特許第6015215号(P6015215)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6015215
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年10月26日
(54)【発明の名称】マグネットスクリーン装置
(51)【国際特許分類】
   B43L 1/04 20060101AFI20161013BHJP
   G03B 21/58 20140101ALI20161013BHJP
【FI】
   B43L1/04 Z
   G03B21/58
【請求項の数】4
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2012-173289(P2012-173289)
(22)【出願日】2012年8月3日
(65)【公開番号】特開2014-30970(P2014-30970A)
(43)【公開日】2014年2月20日
【審査請求日】2015年7月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】501475550
【氏名又は名称】株式会社オーエスエム
(74)【代理人】
【識別番号】100074561
【弁理士】
【氏名又は名称】柳野 隆生
(74)【代理人】
【識別番号】100124925
【弁理士】
【氏名又は名称】森岡 則夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141874
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 久由
(72)【発明者】
【氏名】奥村 正之
【審査官】 藤井 達也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−168916(JP,A)
【文献】 特開2010−253922(JP,A)
【文献】 実開昭63−106692(JP,U)
【文献】 特開昭52−29736(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B43L 1/04− 1/12
G03B 21/56−21/625
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
正面側にスクリーン面を有するとともに、裏面側に磁力を有するスクリーンシートと、
該スクリーンシートの巻取り及び繰出しを行なう巻取手段と、
前記スクリーンシートを収納するための、裏面側に磁力を有する筺体と、
該筺体の一端側に、回転機構を介して回転可能に設けられた取付具とを備え、
該取付具を所定位置に取り付けた後、前記筐体を水平又は鉛直の何れかの状態で固定して使用することを特徴とするマグネットスクリーン装置。
【請求項2】
前記取付具の前記筺体に対する回転が90度で規制されてなる請求項1記載のマグネットスクリーン。
【請求項3】
前記取付具又は前記筺体の何れか一方に円弧状スリットを設けると共に、他方に該円弧状スリット内を摺動する小突起を設けてなる請求項1又は2記載のマグネットスクリーン装置。
【請求項4】
前記取付具を黒板の上桟枠に掛止可能な幅広の釣金形状としてなる請求項1〜3のいずれか1項記載のマグネットスクリーン装置。



【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、黒板等に用いるマグネットスクリーン装置に関わり、更に詳しくは、使用環境や目的に合わせて、水平に固定した状態でスクリーンを下方に引き下げて使用する引下型と、鉛直に固定した状態でスクリーンを水平方向に引いて使用する横引型とを適宜選択して使用することができるマグネットスクリーン装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、黒板に用いるスクリーンとして、投映面を有する投映部材と、指示部材によって指示された位置を検出する検出手段と、位置情報をパーソナルコンピュータに供給する供給手段とを有する位置情報検出供給部を備えたインタラクティブスクリーンであって、前記投映部材を、磁性を帯び、かつ、巻き取り及び引き延ばしが可能な素材で構成するとともに、該投映部材を巻き取り可能な巻き取り手段と、巻き取られた投映部材を収納する収納部を備えたものがある(例えば、特許文献1。)。
【0003】
