特許第6015272号(P6015272)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日産自動車株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6015272-ターボ過給器付き内燃機関 図000002
  • 特許6015272-ターボ過給器付き内燃機関 図000003
  • 特許6015272-ターボ過給器付き内燃機関 図000004
  • 特許6015272-ターボ過給器付き内燃機関 図000005
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6015272
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年10月26日
(54)【発明の名称】ターボ過給器付き内燃機関
(51)【国際特許分類】
   F02F 1/42 20060101AFI20161013BHJP
   F02B 37/00 20060101ALI20161013BHJP
【FI】
   F02F1/42 G
   F02B37/00 301H
【請求項の数】5
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2012-203865(P2012-203865)
(22)【出願日】2012年9月18日
(65)【公開番号】特開2014-58895(P2014-58895A)
(43)【公開日】2014年4月3日
【審査請求日】2015年7月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086232
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 博通
(74)【代理人】
【識別番号】100092613
【弁理士】
【氏名又は名称】富岡 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100096459
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 剛
(72)【発明者】
【氏名】加藤 丈博
(72)【発明者】
【氏名】禰津 広直
(72)【発明者】
【氏名】高橋 伸博
(72)【発明者】
【氏名】高田 淳
(72)【発明者】
【氏名】小野寺 優
(72)【発明者】
【氏名】石井 仁
【審査官】 櫻田 正紀
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−280967(JP,A)
【文献】 特開昭58−124014(JP,A)
【文献】 実開平02−072347(JP,U)
【文献】 特開2008−095534(JP,A)
【文献】 実開平02−067060(JP,U)
【文献】 特開2007−285169(JP,A)
【文献】 特開昭47−008803(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02F 1/42
F02B 37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンダヘッドの側壁部の内部に、複数気筒の排気ポートを該シリンダヘッド側面の排気出口へと集合させるマニホルド通路が一体に形成され、かつ車両搭載状態では上記シリンダヘッド側面が下方へ向く方向にシリンダ列が傾斜した内燃機関と、
上記排気出口の下方位置において上記内燃機関を車両に支持するエンジンマウントと、
タービン入口が上記排気出口に接続され、かつ該排気出口と上記エンジンマウントとの間の空間内に配置されたターボ過給器と、
を備え、
上記タービン入口のフランジが取り付けられる上記排気出口の取付フランジ面は、車両搭載状態において傾斜する上記シリンダ列に対し、垂直面に近づく方向に相対的に傾斜しており、
上記フランジを上記取付フランジ面に固定する複数本のボルトの中の少なくとも一つのボルトの延長線が、上記ターボ過給器におけるタービン部とコンプレッサ部と両者間の小径部とに囲まれた空間を通っており、
内燃機関を上方から投影してみたときに、上記ターボ過給器と上記エンジンマウントとが互いに重なって位置しているとともに、上記ターボ過給器の少なくとも一部が上記シリンダヘッドに覆われている、ことを特徴とするターボ過給器付き内燃機関。
【請求項2】
上記内燃機関がV型内燃機関であり、少なくとも一方のシリンダヘッドの下方に上記エンジンマウントおよび上記ターボ過給器が配置されていることを特徴とする請求項1に記載のターボ過給器付き内燃機関。
【請求項3】
左右のシリンダヘッドの下方に、上記エンジンマウントおよび上記ターボ過給器がそれぞれ配置されていることを特徴とする請求項2に記載のターボ過給器付き内燃機関。
【請求項4】
上記取付フランジ面は、車両搭載状態において、垂直面ないし垂直よりも上方へ向かって傾いた角度を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のターボ過給器付き内燃機関。
【請求項5】
