(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6015411
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年10月26日
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G06F 1/16 20060101AFI20161013BHJP
【FI】
G06F1/16 312Z
G06F1/16 312E
【請求項の数】5
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2012-274005(P2012-274005)
(22)【出願日】2012年12月14日
(65)【公開番号】特開2014-119920(P2014-119920A)
(43)【公開日】2014年6月30日
【審査請求日】2015年8月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087480
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 修平
(72)【発明者】
【氏名】山本 康史
(72)【発明者】
【氏名】松下 真也
【審査官】
征矢 崇
(56)【参考文献】
【文献】
特開2001−117668(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2004/0096053(US,A1)
【文献】
特開平08−063260(JP,A)
【文献】
特開平10−196636(JP,A)
【文献】
国際公開第2010/113535(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F1/16
H05K5/00−5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の軸心周りに相対回転して開状態及び閉状態へ移行可能に連結された第1及び第2筐体を備えた情報処理装置であって、
前記第1筐体は、前記軸心に近い第1縁部、前記軸心から離れ前記第1縁部に対向する第2縁部、を含み、
前記第2筐体は、前記軸心に近い第3縁部、前記軸心から離れ前記第3縁部に対向する第4縁部、を含み、
前記第2及び第4縁部は、それぞれ、部分的に突出し少なくとも前記閉状態で互いに重ならない部分を有した第1及び第2突出部を含み、
前記第1突出部には、前記閉状態で該第1突出部の露出した部分に当該情報処理装置の状態を示す状態表示部が設けられ、
前記第1筐体は、フロントケースと、リアケースと、前記フロントケースと前記リアケースに挟まれることによって固定された部材と、を含み、
前記部材は、前記第2縁部を画定する、情報処理装置。
【請求項2】
所定の軸心周りに相対回転して開状態及び閉状態へ移行可能に連結された第1及び第2筐体を備えた情報処理装置であって、
前記第1筐体は、前記軸心に近い第1縁部、前記軸心から離れ前記第1縁部に対向する第2縁部、を含み、
前記第2筐体は、前記軸心に近い第3縁部、前記軸心から離れ前記第3縁部に対向する第4縁部、を含み、
前記第2及び第4縁部は、それぞれ、部分的に突出し少なくとも前記閉状態で互いに重ならない部分を有した第1及び第2突出部を含み、
前記第1突出部には、前記閉状態で該第1突出部の露出した部分に当該情報処理装置の状態を示す状態表示部が設けられ、
前記第1筐体内に設けられた発光部と、
前記第1筐体内に設けられ前記発光部の光を前記状態表示部に案内する導光部材と、を備え、
前記発光部及び導光部材は、前記第1突出部の突出方向に並んでいる、情報処理装置。
【請求項3】
前記第1筐体は、前記閉状態で前記第2筐体に重なる面を有し、
前記状態表示部は、前記第1筐体の面に沿った前記第1突出部の面に設けられている、請求項1又は2の情報処理装置。
【請求項4】
前記発光部を実装し前記第1突出部の突出方向に垂直に配置されたプリント基板を備えた請求項2の情報処理装置。
【請求項5】
前記導光部材は、前記発光部に当接し前記突出方向に垂直な受光面、前記第1突出部に当接し前記突出方向に平行な照射面、を含む、請求項4の情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
開閉可能な2つの筐体を備えた情報処理装置が知られている。特許文献1には、このような装置に着脱可能であり2つの筐体の開閉を補助する部材が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3145463号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような情報処理装置では、一方の筐体に装置の状態を表示する状態表示部が設けられている場合がある。状態表示部の位置によっては、2つの筐体が閉じた状態で状態表示部が視認しにくくなり、装置の状態の確認がしにくくなるおそれがある。
【0005】
本発明は、閉状態での状態の確認が容易な情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書に開示された情報処理装置は、所定の軸心周りに相対回転して開状態及び閉状態へ移行可能に連結された第1及び第2筐体を備えた情報処理装置であって、前記第1筐体は、前記軸心に近い第1縁部、前記軸心から離れ前記第1縁部に対向する第2縁部、を含み、前記第2筐体は、前記軸心に近い第3縁部、前記軸心から離れ前記第3縁部に対向する第4縁部、を含み、前記第2及び第4縁部は、それぞれ、部分的に突出し少なくとも前記閉状態で互いに重ならない部分を有した第1及び第2突出部を含み、前記第1突出部には、前記閉状態で該第1突出部の露出した部分に当該情報処理装置の状態を示す状態表示部が設けられ
