(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の無線通信方式は、一対の機器の間に前記第1の無線通信方式に従った接続が確立されて、無線ネットワークが形成されるべき際に、前記一対の機器が前記無線ネットワークの親局及び子局を決定するための無線通信を実行する仕組みを有する方式であり、
前記第2の無線通信方式は、前記仕組みを有さない方式である、請求項2に記載の通信装置。
前記通信実行部は、前記第2の場合に、前記通信装置が前記第1の無線ネットワークと前記第2の無線ネットワークとの両方に所属している状態で、前記第2の無線ネットワークを利用して、前記対象データの通信を前記対象装置と実行する、請求項1から3のいずれか一項に記載の通信装置。
前記第1の送信部は、前記第1の場合に、特定のパケット内の第1の属性領域に前記第1の無線設定情報を記述して、前記特定のパケットを前記対象装置に送信することによって、前記第1の無線設定情報を前記対象装置に送信し、
前記第2の送信部は、前記第2の場合に、前記特定のパケット内の第2の属性領域であって、前記第1の属性領域とは異なる前記第2の属性領域に、前記第1の無線ネットワークに参加不可能であることを示すメッセージ情報と、前記第2の無線設定情報と、を記述して、前記特定のパケットを前記対象装置に送信することによって、前記第2の無線設定情報を前記対象装置に送信する、請求項1から7のいずれか一項に記載の通信装置。
前記第1の送信部は、前記第1の場合に、特定のパケット内の第1の属性領域に前記第1の無線設定情報を記述して、前記特定のパケットを前記対象装置に送信することによって、前記第1の無線設定情報を前記対象装置に送信し、
前記第2の送信部は、前記第2の場合に、前記特定のパケット内の前記第1の属性領域に前記第2の無線設定情報を記述して、前記特定のパケットを前記対象装置に送信することによって、前記第2の無線設定情報を前記対象装置に送信する、請求項1から7のいずれか一項に記載の通信装置。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(第1実施例)
(通信システム2の構成)
図1に示されるように、通信システム2は、AP(Access Pointの略)4と、多機能機(以下では「MFP(Multi-Function Peripheralの略)」と呼ぶ)10と、携帯端末50と、複数個のPC(Personal Computerの略)100と、を備える。
【0019】
(MFP10の構成)
MFP10は、印刷機能及びスキャン機能を含む多機能を実行可能な周辺機器である。MFP10は、操作部12と、表示部14と、印刷実行部16と、スキャン実行部18と、無線LANインターフェース(以下ではインターフェースのことを「I/F」と記載する)20と、制御部30と、を備える。各部12〜30は、バス線(符号省略)に接続されている。
【0020】
操作部12は、複数のキーを備える。ユーザは、操作部12を操作することによって、様々な指示をMFP10に与えることができる。表示部14は、様々な情報を表示するためのディスプレイである。印刷実行部16は、インクジェット方式、レーザ方式等の印刷機構である。スキャン実行部18は、CCD、CIS等のスキャン機構である。
【0021】
無線LANI/F20は、無線通信を実行するためのインターフェースであり、物理的には1個のインターフェース(即ち1個のICチップ)である。ただし、無線LANI/F20には、WFD(Wi-Fi Directの略)方式に従った無線通信(以下では「WFD通信」と呼ぶ)で利用されるMACアドレス(以下では「WFDMAC」と呼ぶ)と、通常Wi−Fi方式に従った無線通信(以下では「通常Wi−Fi通信」と呼ぶ)で利用されるMACアドレス(以下では「通常Wi−FiMAC」と呼ぶ)と、の両方が割り当てられる。
【0022】
具体的に言うと、無線LANI/F20には、通常Wi−FiMACが予め割り当てられている。制御部30は、通常Wi−FiMACを利用して、通常Wi−FiMACとは異なるWFDMACを生成して、WFDMACを無線LANI/F20に割り当てる。従って、制御部30は、通常Wi−FiMACを利用した通常Wi−Fi通信と、WFDMACを利用したWFD通信と、の両方を同時的に実行し得る。
【0023】
制御部30は、CPU32とメモリ34とを備える。CPU32は、メモリ34に格納されているプログラムに従って、様々な処理(例えば後述の
図2の処理)を実行する。CPU32が上記のプログラムに従って処理を実行することによって、各部41〜45の各機能が実現される。メモリ34は、ROM、RAM、ハードディスク等によって構成される。
【0024】
(WFDと通常Wi−Fi)
上述したように、MFP10によって利用されるMACアドレスという観点では、WFD通信、WFD方式は、それぞれ、WFDMACが利用される無線通信、無線通信方式である。また、通常Wi−Fi通信、通常Wi−Fi方式は、それぞれ、通常Wi−FiMACが利用される無線通信、無線通信方式である。
【0025】
(WFD)
WFD方式は、Wi−Fi Allianceによって作成された規格書「Wi−Fi Peer−to−Peer(P2P) Technical Specification Version1.1」に記述されている無線通信方式である。WFD方式は、例えば、IEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc.の略)の802.11の規格、及び、それに準ずる規格(例えば、802.11a,11b,11g,11n等)に従って、無線通信を実行するための無線通信方式である。
【0026】
MFP10は、通常Wi−FiMACを利用する場合には、WFD方式に従って無線ネットワークに所属することができないが、WFDMACを利用する場合には、WFD方式に従って無線ネットワークに所属することができる。以下では、MFP10のように、WFD方式に従って無線ネットワークに所属することができる機器のことを「WFD対応機器」と呼ぶ。上記のWFDの規格書では、WFD対応機器の状態として、Group Owner状態(以下では「G/O状態」と呼ぶ)、クライアント状態(以下では「CL状態」と呼ぶ)、及び、デバイス状態の3つの状態が定義されている。WFD対応機器は、上記の3つの状態のうちの1つの状態で選択的に動作可能である。
【0027】
デバイス状態の一対のWFD対応機器が無線ネットワークを新たに形成すべき際に、通常、当該一対のWFD対応機器は、G/Oネゴシエーションと呼ばれる無線通信を実行する。G/Oネゴシエーションでは、第1のWFD対応機器は、第1のWFD対応機器のG/O優先度を示す情報を第2のWFD対応機器に送信し、第2のWFD対応機器のG/O優先度を示す情報を第2のWFD対応機器から受信する。WFD対応機器のG/O優先度は、当該WFD対応機器がG/O状態になるべき程度を示す指標であり、当該WFD対応機器において予め決められている。第1のWFD対応機器は、2つのG/O優先度を比較して、優先度が高い方の機器がG/O状態になることを決定し、優先度が低い方の機器がCL状態になることを決定する。第2のWFD対応機器は、同じ手法を利用して、第2のWFD対応機器の状態を決定する。その後、一対のWFD対応機器は、接続を確立して、無線ネットワークを形成する。以下では、G/Oネゴシエーションの結果として形成される無線ネットワークのことを「WFDNW」と呼ぶ。
【0028】
