(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記スライドスイッチ操作部は、前記ベース部の前記一方の面に設けられ、軸方向が前記スライド方向に略平行な半円筒状に突出して前記ケースに接触するケース接触リブを有する
ことを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載のスイッチ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記した様な構成では、例えば樹脂性のケースを押圧した状態でスライドスイッチ操作部のノブを動かす際に、ケース内壁に設けられているリブがスライドスイッチ操作部を押圧するためスライド動作が重くなり、スイッチの操作が困難になる場合がある。
【0006】
本発明は上記に鑑みてなされたものであって、スライド式のスイッチにおけるスライドスイッチ操作部のガタツキを抑制し、滑らかに動作可能なスイッチを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様のスイッチによれば、
基板(4)の端部に実装され、前記基板(4)の表面に沿ってつまみ部がスライドすることで作動するスライドスイッチ(43)と、
前記基板(4)の端部と前記基板(4)を覆うケース(1)との間に前記つまみ部のスライド方向に移動可能に設けられ、前記ケース(1)の開口部(14)から露出するノブ(51)が操作されてスライドすることで前記スライドスイッチ(43)を操作するスライドスイッチ操作部(5)と、
を有し、
前記スライドスイッチ操作部(5)は、
前記基板(4)の表面に対して略垂直、且つ、一方の面が前記ケース(1)の内壁に沿って設けられる板状のベース部(50)と、
前記ベース部(50)の他方の面に設けられ、前記つまみ部を挟持するつまみ挟持部(52)と、
前記ベース部(50)の前記他方の面に設けられ、前記つまみ挟持部(52)との間で前記基板(4)を挟み込む基板挟持部(53)と、
を有し、
前記スライドスイッチ操作部(5)は、前記ベース部(50)の前記つまみ挟持部(52)と前記基板挟持部(53)との間に、軸方向が前記スライド方向に平行な半円筒状に突出する基板接触リブ(54)を有する。
【0008】
なお、上記参照符号は、あくまでも参考であり、これによって特許請求の範囲の記載が限定されるものではない。
【発明の効果】
【0009】
本発明の実施形態によれば、スライド式のスイッチにおけるスライドスイッチ操作部のガタツキを抑制し、滑らかに動作可能なスイッチを提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
【0012】
以下では、本実施形態に係る電子機器100として、電力線を通信回線として利用する技術PLC(Power Line Communication)を実現可能にする電力線通信アダプタ装置を例に説明する。
【0013】
<電子機器の構成>
図1は、実施形態に係る電子機器100を例示する図であり、
図1(a)及び(b)はそれぞれ異なる方向からの斜視図である。また、
図2及び
図3は、それぞれ実施形態に係る電子機器100を例示する異なる方向からの分解斜視図である。なお、図中に示すX方向は電子機器100の幅方向、Y方向は奥行き方向、Z方向は高さ方向を示す。
【0014】
図1に示す様に、電子機器100は、上ケース1、下ケース2を有する。また、
図2及び
図3に示す様に、電子機器100は、上ケース1と下ケース2との間に、スイッチ操作部3、基板4、スライドスイッチ操作部5を有する。
【0015】
上ケース1は、内部に収容する基板上のスイッチ本体を押下するためのボタン31を露出させる開口部10、内部の基板に設けられているLEDから照射される光を透過して電子機器100の状態を表示する表示部11〜13を有する。また、上ケース1は、スライドスイッチを操作するノブ51のための開口部14、リセットスイッチを押下するためのリセットスイッチ孔15、LANケーブル挿入口を露出させるための切り欠き部16を有する。
【0016】
下ケース2は、コンセント等に挿入されるプラグ21を有し、電子部品等が実装された基板4が固定され、上ケース1とネジ止め等によって嵌合することで上ケース1との間で基板4を収容する。
【0017】
プラグ21は、
図2及び
図3に示す様に、樹脂製の下ケース2にモールド固定されており、プラグ21の一端80,81は、基板4に設けられている貫通孔78,79に挿通されて基板4の表面に突出する。貫通孔78,79の近傍には、接点端子76,77が実装されており、接点端子76,77は、貫通孔78,79から突出するプラグ21の一端80,81を挟み込んで弾性的に接触して電気的に接続する。プラグ21を介して入出力される通信信号は、接点端子76,77から基板4上に実装されている通信信号処理回路にて適宜処理され、LANケーブルを介して種々の電子機器と通信することができる。
【0018】
