【文献】
疋田真、畠山豊、工藤あや子、高原秀行,ポリマ導波路用PMTコネクタ,電子情報通信学会技術研究報告,日本,社団法人電子情報通信学会,2007年12月14日,Vol. 107, No. 408,pp. 29 - 33
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記光導波路の一方の主面側から見たときの前記光コネクターと前記光導波路との位置関係は、前記光コネクター側の位置基準として前記光コネクターの外縁を用いるものである請求項1または2に記載の光導波路の位置合わせ方法。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の光導波路の位置合わせ方法および光配線部品の製造方法について添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
<光配線部品>
まず、本発明の光配線部品の製造方法により製造される光配線部品の例および光配線部品を含む光電気混載基板の例について説明する。
【0026】
図1は、本発明の光配線部品の製造方法により製造される光配線部品を備えた光電気混載基板を示す斜視図、
図2は、
図1に示す光配線部品の分解斜視図、
図3は、
図1中のA−A線断面図である。なお、以下の説明では、
図1〜3中の上側を「上」、下側を「下」という。また、
図1〜3の左側を「先端」、右側を「基端」という。
【0027】
図1に示す光電気混載基板1は、板状をなす回路基板7と、回路基板7に配置された光配線部品2と、光を出射する発光素子(光素子)11と、を備えている。このうち、光配線部品2は、帯状(長尺状)をなす光導波路3と、光導波路3に装着される光コネクター5と、を備えている。また、光コネクター5には、光導波路3の先端部32が挿入され、その挿入状態でコネクター部53が構成される。コネクター部53は、接続される相手体である光配線部品2’のコネクター部53と接続されることにより、光結合を可能にする。
【0028】
以下、各部の構成について詳述する。
(回路基板)
回路基板7は、図示しない絶縁層や導体パターン等を備えており、これらが積層された積層体で構成されている。また、回路基板7上には発光素子11が載置され、回路基板7の導体パターンと発光素子11とが電気的に接続されることにより、発光素子11が動作する。また、この発光素子11と光配線部品2とが光学的に接続されている。これにより、回路基板7における電気信号が発光素子11において光信号に変換され、この光信号が光配線部品2へと送出されることとなる。そして、
図1に示すように、光配線部品2と光配線部品2’とが接続されている場合には、この光信号が光配線部品2’側へと送出され、さらには図示しない受光素子で受光され、再び電気信号に変換されることによって光通信が行われる。
【0029】
(光素子)
発光素子11としては、例えば、面発光レーザー(VCSEL)、発光ダイオード(LED)等が挙げられる。なお、光導波路3の基端部31が受光側である場合には、発光素子11に代えて、フォトダイオード(PD、APD)のような受光素子が用いられる。
【0030】
(光導波路)
回路基板7の上面には、帯状をなす光導波路3の基端部31が固定されている。
【0031】
図2、3に示すように、光導波路3は、クラッド層40aとコア層4とクラッド層40bとが、下方からこの順で積層されてなるものである。このうち、コア層4には、長尺状をなす複数本(本実施形態では2本)のコア部41a、41bと、長尺状をなす複数本(本実施形態では3本)の側面クラッド部42a、42b、42cと、が形成されており、これらが光導波路3の幅方向に交互に配置されている。これにより、コア部41a、41bはクラッド部(側面クラッド部42a、42b、42cおよび各クラッド層40a、40b)で囲まれることとなり、コア部41a、41bに光を閉じ込めて伝搬することができる。なお、本実施形態に係る光導波路3は、2本のコア部を有するマルチチャンネルのものになっている。
【0032】
コア部41a、41bと側面クラッド部42a〜42cとは、互いに光の屈折率が異なり、コア部41a、41bの屈折率は、クラッド部の屈折率より大きければよい。
【0033】
また、コア部41a、41bの幅および高さ(コア層4の厚さ)は、特に限定されないが、それぞれ、1〜200μm程度であるのが好ましく、5〜100μm程度であるのがより好ましく、10〜70μm程度であるのがさらに好ましい。
【0034】
一方、
図2に示すように複数のコア部41a、41bが並列しているとき、コア部41a、41b同士の間に位置する側面クラッド部42a、42b、42cの幅は、5〜250μm程度であるのが好ましく、10〜200μm程度であるのがより好ましく、10〜120μm程度であるのがさらに好ましい。
【0035】
上述したようなコア層4の構成材料(主材料)は、例えば、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、エポキシ系樹脂やオキセタン系樹脂のような環状エーテル系樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール、ポリシラン、ポリシラザン、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリウレタン、ポリオレフィン系樹脂、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、PETやPBTのようなポリエステル、ポリエチレンサクシネート、ポリサルフォン、ポリエーテル、また、ベンゾシクロブテン系樹脂やノルボルネン系樹脂等の環状オレフィン系樹脂のような各種樹脂材料等を用いることができる。なお、樹脂材料は、異なる組成のものを組み合わせた複合材料であってもよい。このような樹脂材料で構成されることにより、光導波路3は十分な可撓性を有するものとなる。
【0036】
一方、クラッド層40a、40bは、コア層4の下部および上部に位置する。
クラッド層40a、40bの平均厚さは、コア層4の平均厚さの0.05〜1.5倍程度であるのが好ましく、0.1〜1.25倍程度であるのがより好ましい。具体的には、クラッド層40a、40bの平均厚さは、それぞれ1〜200μm程度であるのが好ましく、3〜100μm程度であるのがより好ましく、5〜60μm程度であるのがさらに好ましい。これにより、光導波路3が必要以上に厚膜化するのを防止しつつ、クラッド部としての機能が確保される。
【0037】
また、クラッド層40a、40bの構成材料としては、例えば、前述したコア層4の構成材料と同様の材料を用いることができる。
【0038】
光導波路3の幅は、特に限定されないが、2〜100mm程度であるのが好ましく、5〜50mm程度であるのがより好ましい。
