(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
工程(1)で用いる反応溶媒が、メタノール、エタノール、2−プロパノールから選ばれることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の架橋インデニル化合物の精製方法。
前記一般式(I)中、Qは、ジアルキルシリレン基又はジアルキルゲルミレン基であることを特徴とする、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の架橋インデニル化合物の精製方法。
【背景技術】
【0002】
産業上非常に重要なポリマー資材であるポリオレフィンは、チーグラー・ナッタ触媒により工業的に大規模に生産されてきたが、最近では、チーグラー・ナッタ触媒に比べて、触媒活性が高く、特異な立体規則性をもたらし、分子量分布を狭くし得るなど優位なメタロセン触媒が汎用されている。
【0003】
メタロセン触媒を形成するメタロセン錯体は、基本的には、その前駆体となる配位子化合物から合成される。触媒性能の高さから、メタロセン錯体として最も広く知られているインデニルメタロセン錯体は、架橋インデニル化合物が配位子化合物として用いられている。(例えば、特許文献1を参照)
【0004】
架橋インデニル化合物は、通常、対応するインデン化合物とジアルキルジクロロシランなどの架橋試剤とを反応させて合成されるが、架橋インデニル化合物からメタロセン錯体を合成する際には、未反応のインデン化合物などの不純物を除去するための精製工程が必要となる。
【0005】
工業的に利用されている精製技術としては、有機溶媒を用いた再結晶する方法が挙げられるが、架橋インデニル化合物の精製は必ずしも容易でない。
その理由は以下の通りである。再結晶化は汎用技術であるが、この手法は精製したい化合物の溶媒に対する溶解度が比較的低いことが必要である。しかし、利用価値の高い架橋インデニル化合物は、工業的に用いられる溶媒に易溶であるため、目的とする架橋インデニル化合物が十分析出せず、再結晶によって効率的に精製を行うことは難しかった。
【0006】
この問題に対して、メタロセン錯体の配位子化合物として、1,2−エチレンビスインデニル化合物を異性化し、溶解度を変化させたうえで再結晶して精製する方法が知られている(特許文献2を参照)。
この方法は、インデニル部分の二重結合の位置の異なる異性体混合物をテトラヒドロフラン溶液中塩基で処理することにより、熱力学的に安定な異性体に収束させて、テトラヒドロフランをヘキサンに交換して再結晶する方法であるが、ケイ素又はゲルマニウム架橋基と結合するインデニル環上の炭素原子の不斉に起因する2種の異性体混合物については、本方法により処理しても、ほとんど異性体比は変化しないことから、該架橋インデニル化合物の収率は不十分であった。
【0007】
一方、ジメチルシリレン架橋型の架橋インデニル化合物については、ケイ素と結合するインデニル環上の炭素原子の不斉に起因する異性体が存在し、それらが高温下で異性化する反応が知られている(非特許文献1を参照)。
しかしながら、この異性化反応が、特許文献1に挙げられるような架橋インデニル化合物でも進行するのかは不明であった。
【0008】
以上の従来技術の状況からして、特に、ポリマーの融点や分子量などをも高くすることができる、メタロセン錯体として最も広く知られている架橋インデニルメタロセン錯体に用いる架橋インデニル化合物、とりわけケイ素又はゲルマニウム架橋基と結合するインデニル化合物のような再結晶による精製が困難な化合物について、汎用的に使用でき、簡易で容易な手法によりかつ収率が高く工業的に利用できて、該架橋インデニル化合物の単離が充分に行える分離精製方法の実現が望まれている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
前述した背景技術における問題点を鑑みて、ポリマーの融点や分子量などをも高くすることができる、メタロセン錯体として最も広く知られている架橋インデニルメタロセン錯体に用いる架橋インデニル化合物、とりわけケイ素又はゲルマニウム架橋基と結合するインデニル化合物のような、再結晶による精製が困難な化合物であっても汎用的に使用でき、簡易で容易な手法によりかつ収率が高く工業的に利用できて、該架橋インデニル化合物の単離が充分に行える分離精製方法の実現を、本願発明の解決すべき課題とするものである。
【0012】
本願の発明者は、この課題を解決するために、溶解度差による分離法や分離剤を使用する化学的な分離法などにおいて多々の思考を重ね、多面的な実験的検討の過程において、化学反応による化学的な手法を援用した溶解度差による分離精製が上記の課題の解決のために有効であると認知した。