このインタラクティブスクリーンは、投映部材の先端部を手でつかんで収納部から引き出し、教室に備えられている黒板に投映部材の投映面の裏面を合わせると磁力により黒板に固定され、手を離してもその固定状態が保持されるものであり、これにより、黒板が指示部材による指示部の押圧を受け止めて、通常のインタラクティブボードと同様に機能させることが可能となるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3093287号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、黒板の正面は平面視において前方に向かって凹曲しているものもあり、このような黒板にスクリーンを水平に設置しようとすると、凹曲面に対して長方体状のスクリーン本体を設けることとなるため、これらの間のギャップが原因で投映面に皺や弛みが発生し、スクリーン面の平面性を保つことが困難であった。
また、このインタラクティブスクリーンは黒板に移動不能に固定されるものであり、使用の環境や目的に合わせてスクリーン面の位置や大きさを調整することはできず、スペースに制限のある場合に十分に対応することができないものであった。
【0006】
本発明が前述の状況に鑑み解決しようとするところは、水平に固定した状態でスクリーンを下方に引き下げて使用する引下型と、鉛直に固定した状態でスクリーンを水平方向に引いて使用する横引型とを適宜選択して使用することができることにより、凹曲している黒板等にも問題なく使用することができ、又、使用の環境や目的に合わせてスクリーン面の位置や大きさを調整することができるマグネットスクリーン装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るマグネットスクリーン装置は、前記課題解決のために、正面側にスクリーン面を有するとともに、裏面側に磁力を有するスクリーンシートと、該スクリーンシートの巻取り及び繰出しを行なう巻取手段と、前記スクリーンシートを収納するための、裏面側に磁力を有する筺体と、該筺体の一端側に、回転機構を介して回転可能に設けられた取付具とを備え、該取付具を所定位置に取り付けた後、前記筐体を水平又は鉛直の何れかの状態で固定して使用することを特徴とするものである。
【0008】
ここで、前記取付具の前記筺体に対する回転が90度で規制されてなると好ましい。
【0009】
また、前記取付具又は前記筺体の何れか一方に円弧状スリットを設けると共に、他方に該円弧状スリット内を摺動する小突起を設けてなるとより好ましい。
【0010】
さらに、前記取付具を黒板の上桟枠に掛止可能な幅広の釣金形状としてなるものであってもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係るマグネットスクリーン装置によれば、使用環境や目的に合わせて引下型と横引型とを適宜選択して使用することができ、凹曲した黒板等にも横引型として用いることで、皺や弛みが生じない状態で問題なく使用することができる。また、引下型としてスクリーンシートの繰出量を変更すると上下方向のスクリーン寸法を調整することができ、横引型としてスクリーンシートの繰出量を変更すると左右方向のスクリーン寸法を調整することができる。このため、スクリーンの上下又は左右方向の寸法に制限がある場合の使用も可能となり、また、縦横寸法のバランスも自在に設定することができる。
【0012】
ここで、前記取付具の前記筺体に対する回転が90度で規制されてなるものによれば、回転が90度で規制されているため、取付具を取り付けた後に筐体を回転可能範囲内で最大限に回転させることで、引下型位置から横引型位置へと確実に変更させることができる。
【0013】
また、前記取付具又は前記筺体の何れか一方に円弧状スリットを設けると共に、他方に該円弧状スリット内を摺動する小突起を設けてなるものによれば、簡易な構造で回転可能範囲を設定することができる。
【0014】
さらに、前記取付具を黒板の上桟枠に掛止可能な幅広の釣金形状としてなることで、取付具を黒板の上桟枠に引っ掛けて、筺体の角度を微調整したうえで筐体を黒板に固定させることができるため、マグネットスクリーン装置の重さに関係なく筐体の固定角度の正しい設定が可能となる。また、取付具を黒板に引っ掛けた状態で筺体を黒板から引き離して、取付具を左右にスライドさせることで水平方向の固定位置を簡易に調整することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施形態に係るマグネットスクリーン装置を横引型として黒板に設置した状態を示す斜視図である。
図2】同じくマグネットスクリーン装置の構成を示す斜視図である。
図3】同じくマグネットスクリーン装置の上部の構成の説明図であり、(a)は拡大正面図、(b)は縦断面を示す拡大側面図である。
