(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御部は、前記冊子を構成する2ページ目以降の用紙では、1ページの用紙から減らされるカット量分だけ前記画像を前記冊子の段差側にずらして形成するよう、前記画像形成部を制御する
ことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載の画像形成システム。
前記制御部は、前記冊子を構成する2ページ目以降の表面では前ページの裏面に形成された画像の位置と同じ位置となるよう前記画像形成部を制御すると共に、2ページ目以降の裏面では1ページ目の用紙から減らされるカット量分だけ前記画像を前記冊子の段差側にずらして形成するよう前記画像形成部を制御する
ことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載の画像形成システム。
設定されるカット量に基づいて複数枚の用紙のカット量を変更してカットし、当該カットした複数枚の用紙を綴じ処理することで段差状の冊子を形成する後処理装置が画像形成装置本体の用紙搬送方向の下流側に連結される画像形成装置であって、
用紙に画像を形成する画像形成部と、
前記カット量が変更されてカットされる前記複数枚の用紙のうち最小となる用紙の中に画像が収まるように画像サイズを調整し、当該調整された画像サイズで、前記複数枚の用紙に画像を形成するよう、前記画像形成部を制御する制御部と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、発明を実施するための最良の形態(以下実施の形態とする)について説明する。
<第1の実施の形態>
[画像形成システムの構成例]
まず、本発明に係る段差状の冊子(以下、段差状冊子Bkという)を形成する画像形成システムGSの構成例について説明する。
図1は、画像形成システムGSの構成の一例を示している。なお、以下に示す図面の寸法比率は、説明の都合上拡張されており、実際の比率と異なる場合がある。
図1に示すように、画像形成システムGSは、画像形成装置100と、大容量給紙装置200と、後処理装置(フィニッシャー)600と、を備えている。
【0013】
大容量給紙装置200は、画像形成装置100の用紙搬送方向D1の上流側に連結される。大容量給紙装置200は、複数段の給紙トレイを有し、形成する段差状冊子Bkの用紙Pがセットされた給紙トレイから用紙Pを取り出して画像形成装置100に給紙する。
【0014】
画像形成装置100は、大容量給紙装置200から給紙される用紙Pに所定の画像を形成して後処理装置600に搬送する。画像形成装置100は、段差状冊子Bkを形成する場合、段差状冊子Bkを構成する複数枚の用紙Pのうち最小サイズ(最小幅)となる用紙Pの画像形成領域の中に画像が収まるように画像サイズを調整し、このサイズを調整した画像を段差状冊子Bkを構成する全ての用紙Pに形成する。
【0015】
後処理装置600は、カット部の一例である用紙カット装置(スリッター)300と、製本装置400と、排紙装置500と、を備えている。用紙カット装置300は、画像形成装置100の用紙搬送方向D1の下流側に連結され、画像形成装置100から搬送される用紙Pの幅方向の一辺(一方の側端部)をカットし、カットした用紙Pを製本装置400に搬送する。
【0016】
製本装置400は、用紙カット装置300の用紙搬送方向D1の下流側に連結される。製本装置400は、用紙カット装置300から搬送される用紙Pを集積し、集積した用紙Pに表紙を貼り付けてくるみ製本処理することにより段差状冊子Bkを形成する。また、綴じ処理としては、くるみ製本処理の他に、集積した用紙Pにパンチ穴を穿孔する穿孔処理を行うこともできる。所定の綴じ処理により形成された段差状冊子Bkは、排紙装置500に排出される。排紙装置500は、製本装置400から排出された段差状冊子Bkを装置外に排出する。
【0017】
[画像形成装置の構成例]
次に、本発明に係る画像形成装置100の構成例について詳細に説明する。
図2は、本発明に係る画像形成装置100の構成の一例を示している。
図2に示すように、画像形成装置100は、タンデム型の画像形成装置と称されるものであり、画像形成装置本体104を備えている。なお、図示はしないが、自動原稿搬送部を画像形成装置本体104の上面部に設けることもできる。
【0018】
画像形成装置本体104は、画像読取部90と、画像形成部10と、中間転写ベルト8と、給紙部20と、定着部44と、自動用紙反転搬送ユニット60(Auto Duolex Unit:以下ADUという)と、を有している。画像読取部90は、原稿台上に載置された原稿を走査露装置の光学系により走査露光し、CCD(Charge Coupled Devices)イメージセンサにより走査した原稿の画像を光電変換して画像情報信号を生成する。画像情報信号は、図示しない画像処理部によりアナログ処理、アナログ/ディジタル(以下A/Dという)変換処理、シューディング補正、画像圧縮処理等が行われた後に、画像形成部10に出力される。
【0019】
画像形成部10は、電子写真方式により画像を形成するものであり、イエロー(Y)色の画像を形成する画像形成ユニット10Yと、マゼンタ(M)色の画像を形成する画像形成ユニット10Mと、シアン(C)色の画像を形成する画像形成ユニット10Cと、黒(K)色の画像を形成する画像形成ユニット10Kとを有している。この例では、それぞれ共通する機能名称、例えば、符号10の後ろに形成する色を示すY,M,C,Kを付して表記する。