G/OネゴシエーションによってWFDNWが新たに形成された段階では、1個のG/O機器及び1個のCL機器のみがWFDNWに所属している。ただし、G/O機器は、他の機器と接続を確立して、当該他の機器をCL機器としてWFDNWに新たに参加させることができる。この場合、2個以上のCL機器がWFDNWに所属している状態になる。即ち、WFDNWでは、1個のG/O機器と1個以上のCL機器とが存在し得る。G/O機器は、1個以上のCL機器を管理する。具体的に言うと、G/O機器は、1個以上のCL機器のMACアドレスを、G/O機器のメモリ内の管理リストに登録する。
【0029】
G/O機器が管理可能なCL機器の数の上限値(即ち、管理リストの登録可能なCL機器のMACアドレスの数の上限値)は、G/O機器によって予め決められている。本実施例では、MFP10が管理可能なCL機器の数の上限値は、2以上の整数である。ただし、変形例では、MFP10が管理可能なCL機器の数の上限値は、1であってもよい。即ち、MFP10が管理可能なCL機器の数の上限値は、1以上の整数であればよい。
【0030】
また、G/O機器は、CL機器がWFDNWから離脱すると、CL機器のMACアドレスを管理リストから削除する。なお、G/O機器は、CL機器の数がゼロになると(即ち、管理リストに登録されているCL機器のMACアドレスの数がゼロになると)、G/O状態からデバイス状態に移行して、WFDNWを消滅させる。
【0031】
G/O機器は、管理リストに登録されているCL機器と、他の機器を介さずに、目的データの無線通信を実行可能である。目的データは、OSI参照モデルのネットワーク層の情報、及び、ネットワーク層よりも上位層(例えばアプリケーション層)の情報を含むデータであり、例えば、印刷データ、スキャンデータ等を含む。また、G/O機器は、複数個のCL機器の間の目的データの無線通信を中継可能である。換言すると、一対のCL機器は、G/O機器を介して、目的データの無線通信を実行可能である。
【0032】
上述したように、WFDNWでは、目的データの送信元のWFD対応機器と、目的データの送信先のWFD対応機器と、の間で、これらのWFD対応機器とは別体に構成されているAP(例えばAP4)を介さずに、目的データの無線通信を実行することができる。即ち、WFD通信、WFD方式は、それぞれ、APを介さない無線通信、APが利用されない無線通信方式であると言える。なお、AP(例えばAP4)は、無線アクセスポイント、無線LANルータ等と呼ばれる通常のAPであり、WFD方式のG/O機器や通常Wi−Fi方式のいわゆるSoftAPとは異なる。
【0033】
また、G/O機器は、目的データの無線通信をデバイス機器(即ちデバイス状態のWFD対応機器)と実行不可能であるが、接続を確立するための接続用データの無線通信をデバイス機器と実行可能である。即ち、G/O機器は、接続用データの無線通信をデバイス機器と実行することによって、デバイス機器と接続を確立して、デバイス機器をWFDNWに新たに参加させることができる。換言すると、デバイス機器は、接続用データの無線通信をG/O機器と実行することによって、G/O機器と接続を確立して、WFDNWに新たに参加することができる。この場合、デバイス機器は、デバイス状態からCL状態に移行する(即ち、CL機器としてWFDNWに参加する)。接続用データは、OSI参照モデルのネットワーク層よりも下位層(例えば、物理層、データリンク層)の情報を含むデータ(即ち、ネットワーク層の情報を含まないデータ)であり、例えば、Probe Request信号、Probe Response信号、Association Request信号、Association Response信号、Authentication Request信号、Authentication Response信号、4-Way Handshake信号等を含む。
【0034】
また、G/O機器は、目的データの無線通信をWFD非対応機器と実行不可能であるが、接続用データの無線通信をWFD非対応機器と実行可能である。WFD非対応機器は、WFD方式に従って無線ネットワークに所属することができないが、通常Wi−Fi方式に従って無線ネットワークに所属することができる機器である。G/O機器は、接続用データの無線通信をWFD非対応機器と実行することによって、WFD非対応機器と接続を確立して、WFD非対応機器をWFDNWに新たに参加させることができる。換言すると、WFD非対応機器は、接続用データの無線通信をG/O機器と実行することによって、G/O機器と接続を確立して、WFDNWに新たに参加することができる。WFD非対応機器は、3つの状態(即ち、G/O状態、CL状態、デバイス状態)のいずれかの状態で選択的に動作するものではないが、WFDNWに所属している間には、CL状態と同様の状態で動作する。
【0035】
(通常Wi−Fi)
通常Wi−Fi方式は、Wi−Fi Allianceによって定められた無線通信方式であって、WFD方式とは異なる無線通信方式である。通常Wi−Fi方式は、WFD方式と同様に、IEEEの802.11の規格、及び、それに準ずる規格(例えば、802.11a,11b,11g,11n等)に従って、無線通信を実行するための無線通信方式である。
【0036】
ただし、WFD方式は、G/Oネゴシエーションの仕組みを有する無線通信方式であるが、通常Wi−Fi方式は、当該仕組みを有さない無線通信方式である。また、WFD方式は、3つの状態(即ち、G/O状態、CL状態、デバイス状態)のいずれかの状態で選択的に動作することを許容する無線通信方式であるが、通常Wi−Fi方式は、このような選択的な動作を許容しない無線通信方式である。これらの点において、WFD方式と通常Wi−Fi方式とは異なる。
【0037】
通常Wi−Fi方式は、インフラストラクチャモード(以下では「インフラ」と簡単に呼ぶ)と、アドホックモード(以下では「アドホック」と簡単に呼ぶ)と、に分類される。一般的に言うと、インフラは、APが利用されるモードであり、アドホックは、APが利用されないモードである。
【0038】
(インフラ)
インフラの無線ネットワーク(以下では「インフラNW」と呼ぶ)は、AP4によって形成される。MFP10は、通常Wi−FiMACを利用して、MFP10とAP4との間に、通常Wi−Fi方式のインフラに従った接続を確立することができる。これにより、MFP10は、インフラNWに新たに参加する。この過程において、MFP10は、G/Oネゴシエーションを実行しないし、G/O状態又はCL状態で動作することを選択的に決定しない。MFP10は、通常Wi−FiNWに所属する他の機器(例えばPC100)と、AP4を介して、目的データの無線通信を実行することができる。
【0039】
(アドホック)
アドホックの無線ネットワーク(以下では「アドホックNW」と呼ぶ)は、APとは異なる一対の機器によって形成される。即ち、一対の機器(例えばMFP10及び携帯端末50)は、APやSoftAPモードを利用せずに、当該一対の機器の間に、通常Wi−Fi方式のアドホックに従った接続を確立して、アドホックNWを形成することができる。この過程において、一対の機器は、G/Oネゴシエーションを実行しないし、G/O状態又はCL状態で動作することを選択的に決定しない。なお、本実施例では、一対の機器のみが1個のアドホックNWに所属することができる。即ち、3個以上の機器が1個のアドホックNWに所属することができない。
【0040】
(無線接続方式(PBC方式))
上述したように、MFP10は、MFP10と他の機器(例えば、携帯端末50、AP4等)との間に、WFD方式又は通常Wi−Fi方式に従った接続(即ち無線接続)を確立することができる。MFP10は、WPS(Wi-Fi Protected Setupの略)のプッシュボタン方式(以下では「PBC方式」と呼ぶ)の無線接続方式をサポートしている。
【0041】
