特許第6015524号(P6015524)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6015524粘性物質成形用ノズル装置及び該装置を備えたバンド式乾燥装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6015524
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年10月26日
(54)【発明の名称】粘性物質成形用ノズル装置及び該装置を備えたバンド式乾燥装置
(51)【国際特許分類】
   C02F 11/00 20060101AFI20161013BHJP
   F26B 17/00 20060101ALI20161013BHJP
   C02F 11/12 20060101ALI20161013BHJP
   B09B 3/00 20060101ALI20161013BHJP
   B09B 5/00 20060101ALI20161013BHJP
【FI】
   C02F11/00 AZAB
   F26B17/00 Z
   C02F11/12 B
   B09B3/00 303Z
   B09B3/00 303M
   B09B5/00 E
   B09B5/00 Z
【請求項の数】2
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-71761(P2013-71761)
(22)【出願日】2013年3月29日
(65)【公開番号】特開2014-195755(P2014-195755A)
(43)【公開日】2014年10月16日
【審査請求日】2015年8月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004123
【氏名又は名称】JFEエンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100127845
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 壽彦
(72)【発明者】
【氏名】山口 真人
(72)【発明者】
【氏名】礒部 佳人
(72)【発明者】
【氏名】後藤 信義
(72)【発明者】
【氏名】山本 誠
(72)【発明者】
【氏名】松井 威喜
【審査官】 岡田 三恵
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−024678(JP,A)
【文献】 特開2013−000712(JP,A)
【文献】 特開2012−005932(JP,A)
【文献】 特開2012−179591(JP,A)
【文献】 実開昭53−092761(JP,U)
【文献】 特開昭59−066302(JP,A)
【文献】 特開2000−024486(JP,A)
【文献】 米国特許第06186426(US,B1)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0182953(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F 11/00
B09B 3/00
B09B 5/00
C02F 11/12
F26B 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
粘性物質が装入される装入口と装入された前記粘性物質が通流する成形流路と該成形流路の最下端に連続して幅方向に広がるテーパ部と前記成形流路を通過した前記粘性物質が排出される排出口とを有する筒状の本体部と、
該本体部の前記排出口側に設けられて成形流路を通過した前記粘性物質を切断する切断ピンとを有し、
前記装入口は前記本体部の上面に設けられると共に前記排出口は前記本体部の下面に設けられており、
前記切断ピンは、前記成形流路の交差方向に所定間隔を離して複数設けられ、かつ前記テーパ部と成形流路の境界部に設けられていることを特徴とする粘性物質成形用ノズル装置。
【請求項2】
乾燥装置本体の内部に被乾燥物である粘性物質を搬送するバンドを備え、バンドによって搬送される粘性物質を温風で乾燥するバンド式乾燥装置であって、
粘性物質が装入される装入口に請求項1に記載の粘性物質成形用ノズル装置を備えてなることを特徴とするバンド式乾燥装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、汚泥(特に下水汚泥)、畜糞、食品残渣、食品、化成品、肥料等の粘性物質を成形するために用いる粘性物質成形用ノズル装置及び該装置を備えたバンド式乾燥装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
汚泥の有効利用を図る目的で、汚泥を成形して乾燥する多段バンド式汚泥乾燥装置が例えば特許文献1に提案されている。
特許文献1に提案された多段バンド式汚泥乾燥装置においては、汚泥貯留槽から汚泥輸送ポンプによって脱水汚泥を成形ノズルに供給して棒状に成形し、成形された成形汚泥を乾燥するようにしている。
【0003】
