信号レベルを小さくす
る。ここで、コンテンツの音声信号がビットストリーム
で出力される場合には、コンテンツの音声信号が変換されずにオリジナルのデジタル音声信号の状態
で出力部から出力されるため、コンテンツに含まれる
音声信号レベルを修正するのが困難である。そこで、コンテンツの音声信号がビットストリーム
で出力される場合に外部機器の音量設定情報を小さくすることによって、コンテンツの
音声信号レベルを修正することなく、外部機器から出力される音量を小さくすることができる。また、コンテンツの音声信号がビットストリーム
以外である場合には、音声信号出力機器においてコンテンツの
音声信号レベルを小さくすることができるので、ビットストリーム
での出力の場合のように音量設定情報を小さくするための通信を外部機器などと行う必要がない。これにより、出力方法に応じて、容易に外部機器から出力される音量を小さくすることができる。
【0012】
上記一の局面による音声信号出力機器において、好ましくは、制御部は、外部機器の音量設定情報を小さくする場合に、外部機器
から取得した音量設定情報を調整して外部機器に出力す
る。このように構成すれば、音声信号出力機器側で外部機器の音量設定情報の演算が行われることにより、外部機器側で音量設定情報を小さくするための演算を行う必要がない。これにより、外部機器の演算による処理負担を軽減することができる。
【0013】
上記
一の局面による音声信号出力機器において、好ましくは、制御部は、外部機器
における音量設定情報が変更
に基づいて、該音量設定情報を
取得部に取得
させる。このように構成すれば、外部機器の現在の音量設定情報に合うように外部機器での出力音量を演算することができる。これにより、より確実に、コンテンツの音声が外部機器から大音量で出力されることを抑制することができる。
【0014】
上記
一の局面による音声信号出力機器において、好ましくは、
外部機器での出力音量は、
音声信号レベルを構成する増幅率と外部機器の音量設定情報を構成する増幅率とに
対応している。このように構成すれば、制御部は、外部機器での出力音量の演算を容易に行うことができる。
【0015】
上記
一の局面による音声信号出力機器において、好ましくは、制御部は、出力音量が所定
の閾値よりも大きい場合に、出力音量が所定
の閾値と略等しくなるよう
に音声信号レベル、または、音量設定情報のいずれかを小さくす
る。このように構成すれば、出力音量が所定
の閾値よりも大きい場合に、外部機器から出力される音量を許容可能な最大の音量(音量閾値)に維持した状態で、コンテンツの音声を外部機器から出力させることができる。
【0016】
上記
一の局面による音声信号出力機器において、好ましくは、
制御部は、外部機器に設定画面の映像信号とテスト音声信号とを出力し、所定
の閾値
を変更可能に構成されている。このように構成すれば、ユーザが各人の好みに応じて音量閾値を設定することができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0021】
まず、
図1および
図2を参照して、本発明の一実施形態による音声映像出力システム100の構造について説明する。
【0022】
本発明の一実施形態による音声映像出力システム100は、
図1に示すように、再生装置1とテレビジョン装置2とを備えている。なお
、再生装置1およびテレビジョン装置2は、それぞれ、本発明の「音声信号出力機器」および「外部機器」の一例である。
【0023】
再生装置1とテレビジョン装置2とは、HDMI(High−Difinition multimedia interface)ケーブル3によって互いに接続されている。これにより、再生装置1は、テレビジョン装置2にコンテンツの音声信号および映像信号を出力可能に接続されている。
【0024】
再生装置1は、制御部10と、再生部11と、RAM12と、ROM13と、フラッシュメモリ14と、HDMIトランスミッタ15と、HDMIケーブル3が接続されるHDMI端子16とを備えている。制御部10はCPUからなり、制御プログラムを実行することにより再生装置1全体の動作制御を行うように構成されている。再生部11は、VHSテープ、DVD、BD、LD、USBメモリ、SDカードおよびHDDなどの記憶媒体に記憶されたコンテンツを構成する音声信号および映像信号を読み出す機能を有している。
【0025】
RAM12は、書き換え可能な揮発性の半導体メモリであり、制御部10によりコンテンツの音声信号が一時的に記憶されるように構成されている。また、制御部10は、RAM12に記憶されたコンテンツの音声信号から音量情報X(
図1参照)を取得するように構成されている。なお、音量情報Xは、X=10×log