WPSのPBC方式は、一対の機器のそれぞれに予め決められた操作が実行される場合に、当該一対の機器においてPINコードの表示及び入力がなされなくても、一方の機器から他方の機器に無線設定情報を送信して(即ちWPS通信を実行して)、一対の機器の間に無線接続を確立するための方式である。無線設定情報は、無線ネットワーク(WFDNW、通常Wi−FiNW等)で利用される設定情報であり、認証方式、暗号化方式、パスワード、SSID(Service Set Identifierの略)、BSSID(Basic Service Set Identifierの略)等を含む。なお、変形例では、MFP10は、WPSのPBC方式に代えて、AOSS(登録商標)、AOSS2、SES(Secure Easy Setupの略;登録商標)等をサポートしていてもよい。これらのいずれも、WPSのPBC方式と同様の方式である。
【0042】
なお、MFP10は、WPSのPINコード方式をサポートしていない。WPSのPINコード方式は、一方の機器においてPINコードが表示され、かつ、他方の機器に上記のPINコードが入力される場合に、一方(又は他方)の機器から他方(又は一方)の機器に無線設定情報を送信して(即ちWPS通信を実行して)、一対の機器の間に無線接続を確立するための方式である。
【0043】
(MFP10のメモリ34に記憶される情報)
MFP10のメモリ34は、WFD方式に関するMFP10の現在の状態(即ち、G/O状態、CL状態、又は、デバイス状態)を示すWFD状態値を格納する。メモリ34は、さらに、MFP10がWFDNWに所属している場合に、当該WFDNWで利用されている無線設定情報(以下ではWFDWSI(WFD Wireless Setting Informationの略)と呼ぶ)を格納する。
【0044】
メモリ34は、さらに、MFP10が通常Wi−FiNWに所属している場合に、当該通常Wi−FiNWの種類(インフラ又はアドホック)を示すNW情報を格納する。メモリ34は、さらに、MFP10がインフラNWに所属している場合(即ち、インフラを示すNW情報が格納されている場合)に、当該インフラNWで利用されている無線設定情報(以下では「インフラのWSI」と呼ぶ)を格納する。メモリ34は、さらに、MFP10がアドホックNWに所属している場合(即ち、アドホックを示すNW情報が格納されている場合)に、当該アドホックNWで利用されている無線設定情報(以下では「アドホックのWSI」と呼ぶ)を格納する。
【0045】
(他の機器の構成)
複数個のPC100は、デスクトップPC、ノートPC、タブレットPC等である。PC100は、WFD通信と通常Wi−Fi通信とを実行可能である。携帯端末50は、例えば、携帯電話(例えばスマートフォン)、PDA、ノートPC、タブレットPC、携帯型音楽再生装置、携帯型動画再生装置等の可搬型の端末装置である。携帯端末50は、WFD通信と通常Wi−Fi通信とを実行可能である。
【0046】
携帯端末50は、MFP10に機能(例えば印刷機能、スキャン機能等)を実行させるためのアプリケーション(以下では「MFP用アプリケーション」と呼ぶ)を格納している。MFP用アプリケーションは、例えば、MFP10のベンダによって提供されるサーバから携帯端末50にインストールされてもよいし、MFP10と共に出荷されるメディアから携帯端末50にインストールされてもよい。
【0047】
(MFP10のPBC接続処理;
図2)
続いて、
図2を参照して、MFP10によって実行される処理の内容を説明する。
図2は、MFP10がG/O状態である場合(即ち、メモリ34内のWFD状態値がG/O状態を示す値である場合)に、MFP10によって実行される処理のフローチャートを示す。MFP10がCL状態又はデバイス状態である場合に、MFP10によって実行される処理については、説明を省略する。
【0048】
また、
図2は、MFP10にWFD方式の無線接続のための操作(後述のPBC接続操作)がMFP10に加えられる場合に、MFP10によって実行される処理のフローチャートを示す。なお、MFP10は、通常Wi−Fi方式の無線接続の操作が加えられる場合には、公知の手法に従って、MFP10とAP4との間に、通常Wi−Fi方式の接続を確立する。この処理の内容については、説明を省略する。
【0049】
以下の説明では、デバイス状態の携帯端末50のユーザが、携帯端末50に格納されているデータ(即ち印刷データ)によって表される画像の印刷を、G/O状態のMFP10に実行させる状況を想定している。
【0050】
携帯端末50のユーザは、携帯端末50内の印刷データに従った印刷をMFP10に実行させることを望む場合に、MFP10の表示部14に表示される画面に含まれる複数個の項目(例えば、「WFD方式の無線接続」、「通常Wi−Fi方式の無線接続」)の中から、「WFD方式の無線接続」を示す項目を選択する。次いで、ユーザは、表示部14に表示される画面に含まれる「PBC方式」を示す項目を選択する(以下では「PBC接続操作」と呼ぶ)。G/O状態のMFP10の制御部30は、PBC接続操作が操作部12に加えられる場合に、S10でYESと判断して、S12以降の各処理を実行する。
【0051】
S12以降の各処理が実行されるということは、MFP10は、G/O機器としてWFDNW(以下では「WFDNW(MFP=G/O)」と呼ぶ)に所属している。S12では、受信部41は、PBC方式の接続を確立することを要求するための接続要求(即ちAssociation Request信号)の待ち受け状態にMFP10を移行させる。機器(例えばMFP10)が接続要求の待ち受け状態であれば、当該機器は、接続要求を受信して、OKを示す応答(即ちAssociation Response信号)を送信することができる。なお、仮に、機器が接続要求の待ち受け状態でなければ、当該機器は、接続要求を受信しても、OKを示す応答を送信しない(例えばNGを示す応答を送信する)。
【0052】
後で説明するが、携帯端末50のユーザは、MFP用アプリケーションを起動させて、様々な操作(例えば、MFP10におけるPBC接続操作に対応する操作)を実行する(
図3のS50,S54参照)。この結果、携帯端末50は、MFP10のWFDMACを送信先として含む接続要求を送信する(
図3のS56参照)。
【0053】
S14では、受信部41は、無線LANI/F20を介して、携帯端末50からMFP10のWFDMACを含む接続要求を受信する。上述したように、S12において、G/O状態のMFP10は、接続要求の待ち受け状態に移行している。従って、S14では、さらに、制御部30は、無線LANI/F20を介して、OKを示す応答(即ちAssociation Response信号)を携帯端末50に送信する。なお、接続要求及び応答は、OSI参照モデルの物理層及びデータリンク層の情報を含み、ネットワーク層以上の通信層の情報を含まない。
【0054】
次いで、S16では、判断部45は、G/O状態のMFP10が現在管理しているCL機器の数が、予め決められている上限値に一致するのか否かを判断する。具体的に言うと、判断部45は、メモリ34内の管理リストに登録されているCL機器のMACアドレスの数を特定して、当該数が上限値に一致するのか否かを判断する。判断部45は、CL機器の数が上限値に一致する場合には、S16でYESと判断して、S30に進む。上述したように、G/O状態のMFP10に接続可能なCL機器の数の上限値は、予め決められている。従って、S16でYESの場合には、制御部30は、携帯端末50をWFDNW(MFP=G/O)に所属させることができないので、S30以降において、携帯端末50を通常Wi−FiNWに所属させることを試みる。一方において、判断部45は、CL機器の数が上限値未満である場合には、S16でNOと判断して、S20に進む。この場合、制御部30は、S20において、携帯端末50をWFDNW(MFP=G/O)に所属させるための処理を実行する。
