(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6015462
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年10月26日
(54)【発明の名称】電動式ディスクブレーキ装置の組付方法
(51)【国際特許分類】
F16D 65/18 20060101AFI20161013BHJP
F16D 65/00 20060101ALI20161013BHJP
F16D 121/24 20120101ALN20161013BHJP
F16D 125/40 20120101ALN20161013BHJP
【FI】
F16D65/18
F16D65/00 E
F16D121:24
F16D125:40
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-9079(P2013-9079)
(22)【出願日】2013年1月22日
(65)【公開番号】特開2014-141983(P2014-141983A)
(43)【公開日】2014年8月7日
【審査請求日】2015年12月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】301065892
【氏名又は名称】株式会社アドヴィックス
(74)【代理人】
【識別番号】110000213
【氏名又は名称】特許業務法人プロスペック特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】影平 晃司
(72)【発明者】
【氏名】立入 良一
【審査官】
佐々木 佳祐
(56)【参考文献】
【文献】
特開2008−064314(JP,A)
【文献】
特開2007−040462(JP,A)
【文献】
特開2004−308697(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16D 49/00−71/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気モータから減速機構およびねじ機構を介して伝達される動力によって摩擦パッドが駆動されてディスクロータが挟持されるように構成されている電動式ディスクブレーキ装置の組付方法であり、
前記電気モータと前記減速機構を支持する第1ハウジングを有するとともに、前記電気モータから前記減速機構を介して伝達される動力によって回転駆動される駆動軸を有するアクチュエータ組立体と、前記ねじ機構のねじ軸を回転可能かつ軸方向にて移動不能に支持する第2ハウジングを有していて、前記ねじ機構を介して伝達される動力によって前記摩擦パッドに相当する部材が駆動されて前記ディスクロータに相当する部材が挟持されるように構成されているキャリパ組立体とを、前記駆動軸と前記ねじ軸を同軸的かつトルク伝達可能に嵌合することで組み合わせる第1工程と、
この第1工程の後に、前記第1ハウジングと前記第2ハウジングとを、締結ねじを仮締めすることにより、前記駆動軸と前記ねじ軸の径方向にて移動可能な状態で仮固定する第2工程と、
この第2工程の後に、前記電気モータから前記減速機構および前記ねじ機構を介して伝達される動力により前記摩擦パッドに相当する部材を駆動して前記ディスクロータに相当する部材を所定の力で挟持させる第3工程と、
この第3工程の後に、前記第1ハウジングと前記第2ハウジングとを、前記締結ねじを本締めすることにより、一体的に固定する第4工程と、
を有する電動式ディスクブレーキ装置の組付方法。
【請求項2】
請求項1に記載の電動式ディスクブレーキ装置の組付方法において、
前記第1工程にて前記駆動軸と前記ねじ軸が嵌合される際には、前記駆動軸が前記電気モータにより回転されていることを特徴とする電動式ディスクブレーキ装置の組付方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の電動式ディスクブレーキ装置の組付方法において、