【0039】
また、光導波路3中に形成されるコア部41a、41bの数は、特に限定されないが、1〜100本程度であるのが好ましい。なお、コア部41a、41bの数が多い場合は、必要に応じて、光導波路3を多層化してもよい。具体的には、
図1〜3に示す光導波路3の上に、さらにコア層とクラッド層とを交互に重ねることにより多層化することができる。
【0040】
また、必要に応じて、光導波路3の下面には支持フィルムが、上面にはカバーフィルムが、それぞれ必要に応じて設けられていてもよい。
【0041】
支持フィルムおよびカバーフィルムの構成材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン、ポリプロピレンのようなポリオレフィン、ポリイミド、ポリアミド等の各種樹脂材料が挙げられる。
【0042】
また、支持フィルムおよびカバーフィルムの平均厚さは、特に限定されないが、5〜500μm程度であるのが好ましく、10〜400μm程度であるのがより好ましい。
【0043】
また、光導波路3の基端部31は回路基板7の上面に接着されている。この接着には接着剤、粘着剤、接着シート、粘着シート等、熱圧着を用いることができる。このうち、接着層としては、例えば、エポキシ系接着剤、アクリル系接着剤、ウレタン系接着剤、シリコーン系接着剤の他、各種ホットメルト接着剤(ポリエステル系、変性オレフィン系)等が挙げられる。
【0044】
また、接着層の平均厚さは、特に限定されないが、1〜100μm程度であるのが好ましく、5〜60μm程度であるのがより好ましい。
【0045】
(光コネクター)
光コネクター5は、
図2、3に示すように、先端506から基端507まで貫通形成された収納部52を有する筐体で構成されている。この光コネクター5は、1つの部材で構成されていてもよいが、
図2に示すように、本体50と蓋体51との2つの部材で構成されていてもよい。
図1に示す光コネクター5は、本体50と蓋体51とを組み立てた状態のものである。
【0046】
本体50は、板状をなす底板500と、互いに離間して底板500から立設された一対の側壁部501a、501bと、を有する。側壁部501aは側壁面502aを有し、側壁部501bは側壁面502bを有している。側壁面502aと側壁面502bとは互いに対向している。また、側壁部501aの側壁面502aと、側壁部501bの側壁面502bと、底板500と、で囲まれる部分が溝504となる。溝504は上側に開放された開放部505を有する。
【0047】
光コネクター5では、板部材で構成される蓋体51が開放部505を塞ぐように組み立てられている。このような光コネクター5では、溝504の開放部505を蓋体51で塞いだ状態(組み立て状態)で、蓋体51の下側の面である裏面510と、溝504の底面503と、一対の側壁面502a、502bの4つの面で画成された収納部52が形成される。
【0048】
また、
図2、3に示す収納部52の基端部520には、基端開口部521が形成されている。基端開口部521では、収納部52の高さ(光導波路3の厚さ方向における長さ)が基端に向かって漸増するよう構成されている。また、底面503の基端開口部521に臨む部分には傾斜部522aが形成され、裏面510の基端開口部521に臨む部分に傾斜部522bが形成されている。すなわち、傾斜部522aおよび傾斜部522bは、基端方向に向かって互いの離間距離が漸増するよう構成されている。
【0049】
傾斜部522aは湾曲した形状になっており、その曲率Rは基端に向かって漸増している。傾斜部522aの曲率Rの平均は、例えば1〜4程度であるのが好ましく、2〜3程度であるのがより好ましい。
【0050】
一方、傾斜部522bは、傾斜部522aと同様の形状をなしている。傾斜部522a、522bが設けられていることにより、光導波路3には、外力が付与されていない自然状態において、傾斜部522aとの間には間隙524aが、傾斜部522bとの間には間隙524bが、それぞれ形成される。
【0051】
ここで、
図3に示すように、光導波路3に対して矢印A方向に外力が付与された場合、光導波路3は、間隙524aの範囲だけ湾曲することができる。すなわち、光導波路3は、傾斜部522aに当接するまで湾曲変形が許容されることとなる。一方、光導波路3に対して矢印B方向に外力が付与された場合、光導波路3は、間隙524bの範囲だけ湾曲することができる。すなわち、光導波路3は、傾斜部522bに当接するまで湾曲変形が許容されることとなる。これにより、いかなる方向に外力が付与された場合でも、急峻な曲率での光導波路3の屈曲を確実に抑制することができる。その結果、屈曲に伴う光導波路3の断線や伝送効率の低下等を抑制することができる。
【0052】
なお、前述したように、傾斜部522aおよび傾斜部522bの曲率Rは、基端に向かって漸増しているが、これはすなわち、基端部520における収納部52の高さが、基端507に向かって徐々に増加しており、その増加率が基端507に向かって徐々に上昇するよう構成されていることに等しい。このような形状であれば、光導波路3の屈曲をより確実に抑制することができるので、光導波路3の断線や伝送効率の低下等を特に確実に抑制し得る光導波路3が得られる。
【0053】
また、
図3において、傾斜部522a、522bの中心軸523方向に沿った長さL2は、例えば、収納部52の中心軸523方向に沿った長さL1の10〜50%が好ましく、20〜40%がより好ましい。これにより、光導波路3は、湾曲したとしても十分に緩やかな曲率で湾曲することになるため、急峻な曲率での屈曲をより確実に抑制し得るものとなる。また、光導波路3と本体50の底面503および光導波路3と蓋体51の裏面510がそれぞれ接着剤を介して固定されている場合、接着面積を十分に確保することができる。これにより、光導波路3から光コネクター5が不本意に抜けてしまうのを防止することができる。
【0054】
また、光コネクター5の一対の側壁部501a、501bには、先端506から基端507まで貫通したガイド孔508がそれぞれ形成されている。ガイド孔508は、光配線部品2’のコネクター部53に接続する際に用いられるガイドピン60が挿入されるよう用いられる(
図1参照)。なお、ガイド孔508は必ずしも光コネクター5を貫通していなくてもよく、先端506に開口し、基端507には開口していない凹部(ガイド穴)であって、ガイドピン60の挿入長さよりも深いものであってもよい。
【0055】
図2に示す収納部52の光導波路3の長手方向における長さ(収納部52の長さ)L1は、特に限定されず、例えば、1.0〜7.5mmであるのが好ましく、3.0〜6.0mmであるのがより好ましい。また、収納部52の光導波路3の幅方向における長さ(収納部52の幅)W