10(P/P
0)(dB)により定義される増幅率から構成されている。ここで、P
0は再生装置1から出力可能な最大の電圧値(規定値)であり、Pは再生装置1から実際に出力される電圧値である。すなわち、(P/P
0)は1以下の値になるため、Xは0以下の値になる。
【0026】
ROM13は、書き換え不可能な不揮発性の半導体メモリであり、
図2に示すような設定画面13aを構成する映像信号およびテストトーンを構成する音声信号が予め記憶されている。設定画面13aでは、テレビジョン装置2から出力される出力音量の上限値である音量閾値Z
limitをユーザが設定することが可能に構成されている。具体的には、ユーザは設定画面13a内の音量調節バー13bを横方向にスライド移動させてOKボタン13cを選択することにより、音量閾値Z
limitをユーザが希望する大きさに設定することが可能に構成されている。
【0027】
HDMIトランスミッタ15は、音声信号および映像信号をデジタル信号としてテレビジョン装置2に送信する機能と、テレビジョン装置2とCEC(Consumer Electronics Control)制御信号の双方向通信を行う機能とを有している。なお、HDMIトランスミッタ15は、本発明の
「出力部」および
「取得部」の一例である。
【0028】
また、コンテンツの音声信号は、ビットストリーム出力またはLPCM(Liner Pulse Code Modulation)方式の出力のいずれかの出力方式によって、再生装置1からテレビジョン装置2に送信されるように構成されている。ビットストリーム出力方式とは、コンテンツの音声信号が再生装置1の再生部11で読み出されたデジタル音声信号の形式のまま変換されずに、HDMIトランスミッタ15からテレビジョン装置2に送信される方式である。LPCM方式とは、コンテンツのデジタル音声信号が再生装置1の制御部10においてL
PCM形式に変換された後に、HDMIトランスミッタ15からテレビジョン装置2に送信される方式である。
【0029】
ここで、ビットストリーム出力方式では、再生装置1の制御部10によりコンテンツの音量情報Xが修正された状態でテレビジョン装置2に送信することが困難である一方、LPCM方式では、制御部10によりコンテンツの音量情報Xが修正された状態でテレビジョン装置2に送信することが可能である。なお、音声信号の出力方式は、コンテンツに予め定められている出力方式や、ユーザにより選択された出力方式に基づいて決定される。
【0030】
テレビジョン装置2は、制御部20と、HDMIトランスミッタ21と、HDMIケーブル3が接続されるHDMI端子22と、表示部23と、音声出力部24と、ユーザからのテレビジョン装置2および再生装置1に対する操作を受け付けるための操作部25とを備えている。制御部20は、テレビジョン装置2全体の動作制御を行うように構成されている。HDMIトランスミッタ21は、再生装置1からの音声信号および映像信号を受信する機能と、再生装置1とCEC制御信号の双方向通信を行う機能とを有している。表示部23は、映像信号に基づいて映像を表示する機能を有している。
【0031】
音声出力部24は、音声信号変換部24aと、音声信号増幅部24bと、スピーカ部24cとを有している。音声信号変換部24aは、デジタル信号の音声信号をアナログ信号の音声信号に変換する機能を有している。音声信号増幅部24bは、再生装置1からの音量情報Xを有する音声信号を音量設定情報Y(
図1参照)に基づいて増幅する機能を有している。なお、音量設定情報Yは、Y=10×log
10(Q/Q
0)(dB)により定義される増幅率から構成されている。ここで、Q
0は音声信号増幅部24bにおいて出力可能な最大の電圧値(規定値)であり、Qは音声信号増幅部24bから実際に出力される電圧値である。すなわち、(Q/Q
0)は1以下の値になるため、Yは0以下の値になる。
【0032】
これにより、音声信号増幅部24bにおいて、再生装置1からの音声信号は、出力音量Z(=音量情報X+音量設定情報Y)(dB)に増幅されるように構成されている。スピーカ部24cでは、音声信号増幅部24bにおいて増幅された出力音量Zでコンテンツの音声が出力されるように構成されている。
【0033】
次に、
図1〜
図3を参照して、音量閾値Z
limitを設定する際の再生装置1の制御部10およびテレビジョン装置2の制御部20の制御処理フローについて説明する。
【0034】
図示しないメニュー画面においてユーザにより音量閾値Z
limitを設定する操作が行われることなどによって、
図3に示すように、再生装置1では、制御部10(
図1参照)により、ステップS1において、設定画面13a(
