(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0022】
次に、本発明を実施するための形態を図面を参照して説明する。
図1には、本発明の実施形態に係る画像形成装置2が示されている。
図1に示されるように、画像形成装置2は画像形成装置本体10を有し、画像形成装置本体10の上部が記録媒体として用いられている用紙が排出される排出部14として用いられている。また、画像形成装置本体10内には、転写装置150と、露光装置180と、給紙装置200と、定着装置300と、像形成構造体400Y、像形成構造体400M、像形成構造体400C、及び像形成構造体400Kと、廃トナータンク500(例えば、
図4を参照)とが配置されている。また、画像形成装置本体10内には用紙の搬送に用いられる搬送路250が形成されている。
【0023】
像形成構造体400Y、像形成構造体400M、像形成構造体400C、像形成構造体400Kは、それぞれが、前側(
図1における手前側)から画像形成装置本体10に対して着脱することができるようになっている。各像形成構造体400は、それぞれが感光体ドラム404Y、感光体ドラム404M、感光体ドラム404C、感光体ドラム404Kを有する。感光体ドラム404Y、感光体ドラム404M、感光体ドラム404C、及び感光体ドラム404Kは、それぞれが潜像を保持する像保持体として用いられている。すなわち、像保持体は少なくとも潜像を保持する感光体ドラム404Y、感光体ドラム404M、感光体ドラム404C、感光体ドラム404Kは、それぞれに対して駆動が伝達されることにより、
図1に示す矢印方向に回転する。
【0024】
像形成構造体400Y、像形成構造体400M、像形成構造体400C、像形成構造体400Kは、それぞれに応じた現像剤を用いて、感光体ドラム404上に現像剤が形成される。感光体ドラム404Yにはイエローの現像剤像が、感光体ドラム404Mにはマゼンタの現像剤が、感光体ドラム404Cにはシアンの現像剤がそれぞれ形成される。像形成構造体400Y、像形成構造体400M、像形成構造体400C、及び像形成構造体400Kの詳細と、像形成構造体400Y、像形成構造体400M、像形成構造体400C、及び像形成構造体400Kを画像形成装置本体10に着脱する方法の詳細とについては後述する。
【0025】
転写装置150は、中間転写体152と、1次転写ロール154Y、1次転写ロール154M、1次転写ロール154C及び1次転写ロール154Kと、2次転写ロール158と、中間転写体152を清掃する清掃装置170とを有する。中間転写体152は、例えば無端状のベルト形状であって、支持ロール162、支持ロール164、及び支持ロール166によって支持され、各支持ロールに架け渡された状態で回転する。1次転写ロール154Y、1次転写ロール154M、1次転写ロール154C、1次転写ロール154Kには、それぞれに1次転写バイアスが印加され、感光体ドラム404Y、感光体ドラム404M、感光体ドラム404C、感光体ドラム404Kの表面に形成された各現像剤からなる像を中間転写体152に転写する。2次転写ロール158は、2次転写バイアスが印加され、中間転写体152が保持する現像剤を用紙に転写する。
【0026】
この実施形態においては、支持ロール166が中間転写体152に駆動を伝達する駆動ロールとして用いられていて、図を省略する駆動伝達機構等を介して、例えばモータ等駆動源からの駆動が伝達される。支持ロール166は、伝達された駆動により回転し、中間転写体152を
図1に示す矢印の方向に回転させる。また、この実施形態では、支持ロール166が、中間転写体152を挟んで2次転写ロール158と対向し、バックアップロールとして用いられている。また、支持ロール164が、中間転写体152にテンションを付与するテンションロールとして用いられており、支持ロール164を中間転写体152の内部方向に移動させることで、中間転写体152の張力を低減させることができる。
【0027】
清掃装置170は、例えばブレード等を用いて残留トナーや紙粉を掻き落とす等の方法で中間転写体152を清掃する。
【0028】
露光装置180は、後述する帯電装置408(
図2を参照)によって均一に帯電された感光体ドラム404Y、感光体ドラム404M、感光体ドラム404C、感光体ドラム404Kのそれぞれの表面に、レーザー光を照射することで潜像を形成する。