【0020】
画像形成ユニット10Yは、感光体ドラム1Yと、その周囲に配置される帯電部2Y、露光部(光書込み部)3Y、現像部4Yおよびクリーニング部6Yを有している。画像形成ユニット10Mは、感光体ドラム1Mと、その周囲に配置される帯電部2M、露光部3M、現像部4Mおよびクリーニング部6Mを有している。画像形成ユニット10Cは、感光体ドラム1Cと、その周囲に配置される帯電部2C、露光部3C、現像部4Cおよびクリーニング部6Cを有している。画像形成ユニット10Kは、感光体ドラム1Kと、その周囲に配置される帯電部2K、露光部3K、現像部4Kおよびクリーニング部6Kを有している。
【0021】
画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kにおけるそれぞれの感光体ドラム(像担持体)1Y,1M,1C,1K、帯電部2Y,2M,2C,2K、露光部3Y,3M,3C,3K、現像部4Y,4M,4C,4K、クリーニング部6Y,6M,6C,6Kは、それぞれ共通する内容の構成である。以下、特に、区別が必要な場合を除き、Y,M,C,Kを付さずに表記することとする。
【0022】
帯電部2は、感光体ドラム1の表面をほぼ一様に帯電する。露光部3は、例えばLEDアレイと結像レンズとを有するLPH(LED Print Head)や、ポリゴンミラー方式のレーザー露光走査装置により構成され、画像情報信号に基づいて感光体ドラム1上をレーザー光により走査して静電潜像を形成する。現像部4は、感光体ドラム1上に形成された静電潜像をトナーにより現像する。これにより、感光体ドラム1上に可視画像であるトナー像が形成される。
【0023】
中間転写ベルト8は、複数のローラーにより張架されると共に走行可能に支持されている。一次転写ローラーが動作すると、中間転写ベルト8が走行し、中間転写ベルト8の画像転写位置に各感光体ドラム1に形成されたトナー像が転写される(一次転写)。
【0024】
給紙部20は、A3やA4等の各用紙サイズがセットされた複数の給紙トレイ20A,20Bを有している。各給紙トレイ20A,20Bから搬送ローラー22,24,26,28等によって搬送された用紙Pは、ループ作成ローラー30を経由してレジストローラー32に搬送される。なお、給紙トレイの数は3つに限定されるものではない。
【0025】
レジストローラー32は、駆動ローラーおよび従動ローラーを有し、ループ作成ローラー30によって用紙Pの先端が突き当てられることでループを形成して用紙Pの斜行を補正する。用紙Pは所定のタイミングで二次転写部34に搬送される。二次転写部34では、中間転写ベルト8の画像形成位置に転写されたカラー画像が、給紙部20から搬送されてくる用紙Pの表面に一括転写される(2次転写)。2次転写された用紙Pは定着部44に搬送される。
【0026】
定着部44は、二次転写部34よりも用紙搬送方向D1の下流側に設けられ、加圧ローラーと加熱ローラーとを有している。定着部44は、二次転写部34でトナー像が転写された用紙Pに加圧、加熱処理を行うことにより用紙P表面のトナー像を用紙Pに定着させる。
【0027】
定着部44の用紙搬送方向D1の下流側には、用紙Pの搬送経路を排紙経路側またはADU60側に切り替えるための搬送路切替部48が設けられている。搬送路切替部48は、例えばソレノイドやモータ等から構成され、選択されている印刷モード(片面印刷モード、両面印刷モード)に基づいて搬送経路の切り替え制御を行う。
【0028】
片面印刷モードで片面の印刷が終了した用紙P、または、両面印刷モードで両面の印刷が終了した用紙Pは、定着部44で定着処理が施された後、定着部44よりも用紙搬送方向の下流側に設けられた排紙ローラー46により排紙トレイ上に排出される。
【0029】
また、両面印刷モードで用紙Pを画像形成部10に再給紙する場合、表面側に画像が形成された用紙Pは、搬送路切替部48を経由してADU60に搬送される。ADU60に搬送された用紙Pは、搬送ローラー62等を介してスイッチバック経路に搬送される。スイッチバック経路では、ADUローラー64の逆回転制御により用紙Pの後端を先頭にしてUターン経路部に搬送され、Uターン経路部に設けられた搬送ローラー66,68等によりレジストローラー32に用紙Pの表裏反転された状態で再給紙される。レジストローラー32に再給紙された用紙Pは、画像形成部10により裏面に画像が転写され、定着部44で定着処理が行われた後に、搬送路切替部48および排紙ローラー46を介して排紙トレイ上に排出される。
【0030】
[用紙カット装置の構成例]
次に、本発明に係る後処理装置600の構成例について詳細に説明する。
図3は、後処理装置600の構成の一例を示している。まず、後処理装置600を構成する用紙カット装置300について説明する。
【0031】
図3に示すように、用紙カット装置300は、第1の搬送部320と、カットユニット部310と、第2の搬送部330と、排紙ローラー340と、を備えている。第1の搬送部320は、例えば搬送ローラーおよび搬送ベルト等から構成され、画像形成装置100から排出された用紙Pをカットユニット部310に搬送する。
【0032】
