(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6015578
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年10月26日
(54)【発明の名称】後処理装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
B65H 37/00 20060101AFI20161013BHJP
G03G 15/00 20060101ALI20161013BHJP
B65H 35/02 20060101ALI20161013BHJP
B65H 45/30 20060101ALN20161013BHJP
【FI】
B65H37/00
G03G15/00 460
B65H35/02
!B65H45/30
【請求項の数】10
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-138116(P2013-138116)
(22)【出願日】2013年7月1日
(65)【公開番号】特開2015-9970(P2015-9970A)
(43)【公開日】2015年1月19日
【審査請求日】2015年8月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士ゼロックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000039
【氏名又は名称】特許業務法人アイ・ピー・ウィン
(72)【発明者】
【氏名】佐久間 明
(72)【発明者】
【氏名】市川 毅
【審査官】
西村 賢
(56)【参考文献】
【文献】
特開2005−015225(JP,A)
【文献】
特開2012−012220(JP,A)
【文献】
特開2008−120517(JP,A)
【文献】
特開2010−091652(JP,A)
【文献】
特開2007−062871(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 37/00−37/06
B65H 41/00
B65H 45/00−47/00
B65H 35/00−35/10
G03G 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の搬入口から他方の排出口に向かうとともに、前記排出口の上流で分岐して前記搬入口の方向に曲がる第1の搬送路と、この第1の搬送路に続いて前記排出口の方向に曲がる第2の搬送路と、を有し、曲がりつつ鉛直下方向に向かう搬送路と、
前記第1の搬送路に設けられた第1の処理部と、
前記第2の搬送路に設けられた第2の処理部と、
前記第2の搬送路に続いて、鉛直上方へ向かう第3の搬送路と、
を有する後処理装置。
【請求項2】
前記第1の処理部は、搬送された記録媒体に折り筋を形成する折筋形成部である請求項1記載の後処理装置。
【請求項3】
前記第2の処理部は、搬送された記録媒体をその搬送方向に切断する切断部である請求項1又は2に記載の後処理装置。
【請求項4】
前記切断部の下方には、切断された記録媒体の不要部を収容する収容部を有する請求項3記載の後処理装置。
【請求項5】
前記収容部の入り口には、切断された記録媒体の不要部を断裁する断裁部を有する請求項4記載の後処理装置。
【請求項6】
前記折筋形成部から前記切断部までの前記搬送路の長さは、搬送される記録媒体の長さ以上である請求項3乃至5いずれか記載の後処理装置。
【請求項7】
前記折筋形成部の記録媒体搬送方向上流側には、搬送される記録媒体の傾きを補正する補正部と、搬送される記録媒体を検知する検知部と、を有し、前記搬送路の搬入口から前記補正部までの前記搬送路の長さは、搬送される記録媒体の長さ以上である請求項2乃至6いずれか記載の後処理装置。
【請求項8】
前記第3の搬送路は、複数の路を有し、
前記複数の路は、前記第1の処理部または/および前記第2の処理部において処理を施された記録媒体を重ね合わせるバッファ部として構成される請求項1乃至7いずれか記載の後処理装置。
【請求項9】
前記第1の搬送路から分岐し、前記第3の搬送路に向かう第4の搬送路を有する請求項1乃至7いずれか記載の後処理装置。
【請求項10】
画像形成装置本体と、前記画像形成装置本体に着脱自在に装着された後処理装置と、を有し、
前記後処理装置は、
一方の搬入口から他方の排出口に向かうとともに、前記排出口の上流で分岐して前記搬入口の方向に曲がる第1の搬送路と、この第1の搬送路に続いて前記排出口の方向に曲がる第2の搬送路と、を有し、曲がりつつ鉛直下方向に向かう搬送路と、
前記第1の搬送路に設けられた第1の処理部と、
前記第2の搬送路に設けられた第2の処理部と、
前記第2の搬送路に続いて、鉛直上方へ向かう第3の搬送路と、を有する