【0029】
定着装置300は、用紙を加熱する加熱ロール302と、加熱ロール302に用紙を加圧する加圧ロール304とを有し、熱と圧力とを用いて用紙に現像剤像を定着させる。
【0030】
給紙装置200は、用紙を収納する例えば1つの用紙収納部202と、用紙収納部202に収納された用紙を送り出す送り出しロール204とを有する。
【0031】
搬送路250は、主搬送路252と、反転搬送路254とを有する。主搬送路252は、給紙装置200から2次転写ロール158に向けて用紙を搬送し、2次転写ロール158から定着装置300に向けて用紙を搬送し、定着装置300から排出部14へ排出するように用紙を搬送する搬送路である。主搬送路252に沿って、用紙搬送方向における上流側から順に、先述の給紙装置200、レジストロール260、先述の2次転写ロール158、先述の定着装置300、及び排出ロール264が設けられている。
【0032】
レジストロール260は、2次転写ロール158に向けて搬送される用紙の先端部の2次転写ロール158側に向けての移動を一時的に停止させ、中間転写体152の現像剤像が転写された部分が2次転写ロール158の位置に到達するタイミングに合致するように、用紙の先端部の2次転写ロール158に向けての移動を再開させる。
【0033】
排出ロール264は、定着装置300で現像剤像が定着された用紙を排出部14に向けて搬送する。また、排出ロール264は、用紙を排出部14へ排出する方向と、排出部14側から反転搬送路254に用紙を搬送する方向との両方向に回転することができるようになっている。
【0034】
反転搬送路254は、一方の面に画像が形成された用紙に対して他方の面に画像を形成するために用いられる搬送路であり、排出ロール264からレジストロール260の上流側に用紙を搬送する。反転搬送路254に沿って、例えば2つの反転搬送ロール268が設けられている。一方の面に画像が形成された用紙の他方の面に画像を形成する場合は、画像が形成された用紙の後端部に排出ロール264が接触した状態で排出ロール264が逆方向に回転し、この回転により用紙を後端側から反転搬送路254へと案内し、用紙をレジストロール260へと搬送する。
【0035】
図2には、像形成構造体400Y、像形成構造体400M、像形成構造体400C、及び像形成構造体400Kの断面が示されている。像形成構造体400M、像形成構造体400C、像形成構造体400Kは用いる現像剤の色がそれぞれに異なるものの、構造は同一である。このため、以下の説明においては、特に区別をする必要がある場合を除き、像形成構造体400Y、像形成構造体400M、像形成構造体400C、像形成構造体400Kを像形成構造体400と総称して説明をする。
【0036】
図2に示すように、像形成構造体400は、先述の感光体ドラム404と、感光体ドラム404を帯電する帯電装置408と、現像装置406と、清掃装置409と有する。帯電装置408は、例えば帯電ロールを有し、感光体ドラム404の表面を均一に帯電する。現像装置406は、現像ロール407を有し、現像ロール407で現像剤を感光体ドラム404に供給し、感光体ドラム404の表面に形成された潜像を現像剤によって現像する。
【0037】
図3は、画像形成装置2の斜視図である。
図2に示すように画像形成装置本体10の前側には、画像形成装置本体10に対して着脱することができるようにカバー部材18が装着されている。カバー部材18は、例えば像形成構造体400を交換する等、画像形成装置2のメンテナンスをする際に画像形成装置本体10から取り外される。カバー部材18を設けることに替えて、画像形成装置本体10に対して開閉することができるように開閉部を設け、この開閉部を開けて画像形成装置2をメンテナンスするようにしても良い。
【0038】
図4には、カバー部材18(
図3を参照)を取り外した状態にある画像形成装置本体10が前側から示されている。
図4に示すように、カバー部材18が取り外されると、画像形成装置本体10の前側の側面には開口部20が形成される。そして、廃トナータンク500は開口部20により、画像形成装置本体10内から取り出すことができるようになる。また、開口部20により、画像形成装置本体10内に廃トナータンク500を装着することができるようになる。