スイッチ操作部3は、上ケース1の開口部10から外部に露出するボタン31を有し、上ケース1に例えばネジ71,72により固定される。スイッチ操作部3は、外部に露出するボタン31が押下された時に、基板4に設けられているタクティールスイッチ41を押下する柱状のスイッチ押下部32をボタン31の背面に有する。
【0019】
基板4は、スイッチ操作部3により押下されて作動するタクティールスイッチ41、リセットスイッチ42、スライドスイッチ43、LED44〜46を有する。スライドスイッチ43は、基板4の端部に実装され、基板4の表面に沿ってスライドすることで作動する。LED44〜46が照射する光は、
図3に示す導光部材6によって、上ケース1の表示部11〜13に導かれる。基板4は、例えばネジ73,74,75により下ケース2に固定される。
【0020】
スライドスイッチ操作部5は、基板4の端部と、基板を覆う上ケース1及び下ケース2との間に、図中Y方向に移動可能に設けられる。また、スライドスイッチ操作部5は、上ケース1の開口部14から外部に露出するノブ51を有し、ノブ51が操作されて図中Y軸方向にスライドされた時に、スライドスイッチ43のつまみ部をスライドさせてスイッチを作動させる。
【0021】
<スライドスイッチ操作部の構成>
次に、スライドスイッチ操作部5の構成について図面に基づいて説明する。
【0022】
スライドスイッチ操作部5は、
図2及び
図3に示す様に、基板4の端部と、基板を覆う上ケース1及び下ケース2の内側面との間に、スライドスイッチ43のつまみ部のスライド方向(図中Y軸方向)に移動可能に設けられている。スライドスイッチ操作部5は、上ケース1の開口部14から露出するノブ51が操作されて移動することで、スライドスイッチ43のつまみ部をスライドさせる。
【0023】
図4は、実施形態に係るスライドスイッチ操作部5を例示する斜視図であり、
図4(a)は前面から、
図4(b)は背面からの斜視図である。また、
図5にスライドスイッチ操作部5の正面図、
図6に背面図、
図7に側面図をそれぞれ例示する。
【0024】
図4等に示す様に、スライドスイッチ操作部5は、基板4の表面に対して略垂直、且つ、一方の面が上ケース1及び下ケース2の内側面に沿って設けられる板状のベース部50を有する。また、スライドスイッチ操作部5は、ベース部50の上ケース1及び下ケース2の内側面に沿って設けられる面に、ノブ51、下ケース側面接触リブ55、上ケース接触リブ56、開口封止リブ57、下ケース底面接触リブ58を有する。さらに、スライドスイッチ操作部5は、ベース部50の基板4側に設けられる面に、つまみ挟持部52、基板挟持部53、基板接触リブ54を有する。
【0025】
ノブ51は、上ケース1の開口部14から外部に露出し、電子機器100のユーザが掴んでスライドスイッチ操作部5をスライドさせるのに用いられる。
【0026】
下ケース側面接触リブ55は、下ケース2の内側面に接触する部分であり、軸方向が図中Y方向に移動するスライドスイッチ操作部5のスライド方向に平行な半円筒状にベース部50から下ケース2内面側に突出する様に設けられている。
【0027】
また、上ケース接触リブ56は、上ケース1の内側面に接触する部分であり、軸方向が図中Y方向に移動するスライドスイッチ操作部5のスライド方向に平行な半円筒状にベース部50から上ケース1内面側に突出する様に設けられている。
【0028】
下ケース底面接触リブ58は、下ケース2の内側底面に接触する部分であり、軸方向が図中Y軸方向に移動するスライドスイッチ操作部5のスライド方向と直交する方向にベース部50から下ケース2の内側底面に突出する様に設けられている。
【0029】
この様に、スライドスイッチ操作部5は、下ケース側面接触リブ55及び下ケース底面接触リブ58で下ケース2と接触し、上ケース接触リブ56で上ケース1と接触する。スライドスイッチ操作部5は、下ケース側面接触リブ55、下ケース底面接触リブ58及び上ケース接触リブ56がケースと接触して移動することで、ベース部50が直接ケースに接触して移動する場合に比べて接触面積が低減され、スライド方向への滑らかな移動が可能になっている。
【0030】
また、上ケース接触リブ56の両端部には、開口封止リブ57が設けられている。開口封止リブ57は、上ケース接触リブ56のY方向両端部に、軸方向がスライドスイッチ操作部5のスライド方向に略垂直な半円筒状にベース部50から上ケース1内面側に突出する様に設けられている。開口封止リブ57は、上ケース接触リブ56と共に、上ケース1の内側面との間で上ケース1の開口部14を封止する。開口封止リブ57及び上ケース接触リブ56により、上ケース1の開口部14から上ケース1及び下ケース2の内部に塵等が侵入し、基板4等に付着するのを防止できる。なお、本実施形態では、
図5に示す様に上ケース接触リブ56及び開口封止リブ57が、ベース部50の上端部を縁取る様に形成されているが、この様な構成に限るものではなく、上ケース1及び開口部14の形状に併せて適宜設計できる。また、下ケース側面接触リブ55の両端部にも開口封止リブを設けても良い。上ケース1及び下ケース2の内部への塵等の侵入をより確実に防止できる。