かかる観点からの考察と試行の結果として、ケイ素原子又はゲルマニウム原子で架橋した架橋インデニル化合物においては、特定の塩基化合物を作用させることで、該架橋インデニル化合物の異性体間の異性化反応を進行することができ、その結果その溶解度を改善することができて、簡易でありながら非常に有効に該架橋インデニル化合物を分離し得る、分離精製方法を見い出すことができ、本願発明を創作するに至った。
【0013】
即ち、ケイ素原子又はゲルマニウム原子で架橋した架橋インデニル化合物においては、下図式に示すように、ケイ素又はゲルマニウムと結合するインデニル環上の炭素原子の不斉に起因する異性体が存在する。これら2種の異性体は、溶媒への溶解度など化合物として異なる性質を示す。
【0014】
【化1】
【0015】
ここで、本願発明の基本的な特徴は、上記の2種の異性体間の異性化反応を、塩基化合物を作用させることで進行させ、溶解度の相対的に低い異性体に変換することで、効率的に結晶化させることにより単離する、架橋インデニル化合物の精製方法を構成とするものである。
また、当該方法で分離精製された架橋インデニル化合物は、メタロセン錯体を合成する際には、適切なメタル化反応により、異性体生成の起因となる不斉源が消失した同一のジメタル化架橋インデニル化合物に誘導されるため、いずれの異性体からも同一のメタロセン錯体を合成することができる。
【0016】
本願発明は、具体的には、ケイ素原子又はゲルマニウム原子で架橋した架橋インデニル化合物において、特定の塩基化合物を作用させることで、その溶解度を改善することによって、簡易でありながら非常に有効に架橋インデニル化合物を単離することを本質的な特徴とする。
【0017】
更に、本願発明は、架橋インデニル化合物と反応させる塩基化合物や再結晶法の溶媒或いは本願発明を適用できる架橋インデニル化合物における置換基の種類やそれらの位置と置換基数、及び架橋基などをも詳細に規定するものである。
【0018】
したがって、本願発明は次の発明群から構成され、基本発明[1]を中心に実施態様の発明ないしは応用発明の[2]〜[6]からなる。
【0019】
[1]本願発明の第1の発明によれば、一般式が下記の式(I)で表される架橋インデニル化合物を含む混合物について、下記の工程(1)及び(2)の操作を行うことによって、架橋インデニル化合物を分離することを特徴とする、架橋インデニル化合物の精製方法が提供される。
【0020】
【化2】
【0021】
[ここで、R
1とR
11は、互いに同じでも異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数6〜30のアリール基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキル基を有するアミノ基及び5から10員環の複素環置換基である。
R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
12、R
13、R
14、R
15、R
16は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、置換基を有していてもよい炭素数6〜30のアリール基及び、5から10員環の複素環置換基である。
Qは、置換基を有する2価のシリレン基又は、置換基を有する2価のゲルミレン基であり、2個のインデニル環を架橋する基を表す。]
工程(1) 式(I)の化合物を塩基化合物と反応させる工程
工程(2) 工程(1)で得られた反応混合物から、再結晶あるいは固液分離によって式(I)で表される化合物を単離する工程
【0022】
[2]本願発明の第2の発明によれば、第1の発明において、塩基化合物が、アルカリ金属アルコキシドであることを特徴とする、架橋インデニル化合物の精製方法が提供される。
[3]本願発明の第3の発明によれば、第1又は2の発明において用いる反応溶媒が、メタノール、エタノール、2−プロパノールから選ばれることを特徴とする、架橋インデニル化合物の精製方法が提供される。
[4]本願発明の第4の発明によれば、第1〜3の発明において、R
1とR
11の片方又は両方は、必ず、フリル基、チエニル基、置換基を有するフリル基又は置換基を有するチエニル基のいずれかであることを特徴とする、架橋インデニル化合物の精製方法が提供される。
[5]本願発明の第5の発明によれば、第1〜4の発明において、R
3とR
13の片方又は両方は、置換基を有していてもよい炭素数6〜30のアリール基又は5から10員環の複素環置換基であることを特徴とする、架橋インデニル化合物の精製方法が提供される。
[6]本願発明の第6の発明によれば、第1〜5の発明において、Qは、ジアルキルシリレン基又はジアルキルゲルミレン基であることを特徴とする、架橋インデニル化合物の精製方法が提供される。