【0039】
廃トナータンク500は、像形成構造体400Y、像形成構造体400M、像形成構造体400C及び像形成構造体400Kから排出され、廃棄されるトナーを回収するために用いられる容器である。また、廃トナータンク500は、清掃装置170によって中間転写体152から除去されたトナーも併せて回収するようになっている。また、廃トナータンク500は、画像形成装置2に対する着脱体として用いられていて、画像形成装置本体10に対して、画像形成装置本体10の1つの側面である前側の側面(カバー部材18が取り付けられている側面、
図2を参照)と交わる方向に着脱することができるようになっている。より具体的には、廃トナータンク500は、
図3における前側から奥側へと移動させるようにして画像形成装置本体10に対して装着することができ、
図3における奥側から前側へと引き出すように画像形成装置本体10から取り外すことができるようになっている。なお、廃トナータンク500はABS等の樹脂で成型されている。
【0040】
また、廃トナータンク500は、係合爪502と係合爪504とを有する(係合爪502、係合爪504に関して
図7も参照)。そして、画像形成装置本体10に形成された爪係合部22に係合爪502が係合し、画像形成装置本体10に形成された爪係合部24に係合爪504が係合することに、廃トナータンク500は画像形成装置本体10に対して装着される。係合爪502、係合爪504等を用いて画像形成装置本体10に装着されるものの、廃トナータンク500は、例えば前側に傾く等、画像形成装置本体10内で回転するように移動する虞がある。
【0041】
画像形成装置本体10の、カバー部材18を取り外した際に露出する前側の側面には、固定用ハンドル26が画像形成装置本体10に対して回転することができるように取り付けられている。固定用ハンドル26は、廃トナータンク500を前側から押さえ込むようにして廃トナータンク500の前側の面に接触し、廃トナータンク500が画像形成装置本体10から取り外れることを阻止している。廃トナータンク500を画像形成装置本体10から取り出す場合には、固定用ハンドル26を
図4の矢印の方向に回転させて、
図5に示す状態とすることで、固定用ハンドル26を廃トナータンク500から非接触な離間した状態とする。廃トナータンク500の詳細は後述する。
【0042】
図5には、
図4に示す状態からさらに廃トナータンク500を取り外した状態の画像形成装置2が示さている。
図5に示されているように、廃トナータンク500が配置されている位置よりも後側(
図4及び
図5における奥側)には、先述の像形成構造体400Y、像形成構造体400M、像形成構造体400C及び像形成構造体400Kが配置されている。像形成構造体400Y、像形成構造体400M、像形成構造体400C及び像形成構造体400Kは、廃トナータンク500を画像形成装置本体10から取り外すことによって形成される空間を介して、後側に押し込むようにして画像形成装置本体10に対して装着される。また、像形成構造体400Y、像形成構造体400M、像形成構造体400C及び像形成構造体400Kは、廃トナータンク500を画像形成装置本体10から取り外すことによる形成される空間を介して、前側に引き出すようにしてこの空間を通過して画像形成装置本体10から取り外される。
【0043】
換言すると、像形成構造体400Y、像形成構造体400M、像形成構造体400C及び像形成構造体400Kは、画像形成装置本体10から廃トナータンク500を取り外さない限り、廃トナータンク500と干渉し、画像形成装置本体10に対して装着することができず、画像形成装置本体10から取り外すことができないようになっている。
【0044】
また、さらに
図5に示すように、画像形成装置本体10は案内面28Y及び案内部材30Yを有する。案内面28Y及び案内部材30Yは、画像形成装置本体10への像形成構造体400Yの挿入を正規の取付け位置まで導く案内機構32Yを構成している。案内面28Y及び案内部材30Yは、画像形成装置本体10における前側から後側まで略水平方向に延びていて、像形成構造体400Yを重力方向下方から支持しつつ、像形成構造体400Yの前後方向の移動を案内する。
【0045】
