特許第6015099号(P6015099)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6015099
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年10月26日
(54)【発明の名称】プログラム及びキャンペーン管理装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20161013BHJP
【FI】
   G06Q30/02 398
【請求項の数】4
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2012-101308(P2012-101308)
(22)【出願日】2012年4月26日
(65)【公開番号】特開2013-228934(P2013-228934A)
(43)【公開日】2013年11月7日
【審査請求日】2015年3月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士ゼロックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西沢 剛
【審査官】 青柳 光代
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−015115(JP,A)
【文献】 特開2010−061402(JP,A)
【文献】 特開2011−070288(JP,A)
【文献】 特開平08−255150(JP,A)
【文献】 特開2003−233755(JP,A)
【文献】 特開2009−061547(JP,A)
【文献】 特開2002−351911(JP,A)
【文献】 特開2002−342362(JP,A)
【文献】 特開2002−063123(JP,A)
【文献】 特開2005−124176(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
顧客の1以上の興味対象を記憶する興味対象記憶手段、
過去に前記顧客に提供したキャンペーン文書に掲載された各情報コンテンツが対象とする興味対象と、当該キャンペーン文書の提供に対する前記顧客からの反応の有無と、を含んだキャンペーン実績情報を記憶する実績情報記憶手段、
前記顧客に向けた新たなキャンペーン文書を生成する場合に、前記興味対象記憶手段に記憶された前記顧客の興味対象のうち、前記実績情報記憶手段に前記顧客からの反応が無い旨が記憶されたキャンペーン文書に掲載された各情報コンテンツが対象とする興味対象以外の興味対象である未試行興味対象、についての情報コンテンツを優先的に掲載した新たなキャンペーン文書を生成するキャンペーン文書生成手段、
として機能させるためのプログラムであって、
前記コンピュータを、前記興味対象記憶手段に記憶された前記顧客の興味対象の情報の変更を検知する変更検知手段、として更に機能させると共に、
前記キャンペーン文書生成手段は、前記変更検知手段により前記変更が検知された後に初めて前記顧客に向けた新たなキャンペーン文書を生成する場合には、生成する前記新たなキャンペーン文書に対して、前記変更により新たに追加された興味対象についての情報コンテンツを優先的に掲載する、ことを特徴とするプログラム。
【請求項2】
コンピュータを、
顧客の1以上の興味対象を記憶する興味対象記憶手段、
過去に前記顧客に提供したキャンペーン文書に掲載された各情報コンテンツが対象とする興味対象と、当該キャンペーン文書の提供に対する前記顧客からの反応の有無と、を含んだキャンペーン実績情報を記憶する実績情報記憶手段、
前記顧客に向けた新たなキャンペーン文書を生成する場合に、前記興味対象記憶手段に記憶された前記顧客の興味対象のうち、前記実績情報記憶手段に前記顧客からの反応が無い旨が記憶されたキャンペーン文書に掲載された各情報コンテンツが対象とする興味対象以外の興味対象である未試行興味対象、についての情報コンテンツを優先的に掲載した新たなキャンペーン文書を生成するキャンペーン文書生成手段、
として機能させるためのプログラムであって、
前記コンピュータを、前記キャンペーン文書に掲載可能な情報コンテンツの数である掲載数の興味対象から構成される組合せ毎に、過去に複数の顧客に対して提供した当該組合せを構成する各興味対象についての情報コンテンツを掲載したキャンペーン文書に対するそれら顧客の反応の有無に基づき、当該組合せについてのキャンペーン反応率を計算する反応率計算手段、として更に機能させると共に、
前記キャンペーン文書生成手段は、前記未試行興味対象の数が前記掲載数よりも多い場合に、前記掲載数の前記未試行興味対象から構成される組合せのうち、前記反応率計算手段により計算されたキャンペーン反応率が最高である組合せを構成する各興味対象についての情報コンテンツを掲載したキャンペーン文書を、前記新たなキャンペーン文書として生成する、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項3】
コンピュータを、
顧客の1以上の興味対象を記憶する興味対象記憶手段、
過去に前記顧客に提供したキャンペーン文書に掲載された各情報コンテンツが対象とする興味対象と、当該キャンペーン文書の提供に対する前記顧客からの反応の有無と、を含んだキャンペーン実績情報を記憶する実績情報記憶手段、