画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、後処理装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、搬送部101の搬送経路110に沿って、シート整合部135、用紙の両端部の余白を切除する切断部160、天地の余白を切除する断細部180及び折目付部190をこの順に配置した製本前処理装置100が開示されている。
特許文献2には、用紙供給装置2と、中綴じ折り装置3と、小口断裁装置4と、天地断裁装置6と、完成した冊子を配列するスタッカ8とを有する三方断裁システム1を、第1の方向転換装置5及び第2の方向転換装置7を含めてコの字型に配置する構成が開示されている。
特許文献3には、上ブロック20と下ブロック21とを突き合わせて用紙の進行方向前部を挟み込むようにして用紙を固定した状態で、凸部材19と凹部材18とを噛み合わせた際に、凸部19aの頂点と凹部18aの頂点とを結ぶ直線Y上に折り目の予定位置Fが位置するように、用紙搬送手段と用紙固定手段とを用いて用紙の固定位置を制御する折り目付け装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−144766号公報
【特許文献2】特開2005−161478号公報
【特許文献3】特開2011−105494号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、装置の小型化を図ることができる後処理装置及び画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る本発明は、
一方の搬入口から他方の排出口に向かうとともに、前記排出口の上流で分岐して前記搬入口の方向に曲がる第1の搬送路と、この第1の搬送路に続いて
前記排出口の方向に曲がる第2の搬送路と、を有し、曲がりつつ鉛直下方向に向かう搬送路と、前記第1の搬送路に設けられた第1の処理部と、前記第2の搬送路に設けられた第2の処理部と、前記第2の搬送路に続いて、鉛直上方へ向かう第3の搬送路と、を有する後処理装置である。
【0006】
請求項2に係る本発明は、前記第1の処理部は、搬送された記録媒体に折り筋を形成する折筋形成部である請求項1記載の後処理装置である。
【0007】
請求項3に係る本発明は、前記第2の処理部は、搬送された記録媒体をその搬送方向に切断する切断部である請求項1又は2に記載の後処理装置である。
【0008】
請求項4に係る本発明は、前記切断部の下方には、切断された記録媒体の不要部を収容する収容部を有する請求項3記載の後処理装置である。
【0009】
請求項5に係る本発明は、前記収容部の入り口には、切断された記録媒体の不要部を断裁する断裁部を有する請求項4記載の後処理装置である。
【0010】
請求項6に係る本発明は、前記折筋形成部から前記切断部までの前記搬送路の長さは、搬送される記録媒体の長さ以上である請求項3乃至5いずれか記載の後処理装置である。
【0011】
請求項7に係る本発明は、前記折筋形成部の記録媒体搬送方向上流側には、搬送される記録媒体の傾きを補正する補正部と、搬送される記録媒体を検知する検知部と、を有し、前記搬送路の搬入口から前記補正部までの前記搬送路の長さは、搬送される記録媒体の長さ以上である請求項2乃至6いずれか記載の後処理装置である。
【0012】
請求項8に係る本発明は、前記第3の搬送路は、複数の路を有し、前記複数の路は、前記第1の処理部または/および前記第2の処理部において処理を施された記録媒体を重ね合わせるバッファ部として構成される請求項1乃至7いずれか記載の後処理装置である。
【0013】
請求項9に係る本発明は、前記第1の搬送路から分岐し、前記第3の搬送路に向かう第4の搬送路を有する請求項1乃至7いずれか記載の後処理装置である。
【0014】
請求項10に係る本発明は、画像形成装置本体と、前記画像形成装置本体に着脱自在に装着された後処理装置と、を有し、前記後処理装置は、
一方の搬入口から他方の排出口に向かうとともに、前記排出口の上流で分岐して前記搬入口の方向に曲がる第1の搬送路と、この第1の搬送路に続いて
前記排出口の方向に曲がる第2の搬送路と、を有し、曲がりつつ鉛直下方向に向かう搬送路と、前記第1の搬送路に設けられた第1の処理部と、前記第2の搬送路に設けられた第2の処理部と、前記第2の搬送路に続いて、鉛直上方へ向かう第3の搬送路と、を有する画像形成装置である。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に係る本発明によれば、後処理装置への記録媒体の入口と出口の高さを大幅に変えないように、真っ直ぐに搬送路を構成する場合に比較して、装置の幅方向の小型化を図ることができる後処理装置を提供することができる。
【0016】
請求項2に係る本発明によれば、曲がった搬送路に囲まれていない部分に記録媒体の両面に対して折り筋形成のための部材を配置する場合と比較して、装置の小型化を図ることができる後処理装置を提供することができる。
【0017】
請求項3に係る本発明によれば、記録媒体の天地の余白部分を切除するための重い部品を装置の上方に配置する場合に比較して、より重心位置の低い装置を提供することができる後処理装置を提供することができる。