【0023】
ところで、本願発明は、ケイ素又はゲルマニウム架橋基と結合するインデニル環上の炭素原子の不斉に起因する2種の異性体混合物において、異性体間の特定溶媒中における溶解度の差を利用し、簡易でありながら非常に収率が高く有効に純度の高い架橋インデニル化合物を単離する方法である。
即ち、上記異性体混合物に、この不斉炭素上の水素を脱プロトン化するに十分な塩基性化合物を含む特定溶媒を作用させることで、溶解性の低い異性体が選択的に析出し、更に、特定溶媒相中における不斉炭素上の塩基−プロトン交換反応(平衡反応)により、溶解性の高い異性体が、シクロペンタジエニルアニオン構造を有する中間体を経由し、再度プロトン化されることで、溶解性の低い異性体に変化し、選択的に析出することにより、結果として純度の高い架橋インデニル化合物を、容易に効率的に単離が可能となるものである。
【発明の効果】
【0024】
本願発明の架橋インデニル化合物の分離精製方法は、ケイ素原子又はゲルマニウム原子で架橋した架橋インデニル化合物に汎用的に使用可能で、高い収率で該架橋インデニル化合物を精製することができる。
また、本発明の精製方法は、簡易で容易な手法により経済的であるので、工業化に有効な利用が可能である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
1.架橋インデニル化合物
本願発明で精製されるべき架橋インデニル化合物は、一般式が下記(I)式で表される化合物である。
【0027】
[ここで、R
1とR
11(2−,2´−の位置)は、互いに同じでも異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数6〜30のアリール基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキル基を有するアミノ基及び5から10員環の複素環置換基である。
R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
12、R
13、R
14、R
15、R
16は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、置換基を有していてもよい炭素数6〜30のアリール基及び、5から10員環の複素環置換基である。
Qは、置換基を有する2価のシリレン基又は、置換基を有する2価のゲルミレン基であり、2個のインデニル環を架橋する基を表す。]
【0028】
上述の炭素数1〜10のアルキル基の例示としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチルなど、好ましくはメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、t−ブチル、n−ヘキシルが挙げられる。より好ましいものは炭素数1〜4のアルキル基である。
【0029】
置換基を有していてもよい炭素数6〜30のアリール基の例示としては、基本骨格としてフェニル、ビフェニリル、ナフチル、アントラセニル基が挙げられる。
更に、それらの骨格上に、ハロゲン原子、アルキル基、シリル基、アルコキシ基などを有していてもよい。
具体的には、o−、m−、p−フルオロフェニル、o−、m−、p−クロロフェニル、o−、m−、p−ブロモフェニル、2,4−、3,5−、2,6−、2,5−ジフルオロフェニル、2,4−、3,5−、2,6−、2,5−ジクロロフェニル、2,4,6−トリフルオロフェニル、2,4,6−トリクロロフェニル、ペンタフルオロフェニル、ペンタクロロフェニル、4−フルオロナフチル、4−クロロナフチル、2,4−ジフルオロナフチル、ヘプタフルオロ−1−ナフチル、ヘプタクロロ−1−ナフチル、o−、m−、p−トリフルオロメチルフェニル、o−、m−、p−トリクロロメチルフェニル、2,4−、3,5−、2,6−、2,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル、2,4−、3,5−、2,6−、2,5−ビス(トリクロロメチル)フェニル、2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)フェニル、4−トリフルオロメチルナフチル、4−トリクロロメチルナフチル、2,4−ビス(トリフルオロメチル)ナフチルなどの、ハロゲン化アリール基、トリル、ジメチルフェニル、エチルフェニル、トリメチルフェニル、メチルビフェニリル、メチルナフチルなどの、アルキル置換アリール基、2−、3−、4−トリメチルシリルフェニル、2−、3−、4−t−ブチルジメチルシリルフェニル、2−、3−、4−ジフェニルメチルシリルフェニル、2−、3−、4−ジメチルフェニルシリルフェニル、トリメチルシリルトリル、4−トリメチルシリル−1−ナフチル、6−トリメチルシリル−1−ナフチル、4−トリメチルシリル−2−ナフチル、6−トリメチルシリル−2−ナフチル、4−t−ブチルジメチルシリル−2−ナフチル、6−t−ブチルジメチルシリル−2−ナフチルなどの、置換シリル基を有するアリール基、メトキシフェニル、フェノキシフェニルなどの、アルコキシ基を有するアリール基が挙げられる。