前記第4工程の実行時には、前記ディスクロータに相当する部材が前記摩擦パッドに相当する部材により所定の力で挟持されていることを特徴とする電動式ディスクブレーキ装置の組付方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動式ディスクブレーキ装置の組付方法に関し、特に、電気モータから減速機構およびねじ機構を介して伝達される動力によって摩擦パッドが駆動されてディスクロータが挟持されるように構成されている電動式ディスクブレーキ装置の組付方法に関する。
【背景技術】
【0002】
上記したように構成されている電動式ディスクブレーキ装置は、例えば、下記の特許文献1に記載されている。下記の特許文献1に記載されている電動式ディスクブレーキ装置では、電気モータと減速機構(遊星歯車機構)を支持する第1ハウジングを有するとともに、前記電気モータから前記減速機構を介して伝達される動力によって回転駆動される駆動軸を有するアクチュエータ組立体と、ねじ機構(回転を軸方向移動に変換する機構)のねじ軸を回転可能かつ軸方向にて移動不能に支持する第2ハウジングを有していて、前記ねじ機構を介して伝達される動力によって摩擦パッドが駆動されてディスクロータが挟持されるように構成されているキャリパ組立体とが、前記第1ハウジングと前記第2ハウジングにて、締結ねじを用いて一体的に連結されていて、前記駆動軸と前記ねじ軸が同軸的かつトルク伝達可能に嵌合されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−183723号公報
【発明の概要】
【0004】
上記特許文献1に記載されている電動式ディスクブレーキ装置では、アクチュエータ組立体における駆動軸とキャリパ組立体におけるねじ軸の軸ずれ(軸心の不一致)が、構成部品単体の製作精度と組付精度による影響を受けている。ところで、上記した軸ずれが生じると、減速機構(遊星歯車機構)やねじ機構にて偏荷重がそれぞれ発生して、減速機構(遊星歯車機構)やねじ機構での動力伝達効率がそれぞれ低下するおそれがある。上記した軸ずれは、構成部品単体の製作精度と組付精度を高めることにより低減することが可能である。しかし、構成部品単体の製作精度と組付精度を高めるためには、加工時間や組付時間が増大する等してコスト増となる。
【0005】
本発明は、上記した課題を解消すべくなされたものであり、
電気モータから減速機構およびねじ機構を介して伝達される動力によって摩擦パッドが駆動されてディスクロータが挟持されるように構成されている電動式ディスクブレーキ装置の組付方法であり、
前記電気モータと前記減速機構を支持する第1ハウジングを有するとともに、前記電気モータから前記減速機構を介して伝達される動力によって回転駆動される駆動軸を有するアクチュエータ組立体と、前記ねじ機構のねじ軸を回転可能かつ軸方向にて移動不能に支持する第2ハウジングを有していて、前記ねじ機構を介して伝達される動力によって前記摩擦パッドに相当する部材(摩擦パッド自体であっても、摩擦パッドに代わるものであってもよい)が駆動されて前記ディスクロータに相当する部材(ディスクロータ自体であっても、ディスクロータに代わるものであってもよい)が挟持されるように構成されているキャリパ組立体とを、前記駆動軸と前記ねじ軸を同軸的かつトルク伝達可能に嵌合することで組み合わせる第1工程と、
この第1工程の後に、前記第1ハウジングと前記第2ハウジングとを、締結ねじを仮締めすることにより、前記駆動軸と前記ねじ軸の径方向にて移動可能な状態で仮固定する第2工程と、
この第2工程の後に、前記電気モータから前記減速機構および前記ねじ機構を介して伝達される動力により前記摩擦パッドに相当する部材を駆動して前記ディスクロータに相当する部材を所定の力で挟持させる第3工程と、
この第3工程の後に、前記第1ハウジングと前記第2ハウジングとを、前記締結ねじを本締めすることにより、一体的に固定する第4工程と、
を有する。
【0006】
上記した本発明による電動式ディスクブレーキ装置の組付方法では、第3工程の実行によってねじ機構に所望の軸力を発生させることが可能であり、同軸力によってねじ機構におけるねじ軸のセンタリングが可能である。また、ねじ軸のセンタリングに伴って、駆動軸がセンタリングされるとともに、減速機構にて自動調心作用が得られる。また、第4工程の実行によって第3工程後の状態(ねじ軸と駆動軸がセンタリングされ、減速機構が自動調心された状態)が保持(維持)される。