前記顧客に向けた新たなキャンペーン文書を生成する場合に、前記興味対象記憶手段に記憶された前記顧客の興味対象のうち、前記実績情報記憶手段に前記顧客からの反応が無い旨が記憶されたキャンペーン文書に掲載された各情報コンテンツが対象とする興味対象以外の興味対象である未試行興味対象、についての情報コンテンツを優先的に掲載した新たなキャンペーン文書を生成するキャンペーン文書生成手段、
として機能させるためのプログラムであって、
前記コンピュータを、前記キャンペーン文書に掲載可能な情報コンテンツの数である掲載数の興味対象から構成される組合せ毎に、過去に複数の顧客に対して提供した当該組合せを構成する各興味対象についての情報コンテンツを掲載したキャンペーン文書に対するそれら顧客の反応の有無に基づき、当該組合せについてのキャンペーン反応率を計算する反応率計算手段、として機能させると共に、
前記キャンペーン文書生成手段は、前記未試行興味対象の数が1以上且つ前記掲載数よりも少ない場合に、少なくとも1つの前記未試行興味対象を含んだ前記掲載数の興味対象から構成される組合せのうち、前記反応率計算手段により計算されたキャンペーン反応率が最高である組合せを構成する各興味対象についての情報コンテンツを掲載したキャンペーン文書を、前記新たなキャンペーン文書として生成する、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項4】
顧客の1以上の興味対象を記憶する興味対象記憶手段と、
過去に前記顧客に提供したキャンペーン文書に掲載された各情報コンテンツが対象とする興味対象と、当該キャンペーン文書の提供に対する前記顧客からの反応の有無と、を含んだキャンペーン実績情報を記憶する実績情報記憶手段と、
前記顧客に向けた新たなキャンペーン文書を生成する場合に、前記興味対象記憶手段に記憶された前記顧客の興味対象のうち、前記実績情報記憶手段に前記顧客からの反応が無い旨が記憶されたキャンペーン文書に掲載された各情報コンテンツが対象とする興味対象以外の興味対象である未試行興味対象、についての情報コンテンツを優先的に掲載した新たなキャンペーン文書を生成するキャンペーン文書生成手段と、
前記興味対象記憶手段に記憶された前記顧客の興味対象の情報の変更を検知する変更検知手段と、
を備え、
前記キャンペーン文書生成手段は、前記変更検知手段により前記変更が検知された後に初めて前記顧客に向けた新たなキャンペーン文書を生成する場合には、生成する前記新たなキャンペーン文書に対して、前記変更により新たに追加された興味対象についての情報コンテンツを優先的に掲載する、ことを特徴とするキャンペーン管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム及びキャンペーン管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載されたシステムは、顧客情報を随時収集し、その収集により顧客情報の変化を検知すると、変化のあった顧客をキャンペーン(販売促進活動)の対象等といった、あらかじめ定めておいた施策処理を自動的に実施する。また、このシステムは、キャンペーンに対する顧客からの応答率を分析し、応答率があらかじめ定めた値に達しないと判定した場合に、施策処理の設定内容(顧客の層別のためのしきい値、キャンペーンの提示内容等)を自動的に変更する。
【0003】
特許文献2に記載されたシステムでは、データベースに、商品の購入見込客の氏名、連絡先等の情報からなる第1のデータフィールドを作成し、この第1のデータフィールドから検索される購入見込客に対して商品の宣伝を行い、商品の宣伝に対する購入見込客の反応に基づき、購入見込客が商品購入の見込みの度合いで区別された第2のデータフィールドを作成し、この第2のデータフィールドに記録された商品購入の見込みの度合いに基づいて購入見込客を検索し、検索された購入見込客に対して商品購入の見込みの度合いで異なった商品購入の勧誘をする。
【0004】
特許文献3に記載されたシステムは、当該商品群および関連商品群の購買履歴・購買頻度、当該商品群に関する情報・広告へのアクセス履歴・取得頻度、当該商品群に関連するイベント、懸賞等への参加履歴・参加頻度、当該商品群および関連商品群に関するメール等による通知に対する反応、およびクーポン等の特典の付与に対する反応、等に応じて関心度の高さを判別し、関心度の高さに応じて各種情報、広告のほか、イベント、懸賞等のサービス、およびサービスポイントや割引クーポン等の各種特典等を提供する。
【0005】
特許文献4に記載されたシステムは、顧客に関する情報である顧客属性を、前記顧客属性を識別する顧客識別子と共に予め記録し、顧客が商品に関する情報を参照したときに前記参照した商品に関する情報の参照の履歴を商品に関する情報を、前記情報を参照した顧客の顧客識別子と共に情報提供履歴として記録し、顧客が実際に購入した商品に関する情報を、前記商品を購入した顧客の顧客識別子と共に購買履歴として記録し、特定の顧客の顧客識別子によって前記特定の顧客の顧客属性と情報提供履歴と購買履歴を検索し、前記検索により得られた特定の顧客の情報提供履歴及び購買履歴中に記録された特定の商品の販売促進効果を分析するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−243342号公報