上記シリンダヘッドの気筒列方向の中央に上記排気出口が位置することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のターボ過給器付き内燃機関。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、シリンダヘッドの側部にターボ過給器を備えた内燃機関、特に、複数気筒の排気流を集合させるマニホルド通路がシリンダヘッドに一体に形成され、その排気出口にターボ過給器が取り付けられてなるターボ過給器付き内燃機関に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な内燃機関では、シリンダヘッドの側面に開口した複数の排気ポートに対し、別部品の排気マニホルドが取り付けられ、該排気マニホルドによって複数の気筒の排気流を集合させる構成となっている。これに対し、特許文献1は、シリンダヘッドの側壁部の内部にマニホルド通路を一体に鋳造形成し、複数の排気ポートの排気流をこのシリンダヘッド内部のマニホルド通路を介して集合させるようにした構成を開示している。
【0003】
特許文献1は、直列6気筒のシリンダヘッドを例示しており、3気筒分の排気流がそれぞれ1つの排気出口に集合し、各排気出口には、それぞれターボ過給器のタービン入口が直接に取り付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平2−72347号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のようにシリンダヘッドの側面に直接にターボ過給器が取り付けられた構成の場合、例えばV型内燃機関や大きくスラントして搭載された直列多気筒内燃機関などのように、車両搭載状態においてターボ過給器側が下側となる方向にシリンダヘッドが傾斜している内燃機関では、シリンダブロック側面に配置されるエンジンマウントとターボ過給器との干渉の問題が生じ、レイアウトが制限される。つまり、シリンダヘッドの傾斜に伴ってターボ過給器が比較的低い位置となるため、内燃機関の長手方向においてターボ過給器とエンジンマウントとを互いに重なり合う位置に配置することができず、双方を最適位置、例えば内燃機関の長手方向の中央部、に必ずしも配置することができない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係るターボ過給器付き内燃機関は、
シリンダヘッドの側壁部の内部に、複数気筒の排気ポートを該シリンダヘッド側面の排気出口へと集合させるマニホルド通路が一体に形成され、かつ車両搭載状態では上記シリンダヘッド側面が下方へ向く方向にシリンダ列が傾斜した内燃機関と、
上記排気出口の下方位置において上記内燃機関を車両に支持するエンジンマウントと、
タービン入口が上記排気出口に接続され、かつ該排気出口と上記エンジンマウントとの間の空間内に配置されたターボ過給器と、
を備えている。
【0007】
そして、上記タービン入口のフランジが取り付けられる上記排気出口の取付フランジ面は、車両搭載状態において傾斜する上記シリンダ列に対し、垂直面に近づく方向に相対的に傾斜している。
【0008】
また、上記フランジを上記取付フランジ面に固定する複数本のボルトの中の少なくとも一つのボルトの延長線が、上記ターボ過給器におけるタービン部とコンプレッサ部と両者間の小径部とに囲まれた空間を通る。
そして、内燃機関を上方から投影してみたときに、上記ターボ過給器と上記エンジンマウントとが互いに重なって位置しているとともに、上記ターボ過給器の少なくとも一部が上記シリンダヘッドに覆われている。
【0009】
上記のように取付フランジ面がシリンダ列に対し傾斜していることで、車両搭載状態においてターボ過給器の位置が相対的に高い位置となり、内燃機関の長手方向においてエンジンマウントとターボ過給器とが互いに重なり合う位置であっても両者が共存し得るものとなる。そして、ターボ過給器を固定するための一部のボルトは、ターボ過給器におけるタービン部とコンプレッサ部と両者間の小径部とに囲まれた空間を通して挿入され、かつ締結作業が行われる。従って、ターボ過給器の本体部分の位置つまりロータの回転中心の位置をシリンダヘッドないしシリンダブロックから過度に離さずに取付が可能となる。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、シリンダヘッドが傾斜した姿勢で車両に搭載される内燃機関において、排気出口に直接に取り付けられたターボ過給器とエンジンマウントとを、内燃機関の長手方向において互いに重なり合う位置に配置することができ、例えば、双方を内燃機関の長手方向の中央部に配置することが可能となる。しかも、ターボ過給器の本体部分がシリンダヘッドやシリンダブロックから極端に張り出さずに支持され、ターボ過給器を含めた内燃機関の全幅の大型化が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】この発明をV型内燃機関に適用した一実施例の正面図。
図2】このV型内燃機関の側面図。
図3】このV型内燃機関の平面図。
図4図2のA−A線に沿った要部の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、この発明をV型内燃機関に適用した一実施例を、図1図4に基づいて詳細に説明する。この実施例は、バンク角が60°のV型6気筒内燃機関であって、奇数気筒つまり♯1,♯3,♯5気筒が第1バンク1に配置され、偶数気筒つまり♯2、♯4,♯6気筒が第2バンク2に配置されている。