カットユニット部310は、カッタ312と、固定刃314と、押さえ部材316と、屑箱318と、を有している。カッタ312は、その刃先が用紙搬送方向D1と直交する方向に沿うように配置され、固定刃314に対して近接離反移動可能に設けられている。固定刃314は、カッタ312の下方に対向して配置され、当該位置に固定して設置されている。固定刃314は、カッタ312の刃と同様に、その刃先が用紙搬送方向D1と直交する方向に沿うように配置されている。カッタ312が接近移動して固定刃314との間に用紙Pを挟むことにより、用紙Pの一辺(幅方向の一方の側端部)がカットされる。
【0033】
押さえ部材316は、図示しないばね等の弾性部材によって下方向に付勢されると共に、カッタ312の下端よりも下方向に突出した状態で設置されている。押さえ部材316は、カッタ312と連動して動作し、カッタ312が降下する際に先行して用紙Pに当接することで用紙Pを押さえ付ける。これにより、押さえ部材316および固定刃314により用紙Pが挟持され、用紙Pのカット時における段差状冊子Bkのずれが防止される。
【0034】
屑箱318は、固定刃314よりも下方に設置され、カッタ312によりカットされた用紙Pの屑を収容する。
【0035】
[製本装置の構成例]
次に、後処理装置600を構成する製本装置400について説明する。
図3に示すように、製本装置400は、くるみ製本処理を行う製本装置であり、排紙部420と、集積部440と、用紙搬送部460と、塗布部470と、綴じ部の一例である冊子形成部480と、表紙供給部490と、を備えている。
【0036】
製本装置400の搬入口から搬入された用紙Pは、搬送ローラー412,414の回転駆動により搬送路Aを経由して搬送される。搬送路Aの搬送ローラー414の下流側には、用紙Pの搬送経路を搬送路Bまたは搬送路Cに切り替えるための搬送路切替部436が設けられている。
【0037】
用紙Pを排紙部420に搬送する場合、搬送路切替部436は、図示しないモータ等の駆動により排紙部420側に切り替えられる。搬送路Aを通過してきた用紙Pは、搬送路切替部436により搬送路Bに搬送される。搬送路Bに導かれた用紙Pは、搬送ローラー432,434によって搬送され、装置最上部に設けられた排紙トレイ438に排出される。
【0038】
用紙Pを集積部440に搬送する場合、搬送路切替部436は、モータ等の駆動により集積部440側に切り替えられる。搬送路Aを通過してきた用紙Pは、搬送路切替部436により搬送路Cに搬送され、搬送ローラー442,446,448,449により集積部440に搬送される。
【0039】
集積部440は、所定の角度で傾斜して設置されたシート載置台452と、用紙Pの用紙幅方向における整合を行う整合部456と、を有している。ここで、製本装置400において用紙幅方向とは、用紙Pの搬送方向に沿った方向である。シート載置台452上には、用紙カット装置300により一辺がカットされた用紙Pが順次集積される。これにより、操作表示部70により設定された所定枚数の用紙Pが積載され、段差状冊子Bkを構成する用紙束Pbが形成される。
【0040】
整合部456は、シート載置台452に集積された用紙Pが予め設定された枚数に到達すると、用紙Pの幅方向の整合を行う。整合部456は、一対の整合板456A,456Bから構成されている(
図7参照)。整合板456Aは集積部440の上部位置に整合板456Bに近接、離反移動可能に設けられ、整合板456Bは集積部440の下部位置に設けられている。なお、整合部456の整合処理については後述する。整合処理が終了すると、整合板456Bが一端を支点として揺動して開放される。これにより、段差状冊子Bkを構成する用紙束Pbが斜め下方に設けられた用紙搬送部460にスイッチバック搬送される。
【0041】
用紙搬送部460は、支持部材462と、押圧部材464とを有している。集積部440から搬送された用紙束Pbは、斜め下方の支持部材462上にスライド移動され、支持部材462と押圧部材464とによって押圧された状態で把持(挟持)される。用紙束Pbが押圧部材464等によって把持されると、支持部材462は、回転部466の駆動により回転して斜め姿勢から垂直姿勢とされる。このとき、用紙束Pbの一側縁である糊塗布面(背部)が下向きの塗布部470側となる。
【0042】
塗布部470は、塗布ローラー472と、接着剤容器474と、移動体476と、を有している。接着剤容器474には、段差状冊子Bkの背表紙となる位置に塗布される糊等の接着剤Nが収容されている。移動体476は、製本装置400内の背面側の初期位置から前面側の糊塗布位置までの間を往復移動する。この移動体476は、垂直姿勢で保持される用紙束Pbの下方の位置まで接着剤容器474を移動させ、塗布ローラー472を用紙束Pbに当接させる。塗布ローラー472は、その下面が接着剤容器474内の接着剤Nに浸漬された状態で設置され、図示しない駆動部の駆動により回転することで用紙束Pbの下面側(背部)に接着剤Nを塗布する。
【0043】
表紙供給部490は、段差状冊子Bkを構成する表紙Pcがセットされたトレイを有している。トレイ内に収容された表紙Pcは、分離、給送され、搬送ローラー492,494によって冊子形成部480に搬送される。冊子形成部480に搬送された表紙Pcは、裁断部496にスイッチバック搬送される。裁断部496は、段差状冊子Bkの背部の厚みと、カットされた用紙Pの1ページおよび最終ページの幅方向の長さとの合計の長さとなるように、冊子形成部480からスイッチバック搬送される表紙Pcをカットする。なお、裁断部496の構成は、用紙カット装置300のカットユニット部310と同様の構成のものを採用することができる。
【0044】