【特許文献2】特開2000−082095号公報
【特許文献3】特開2001−175761号公報
【特許文献4】特開平09−153094号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、本発明を用いない場合と比べて、顧客毎にその顧客にとってキャンペーン効果が高いキャンペーン文書を生成できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項に係る発明は、コンピュータを、顧客の1以上の興味対象を記憶する興味対象記憶手段、過去に前記顧客に提供したキャンペーン文書に掲載された各情報コンテンツが対象とする興味対象と、当該キャンペーン文書の提供に対する前記顧客からの反応の有無と、を含んだキャンペーン実績情報を記憶する実績情報記憶手段、前記顧客に向けた新たなキャンペーン文書を生成する場合に、前記興味対象記憶手段に記憶された前記顧客の興味対象のうち、前記実績情報記憶手段に前記顧客からの反応が無い旨が記憶されたキャンペーン文書に掲載された各情報コンテンツが対象とする興味対象以外の興味対象である未試行興味対象、についての情報コンテンツを優先的に掲載した新たなキャンペーン文書を生成するキャンペーン文書生成手段、として機能させるためのプログラムであって、前記コンピュータを、前記興味対象記憶手段に記憶された前記顧客の興味対象の情報の変更を検知する変更検知手段、として更に機能させると共に、前記キャンペーン文書生成手段は、前記変更検知手段により前記変更が検知された後に初めて前記顧客に向けた新たなキャンペーン文書を生成する場合には、生成する前記新たなキャンペーン文書に対して、前記変更により新たに追加された興味対象についての情報コンテンツを優先的に掲載する、ことを特徴とするプログラムである
【0010】
請求項に係る発明は、コンピュータを、顧客の1以上の興味対象を記憶する興味対象記憶手段、過去に前記顧客に提供したキャンペーン文書に掲載された各情報コンテンツが対象とする興味対象と、当該キャンペーン文書の提供に対する前記顧客からの反応の有無と、を含んだキャンペーン実績情報を記憶する実績情報記憶手段、前記顧客に向けた新たなキャンペーン文書を生成する場合に、前記興味対象記憶手段に記憶された前記顧客の興味対象のうち、前記実績情報記憶手段に前記顧客からの反応が無い旨が記憶されたキャンペーン文書に掲載された各情報コンテンツが対象とする興味対象以外の興味対象である未試行興味対象、についての情報コンテンツを優先的に掲載した新たなキャンペーン文書を生成するキャンペーン文書生成手段、として機能させるためのプログラムであって、前記コンピュータを、前記キャンペーン文書に掲載可能な情報コンテンツの数である掲載数の興味対象から構成される組合せ毎に、過去に複数の顧客に対して提供した当該組合せを構成する各興味対象についての情報コンテンツを掲載したキャンペーン文書に対するそれら顧客の反応の有無に基づき、当該組合せについてのキャンペーン反応率を計算する反応率計算手段、として更に機能させると共に、前記キャンペーン文書生成手段は、前記未試行興味対象の数が前記掲載数よりも多い場合に、前記掲載数の前記未試行興味対象から構成される組合せのうち、前記反応率計算手段により計算されたキャンペーン反応率が最高である組合せを構成する各興味対象についての情報コンテンツを掲載したキャンペーン文書を、前記新たなキャンペーン文書として生成する、ことを特徴とするプログラムである。
【0011】
請求項に係る発明は、コンピュータを、顧客の1以上の興味対象を記憶する興味対象記憶手段、過去に前記顧客に提供したキャンペーン文書に掲載された各情報コンテンツが対象とする興味対象と、当該キャンペーン文書の提供に対する前記顧客からの反応の有無と、を含んだキャンペーン実績情報を記憶する実績情報記憶手段、前記顧客に向けた新たなキャンペーン文書を生成する場合に、前記興味対象記憶手段に記憶された前記顧客の興味対象のうち、前記実績情報記憶手段に前記顧客からの反応が無い旨が記憶されたキャンペーン文書に掲載された各情報コンテンツが対象とする興味対象以外の興味対象である未試行興味対象、についての情報コンテンツを優先的に掲載した新たなキャンペーン文書を生成するキャンペーン文書生成手段、として機能させるためのプログラムであって、前記コンピュータを、前記キャンペーン文書に掲載可能な情報コンテンツの数である掲載数の興味対象から構成される組合せ毎に、過去に複数の顧客に対して提供した当該組合せを構成する各興味対象についての情報コンテンツを掲載したキャンペーン文書に対するそれら顧客の反応の有無に基づき、当該組合せについてのキャンペーン反応率を計算する反応率計算手段、として機能させると共に、前記キャンペーン文書生成手段は、前記未試行興味対象の数が1以上且つ前記掲載数よりも少ない場合に、少なくとも1つの前記未試行興味対象を含んだ前記掲載数の興味対象から構成される組合せのうち、前記反応率計算手段により計算されたキャンペーン反応率が最高である組合せを構成する各興味対象についての情報コンテンツを掲載したキャンペーン文書を、前記新たなキャンペーン文書として生成する、ことを特徴とするプログラムである。
【0012】