、前記第1筐体は、フロントケースと、リアケースと、前記フロントケースと前記リアケースに挟まれることによって固定された部材と、を含み、前記部材は、前記第2縁部を画定する。
また、本明細書に開示された情報処理装置は、所定の軸心周りに相対回転して開状態及び閉状態へ移行可能に連結された第1及び第2筐体を備えた情報処理装置であって、前記第1筐体は、前記軸心に近い第1縁部、前記軸心から離れ前記第1縁部に対向する第2縁部、を含み、前記第2筐体は、前記軸心に近い第3縁部、前記軸心から離れ前記第3縁部に対向する第4縁部、を含み、前記第2及び第4縁部は、それぞれ、部分的に突出し少なくとも前記閉状態で互いに重ならない部分を有した第1及び第2突出部を含み、前記第1突出部には、前記閉状態で該第1突出部の露出した部分に当該情報処理装置の状態を示す状態表示部が設けられ、前記第1筐体内に設けられた発光部と、前記第1筐体内に設けられ前記発光部の光を前記状態表示部に案内する導光部材と、を備え、前記発光部及び導光部材は、前記第1突出部の突出方向に並んでいる。
【発明の効果】
【0007】
閉状態での状態の確認が容易な情報処理装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、ノート型コンピュータの説明図である。
【
図2】
図2は、ノート型コンピュータの説明図である。
【
図3】
図3は、ノート型コンピュータの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
ノート型コンピュータを情報処理装置の一例として説明する。
図1〜3は、本実施例のノート型コンピュータ1の説明図である。ノート型コンピュータ1は、開閉可能に連結された筐体10、20を有している。
図1は、筐体10、20が開いた開状態を示した斜視図である。
図2は、筐体10、20が閉じた閉状態を示した斜視図である。
図3は、閉状態を示した上面図である。筐体10、20はそれぞれ第1及び第2筐体の一例である。筐体10、20は、ヒンジにより軸心A周りに相対回転可能に連結されている。筐体10は、上面11、上面11と対向し後述する底面12、を含む。筐体10は、略矩形状であり、縁部13〜16を含む。縁部13、14は対向し平行である。縁部15、16は対向し平行である。縁部13、14のそれぞれは、縁部15、16のそれぞれに直交する。各縁部13、14は、各縁部15、16よりも長い。
【0010】
上面11には、ノート型コンピュータ1を操作するためのキーボードK、スイッチCS、電源スイッチPSが設けられている。キーボードKやスイッチCSは、ユーザによって操作される操作部の一例である。筐体10内には、ノート型コンピュータ1の動作全体を制御するためのマザーボードや、その他ハードディスク、バッテリ、メモリ等が収納されている。
【0011】
筐体20は、正面21、正面21と対向した背面22を含む。筐体20は、後述するディスプレイDPを収納している。ディスプレイDは、画像を表示する表示部の一例である。正面21にはディスプレイDPの画面が露出している。筐体20は、略矩形状であり、縁部23〜26を含む。縁部23、24は対向し平行である。縁部25、26は対向し平行である。縁部23、24のそれぞれは、縁部25、26のそれぞれに直交する。各縁部23、24は、各縁部25、26よりも長い。
【0012】
縁部13、23は軸心Aの近くに位置し軸心Aに沿って延びている。縁部14、24は、軸心Aから離れている。縁部14、24は、開状態で離れ、閉状態で接近する。縁部13、23は、開状態及び閉状態の何れの状態でも接近している。縁部13、14は、それぞれ第1及び第2縁部の一例である。縁部23、24は、それぞれ第3及び第4縁部の一例である。縁部14、24のそれぞれは、部分的に突出した突出部14a、24aを含む。
図2、3に示すように閉状態では、突出部14a、24aは部分的に重なり、互いに重なっていない部分を有している。突出部14a、24aは、それぞれ第1及び第2突出部の一例である。
【0013】
突出部14a、24aが閉状態で互いに重なっていない部分があることにより、ユーザはその部分をつかんで筐体10、20を容易に開閉することができる。これにより、例えばノート型コンピュータ1が薄型であり閉状態で筐体10の上面11、筐体20の正面21の隙間が狭い場合であっても、ユーザは容易にノート型コンピュータ1を開くことができる。
【0014】
図4は、
図3の突出部14aの拡大図である。
図4に示すように、閉状態で露出した突出部14aの部分には状態表示部SDが設けられている。状態表示部SDは、ノート型コンピュータ1の状態を表示する複数のインジケータが設けられている。例えば、状態表示部SDには、ハードディスクへのアクセスの状態、バッテリの残量に関する状態、電源のオンオフに関する状態、無線通信に関する状態等を表示するインジケータが設けられている。このように、閉状態でも露出する突出部14aの部分に状態表示部SDが設けられているので、ユーザは閉状態でノート型コンピュータ1の状態を容易に確認することができる。尚、突出部14aの状態表示部SDには、状態の種類に応じた5つのインジケータが記載されているが、インジケータの数は5つに限定されない。また、状態の種類は上記の例に限定されない。例えば、状態表示部SDは、ワイヤレスLANの状態、BLUETOOTH(登録商標)の通信状態、NUMLOCKの状態、CAPSLOCKの状態、スタンバイの状態等を示すインジケータを含んでもよい。