【0007】
したがって、本発明では、ねじ軸と駆動軸の軸ずれを、構成部品単体の製作精度や組付精度を高めることなく、低コストにて低減することが可能である。このため、本発明では、減速機構やねじ機構での動力伝達効率のロスを低コストにて軽減することが可能であり、アクチュエータ組立体(電気モータ、減速機構、第1ハウジング等)の小型・軽量化も可能である。
【0008】
上記した本発明の実施に際して、前記第1工程にて前記駆動軸と前記ねじ軸が嵌合される際には、前記駆動軸が前記電気モータにより回転されていることも可能である。この場合には、駆動軸とねじ軸の回転位相(駆動軸とねじ軸を嵌合させる際の回転位置)を容易に一致させることが可能であり、第1工程に要する組付時間の短縮が可能である。
【0009】
また、上記した本発明の実施に際して、前記第4工程の実行時には、前記ディスクロータに相当する部材が前記摩擦パッドに相当する部材により所定の力で挟持されていること(第3工程の実行時と同様に電気モータの駆動状態が維持されていること)も可能である。この場合には、第4工程の実行時にも、ねじ軸と駆動軸のセンタリング作用と、減速機構の自動調心作用が得られて、ねじ軸と駆動軸の軸ずれが再発することを的確に防止することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明による電動式ディスクブレーキ装置の組付方法を実施可能な電動式ディスクブレーキ装置の一実施形態を示した分解斜視図である。
【
図2】
図1に示した電動式ディスクブレーキ装置の中央縦断側面図である。
【
図3】
図1に示した電動式ディスクブレーキ装置の組付時における第1工程を説明するための中央縦断側面図である。
【
図4】
図1に示した電動式ディスクブレーキ装置の組付時における第2工程後に実施される第3工程と第4工程を説明するための中央縦断側面図である。
【
図6】
図5に示した遊星歯車機構の右側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明による電動式ディスクブレーキ装置の組付方法を実施可能な可動キャリパ型電動式ディスクブレーキ装置100の一実施形態を示したものである。この電動式ディスクブレーキ装置100は、常用兼駐車ブレーキ装置であり、アクチュエータ組立体10と、キャリパ組立体20と、一対の締結ねじ30を備えている。
【0012】
アクチュエータ組立体10は、
図1および
図2に示したように、電気モータ11と減速機構12を支持するアクチュエータハウジング(第1ハウジング)13を有するとともに、電気モータ11から減速機構12を介して伝達される動力によって回転駆動される駆動軸14を有している。電気モータ11は、減速機構12の遊星歯車機構12aに対して並列的に配置されている。減速機構12は、遊星歯車機構12aと歯車列12bによって構成されている。
【0013】
遊星歯車機構12aは、
図5および
図6に拡大して概略的に示したように、サンギヤ12a1を入力要素とし、遊星キャリア12a2を出力要素とし、リングギヤ12a3を固定要素とするものであり、
図2に示したように、アクチュエータハウジング13内にて駆動軸14に対して同軸的に配置されている。なお、遊星キャリア12a2には、4個の遊星ギヤ12a4が組付けられている。各遊星ギヤ12a4は、サンギヤ12a1とリングギヤ12a3に噛合している。
【0014】
歯車列12bは、電気モータ11の回転駆動力を遊星歯車機構12aのサンギヤ12a1に伝達するものであり、電気モータ11の出力軸(図示省略)に一体的に組付けた入力歯車(図示省略)と、サンギヤ12a1に対して同軸的に組付けた出力歯車12b1(
図2参照)と、入力歯車(図示省略)と出力歯車12b1間に配置されてアクチュエータハウジング13によって回転自在に支持される中間歯車(図示省略)によって構成されている。駆動軸14は、遊星キャリア12a2の軸心部に一体的に組付けられていて、先端部(
図2および
図6の右端部)外周には外スプライン14a(
図6参照)が形成されている。
【0015】