【0030】
炭素数2〜10のアルケニル基の例示としては、ビニル、プロペニル、アリル、ブテニル、シクロヘキセニルなどを挙げることができる。
【0031】
炭素数1〜6のアルコキシ基の例示としては、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、i−ブトキシ、tert−ブトキシ、フェノキシなどを挙げることができる。
【0032】
炭素数1〜6のアルキル基を有するアミノ基の例示としては、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジイソプロピルアミノ、ピロリジニルなどを挙げることができる。
【0033】
5から10員環の複素環置換基の例示としては、ピリジン環、チオフェン環、フラン環、ピロール環、オキサゾール環、イソキサゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、ピラゾール環、フラザン環、チアジアゾール環、オキサジアゾール環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、インドール環、イソインドール環、インダゾール環、クロメン環、キノリン環、イソキノリン環、シンノリン環、キナゾリン環、キノキサリン環、ナフチリジン環、フタラジン環、プリン環、プテリジン環、チエノフラン環、イミダゾチアゾール環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、ベンズオキサゾール環、ベンズチアゾール環、ベンズチアジアゾール環、ベンズイミダゾール環、イミダゾ[1、2−a]ピリジン環、ピロロピリジン環、ピロロピリミジン環、ピリドピリミジン環などが挙げられる。
好ましくは、ピリジン環、チオフェン環、フラン環、キノリン環、キナゾリン環、ベンゾフラン環から任意の位置の水素原子を1除いて誘導される一価の基を挙げることができ、それらに更に置換基を有してしてもよい。
その中でも好ましくは、フリル基、チエニル基、置換基を有するフリル基又は置換基を有するチエニル基が挙げられ、特に、2−フリル、2−(5−メチルフリル)、2−チエニル、2−(5−メチルチエニル)基が好ましく挙げられる。
【0034】
Qは置換基を有する2価のシリレン基又は置換基を有する2価のゲルミレン基であり、置換基を有するシリレン基の具体例としては、メチルシリレン、ジメチルシリレン、ジエチルシリレン、ジn−プロピルシリレン、ジi−プロピルシリレン、ジシクロヘキシルシリレンなどのアルキルシリレン基、メチル(フェニル)シリレン、メチル(トリル)シリレンなどのアルキル(アリール)シリレン基、ジフェニルシリレンなどのアリールシリレン基、テトラメチルジシリレンなどのアルキルオリゴシリレン基などが挙げられる。
シリレン基の例示のうち、ケイ素原子がゲルマニウム原子に置換された架橋基であってもよい。架橋基部分が環状構造を有する基の具体例としてはシラフルオレン基、シラシクロアルキレン基が挙げられる。
【0035】
R
1とR
11としては、水素原子或いは、炭素数1〜10のアルキル基、5から10員環の複素環置換基が好ましく、水素原子、メチル、2−フリル、2−(5−メチルフリル)、2−チエニル、2−(5−メチルチエニル)基が更に好ましく、特に2−フリル、2−(5−メチルフリル)、2−チエニル、2−(5−メチルチエニル)基が好ましい。
R
1とR
11の片方又は両方は、フリル基、チエニル基、置換基を有するフリル基又は置換基を有するチエニル基のいずれかであることが好ましい。
R
2、R
6、R
12、R
16は、水素原子或いは、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、特に水素原子が好ましい。
【0036】
R
3とR
13としては、置換基を有していてもよい炭素数6〜30のアリール基が好ましい。
R
3とR
13の片方又は両方は、置換基を有していてもよい炭素数6〜30のアリール基又は、5から10員環の複素環置換基のいずれかであることが好ましい。
【0037】
R
4、R
5、R
14、R
15としては、水素原子或いは、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、特に水素原子、メチル基が好ましい。
【0038】
式(1)で表される架橋インデニル化合物の具体例を以下に示す。