特許文献1においては成形ノズルとして、「矩形の断面を有する汚泥成形用筒型ノズルにおいて、前記矩形の断面を矩形の長辺方向に複数に仕切るピンが配置されているとともに、前記ピンを前記ノズルに抜き差しするピン抜き差し手段が設けられていることを特徴とする汚泥成形用ノズル。」(特許文献1の請求項1参照)が提案されている。
【0004】
上記の汚泥成形用ノズルにおいては、筒状部に汚泥が供給されて押し出されるときに矩形断面を長手方向に仕切るピンによって汚泥が切断されて棒状に成形されるというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2012−24678号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載のものにおいては、汚泥成形用筒型ノズルにおける筒部とピンとの配置関係については特に規定されていない。
汚泥を並列された複数の切断ピンで切断する場合、汚泥が切断ピンによって切断される際に切断ピンによって圧密され、切断ピンを通過後に膨張する。そのため、切断した汚泥が切断ピンを通過後に隣どうしで再度付着する可能性がある。
【0007】
本発明はかかる課題を解決するためになされたものであり、汚泥等の粘性物質がピンを通過後に付着せずに成形できる粘性物質成形用ノズル装置及び該装置を備えたバンド式乾燥装置を得ることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本発明に係る粘性物質成形用ノズル装置は、粘性物質が装入される装入口と装入された前記粘性物質が通流する成形流路と該成形流路の最下端に連続して幅方向に広がるテーパ部と前記成形流路を通過した前記粘性物質が排出される排出口とを有する筒状の本体部と、
該本体部の前記排出口側に設けられて成形流路を通過した前記粘性物質を切断する切断ピンとを有し、
前記装入口は前記本体部の上面に設けられると共に前記排出口は前記本体部の下面に設けられており、
前記切断ピンは、前記成形流路の交差方向に所定間隔を離して複数設けられ、かつ前記テーパ部と成形流路の境界部に設けられていることを特徴とするものである。
【0010】
)また、本発明に係るバンド式乾燥装置は、乾燥装置本体の内部に被乾燥物である粘性物質を搬送するバンドを備え、バンドによって搬送される粘性物質を温風で乾燥するバンド式乾燥装置であって、
粘性物質が装入される装入口に上記(1)に記載の粘性物質成形用ノズル装置を備えてなることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明においては、切断ピンを成形流路の最先端部に配置したことにより、切断ピンを通過後に隣接する粘性物質が付着せずに成形できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施の形態1に係る粘性物質成形用ノズル装置の要部の説明図である。
図2】本発明の実施の形態1に係る粘性物質成形用ノズル装置の全体構成を説明する斜視図である。
図3】本発明の実施の形態1に係る粘性物質成形用ノズル装置の全体構成を説明する側面図である。
図4】本発明の実施の形態1の効果を説明するための比較例の説明図である。
図5】本発明の実施の形態1に係る粘性物質成形用ノズル装置の他の態様の要部の説明図である。
図6】本発明の実施の形態2に係るバンド式乾燥装置の全体構成を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[実施の形態1]
本発明の実施の形態1に係る粘性物質成形用ノズル装置1は、図1図3に示すように、粘性物質としての脱水汚泥3が装入される装入口5aと装入された脱水汚泥3が通流する成形流路5bと成形流路5bを通過した脱水汚泥3が排出される排出口5cとを有する筒状の本体部5と、本体部5の排出口5c側に設けられて成形流路5bを通過した脱水汚泥3を切断する切断ピン7とを有し、切断ピン7は、成形流路5bの交差方向に所定間隔を離して複数設けられ、かつ成形流路5bの最先端部に配置されている。
以下、各構成を詳細に説明する。
【0014】
<本体部>
本体部5は、図2に示すように長方形断面を有する筒状からなり、筒穴が成形流路5bであり、本体部5の上面に開口する装入口5aが設けられている。排出口5cは、本体部5の下面に設けられた矩形状の凹陥部からなる。
本体部5は、成形流路5bの最先端(最下端)に連続して幅方向(短辺方向)に広がるテーパ部5dを有している(図1参照)。
テーパ部5dを設けることで、本体部5に切断ピン7の挿入スペースを確保でき、別途切断ピン7を抜き差し自在に保持する保持部を設ける必要がない。
【0015】
<切断ピン>
切断ピン7は、図2に示すように、本体部5のテーパ部5dと成形流路5bの境界部に、成形流路5bの幅方向に複数設けられており、成形流路5bを通流する脱水汚泥3を切断する。
切断ピン7は、複数本(本例では8本)が一枚の連結板13に接続され、連結板13には連結板13を成形流路5bに対して直交方向に往復動させるアクチュエータ11(油圧シリンダ等)が接続されている。複数本の切断ピン7、連結板13及びアクチュエータ11で1つのユニットを構成しており、各アクチュエータ11を作動させればユニット単位で、切断ピン7の成形流路5bに対する抜き差しが可能になっている。