図4】同じくマグネットスクリーン装置を下引型から横引型へと状態変更させる方法を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、本発明の実施の形態を添付図面に基づき詳細に説明するが、本発明は、添付図面に示された形態に限定されず特許請求の範囲に記載の要件を満たす実施形態の全てを含むものである。
【0017】
本明細書において、スクリーン面側をマグネットスクリーン装置の正面とし、これの反対面である貼着面側を裏面とする。
【0018】
本実施形態に係るマグネットスクリーン装置1は、図1及び図2に示すように、黒板Bに取り付けることで黒板Bの一部を映写用のスクリーンとして使用することができるものであって、正面側にスクリーン面2aを有するとともに裏面側に磁力を有するスクリーンシート2と、スクリーンシート2の巻取り及び繰出しを行なう巻取手段3aと、スクリーンシート2を収納するための、裏面側に磁力を有する筺体3と、筺体3の一端側に、回転機構5を介して回転可能に設けられた取付具4とを備えたものである。
ここで、マグネットスクリーン装置1は、映写用のスクリーンとして使用するものであるが、これに限定されず、例えば電子黒板やホワイトボードとしても使用することができる。
【0019】
スクリーンシート2は、正面側の全面がスクリーン面として、又、裏面側はスクリーンシート2が黒板B等に貼着可能な磁力を有するものとして構成されている。
また、スクリーンシート2の先端側には、スクリーンシート2の繰出し及び巻取りをスムーズに行なうための細長いバー6が設けられている。このバー6には、裏面側に貼着可能な複数の磁石6a、6a、6aが設けられ、展張時には、この磁石6a、6a、6aの磁力によって黒板B等に張り付いた状態で保持される。
このスクリーンシート2は、巻取手段3aによって筺体3内に巻き取られることで収納される。
【0020】
巻取手段3aは、巻取ロールとこれにスクリーンシート2を巻き取る方向に回転付勢するバネ部材とよりなり、バネ部材の付勢力はスクリーンシート2を操作することで解除可能となっている、一般的なものとして構成しているが、これに限らず、例えば電動式として構成されたものであってもよい。
【0021】
筺体3は細長い長方体形状であって、スクリーンシート2を繰り出す側の面には、スクリーンシート2よりも大きい寸法の幅と厚みを有するスリットが設けられており、このスリットからスクリーンシート2が繰り出される。また、このスリットは、スクリーンシート2の先端側に設けられたバー6よりも小さい寸法の幅と厚みで形成されている。このため、スクリーンシート2の巻取時に、スクリーンシート2を全て巻き取ると、このバー6がスリットを通過できず筺体3に当接することで巻取りが完了する。
筺体3の裏面側の下端部には磁石3bが設けられている。この磁石3bは、筺体3を黒板B等に固定する際に使用し、この磁石3bによる固定によって筺体3は回転不能となり、スクリーンシート2の繰出又は巻取可能な状態となる。
筺体3の上端部には、取付具4が筺体3に対して回転可能に設けられている。このため、取付具4を黒板Bの上桟枠に引っ掛けた状態で、筺体3を取付具4に対して自由に回転させることができ、筺体3の固定角度を簡易に調整することができる。
【0022】
図3に示すように、取付具4は、黒板Bの上桟枠に吊り下げることができる幅広の釣金形状に形成されたものであって、帯状の板材を折り曲げることで形成したものであるが、その先端側には黒板Bの上桟枠の裏側に引っ掛けるための係止片4aが形成され、これと上面及び前面が形成されている。また、前面には黒板Bの上桟枠を回避するために前方に突出する上部と上部より黒板B側に位置する下部とが段部4bを介して設けられている。
また、取付具4は、マグネットスクリーン装置1の一方の端部に設けられているため、筺体3に対して取付具4を真っ直ぐ位置させることで、マグネットスクリーン装置1を簡易に黒板Bに引っ掛けることができる。さらに、マグネットスクリーン装置1を黒板Bに引っ掛けた後には、黒板Bに対する水平方向の位置を調整するために、取付具4をスライドさせることで、位置調整を行なうことができる。
なお、取付具4の裏面に、黒板Bに固定するための磁石を設けてもよく、このようにすると、筺体3を回転する際に取付具4のがたつきを防止することができるため、より操作性の良いものとすることができる。
この取付具4は、回転機構5を介して筺体3に取付けられている。
【0023】
回転機構5は、筺体3を取付具4に対して回転可能とするものであり、これによって筺体3の固定角度を水平又は鉛直とすることで、マグネットスクリーン装置1を下引型又は横引型として使用することができるものである。