【0055】
上述したように、S10において、MFP10にPBC接続操作が加えられており、さらに、携帯端末50にもPBC接続操作(
図3のS50参照)が加えられている。従って、PBC方式のWPS通信を実行するための条件が満たされている。このために、S20では、第1の送信部42は、無線LANI/F20を介して、WPS通信を実行して、WFDNW(MFP=G/O)で現在利用されているWFDWSI(即ちメモリ34内のWFDWSI)を、携帯端末50に送信する。WPS通信によって通信される各パケットは、OSI参照モデルの物理層及びデータリンク層の情報を含み、ネットワーク層以上の通信層の情報を含まない。即ち、第1の送信部42は、ネットワーク層以上の通信層を用いずに、WFDWSIを携帯端末50に送信する。
【0056】
図7は、WPS通信の過程で、MFP10から携帯端末50に送信されるEAP(Extensible Authentication Protocolの略)−Requestパケット(M8)の構成を示す。なお、以下では、
図7のパケットのことを「M8パケット」と呼ぶ。M8パケットは、様々な情報が記述される複数個の属性領域(Version領域、Message Type領域等)を含む。S20では、第1の送信部42は、M8パケットを生成する際に、複数個の属性領域のうちのEncrypted Settings領域(以下では「ES領域」と呼ぶ)にWFDWSIを記述する。ES領域は、WPS通信によって送信されるべき無線設定情報が記述される領域である。なお、第1の送信部42は、複数個の属性領域のうちのVender Extension領域(以下では「VE領域」と呼ぶ)に何も記述しない。VE領域は、MFP10のベンダによって提供される所定のプログラム(例えばMFP10内のプログラム)に従って様々な情報が記述される領域である。そして、第1の送信部42は、WFDWSIが記述されたES領域を含むM8パケットを携帯端末50に送信することによって、WFDWSIを携帯端末50に送信する。
【0057】
S20で携帯端末50に送信されるWFDWSIは、MFP10が過去にG/Oネゴシエーションを実行してG/O状態になることが決定された際に、MFP10によって準備された情報である。MFP10がWFDWSIを準備する手法は、以下のとおりである。即ち、MFP10(即ち制御部30)は、予め決められている認証方式及び暗号化方式を特定する。MFP10は、予め決められているパスワードを特定するか、パスワードを新たに生成することによって、パスワードを準備する。MFP10は、予め決められているSSIDを特定するか、SSIDを新たに生成することによって、SSIDを準備する。本実施例では、MFP10は、予め決められているWFDMACをBSSIDとして特定する。
【0058】
携帯端末50は、MFP10からM8パケットを受信すると(
図3のS58参照)、M8パケットのES領域に記述されているWFDWSIを抽出して、WFDWSIに従った認証通信の実行をMFP10に要求する(即ちAuthentication Request信号を送信する;
図3のS60参照)。
【0059】
S20では、さらに、制御部30は、携帯端末50から受信される認証要求に応じて、認証通信(即ち4-Way Handshake信号等の通信)を実行して、携帯端末50の認証を実行する。MFP10から携帯端末50に送信されたWFDWSIに従った認証が実行されるために、通常、認証が成功する。これにより、制御部30は、MFP10と携帯端末50との間に、WFD方式に従った接続を確立する。そして、制御部30は、携帯端末50のMACアドレスを、MFP10の管理リストに登録する。これにより、携帯端末50は、CL機器としてWFDNW(MFP=G/O)に新たに参加する。S20が終了すると、S40に進む。
【0060】
一方において、S30では、判断部45は、MFP10が通常Wi−FiNWに現在所属しているのか否かを判断する。具体的に言うと、判断部45は、メモリ34内のNW情報がインフラを示す場合には、MFP10がインフラNWに現在所属していると判断して、S32に進む。また、判断部45は、メモリ34内のNW情報がアドホックを示す場合には、MFP10がアドホックNWに現在所属していると判断して、S36に進む。また、判断部45は、メモリ34内にNW情報が格納されていない場合には、MFP10が通常Wi−FiNWに現在所属していないと判断して、S34に進む。
【0061】
上述したように、MFP10及び携帯端末50において、PBC方式のWPS通信を実行するための条件が満たされている。このために、S32、S34、及び、S36では、WPS通信が実行される。ただし、各処理のWPS通信の内容は異なる。
【0062】
S32(即ちMFP10=インフラNW)では、第2の送信部43は、無線LANI/F20を介して、WPS通信を実行して、インフラNWで現在利用されているインフラのWSI(即ちメモリ34内のインフラのWSI)を、携帯端末50に送信する。S32で携帯端末50に送信されるインフラのWSIは、MFP10が過去にAP4に接続した際に、AP4から取得された情報(即ち、MFP10が現在所属しているインフラNW内のAP4によって準備された情報)である。なお、第2の送信部43は、ネットワーク層以上の通信層を用いずに、インフラのWSIを携帯端末50に送信する。
【0063】
S32では、第2の送信部43は、上記のS20の場合とは異なり、M8パケットのES領域(
図7参照)に無線設定情報(例えばWFDWSI又はインフラのWSI)を記述しない。そして、第2の送信部43は、M8パケットのVE領域に、インフラのWSIと、WFD方式の接続を確立不可能であることを示すエラーメッセージと、を記述する。エラーメッセージは、より具体的に言うと、携帯端末50をAP4に接続する旨のメッセージを含む。そして、第2の送信部43は、インフラのWSIが記述されたVE領域を含むM8パケットを携帯端末50に送信することによって、インフラのWSIを携帯端末50に送信する。
【0064】
M8パケットのES領域は、無線設定情報のみが記述されるべき領域である。このために、エラーメッセージ等をWS領域に記述することができない。従って、第2の送信部43は、MFP10のベンダが自由に情報を記述可能なVE領域にエラーメッセージを記述する。これにより、携帯端末50は、VE領域に記述されているエラーメッセージを表示することができる(後述の
図3のS58参照)。
【0065】
携帯端末50は、MFP10からM8パケットを受信すると(
図3のS58参照)、M8パケットのES領域に無線設定情報が記述されていないことを認識し、VE領域内の情報(即ち、インフラのWSI、エラーメッセージ)を抽出する。携帯端末50は、エラーメッセージを携帯端末50の表示部に表示させ、さらに、インフラのWSIに従った認証通信の実行をAP4に要求する(
図3のS60参照)。これにより、AP4と携帯端末50との間に、通常Wi−Fi方式の接続が確立される。この結果、MFP10及び携帯端末50がインフラNWに所属している状態が形成される。S32が終了すると、S40に進む。
【0066】
一方において、S34(即ちMFP10=通常Wi−FiNWなし)では、制御部30は、アドホックNWを形成するためのアドホックのWSIを準備する。アドホックのWSIを準備する手法は、上記のWFDWSIを準備する手法と同様である。ただし、制御部30は、予め決められている通常Wi−FiMACをBSSIDとして準備する。次いで、第2の送信部43は、無線LANI/F20を介して、WPS通信を実行して、準備済みのアドホックのWSIを携帯端末50に送信する。なお、第2の送信部43は、ネットワーク層以上の通信層を用いずに、アドホックのWSIを携帯端末50に送信する。