請求項に係る発明は、顧客の1以上の興味対象を記憶する興味対象記憶手段と、過去に前記顧客に提供したキャンペーン文書に掲載された各情報コンテンツが対象とする興味対象と、当該キャンペーン文書の提供に対する前記顧客からの反応の有無と、を含んだキャンペーン実績情報を記憶する実績情報記憶手段と、前記顧客に向けた新たなキャンペーン文書を生成する場合に、前記興味対象記憶手段に記憶された前記顧客の興味対象のうち、前記実績情報記憶手段に前記顧客からの反応が無い旨が記憶されたキャンペーン文書に掲載された各情報コンテンツが対象とする興味対象以外の興味対象である未試行興味対象、についての情報コンテンツを優先的に掲載した新たなキャンペーン文書を生成するキャンペーン文書生成手段と、前記興味対象記憶手段に記憶された前記顧客の興味対象の情報の変更を検知する変更検知手段と、を備え、前記キャンペーン文書生成手段は、前記変更検知手段により前記変更が検知された後に初めて前記顧客に向けた新たなキャンペーン文書を生成する場合には、生成する前記新たなキャンペーン文書に対して、前記変更により新たに追加された興味対象についての情報コンテンツを優先的に掲載する、ことを特徴とするキャンペーン管理装置である。
【発明の効果】
【0014】
請求項1又は4に係る発明によれば、顧客が新たに興味を持った対象についての情報コンテンツをキャンペーン文書に組み込むことができる。
【0015】
請求項に係る発明によれば、未試行興味対象のみからなる組合せが複数ある場合に、そのうち過去の顧客全体の実績から見て最も反応が得られる可能性が高いものを選択することができる。
【0016】
請求項に係る発明によれば、未試行興味対象を含む組合せが複数ある場合に、そのうち過去の顧客全体の実績から見て最も反応が得られる可能性が高いものを選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】キャンペーン管理装置の一例を示す図である。
図2】顧客興味対象情報の内容の一例を示す図である。
図3】顧客別実績情報の内容の一例を示す図である。
図4】全体実績情報の内容の一例を示す図である。
図5】顧客の興味対象の時系列的な変化を記録した情報の例を示す図である。
図6】過去の複数のキャンペーンの実績を記録した情報の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に説明する実施形態は、商品等についてのキャンペーン(販売促進活動)を自動的に実施するための装置又はシステム、特にキャンペーンのために顧客に提供するキャンペーン文書を自動生成するための装置又はシステムに関する。ここでいう「キャンペーン」は、ダイレクトメール(はがきや封書等の形態のもの)や電子メール等の情報伝達媒体を用いた、顧客への情報提供による販売促進活動のことである。キャンペーン文書は、例えばダイレクトメール(はがきや封書形式)や電子メール等の情報媒体を用いて顧客に提供する。ここで、本実施形態では、情報媒体に掲載できる情報コンテンツの数が限定されている場合(例えば1つのキャンペーン文書に対し、面積の制限等により決まる数の情報コンテンツしか載せられない場合等)を想定する。
【0019】
図1に、この実施形態のキャンペーン管理装置の一例を示す。キャンペーン管理装置は、キャンペーンDB(データベース)10、キャンペーン結果入力部12、キャンペーン効果分析部14、顧客興味対象登録部16、掲載情報選択部18、及びキャンペーン文書生成部20を有する。
【0020】
キャンペーンDB10は、キャンペーン(販売促進活動)の管理のための各種情報を記憶する。記憶される情報には、顧客興味対象情報102、顧客別実績情報104及び全体実績情報106が含まれる。
【0021】
顧客興味対象情報102は、キャンペーンの対象である各顧客について、その顧客の興味の対象である物や分野(このような物や分野のことを「興味対象」と呼ぶ)を表す情報である。
【0022】
図2に顧客興味対象情報102の一例を示す。この例は、スポーツ用品店のキャンペーンに用いられる顧客興味対象情報102の一例であり、顧客ID(識別情報)がA〜Dである4人の顧客について、それぞれ、野球、サッカー、サーフィン、テニス、自転車というスポーツの5つの分野についての興味の有無が表形式で示されている。この図では、丸印(「○」)が興味ありを示し、無印(空欄)が興味なしを示している。図2の例は、顧客Aの興味対象はそれら5つの分野すべてであり、顧客Cの興味対象は野球を除く4つの分野であることを示している。
【0023】
顧客興味対象情報102は、顧客興味対象登録部16を介して登録される。顧客興味対象情報の登録には、既存の又はこれから開発される技術を用いればよい。
【0024】
1つの例では、顧客興味対象登録部16は、ウェブサーバとして構築され、顧客に対して興味対象を選択するアンケート用のウェブページを提供する。例えば、このアンケート用ウェブページには、興味対象の候補の選択肢のリストが含まれている。顧客は、自分の情報端末のウェブブラウザを操作して顧客興味対象登録部16にログイン(これによりウェブサーバが顧客のIDを識別)し、アンケート用ウェブページを取得し、そのページ中のリストから自分が興味を持つものをいくつか選択(例えば候補毎に設けられたチェックボックスにチェックを入れる)し、選択結果をウェブサーバに送信する。これにより、顧客興味対象登録部16は、顧客が選択した興味対象の情報を取得し、その情報をその顧客のIDに対応づけて顧客興味対象情報102に登録する。