冊子形成部480は、加圧部材482と、折り曲げ部材484A,484Bと、移動筺体485と、昇降部486と、を有している。裁断部496でカットされた表紙Pcは、図示しない搬送ローラー等により所定位置に停止される。移動筺体485は、昇降部486の駆動により上方位置に移動し、加圧部材482上に載置された表紙Pcの中央部を、用紙束Pbの接着剤の塗布面に圧接して接着させる。折り曲げ部材484A,484Bは、用紙束Pbの厚さ方向に近接離反可能に構成され、用紙束Pbの接着剤の塗布面の側縁に沿って表紙Pcを折り曲げ、用紙束Pbの表裏面のそれぞれに表表紙と裏表紙を重ね合わせる。
【0045】
表紙Pcの折り曲げ工程の終了後、昇降部486の下降駆動によって冊子形成部480が所定量下降して退避して停止する。その後、用紙搬送部460の押圧部材464の挟持が解除されると用紙束Pbは落下し、用紙束Pbの下面の背部が冊子排出ベルト488の上面に当接する位置に停止する。冊子排出ベルト488上の用紙束Pbは、冊子排出ベルト488により装置外の排紙装置500に排出される。
【0046】
排紙装置500は昇降台502を有しており、製本装置400から排出された段差状冊子Bkは昇降台502上に積載される。昇降台502上に段差状冊子Bkが排出、積載されると、昇降台502は下降する。昇降台502が下死点に到達すると、段差状冊子Bkは装置外に排出される。
【0047】
[画像形成システムのブロック構成例]
次に、本発明に係る画像形成システムGSのブロック構成の一例について説明する。
図4は、画像形成システムGSのブロック構成の一例を示している。
図4に示すように、画像形成装置100は、画像形成装置全体の動作を制御する制御部150を備えている。制御部150は、CPU(Central Processing Unit)152と、ROM(Read Only Memory)154と、RAM(Random Access Memory)156と、を有している。CPU152は、ROM154から読み出したプログラムやデータをRAM156上に展開してプログラムを起動することで、画像形成処理、および用紙カット装置300や製本装置400と連動した製本処理等を実行する。
【0048】
制御部150には、操作表示部70と、画像形成部10と、給紙部20と、定着部44と、通信部102と、メモリ部80とがそれぞれ接続されている。操作表示部70は、タッチパネル式の位置入力装置と、液晶ディスプレイ等の表示装置とが一体化されて構成されている。操作表示部70は、用紙サイズ、紙種、段差状冊子を形成する場合における冊子枚数や用紙Pの一辺のカット量(以下、基準カット量)等の条件を設定するための操作画面を表示すると共に、この操作画面において設定された冊子枚数情報や基準カット量等の条件を受け付けて制御部150に供給する。
【0049】
なお、冊子枚数情報や基準カット量情報等の条件は、画像形成装置100の通信部102にLAN(Local Area Network)等のネットワークを介して接続される図示しないコンピュータの操作部から設定することができる。
【0050】
画像形成部10は、制御部150から供給される制御信号に基づいて露光部3による露光処理や現像部4による現像処理等の動作を制御することにより用紙Pに所定の画像を形成する。定着部44は、例えばヒータの温度制御や、用紙Pの搬送制御を行い、用紙P上に転写されたトナー像を用紙表面に定着させる。
【0051】
通信部102は、例えばシリアル通信インタフェース等により構成され、用紙カット装置300の制御部350や製本装置400の制御部450との間で製本処理に関する冊子枚数情報やカット量情報等の通信を行う。
【0052】
メモリ部80は、例えば不揮発性の半導体素子やHDD(Hard disk drive)等から構成され、画像読取部90により読み込まれた画像データ等を一時的に記憶したり、操作表示部70等から入力される冊子枚数情報や基準カット量情報等を記憶したりする。
【0053】
用紙カット装置300は、通信部302と、制御部350と、カット用駆動部308と、搬送用駆動部328と、を備えている。通信部302は、画像形成装置100の通信部102および製本装置400の通信部402のそれぞれに接続され、通信部102,402との間で段差状冊子Bkにおける基準カット量情報や冊子枚数設定情報等の通信を行う。
【0054】
制御部350は、用紙カット装置全体の動作を制御するものであり、CPU352とROM354とRAM356とを有している。制御部350は、メインとなる画像形成装置100の制御部150との通信により製本処理に関するカット情報等を取得し、取得したカット情報等に基づいて各用紙Pに応じたカット量でカット処理を行うよう、カットユニット部310等の動作を制御する。
【0055】
カット用駆動部308は、例えばステッピングモーター等から構成されている。カット用駆動部308は、制御部350の指示により各用紙Pが所定のカット位置に到達したときに駆動してカットユニット部310のカッタ312を固定刃314に対して近接動作させることで、用紙Pの側端部をカットする。
【0056】
搬送用駆動部328は、例えばステッピングモーター等から構成され、制御部350の指示により各用紙Pのカット量に応じたステップ数に基づいて第1の搬送部320を駆動することにより用紙Pを所定のカット位置まで搬送する。本例では、段差状の冊子を形成するため、1ページから最終ページに向かって順にカット量が基準カット量だけ減るように、ステップ数を調整して各用紙Pのカット位置を制御する。