【0013】
このV型内燃機関は、両バンクのシリンダ(図示せず)がそれぞれ傾斜した姿勢で形成されてなるシリンダブロック3と、このシリンダブロック3の一対のトップデッキ4,5の上にそれぞれ取り付けられて各バンクを構成する一対のシリンダヘッド6,7と、上記シリンダブロック3の下面8に取り付けられて、クランクシャフト(図示せず)を支持するとともにオイルパンの一部を構成するロアフレーム9と、を主体として構成されている。なお、第1バンク1のシリンダヘッド6と第2バンク2のシリンダヘッド7とは、偶数気筒が奇数気筒に対し相対的に後方に位置することもあって厳密には細部が異なっているが、基本的な構成は同一、詳しくは互いに対称形状をなすように構成されている。これらのシリンダブロック3、シリンダヘッド6,7およびロアフレーム9は、いずれもアルミニウム合金等の金属材料の鋳造品から構成されている。
【0014】
上記シリンダブロック3の左右の側面には、それぞれ正面(図1)から見て略三角形をなすマウントブラケット11,12がそれぞれ複数本のボルト13によって取り付けられており、これらマウントブラケット11,12の下端が、それぞれエンジンマウント14,15を介して図示せぬ車両の車体上に支持されている。各エンジンマウント14,15とマウントブラケット11,12との連結点つまりマウントブラケット11,12の下端部は、それぞれ、図1に示すように、クランクシャフト(図示せず)の高さ位置に概ね位置しており、クランクシャフトを中心としたロール振動の抑制を図っている。また、内燃機関の長手方向については、図2に示すように、マウントブラケット11,12は内燃機関の長手方向の中央部(より詳しくは中央よりも僅かに機関前方寄り)にそれぞれ位置している。なお、この内燃機関は、さらに、図示せぬ変速機側などの他の1点ないし2点において、別のエンジンマウントを介して車体に支持されている。車両搭載状態において、正面(図1)から見た姿勢としては、内燃機関全体が水平、つまりシリンダブロック3の下面8が実質的に水平に沿ったものとなる。ここで、上記エンジンマウント14,15として、図示例では、円筒形をなし、その軸方向に荷重を受ける形式のものが用いられているが、本発明はこれに限定されず、種々の形式のエンジンマウントを用いることが可能である。
【0015】
図4は、一対のシリンダヘッド6,7の代表として第2バンク2側のシリンダヘッド7の断面を示しており、特に、車両搭載状態に沿って傾斜した姿勢でもって図示してある。つまり、シリンダ中心軸線Lが垂直方向に対し30°(バンク角の半分)傾いている。このシリンダヘッド7は、各気筒の燃焼室20からVバンクの内側へ向かって吸気ポート21が延び、かつVバンクの外側へ向かって排気ポート22が延びている。上記吸気ポート21は、図3にも示すように、Vバンク間において上方を指向するように各気筒毎に個々に開口している。これらの吸気ポート21の開口部には、図示せぬ吸気マニホルドが接続される。一方、シリンダヘッド7のVバンク外側となる側壁部の内部には、気筒列方向に延びるマニホルド通路23が一体に鋳造形成されており、このマニホルド通路23に各気筒の排気ポート22が接続されている。そして、3つの気筒の中央位置つまり第2バンク2用のシリンダヘッド7であれば♯4気筒の側方位置に、上記マニホルド通路23と連通した単一の排気出口24が配置され、該排気出口24がシリンダヘッド7側方へ向かって開口している。つまり、シリンダヘッド7の内部において、3つの気筒の排気ポート22がマニホルド通路23を介して中央の1つの排気出口24へと集合している。
【0016】
上記排気出口24は、シリンダヘッド7の側面に一体に鋳造形成された略矩形の過給器取付フランジ部25の中央に開口している。この過給器取付フランジ部25は、四隅にそれぞれねじ孔26を有し、図4に示すように、ここにターボ過給器32が直接に取り付けられている。
【0017】
詳しくは、上記ターボ過給器32は、図2等にも示すように、スクロールを備えた排気タービンからなるタービン部33と、上記排気タービンと同軸に接続された遠心コンプレッサからなるコンプレッサ部34と、図示せぬロータを回転自在に支持するセンタハウジング35と、から大略構成されており、上記センタハウジング35に比較してタービン部33およびコンプレッサ部34が大径に膨らんだ形状をなしている。つまり、上記センタハウジング35は、タービン部33およびコンプレッサ部34の間に位置する小径部となっている。そして、上記タービン部33から略接線方向に排気入口管36が延びているとともに、その先端に開口するタービン入口(図示せず)を囲むように略矩形のタービン入口フランジ37が形成されており、このタービン入口フランジ37の四隅に設けられた貫通孔38(図4参照)を通して4本のボルト39が上記過給器取付フランジ部25のねじ孔26に螺合している。これによって、ターボ過給器32全体がシリンダヘッド7に支持されている。このようにシリンダヘッド7に取り付けられたターボ過給器32は、タービン部33のスクロールの排気流旋回方向が図4において時計回り方向となるように構成されているので、図1図2に示すように、シリンダヘッド7の排気出口24よりも下方に位置し、かつエンジンマウント15の上方に位置している。つまり、排気出口24とその下方のエンジンマウント15との間の空間内に、ターボ過給器32が配置されている。図2図3に示すように、内燃機関を上方から投影してみたときには、ターボ過給器32とエンジンマウント15とが互いに重なって位置している。