(1)ビス(4−フェニル−1−インデニル)ジメチルシラン
(2)ビス{4−(4−ビフェニリル)−1−インデニル}ジメチルシラン
(3)ビス{4−(2−ナフチル)−1−インデニル}ジメチルシラン
(4)ビス{4−(4−クロロフェニル)−1−インデニル}ジメチルシラン
(5)ビス{4−(4−メチルフェニル)−1−インデニル}ジメチルシラン
(6)ビス{4−(4−イソプロピルフェニル)−1−インデニル}ジメチルシラン
(7)ビス{4−(4−t−ブチルフェニル)−1−インデニル}ジメチルシラン
(8)ビス{4−(4−トリメチルシリルフェニル)−1−インデニル}ジメチルシラン
(9)ビス{4−(2−クロロ−4−ビフェニリル)−1−インデニル}ジメチルシラン
(10)ビス{4−(2−メチル−4−ビフェニリル)−1−インデニル}ジメチルシラン
(11)ビス{4−(2−クロロ−4−ビフェニリル)−1−インデニル}ジメチルシラン
(12)ビス{4−(4−クロロ−2−ナフチル)−1−インデニル}ジメチルシラン
【0039】
(13)ビス(2−メチル−4−フェニル−1−インデニル)ジメチルシラン
(14)ビス{2−メチル−4−(4−ビフェニリル)−1−インデニル}ジメチルシラン
(15)ビス{2−メチル−4−(2−ナフチル)−1−インデニル}ジメチルシラン
(16)ビス{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−1−インデニル}ジメチルシラン
(17)ビス{2−メチル−4−(4−メチルフェニル)−1−インデニル}ジメチルシラン
(18)ビス{2−メチル−4−(4−イソプロピルフェニル)−1−インデニル}ジメチルシラン
(19)ビス{2−メチル−4−(4−t−ブチルフェニル)−1−インデニル}ジメチルシラン
(20)ビス{2−メチル−4−(4−トリメチルシリルフェニル)−1−インデニル}ジメチルシラン
(21)ビス{2−メチル−4−(2−クロロ−4−ビフェニリル)−1−インデニル}ジメチルシラン
(22)ビス{2−メチル−4−(2−メチル−4−ビフェニリル)−1−インデニル}ジメチルシラン
(23)ビス{2−メチル−4−(2−クロロ−4−ビフェニリル)−1−インデニル}ジメチルシラン
(24)ビス{2−メチル−4−(4−クロロ−2−ナフチル)−1−インデニル}ジメチルシラン
【0040】
(25)ビス(2−エチル−4−フェニル−1−インデニル)ジメチルシラン
(26)ビス{2−エチル−4−(4−ビフェニリル)−1−インデニル}ジメチルシラン
(27)ビス{2−エチル−4−(2−ナフチル)−1−インデニル}ジメチルシラン
【0041】
(28)ビス(2−(5−メチル−2−フリル)−4−フェニル−1−インデニル)ジメチルシラン
(29)ビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−(4−ビフェニリル)−1−インデニル}ジメチルシラン
(30)ビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−(2−ナフチル)−1−インデニル}ジメチルシラン
(31)ビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−(4−クロロフェニル)−1−インデニル}ジメチルシラン
(32)ビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−(4−メチルフェニル)−1−インデニル}ジメチルシラン
(33)ビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−(4−イソプロピルフェニル)−1−インデニル}ジメチルシラン
(34)ビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−(4−t−ブチルフェニル)−1−インデニル}ジメチルシラン
(35)ビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−(4−トリメチルシリルフェニル)−1−インデニル}ジメチルシラン
(36)ビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−(2−クロロ−4−ビフェニリル)−1−インデニル}ジメチルシラン
(37)ビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−(2−メチル−4−ビフェニリル)−1−インデニル}ジメチルシラン
(38)ビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−(2−クロロ−4−ビフェニリル)−1−インデニル}ジメチルシラン