キャリパ組立体20は、駆動軸14の回転を軸方向移動に変換するねじ機構21と、このねじ機構21とピストン22を支持する可動キャリパ(第2ハウジング)23を有するとともに、一対の摩擦パッド24(インナパッドとアウタパッド)を支持するマウンティング25を有している。ねじ機構21は、ピストン22に対して同軸的に組付けられていて、ねじ軸21aとナット部材21bを備えている。
【0016】
ねじ軸21aは、可動キャリパ23によって回転可能かつ軸方向にて移動不能に支持されていて、
図2左端部軸心には駆動軸14の外スプライン14aがスプライン嵌合可能な内スプライン21a1が形成されており、
図2左端部外周にはクリップ26が組付けられている。ナット部材21bは、ねじ軸21aとピストン22間に配置されていて、ピストン22に対してテーパ嵌合可能(同軸的に当接可能)に構成されている。なお、ピストン22、可動キャリパ(第2ハウジング)23、一対の摩擦パッド24、マウンティング25等の構成は周知のものであるため、詳細な説明は省略する。
【0017】
ところで、この実施形態においては、以下に詳述する組付方法の第1工程から第4工程を経てアクチュエータ組立体10とキャリパ組立体20が、一対の締結ねじ30を用いて一体的に組付けられている。また、この実施形態においては、アクチュエータハウジング(第1ハウジング)13に円筒状のアクチュエータインロー部13aが設けられ、可動キャリパ(第2ハウジング)23に円筒状のキャリパインロー部23aが設けられていて、キャリパインロー部23aにシールリング(Oリング)27が組付けられている。
【0018】
シールリング(Oリング)27は、アクチュエータ組立体10とキャリパ組立体20が一体的に組付けられる際に、アクチュエータインロー部13aとキャリパインロー部23a間に介在するように構成されている。また、シールリング(Oリング)27は、アクチュエータインロー部13aとキャリパインロー部23a間にて弾性変形可能であり、その弾性変形により、アクチュエータインロー部13a(第1ハウジング)とキャリパインロー部23a(第2ハウジング)とを、駆動軸14とねじ軸21aの径方向にて移動可能としている。
【0019】
この実施形態における組付方法の第1工程は、
図3に示した状態を経て、アクチュエータ組立体10とキャリパ組立体20とを、駆動軸14とねじ軸21aを同軸的かつトルク伝達可能に嵌合することで組み合わせる工程である。この第1工程では、駆動軸14の外スプライン14aとねじ軸21aの内スプライン21a1がスプライン嵌合されるとともに、アクチュエータインロー部13aとキャリパインロー部23aがシールリング(Oリング)27を介して嵌合される。
【0020】
この第1工程にて、駆動軸14とねじ軸21aが嵌合される際には、駆動軸14が電気モータ11により回転されていることも可能である。この場合には、駆動軸14とねじ軸21aの回転位相(駆動軸14とねじ軸21aを嵌合させる際の回転位置)を容易に一致させることが可能であり、第1工程に要する組付時間の短縮が可能である。
【0021】
この実施形態における組付方法の第2工程は、上記した第1工程の後に、アクチュエータハウジング(第1ハウジング)13と可動キャリパ(第2ハウジング)23とを、一対の締結ねじ30を仮締めすることにより、駆動軸14とねじ軸21aの径方向にて移動可能な状態で仮固定する工程である。
【0022】
また、組付方法の第3工程は、上記した第2工程の後に、電気モータ11から減速機構12とねじ機構21とピストン22等を介して伝達される動力(電気モータ11を通電により作動させることによって得られる駆動力)により摩擦パッド24に相当する部材(摩擦パッド自体であっても、摩擦パッドに代わるものであってもよい)をディスクロータ40の軸方向に駆動してディスクロータ40に相当する部材(ディスクロータ自体であっても、ディスクロータに代わるものであってもよい)を所定の力で挟持させる工程(
図4参照)である。
【0023】
この第3工程の実施後には、アクチュエータハウジング(第1ハウジング)13と可動キャリパ(第2ハウジング)23とを、一対の締結ねじ30を本締めすることにより、一体的に固定する第4工程が実施されて、アクチュエータ組立体10とキャリパ組立体20の組付が完了する。