1は、特に限定されず、例えば、2.5〜4.0mmであるのが好ましく、2.9〜3.6mmであるのがより好ましい。また、
図3に示す収納部52の光導波路3の厚さ方向における長さ(収納部52の高さ)t1は、特に限定されず、例えば、0.04〜0.25mmであるのが好ましく、0.08〜0.16mmであるのがより好ましい。
【0056】
このような本体50と、蓋体51の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、無機充填物が充填された樹脂材料が挙げられ、この樹脂材料としては、例えば、熱硬化性エポキシ樹脂、PPS(ポリフェニレンサルファイド)が用いられる。また、無機充填物としては、例えば、粒状シリカやガラスフィラー、アルミナ、ホワイトカーボン、ベントナイト等が用いられる。
【0057】
以上のような構成の光配線部品2を有する光電気混載基板1は、例えば、携帯電話、ゲーム機、ルーター装置、WDM装置、パソコン、テレビ、ホーム・サーバー等の電子機器類等に搭載することができる。
【0058】
次に光配線部品2’について説明する。
図1に示すように、光配線部品2’は、光導波路3’と、光導波路3’の基端部31に装着される光コネクター5’と、を有している。光コネクター5’は、傾斜部522a、522bが省略されていること以外は前述した光コネクター5と同様である。
【0059】
光コネクター5’は、光コネクター5と同様に収納部52を有する。光コネクター5’の収納部52には、光導波路3’の基端部31が挿入される。光配線部品2’では、光コネクター5’の収納部52に挿入された光導波路3’の基端部31と光コネクター5’とでコネクター部53が構成される。
【0060】
光コネクター5のコネクター部53と光コネクター5’のコネクター部53とを接続する際には、まず、ガイドピン60を光コネクター5’の各ガイド孔508にそれぞれ長手方向の途中まで挿入する。このとき、ガイドピン60は、ガイド孔508に挿入されていない残りの部分がガイド孔508から突出している(以下、この部分を突出部600という。)。次に、突出部600を、光コネクター5に設けられたガイド孔508に挿入する。これにより、光コネクター5のコネクター部53と、光コネクター5’のコネクター部53とが接続された接続状態となる。この接続状態で、光配線部品2の光導波路3のコア部41a、41bが、光配線部品2’の光導波路3’のコア部41a、41bと正対し、それぞれ光学的に接続される。
【0061】
なお、図示の構成では、ガイドピン60は、先に光コネクター5’に挿入されるが、これに限らず光コネクター5に先に挿入されて接続されていてもよい。
【0062】
また、光配線部品2’は他の光学部品であってもよく、例えば光コネクター付き光ファイバー等が挙げられる。
【0063】
ここで、
図4は、
図1に示す光配線部品2の先端面(光コネクター5の先端506)を示す図である。
【0064】
光配線部品2では、
図4に示すように、光コネクター5の収納部52が左右に細長い矩形に開口している。この収納部52の先端開口部526には光導波路3の先端面が露出している。光導波路3の先端面の高さは、収納部52の先端開口部526の高さとほぼ一致している。このため、光導波路3は収納部52内において、
図4の上下方向に移動する余地はほとんどなく、その結果、収納部52の上下方向における光導波路3の位置はほぼ一意に決められる。
【0065】
なお、収納部52とガイド孔508との位置関係は、光配線部品2の接続相手先である光配線部品2’における収納部52とガイド孔508との位置関係に対応するよう構成されている。このため、ガイドピン60がそれぞれのガイド孔508に挿入されることにより、光導波路3と光導波路3’の上下方向における位置が必然的に揃うこととなる。
【0066】
一方、光導波路3の先端面の幅は、収納部52の先端開口部526の幅より小さくなっている。すなわち、収納部52の幅は、光導波路3の幅より大きくなっている。このため、光導波路3は、収納部52内において
図4の左右方向に移動可能になっている。その結果、光導波路3の接続相手先である光導波路3’の光軸に合わせて、収納部52内における光導波路3の位置を調整し得るようになっている。
【0067】
収納部52の幅は、光導波路3の幅の101〜150%程度であるのが好ましく、110〜130%程度であるのがより好ましい。収納部52の幅を前記範囲内に設定することにより、光導波路3の位置調整幅を十分確保しつつ、光コネクター5の大型化を避けることができる。
【0068】
そして、収納部52と光導波路3との間隙には接着剤が充填され、光導波路3が固定されている。
【0069】
<光配線部品の製造方法>
≪第1実施形態≫
次に、本発明の光配線部品の製造方法の第1実施形態および本発明の光導波路の位置合わせ方法の第1実施形態について説明する。
【0070】
図5は、本発明の光配線部品の製造方法の第1実施形態および本発明の光導波路の位置合わせ方法の第1実施形態を説明するための平面図である。
【0071】
図1に示す光配線部品2は、光コネクター5の収納部(光導波路挿入孔)52に光導波路3を挿入することにより製造される。この際、収納部52内において光導波路3の位置を調整することにより、光導波路3の光軸を、接続相手先である光配線部品2’における光導波路3’の光軸に合わせることができ、両者の光結合効率を高めることができる。
【0072】
ここで、
図5では、光導波路3の長手方向(
図5の左右方向)をY方向とし、光導波路3の厚さ方向(
図5の紙面厚さ方向)をZ方向とし、Y方向とZ方向とにそれぞれ直交する方向(
図5の上下方向)をX方向とする。
【0073】
光配線部品2の製造方法は、収納部52内における光導波路3の位置を調整する工程と、接着剤により光コネクター5と光導波路3とを接着する工程と、を有する。以下、各工程について順次説明する。
【0074】
[1]
収納部52内における光導波路3の位置は、本発明の光導波路の位置合わせ方法により調整される。
【0075】
本発明の光導波路の位置合わせ方法は、まず、光導波路3の2つの主面を収納部52内の上下面(蓋体51の裏面510と溝504の底面503)に摺接させながら挿入する。これにより、Z方向における光導波路3の位置が自ずと調整される。その結果、光コネクター5におけるガイド孔508と収納部52との位置関係に基づき、ガイド孔508の位置に対してZ方向における光導波路3の位置を正確に調整することができる。したがって、収納部52は、このような位置合わせがなされることを前提に、ガイド孔508との位置関係を考慮しつつ形成されている。
【0076】