(39)ビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−(4−クロロ−2−ナフチル)−1−インデニル}ジメチルシラン
(40)ビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−(4−メトキシフェニル)−1−インデニル}ジメチルシラン
(41)ビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−(4−ジメチルアミノフェニル)−1−インデニル}ジメチルシラン
【0042】
(42)ビス(2−(5−メチル−2−フリル)−4−フェニル−5−メチル−1−インデニル)ジメチルシラン
(43)ビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−(4−ビフェニリル)−5−メチル−1−インデニル}ジメチルシラン
(44)ビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−(2−ナフチル)−5−メチル−1−インデニル}ジメチルシラン
(45)ビス(2−(5−メチル−2−フリル)−4−フェニル−5−メチル−1−インデニル)メチルフェニルシラン
【0043】
(46)ビス(2−(5−メチル−2−フリル)−4−フェニル−5−メチル−1−インデニル)シラフルオレン
(47)ビス(2−(5−メチル−2−フリル)−4−フェニル−5−メチル−1−インデニル)ジメチルゲルマンなどが例示できる。
【0044】
上記の例示では、シランの代わりにゲルマンも例示でき、また架橋インデニル化合物として、インデニル環の対応する炭素上に同一の置換基を有する対称型の架橋ビスインデニル化合物を挙げたが、異なる置換基を有する非対称型の架橋インデニル化合物であってもよい。
【0045】
2.工程(1)
本願発明では、式(1)の化合物を塩基化合物と反応させる工程を経由する。
(a)塩基化合物
本願発明の主題となる塩基化合物は、式(1)の架橋インデニル化合物と反応できるものであれば特に限定されないが、好ましくは該塩基化合物の共役酸が示すpKaが25以上であることが望ましい。シクロペンタジエン構造を有する化合物の共役酸が示すpKaは、およそ17から22(DMSO中で測定された値)であることが、Journal of Organic Chemistry、 1980年、 45巻、3,325頁やJournal of the American Chemical Society、1983年、105巻、6,188頁に開示されている。このため、該塩基化合物の共役酸が示すpKaが25以上であれば、架橋インデニル化合物の脱プロトン化反応を十分に進行させることができる。
該塩基化合物の更に好ましい具体例として、アルカリ金属アルコキシドが挙げられ、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムt−ブトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、カリウムt−ブトキシドが、特に好ましく挙げられる。
塩基化合物の使用量は、架橋インデニル化合物に対して通常0.01〜0.9倍mol、好ましくは0.01〜0.5倍mol、特に好ましくは0.01〜0.1倍molである。
【0046】
(b)溶媒
この反応で用いる溶媒は、該塩基化合物を溶解するものであれば限定されないが、その具体例としては、例えばトルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、クメン、ブチルベンゼン、イソブチルベンゼン、t−ブチルベンゼン、ペンチルベンゼン、ヘキシルベンゼンなどのアルキル置換芳香族炭化水素類、例えばフルオロベンゼン、ジフルオロベンゼン、トリフルオロベンゼン、テトラフルオロベンゼン、ペンタフルオロベンゼン、ヘキサフルオロベンゼン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、テトラクロロベンゼン、ペンタクロロベンゼン、ヘキサクロロベンゼン、ブロモベンゼン、ジブロモベンゼン、トリブロモベンゼン、テトラブロモベンゼン、ペンタブロモベンゼン、ヘキサブロモベンゼン、ヨードブロモベンゼン、ジヨードベンゼン、トリヨードベンゼン、テトラヨードベンゼン、ペンタヨードベンゼン、ヘキサヨードベンゼン、クロロナフタレン、ジクロロナフタレン、フルオロトルエン、クロロトルエン、ブロモトルエン、ヨードトルエンなどのハロゲン置換芳香族炭化水素類、例えばアニソール、エトキシベンゼン、プロピルオキシベンゼン、ブトキシベンゼン、ペンチルオキシベンゼン、ヘキシルオキシベンゼンなどのアルコキシ置換芳香族炭化水素類、