【0067】
第2の送信部43は、S32と同様に、M8パケットのVE領域に、アドホックのWSIと、WFD方式の接続を確立不可能であることを示すエラーメッセージと、を記述する。エラーメッセージは、より具体的に言うと、携帯端末50をアドホックで接続する旨のメッセージを含む。そして、第2の送信部43は、アドホックのWSIが記述されたVE領域を含むM8パケットを携帯端末50に送信することによって、アドホックのWSIを携帯端末50に送信する。
【0068】
携帯端末50は、MFP10からM8パケットを受信すると(
図3のS58参照)、VE領域内の情報(即ちアドホックのWSI、エラーメッセージ)を抽出する。携帯端末50は、エラーメッセージを表示させ、さらに、アドホックのWSIに従った認証通信の実行をMFP10に要求する(
図3のS60参照)。
【0069】
S34では、さらに、制御部30は、携帯端末50から受信される認証要求に応じて、認証通信を実行して、携帯端末50の認証を実行する。MFP10から携帯端末50に送信されたアドホックのWSIに従った認証が実行されるために、通常、認証が成功する。これにより、制御部30は、MFP10と携帯端末50との間に、通常Wi−Fi方式の接続を確立して、アドホックNWを新たに形成する。この結果、MFP10及び携帯端末50がアドホックNWに所属している状態が形成される。S34が終了すると、S40に進む。
【0070】
一方において、S36が実行されるということは、MFP10がアドホックNWに既に所属していること、即ち、MFP10が携帯端末50以外の機器とアドホックNWを形成していること、を意味する。上述したように、本実施例では、3個以上の機器がアドホックNWに所属することができない。従って、S36が実行される状況では、アドホックNWに携帯端末50を参加させることができないので、MFP10と携帯端末50との間で印刷データを通信するための手法が存在しない。このために、S36では、制御部30は、無線LANI/F20を介して、WPS通信を実行するが、無線設定情報(WFDWSI、アドホックのWSI等)を携帯端末50に送信しない。
【0071】
即ち、制御部30は、M8パケットのES領域及びVE領域に無線設定情報(即ち、WFDWSI、アドホックのWSI)を記述しない。そして、制御部30は、M8パケットを携帯端末50に送信する。
【0072】
携帯端末50は、MFP10からM8パケットを受信すると(
図3のS58参照)、ES領域及びVE領域に無線設定情報が記述されていないことを認識し、さらに、認証通信の実行を試みる(
図3のS60参照)。ただし、携帯端末50が無線設定情報を利用しないので、認証が失敗する(S62でNO)。このために、MFP10及び携帯端末50は、同一の無線ネットワークに所属することができない。
【0073】
MFP10と携帯端末50との間で印刷データを通信するための手法が存在しないので、S36が終了すると、S40及びS42をスキップして、S10に戻る。
【0074】
S40では、通信実行部44は、無線LANI/F20を介して、携帯端末50から印刷データを受信する。印刷データは、携帯端末50に格納されているデータ(例えば、画像データ、ウェブデータ等)であって、ユーザによって印刷対象として指定されるデータである。
【0075】
S20を経てS40が実行される状況では、MFP10がG/O機器であり、携帯端末50がCL機器である。このような状況では、通信実行部44は、他装置を介さずに、携帯端末50から印刷データを受信する。また、S32を経てS40が実行される状況では、MFP10及び携帯端末50がインフラNWに所属している。このような状況では、通信実行部44は、当該インフラNW内のAP4を介して、携帯端末50から印刷データを受信する。また、S34を経てS40が実行される状況では、MFP10及び携帯端末50がアドホックNWに所属している。このような状況では、通信実行部44は、他装置を介さずに、携帯端末50から印刷データを受信する。
【0076】
なお、印刷データは、OSI参照モデルのアプリケーション層の情報を含む。従って、上記のいずれの状況でも、通信実行部44は、S20,S32,S34のWPS通信とは異なり、OSI参照モデルのネットワーク層以上の通信層を用いて、印刷データの通信を実行する。
【0077】
次いで、S42では、制御部30は、印刷データを印刷実行部16に供給する。これにより、印刷実行部16は、印刷データによって表される画像を印刷媒体に印刷する。携帯端末50のユーザは、印刷済みの印刷媒体を取得することができる。S42が終了すると、S10に戻る。
【0078】
(携帯端末50のアプリケーション処理;
図3)
続いて、
図3を参照して、携帯端末50がMFP用アプリケーションに従って実行する処理について説明する。
【0079】
携帯端末50のユーザは、携帯端末50内の印刷データに従った印刷をMFP10に実行させることを望む場合に、MFP用アプリケーションを起動させる。次いで、ユーザは、MFP用アプリケーションに従った画面において、「WFDの無線接続」を示す項目を選択し、さらに、「PBC方式」を示す項目を選択する(即ち「PBC接続操作」を実行する)。この場合、携帯端末50は、S50でYESと判断して、S52に進む。
【0080】
S52では、携帯端末50は、SLS(Scan Listen Searchの略)を実行する。SLSは、SLSを実行する実行機器(例えば携帯端末50)の近傍に存在する1個以上の近傍機器(例えばMFP10)を見つけるための無線通信であり、Scan処理と、Listen処理と、Search処理と、を含む。
【0081】
Scan処理は、Probe Request信号を送信してProbe Response信号を受信することによって、実行機器の近傍に存在するG/O機器及びAPを見つけるための処理である。Listen処理は、Probe Request信号を受信してProbe Response信号を送信することによって、実行機器の近傍に存在する近傍機器に実行機器の存在を知らせるための処理である。Search処理は、Probe Request信号を送信してProbe Response信号を受信することによって、実行機器の近傍に存在するデバイス機器を見つけるための処理である。なお、SLSでは、通常、実行機器の近傍に存在するCL機器を見つけることはできない。Scan処理及びSearch処理で受信されるProbe Response信号は、近傍機器のMACアドレス、デバイス名等を含む。従って、実行機器は、1個以上の近傍機器のMACアドレス、デバイス名等を取得することができる。
【0082】
S52では、携帯端末50は、SLSを実行して、1個以上の近傍機器に関する情報(MACアドレス、デバイス名等)を示す機器リストを表示させる。当該機器リストは、G/O状態のMFP10に関する情報を含む。ユーザは、当該機器リストの中からMFP10を選択する。この場合、携帯端末50は、S54でYESと判断して、S56に進む。
【0083】
S56では、携帯端末50は、MFP10のWFDMACを送信先として含む接続要求を送信する。この結果、
図2のS14において、MFP10は、携帯端末50から接続要求を受信して、OKを示す応答を携帯端末50に送信する。
【0084】
S58では、携帯端末50は、MFP10とWPS通信を実行して、以下の(A)〜(D)のいずれかのM8パケット(
図7参照)を、MFP10から受信する。(A)携帯端末50は、WFDWSIが記述されたES領域を含むM8パケットを受信する(