図2参照)の映像信号およびテストトーンの音声信号がROM13(
図1参照)から読み出されてテレビジョン装置2(
図1参照)に送信される。
【0035】
テレビジョン装置2では、制御部20(
図1参照)により、ステップS11において、設定画面13aの映像信号およびテストトーンの音声信号が再生装置1から受信されたか否かが判断されるとともに、設定画面13aおよびテストトーンが受信されたと判断されるまでこの判断が繰り返される。設定画面13aおよびテストトーンが受信されたと判断された場合には、制御部20により、ステップS12において、設定画面13aが表示部23(
図1参照)に表示されるとともに、ステップS13において、所定の出力音量でテストトーンがスピーカ部24c(
図1参照)から出力される。
【0036】
その後、ユーザが操作部25を操作することにより、音量調節バー13b(
図2参照)がスライド移動されて出力音量がある音量に調整される。そして、制御部20により、ステップS14において、OKボタン13c(
図2参照)が選択されたか否かが判断される。OKボタン13cが選択されていないと判断された場合には、ステップS13に戻り、再度所定の出力音量でテストトーンがスピーカ部24cから出力される。OKボタン13cが選択されたと判断された場合には、OKボタン13cが選択された時点の音量調節バー13bの音量が音量閾値Z
limitであると判断される。そして、制御部20により、ステップS15において、音量閾値Z
limitの情報がCEC制御信号を用いて再生装置1に送信される。そして、制御部20の制御が終了される。
【0037】
再生装置1では、制御部10により、ステップS2において、音量閾値Z
limitの情報が受信されたか否かが判断されるとともに、音量閾値Z
limitの情報が受信されたと判断されるまでこの判断が繰り返される。音量閾値Z
limitの情報が受信されたと判断された場合には、制御部10により、ステップS3において、音量閾値Z
limitがフラッシュメモリ14(
図1参照)に記憶される。そして、制御部10の制御が終了される。これにより、ユーザによる音量閾値Z
limitの設定が完了する。
【0038】
次に、
図1および
図4〜
図6を参照して、コンテンツ再生時の再生装置1の制御部10およびテレビジョン装置2の制御部20の制御処理フローについて説明する。
【0039】
まず、
図4に示すように、再生装置1(
図1参照)では、制御部10(
図1参照)により、ステップS21において、ユーザの操作などによってコンテンツが選択されたか否かが判断されるとともに、選択されたと判断されるまでこの判断が繰り返される。コンテンツが選択されたと判断された場合には、制御部10により、ステップS22において、CEC制御信号を用いてテレビジョン装置2(
図1参照)に、テレビジョン装置2の音声信号増幅部24b(
図1参照)において現在設定されている音量設定情報Yaの送信を要求する。
【0040】
テレビジョン装置2では、制御部20(
図1参照)により、ステップS41において、再生装置1から音量設定情報Yaの送信が要求されたか否かが判断されるとともに、音量設定情報Yaの送信が要求されたと判断されるまでこの判断が繰り返される。音量設定情報Yaの送信が要求されたと判断された場合には、制御部20により、ステップS42において、CEC制御信号を用いてテレビジョン装置2において現在設定されている音量設定情報Yaが再生装置1に送信される。
【0041】
再生装置1では、制御部10により、ステップS23において、テレビジョン装置2からの音量設定情報Yaが受信されたか否かが判断されるとともに、音量設定情報Yaが受信されたと判断されるまでこの判断が繰り返される。音量設定情報Yaが受信されたと判断された場合には、制御部10により、ステップS24において、RAM12(
図1参照)に一時的に記憶されたコンテンツの音量情報Xa(
図5および
図6において、細い実線で示す)が順次再生前に取得される。そして、ステップS25に進む。
【0042】
また、テレビジョン装置2では、制御部20により、ステップS43において、ユーザが操作部25を操作することなどによって、テレビジョン装置2に設定されている音量設定情報Ya(以前に音量設定情報Yaが変更されている場合には変更音量設定情報Ybとなる)が新たな変更音量設定情報Ybに変更されたか否かが判断される。新たな変更音量設定情報Ybに変更されたと判断された場合には、制御部20により、ステップS44において、CEC制御信号を用いて新たな変更音量設定情報Ybが再生装置1に送信される。そして、ステップS45に進む。また、新たな変更音量設定情報Ybに変更されていないと判断された場合にも、ステップS45に進む。