また、画像形成装置本体10は、案内面28M、案内面28C、案内面28K案内部材30M、案内部材30C、及び案内部材30Kを有する。案内面28M及び案内部材30Mは、画像形成装置本体10への像形成構造体400Mの挿入を案内する案内機構32Mを構成している。また、案内面28C及び案内部材30Cは、画像形成装置本体10への像形成構造体400Cの挿入を案内する案内機構32Cを構成している。また、案内面28K及び案内部材30Kは、画像形成装置本体10への像形成構造体400Kの挿入を案内する案内機構32Kを構成している。案内面28M、案内面28C、及び案内面28Kの構造は案内面28Yと同様であり、案内部材30M、案内部材30C、及び案内部材30Kの構造は案内部材30Yと同様である。
【0046】
また、画像形成装置本体10には、像形成構造体400Yを押圧する第1板バネ34Y、像形成構造体400Mを押圧する第1板バネ34M、像形成構造体400Cを押圧する第1板バネ34C、及び像形成構造体400Kを押圧する第1板バネ34Kが取り付けられている。第1板バネ34Y、第1板バネ34M、第1板バネ34C、及び第1板バネ34Kの詳細は後述する。
【0047】
また、画像形成装置本体10は、係合部40Y、係合部40M、係合部40C、及び係合部40Kを有する。係合部40Y、係合部40M、係合部40C、及び係合部40Kの詳細は後述する。
【0048】
図6には、
図5に示す状態から、像形成構造体400Y、像形成構造体400M、像形成構造体400C、及び像形成構造体400Kをさらに取り外した画像形成装置2の状態が示さている。
【0049】
図7は、廃トナータンク500を後側から示した斜視図である。
図5に示すように、廃トナータンク500には、先述の係合爪502と係合爪504とが形成されている。また、廃トナータンク500の後側の面には、回収孔508Y、回収孔508M、回収孔508C、及び回収孔508Kが形成されている。回収孔508Y、回収孔508C、及び回収孔508Kには、像形成構造体400Yから排出された廃トナー等、像形成構造体400Mから排出された廃トナー等、像形成構造体400Cから排出された廃トナー等、及び像形成構造体400Kから排出された廃トナー等がそれぞれに搬送される。また、廃トナータンク500の後側の面には、回収孔510が形成されている。回収孔510には、清掃装置170によって中間転写体152の表面から除去されたトナーや紙粉等が搬送される。
【0050】
また、廃トナータンク500は、平面514Yを有している。廃トナータンク500を画像形成装置本体10に装着された状態で平面514Yは略水平な面であり、後述する軸受部材410Y(
図11を参照)が予め定められた方向(
図12に示す矢印dの方向)に移動することができる距離が予め定められた距離未満となるように軸受部材410Yの移動を規制する規制部として用いられている。また、廃トナータンク500は、平面514M、平面514C、及び平面514Kを有している。平面514M、平面514C、及び平面514Kは、それぞれが廃トナータンク500を画像形成装置本体10に装着された状態で略水平な面である。
【0051】
そして、平面514Mは、後述する軸受部材410Mが予め定められた方向に移動することができる距離が予め定められた距離未満となるように軸受部材410Mの移動を規制する規制部として用いられており、平面514Cは、後述する軸受部材410Cが予め定められた方向に移動することができる距離が予め定められた距離未満となるように軸受部材410Cの移動を規制する規制部として用いられており、平面514Kは、後述する軸受部材410Kが予め定められた方向に移動することができる距離が予め定められた距離未満となるように軸受部材410Kの移動を規制する規制部として用いられている。
【0052】
図8には、画像形成装置本体10に対して、像形成構造体400Mが装着される途中の状態が前側から拡大して示されている。より具体的には、
図8には、画像形成装置本体10の前側から画像形成装置本体10の後側に向けて移動中であるものの、画像形成装置本体10への装着が未だに完了していない状態にある像形成構造体400Mが示されている。
図8に示すように、画像形成装置本体10は、先述の案内面28Mと、先述の案内部材30Mと、先述の第1板バネ34Mと、先述の係合部40Mとを有する。また、