【0057】
製本装置400は、通信部402と、制御部450と、集積部440と、用紙搬送部460と、塗布部470と、冊子形成部480と、表紙供給部490と、整合部駆動部406と、パンチ部駆動部408と、を備えている。通信部402は、画像形成装置100の通信部102および製本装置400の通信部402のそれぞれに接続され、通信部102,402との間で製本処理に関する冊子枚数設定情報等の通信を行う。
【0058】
制御部450は、製本装置全体の動作を制御するものであり、CPU453とROM455とRAM457とを有している。制御部450は、メインとなる画像形成装置100の制御部150との通信により冊子用紙枚数情報等の製本処理に関する情報を取得し、取得した製本処理に関する情報に基づいてくるみ製本処理を実行するよう、整合部駆動部406、集積部440、用紙搬送部460、塗布部470、冊子形成部480、表紙供給部490等の動作を制御する。
【0059】
整合部駆動部406は、例えばステッピングモーター等から構成され、制御部450からの指示に基づいて駆動することで整合部456の一方の整合板456Aを近接離反移動させる。
【0060】
パンチ部駆動部408は、例えばステッピングモーター等から構成され、制御部450からの指示に基づいて駆動することでパンチ部410の動作を制御し、用紙Pにパンチ孔を穿孔する。
【0061】
[冊子の構成例]
次に、本発明に係る画像形成システムGSによって形成される段差状冊子Bkの構成の一例について説明する。
図5(A)は段差状冊子Bkを側面からみた構成の一例を模式的に示し、
図5(B)はその平面図を示している。本例では、5枚の用紙P1〜P5の幅方向の一方の側端部をカット量を変更して段差状にカットし、これらの用紙P1〜P5を積み重ねて綴じ処理することにより形成した段差状冊子Bkの構成を示している。なお、
図5において、ユーザの目が設けられた側を用紙Pの表面とし、その反対側を裏面とする。また、
図5では、段差状冊子Bkの段差部分等を誇張して図示すると共に、実際には各用紙の表裏面が重なっているものとする。また、
図5において冊子を構成する表紙は省略している。また、用紙Pの両面に画像を形成した例を示しているが、片面のみに画像を形成しても良い。
【0062】
図5に示すように、段差状冊子Bkでは、ページ数が1ページ増える毎に用紙Pの側端部のカット量が基準カット量xだけ減らされてカットされる。つまり、ページ数が1ページ減る毎に用紙Pの幅方向の長さが基準カット量xだけ短くなるように構成されている。より具体的には、段差状冊子Bkにおいて、最終ページとなる用紙P5には、側端部がカットされていないA4,A3等の規定サイズの用紙が用いられる。4ページ目の用紙P4には、用紙P5に対して幅方向の側端部が基準カット量xだけ短くカットされた用紙が用いられる。
【0063】
3ページ目の用紙P3には、用紙P4に対して幅方向の側端部が基準カット量xだけ短くカットされた用紙が用いられる。2ページ目の用紙P2は、用紙P3に対して幅方向の側端部が基準カット量xだけ短くカットされた用紙が用いられる。1ページ目の用紙P1は、用紙P2に対して幅方向の側端部が基準カット量xだけ短くカットされた用紙が用いられる。したがって、本例では、長さhは変更していないので、1ページ目の用紙Pが5枚の用紙P1〜P5の中で最も用紙幅wが短く、最小サイズの用紙となる。このような用紙P1〜P5が、前ページの側端部から次ページの側端部が張り出すようにして綴じ処理される。以下では、張り出した部分を段差部という場合もある。
【0064】
本例では、最小サイズのページである1ページ目の用紙幅w、長さhで規定される画像形成領域の中に画像が収まるように画像サイズが調整され、この調整された画像GF,GRが用紙P1〜P5のそれぞれの表裏面に形成される。各用紙P2〜P5に形成される画像GF,GRは、1ページ目に形成される画像GF,GRの形成位置と平面的に見て同一位置に形成される。言い換えれば、用紙P2〜P5に形成される画像GF,GRは、用紙P2〜P5の張り出した段差部ではない側(カット処理されていない側)の側端部に寄せて形成される。そのため、各ページの段差部には、画像GF,GRが形成されない。なお、画像GF,GRを形成する際には、パンチ孔やくるみ製本等の綴じ処理を考慮して、側端部から所定の間隔を空けて形成することが好ましい。
【0065】
[画像形成システムの動作例]
次に、本発明に係る画像形成システムGSの動作の一例について説明する。
図6は、段差状冊子Bkを形成する場合における画像形成システムGSの動作の一例を示すフローチャートである。また、以下では、画像形成装置100の制御部150がメインとなり、他の制御部350,450と連動して画像形成制御および製本制御を行う例について説明する。
【0066】
段差状冊子Bkを形成する場合、
図6に示すように、ステップS100では、操作表示部70に表示される操作画面において、段差状冊子Bkを構成する用紙Pの設定枚数を示す冊子設定枚数情報の設定が受け付けられる。制御部150は、操作表示部70により受け付けられた冊子設定枚数情報を操作表示部70から取得する。取得された冊子設定枚数情報は、メモリ部80に記憶されると共に、通信部102,302等を介して後処理装置600に送信される。
【0067】