【0025】
別の例では、紙のアンケート用紙に顧客が記入した興味対象の情報を入力作業員が顧客興味対象登録部16に手作業で入力する等のように、人手により入手した情報を店舗側の作業員がデータ入力する方法でもよい。
【0026】
顧客別実績情報104は、過去に行ったキャンペーンについての、顧客毎の実績を示す情報である。ここでいう「実績」には、過去に行ったキャンペーンで顧客に送ったキャンペーン文書に掲載した情報コンテンツがどの興味対象に関するものであるかを示す情報と、そのキャンペーン文書に対して顧客の反応が有ったか否かを示す情報が含まれる。何をもって「反応」が有ったとみなすかは、実施形態のキャンペーン管理装置の適用先の企業又は店舗が決めればよい。1つの例では、キャンペーン文書に応じて来店したことをもって「反応」が有ったとみなす。この場合、「来店」には、実店舗に実際に顧客が足を運ぶ場合と、WWW(ワールドワイドウェブ)上の企業又は店舗のショッピングサイトに顧客がログインする場合とがあり、どちらか一方のみを「来店」とみなすか、どちらも「来店」とみなすかは、その企業又店舗が決めればよい。また別の例では、顧客が来店して商品を購入したことをもって「反応」が有ったとみなしてもよい。
【0027】
顧客別実績情報104のうち、過去のキャンペーンで各顧客に送ったキャンペーン文書にどの興味対象の情報コンテンツを掲載したかは、キャンペーン文書を生成した当該キャンペーン管理装置自体が記録すればよい。
【0028】
また、キャンペーン文書に対する顧客の反応の有無は、店舗やショッピングサイトに設けられたキャンペーン結果入力部12により入力される。キャンペーン結果入力部12における入力の仕組みとしては、既存の様々な技術又はこれから開発される技術を用いればよい。一例を挙げると、キャンペーン文書に顧客の識別情報を含んだ画像コード(バーコード等。紙のキャンペーン文書の場合)を埋め込んでおき、顧客が持参したキャンペーン文書中のその画像コードを、キャンペーン結果入力部12の一例としての、店舗備え付けのコードリーダーで読み取る等の方法がある。また、別の例として、顧客が携帯端末のカメラでキャンペーン文書上の画像コードを読み取ることで、携帯端末のアプリケーションがその画像コードに関連づけられたショッピングサイトにアクセスし、これによりそのショッピングサイトが当該顧客のIDを認識する等の方法もある。なお、例えばキャンペーン期間の終了までに「反応」があった旨の入力がない顧客については、キャンペーンの結果として「反応無し」の旨を登録すればよい。
【0029】
図3に顧客別実績情報104のデータ内容の一例を示す。この例では、顧客別実績情報104は、実施済みの最新(すなわち「前回」)のキャンペーンについての実績情報のみを含む。この例は、キャンペーン文書に2つの興味分野の情報コンテンツが掲載される場合の例である。図3のデータ内容の例は、例えば顧客Cには前回のキャンペーンで「サーフィン」と「自転車」の分野の情報コンテンツ(例えばキャンペーン商品の広告)を含んだダイレクトメールを送付し、それに対して顧客Cから「反応」が有ったことを示している。なお、図に示されたA〜Dの4人の顧客のうち顧客Dだけは、前回のキャンペーンの時点ではキャンペーン管理装置に登録されていなかったため、前回のキャンペーン実績の情報はない。
【0030】
全体実績情報106は、過去に行ったキャンペーンについての、顧客全体の実績の集計結果の情報である。図4に全体実績情報106のデータ内容の一例を示す。この例では、過去のキャンペーンで顧客に送付したキャンペーン文書に掲載した情報コンテンツに係る興味対象の組合せ(この例では1文書に2つの興味対象のコンテンツが掲載)毎に、その組合せを掲載したキャンペーン文書の送付先の顧客のうち反応のあった顧客の割合(「反応率」)が登録されている。また、全体実績情報106には、図示のように反応率が高い順の順位の情報を登録してもよい。
【0031】
全体実績情報106は、キャンペーン結果入力部12から入力された各顧客のキャンペーン実績情報(すなわちキャンペーン文書に掲載したコンテンツの興味分野の組合せと、反応の有無)をキャンペーン効果分析部14が集計することにより作成される。
【0032】
全体実績情報106は、前回のキャンペーンの結果のみから求めてもよいし、過去のすべてのキャンペーンの結果を総合して求めてもよい。後者の場合、過去のすべてのキャンペーンの結果を同じ重みとして反応率を計算してもよいし、現在に近いキャンペーンほど重みを重くして反応率を計算してもよい。
【0033】
掲載情報選択部18は、新たなキャンペーンを実施する旨の指示を受けた場合に、キャンペーンDB10内の各情報102、104及び106に基づき、キャンペーン対象の顧客に対して送付するキャンペーン文書に対して情報コンテンツを掲載する興味対象の組合せを選択する。以下では、キャンペーン文書に対して2つの興味対象の情報コンテンツを掲載する場合を例にとる。
【0034】
図3の例のように前回のキャンペーンについての顧客別実績情報を用いる場合は、掲載情報選択部18は、以下のような規則1〜3に従って、掲載する興味対象を判定する。
【0035】