図8に示すように、画像形成装置本体10は、画像形成装置本体10に像形成構造体400Mが装着された際に像形成構造体400Mを位置決めするために用いられる位置決め部44Mを有する。
【0053】
図8にさらに示すように、像形成構造体400Mは、像形成構造体400M内から廃トナーを排出する際に用いられるトナー排出部430Mを有する。トナー排出部430Mは、円筒形状であって、像形成構造体400Mの前側の側面から前側に突出するように形成されている。また、トナー排出部430Mには、重力方向下向きに廃トナーを排出するためのトナー排出孔432M(
図10参照)が形成されている。そして、像形成構造体400M及び廃トナータンク500が画像形成装置本体10に装着された状態においてトナー排出孔432Mが廃トナータンク500内に位置した状態となるように、トナー排出部430Mが回収孔508M(
図7参照)に挿入される。
【0054】
また、像形成構造体400Mは、案内部材30Mに案内される第1被案内面440M、及び、案内面28Mに案内される第2被案内面442を有する。第1被案内面440M及び第2被案内面442Mはともに重力方向における略下向きの面であり、像形成構造体400Mの前側から後側に渡って略水平に延びている。第1被案内面440Mは、案内部材30Mに重力方向下方から支持されるようにして案内部材30Mに案内される。また、第2被案内面442Mは、案内面28Mに重力方向下側から支持されるようにして案内面28Mに案内される。
【0055】
像形成構造体400Mを画像形成装置本体10へと装着する際には、第1被案内面440Mの後端側が案内部材30Mに下側から支持され、第2被案内面442Mの後端側が案内面28Mに下側から支持されるように像形成構造体400Mを画像形成装置本体10に対して移動させた後、像形成構造体400Mを画像形成装置本体10の後側へと押し込む操作がなされる。
【0056】
また、像形成構造体400Mは、軸受部材410Mを有する。軸受部材410Mは、係合部40Mに噛み合う被係合部450Mを有する被係合部材として用いられている。なお、軸受部材410Mは、感光体ドラム404Mの中心を貫通する軸を回転する軸受である。
【0057】
図9及び
図10には、画像形成装置本体10に対して像形成構造体400Mの装着が完了した状態が示されており、
図9には、画像形成装置本体10に対して装着された像形成構造体400Mが前側から拡大して示され、
図10には、画像形成装置本体10に装着された像形成構造体400Mが
図9における矢印A−A方向から示されている。ここで、矢印A−A方向は、第1板バネ34Mと後述する第2板バネ36Mとが像形成構造体400Mを押圧する方向と垂直な方向となっている。
図9及び
図10に示された画像形成装置本体10に対して像形成構造体400Mが装着された状態は、
図8に示された状態にある像形成構造体400Mを、後側へと押し込むことにより実現される。
図10における矢印cは、像形成構造体400Mが画像形成装置本体10に対して押し込まれる方向を示している。
【0058】
図9及び
図10に示すように、画像形成装置本体10には、先述の第1板バネ34Mが装着されているとともに、第2板バネ36Mが装着されている。また、第1板バネ34Mは画像形成装置本体10の前側(
図10における左側)に、第2板バネ36Mは画像形成装置本体10における後側(
図10における右側)に配置されている。また、第1板バネ34Mと第2板バネ36Mとで、案内機構32Mによる案内で像形成構造体400Mが画像形成装置本体10に装着されることに連動し、係合部40Mと被係合部450Mとが係合するように、像形成構造体400Mを係合部40Mの方向に押圧する押圧機構33Mが構成されている。
【0059】
第1板バネ34Mは、例えば金属等を材質とする板状部材を折り曲げるようにして弾性力を有するよう構成されていて、後側が画像形成装置本体10に固定されていて、前側に位置する折り曲げ部35Mが像形成構造体400Mに接触し、像形成構造体400Mを
図10に矢印aで示すように重力方向上方に向けて押し上げている。第2板バネ36Mは、第1板バネ34Mと同様に例えば金属等を材質とする板状部材を折り曲げるように形成されていて、後端部37Mが画像形成装置本体10に固定されていて、前側に位置する折り曲げ部38Mが像形成構造体400Mに接触し、像形成構造体400Mを、