ステップS110では、操作表示部70に表示される操作画面において、段差状冊子Bkの段差幅を示す基準カット量情報(基準カット量x)の設定が受け付けられる。制御部150は、操作表示部70により受け付けられた基準カット量情報を操作表示部70から取得する。取得された基準カット量情報は、メモリ部80に記憶されると共に、通信部102,302等を介して後処理装置600に送信される。
【0068】
ステップS120で制御部150は、冊子枚数情報および基準カット量情報の設定が完了したら、段差状冊子Bkのうち最小サイズとなる用紙Pの画像形成領域の中に画像が収まるように画像サイズを調整(変更)する。具体的には、制御部150は、冊子枚数情報と基準カット量情報とに基づいて最小サイズとなる用紙P(本例では1ページ目)の用紙サイズを算出し、この算出した用紙サイズで規定される画像形成領域の中に画像が収まるように縮小等の画像処理を行う。画像としては、例えば、画像形成装置100の画像読取部90から取り込んだ画像や、画像形成システムGSにネットワークを介して接続されるコンピュータから送信される画像等が用いられる。
【0069】
ステップS130で制御部150は、画像サイズを変更したら、段差状冊子Bkを構成する各用紙Pに変更後の画像サイズにより画像を形成するよう画像形成部10を制御する。画像形成部10は、
図5に示したように、1ページ目の用紙P1〜5ページ目の用紙P5の表裏面のそれぞれに画像サイズが変更された画像GF,GRを順に形成する。
【0070】
ステップS140で制御部150は、用紙Pに画像を形成したら、定着部44により定着処理を行い、排紙ローラー46等を駆動制御することにより定着処理後の用紙Pを後段の後処理装置としての用紙カット装置300に搬出する。
【0071】
ステップS150で用紙カット装置300の制御部350は、画像形成装置100から送信されるカット量情報および設定枚数情報等に基づいて、カットユニット部310の動作を制御することにより画像形成装置100から搬出された用紙Pのカット処理を順次行う。例えば制御部350は、段差状冊子Bkの各ページにおける用紙Pのカット量を算出し、算出したカット量分だけ用紙Pの先端部がカッタ312を通過したら、用紙Pの搬送を停止させてカッタ312によるカット処理を実行する。用紙Pのカットが終了したら、第2の搬送部330等の動作を制御することにより用紙Pを製本装置400に搬出すると共に、次ページがある場合には次ページの用紙Pのカット処理を行う。
【0072】
ステップS160で製本装置400の制御部450は、搬送ローラー412等の駆動制御をしたり、搬送路切替部416の切り替え制御をしたりすることにより、用紙カット装置300から搬出される用紙Pを集積部440に案内して順次集積する。
【0073】
ステップS170で制御部450は、画像形成装置100の制御部150から送信される段差状冊子Bkの設定枚数情報等に基づいて、段差状冊子Bkの最終ページとなる用紙Pが集積部440内に集積されたか否かを判断する。制御部450は、例えば搬送路中に設置された図示しないセンサにより用紙カット装置300から搬送される用紙Pをカウントすることにより、段差状冊子Bkの最終ページとなる用紙Pが集積部440内に集積されたか否かを判断する。制御部450は、集積部440内に最終ページの用紙Pが集積されたと判断した場合にはステップS180に進み、集積部440内に最終ページの用紙Pが集積されていないと判断した場合にはステップS210に進む。
【0074】
集積部440内に最終ページの用紙Pが集積されていない場合、ステップS210で画像形成装置100の制御部150は、次に画像形成処理を行う用紙Pが段差状冊子Bkの何ページ目であるかを判断し、当該ページ数に応じたカット量を算出する。具体的には、
図5に示したように、前のページのカット量からさらに基準カット量x分を減らしたカット量を、今回画像形成を行うページのカット量として設定する。
【0075】
カット量を設定したら、制御部150は、上述したステップS130からの処理を繰り返し実行する。具体的には、最小サイズの用紙に収まるように調整された画像を、該当するページの用紙Pに形成した後、用紙カット装置300においてステップS210で算出したカット量だけ用紙Pの一辺をカットし、製本装置400の集積部440に搬送する。このような処理が段差状冊子Bkの最終ページの用紙Pとなるまで繰り返し実行される。
【0076】
一方、集積部440内に最終ページの用紙Pが集積された場合、ステップS180で製本装置400の制御部450は、集積部440に集積される用紙Pの整合処理を行った後、用紙束Pbのカットされていない端面に接着剤Nを塗布して表紙Pcを貼り付けることでくるみ製本処理を行う。なお、整合処理については後述する。くるみ製本処理が終了すると、ステップS190で制御部450は、くるみ製本された段差状冊子Bkを後段の排紙装置500に排出する。
【0077】
[整合部の動作例]
次に、整合部456による整合動作について説明する。
図7(A)〜
図7(C)は、整合部456による整合動作の一例を模式的に示している。本例では、用紙Pが集積部440に搬送されてくる毎、つまり用紙1枚毎に整合動作を行う。また、整合板456Aが各用紙Pの異なる側端部の位置に応じて押し込み可能なように整合板456Aの移動量を調整して整合動作を行う。
【0078】
具体的には、制御部450は、
図7(A)に示すように、段差状冊子Bkを構成する1ページ目の用紙P1が集積部440に搬送されると、整合板456Aを整合板456B側に移動させて用紙Pのカットされた側の側端部P1aを整合板456B側に押し込むことにより整合処理を行う。所定の位置まで押し込んだら、整合板456Aを元の初期位置まで移動させる。