(規則1)前回のキャンペーンに対して「反応あり」である顧客については、前回のキャンペーンで当該顧客について採用した(すなわちその顧客に送ったキャンペーン文書に情報コンテンツを掲載した)興味対象の組合せ(以下「前回の組合せ」と呼ぶ)と同じ組合せを掲載対象として選択する。
【0036】
(規則2)前回のキャンペーンに対して「反応なし」である顧客については、顧客興味対象情報102に登録されたその顧客の興味対象から2つを選ぶ組合せ(以下「候補組合せ」と呼ぶ)のうち、前回の組合せとは異なった組合せを掲載対象に選択する。すなわち、この選択では、その顧客の興味対象のうち、前回の組合せに含まれない興味対象を優先的に選択するのである。この規則2は、以下の2つの細則に分かれる。掲載情報選択部18は、顧客が規則1のケースに該当しない場合は、以下の細則2.1及び2.2を順に適用する。
(細則2.1)候補組合せの中に、前回の組合せに含まれない興味対象のみからなる組合せがあれば、そのような組合せを掲載対象に選択する。ここで、顧客の登録した興味対象の中に前回の組合せに含まれない興味対象が3以上あれば、(すなわちキャンペーン文書への掲載数より多ければ)、前回の組合せに含まれない興味対象のみからなる組合せは複数存在することになる。この場合、それら複数の組合せのうち全体実績情報106に登録された反応率が最も高い組合せを掲載対象に選択する。
(細則2.2)候補組合せの中に前回の組合せに含まれない興味対象のみからなる組合せが無い場合には、候補組合せのうち、前回の組合せに含まれる1つの興味対象と前回の組合せに含まれない1つの興味対象とからなる組合せがあるかどうかを調べ、該当する組合せがあれば、そのような組合せを掲載対象に選択する。ここで、そのような組合せが複数ある場合には、それら複数の組合せのうち全体実績情報106に登録された反応率が最も高い組合せを掲載対象に選択する。
【0037】
(規則3)前回のキャンペーンに対して「反応なし」である顧客について、候補組合せの中に前回の組合せ以外の組合せがない(すなわち候補組合せが1つだけであり、これが反応のなかった前回の組合せに等しい)場合には、以下の2つのモードのうち店舗側が選択したモードで掲載対象の組合せを選択する。第1のモードは、顧客による興味対象の登録内容を優先するという考え方に沿ったものであり、(前回の組合せで反応がなかったとしても)前回の組合せを今回のキャンペーンにも採用するというモードである。第2のモードは、顧客の登録内容よりもその顧客が前回の組合せに対して反応しなかったことを重視するものであり、当該顧客が登録している興味対象以外の2つの興味対象の組合せの中から、全体実績情報106に登録された反応率が最も高い組合せを選んで掲載対象とする。
【0038】
(規則4)前回のキャンペーンの実績情報がない顧客については、全体実績情報106に登録された反応率が最も高い組合せを選んで掲載対象とする。
【0039】
掲載情報選択部18は、キャンペーン対象の顧客毎に、規則1〜3のうち、該当する規則に従って掲載対象の組合せを選択する。
【0040】
キャンペーン文書生成部20は、新たなキャンペーンを実施する場合に、キャンペーン対象の顧客毎に、その顧客用にカスタマイズされたキャンペーン文書(カスタマイズ済みキャンペーン文書32)を生成する。より詳しくは、キャンペーン文書生成部20は、掲載情報選択部18から、顧客毎に、当該顧客用として選択された掲載対象の組合せの情報を受け取り、その組合せに含まれる各興味対象についての情報コンテンツを図示省略したコンテンツDBから取得し、それら取得した各興味対象の情報コンテンツをテンプレートデータ30に流し込むことで、各顧客用のカスタマイズ済みキャンペーン文書32を生成する。コンテンツDB内には、今回のキャンペーン用の、各興味対象に係る情報コンテンツが用意されているものとする。ここで、テンプレートデータ30は、キャンペーン文書の定型部分の文書内容(テキストや画像の組合せ等)を規定するデータであり、各興味対象の流し込みとなる流し込みフィールドを掲載数分だけ(この例では2つ)含んでいる。テンプレートデータ30には、この他に、顧客の名前や郵便番号、住所等(ただしこれらは一例に過ぎない)といった顧客情報を流し込むフィールドを含んでいてもよく、この場合キャンペーン文書生成部20は、図示省略した顧客情報DBから検索した当該顧客の情報をテンプレートデータ30中の、対応するフィールドに流し込む。
【0041】
次に、第1の変形例を説明する。この変形例では、顧客興味対象情報102が更新されることを考慮する。この変形例の装置構成は、図1に示したものと同じでよい。
【0042】
この第1の変形例では、顧客興味対象情報102には、顧客毎に、図5に示すような興味対象の時系列的な変化を示す情報が登録される。図5の例は、顧客Cが登録した興味対象の時系列的な変化を示している。この例では、顧客Cは、2011年12月24日に「野球」、「サッカー」、「テニス」、「自転車」が興味対象であると登録したが、その後2012年3月15日には興味対象を「サッカー」、「サーフィン」、「テニス」、「自転車」へと変更し、現在に至っている。最終更新(3月15日)の情報が、現在に適用される最新情報である。この例のように、顧客興味対象情報102には、顧客毎に、その顧客の最新の興味対象と、前回(すなわち「最新」状態に更新される直前)の興味対象の情報とが少なくとも含まれる(当然ながら、新規登録された顧客については前回の興味対象は存在しない)。なお、顧客興味対象情報102には、前回より前の興味対象の情報が含まれるようにしてもよい。
