【実施例】
【0039】
<実施例1>
厚み15μmのアルミニウム箔(AL)の片面にポリウレタン系ドライラミネート接着剤(乾燥後塗布量3.5g/m
2)を用いて、裏印刷を施した厚み12μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)の印刷面と貼り合わせ、基材(20)を作成した。
ドライラミネートで作成したPET/AL基材(20)上に、ウレタン系アンカーコートを塗布した上から、アクリル樹脂からなる平均粒子径20μmの球形粒子とアクリル樹脂からなるヒートシール剤を酢酸エチルに分散して30質量%の固形分に調整した分散液を、ヒートシール剤の乾燥後の塗布量が4.0g/m
2になるようにグラビアコートにより塗布し、球形樹脂(3)による凹凸を付与した熱シール性基材を作成した。
【0040】
さらに、この熱シール性基材の上に、酸化物微粒子(5)として平均一次粒子径7nmの未処理シリカ微粒子(日本アエロジル R300)とTEOS(テトラエトキシシラン)加水分解溶液からなるシリカゾルバインダーを固形分重量比1:1で混合し、メタノールで10質量%に希釈した酸化物微粒子コート剤を、1.5g/m
2の塗布量でグラビアコートにより塗布し、凹凸付与熱シール基材とした。
さらに、ヘキサメチルジシロキサンを0.01N塩酸とメタノールの混合溶媒に10質量%溶解させた撥水コート剤を上記凹凸付与熱シール基材の上にディップコートし、撥水性を付与した熱シール性フィルム(17)とした(
図3参照)。
【0041】
<実施例2>
厚み15μmのアルミニウム箔(AL)の片面にポリウレタン系ドライラミネート接着剤(乾燥後塗布量3.5g/m
2)を用いて、裏印刷を施した厚み12μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)の印刷面と貼り合わせ、基材(20)を作成した。
ドライラミネートで作成したPET/AL基材(20)上に、ウレタン系アンカーコートを塗布した上から、アクリル樹脂からなるヒートシール剤を酢酸エチルに分散して20
質量%の固形分に調整した分散液を、乾燥後の塗布量が2.0g/m
2の塗布量になるようにグラビアコートにより塗布してヒートシール性基材とした基材フィルムの上に、アクリル樹脂からなる平均粒子径20μmの球形粒子(3)を酢酸エチルによって分散した粒子分散液をバーコートにより均一に塗布し、凹凸を付与した熱シール性基材を作成した。
【0042】
さらに、この熱シール性基材の上に、酸化物微粒子(5)として平均一次粒子径7nmの未処理シリカ微粒子(日本アエロジル R300)とTEOS(テトラエトキシシラン)加水分解溶液からなるシリカゾルバインダーを固形分重量比1:1で混合し、メタノールで10質量%に希釈した酸化物微粒子コート剤を、1.5g/m
2の塗布量でグラビアコートにより塗布し、凹凸付与熱シール基材とした。
さらに、ヘキサメチルジシロキサンを0.01N塩酸とメタノールの混合溶媒に10質量%溶解させた撥水コート剤を上記凹凸付与熱シール基材の上にディップコートし、撥水性を付与した熱シール性フィルム(27)とした(
図4参照)。
【0043】
<比較例1>
厚み15μmのアルミニウム箔(AL)の片面にポリウレタン系ドライラミネート接着剤(乾燥後塗布量3.5g/m
2)を用いて、裏印刷を施した厚み12μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)の印刷面と貼り合わせ、基材(20)を作成した。
ドライラミネートで作成したPET/AL基材(20)上に、ウレタン系アンカーコートを塗布した上から、アクリル樹脂からなるヒートシール剤を酢酸エチルに分散して20質量%の固形分に調整した分散液を、乾燥後の塗布量が2.0g/m
2になるようにグラビアコートにより塗布してヒートシール性基材とした基材フィルムの上に、疎水性シリカ微粒子とTEOS加水分解溶液からなるシリカゾルバインダーを混合した酸化物微粒子コート剤を、グラビアコートにより塗布し、撥水性を付与した熱シール性フィルム(37)とした(
図5参照)。
【0044】
<比較例2>