また、収納部52に光導波路3を挿入する際には、X方向における光導波路3の位置を調整しながら挿入する。このとき、収納部52の先端開口部526において、収納部52に挿入されつつある光導波路3を視認し、光コネクター5と光導波路3との位置関係が所定の関係を満たすように、X方向における光導波路3の位置を調整する。そして、光導波路3の先端面が収納部52の先端開口部526と一致したとき、光導波路3の挿入を止める。これにより、光導波路3の位置合わせが完了する。その後、接着剤で光導波路3を固定することにより、光配線部品2が得られる。なお、X方向における光導波路3の位置の調整とは、X方向における光導波路3のシフトずれの調整と、光導波路3がX−Y平面内において回転する回転ずれの調整と、を含むものである。
【0077】
このような位置合わせ方法によれば、Z方向における光導波路3の位置は、収納部52に光導波路3を挿入するだけで自ずと決められるため、本発明ではX方向における光導波路3の位置を調整するだけで済む。このため、光導波路3の位置合わせ作業を極めて容易にかつ正確に行うことができ、光コネクター5に対して光導波路3の位置が正確に合わせられた光配線部品2が得られる。
【0078】
収納部52の先端開口部526から光導波路3を視認する際、作業者が目視で視認するようにしてもよいが、好ましくはカメラ等の撮像手段により画像を撮影し、この画像上で光コネクター5と光導波路3との位置関係を確認する。
【0079】
図5は、フリップチップボンダーを用いて光導波路3の位置合わせをする方法を説明するための図であり、光導波路3の主面を平面視するように示した図である。
【0080】
図5に示すフリップチップボンダー8は、光導波路3を吸着、固定する第1吸着部81と、光コネクター5を吸着、固定する第2吸着部82と、光コネクター5や光導波路3を撮像し、相互の位置を認識する画像認識部83と、を備えている。第1吸着部81は、
図5に破線の矢印で示すように、
図5の左右方向および上下方向に自在に移動するとともに、第1吸着部81の中心部を回転軸として自在に回転し得るよう構成されている。また、フリップチップボンダー8は、この第1吸着部81の動作を制御する制御部84を備えている。制御部84は、画像認識部83により認識された光コネクター5と光導波路3との位置関係に基づき、第1吸着部81を駆動し、光コネクター5と光導波路3との位置関係を調整する。
【0081】
また、画像認識部83は、カメラ831と、カメラ831が撮像した画像を解析する解析部832と、を備えている。カメラ831で捉えた光コネクター5および光導波路3の画像について、解析部832では光コネクター5の像と光導波路3の像との位置関係を解析し、光導波路3を移動させるべきX方向における移動方向と移動量および回転方向と回転角を算出する。なお、光導波路3の先端面がカメラ831に対して正対していない場合、すなわち、光導波路3がX−Y平面内で回転して先端面がカメラ831に対して傾いている場合には、コア部の先端面形状が歪になったり、複数のコア部同士の形状が異なったりするので、それに基づいて現在のずれ角を解析し、光導波路3を回転させるべき回転方向と回転角とを算出することができる。
【0082】
そして、この算出に基づき、制御部84は、光コネクター5や光導波路3を移動させる指令を出し、光コネクター5の像と光導波路3の像との画像上の位置関係が所定の関係になった時点でその移動を終了する。これにより、光コネクター5と光導波路3との位置関係は、設計通りのものとなる。そして、このような光導波路3の位置合わせがなされた光配線部品2は、光配線部品2’と接続されたとき、優れた光結合効率を示し、高品質の光通信を実現し得るものとなる。
【0083】
なお、フリップチップボンダー8では、上記のように第1吸着部81のみを移動するようにしてもよいが、第1吸着部81と第2吸着部82の双方を移動するようにしてもよい。前者のようにすれば、移動の制御が容易になる。また、第2吸着部82が固定されることにより、カメラ831の撮像画像における光コネクター5の像が一定に維持されるため、光コネクター5に対する光導波路3の相対的な移動を正確に認識し易いという利点もある。
【0084】
光コネクター5と光導波路3との位置関係は、光配線部品2の接続相手先である光配線部品2’における光コネクター5’と光導波路3’との位置関係に対応して設定される。
【0085】
図6は、収納部52の先端開口部526から光導波路3を撮像した画像の一例である。
図6に示す例では、光コネクター5に設けられたガイド孔508の中心同士を繋ぐ線分S1を引き、光導波路3中に形成されているコア部41aの中心とコア部41bの中心とを繋ぐ線分S2を引いたとき、線分S1と線分S2とが重なり、かつ、線分S1の中点M1と線分S2の中点M2とが重なっている。このような位置関係は、光配線部品2のX方向およびZ方向における配置のバランスが最適であるため、例えば熱影響や接着剤の硬化収縮等に由来した変形に伴う光結合効率の低下を最小限に抑えることができる。また、光配線部品2は、汎用的な光コネクターに対して適合可能なものとなるため、使い勝手が向上する。
【0086】
なお、
図6では、図が煩雑になるのを避けるため、線分S1および線分S2を平行移動させて示している。また、光導波路3中に3つ以上のコア部が形成されている場合には、最外の2つの中心同士を繋ぐように線分S2を設定するようにすればよい。
【0087】
また、
図6に示す例では、光コネクター5側の位置基準としてガイド孔508を用いているが、このようなガイド孔508は、光コネクター5を成形後、別途加工して形成されることが多いものであるため、比較的寸法精度が高く、位置基準として有効である。さらには、このガイド孔508を介して光配線部品2と光配線部品2’とを接続するという観点からも、ガイド孔508を位置基準として用いることは有効である。
【0088】
なお、
図6では、収納部52の先端開口部526と基端開口部521とが重なるようにあらかじめカメラ831の配置を調整しておくことが好ましい。これにより、撮像された画像の平面は、ガイド孔508の軸線に対して直交する平面となり、光配線部品2’との光結合効率を検討するにあたって、画像上における位置関係の解析精度をより高めることができる。
【0089】
図7は、フリップチップボンダーを用いて光導波路3の位置合わせを行いつつ光配線部品を製造する方法を説明するための図であり、光導波路の主面を平面視するように示した図、および光導波路を側面から見た図である。
【0090】
光コネクター5の収納部52に光導波路3を挿入する際、まず、収納部52の全部に光導波路3を挿入していない状態、すなわち、光導波路3が収納部52に全く挿入されていない状態か、収納部52の一部に光導波路3が挿入されている状態において、上述したようにして光コネクター5に対する光導波路3のX方向における位置を合わせる。