【0043】
再生装置1では、制御部10により、ステップS25において、テレビジョン装置2から新たな変更音量設定情報Ybが受信されたか否かが判断される。新たな変更音量設定情報Ybが受信されていないと判断された場合には、ステップS27に進む。また、新たな変更音量設定情報Ybが受信されたと判断された場合には、制御部10により、ステップS26において、テレビジョン装置2の音量設定情報Yaまたは変更音量設定情報Ybが新たな変更音量設定情報Ybに変更されて、新たな変更音量設定情報Ybがテレビジョン装置2での出力音量Z(変更出力音量Zb)の演算に用いられる。
【0044】
ここで、本実施形態では、制御部10により、ステップS27において、音量情報Xaと音量設定情報Yaまたは変更音量設定情報Ybとに基づいて、出力音量Za(=Xa+Ya)または変更出力音量Zb(=Xa+Yb)(
図5および
図6参照)が順次再生前に演算される。そして、制御部10により、ステップS28において、出力音量Zaまたは変更出力音量Zbが音量閾値Z
limitよりも大きいか否かが判断される。出力音量Zaまたは変更出力音量Zbが音量閾値Z
limit以下であると判断された場合には、制御部10により、ステップS29において、修正されない音量情報Xaの音声信号がHDMIケーブル3を介してそのままテレビジョン装置2に送信される。そして、ステップS34に進む。
【0045】
また、出力音量Zaまたは変更出力音量Zbが音量閾値Z
limitよりも大きい(Z>Z
limit、
図5および
図6に示す出力音声修正部分)と判断された場合には、制御部10により、ステップS30において、音声信号が再生装置1からテレビジョン装置2にビットストリーム出力されているか否かが判断される。音声信号がビットストリーム出力されていると判断された場合には、制御部10により、ステップS31において、
図5に示す出力音声修正部分において、出力音量Zが音量閾値Z
limitと略等しくなるように、テレビジョン装置2の音量設定情報Yaまたは変更音量設定情報Ybが修正音量設定情報Ycに修正される。つまり、Z(=Z
limit)=Xa+Ycを満たすように、修正音量設定情報Yc(Yc<YaまたはYc<Yb)が演算される。この結果、コンテンツの出力音量Zは、音量閾値Z
limitと略等しい第1修正出力音量Zc(=Xa+Yc)(
図5において、太い実線で示す)に小さくされる。ここで、修正音量設定情報Ycは、ある特定の時間の音量情報Xaにおいてのみ適用される音量設定情報であり、異なる時間の音量情報Xaに対しては、別途、異なる修正音量設定情報Ycが演算される。
【0046】
そして、制御部10により、ステップS32において、音量情報Xaの音声信号と修正された修正音量設定情報Ycとがテレビジョン装置2に送信される。なお、修正音量設定情報Ycは、CEC制御信号を用いてテレビジョン装置2に送信(出力)される。そして、ステップS34に進む。
【0047】
一方、ステップS30において、音声信号がビットストリーム出力されていない(LPCM方式により送信されている)と判断された場合には、制御部10により、ステップS33において、
図6に示す出力音声修正部分において、出力音量Zが音量閾値Z
limitと略等しくなるように、コンテンツの音量情報Xaが修正音量情報Xbに修正(オフセットゲイン)される。つまり、Z(=Z
limit)=Xb+YaまたはZ(=Z
limit)=Xb+Ybを満たすように、修正音量情報Xb(Xb<Xa)(
図6において、一点鎖線で示す)が演算される。この結果、コンテンツの出力音量Zは、音量閾値Z
limitと略等しい第2修正出力音量Zd(=Xb+Ya)または第3修正出力音量Ze(=Xb+Yb)(
図6において、太い実線で示す)に小さくされる。そして、制御部10により、ステップS29において、修正された修正音量情報Xbの音声信号がテレビジョン装置2に送信される。そして、ステップS34に進む。
【0048】
そして、制御部10により、ステップS34において、コンテンツの音声信号が読み出されなくなったことにより、コンテンツの再生が終了したか否かが判断される。コンテンツの再生が終了していないと判断された場合には、ステップS24に戻り、コンテンツ再生のための上記した制御処理フローが繰り返される。一方、コンテンツの再生が終了したと判断された場合には、制御部10の制御が終了される。
【0049】
一方、テレビジョン装置2では、制御部20により、ステップS45において、再生装置1から音声信号が受信されたか否かが判断される。音声信号が受信されないと判断された場合には、コンテンツの再生が終了したと判断して、制御部20の制御が終了される。