図10に矢印bで示すように前方斜め上側に向けて押し上げるように押圧している。
【0060】
図8に示す状態から矢印cの方向に像形成構造体400Mが押し込まれると、像形成構造体400Mが押し込まれる過程で、第1板バネ34Mと第2板バネ36Mとが像形成構造体400Mに接触し、第1板バネ34Mと第2板バネ36Mとよって像形成構造体400Mが上方に押し上げられることで、像形成構造体400Mは移動する。そして、像形成構造体400Mが移動することにより、
図9に示すように、第1被案内面440Mは案内部材30Mから離間し、第2被案内面442Mは案内面28Mから離間する。
【0061】
また、像形成構造体400Mが移動することにより、像形成構造体400Mの被案内面440Mと対向する対向面444Mが案内部材30Mに接触し、像形成構造体400Mの前側上端部446Mが位置決め部44Mに接触する。そして、第1板バネ34Mと第2板バネ36Mとによって像形成構造体400Mが押し上げられることで、対向面444Mが案内部材30Mに押し付けられ、前側上端部446が位置決め部44Mへと押し付けられることで、像形成構造体400Mが画像形成装置本体10に対して位置決めされる。
【0062】
また、像形成構造体400Mが移動することで、被係合部450Mが係合部40Mに接触し、被係合部450Mと係合部40Mとが噛み合う。そして、被係合部450Mと係合部40Mとが互いに噛み合うことで、像形成構造体400Mの画像形成装置本体10に対する装着が完了された状態となる。第1板バネ34Mと第2板バネ36Mとで、被係合部450Mと係合部40Mとが噛み合う方向へ像形成構造体400Mを移動させる。
【0063】
図11には、軸受部材410Mが示されている。軸受部材410Mは、一部分が像形成構造体400Mの本体の外側に配置されるように像形成構造体400Mの前側の側面に、装着して用いられていて(
図8及び
図9を参照)、感光体ドラム404Mの軸を回転可能に支持している。なお、感光体ドラム404Mは軸に対して固定されており、軸が回転することにより感光体ドラム404Mも回転する。また、軸受部材410Mは、先述のように被係合部450Mを有するとともに、前側に突出するように形成された突出部412Mを有している。そして、突出部412Mには、対向面414Mが形成されている。対向面414Mの詳細は後述する。
【0064】
図12は
図10において点線で囲んだ部分を拡大して示した図であり、
図12には、画像形成装置本体10が有する係合部40Mと、像形成構造体400Mが有する被係合部450Mとが互いに噛み合った状態が拡大して示されている。
図12に示すように、係合部40Mは係合爪41Mを有する。係合爪41Mは係合部40Mから下側に伸びるように形成されていて、さらに先端部に後側に突出するように突起が形成されている。また、被係合部450Mは、係合爪41Mに接触する被係合爪452Mを有する。被係合爪452Mは、被係合部450Mの本体から上側に突出するように形成されている。像形成構造体400Mが画像形成装置本体10に装着された状態において、像形成構造体400Mが第1板バネ34Mによって矢印a方向に押され(
図10も参照)、第2板バネ36Mによって矢印b方向に押されることで(
図10も参照)、被係合爪452Mが係合爪41Mに押し付けられ、被係合部450Mと係合部40Mとが互いに噛み合った状態となる。
【0065】
ここで、係合爪41Mと被係合爪452Mとが上下方向において重なっている長さ、すなわち係合爪41Mと被係合爪452Mとで構成される連結機構におけるそれぞれの爪の掛かり量は、長さL1となっている。このため、被係合部450Mを
図12に矢印dで示す方向である被係合爪452が係合爪41Mから離間させる方向に距離L1以上移動させると、被係合爪452Mが係合爪41Mから離間し、被係合部450Mと係合部40Mとの係合が解除される。すなわち、像形成構造体400Mを画像形成装置本体10から取り外す際には、像形成構造体400Mの前側を矢印d方向に距離L1以上押し下げて、被係合部450Mと係合部40Mとの係合を解除することを要する。
【0066】
図13には、画像形成装置本体10に像形成構造体400M及び廃トナータンク500が装着された状態の一部が正面側から拡大して示されている。