【0043】
この第1の変形例では、前回のキャンペーンの後に興味対象の登録内容に変更のある顧客については、顧客へのキャンペーン文書に掲載する興味対象の組合せの選択に当たり、その変更を考慮する。ここで、興味対象の更新操作がなされたとしても、その更新操作の前と後とで興味対象の組合せに変化がなければ、興味対象の登録内容に変更がないとする。なお、前回のキャンペーンの後に興味対象の登録内容が変更されていない顧客については、掲載情報選択部18は、上記実施形態と同様の選択処理を行えばよい。以下では、前回のキャンペーンの後に興味対象の登録内容に変更のある顧客についての処理を説明する。
【0044】
基本的な考え方(「選択規則A」と呼ぶ)は、その「変更」により顧客の興味対象に対して新たに追加された興味対象がある場合には、その新たに追加された興味対象を優先的に、当該顧客宛のキャンペーン文書に掲載する組合せに含めるというものである。
【0045】
例えば、上述の規則2の細則2.1及び2.2において、「変更」により新たに追加された興味対象を含んだ組合せを優先的に選択するようにする。規則3も同様であり、前述の第2モードにおいて、「変更」により新たに追加された興味対象を含んだ組合せを優先的に選択する(第1モードの場合は、当該顧客の最新の興味対象の組合せは1つだけであり、それを採用することになる)。いずれの場合も、「変更」により新たに追加された興味対象が3以上(文書への掲載可能数より多い数)存在する場合には、それら新たに追加された興味対象から2つ(すなわちキャンペーン文書への掲載数)ずつ選ぶ組合せのうち、全体実績情報106に登録された反応率が最も高い組合せを掲載対象に選択する。
【0046】
また、上述の規則1については、この規則1と選択規則Aのどちらを優先するかにより、キャンペーン文書に掲載する組合せの選択の仕方が異なってくる。すなわち、規則1を優先する場合は、顧客から反応のあった前回の組合せに含まれる興味対象を、「変更」により新たに追加された興味対象よりも優先的に、当該顧客に対する今回のキャンペーン文書に掲載する。逆に選択規則Aの方を優先する場合は、顧客から反応のあった前回の組合せに含まれる興味対象よりも、「変更」により新たに追加された興味対象の方を、当該顧客に対する今回のキャンペーン文書に優先的に掲載する。より詳しくは、以下の通りである。
【0047】
すなわち、規則1を優先する場合、顧客から反応のあった前回の組合せに含まれる興味対象のうち、「変更」後の顧客の興味対象に残っているものは、今回のキャンペーン文書に掲載する組合せに残す。顧客から反応のあった前回の組合せに含まれる興味対象が両方とも「変更」後も顧客の興味対象として残っていれば、前回の組合せをそのまま今回も採用する。一方、その前回の組合せに含まれる興味対象のうちの1以上が「変更」により削除された場合(例えば図5の例では3/15の更新により「野球」が削除されている)、その削除された興味対象に差し替えて、「変更」により新たに追加された興味対象を、今回の掲載対象の組合せに含める。この場合において、そのように差し替えた組合せが複数存在する場合は、そのうち全体実績情報106に登録された反応率が最も高い組合せを掲載対象に選択する。
【0048】
選択規則Aの方を優先する場合は、「変更」により顧客の興味対象に対して新たに追加された興味対象があれば、前回の組合せに含まれる興味対象が「変更」後に残っていても残っていなくても、その新たに追加された興味対象を優先的に掲載対象の組合せに含める。「変更」により新たに追加された興味対象の数がキャンペーン文書への掲載数を超える場合は、それら新たに追加された興味対象の組合せのうち、全体実績情報106に登録された反応率が最も高い組合せを掲載対象に選択する。
【0049】
「変更」により新たに追加された興味対象の数がキャンペーン文書への掲載数よりも少ない場合は、前回の組合せに含まれる興味対象のうち「変更」後も削除されずに残っているものを加えることで、掲載数の興味対象を確保する。これでも足りなければ、前回の組合せには含まれないが「変更」後の顧客の興味対象に含まれている興味対象を更に加えればよい。いずれの場合も、候補となる組合せが複数存在する場合は、それらのうち全体実績情報106に登録された反応率が最も高い組合せを掲載対象に選択する。
【0050】
以上は、「変更」により興味対象に追加があった顧客についての例である。これに対し、「変更」により興味対象に追加がなく、削除のみがあった顧客については、規則2又は3に該当するケースについては、基本的に上述の実施形態と同様の処理でよい。また、規則1に該当するケースのうち、前回の組合せに含まれる興味対象の中に「変更」により削除されたものが無い場合も上述の実施形態と同様に処理すればよい。規則1に該当するケースのうち、前回の組合せに含まれる興味対象の中に「変更」により削除されたものがある場合には、前回の組合せのうち削除された興味対象と同じ数の興味対象を、当該顧客の「変更」後の興味対象のいずれかに差し替えることで、今回のキャンペーン文書に掲載する組合せを求める。差し替えた組合せが複数存在する場合は、それらのうち全体実績情報106に登録された反応率が最も高い組合せを掲載対象に選択する。