【0079】
続けて、
図7(B)に示すように、段差状冊子Bkを構成する2ページ目の用紙P2が集積部440に搬送されると、整合板456Aを整合板456B側に移動させて用紙Pの側端部P2aを整合板456B側に押し込むことにより整合処理を行う。所定の位置まで押し込んだら、整合板456Aを元の初期位置まで移動させる。
【0080】
続けて、
図7(C)に示すように、段差状冊子Bkを構成する3ページ目の用紙P3が集積部440に搬送されると、整合板456Aを整合板456B側に移動させて用紙Pの側端部P3aを整合板456B側に押し込むことにより整合処理を行う。所定の位置まで押し込んだら、整合板456Aを元の初期位置まで移動させる。
【0081】
また、整合動作としては、整合性の向上を目的として、以下のように整合部456を動作させることもできる。
図8(A)〜
図8(D)は、整合部456の整合動作の一例を示している。なお、
図8は、用紙Pの用紙幅方向と直交する方向の一方の端部側から整合部456を見た場合を示している。
【0082】
まず、1ページ目の用紙P1に対しては、
図8(A)に示すように、整合板456Aを用紙P1のカットされた側の側端部P1aまで移動させて押し付けることにより用紙P1の整合を行う。
【0083】
次に、2ページ目の用紙P2に対しては、
図8(B)に示すように、整合板456Aを用紙P2の側端部P2aの位置ではなく、用紙P2よりも前に集積部440内に集積された用紙P1の側端部P1aの位置まで移動させることにより用紙P1,P2の整合を同時に行う。
【0084】
次に、3ページ目の用紙P3に対しては、
図8(C)に示すように、整合板456Aを用紙P3の側端部P3aの位置ではなく、用紙P3よりも前に集積部440内に集積された用紙P2の側端部P2aの位置まで移動させることにより用紙P1,P2,P3の整合を同時に行う。
【0085】
次に、4ページ目の用紙P4に対しては、
図8(D)に示すように、整合板456Aを用紙P4の側端部P4aの位置ではなく、用紙P4よりも前に集積部440内に集積された用紙P3の側端部P3aの位置まで移動させることにより用紙P1,P2,P3,P4の整合を同時に行う。
【0086】
このような整合処理を行うことにより、集積部440に現在搬送されてきた用紙Pに加えて、前に搬送された用紙Pについても同時に整合処理を行うことができるので、整合処理の性能をより向上させることができる。なお、上記例では、整合板456Aを1ページ前の用紙Pの側端部の位置まで移動させたが、例えば2ページ前等の複数ページ前の用紙Pの側端部の位置まで移動させるようにしても良い。
【0087】
以上説明したように、第1の実施の形態では、段差状冊子Bkを構成する用紙Pのうち、最小サイズとなる用紙Pの画像形成領域の中に画像が収まるように画像サイズを変更し、変更した画像サイズの画像を段差状冊子Bkを構成する全ての用紙Pに形成する。これにより、形成したい段差状冊子Bkの冊子枚数情報やカット量情報を設定することにより、最小サイズの用紙Pに合わせて自動的に画像サイズを調整して段差状冊子Bkを形成するので、ユーザが画像サイズを各用紙に合わせて調整する等の手間を省くことができ、簡単にユーザが読み易い段差状冊子Bkを提供することができる。また、各用紙Pに形成される画像は、段差部ではない側に寄せて形成するので、段差部の滑り止めとしての機能を向上させることができ、ユーザがページをより捲り易くすることができる。また、段差部ではない側に画像を寄せて形成するので、ユーザがページを捲る際の指で画像を触れることによる汚れを防止できる。
【0088】
<第2の実施の形態>
第2の実施の形態では、段差状冊子Bk2の各用紙Pに形成する画像の形成位置を用紙Pの段差部側に寄せている点において、上記第1の実施の形態と相違している。なお、その他の第2の実施の形態における画像形成システムGSの構成や動作等は、上記第1の実施の形態と同様であるため、共通の構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0089】
[段差状冊子の構成例]
図9は、第2の実施の形態に係る段差状冊子Bk2の構成の一例を模式的に示している。なお、段差状冊子Bk2の冊子枚数等の前提条件は、上記第1の実施の形態の段差状冊子Bkと同様であるものとする。
【0090】
本実施の形態では、最小サイズのページである1ページ目の用紙幅w、これに直交する方向の長さで規定される画像形成領域の中に収まるように画像サイズが調整され、この調整された画像GF,GRが用紙P1〜P5のそれぞれの表裏面に形成される。制御部150は、2ページ目以降の用紙Pでは、前ページよりも減らされた基準カット量x分だけ、画像GF,GRを段差部方向にずらして形成するよう、画像形成部10等の動作を制御する。
【0091】
具体的には、2ページ目の用紙P2では、1ページ目の用紙P1よりも減らされた基準カット量x分だけ、用紙P2の表裏面に形成される画像GF,GRの形成位置が1ページ目の用紙P1の画像GF,GRの形成位置(基準O1)から段差部方向にずれた位置に形成される。3ページ目の用紙P3では、2ページ目の用紙P2よりも減らされた基準カット量x分だけ、用紙P3の表裏面に形成される画像GF,GRの形成位置が2ページ目の用紙P2の画像GF,GRの形成位置(基準O2)から段差部方向にずれた位置に形成される。
【0092】