【0018】
請求項4に係る本発明によれば、簡易な構成で、切断された記録媒体の不要部を装置の上方に配置する場合に比較して、低い位置で不要部を収容することができる後処理装置を提供することができる。
【0019】
請求項5に係る本発明によれば、収容部に収容される記録媒体不要部の収容量を大きくすることができる後処理装置を提供することができる。
【0020】
請求項6に係る本発明によれば、記録媒体をスムーズに搬送することができる後処理装置を提供することができる。
【0021】
請求項7に係る本発明によれば、記録媒体をスムーズに搬送することができる後処理装置を提供することができる。
【0022】
請求項8に係る本発明によれば、バッファ部を別に設ける場合と比較して、搬送路の長さを有効活用することができる。
【0023】
請求項9に係る本発明によれば、第2の処理部での処理が不要な記録媒体の全てを第2の経路を経由させて重ね合わせる場合と比較して、搬送時間を短くすることができる。
【0024】
請求項10に係る本発明によれば、装置の小型化を図ることができる画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の全体構成図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る画像形成装置に用いられる後処理装置を示す図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る後処理装置に用いられる折筋形成部を示し、(a)は、折り筋形成時の動きの一例を示し、(b)は、折り筋を形成しない時の動きの一例を示す図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る後処理装置に用いられる切断部を示し、(a)は記録媒体搬送方向に対して横面からみた図であって、(b)は記録媒体搬送方向からみた図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る後処理装置に用いられる断裁部周辺を示す図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係る後処理装置に用いられる切断部周辺を上方向からみた図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係る後処理装置に用いられる切断部から収容部までの搬送路を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
次に本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0027】
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置10を示す断面図である。
【0028】
画像形成装置10は、画像形成装置本体12及び後処理装置14から構成されている。画像形成装置本体12は、例えば3段の記録媒体供給カセット16を有し、これら記録媒体供給カセット16のそれぞれには供給ヘッド18が設けられている。
【0029】
記録媒体供給カセット16の一つが選択されると、供給ヘッド18が作動して選択された記録媒体供給カセット16から記録媒体供給路20を介して画像形成部22に供給される。
【0030】
画像形成部22は、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの各感光体24が併設されていると共に、中間転写ベルト26が設けられている。
【0031】
各感光体24の周囲には、帯電装置、露光装置、現像装置、一次転写装置及びクリーニング装置など(図示せず)が配置され、各感光体24に形成されたトナー像が中間転写ベルト26に転写される。白黒設定された場合は、ブラックのみが作動可能であるようにされる。
【0032】
中間転写ベルト26のトナー像は、二次転写ロール28により、送られてきた記録媒体Pに転写され、定着装置30により定着され、このトナー像が定着された記録媒体Pが記録媒体排出路32を通って排出ロール34により排出される。
【0033】
ただし、両面印刷が設定された場合は、定着装置30により表面が定着された記録媒体Pは、記録媒体排出路32から反転装置36に送られ、この反転装置36で反転され、記録媒体反転路38に送られ、再び記録媒体供給路20に戻され、画像形成部22に送られて裏面の印刷がなされる。
【0034】
次に、本発明の一実施形態に係る後処理装置14について説明する。
【0035】