図7には、光導波路3が収納部52に全く挿入されていない状態を示している。このような状態で位置合わせを行うことにより、摩擦抵抗が全くない状態または摩擦抵抗が少ない状態で光導波路3を移動させることができるので、厳密な位置合わせが可能になる。なお、収納部52の一部に光導波路3が挿入されている状態とは、収納部52の全長のうち、光導波路3が好ましくは95%未満、より好ましくは50%以下の割合で挿入されている状態をいう。
【0091】
また、画像認識部83では、各部の発色の違いや反射光量の違い等に基づいて、各部の位置を認識する。例えば、光導波路3では、コア部とクラッド部の呈する色が異なることから、この色の違いに基づいてコア部の輪郭を認識し、コア部の中心を求めるようにすればよい。このようにして光導波路3側の位置基準としてコア部の中心を用いることにより、位置合わせの対象であるコア部の光軸を直接的に位置合わせの基準とすることができるので、光配線部品2と光配線部品2’とを接続したときの光結合効率を特に高めることができる。
【0092】
また、収納部52に光導波路3が挿入されていない状態では、取得した画像において光コネクター5と光導波路3の双方に対して同時に焦点を合わせることができない場合もある。このような場合は、光コネクター5側に焦点を合わせた画像と光導波路3側に焦点を合わせた画像とを交互に取得し、両者を合成することにより、光コネクター5と光導波路3との位置関係を求めるようにしてもよい。
【0093】
このようにしてX方向における位置を合わせた後、そのX方向における位置を保持しながらY方向に移動させ、収納部52の全部に光導波路3を挿入する。これによりZ方向の位置も自ずと合い、光導波路3の先端面と収納部52の先端506とが一致したとき、光導波路3の挿入を終了する。その結果、X方向、Y方向およびZ方向における位置合わせを正確に行うことができる。
【0094】
なお、フリップチップボンダー8では、第1吸着部81のX方向における移動およびY方向における移動をそれぞれリニアアクチュエーター等の直線駆動装置により行う。直線駆動装置では、高い直線性を保ちながら第1吸着部81を駆動し得るため、例えば一旦X方向の位置を合わせた後は、その位置を正確に維持しながら光導波路3をY方向に移動することができる。直線駆動装置としては、リニアアクチュエーターの他にXYZステージ、産業用ロボット、ベルトコンベアー等が用いられる。
【0095】
また、このX方向およびY方向における位置合わせの最中、画像認識部83では、光コネクター5と光導波路3との位置関係をモニターし続けるようにしてもよい。これにより、目的とする位置関係と現在の位置関係とのずれ量を常時監視することができるため、このずれ量を制御部84にフィードバックすることができる。これにより、例えばずれ量に応じて移動速度を変化させる等の制御が可能になり、より短時間で正確な位置合わせが可能になる。
【0096】
また、
図3に示す光コネクター5では、収納部52の基端開口部521に傾斜部522aおよび傾斜部522bが形成されている。このため、収納部52に光導波路3を挿入するとき、光導波路3のZ方向における位置が多少ずれている場合でも、光導波路3が傾斜部522a、522bに沿って滑ることにより、そのずれを矯正することができる。その結果、Z方向における光導波路3の位置を簡単に合わせることができる。
【0097】
なお、画像認識部83の解析部832および制御部84としては、それぞれ、例えばIC、LSI、パソコン、マイコン等が用いられる。また、解析部832は、制御部84に内蔵されていてもよい。
【0098】
また、収納部52の全長の全てに対して光導波路3が挿入されていなくてもよく、例えば光導波路3の先端面が、光コネクター5の先端506からわずかに内側に位置するよう挿入されていてもよい。この場合、光コネクター5の先端506から光導波路3の先端面までの距離は、収納部52の全長の5%以下とされる。
【0099】
[2]
このように位置合わせをした後、接着剤により光コネクター5と光導波路3とを接着する。収納部52と光導波路3との間隙に液状の接着剤を浸透させ、硬化させることにより、収納部52に対して光導波路3を固定することができる。
【0100】
接着剤はいかなる方法で供給されてもよい。例えば、収納部52の先端開口部526から供給する方法、基端開口部521から供給する方法、貫通孔を備えた蓋体51を用い、その貫通孔を介して供給する方法、光導波路3の先端部を一旦、収納部52の先端開口部526から飛び出させ、先端部に接着剤を塗布し、再び光導波路3を収納部52内に引き込むことで接着剤も一緒に引き込む方法等が挙げられる。
以上のようにして光配線部品2が得られる。
【0101】
なお、接着剤の硬化後、必要に応じて、光コネクター5の先端面ごと光導波路3の先端面を研磨するようにしてもよい。これにより、光導波路3の先端面の清浄化が図られるとともに、収納部52からはみ出た余分な接着剤を除去することができる。その結果、光結合効率のさらなる向上が図られる。
【0102】
≪第2実施形態≫
次に、本発明の光配線部品の製造方法の第2実施形態および本発明の光導波路の位置合わせ方法の第2実施形態について説明する。
【0103】
図8は、本発明の光配線部品の製造方法の第2実施形態および本発明の光導波路の位置合わせ方法の第2実施形態を説明するための側面図、
図9は、光導波路3の主面を平面視するように本実施形態に係る製造方法による工程途中の光配線部品を撮像した画像の一例である。
【0104】
以下、第2実施形態について説明するが、以下の説明では第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。
【0105】
第2実施形態は、光コネクター5の形状および光コネクター5と光導波路3との位置関係を視認する方向が異なる以外、第1実施形態と同様である。
【0106】
[1]
本実施形態に用いるフリップチップボンダー8は、光導波路3の主面を平面視するようにカメラ831が配置されている。このため、カメラ831で撮像される画像は、
図9に示すように、光導波路3の各コア部41a、41b(光回路パターン)を個別に視認し得る画像となる。
【0107】
また、本実施形態に係る光コネクター5は、
図9に示すように、蓋体51に設けられ、収納部(光導波路挿入孔)52と外部とを連通するよう構成された2つの貫通孔57をさらに備えている。これらの貫通孔57は、一方の端部が収納部52に開口し、他方の端部が蓋体51の表面に開口している。なお、
図9に示す貫通孔57は、開口が真円である円柱状をなしている。
【0108】
また、