4ページ目の用紙P4では、3ページ目の用紙P3よりも減らされた基準カット量x分だけ、用紙P4の表裏面に形成される画像GF,GRの形成位置が3ページ目の用紙P2の画像GF,GRの形成位置(基準O3)から段差部方向にずれた位置に形成される。5ページ目の用紙P5では、4ページ目の用紙P4よりも減らされた基準カット量x分だけ、用紙P5の表裏面に形成される画像GF,GRの形成位置が4ページ目の用紙P4の画像GF,GRの形成位置(基準O4)から段差部方向にずれた位置に形成される。
【0093】
以上説明したように、第2の実施の形態によれば、画像GF,GRを段差部方向にずらして形成するので、画像GF,GRを段差部側に寄せて形成することができる。これにより、綴じ処理した段差状冊子Bk2の側端部側が開きにくくなった場合でも、画像GF,GRを見易くすることができる。これにより、ユーザが読み易い段差状冊子Bk2を提供することができる。
【0094】
<第3の実施の形態>
第3の実施の形態では、段差状冊子Bk3の2枚目以降の用紙Pの表面に形成する画像位置を前のページの表面に形成された画像位置と同一位置とする点において上記第1および第2の実施の形態と相違している。なお、その他の第3の実施の形態における画像形成システムGSの構成や動作等は、上記第1の実施の形態と同様であるため、共通の構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0095】
[段差状冊子の構成例]
図10は、第3の実施の形態に係る段差状冊子Bk3の構成の一例を模式的に示している。本実施の形態では、最小サイズのページである1ページ目の用紙幅w、これに直交する方向の長さで規定される画像形成領域の中に収まるように画像サイズが調整され、この調整された画像GF,GRが用紙P1〜P5のそれぞれの表裏面に形成される。
【0096】
制御部150は、2ページ目以降の用紙Pの裏面では、前ページの用紙P1よりも減った基準カット量x分だけ、用紙P2の裏面に形成される画像GRの形成位置が前ページの用紙Pの画像GRの形成位置から段差部方向にずらして形成するよう、画像形成部10等の動作を制御する。一方、2ページ目以降の用紙Pの表面では、前のページの用紙Pの裏面に形成される画像形成位置と平面的に見て同じ位置に画像GFが形成されるよう、画像形成部10等の動作を制御する。
【0097】
具体的には、2ページ目の用紙P2の裏面では、1ページ目の用紙P1よりも減らされた基準カット量x分だけ、用紙P2の裏面に形成される画像GRの形成位置が1ページ目の用紙P1の画像GF,GRの形成位置(基準O1)から段差部方向にずれた位置に形成される。一方、2ページ目の用紙P2の表面では、1ページ目の用紙P1の裏面に形成された画像GRの画像形成位置と平面的に見て同じ位置に画像GFが形成される。
【0098】
3ページ目の用紙P3の裏面では、2ページ目の用紙P2よりも減らされた基準カット量x分だけ、用紙P3の裏面に形成される画像GRの形成位置が2ページ目の用紙P2の画像GRの形成位置(基準O2)から段差部方向にずれた位置に形成される。一方、3ページ目の用紙Pの表面では、2ページ目の用紙P2の裏面に形成された画像GRの画像形成位置と平面的に見て同じ位置に画像GFが形成される。4ページ目から5ページ目についても上述した2、3ページ目と同様に画像が形成されるため、説明は省略する。
【0099】
以上説明したように、第3の実施の形態によれば、用紙Pの表面の画像形成位置を前ページの裏面の画像形成位置を基準とすることで、少なくとも2ページ目以降の表面側においては、段差部に画像が形成されないので、段差部の滑り止めとしての機能を向上させることができ、ユーザがより円滑にページを捲れるようにすることができる。また、段差部に画像が形成されないので、段差状冊子Bk3の見た目を良くすることができる。さらに、ページの裏面側においては、画像GF,GRを段差部に寄せて形成するので、綴じ処理した段差状冊子Bk3の側端部側が開きにくくなった場合でも、画像GF,GRが見難くなることを防止できる。これらの効果により、ユーザが読み易い段差状冊子Bk3を提供することができる。
【0100】
なお、本発明の技術範囲は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。上記実施の形態では、画像形成装置100の制御部150がメインとなり、他の制御部350,450と連動して製本処理制御等を行う例を説明したが、これに限定されることはなく、用紙カット装置300の制御部350や製本装置400の制御部450がメインとなって製本処理制御等を行うこともできる。
【0101】
また、上記実施の形態では、大容量給紙装置200から段差状冊子Bkを構成する用紙Pを画像形成装置100に給紙するようにしたが、画像形成装置100内に設けられた給紙部20から用紙Pを給紙するようにしても良い。
【0102】
また、上記実施の形態では、画像形成装置100、用紙カット装置300および製本装置400等のそれぞれを独立した装置により構成したが、これに限定されることはない。例えば、画像形成装置100、用紙カット装置300および製本装置400等を一体化して1つの装置として構成しても良い。また、用紙カット装置300を製本装置400内に設けた構成とすることもできる。
【0103】
さらに、
図3では、パンチ孔を穿孔する穿孔機構を省略しているが、製本装置400の集積部440の下流側に穿孔機構を設けることもできる。また、穿孔機構を穿孔装置として独立に設けても良いし、用紙カット装置300内に設けても良い。