図2に示すように、後処理装置14は、記録媒体を搬送する搬送部としての搬送路40と、記録媒体搬送方向上流側から、搬送される記録媒体Pの傾き(レジ、スキュー)を補正する補正部43と、補正部43によって補正された記録媒体Pを検知する例えばラインセンサー等の検知部51と、搬送される記録媒体Pに折り筋を付ける折筋形成部42と、搬送される記録媒体Pをその搬送方向に切断する切断部44,44と、この切断部44,44の下方に設けられ、切断部44,44によって切断された記録媒体Pの不要部CPを収容する収容部45と、を有している。また、収容部45の入り口49の上方には、切断部44,44によって切断された記録媒体不要部CPをさらに細かく切断する(断裁する)断裁部46,46が設けられている。
【0036】
搬送路40は、S字形状であって、一方向に曲がる第1の搬送路40aと、この第1の搬送路40aに続いて他方向に曲がる第2の搬送路40bとを有している。
【0037】
第1の搬送路40aには、搬送される記録媒体Pに処理を施す第1の処理部としての折筋形成部42が設けられている。
【0038】
第2の搬送路40bには、搬送される記録媒体Pに処理を施す第2の処理部としての切断部44,44が設けられている。切断部44は、第2の搬送路40bの幅方向に2つ設けられている。
【0039】
第2の搬送路40bは、切断部44,44の記録媒体搬送方向下流側で、鉛直上方向に排出口53へ向かう第3の搬送路としての分岐路41b及び分岐路41cと、鉛直下方向に収容部45へ向かう分岐路41d及び分岐路41eに分岐している。
分岐路41cは、処理の施された記録媒体Pを排出口53へ向けて搬送する搬送路である。分岐路41bは、処理の施された記録媒体Pを保持する搬送路であって、分岐路41cから搬送される記録媒体と同時に(重ね合わせて)又は連続して排出口53へ搬送するようにバッファ部としての機能を有する。分岐路41d、分岐路41eは、分岐路41cの両端から分岐して平行して設けられ、切断部44,44によって切断された記録媒体の不要部CPを収容部45へ向けて搬送する搬送路である。
【0040】
第1の搬送路40aは、補正部43の記録媒体搬送方向上流側で、第4の搬送路としての分岐路41aに分岐している。分岐路41aは、記録媒体Pを処理部を経由せずに排出口53(後処理装置14外)へ搬出する搬送路であって、記録媒体Pに処理を施さない場合に搬送され、排出口53から排出される。
【0041】
ここで、折筋形成部42から切断部44までの前記搬送路の長さは、搬送される記録媒体Pの長さ以上である。また、搬送路40の搬入口39から補正部43までの搬送路40の長さは、搬送される記録媒体Pの長さ以上である。
【0042】
図3には、本発明の一実施形態に係る折筋形成部42を示し、(a)は、記録媒体Pに折り筋を形成する場合の動きの一例を示し、(b)は、記録媒体Pに折り筋を形成しない場合の動きの一例を示している。
【0043】
折筋形成部42は、第1の搬送路40aを挟んで、上方に設けられた上ブロック50aと、下方に設けられた下ブロック50bと、から構成される。
上ブロック50aには、一面に凹部52aが形成され、凹部52aの反対側の面に凸部54aが形成されている。
下ブロック50bには、一面に凹部52bが形成され、凹部52bの反対側の面に凸部54bが形成されている。
上ブロック50aの凹部52aと下ブロック50bの凸部54bが嵌合し、上ブロック50aの凸部54aと下ブロック50bの凹部52bが嵌合するようになっている。
上ブロック50aと下ブロック50bの略中心には、それぞれ軸部54が設けられ、軸部54を中心に、それぞれ回転自在に保持されている。
また、下ブロック50bは、不図示の機構により、第1の搬送路40aに対して略垂直方向(上下方向)に移動自在にされている。
【0044】
すなわち、搬送される記録媒体Pに折り筋を形成する場合には、
図3(a)に示されているように、上ブロック50aの凸部54aと下ブロック50bの凹部52bが第1の搬送路40aに対して対向する位置に回転し、下ブロック50bが第1の搬送路40aに対して略垂直に上方に移動される。また、上ブロック50aの凹部52aと下ブロック50bの凸部54bが第1の搬送路40aに対して対向する位置に回転して、下ブロック50bが第1の搬送路40aに対して略垂直方向に上方に移動されることにより、前述した折り筋とは反対方向の折り筋が形成される。
すなわち、少なくとも2つの形状を有する上ブロック50aと、少なくとも2つの形状を有する下ブロック50bとをそれぞれ回転自在にすることにより、記録媒体Pに形成される折り筋の方向を変えることができる。
【0045】
図4は、本発明の一実施形態に係る切断部44を示し、(a)は記録媒体搬送方向に対して横面からみた図であって、(b)は記録媒体搬送方向からみた図である。
【0046】
図4(a)に示されているように、切断部44は、第2の搬送路40bを挟んで、上方に設けられた押さえ部47と、下方に設けられた回転カッター48と、から構成される。また、
図4(b)に示されているように、切断部44は、第2の搬送路40bの幅方向に2つ設けられている。
回転カッター48は、記録媒体Pの切断する部分に配置され、時計回りに回転して、記録媒体Pを搬送しながら切断する。
押さえ部47は、回転カッター48と対向する位置に配置され、反時計回りに回転して切断する記録媒体Pを押さえる。