図2のS20)。この場合、携帯端末50は、エラーメッセージを表示させることなく、S60に進む。(B)携帯端末50は、インフラのWSIが記述されたVE領域を含むM8パケットを受信する(
図2のS32)。この場合、携帯端末50は、VE領域内のエラーメッセージ(即ち、携帯端末50をAPに接続する旨のメッセージ)を表示させて、S60に進む。(C)携帯端末50は、アドホックのWSIが記述されたVE領域を含むM8パケットを受信する(
図2のS34)。この場合、携帯端末50は、VE領域内のエラーメッセージ(即ち、携帯端末50をアドホックで接続する旨のメッセージ)を表示させて、S60に進む。(D)携帯端末50は、無線設定情報を含まないM8パケットを受信する(
図2のS36)。この場合、携帯端末50は、エラーメッセージを表示させることなく、S60に進む。
【0085】
S60では、携帯端末50は、以下の(A)〜(D)のいずれかの手法を用いて、認証通信を実行する。(A)携帯端末50は、WFDWSIを含むM8パケットを受信した場合(
図2のS20)には、WFDWSIに従った認証通信の実行をMFP10に要求する。(B)携帯端末50は、インフラのWSIを含むM8パケットを受信した場合(
図2のS32)には、インフラのWSIに従った認証通信の実行をAP4に要求する。(C)携帯端末50は、アドホックのWSIを含むM8パケットを受信した場合(
図2のS34)には、アドホックのWSIに従った認証通信の実行をMFP10に要求する。(D)携帯端末50は、無線設定情報を含まないM8パケットを受信した場合(
図2のS36)には、認証通信を試みる。
【0086】
S62では、携帯端末50は、認証通信が成功したのか否かを判断する。上記の(A)〜(C)のケースでは、通常、認証が成功するために、携帯端末50は、S62でYESと判断して、S64に進む。一方において、上記の(D)のケースでは、認証が失敗するために、携帯端末50は、S62でNOと判断して、S66に進む。
【0087】
S64では、携帯端末50は、印刷データをMFP10に送信する。携帯端末50からMFP10に印刷データが送信される様子は、
図2のS40で説明したとおりである。一方において、S66では、携帯端末50は、認証が失敗したことを示すエラーメッセージを表示させる。当該エラーメッセージは、M8パケットに記述されるメッセージではなく、携帯端末50に予め格納されているメッセージである。S64及びS66が終了すると、S50に戻る。
【0088】
(具体例)
続いて、
図4〜
図6を参照して、MFP10及び携帯端末50によって実現される具体例を説明する。
図4〜
図6のケースA〜ケースCは、MFP10及び携帯端末50のそれぞれが
図2及び
図3の各処理を実行することによって実現される。
図4のケースAは、
図2のS20を経由するケースである。
図5のケースBは、
図2のS32を経由するケースである。
図6のケースCは、
図2のS34を経由するケースである。
【0089】
(
図4;ケースA)
図4のケースAの初期状態では、MFP10がG/O機器であるWFDNW(MFP=G/O)が形成されている。WFDNW(MFP=G/O)に所属しているCL機器の数は、上限値未満である。
【0090】
ユーザは、デバイス状態の携帯端末50を用いて、G/O状態のMFP10に印刷を実行させることを望む場合に、携帯端末50のMFP用アプリケーションを起動させて、PBC接続操作を携帯端末50に加える(
図3のS50でYES)。この場合、携帯端末50は、SLSを実行して、G/O状態のMFP10に関する情報を示す機器リストを表示させる(S52)。
【0091】
ユーザは、携帯端末50を操作して、機器リストからMFP10を選択する(
図3のS54でYES)。この場合、携帯端末50は、接続要求を送信する(S56)。なお、携帯端末50は、OKを示す応答を受信するまで、又は、OKを示す応答を受信しない状態が所定時間継続するまで、接続要求を繰り返し送信する。
【0092】
ユーザは、G/O状態のMFP10の操作部12にPBC接続操作を加える(
図2のS10でYES)。この場合、MFP10は、接続要求の待ち受け状態に移行する(S12)。このために、MFP10は、携帯端末50から接続要求を受信して、OKを示す応答を携帯端末50に送信する(S14)。
【0093】
次いで、MFP10は、WFDNW(MFP=G/O)に所属しているCL機器の数が上限値未満であると判断する(S16でNO)。このために、MFP10は、WPS通信を実行して、WFDNW(MFP=G/O)のWFDWSIを含むM8パケットを携帯端末50に送信する(
図2のS20、
図3のS58)。
【0094】
続いて、MFP10及び携帯端末50は、認証通信を実行する(
図2のS20、
図3のS60)。認証が成功するので(
図3のS62でYES)、G/O状態のMFP10と携帯端末50との間に接続が確立される。この結果、携帯端末50は、CL機器としてWFDNW(MFP=G/O)に参加する。このために、G/O状態のMFP10は、WFDNW(MFP=G/O)を利用して、他装置を介さずに、CL状態の携帯端末50から印刷データを受信することができる(
図2のS40、
図3のS64)。
【0095】
(
図5;ケースB)
図5のケースBの初期状態では、MFP10がG/O機器であるWFDNW(MFP=G/O)が形成されている。WFDNW(MFP=G/O)には、例えば、複数個のPC100(
図1参照)が所属しており、この結果、WFDNW(MFP=G/O)に所属しているCL機器の数は、上限値に一致する。また、MFP10は、インフラNWに所属している。
【0096】
携帯端末50からMFP10に接続要求が送信されるまでの動作は、
図4のケースAと同様である。MFP10は、WFDNW(MFP=G/O)とインフラNWとの両方に所属している状態で、携帯端末50から接続要求を受信して、OKを示す応答を携帯端末50に送信する(
図2のS14)。MFP10は、WFDNW(MFP=G/O)に所属しているCL機器の数が上限値に一致すると判断し(S16でYES)、MFP10がインフラNWに所属していると判断する(S30で「インフラ」)。このために、MFP10は、WPS通信を実行して、インフラのWSIとエラーメッセージとを含むM8パケットを携帯端末50に送信する(
図2のS32、
図3のS58)。
【0097】
携帯端末50は、M8パケットに含まれるエラーメッセージ(即ち、携帯端末50をAPに接続する旨のエラーメッセージ)を表示させる(
図3のS58)。これにより、ユーザは、WFD方式に従って携帯端末50をMFP10に接続することができず、その代わりに、携帯端末50をAP4に接続することを知ることができる。携帯端末50は、AP4と認証通信を実行する(
図3のS60)。
【0098】
認証が成功するので(
図3のS62でYES)、携帯端末50とAP4との間に接続が確立される。この結果、携帯端末50は、インフラNWに参加する。このために、MFP10は、WFDNW(MFP=G/O)を維持しながら、インフラNWを利用して、AP4を介して、携帯端末50から印刷データを受信することができる(
図2のS40、
図3のS64)。MFP10は、WFDNW(MFP=G/O)を維持するので、WFDNW(MFP=G/O)に所属しているCL機器(例えばPC100)から印刷データを受信することができる。
【0099】
(
図6;ケースC)
図6のケースCの初期状態では、MFP10がG/O機器であるWFDNW(MFP=G/O)が形成されている。WFDNW(MFP=G/O)に所属しているCL機器の数は、上限値に一致する。また、MFP10は、通常Wi−FiNWに所属していない。