厚み15μmのアルミニウム箔(AL)の片面にポリウレタン系ドライラミネート接着剤(乾燥後塗布量3.5g/m
2)を用いて、裏印刷を施した厚み12μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)の印刷面と貼り合わせ、基材(20)を作製した。
ドライラミネートで作成したPET/AL基材(20)上に、ウレタン系アンカーコートを塗布した基材上に、アクリル樹脂からなる平均粒子径15μmの球形粒子(3)とアクリル樹脂からなるヒートシール剤を酢酸エチルに分散して30質量%の固形分に調整した分散液を、20.0g/m
2の塗布量でグラビアコートにより塗布し、球形樹脂(3)による凹凸が熱シール樹脂層(2)内にほぼ埋没した形状の熱シール性基材を作成した。
【0045】
さらに、この熱シール性基材の上に、酸化物微粒子(5)として平均一次粒子径7nmの未処理シリカ微粒子(日本アエロジル R300)とTEOS(テトラエトキシシラン)加水分解溶液からなるシリカゾルバインダーを固形分重量比1:1で混合し、メタノールで10質量%に希釈した酸化物微粒子コート剤を、1.5g/m
2の塗布量でグラビアコートにより塗布し、凹凸付与熱シール基材とした。
さらに、ヘキサメチルジシロキサンを0.01N塩酸とメタノールの混合溶媒に10質量%溶解させた撥水コート剤を上記凹凸付与熱シール基材の上にディップコートし、撥水性を付与した熱シール性フィルム(47)とした(
図6参照)。
【0046】
<評価結果>
<シール強度>
各実施例及び比較例で得られたサンプルについてシール強度を調べた。
実施例1,2および比較例1,2で作成した熱シール性フィルムを、フランジ付きポリスチレン製容器のフランジ上にインパルスシーラーにてヒートシールし、シール強度を引
張試験機(テンシロン)にて測定した。
ヒートシール条件は、温度210℃及び圧力2kg/cm
2にて1.0秒間、シール強度の測定条件は、引張速度300mm/min、剥離角度180度、シール幅10mm、測定フィルム幅15mm、n=3の平均としその平均値を求めた。
【0047】
<接触角>
各フィルムの内容物側を試験面とし、この面を上面として水平な平台にクリップで固定し、水滴およびヨーグルト(ダノンヨーグルト/プレーン加糖)を滴下し、その接触角ならびに転落角(目視)を測定した。純水とヨーグルトの接触角は接触角測定装置を用いて測定した。
【0048】
<転落角>
純水とヨーグルトの転落角は各フィルムの内容物側を試験面とし、水滴およびヨーグルトを至近距離から垂らし、水平な平台を傾け、ヨーグルト液滴が転げ落ちた場合はその角度を目視で判定し、平台を90度傾けても転げ落ちずに垂れ流れた場合を付着残りとした。
【0049】
<密着強度>
熱シール性フィルムの内容物に接する面の撥水処理の密着強度試験として、学振形耐磨耗試験機(JISK5701)で往復回数100回、荷重200g、相手材:クロムメッキ面の条件にて耐磨耗試験を実施した。
耐磨耗試験後に前記のヨーグルトの転落角試験を行い、ヨーグルト液滴が転げ落ちた場合は○、平台を90度傾けても転げ落ちずに付着が残った場合を付着(不合格)とした。
以上の結果を表1及び表2に示す。
【表1】
【0050】
表1の結果からも明らかなように、比較例の熱シール性フィルムではシール強度が弱く、球形粒子が熱シール性樹脂層に埋没している比較例2においては特に弱いことが目立っている。
また非付着性については実施例と比較例では接触角と転落角において全般に差があり、本発明の熱シール性フィルムが優れていることが示されている。
とくに収納物にヨーグルトを選んだ場合には、比較例では付着残りがあるが実施例では転落角が10°未満と高い非付着性を発揮していることがわかる。
【0051】
また、学振試験機による表面磨耗試験後の付着性の劣化の程度を示す密着強度の項目でも実施例の熱シール性フィルムは実用上差し支えのない良好な性能を示していることがわかる。
以上の結果より、本発明の熱シール性フィルムによれば、包装材の内容物に接するシーラント層に安定した撥水性を付与することにより、内容物の付着を防止して取り出し後の残存を低減し、取り出し性の向上を可能とした熱シール性フィルムを提供することが可能になった。