図9に示す2つの貫通孔57は、これらを繋ぐ線分が光コネクター5の先端506(蓋体51の先端)と平行になるように設けられている。なお、光コネクター5の先端506(蓋体51の先端)と蓋体51の側面509とは直角に交わっている。すなわち、2つの貫通孔57は、収納部52の延伸方向と直交する直交方向に沿って配置されている。また、光コネクター5の本体50において、側壁部501aの側壁面502aおよび側壁部501bの側壁面502bは、それぞれガイド孔508の軸線と平行になっている。したがって、2つの貫通孔57を繋ぐ線分は、ガイド孔508の軸線と光導波路3の光軸とを平行にするための位置基準として有効なものとなる。
【0109】
さらに、2つの貫通孔57と蓋体51の側面509とのそれぞれの離間距離、すなわち
図9に示す離間距離Laおよび離間距離Lbは、互いに等しくなっている。貫通孔57は、光コネクター5を成形後、別途加工して形成されることが多いものであるため、比較的寸法精度が高く、この点においても光コネクター5側の位置基準として有効である。
【0110】
本実施形態に係る光導波路の位置合わせ方法でも、X方向における光導波路3の位置を調整しながら挿入するが、このとき、
図9に示す例のように、光導波路3を平面視するように光コネクター5および光導波路3を撮像する。そして、得られた画像上において光コネクター5の貫通孔57の像と光導波路3のコア部41a、41bの像との位置関係を解析する。
図9に示す例では、2つの貫通孔57の像同士を繋ぐ線分S3を引く。この線分S3は、蓋体51の貫通孔57が呈する色とその周囲が呈する色との違いを認識し、各貫通孔57の中心を求めるとともに、中心同士を仮想的に繋ぐ線分を引くことにより求められる。すなわち、貫通孔57は、光コネクター5の位置を認識する際のマーク(位置認識マーク)として機能する。
【0111】
また、各コア部41a、41bの中心に沿って線分S4、S5を引く。この線分S4、S5は、光導波路3のコア部41a、41bが呈する色と側面クラッド部42a、42b、42cが呈する色との違いを認識し、コア部41a、41bと側面クラッド部42a、42b、42cとの境界線を求めるとともに、この境界線に基づいて各コア部41a、41bの中心を貫く線分を仮想的に引くことにより求められる。
【0112】
さらに、線分S3と直交し、かつ貫通孔57の中心を通過するように、2つの線分S6、S7を引く。
【0113】
その上で、線分S3と線分S4との交角θ1および線分S3と線分S5との交角θ2が所定の角度になるように、第1吸着部81を駆動して光導波路3を移動させる。所定の角度は85〜95°程度に設定されるが、好ましくは90°に設定される。この場合、交角θ1、θ2がそれぞれ90°になるように、第1吸着部81を回転させ、光導波路3を回転させる。
【0114】
また、線分S4と線分S6との離間距離L3および線分S5と線分S7との離間距離L4がそれぞれ所定の距離になるように、第1吸着部81を駆動して光導波路3を移動させる。所定の距離は特に限定されず、離間距離L3と離間距離L4が互いに異なっていてもよいが、好ましくは互いに等しくなるように光導波路3を移動させる。
【0115】
このように交角θ1、θ2がそれぞれ90°に、かつ離間距離L3、L4が互いに等しくなるように、光導波路3を移動させることにより、X方向における光導波路3の位置は、
図6に示す位置関係を満たすこととなる。
図6に示す位置関係とは、すなわち、ガイド孔508の中心同士を繋ぐ線分S1とコア部41a、41bの中心同士を繋ぐ線分S2とが重なり、かつ、線分S1の中点M1と線分S2の中点M2とが重なる関係である。
【0116】
以上のような方法で位置合わせをすることにより、特に光導波路3の回転ずれを認識し易くなるため、X方向におけるシフトずれと回転ずれの双方をより正確に認識し、光導波路3の位置を正確に調整することができる。
【0117】
また、貫通孔57の開口が真円であることにより、画像上において貫通孔57の中心を求め易い。このため、位置合わせの精度をより高めることができる。なお、貫通孔57の開口の形状は真円に限定されず、例えば楕円形、長円形のようなその他の円形、四角形、六角形のような多角形、十字形、星形等であってもよい。
【0118】
なお、光導波路3側の位置基準としては、上述したコア部41a、41bの他、側面クラッド部42a、42b、42c(光回路パターン)も用いることができる。
【0119】
[2]
このようにして位置合わせをした後、接着剤により光コネクター5と光導波路3とを接着する。収納部52と光導波路3との間隙に液状の接着剤を浸透させ、硬化させることにより、収納部52に対して光導波路3を固定することができる。これにより、光配線部品2が得られる。
【0120】
接着剤はいかなる方法で供給されてもよいが、2つの貫通孔57を介して供給するのが好ましい。これにより、収納部52と光導波路3との間隙に対して直接に接着剤を供給することができるので、接着剤をムラなく浸透させることができ、均質な接着剤層を形成することができる。特に
図9に示す光配線部品2の場合、光導波路3に対して2つの貫通孔57が均等配置されているので、この傾向が顕著である。その結果、光導波路3を強固に固定することができ、かつ硬化収縮に伴って光導波路3の位置がずれてしまうのを防止することができる。なお、「光導波路3に対して2つの貫通孔57が均等配置されている」とは、収納部52に光導波路3が挿入されたとき、光導波路3の延伸方向と平行でかつ光導波路3の幅の中点を通過するよう引かれた中心線に対して、2つの貫通孔57が対称に配置されている状態を指す。
【0121】
また、貫通孔57を介して接着剤を供給することにより、貫通孔57を接着剤の液溜まりとして利用することができる。このため、毛細管現象により接着剤が浸透する際、その浸透を促進することができる。その結果、収納部52と光導波路3との間隙が極めて薄い場合でも、接着剤を浸透させることができる。
【0122】
さらに、接着剤が光硬化性のものである場合には、貫通孔57を介して間隙に浸透した接着剤に光を照射することができる。貫通孔57を介して光を照射すると、接着剤の硬化反応が貫通孔57を起点に進展する。ここで、
図9の場合、2つの貫通孔57は、光導波路3に対して均等配置になっているため、貫通孔57を介して光を照射することにより、硬化反応をバランスよく進展させることができる。その結果、硬化収縮も比較的均一になり、硬化収縮に伴う光導波路3の位置ずれを最小限に抑えることができる。
【0123】
このように貫通孔57は、位置認識マークとしての機能のみでなく、接着剤の液溜まりとしての機能や、光照射における窓部としての機能も併せ持つものである。そして、貫通孔57を適切に配置することによって、位置認識の精度が高まるとともに、接着剤を均一に供給し、かつ、光硬化を均一に進展させることができる。その結果、高精度に位置合わせがなされた光配線部品2が得られる。
【0124】