【0050】
また、音声信号が受信されたと判断された場合には、制御部20により、ステップS46において、音声信号に伴い修正音量設定情報Ycも受信されたか否かが判断される。修正音量設定情報Ycは受信されていないと判断された場合には、ステップS48に進む。また、修正音量設定情報Ycも受信されたと判断された場合には、制御部20により、ステップS47において、音量設定情報Yaまたは変更音量設定情報Ybが、特定の時間における音量情報Xaに対応する修正音量設定情報Ycに置き換えられる。
【0051】
そして、音声信号がビットストリーム出力されている場合には、制御部20により、ステップS48において、
図5に示すように、音量情報Xaの音声信号が、音量設定情報Ya、変更音量設定情報Ybまたは修正音量設定情報Ycに基づいて音声信号増幅部24bで増幅されて、スピーカ部24cから出力音量Za(=Xa+Ya)、変更出力音量Zb(=Xa+Yb)または第1修正出力音量Zc(=Xa+Yc)(
図5において、太い実線で示す)で、コンテンツの音声が順次出力されて再生される。この際、テレビジョン装置2での出力音量Za、変更出力音量Zbおよび第1修正出力音量Zcは常に音量閾値Z
limit以下になる。
【0052】
また、音声信号がLPCM方式により送信されている場合には、制御部20により、ステップS48において、
図6に示すように、音量情報Xaまたは修正音量情報Xbの音声信号が、音量設定情報Yaまたは変更音量設定情報Ybに基づいて音声信号増幅部24bで増幅されて、スピーカ部24cから出力音量Za(=Xa+Ya)、変更出力音量Zb(=Xa+Yb)、第2修正出力音量Zd(=Xb+Ya)または第3修正出力音量Ze(=Xb+Yb)(
図6において、太い実線で示す)で、コンテンツの音声が順次出力されて再生される。この際、テレビジョン装置2での出力音量Za、変更出力音量Zb、第2修正出力音量Zdおよび第3修正出力音量Zeは常に音量閾値Z
limit以下になる。
【0053】
その後、ステップS43に戻り、音声信号が受信されないと判断される(ステップS45で「No」判定となる)まで、コンテンツ再生のための上記した制御処理フローが繰り返される。
【0054】
したがって、
図5に示すように、ビットストリーミング出力方式において、出力音量Zaまたは変更出力音量Zbが音量閾値Z
limitよりも大きい場合(出力音量修正部分)には、制御部10により修正音量設定情報Yc(Yc<YaまたはYc<Yb)が演算されて、出力音量Zを第1修正出力音量Zcに小さくする制御が行われる。また、
図6に示すように、LPCM方式において、出力音量Zaまたは変更出力音量Zbが音量閾値Z
limitよりも大きい場合(出力音量修正部分)には、制御部10により修正音量情報Xb(Xb<Xa)が演算されて、出力音量Zを第2修正出力音量Zdまたは第3修正出力音量Zeに小さくする制御が行われる。この結果、テレビジョン装置2から出力される音量は音量閾値Z
limit以下になる。
【0055】
また、
図5および
図6に示すように、テレビジョン装置2において音量設定情報Yが変更音量設定情報Ybに変更された場合であっても、変更された変更音量設定情報Ybに基づいて変更出力音量Zbが演算される。そして、変更出力音量Zbが音量閾値Z
limitよりも大きい場合(出力音量修正部分)、ビットストリーミング出力方式の場合には、制御部10により修正音量設定情報Ycが演算されて変更出力音量Zbを第1修正出力音量Zcに小さくする制御が行われる。また、LPCM方式の場合には、修正音量情報Xbが演算されて変更出力音量Zbを第3修正出力音量Zeに小さくする制御が行われる。この結果、音量設定情報Yが変更音量設定情報Ybに変更された場合であっても、テレビジョン装置2から出力される音量は音量閾値Z
limit以下になる。
【0056】
本実施形態では、上記のように、コンテンツを再生する際に、制御部10により、音量情報Xaと音量設定情報Yaまたは変更音量設定情報Ybとに基づいて、出力音量Za(=Xa+Ya)または変更出力音量Zb(=Xa+Yb)が順次再生前に演算されるとともに、出力音量Zaまたは変更出力音量Zbが音量閾値Z
limitよりも大きい場合には、出力音量Zを第1修正出力音量Zc(=Xa+Yc)、第2修正出力音量Zd(=Xb+Ya)または第3修正出力音量Ze(=Xb+Yb)に小さくする制御が行われることによって、出力音量Zaまたは変更出力音量Zbの演算結果に基づいて再生時に実際にテレビジョン装置2から出力される音量を、出力音量修正部分において順次小さくすることができるので、極端に出力音量Zが大きい部分が局所的に存在する場合にも、コンテンツの音声がテレビジョン装置2から大音量で出力されることをより確実に抑制することができる。また、音量情報Xまたは音量設定情報Yのいずれか一方のみに基づいて出力音量Zを小さくする制御を行う場合と比べて、より確実に、コンテンツの音声がテレビジョン装置2から大音量で出力されることを抑制することができる。