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、ウンデカノール、ドデカノール、トリデカノール、テトラデカノール、ペンタデカノール、ヘキサデカノール、ベンジルアルコールなどのアルコール類、例えばアセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ヘキサノン、シクロヘキシルアセトン、アセトフェノン、プロピオフェノン、アセトインなどのケトン類、例えばジメチルエーテル、メチルエチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4−ジオキサン、シクロペンチルフェニルエーテルなどのエーテル類、の有機溶媒が挙げられる。
【0047】
これら溶媒は、反応基質の種類、反応温度或いは目的とする反応時間等によって適宜選択され、単独で用いても二種以上適宜組み合わせて用いてもよい。
この中でも、アルキル置換芳香族炭化水素類、エーテル類、アルコール類が好ましく挙げられ、更に好ましくは、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、メタノール、エタノール、プロパノールが好ましく、特に、メタノール、エタノール、2−プロパノールが好ましい。
【0048】
(c)反応
反応を行う温度は、低温(例えば溶媒系の凝固点)から用いる溶媒系の沸点の範囲(混合溶媒系では、反応実施する溶媒組成が示す沸点)で任意に選択することができる。
本願発明の反応方法に於いて、用いる反応基質の溶媒に対する濃度は、溶解する範囲で任意に選択することができる。
反応に用いる架橋インデニル化合物を含む混合物とは、架橋インデニル化合物を合成する際に得られる架橋インデニル化合物(目的化合物、異性体の混合物である場合を含む。)、副生成物、未反応基質などを含む混合物である。
架橋インデニル化合物と塩基化合物との反応により、架橋インデニル化合物が選択的、優先的に溶媒に不溶な化合物に変化する(異性化する場合を含む。)。
【0049】
4.工程(2)
工程(1)で得られた反応混合物から、再結晶或いは固液分離によって架橋インデニル化合物を単離する工程である。
(a)再結晶
再結晶は、基本的に通常の方法により実施される。再結晶に使用される有機溶媒としては、特に限定されないが、具体的には、トルエン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、キシレン、テトラヒドロフラン(THF)、ジメトキシエタン(DME)、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メタノール、エタノール、などが挙げられ、またこれらの混合物を用いることもできる。
得られた反応混合物の溶液を、必要により加温して、溶媒に溶解させた後、溶媒を蒸発により濃縮する、又は冷却することで所望の架橋インデニル化合物が析出し、分離ができる。
結晶化は−78℃から200℃、好ましくは−30℃から110℃、特に好ましくは−15℃から30℃で行なわれる。
【0050】
(b)固液分離
析出後の分離は固液分離することができる。場合によっては、工程(1)の反応中に、所望の架橋インデニル化合物が析出し、そのまま分離できることがある。その場合、上記に述べた再結晶を行わずに精製が可能である。固液分離には、デカンテーション、ろ過など公知の手段を行うことができる。
【実施例】
【0051】
以下、本願発明を実施例に基づいて更に詳細に説明するが、以下の実施例は本願発明とその効果をより明瞭にするために、好ましい実施の例示を行うものである。
なお、以下の諸例において、反応工程は、全て精製窒素雰囲気下で行い、溶媒は、モレキュラーシーブMS−4Aで脱水した後に精製窒素でバブリングし脱気して使用した。
【0052】
[実施例1]
本発明の効果をビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−(4−イソプロピルフェニル)−1−インデニル}ジメチルシランの合成、精製を通じて検証した。
1−1.架橋インデニル化合物の合成
ビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−(4−イソプロピルフェニル)−1−インデニル}ジメチルシランの粗生成物は、特開2009−299045号公報の実施例11に記載の方法を参考に合成した。
500mlのガラス製反応容器に、2−(5−メチル−2−フリル)−4−(4−i−プロピルフェニル)−インデン12.9g(41mmol)、THF150mlを加え、ドライアイス−メタノール浴で−40℃まで冷却した。ここに1.67mol/Lのn−ブチルリチウム−ヘキサン溶液27ml(45mmol)を滴下し、そのまま3時間撹拌した。再び−40℃まで冷却し、1−メチルイミダゾール0.33ml(4.1mmol)、ジメチルジクロロシラン2.6g(20mmol)を順に加え、徐々に室温に戻しながら2時間攪拌した。反応液に蒸留水を加え、分液ロートに移し食塩水で中性になるまで洗浄し、硫酸ナトリウムを加え反応液を乾燥させた。