なお、貫通孔57は、必ずしも貫通していなくてもよく、有底の凹部であってもよい。この場合も、凹部は、光コネクター5の位置を認識する際のマーク(位置認識マーク)として機能する。一方、貫通孔57の開口からは、収納部52の内面が見えることから、貫通していない場合に比べて色や明るさのコントラストが付き易いという利点がある。したがって、必要に応じて収納部52の内面に蓋体51の構成材料とは異なる色を付することにより、このコントラストをさらに高めることができる。
【0125】
また、貫通孔57は、3つ以上形成されていてもよい。
図10は、本実施形態に用いられる光コネクターの他の構成例を示す平面図である。
図10に示す光コネクター5は、3つの貫通孔57が形成されている以外、
図9に示す光コネクター5と同様である。
【0126】
図10において追加された貫通孔57は、
図9の線分S7の延長線上であって、光コネクター5の基端507側に形成されている。その結果、3つの貫通孔57の配置は、
図10に示すように、直角三角形の頂点に対応した配置になっている。このように貫通孔57の数を増やすことにより、光コネクター5の位置や姿勢を認識するために用いる線分の数が増えることになる。具体的には、貫通孔57の数が2つの場合、貫通孔57同士を繋ぐ線分は1つしかないのに対し、貫通孔57の数を3つに増やした場合、貫通孔57同士を繋ぐ線分は3つに増えることとなる。このため、これらの線分をフリップチップボンダー8の画像認識部83に認識させることによって、光コネクター5の位置と姿勢をより正確に認識させることができ、ひいては、光導波路3の位置を正確に合わせることができる。
【0127】
≪第3実施形態≫
次に、本発明の光配線部品の製造方法の第3実施形態および本発明の光導波路の位置合わせ方法の第3実施形態について説明する。
【0128】
図11は、光導波路3を平面視するように本実施形態に係る製造方法による工程途中の光配線部品を撮像した画像の一例である。
【0129】
以下、第3実施形態について説明するが、以下の説明では第2実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。
第3実施形態は、光コネクター5の形状が異なる以外、第2実施形態と同様である。
【0130】
[1]
本実施形態に係る光コネクター5は、
図11に示すように、蓋体51に設けられ、収納部(光導波路貫通孔)52と外部とを連通するよう構成された1つの貫通孔58を備えている。この貫通孔58は、開口が十字形をなしている。そして、この十字形の貫通孔58のうち、収納部52の延伸方向に沿う成分の貫通孔581は、蓋体51の側面509と平行になるよう設けられている。また、十字形の貫通孔58のうち、貫通孔581と直交する成分の貫通孔582は、光コネクター5の先端506(蓋体51の先端)の面と平行になるよう設けられている。なお、光コネクター5の先端506(蓋体51の先端)の面と蓋体51の側面509とは直角に交わっている。
【0131】
また、貫通孔581と蓋体51の側面509とのそれぞれの離間距離、すなわち
図11に示す離間距離Lcおよび離間距離Ldは、互いに等しくなっている。貫通孔58は、光コネクター5を成形後、別途加工して形成されることが多いため、比較的寸法精度が高く、この点においても光コネクター5側の位置基準として有効である。
【0132】
本実施形態に係る光導波路の位置合わせ方法では、
図11に示す例のように、光導波路3を平面視するように光コネクター5および光導波路3を撮像する。そして、得られた画像上において光コネクター5の貫通孔58の像と光導波路3のコア部41a、41bの像との位置関係を解析する。
図11に示す例では、貫通孔581の中心に沿って線分S8を引く。また、貫通孔582の中心に沿って線分S9を引く。
【0133】
その上で、線分S9と線分S4との交角θ3および線分S9と線分S5との交角θ4が所定の角度になるように、第1吸着部81を駆動して光導波路3を移動させる。例えば、交角θ3、θ4がそれぞれ90°になるように、第1吸着部81を回転させ、光導波路3を回転させる。
【0134】
また、線分S4と線分S8との離間距離L5および線分S5と線分S8との離間距離L6がそれぞれ所定の距離になるように、第1吸着部81を駆動して光導波路3を移動させる。例えば、離間距離L5と離間距離L6が互いに等しくなるように光導波路3を移動させる。
【0135】
このように交角θ3、θ4がそれぞれ90°に、かつ離間距離L5、L6が互いに等しくなるように、光導波路3を移動させることにより、X方向における光導波路3の位置は、
図6に示す位置関係を満たすこととなる。
【0136】
以上のような方法で位置合わせをすることにより、1つの貫通孔58(位置認識マーク)であっても、X方向におけるシフトずれと回転ずれの双方を認識し、光導波路3の位置を正確に調整することができる。
【0137】
[2]
次いで、第2実施形態と同様にして光コネクター5と光導波路3とを接着することにより、光配線部品2が得られる。
【0138】
≪第4実施形態≫
次に、本発明の光配線部品の製造方法の第4実施形態および本発明の光導波路の位置合わせ方法の第4実施形態について説明する。
【0139】
図12は、光導波路3の主面を平面視するように本実施形態に係る製造方法による工程途中の光配線部品を撮像した画像の一例である。
【0140】
以下、第4実施形態について説明するが、以下の説明では第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。
第4実施形態は、光コネクター5の形状が異なる以外、第1実施形態と同様である。
【0141】
[1]
本実施形態に係る光導波路の位置合わせ方法では、
図12に示す例のように、光導波路3を平面視するように光コネクター5および光導波路3を撮像する。そして、得られた画像上において光コネクター5の先端506(蓋体51の先端)の像および蓋体51の側面509の像と光導波路3のコア部41a、41bの像との位置関係を解析する。なお、光コネクター5の先端506(蓋体51の先端)と蓋体51の側面509とは直角に交わっている。
【0142】
その上で、蓋体51の先端の面と線分S4との交角θ5および蓋体51の先端の面と線分S5との交角θ5が所定の角度になるように、第1吸着部81を駆動して光導波路3を移動させる。例えば、交角θ5、θ6がそれぞれ90°になるように、第1吸着部81を回転させ、光導波路3を回転させる。
【0143】
また、線分S4と蓋体51の側面509との離間距離L7および線分S5と側面509との離間距離L8がそれぞれ所定の距離になるように、第1吸着部81を駆動して光導波路3を移動させる。例えば、離間距離L7と離間距離L8が互いに等しくなるように光導波路3を移動させる。
【0144】