【0057】
また、本実施形態では、上記のように、ビットストリーミング出力方式において、出力音量Zaまたは変更出力音量Zbが音量閾値Z
limitよりも大きい場合には、制御部10により修正音量設定情報Yc(Yc<YaまたはYc<Yb)が演算されて、出力音量Zを第1修正出力音量Zcに小さくする制御が行われる一方、LPCM方式において、出力音量Zaまたは変更出力音量Zbが音量閾値Z
limitよりも大きい場合には、制御部10により修正音量情報Xb(Xb<Xa)が演算されて、出力音量Zを第2修正出力音量Zdまたは第3修正出力音量Zeに小さくする制御が行われることによって、音声信号の出力方法に応じて、コンテンツの音量情報Xaを修正音量情報Xbに小さくするか、または、テレビジョン装置2側で音量設定情報Yaまたは変更音量設定情報Ybを修正音量設定情報Ycに小さくするかのいずれかを選択することができるので、出力方法に適した方法でテレビジョン装置2での出力音量Zを小さくする制御を行うことができる。
【0058】
また、本実施形態では、上記のように、制御部10により、ビットストリーミング出力方式においては、テレビジョン装置2の修正音量設定情報Yc(Yc<YaまたはYc<Yb)が演算される一方、LPCM方式においては、コンテンツの修正音量情報Xb(Xb<Xa)が演算されるように構成することによって、コンテンツの音声信号がビットストリーム出力される場合に音量設定情報Yaまたは変更音量設定情報Ybを修正音量設定情報Ycに小さくすることによって、修正が困難な音量情報Xaを修正することなく、テレビジョン装置2から出力される音量を小さくすることができる。また、コンテンツの音声信号がLPCM方式の場合には、再生装置1において音量情報Xaを修正音量情報Xbに小さくすることができるので、ビットストリーム出力の場合のように音量設定情報Yaまたは変更音量設定情報Ybを小さくするための通信をテレビジョン装置2と行う必要がない。これにより、出力方法に応じて、容易にテレビジョン装置2から出力される音量を小さくすることができる。
【0059】
また、本実施形態では、上記のように、制御部10により、修正音量設定情報Ycが演算されて、音量情報Xaの音声信号と修正音量設定情報Ycとがテレビジョン装置2に送信されることによって、テレビジョン装置2側で音量設定情報Yaまたは変更音量設定情報Ybを修正音量設定情報Ycに小さくするための演算を行う必要がない。これにより、テレビジョン装置2の制御部20の演算による処理負担を軽減することができる。
【0060】
また、本実施形態では、上記のように、制御部10により、変更音量設定情報Ybが受信されたと判断された場合には、テレビジョン装置2の音量設定情報Yaまたは変更音量設定情報Ybが新たな変更音量設定情報Ybに変更されて、新たな変更音量設定情報Ybがテレビジョン装置2での変更出力音量Zbの演算に用いられることによって、テレビジョン装置2の現在の変更音量設定情報Ybに合うようにテレビジョン装置2での変更出力音量Zbを演算することができる。これにより、より確実に、コンテンツの音声がテレビジョン装置2から大音量で出力されることを抑制することができる。
【0061】
また、本実施形態では、上記のように、制御部10により、音量情報Xaと音量設定情報Yaまたは変更音量設定情報Ybとに基づいて、出力音量Zaまたは変更出力音量Zbが順次再生前に演算されることによって、テレビジョン装置2での出力音量Zaまたは変更出力音量Zbの演算を、コンテンツを順次再生する前に、容易に行うことができる。
【0062】
また、本実施形態では、上記のように、制御部10により、出力音量Zaまたは変更出力音量Zbが音量閾値Z
limitよりも大きい場合に、コンテンツの出力音量Zが、音量閾値Z
limitと略等しい第1修正出力音量Zc、第2修正出力音量Zdまたは第3修正出力音量Zeに小さくされることによって、テレビジョン装置2から出力される音量を許容可能な最大の音量(音量閾値Z
limit)に維持した状態で、コンテンツの音声をテレビジョン装置2から出力させることができる。
【0063】
また、本実施形態では、上記のように、音量閾値Z
limitがユーザによって設定されることによって、ユーザが各人の好みに応じて音量閾値Z
limitを設定することができる。