すなわち、搬送される記録媒体Pの両端を押さえ部47,47が回転して押さえつつ、第2の搬送路40bに対して対向した位置に設けられた回転カッター48,48が押さえ部47,47とは逆方向に回転されることにより、記録媒体Pの搬送方向に切断され、記録媒体Pの両端(天地部)が切断される。
また、切断部44,44は、検知部51の検知によって切断する位置が位置決めされ、切断する幅に応じて左右に移動される。
【0047】
図5には、本発明の一実施形態に係る断裁部46の周辺が示されている。
【0048】
断裁部46は、分岐路41dと分岐路41eにそれぞれ設けられている。
ここで、分岐路41dと分岐路41eに設けられた断裁部46は、同一の構成のため、分岐路41dについて詳述する。
断裁部46は、固定刃56と回転刃58を有している。
固定刃56は、分岐路41dに固定して設けられている。回転刃58は、固定刃56に対して分岐路41dを挟んで対向した位置に設けられ、回転刃58が回転することで、固定刃56と回転刃58間を通過する記録媒体の不要部CPが細かく切断(断裁)される。
【0049】
ここで、不要部CPは分岐路41dに搬送され、不要部の切断された記録媒体Pは分岐路41cに搬送され、排出口53へ搬送される。このとき、不要部CPの切断された記録媒体Pの搬送中に断裁部46において不要部CPの断裁を行うと、断裁部46において不要部CPが一瞬停止してしまう。これにより、ループ(曲げ)が発生し、不要部CPの詰まり(ジャム)が発生することがある。本実施形態においては、このループが発生する分岐路41dと分岐路41eの分岐部にループを吸収するループ吸収部(曲げ吸収部)としての可動部材60,60がそれぞれ設けられている。
【0050】
可動部材60は、シュートとしての可動部62と、可動部62の記録媒体搬送方向下流側の端部に設けられた支点64と、可動部62の記録媒体搬送方向上流側の端部に設けられた例えばバネ等の付勢部材66から構成されている。可動部62は、シリコン等の柔らかい材質で構成されている。すなわち、可動部材60の記録媒体搬送方向上流側が第2の搬送路40bに対して開くように構成されており、ループが発生した場合に、ループの力によって支点64を支点として可動部材60の記録媒体搬送方向上流側が開き、ループを吸収するように構成されている。これにより、断裁部46を通過する記録媒体の詰まり(ジャム)の発生が防止される。
【0051】
図6は、切断部44,44周辺を上方向からみた図であって、
図7は、切断部44から収容部45への搬送路を示す模式図である。
【0052】
図6及び
図7に示されているように、切断部44,44で切断された記録媒体不要部CPは、可動部材60に導かれて、分岐路41d、分岐路41eへ搬送されて、断裁部46,46をそれぞれ通過し、さらに細かく切断されて収容部45へ収容される。収容部45に収容された不要部CPは、ユーザにより収容部45をほぼ水平に取り出し、廃棄される。この際、収容部45を一旦床に置いてもよい。床に置いた状態で、収容部45を装置本体から取り出したのち、予め不要部CPが散らばらないように収容部45にセットしていたビニール袋を両手で縛って取り出して、新しいビニール袋をかけて、装置本体に戻す。なお、ビニール袋は必須ではなく、収容部45から直接不要部CPを取り出して廃棄してもかまわない。一方、不要部が切断された記録媒体Pは、分岐路41cへ搬送されて排出口53へ排出される。
排出口53から排出された記録媒体Pは、また別の後処理装置2に搬送され、バッファ部で重ねられた記録媒体が折り筋にそって折られ、製本される。なお、排出口53と搬入口39との高さはほぼ同じになっているので、本実施形態の後処理装置14を装着しない場合であっても、画像形成装置本体12に別の後処理装置2を装着することが可能となっている。また、後処理装置2を装着することは必須ではなく、排出口53から取出された記録媒体をそのままユーザが受け取ってもよい。
【0053】
本実施形態においては、後処理装置14において折筋形成部42と切断部44を用いた例について説明したが、これに限らず、他の処理を施す後処理装置にも用いることもできる。
【0054】
また、本実施形態においては、記録媒体不要部CPが、分岐路41d及び分岐路41eから1つの収容部45に収容される例について説明したが、これに限らず、収容部45を前後に2つ設け、分岐路41d及び分岐路41eからそれぞれ収容部45,45に収容されるようにしてもよい。
【0055】
なお、本発明は上記の実施形態に限定されない。
【0056】
以上で説明したように、本発明は、例えば複写機、プリンタ、ファクシミリ装置等の画像形成装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0057】
10・・・画像形成装置
12・・・画像形成装置本体
14・・・後処理装置
40a・・・第1の搬送路
40b・・・第2の搬送路
42・・・折筋形成部
44・・・切断部
45・・・収容部
46・・・断裁部