【0018】
ここで、上記ターボ過給器32が取り付けられる過給器取付フランジ部25の取付フランジ面25aは、シリンダヘッド7単体としてみたときのシリンダ中心軸線L(図4参照)に対して、該シリンダ中心軸線Lの傾斜を相殺する方向に逆に傾いている。換言すれば、車両搭載状態において傾斜しているシリンダ中心軸線Lに対して、取付フランジ面25aが垂直面に近づく方向に、相対的に傾斜している。図示例では、取付フランジ面25aがシリンダ中心軸線Lに対し30°傾斜しており、車両搭載状態において、実質的に垂直面となる。なお、本発明においては、車両搭載状態において取付フランジ面25aが完全な垂直面である必要はなく、シリンダ中央軸線Lよりも垂直に近いものであればよい。また、垂直面よりもさらに上方へ向かうように、例えば上記の例では30°よりも大きな角度で傾斜していてもよい。
【0019】
このように取付フランジ面25aが垂直面に近いものとなっていることから、ここに取り付けられるターボ過給器32は、そのロータの回転中心位置が過度にシリンダブロック3に近づいた配置とならず、比較的高い位置となるため、前述したように、エンジンマウント15との干渉を避けて、排気出口24とエンジンマウント15との間の空間に配置することが可能となる。
【0020】
また、取付フランジ面25aが下向きとならずにほぼ垂直面をなすことから、ボルト39によるターボ過給器32の取付作業が容易となる。ここで、図2に示すように、タービン入口フランジ37は4本のボルト39によって過給器取付フランジ部25に固定されているが、その中の1本のボルト39(図2に符号39Aとして示す)は、その延長線(ボルト中心軸線)が、タービン部33とコンプレッサ部34と両者間のセンタハウジング35とによって囲まれた空間内を通っている。つまり、部分的に小径となったセンタハウジング35の近傍を通してボルト39Aが挿入され、かつ図示せぬドライバによる締付作業がなされる。従って、排気入口管36を比較的短いものとすることができ、ターボ過給器32の回転中心位置が過度に外側に位置したものとならない。そのため、ターボ過給器32とエンジンマウント15との干渉を避けつつも、ターボ過給器32による内燃機関全幅寸法の拡大が抑制される。
【0021】
なお、図示例では、上記の過給器取付用のボルト39としてスタッドボルトが用いられており、過給器取付フランジ部25に植設したボルト39の端部にナット40が螺合する構成となっているが、このようなスタッドボルトではなく一般的なボルトを用いるようにしてもよい。
【0022】
以上、第2バンク2側のシリンダヘッド7およびこれに取り付けられるターボ過給器32について説明したが、第1バンク1側のシリンダヘッド6およびこれに取り付けられるターボ過給器31についても、基本的に上記と同様である。すなわち、各図では細部が見えていないが、第1バンク1側のシリンダヘッド6においては、中央に位置する♯3気筒の側方に単一の排気出口24が開口しており、過給器取付フランジ部25が設けられている。そして、ターボ過給器31のタービン部33から延びた排気入口管36先端のタービン入口フランジ37が過給器取付フランジ部25に4本のボルト39によって取り付けられている。過給器取付フランジ部25の取付フランジ面25aは、やはりシリンダヘッド6のシリンダ中心軸線に対して相対的に傾斜しており、車両搭載状態において、実質的に垂直面をなしている。また1本のボルト39Aがタービン部33とコンプレッサ部34との間を通して挿入配置される点も同様である。
【0023】
ここで、第1バンク1側のターボ過給器31は、第2バンク2側のターボ過給器32と基本的に対称をなすように構成されており、双方ともに、コンプレッサ部34が内燃機関の前側に、タービン部33が内燃機関の後側に、それぞれ位置している。
【0024】
従って、図1および図3に示すように、一対のターボ過給器31,32はV型内燃機関の両側において基本的に対称に配置されており、それぞれ、エンジンマウント14,15の上方に位置している。そのため、内燃機関の長手方向においてエンジンマウント14,15とターボ過給器31,32とが互いに重なり合う位置であっても両者が共存し得るものとなり、それぞれを最適位置に配置することが可能である。つまり、ターボ過給器31,32については、排気出口24を3つの気筒の中央に配置することで、各気筒までの排気流路長が等長となり、かつ各気筒の排気弁から排気出口24ひいてはタービン部33までの距離を最短とすることができる。また、エンジンマウント14,15については、内燃機関の重心に近い長手方向の中央部付近を左右の2点で支持することができる。
【0025】
以上、この発明をV型6気筒内燃機関に適用した一実施例を説明したが、本発明はこれに限らず、V型8気筒内燃機関などに適用できるほか、比較的大きく傾いて車両に搭載された直列多気筒内燃機関などにおいても同様に適用することができる。
【符号の説明】
【0026】
1…第1バンク
2…第2バンク
6,7…シリンダヘッド
14,15…エンジンマウント
23…マニホルド通路
24…排気出口
25…過給器取付フランジ部
25a…取付フランジ面
31,32…ターボ過給器
33…タービン部
34…コンプレッサ部
35…センタハウジング
37…タービン入口フランジ
39…ボルト
図1
図2
図3
図4