【0031】
つまみ挟持部52は、ベース部50の基板4側の面に、基板4のスライドスイッチ43のつまみ部に対応する位置に設けられ、基板4上のスライドスイッチ43のつまみ部を挟持する2つの突起部である。スライドスイッチ操作部5は、ノブ51が電子機器100のユーザによりスライド方向に移動された時に、つまみ挟持部52がスライドスイッチ43のつまみ部を共にスライドさせることでスライドスイッチ43を作動させる。
【0032】
基板挟持部53は、ベース部50の基板4側の面に設けられている2つの突起部であり、つまみ挟持部52との間で基板4を挟み込んで挟持する。基板挟持部53は、
図6に示す様に、ベース部50の基板4側の面のY方向両端部に2つの突起状のリブとして設けられているが、つまみ挟持部52との間で基板4を挟持できれば、この位置、数及び形状に限るものではない。
【0033】
また、基板挟持部53は、
図7に示す様に、ベース部50から基板4側に突出する部分の長さL1が、つまみ挟持部52がベース部50から基板4側に突出する部分の長さL2以上になる様に設けられている。この様な構成により、スライドスイッチ操作部5の図中X方向へのガタツキを防止し、基板4がスライドスイッチ操作部5をより安定して支持することが可能になる。
【0034】
基板接触リブ54は、つまみ挟持部52と基板挟持部53との間に設けられ、軸方向がスライドスイッチ操作部5のスライド方向に平行な半円筒状に突出するリブである。スライドスイッチ操作部5は、基板接触リブ54を有することにより、ベース部50が基板4に直接接触する場合に比べて基板4との接触面積が低減され、スライド方向への滑らかな移動が可能になっている。
【0035】
スライドスイッチ操作部5は、以上で説明したベース部50、ノブ51、つまみ挟持部52、基板挟持部53、基板接触リブ54、下ケース側面接触リブ55、下ケース底面接触リブ58、上ケース接触リブ56、開口封止リブ57が一体成型されている。
【0036】
ここで、スライドスイッチ操作部5の下ケース側面接触リブ55、下ケース底面接触リブ58、上ケース接触リブ56、基板接触リブ54がそれぞれ上ケース1、下ケース2及び基板4に接触する部分は、例えば金型で成型する場合において、金型の各部に対応する部分を研磨等することにより、表面粗さを低減させることが好ましい。スライドスイッチ操作部5が、より滑らかに動作することが可能になる。また、同様に上ケース1及び下ケース2がそれぞれ上ケース接触リブ56、下ケース側面接触リブ55に接触する各部に対応する金型の部分を研磨することが好ましい。スライドスイッチ操作部5が、さらに滑らかに動作することが可能になる。
【0037】
図8は、実施形態に係る電子機器100の要部断面図であり、スライドスイッチ操作部5のつまみ挟持部52の間を通るXZ断面図である。
【0038】
図8に示す様に、スライドスイッチ操作部5は、基板4の端部と上ケース1及び下ケース2の内側面との間で、上ケース1、下ケース2及び基板4により図中Y方向に移動可能に支持されている。また、スライドスイッチ操作部5は、挟み込むつまみ挟持部52及び基板挟持部53が基板4を挟み込むによって、基板4に支持されている。さらに、スライドスイッチ操作部5は、上ケース1に設けられている支持部17によってベース部50が支持されている。また、下ケース2にはY軸方向に直線状にガイド部18が形成されており、ガイド部18に下ケース底面接触リブ58がガイドされている。スライドスイッチ操作部5は、この様に上ケース1、下ケース2及び基板4により支持され、ガイド部18によって動作がガイドされることで、スライド動作時における例えばX方向へのガタツキが低減されている。
【0039】
また、スライドスイッチ操作部5は、上ケース1、下ケース2及び基板との接触部にそれぞれ上ケース接触リブ56、下ケース側面接触リブ55及び基板接触リブ54を有することで、スライド動作時においてガタツキが生じることなく、滑らかに動作することが可能になっている。
【0040】
なお、スライドスイッチ操作部5の上端部と上ケース1の支持部17との間には間隙Sを有し、例えば上ケース1及び下ケース2が挟まれて押圧された状態でもスライドスイッチ操作部5が上ケース1の支持部17に接触しない様に設けられている。したがって、例えば上ケース1及び下ケース2がZ方向に押圧された状態であっても、スライドスイッチ操作部5のスライド動作が重くなることが無い。
【0041】
以上で説明した実施形態によれば、スライドスイッチ操作部5のスライド動作時におけるガタツキを抑制し、滑らかに動作可能なスライド式のスイッチ及びこのスイッチを備える電子機器100を実現できる。
【0042】
なお、上記した実施形態では、電子機器100として電力線通信アダプタ装置を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の様々な電子機器への適用等、本発明の範囲内で種々の変形及び改良が可能である。