以上のような方法で位置合わせをすることにより、位置認識マークや貫通孔等を設けることなく、X方向におけるシフトずれと回転ずれの双方を認識し、光導波路3の位置を正確に調整することができる。
【0145】
[2]
次いで、第1実施形態と同様にして光コネクター5と光導波路3とを接着することにより、光配線部品2が得られる。
【0146】
≪第5実施形態≫
次に、本発明の光配線部品の製造方法の第5実施形態および本発明の光導波路の位置合わせ方法の第5実施形態について説明する。
【0147】
図13は、光導波路3の主面を平面視するように本実施形態に係る製造方法による工程途中の光配線部品を撮像した画像の一例である。
【0148】
以下、第5実施形態について説明するが、以下の説明では第2実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。
第5実施形態は、光導波路3の形状が異なる以外、第2実施形態と同様である。
【0149】
[1]
本実施形態に係る光導波路の位置合わせ方法では、光導波路3として2つのアライメントマーク(位置認識マーク)43を備えたものを用いる。これらのアライメントマーク43は、位置合わせにおける光導波路3側の位置基準として用いられる。
【0150】
アライメントマーク43は、光導波路3の位置を視覚的に認識し得るマークであればいかなる材質、形状のものであってもよく、また、光導波路3のいかなる場所に形成されたものであってもよいが、その一例として、
図13に示すアライメントマーク43は、コア層4の側面クラッド部42a、42c内に形成されたものであり、コア部41a、41bと同じ材料で構成されている。このため、アライメントマーク43もコア部41a、41bと同様、側面クラッド部42a、42cと異なる色を呈し、位置認識マークとして機能する。
【0151】
また、
図13に示すアライメントマーク43は、平面視形状が十字形をなしている。この十字形のアライメントマーク43のうち、
図13の左右方向に沿う線状の部位は、コア部41a、41bの延伸方向と平行になるよう設けられている。一方、アライメントマーク43のうち、
図13の上下方向に沿う線状の部位は、前記延伸方向と直交する方向と平行になるよう設けられている。このように
図13に示すアライメントマーク43の形状は、コア部41a、41bの延伸方向と正確に対応したものであるため、例えば光導波路3がこのマークを1つだけ備えたものであっても、光導波路3の回転ずれを容易に検出することができる。なお、アライメントマーク43の形状は、これに限定されず、例えば真円、楕円形、長円形のような円形、四角形、六角形のような多角形、星形等であってもよい。
【0152】
また、アライメントマーク43は、コア部41a、41bと同じ製造プロセスを経て形成されたものであるのが好ましい。例えば、露光処理を伴う製造プロセスによりコア部41a、41bが形成される場合、同時にアライメントマーク43も形成されるため、両者の位置関係は高い確率で設計通りのものとなる。このため、アライメントマーク43は、コア部41a、41bとの間で設計通りの位置関係を有するものとなり、その結果、アライメントマーク43は、光導波路3側の位置基準として有効なものとなる。
【0153】
本実施形態に係る光導波路の位置合わせ方法でも、X方向における光導波路3の位置を調整しながら挿入するが、このとき、
図13に示す例のように、光導波路3を平面視するように光コネクター5および光導波路3を撮像する。そして、得られた画像上において光コネクター5の貫通孔57の像と光導波路3のアライメントマーク43の像との位置関係を解析する。
図13に示す例では、2つの貫通孔57の像同士を繋ぐ線分S3を引く。
【0154】
また、アライメントマーク43のうち、コア部41a、41bの延伸方向に沿う線状の部位に沿って線分S4’、S5’を引く。この線分S4’、S5’は、アライメントマーク43が呈する色とその周囲が呈する色との違いを認識し、アライメントマーク43の形状を求めるとともに、この形状から導かれる前記線状の部位に沿って線分を仮想的に引くことにより求められる。
【0155】
さらに、線分S3と直交し、かつ貫通孔57の中心を通過するように、2つの線分S6、S7を引く。
【0156】
その上で、線分S3と線分S4’との交角θ1’および線分S3と線分S5’との交角θ2’が所定の角度になるように、第1吸着部81を駆動して光導波路3を移動させる。所定の角度は85〜95°程度に設定されるが、好ましくは90°に設定される。この場合、交角θ1’、θ2’がそれぞれ90°になるように、第1吸着部81を回転させ、光導波路3を回転させる。
【0157】
また、線分S4’と線分S6との離間距離L3’および線分S5’と線分S7との離間距離L4がそれぞれ所定の距離になるように、第1吸着部81を駆動して光導波路3を移動させる。所定の距離は特に限定されず、離間距離L3’と離間距離L4’が互いに異なっていてもよいが、好ましくは互いに等しくなるように光導波路3を移動させる。
【0158】
このように交角θ1’、θ2’がそれぞれ90°に、かつ離間距離L3’、L4’が互いに等しくなるように、光導波路3を移動させることにより、X方向における光導波路3の位置は、
図6に示す位置関係を満たすこととなる。
【0159】
以上のような方法で位置合わせをすることにより、特に光導波路3の回転ずれを認識し易くなるため、X方向におけるシフトずれと回転ずれの双方をより正確に認識し、光導波路3の位置を正確に調整することができる。
【0160】
[2]
次いで、第2実施形態と同様にして光コネクター5と光導波路3とを接着することにより、光配線部品2が得られる。
【0161】
以上、本発明の光導波路の位置合わせ方法および光配線部品の製造方法を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0162】
例えば、フリップチップボンダーは、光導波路や光コネクターを吸着し、移動させる機能を有するものであれば、他の装置(例えばチップマウンター等)で代替することができる。
【0163】
また、
図6に示す画像上における位置合わせにおいても、光コネクター側の位置基準として光コネクターの外縁(輪郭)を用いるようにしてもよい。なお、光コネクター側の位置基準として設けられる位置認識マークは、光コネクターに凹部や貫通孔等の加工を施したもの以外、例えば色材の塗布、シート部材の貼り付け等の方法で形成されたマークであってもよい。
【0164】
また、本発明に係る実施形態は、上記各実施形態のうち、2以上を組み合わせたものであってもよい。例えば、光コネクター側の位置基準として貫通孔と外縁の双方を採用するようにしてもよい。
【0165】
また、光導波路側の位置基準として光導波路の外縁を採用するようにしてもよく、コア部と外縁の双方を採用するようにしてもよい。