【0016】
切断ピン7は、通常は、図1および図2に示すように、成形流路5bに差し込んだ状態になっており、成形流路5bの中を板状になって流れる脱水汚泥3が切断ピン7によって棒状に切断・成形される。なお、図1(a)は、切断ピン7近傍の切断ピン7の中央を通る粘性物質成形用ノズル装置1の縦断面図であり、図1(b)は、図1(a)におけるA−A矢視図である
【0017】
脱水汚泥3中の毛髪などの異物が切断ピン7を跨ぐように絡まった場合は、アクチュエータ11を作動させて、切断ピン7を成形流路5bからいったん抜き出す。これにより、切断ピン7に絡まっていた異物は切断ピン7からはずれ、脱水汚泥3とともに押し出される。その後、アクチュエータ11を作動させて、切断ピン7を再び成形流路5bに差し込んだ状態に復帰させる。
【0018】
以上のように構成された本実施の形態に係る粘性物質成形用ノズル装置1を用いて、脱水汚泥3を成形する方法の一例を説明する。
脱水汚泥3は粘性物質成形用ノズル装置1の装入口5aから装入されると、成形流路5bを通過することによって板状に成形された後、切断ピン7によって棒状に切断され、成形汚泥33になる。
成形汚泥33は、切断時に切断ピン7によって幅方向に圧密されるため、切断後においては幅方向に膨張しようとする。
【0019】
しかし、本実施の形態では切断ピン7を成形流路5bの最先端部に配置しているので、図1(a)に示すように、切断後の成形汚泥33は、成形流路5bの壁面等に接触することなくフリーな状態でぶら下がる。このため、成形汚泥33は、自重によって下方に引張られて、伸びるため径が細くなる。このため、切断後の成形汚泥33が幅方向に膨張しようとする作用が、径が細くなる作用によって打ち消され、成形汚泥33が幅方向に膨張せず、隣接する成形汚泥33同士が付着することがない。
【0020】
これに対して、仮に、図4(a)に示すように切断ピン7が成形流路5bの途中に配置されている場合、成形汚泥33は、成形流路5bの壁面との摩擦によって、自重による引き伸ばしが十分に行われずに切断ピン7を通過後に膨張して隣どうし付着する可能性がある(図4(b)中の丸で囲んだ部分を参照)。
なお、図4図1と同様に、図4(a)が切断ピン7近傍の切断ピン7の中央を通る縦断面図であり、図4(b)が図4(a)におけるB−B矢視図である。
【0021】
なお、上記の説明では、本体部5は、成形流路5bの最先端に連続して幅方向に広がるテーパ部5d設けて、テーパ部5dと成形流路5bの境界部に切断ピン7を配置したものを例に挙げて説明したが、図5に示すように、テーパ部5dを設けずに、切断ピン7を成形流路5bの最先端部に配置するようにしてもよい。この場合、成形流路5bの最先端が排出口になる。なお、この場合には、切断ピン7を抜き差し自在に保持する保持部を別途設けるようにする。
【0022】
以上のように、本実施の形態においては、切断ピン7を成形流路5bの最先端部に配置したことにより、切断ピン7を通過後に成形汚泥33が隣どうし付着せずに成形できる。
【0023】
[実施の形態2]
本実施の形態は、実施の形態1で用いた粘性物質成形用ノズル装置1を備えたバンド式乾燥装置21に関するものである。
バンド式乾燥装置21は、図6に示すように、乾燥装置本体22内に装入された粘性物質(汚泥)を搬送する複数段のバンド(本例では、1段目バンド23と2段目バンド25)を備えている。
そして、汚泥貯留槽27から汚泥輸送ポンプ29によって汚泥輸送配管31から供給される脱水汚泥3を粘性物質成形用ノズル装置1によって成形汚泥33に成形して、乾燥装置本体22内に装入するようにしている。
【0024】
乾燥装置本体22には、温風発生熱交換器35で未利用排熱などと熱交換された温風が送風され、1段目バンド23および2段目バンド25で搬送されている成形汚泥33を乾燥するようになっている。その際、成形汚泥33からの臭気をできるだけ抑制しながら乾燥するためには、温風の温度を170〜240℃に設定し、成形汚泥33の表面に固化膜を形成させるようにするのが好ましい。
なお、温風の大半は循環ファン37によって温風発生熱交換器35と乾燥装置本体22内を循環し、一部は空気導入ファン39によって大気から導入され、一部は図示しない排気処理装置によって排気される。
【0025】
本実施の形態においては、粘性物質成形用ノズル装置1を介して成形汚泥33を乾燥装置本体22に供給するようにしたので、供給される成形汚泥33が切断ピン7を通過後に隣どうし付着せずに成形されるため、効率的な乾燥ができる。
【0026】
なお、本実施形態では、複数段のバンドを備えているが、本発明は、1段のみのバンドの場合にも同様に実施することができる。
【符号の説明】
【0027】
1 粘性物質成形用ノズル装置
3 脱水汚泥
5 本体部
5a 装入口
5b 成形流路
5c 排出口
5d テーパ部
7 切断ピン
11 アクチュエータ
13 連結板
21 バンド式乾燥装置
22 乾燥装置本体
23 1段目バンド
25 2段目バンド
27 汚泥貯留槽
29 汚泥輸送ポンプ
31 汚泥輸送配管
33 成形汚泥
35 温風発生熱交換器
37 循環ファン
39 空気導入ファン
図2
図6
図1
図3
図4
図5