【0100】
携帯端末50からMFP10に接続要求が送信されるまでの動作は、
図4のケースAと同様である。MFP10は、WFDNW(MFP=G/O)のみに所属している状態で、携帯端末50から接続要求を受信して、OKを示す応答を携帯端末50に送信する(
図2のS14)。MFP10は、WFDNW(MFP=G/O)に所属しているCL機器の数が上限値に一致すると判断し(S16でYES)、MFP10が通常Wi−FiNWに所属していないと判断する(S30で「なし」)。このために、MFP10は、WPS通信を実行して、アドホックのWSIとエラーメッセージとを含むM8パケットを携帯端末50に送信する(
図2のS34、
図3のS58)。
【0101】
携帯端末50は、M8パケットに含まれるエラーメッセージ(即ち、携帯端末50をアドホックで接続する旨のエラーメッセージ)を表示させる(
図3のS58)。これにより、ユーザは、WFD方式に従って携帯端末50をMFP10に接続することができず、その代わりに、携帯端末50をアドホックでMFP10に接続することを知ることができる。
【0102】
続いて、MFP10及び携帯端末50は、認証通信を実行する(
図2のS34、
図3のS60)。認証が成功するので(
図3のS62でYES)、MFP10と携帯端末50との間に接続が確立される。この結果、MFP10及び携帯端末50は、アドホックNWを形成する。このために、MFP10は、WFDNW(MFP=G/O)を維持しながら、アドホックNWを利用して、他装置を介さずに、携帯端末50から印刷データを受信することができる(
図2のS40、
図3のS64)。
【0103】
(実施例の効果)
図4〜
図6のケースA〜ケースCに示されるように、MFP10は、G/O機器としてWFDNW(MFP=G/O)に所属している状態で、携帯端末50から接続要求を受信する。
図4のケースAに示されるように、MFP10は、WFDNW(MFP=G/O)に所属しているCL機器の数が上限値未満であると判断する場合に、WFDNW(MFP=G/O)のWFDWSIを携帯端末50に送信する。これにより、携帯端末50がCL機器としてWFDNW(MFP=G/O)に参加するので、MFP10は、WFDNW(MFP=G/O)を利用して、他装置を介さずに、携帯端末50から印刷データを受信することができる。
【0104】
また、
図5のケースBに示されるように、MFP10は、MFP10がインフラNWに所属している状態で、WFDNW(MFP=G/O)に所属しているCL機器の数が上限値に一致すると判断する場合に、インフラのWSIを携帯端末50に送信する。これにより、携帯端末50がインフラNWに参加するので、MFP10は、インフラNWを利用して、AP4を介して、携帯端末50から印刷データを受信することができる。
【0105】
また、
図6のケースCに示されるように、MFP10は、MFP10が通常Wi−FiNWに所属していない状態で、WFDNW(MFP=G/O)に所属しているCL機器の数が上限値に一致すると判断する場合に、アドホックのWSIを携帯端末50に送信する。これにより、MFP10及び携帯端末50がアドホックNWを形成するので、MFP10は、アドホックNWを利用して、他装置を介さずに、携帯端末50から印刷データを受信することができる。
【0106】
このように、MFP10は、WFDNW(MFP=G/O)に所属しているCL機器の数が上限値に一致するのか上限値未満であるのかに応じて、適切な処理を実行することができ、この結果、携帯端末50から印刷データを適切に受信することができる。
【0107】
(対応関係)
MFP10、携帯端末50が、それぞれ、「通信装置」、「対象装置」の一例である。無線LANI/Fが、「特定のインターフェース」の一例である。「G/O機器」、「CL機器」が、それぞれ、「親局」、「子局」の一例である。接続要求、印刷データが、それぞれ、「参加要求」、「対象データ」の一例である。WFD方式、通常Wi−Fi方式が、それぞれ、「第1の無線通信方式」、「第2の無線通信方式」の一例である。G/Oネゴシエーションが、「親局及び子局を決定するための無線通信を実行する仕組み」の一例である。PBC方式、PBC接続操作が、それぞれ。「特定の無線接続方式」、「特定の操作」の一例である。M8パケット、ES領域、VE領域が、それぞれ、「特定のパケット」、「第1の属性領域」、「第2の属性領域」の一例である。
【0108】
図4のケースA、
図5のケースB(もしくは
図6のケースC)が、それぞれ、「第1の場合」、「第2の場合」の一例である。WFDNW(MFP=G/O)、WFDWSIが、それぞれ、「第1の無線ネットワーク」、「第1の無線設定情報」の一例である。
図5のケースBでは、インフラNW、インフラのWSIが、それぞれ、「第2の無線ネットワーク」、「第2の無線設定情報」の一例である。
図6のケースCでは、アドホックNW、アドホックのWSIが、それぞれ、「第2の無線ネットワーク」、「第2の無線設定情報」の一例である。
【0109】
(第2実施例)
本実施例では、
図2のS32及びS34の処理の内容が第1実施例とは異なる。
図7に示されるように、第1実施例では、第2の送信部43は、S32において、インフラのWSI及びエラーメッセージをVE領域に記述し、S34において、アドホックのWSI及びエラーメッセージをVE領域に記述する。これに対し、本実施例のS32では、第2の送信部43は、インフラのWSI及びエラーメッセージをVE領域に記述せず、インフラのWSIをES領域に記述する。また、本実施例のS34では、第2の送信部43は、アドホックのWSI及びエラーメッセージをVE領域に記述せず、アドホックのWSIをES領域に記述する。
【0110】
図3のS58では、携帯端末50は、インフラ又はアドホックのWSIが記述されたES領域を含むM8パケットを受信しても、第1実施例とは異なり、エラーメッセージを表示させない。次いで、S60では、携帯端末50は、ES領域に記述されたインフラ又はアドホックのWSIを用いて、AP4又はMFP10と認証通信を実行する。
【0111】
WPSをサポートしている機器(以下では「WPSサポート機器」と呼ぶ;例えば、MFP10、携帯端末50)は、M8パケットのES領域に無線設定情報を記述したり、ES領域から無線設定情報を読み出したりして、接続を確立するためのプログラムを備えている。ただし、WPSサポート機器は、M8パケットのVE領域に情報を記述するためには、そのための特別なプログラム(以下では「書込側プログラム」と呼ぶ)を備えている必要がある。また、WPSサポート機器は、M8パケットのVE領域から情報を読み出して、当該情報に従った処理を実行するためには、そのための特別なプログラム(以下では「読出側プログラム」と呼ぶ)を備えている必要がある。上述したように、第1実施例では、MFP10は、M8パケットのVE領域にインフラ又はアドホックのWSI及びエラーメッセージを記述するので(
図2のS32、S34)、書込側プログラムを備えている必要がある。また、携帯端末50は、M8パケットのVE領域に記述されているインフラ又はアドホックのWSI及びエラーメッセージを読み出して、それらの情報に従った処理を実行するので(
図3のS58)、読出側プログラムを備えている必要がある。
【0112】
これに対し、本実施例では、MFP10から携帯端末50に送信されるいずれのM8パケット(
図2のS20、S32〜S36)においても、VE領域に無線設定情報及びエラーメッセージが記述されない。このために、MFP10は、M8パケットのVE領域に情報を記述せずに済む。従って、MFP10は、上記の書込側プログラムを備えずに済み、容易に処理を実行することができる。また、携帯端末50は、M8パケットのVE領域から情報を読み出して、当該情報に従った処理を実行せずに済む。従って、携帯端末50(即ちMFP用アプリケーション)は、上記の読出側プログラムを備えずに済む。このために、MFP10のベンダは、MFP用アプリケーションを比較的容易に準備することができる。