【0051】
次に、第2の変形例を説明する。上述の実施形態及び第1の変形例では、顧客別実績情報104として前回のキャンペーンにおける実績のみを用いた。これに対し、第2の変形例では、図6に示すように顧客別実績情報104に前回以前のキャンペーンの実績情報も記録しておき、そのうち直近の(すなわち最新の)、店舗側が予め指定された数(2以上)のキャンペーン実績に基づいて、各顧客に対する新たなキャンペーン文書に含める興味対象を選択する。図6の例は顧客Cについての実績情報であるが、他の顧客についても過去の各キャンペーンの実績情報が記録されている。
【0052】
この第2の変形例では、掲載情報選択部18は、顧客別実績情報104に含まれる、ある顧客の直近の予め指定された数のキャンペーン(以下「考慮対象キャンペーン」と呼ぶ)の実績がすべて「反応なし」であれば、基本的には、その顧客については上記実施形態における規則2と同様の処理を行う。すなわち、候補組合せのうち、それら考慮対象キャンペーンで一度も選択されなかった興味対象のみからなる組合せ(そのような組合せが複数ある場合は全体実績情報106に登録された反応率が最も高い組合せ)がある場合は、それを新たなキャンペーンのための掲載対象の組合せとする(細則2.1に対応)。候補組合せの中にそれら考慮対象キャンペーンで一度も選択されなかった興味対象のみからなる組合せがない場合は、候補組合せのうち考慮対象キャンペーンで一度も選択されなかった興味対象を最も多く含む組合せ(そのような組合せが複数ある場合は全体実績情報106に登録された反応率が最も高い組合せ)を選択する(細則2.2に対応)。
【0053】
また、ある顧客の考慮対象キャンペーンの実績がすべて「反応なし」である場合において、その顧客の候補組合せの中に考慮対象キャンペーンで一度も選択されなかった興味対象を含むものが1つもない場合(すなわち、当該顧客の登録した興味対象は、すべて、それら考慮対象キャンペーンのいずれかで掲載済み)には、上記実施形態の規則3と同様の第1のモード又は第2のモードのうち、店舗側が選択したモードを採用する。すなわち、第1のモードが選択された場合は、それら考慮対象キャンペーンにおいて掲載した組合せのうち、例えば全体実績情報106に登録された反応率が最も高い組合せを選択する。第2のモードが選択された場合は、当該顧客が登録している興味対象以外の興味対象からなる組合せのうち、全体実績情報106に登録された反応率が最も高い組合せを選んで掲載対象とする(この処理によれば、考慮対象キャンペーンで用いられた組合せは選択されない)。
【0054】
なお、第2の変形例でも、第1の変形例と同様、顧客興味対象情報102の「変更」を考慮してもよい。上述の例では直近の予め定められた数のキャンペーンを考慮対象キャンペーンとしたが、顧客興味対象情報102の変更を考慮する場合は、直近の予め定められた数のキャンペーンのうち、その顧客についての最後の「変更」より時間的に前のキャンペーンは、考慮対象キャンペーンから外せばよい。その他の処理は上述の例と同様でよい。
【0055】
以上に例示したキャンペーン管理装置は、例えば、汎用のコンピュータに上述の各機能モジュールの処理を表すプログラムを実行させることにより実現される。ここで、コンピュータは、例えば、ハードウエアとして、CPU等のマイクロプロセッサ、ランダムアクセスメモリ(RAM)およびリードオンリメモリ(ROM)等のメモリ(一次記憶)、HDD(ハードディスクドライブ)を制御するHDDコントローラ、各種I/O(入出力)インタフェース、ローカルエリアネットワークなどのネットワークとの接続のための制御を行うネットワークインタフェース等が、たとえばバスを介して接続された回路構成を有する。また、そのバスに対し、例えばI/Oインタフェース経由で、CDやDVDなどの可搬型ディスク記録媒体に対する読み取り及び/又は書き込みのためのディスクドライブ、フラッシュメモリなどの各種規格の可搬型の不揮発性記録媒体に対する読み取り及び/又は書き込みのためのメモリリーダライタ、などが接続されてもよい。上に例示した各機能モジュールの処理内容が記述されたプログラムがCDやDVD等の記録媒体を経由して、又はネットワーク等の通信手段経由で、ハードディスクドライブ等の固定記憶装置に保存され、コンピュータにインストールされる。固定記憶装置に記憶されたプログラムがRAMに読み出されCPU等のマイクロプロセッサにより実行されることにより、上に例示した機能モジュール群が実現される。また、以上に例示したキャンペーン管理装置の構成要素群を、ネットワークを介して相互に通信可能な複数のコンピュータに分散して実装し、それら分散された構成要素群がネットワークを介して相互に通信することで、上述したキャンペーン管理装置の機能を実現するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0056】
10 キャンペーンDB(データベース)、12 キャンペーン結果入力部、14 キャンペーン効果分析部、16 顧客興味対象登録部、18 掲載情報選択部、20 キャンペーン文書生成部、30 テンプレートデータ、32 カスタマイズ済みキャンペーン文書、102 顧客興味対象情報、104 顧客別実績情報、106 全体実績情報。
図1
図2
図3
図4
図5
図6