図13における矢印dは、
図12と同様に被係合部450Mと係合部40Mとの係合を解除させるために像形成構造体400Mを移動させるべき方向を示している。
【0067】
図13に示されているように、廃トナータンク500の平面514Mと、軸受部材410Mの対向面414Mとの距離は距離L2となっている。そして、距離L2は距離L1よりも短くなっている。すなわち、画像形成装置本体10に像形成構造体400M及び廃トナータンク500が正規の位置に装着された状態において、対向面414Mと平面514との距離L2は、被係合部450Mと係合部40Mとの係合を解除するために、像形成構造体400Mを移動させることを要する距離L1よりも短くなっている。さらには、対向面414Mと平面514との矢印d方向における距離L3も距離L1よりも短くなっている。
【0068】
このため、例えば移動中の振動等の影響で像形成構造体400Mが重力方向や矢印d方向に移動したとしても、対向面414Mと平面514とが接触することにより、像形成構造体400Mは距離L1以上移動することができないため、廃トナータンク500が画像形成装置本体10に装着されている限りにおいて、被係合部450Mと係合部40Mとの係合は解除されない。なお、廃トナータンク300は、像形成構造体400Mの移動を阻止する剛性を有している。
【0069】
以上で説明をしたように、本発明の実施形態に係る画像形成装置2においては、係合部40Mに噛み合う被係合部450Mが設けられた部材である軸受部材410Mそのものの移動を、平面514を軸受部材410Mの移動の軌跡と干渉する位置に配置することにより規制している。このため、被係合部450Mが設けられた部材そのものではなく、像形成構造体400Mを構成する他の部材(例えば、トナー排出部430M)によって像形成構造体400Mの移動を規制する場合と比較して、係合部Mと被係合部450Mとの噛み合いが外れにくい。何故ならば、複数の部品を介して像形成構造体の移動を規制する場合、複数の部品を介すことにより、それぞれの部品の公差が累積してしまい、結果として係合部Mと被係合部450Mとの噛み合いが外れやすい場合が生じる虞がある。
【0070】
また、像形成構造体400Mが画像形成装置本体10に装着された状態において、対向面414Mは平面514Mと略平行となっている。すなわち、対向面Mと平面514Mとが点で接触するのではなく面で接触するため、像形成構造体400Mが画像形成装置本体10に装着された状態において係合部40Mの位置を中心に回転したとしても、回転にともない対向面414Mの両端部のいずれかが平面514Mに接触し、像形成構造体400Mの回転が所定の角度内に抑えられる。このため、像形成構造体400Mが所定の角度以上回転することで、係合部40Mと被係合部450Mとの係合が解除されるとの虞が少なくなる。
【0071】
また、平面514Mは、矢印dで示す被係合部450Mと係合部40Mとの係合を解除させるために像形成構造体400Mを移動させるべき方向と垂直な面ではなく、重力方向と水平な面となっている。
また、軸受部材410Mは、感光体ドラム404Mの軸を支持するため、像形成構造体400Mの他の部品と比較しても、高い剛性を有している。
また、軸受部材410Mが係合部40Mに噛み合うことで、像形成構造体400Mが位置決めされるとともに、
図12のa方向への移動が規制されている。すなわち、感光体ドラム404Mが駆動により
図12のa方向への力を受けた場合であっても、軸受部材410Mと係合部40Mとで感光体ドラム404Mの移動を抑制できる。
また、ハンドル26は、像形成構造体400Mが取り外される方向と直交する方向に、廃トナータンク500が取り外されることを阻止している。
【0072】
以上の説明では、像形成構造体400Mを例として示して、像形成構造体400の構成、像形成構造体400を画像形成装置本体10に着脱するための構成、及び像形成構造体400の画像形成装置本体10に対する着脱動作について説明をしたものの、像形成構造体400Y、像形成構造体400C、及び像形成構造体400Kにおける像形成構造体400の構成、像形成構造体400を画像形成装置本体10に装着するための構成、及び像形成構造体400の画像形成装置本体10への着脱動作は、像形成構造体400Mと同様である。