【0064】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0065】
たとえば、上記実施形態では、制御部10により、音声信号がビットストリーミング出力方式の場合には修正音量設定情報Ycが演算され、音声信号がLPCM方式の場合には修正音量情報Xbが演算される例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、音声信号がLPCM方式の場合、修正音量情報Xbを演算せずに修正音量設定情報Ycを演算してもよいし、修正音量情報Xbと修正音量設定情報Ycとの両方を演算してもよい。また、音声信号は、ビットストリーミング出力方式およびLPCM方式以外の出力方式で再生装置から送信されてもよい。
【0066】
また、上記実施形態では、出力音量を小さくする制御を行うと判断された場合、再生装置の制御部が自動的に出力音量を小さくする制御を行う例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、出力音量を小さくする制御を行うか否かをユーザに選択させる選択画面をテレビジョン装置の表示部に表示させることによって、出力音量を小さくする制御を行うか否かをユーザに選択させてもよい。
【0067】
また、上記実施形態では、再生装置1を本発明の音声信号出力機器とし、テレビジョン装置2を本発明の外部機器として音声映像出力システム100を構成する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、アンプを本発明の音声信号出力機器とし、テレビジョン装置を本発明の外部機器として音声映像出力システムを構成してもよい。この場合、アンプは、再生装置から音声信号が受信されるとともに、テレビジョン装置に音声信号を送信するように構成されているとともに、テレビジョン装置での出力音量を小さくする制御を行う制御部を備える構成になる。また、再生装置を本発明の音声信号出力機器とし、音声を出力可能なスピーカ部を含むアンプを本発明の外部機器としてもよい。また、音声映像出力システムを、音声信号出力機器と外部機器とが一体的に組み合わされた機器からなるように構成してもよい。この場合、シリアル通信によって互いに信号の送受信を行うことが可能である。
【0068】
また、上記実施形態では、本発明のテレビジョン装置での出力音量Zを音量閾値Z
limitと略等しくなるように小さくする例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、テレビジョン装置での出力音量が小さくされるのであれば、出力音量を所定の音量閾値と略等しくしなくてもよい。
【0069】
また、上記実施形態では、制御部10により、テレビジョン装置2での出力音量Zaまたは変更出力音量Zbが順次再生前にのみ演算される例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、再生開始時から所定の経過時間までの所定の期間だけ、予めテレビジョン装置での出力音量を小さくする制御を行ってもよい。これにより、予め制御が行われた所定の期間だけ制御処理を行う必要がないので、コンテンツ再生時における制御部の負担を軽減することが可能である。
【0070】
また、上記実施形態では、再生装置1とテレビジョン装置2とをHDMIケーブル3により接続して双方向通信を行う例について示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、再生装置とテレビジョン装置とを有線LANまたは無線LANにより接続して双方向通信を行ってもよいし、Wireless−HDにより接続して双方向通信を行ってもよい。また、再生装置とテレビジョン装置とをIEEE1394の規格に基づいて接続して双方向通信を行ってもよい。
【0071】
また、上記実施形態では、音声信号および映像信号を有するコンテンツの音量情報を用いる例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、たとえば、音楽CDや、音楽用カセットテープなどの音声信号のみを有するコンテンツの音量情報を用いてもよい。
【0072】
また、上記実施形態では、説明の便宜上、本発明の制御部の処理を制御処理フローに沿って順番に処理を行うフロー駆動型のフローチャートを用いて説明したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御部の処理動作を、イベント単位で処理を実行するイベント駆動型(イベントドリブン型)の処理により行ってもよい。この場合、完全なイベント駆動型で行ってもよいし、イベント駆動およびフロー駆動を組み合わせて行ってもよい。