【0024】
上記したこの実施形態の組付方法では、上記した第3工程の実行によってねじ機構21に所望の軸力を発生させることが可能であり、同軸力によってねじ機構21におけるねじ軸21aのセンタリングが可能である。また、ねじ軸21aのセンタリングに伴って、駆動軸14がセンタリングされるとともに、減速機構12の遊星歯車機構12aにて自動調心作用が得られる。また、上記した第4工程の実行によって第3工程後の状態(ねじ軸21aと駆動軸14がセンタリングされ、減速機構12の遊星歯車機構12aが自動調心された状態)が保持(維持)される。
【0025】
なお、駆動軸14がセンタリングされるとともに、減速機構12の遊星歯車機構12aにて自動調心作用が得られるときに、アクチュエータハウジング(第1ハウジング)13が、可動キャリパ(第2ハウジング)23に対して、ねじ軸21aと駆動軸14の径方向に移動する際には、アクチュエータインロー部13aとキャリパインロー部23a間にてシールリング(Oリング)27が弾性変形する。
【0026】
したがって、この実施形態では、ねじ軸21aと駆動軸14の軸ずれを、構成部品単体の製作精度や組付精度を高めることなく、低コストにて低減することが可能である。このため、この実施形態では、減速機構12やねじ機構21での動力伝達効率のロスを低コストにて軽減することが可能であり、アクチュエータ組立体10(電気モータ11、減速機構12、第1ハウジング13等)の小型・軽量化も可能である。
【0027】
上記した第4工程の実行時には、ディスクロータ40に相当する部材が摩擦パッド24に相当する部材により所定の力で挟持されていること(第3工程の実行時と同様に電気モータ11の駆動状態が維持されていること)も可能である。この場合には、第4工程の実行に際しても、ねじ軸21aと駆動軸14のセンタリング作用と、減速機構12における遊星歯車機構12aの自動調心作用が得られて、ねじ軸21aと駆動軸14の軸ずれが再発することを的確に防止することが可能である。
【0028】
なお、上記した電動式ディスクブレーキ装置100では、常用ブレーキとして使用する場合において、電気モータ11の駆動力によるブレーキ力が得られなくて、可動キャリパ23とピストン22間に形成される液圧室Rに供給される液圧によるブレーキ力のみが得られるように設定されている。また、上記した電動式ディスクブレーキ装置100では、駐車ブレーキとして使用する場合において、上記した液圧によるブレーキ力が得られなくて、電気モータ11の駆動力によるブレーキ力のみが得られるように設定されている。
【0029】
上記した実施形態においては、第1工程にて駆動軸14とねじ軸21aが嵌合される際に、駆動軸14が電気モータ11により回転されるように設定して実施したが、駆動軸14が電気モータ11により回転されないように設定して実施することも可能である。また、上記した実施形態においては、第4工程の実行時にも、電気モータ11が駆動されて、ディスクロータ40に相当する部材が摩擦パッド24に相当する部材により所定の力で挟持されるように設定して実施したが、第4工程の実行時には、電気モータ11の駆動が停止されるように設定して実施することも可能である。
【0030】
また、上記した実施形態においては、アクチュエータハウジング(第1ハウジング)13と可動キャリパ(第2ハウジング)23とを、一対の締結ねじ30にて固定するように構成して実施したが、アクチュエータハウジング(第1ハウジング)13と可動キャリパ(第2ハウジング)23とを固定する締結ねじ(30)の個数は適宜設定可能であり、1本であっても、3本以上であっても実施可能である。
【符号の説明】
【0031】
10…アクチュエータ組立体、11…電気モータ、12…減速機構、12a…遊星歯車機構、12b…歯車列、13…アクチュエータハウジング(第1ハウジング)、14…駆動軸、20…キャリパ組立体、21…ねじ機構、21a…ねじ軸、21b…ナット部材、22…ピストン、23…可動キャリパ(第2ハウジング)、24…摩擦パッド(インナパッドとアウタパッド)、25…マウンティング、26…クリップ、27…シールリング(Oリング)、30…締結ねじ、40…ディスクロータ、100…電動式ディスクブレーキ装置、R…液圧室