硫酸ナトリウムを濾過し、溶媒を減圧留去すると、ビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−(4−イソプロピルフェニル)−1−インデニル}ジメチルシランの粗生成物が得られた。この粗生成物中の異性体比は50:50であった。
【0053】
1−2.塩基との反応による精製
得られた粗生成物に、エタノール300mlとt−ブトキシカリウム80mg(0.7mmol)を加え室温で一晩攪拌した(工程(1))。
その後、析出物をろ過し(工程(2))、エタノールで洗浄することにより、純粋なビス(2−(5−メチル−2−フリル)−4−(4−i−プロピルフェニル)−インデニル)ジメチルシランの無色結晶12.1g(収率86%)を得た。得られたものの異性体比はほぼ100:0であった。
【0054】
[実施例2]
本発明の効果をビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−(3,5−ジメチルフェニル)−1−インデニル}ジメチルシランの合成、精製を通じて検証した。
2−1.架橋インデニル化合物の合成
200mlのガラス製反応容器に、2−(5−メチル−2−フリル)−4−(3,5−ジメチルフェニル)−インデン1.62g(5.2mmol)、THF35mlを加え、−5℃まで冷却した。ここに1.63mol/Lのn−ブチルリチウム−ヘキサン溶液3.2ml(5.2mmol)を滴下し、室温で3時間撹拌した。再び−5℃まで冷却し、1−メチルイミダゾール4.2l(0.05mmol)、ジメチルジクロロシラン0.31ml(2.6mmol)を順に加え、徐々に室温に戻しながら30分間攪拌した。反応液に蒸留水を加え、分液ロートに移し食塩水で中性になるまで洗浄し、硫酸ナトリウムを加え反応液を乾燥させた。
硫酸ナトリウムを濾過し、溶媒を減圧留去すると、ビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−(3,5−ジメチルフェニル)−1−インデニル}ジメチルシランの粗生成物が得られた。この粗生成物中の異性体比は50:50であった。
【0055】
2−2.塩基との反応による精製
得られた粗生成物(1.1g,1.59mmol)に、エタノール20mlとt−ブトキシカリウム5.3mg(0.048mmol)を加え室温で一晩攪拌した(工程(1))。その後、析出物をろ過し(工程(2))、エタノールで洗浄することにより、純粋なビス(2−(5−メチル−2−フリル)−4−(3,5−ジメチルフェニル)−インデニル)ジメチルシランの無色結晶0.69g(収率63%)を得た。得られたものの異性体比はほぼ63:37であった。
【0056】
[比較例1]
ビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−(4−イソプロピルフェニル)−1−インデニル}ジメチルシランの塩基との反応を用いない再結晶
実施例1と同様にして、ビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−(4−イソプロピルフェニル)−1−インデニル}ジメチルシランの粗生成物を合成した。
この粗生成物を、ヘキサン(30ml)で再結晶を行うと、ビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−(4−イソプロピルフェニル)−1−インデニル}ジメチルシランの無色結晶2.0g(収率22%)を得た。
【0057】
[比較例2]
ビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−(3,5−ジメチルフェニル)−1−インデニル}ジメチルシランの塩基との反応を用いない再結晶
実施例2と同様にして、ビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−(3,5−ジメチルフェニル)−1−インデニル}ジメチルシランの粗生成物を合成した。
この粗生成物(0.69g)を、ヘキサン(2ml)で再結晶を行ったが、目的物は析出せず、単離精製することはできなかった。
【0058】
[実施例と比較例の対比]
上記の実施例と比較例の対比からして、本願発明の架橋インデニル化合物の分離精製方法は、分離が非常に有効に行え所望の架橋インデニル化合物を高い純度で得ることができる。
そして、本願発明は、簡易で容易な手法により、経済的に有利に利用し得ることも明らかにされている。