【0015】
図5は、
図4のA−A断面図である。筐体10は、上面11を画定するフロントケース10F、底面12を画定するリアケース10Rを備えている。フロントケース10F、リアケース10R内にマザーボード等が収納される。フロントケース10Fの裏面側には固定板70が固定される。フロントケース10Fの正面側の縁から突出するように部材30が配置されている。部材30は、縁部14を画定する。部材30は、固定板70に固定された基端部31、フロントケース10Fとリアケース10Rとの間から部分的に露出した先端部32、を含む。また、部材30は、上面11の略延長面上に位置する上面33を含む。先端部32の上面33は、閉状態で筐体20から露出している。この上面33に上記の状態表示部SDで表記されたインジケータが記載される。裏面35は、上面33の反対側に位置している。
【0016】
このように、筐体10の上面11に略平行な面に状態表示部SDが表記されるので、例えば筐体の横側面に設けた場合と比較して、ユーザは容易にノート型コンピュータ1の状態を確認することができる。また、上面33は若干凹部状に湾曲している。これにより、ユーザは突出部14aを押えやすくなっている。
【0017】
筐体20は、背面22を画定するリアケース20R、リアケース20Rに組み付けられパネルPを保持する枠状の額縁、を含む、パネルP及び額縁は、正面21を画定する。パネルPは、光透過性を有している。筐体20内にはDPが収納されている。部材40は、リアケース20RとパネルPとの間から部分的に突出している。部材40は、縁部24を画定する。部材40の露出した部分には、閉状態でのパネルPと上面11との接触を防止するためのゴムGが固定されている。
【0018】
筐体10内には、導光部材50、プリント基板PBが配置されている。プリント基板PBは、剛性を有したリジット基板であるが、可撓性を有したフレキシブル基板であってもよい。プリント基板PBには、LED(Light Emitting Diode)90が実装されている。LED90は、発光部の一例であり、発光部は発光するものであればLED以外であってもよい。導光部材50は、突出部14aが突出した方向DDに延びた板状部51、LED90に当接した面53、部材30の裏面35に当接した面55、を含む。方向DDは、上面11に平行な仮想面に含まれる方向である。
【0019】
導光部材50は、インジケータの数に対応した数だけの板状部51を含む。複数の板状部51は、一体に形成されている。本実施例では5つの板状部51が設けられている。複数の板状部51は、
図5の紙面の奥行及び手前方向に平行に並ぶように設けられている。即ち、縁部14に沿って複数の板状部51が並んでいる。複数の板状部51が並んだ方向に延びて複数の板状部51に連続した部分が設けられている。プリント基板PBにも各インジケータの数だけ対応したLED90が実装されている。本実施例では5つのLED90が設けられている。プリント基板PBは、マザーボードに電気的に接続され、LED90の点灯状態が制御される。LED90が照射する光は導光部材50の面53から板状部51に入射して面55から照射される。部材30は、ある程度の光透過性を有しているため、面55から光が照射されたインジケータが点灯する。
【0020】
図5に示すように、プリント基板PB、LED90、導光部材50は、部材30が突出した方向DDに並ぶように配置されている。これにより、厚みが薄い筐体10の先端部の内部空間にこれらを配置することができる。また、導光部材50の面53と面55とは略直交し、プリント基板PBは方向DDに略垂直に配置されている。これにより、LED90から照射された光を部材30の状態表示部SDへと案内することができる。面53は受光面の一例であり、面55は照射面の一例である。
【0021】
以上本発明の好ましい一実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0022】
情報処理装置は、ノート型コンピュータに限定されず、開閉可能に連結された2つの筐体を有していればよい。例えば、携帯電話、テレビ、電子辞書、PDA、ゲーム機、カメラ、音楽プレイヤ、ナビゲーション装置であってもよい。
【0023】
また、本実施例では、筐体10にキーボードK等の操作部が設けられ、筐体20にはディスプレイが設けられているがこれに限定されない。例えば、筐体10、20の双方にディスプレイを設けても良い。筐体10、20の双方にタッチパネルを備えたディスプレイを設けてもよい。筐体10にディスプレイを設け、筐体20にキーボードやスイッチ、ボタン等の操作部を設けてもよい。筐体10、20の双方に操作部を設けてもよい。また、筐体10、20は、開閉可能に連結されるものであれば、互いに分離可能なものであってもよい。
【符号の説明】
【0024】
1 ノート型コンピュータ(情報処理装置)
10、20 筐体(第1、第2筐体)
14、24 縁部(第2、第4縁部)
14a、24a 突出部(第1、第2突出部)
30 部材
33 上面
35 裏面
50 導光部材
51 板状部
53 受光面
55 照射面
90 LED(発光部)
SD 状態表示部
A 軸心
PB プリント基板