ここで、この回転機構5は、筺体3の回転軸5cを中心とする回転を略90度の範囲で規制するものである。これによって、筺体3を規制範囲内で最大限回転させれば、鉛直状態から水平状態に変更することができ、角度を計測する等の手間を省いて簡易且つ迅速に状態変更を可能とする。
なお、回転機構5は、取付具4に対して筺体3を引下型又は横引型の位置とする固定角度で解除可能にロックされるものとしてもよい。
略90度の範囲で回転を規制するための回転機構5の構成として、取付具4に円弧状スリット5aが設けられ、筺体3側の取付部材に円弧状スリット5aに係合する小突起5bが設けられている。これらが摺動可能に係合していることで、スリットの範囲内で筺体3の回転が規制されて、略90度の範囲における回転を可能としている。
【0024】
次に、図4に示すように、本実施の形態におけるマグネットスクリーン装置1の黒板Bへの設置方法について説明する。
【0025】
まず、マグネットスクリーン装置1の取付具4を、マグネットスクリーン装置1の長手方向に伸ばした状態で、取付具4を上側に位置させて設置する黒板Bの上桟枠に係合させることで、マグネットスクリーン装置1を黒板Bに吊り下げる。
このとき、黒板Bに対しては取付具4の引っ掛かりのみで吊り下がっているため、左右方向へは何ら規制されておらず、自在に位置変更が可能であるため、この状態で左右位置を調整して決定する。
左右位置が定まれば、次にマグネットスクリーン装置1の筺体3を黒板Bに押し当てて、磁石3b、3b、3bでマグネットスクリーン装置1を黒板Bに固定する。これにより、筺体3は黒板Bに対して回転不能に固定される。
最後に、筺体3からスクリーンシート2を引き出して黒板Bに磁石で貼り付けることで、設置が完了する。
ここで、マグネットスクリーン装置1を引下型として使用する場合には、取付具4を黒板Bに引っ掛けた状態で、筺体3を取付具4に対して直角に回転させて黒板Bの上端部近傍で水平に黒板Bに固定した後、スクリーンシート2を下方に引き下げて使用することができる。
また、横引型として使用する場合には、取付具4を黒板Bに引っ掛けた状態で、筺体3を取付具4に対して回転させず鉛直に黒板Bに固定した後、スクリーンシート2を水平方向に引いて使用することができる。
横引型の展張方法としては、取付具4を黒板Bに引っ掛けた後、筺体3よりも先にバー6を黒板Bに固定し、筺体3をバー6から引き離す方向にスライドさせることでスクリーンシート2を展張してもよい。この方法によれば、筺体3が取付具4によって上下方向移動不能に吊り下げられているため、スクリーンシート2を正確に水平に引くことができ、容易に平面性を確保することが可能となる。
【0026】
凹曲する黒板Bに設置する場合には、横引型としてマグネットスクリーン装置1を黒板Bに鉛直に固定すると、スクリーンシート2が黒板Bの曲面に沿って黒板Bに貼着することで、皺も弛みも生じずスクリーンとして使用することができる。
【0027】
以上の説明においては、スクリーンシートはシート全体に磁力を有するものである場合を示したが、スクリーンシートはこのようなものに限定されるものではなく、部分的に磁力を有するものとすることで、取り外し易いものとして構成してもよい。
また、取付部は少なくとも一端側に設けたものであればよく、両端側に取付部を設けてもよく、このように構成すると、引下型として黒板の上部に水平に固定する場合に、左右両端を取付部で吊り下げることで、より安定した取付けが可能とする。
取付部については、黒板等の既設の設備に引っ掛けるものでなくてもよく、例えば、取付対象となる壁に左右方向にのびるレール部材を固定し、このレールにスライド可能に取付具を係合させてなるものとすると、マグネットスクリーン装置をレール部材の範囲内で移動させることができ、設置場所をより自由に設定することができる。
さらに、筺体や取付部の黒板側にローラや緩衝材を設けることで、マグネットスクリーン装置を左右方向にスライドさせるとき、又は、筺体を回転させるときの作業をスムーズにし、且つ、黒板の傷を防止するものとしてもよい。
また、スクリーンシートを引き出すための筺体のスリットは、左右の何れか一方又は両方に設けられたものであってもよく、この位置によってスクリーンシートの引き出す方向が決定される。
【符号の説明】
【0028】
1 マグネットスクリーン装置
2 スクリーンシート
2a スクリーン面
3 筺体
3a 巻取手段
3b 磁石
4 取付具
4a 係止片
4b 段部
5 回転機構
5a 円弧状スリット
5b 小突起
5c 回転軸
6 バー
6a 磁石
B 黒板


図1
図2
図3
図4