【実施例1】
【0026】
基材1として、板紙を用い、金属層2は、6〜7μmの厚みのアルミ箔を、接着剤(
酢ビ系)用いて貼り合わせ設けた。さらに、不織布3として、高透明度レーヨン:9g/m
2(日本製紙パピリア製)ニューソフロン:9g/m
2(ユニチャーム社製)を、透明樹脂層4にはPEの押し出しラミネーションを用い貼り合わせた。押し出しラミネーション条件を下記に示す。
PE種類 : NUC(TM)‐8007(ダウケミカル)ラミネーション温度 : 320〜330℃スピード : 50〜100m/min厚み : 20〜40μmである。
【0027】
不織布3の厚みは30〜50μmで、密度は0.15〜0.30g/cm
3であり、繊維長は5mm、繊維の直径は15〜18μmである。作製した金属・不織布貼合シートの表面粗さRa(輪郭曲線の算術平均高さ)=4〜7μm、Ry(輪郭曲線の最大高さ)=30〜50μmで、オフセット印刷層を設けたものは、質感を持ち、印刷後のAl箔の輝度感が濃淡はっきりと表現される金属・不織布貼合シートである。
【実施例2】
【0028】
基材1として、板紙を用い、金属層2は、6〜7μmの厚みのアルミ箔に接着剤(酢ビ系)を用いて貼り合わせて設けた。さらに、不織布3として、マニラ麻紙:32g/m
2
)改良紙(丸菱ペーパーテック社製を、PEの押し出しラミネーションによって貼り合せた。
【0029】
不織布3の厚みは30〜50μmで、密度が0.15〜0.30g/cm
3で、繊維長は5〜7mm、繊維の直径は16〜32μmである。作製した金属・不織布貼合シートの表面粗さRa(輪郭曲線の算術平均高さ)=6〜10μm、Ry(輪郭曲線の最大高さ)=40〜80μmで、オフセット印刷層6を設けたものは、和紙感があり、輝度感に濃淡があり、オフセット印刷適正を持つ金属・不織布貼合シートであった。
【0030】
<比較例1>
実施例2同様に、基材1として、板紙を用い、金属層2は、6〜7μmの厚みのアルミ箔に接着剤(日本製箔社製 高輝度タイプ)を用いて貼り合わせて設けた。さらに、不織布3として、高透明度レーヨン:9g/m
2(日本製紙パピリア製)ニューソフロン:9g/m
2(ユニチャーム社製)に接着剤を用いて貼り合せた。この時、接着層5の厚みは1〜2μmであった。
【0031】
不織布3の厚みは30〜50μmで、密度は0.15〜0.30g/cm
3であり、繊維長は5mm、繊維の直径は15〜18μmである。作製した金属・不織布貼合シートの表面粗さRa(輪郭曲線の算術平均高さ)=4〜7μm、Ry(輪郭曲線の最大高さ)=30〜50μmは、印刷適正が無く、オフセット印刷を施すことが出来なかった。
【0032】
<比較例2>
実施例1同様に、基材1として、板紙を用い、金属層2は、6〜7μmの厚みのアルミ箔に接着剤(酢ビ系)を用いて貼り合わせて設けた。さらに、不織布3として、マニラ麻紙:32g/m
2、改良紙(丸菱ペーパーテック社製)を、実施例1と同様に、PEの押し出しラミネーションを用い貼り合わせた。
【0033】
不織布3の厚みは70〜90μmで、密度が0.20〜0.50g/cm
3で、繊維長は5〜7mm、繊維の直径は16〜32μmである。作製した金属・不織布貼合シートの表面粗さRa(輪郭曲線の算術平均高さ)=6〜10μm、Ry(輪郭曲線の最大高さ)=40〜80μmで、オフセット印刷層6を設けたものは、和紙感があり、輝度感に濃淡があり、オフセット印刷適正を持つ金属・不織布貼合シートであるが、実施例2に比してコスト面は高いものとなった。
【0034】
<比較例3>
実施例2同様に、基材1として、板紙を用い、金属層2として、6〜7μmの厚みのアルミ箔に接着剤(酢ビ系)を用いて貼り合わせた。不織布3として、純白紙:32g/m