【0113】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。上記の実施例の変形例を以下に列挙する。
【0114】
(変形例1)
図2のS34が省略されてもよい。即ち、第2の送信部43は、(1)MFP10がインフラNWに所属している場合には、S32の処理を実行し、(2)MFP10がインフラNWに所属していない場合には、MFP10がアドホックNWに所属しているのか否かに関わらず、S36の処理を実行してもよい。また、
図2のS32が省略されてもよい。即ち、第2の送信部43は、(1)MFP10が通常Wi−FiNWに所属していない場合には、S34の処理を実行し、(2)MFP10がインフラ又はアドホックNWに所属している場合には、S36の処理を実行してもよい。
【0115】
(変形例2)
図2のS34において、第2の送信部43は、アドホックNWを新たに形成する代わりに、いわゆるSoftAPモードに従ったインフラNWを新たに形成してもよい。即ち、S34では、第2の送信部43は、MFP10をSoftAPモードで動作させる。これにより、MFP10がAPとして機能するインフラNWが新たに形成される。そして、第2の送信部43は、インフラのWSIを準備して、インフラのWSIを携帯端末50に送信する。その後、MFP10及び携帯端末50は、インフラのWSIに従った認証通信を実行する。これにより、携帯端末50は、MFP10がAPとして機能するインフラNWに新たに参加する。この結果、MFP10は、インフラNWを利用して、他装置を介さずに、携帯端末50から印刷データを受信することができる。本変形例では、SoftAPモードに従ったインフラNW、インフラのWSIが、それぞれ、「第2の無線ネットワーク」、「第2の無線設定情報」の一例である。
【0116】
(変形例3)
図2のS32又はS34において、第2の送信部43は、M8パケットを生成する際に、インフラのWSI又はアドホックのWSIをES領域に記述し、エラーメッセージをVE領域に記述してもよい。この構成でも、第2の送信部43は、インフラのWSI又はアドホックのWSIを携帯端末50に適切に送信することができる。
【0117】
(変形例4)
図2のS20において、第1の送信部42は、WFDWSIに含まれる全ての情報(即ち、認証方式、暗号化方式、SSID、BSSID、パスワード)を携帯端末50に送信しなくてもよく、一部の情報(例えば、SSID、BSSID、パスワード)のみを携帯端末50に送信してもよい。この場合、携帯端末50は、上記の一部の情報に従った認証通信をMFP10と実行し、さらに、当該認証通信の過程で他の情報(例えば、認証方式、暗号化方式)をMFP10から取得してもよい。また、携帯端末50は、携帯端末50自身がサポートしている認証方式及び暗号化方式の複数個の組合せのそれぞれを順次利用して、MFP10と認証通信を試行することによって、MFP10が現在利用している認証方式及び暗号化方式を特定してもよい。このような構成でも、携帯端末50は、WFDNW(MFP=G/O)に参加することができる。同様に、
図2のS32又はS34において、第2の送信部43は、インフラ又はアドホックのWSIに含まれる全ての情報を携帯端末50に送信しなくてもよく、一部の情報のみを携帯端末50に送信してもよい。本変形例では、上記の一部の情報が、「第1の無線設定情報」及び「第2の無線設定情報」の一例である。
【0118】
(変形例5)MFP10は、WPSのPBC方式のみならず、WPSのPINコード方式をサポートしていてもよい。PINコード方式では、一方の機器においてPINコードが表示され、他方の機器に当該PINコードが入力されると、一方の機器及び他方の機器は、当該PINコードを用いて、WPS通信を実行する。例えば、携帯端末50のユーザは、MFP10の表示部14に表示される画面に含まれる「PINコード方式」を示す項目を選択し、次いで、「PINコードの表示」を示す項目を選択してもよい。このようなPINコード表示操作が操作部12に加えられる場合に、制御部30は、
図2のS10でYESと判断して、予め決められているPINコードを表示部14に表示させ、次いで、S12に進む。この場合、MFP10に表示されたPINコードがユーザによって携帯端末50に入力されると、携帯端末50は、接続要求を送信する。本変形例では、「PINコード方式」、「PINコード表示操作」が、それぞれ、「特定の無線接続方式」、「特定の操作」の一例である。
【0119】
(変形例6)上記の実施例では、3個以上の機器がアドホックNWに所属不可能であるが、これに代えて、3個以上の機器がアドホックNWに所属可能であってもよい。本変形例では、
図2のS30において、MFP10がアドホックNWに所属していると判断される場合に、第2の送信部43は、S36を実行する代わりに、既存のアドホックNWで現在利用されているアドホックのWSIを携帯端末50に送信してもよい。この構成によると、携帯端末50は、既存のアドホックNWに新たに参加することができる。本変形例では、既存のアドホックNW、アドホックのWSIが、それぞれ、「第2の無線ネットワーク」、「第2の無線設定情報」の一例である。
【0120】
(変形例7)上記の実施例では、判断部45は、S10でPBC接続操作が加えられる場合に、S14で接続要求が受信された後に、
図2のS16の判断を実行する。これに代えて、判断部45は、S10でPBC接続操作が加えられる場合に、S14で接続要求が受信される前に、
図2のS16の判断を実行してもよい。即ち、判断部45は、S10でPBC接続操作が加えられる場合に、
図2のS16の判断を実行すればよい。
【0121】
(変形例8)「対象データ」は、印刷データではなく、スキャンデータであってもよい。本変形例では、例えば、通信実行部44は、
図2のS40,S42の代わりに、スキャン実行部18にスキャンを実行させてスキャンデータを生成し、スキャンデータを携帯端末50に送信する。なお、「対象データ」は、印刷データ及びスキャンデータとは異なる種類のデータ(例えば音声データ、動画データ等)であってもよい。
【0122】
(変形例9)「親局」は、WFD方式のG/O機器に限られず、無線ネットワークに所属する各機器を管理する機器(例えば、無線ネットワークに属する各機器の間の無線通信を中継可能な機器)であれば、どのような機器であってもよい。また、「子局」は、WFD方式のCL機器に限られず、無線ネットワークの親局機器から管理される機器であれば、どのような機器であってもよい。
【0123】
(変形例10)「通信装置」は、MFP10に限られず、他の通信装置(例えば、プリンタ、スキャナ、FAX装置、コピー機、電話機、デスクトップPC、ノートPC、タブレットPC、サーバ、携帯電話、PDA端末等)であってもよい。また、「対象装置」は、携帯端末50に限られず、他の通信装置(例えば、MFP、プリンタ、スキャナ、FAX装置、コピー機、電話機、デスクトップPC等)であってもよい。
【0124】
(変形例11)上記の実施例では、MFP10のCPU32がメモリ34内のプログラム(即ちソフトウェア)を実行することによって、各部41〜45が実現される。これに代えて、各部41〜45のうちの少なくとも1つは、論理回路等のハードウェアによって実現されてもよい。
【0125】
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。