2(北越紀州製紙製)を、接着剤を用いて貼り合せた。この時、接着層5の厚みは1〜2μmであった。
【0035】
不織布3の厚みは50〜70μmで、密度が0.15〜0.40g/cm
3で、繊維長は1.5〜4mm、繊維の直径は20〜40μmである。作製した金属・不織布貼合シートの表面粗さRa(輪郭曲線の算術平均高さ)=4μm以下、Ry(輪郭曲線の最大高さ)=30μm以下で、オフセット印刷層6を設けたものは、高輝度で、印刷適正を持つが、和紙感の無い金属・不織布貼合シートであった。
【0036】
<比較例4>
実施例1と同様に、基材1として、板紙を用い、金属層2として、6〜7μmの厚みのアルミ箔に接着剤(酢ビ系)を用いて貼り合わせた。不織布3として、純白紙:32g/m
2(北越紀州製紙製)を、透明樹脂層4としてPEを用い、押し出しラミネーションによ
って貼り合せた。
【0037】
不織布3の厚みは50〜70μmで、密度が0.15〜0.40g/cm
3で、繊維長は1.5〜4mm、繊維の直径は20〜40μmである。作製した金属・不織布貼合シートの表面粗さRa(輪郭曲線の算術平均高さ)=4μm以下、Ry(輪郭曲線の最大高さ)=30μm以下で、オフセット印刷層を設けたものは、高輝度で、印刷適正を持つが、和紙感の無いものであった。
【0038】
<比較例5>
実施例2と同様に、基材1として、板紙を用い、金属層2として、6〜7μmの厚みのアルミ箔に接着剤(酢ビ系)を用いて貼り合わせた。不織布3として、マニラ麻紙:32g/m
2(丸菱ペーパーテック社製)に、接着剤を用いて貼り合せた。この時、接着層5の厚みは1〜2μmであった。
【0039】
不織布3の厚みは70〜90μmで、密度が0.20〜0.50g/cm
3で、繊維長は5〜7mm、繊維の直径は16〜32μmである。作製した金属・不織布貼合シートの表面粗さRa(輪郭曲線の算術平均高さ)=10μm以上、Ry(輪郭曲線の最大高さ)=80μm以上で、オフセット印刷層を設けたものは、和紙感はあるものの、輝度感が薄れ、印刷適正が無く、通常のスピードでは生産できなかった。
【0040】
<比較例6>
実施例1と同様に、基材1として、板紙を用い、金属層2として、6〜7μmの厚みのアルミ箔に接着剤(酢ビ系)を用いて貼り合わせた。不織布3として、マニラ麻紙:32g/m
2(丸菱ペーパーテック社製)を、透明樹脂層4としてPEを用い、押し出しラミネーションによって貼り合せた。
【0041】
不織布3の厚みは70〜90μmで、密度が0.20〜0.50g/cm
3で、繊維長は5〜7mm、繊維の直径は16〜32μmである。作製した金属・不織布貼合シートの表面粗さRa(輪郭曲線の算術平均高さ)=10μm以上、Ry(輪郭曲線の最大高さ)=80μm以上で、オフセット印刷層6を設けたものは、和紙感はあるが、輝度感が薄れ、印刷適正が無く、通常のスピードでは生産できなかった。
【0042】
以上の結果を表1に示す。不織布へのオフセット印刷の適性(繊維の脱落や安定したインキ着肉性)は表面粗さの制御により達成され、接着剤を用いて不織布を貼り合せた場合には、貼り合わされた不織布の表面粗さがRa=6〜10μm、Ry=40〜80μmである時に、和紙感があり、輝度感に濃淡がある金属・不織布貼合シートを提供できることがわかった。
【0043】
【表1】
また、PEの押し出しラミネーションによって不織布を貼り合せた場合には、貼り合わされた場合には、貼り合わされた不織布の表面粗さがRa=4〜7μm、Ry=30〜50μmである時に、質感を持ち、印刷後のAl箔の輝度感に、濃淡がはっきりと表現される金属・不織布貼合シートを提供できることがわかった。