【実施例】
【0018】
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面は車両用ブレーキ装置を示し、
図1はその全体を概略的に示す斜視図、
図2は運転席側のブレーキペダル装置を示す側面図、
図3は
図2の斜視図、
図4は運転席側ブレーキペダル装置を運転席側から見た状態で示す正面図である。
【0019】
図1に示すように、この車両用ブレーキ装置は、運転席側に設けられた運転席側ブレーキペダル装置10と、助手席側に設けられた助手席側ブレーキペダル装置70(補助ブレーキペダル装置)とを備えている。
助手席側ブレーキペダル装置70は、
図8,
図9を参照して後述するが、助手席側の車体パネルとしてのフロアパネルに対して、ベースプレート71およびブラケット72を介して軸支された補助ブレーキペダル73を有している。補助ブレーキペダル73はペダルアームとしてのサブアーム74と、該サブアーム74の後端に一体的に設けられた踏面部75とを有すると共に、上述の補助ブレーキペダル73から運転席側に延びる2本のケーブル76,76を有している。
【0020】
図2,
図3,
図4に示すように、運転席側ブレーキペダル装置10は、運転席側の車体パネルとしてのダッシュロアパネル(ダッシュパネル)11にペダル支持ブラケット12を介して軸支された運転席側のメインブレーキペダル17を有している。
このメインブレーキペダル17はペダルアームとしてのメインアーム18と、該メインアーム18の下端に一体的に設けられた踏面部19とを有している。また、上述のペダル支持ブラケット12は、メインアーム18の車幅方向内側に位置する側面ブラケット13と、メインアーム18の車幅方向外側に位置する側面ブラケット14と、これら両側面ブラケット13,14を一体的にしてダッシュロアパネル11に取付ける前面ブラケット15とを備え、上述の左右一対の側面ブラケット13,14間に横架して車幅方向に延びるペダル軸16に対してメインブレーキペダル17を軸支している。
【0021】
図4に示すように、左右一対の側面ブラケット13,14間に対応する部位には、ペダル後退防止レバー20を配設している。
このペダル後退防止レバー20は、車両衝突時に、ダッシュロアパネル11が後退した際、当該レバー20が図示しないインパネメンバー(車体側剛性部材)に衝合して、メインブレーキペダル17の支点部分を脱落させて、メインブレーキペダル17の後退を防止するためのものである。
【0022】
図5は
図4の要部拡大正面図、
図6は
図2のA−A線矢視断面図であって、
図4,
図6に示すように、上述のメインアーム18は、軽量化を図ることを目的として、メインアーム左本体18Aとメインアーム右本体18Bとを重ね合わせて中空状に形成されると共に、メインアーム左本体18Aおよびメインアーム右本体18Bのフランジ部18c,18dを接合固定したものである。
【0023】
図2,
図3,
図4に示すように、メインブレーキペダル17の軸支部の車幅方向内側、詳しくは、側面ブラケット13の車幅方向内方には、2部材から成る正面視門形状のブラケット21を設け、このブラケット21を
図2に示すように、車体パネルとしてのダッシュロアパネル11に取付けている。
上述のブラケット21には車幅方向に延びるレバー軸22を横架し、このレバー軸22にはレバー23(詳しくは、補助ブレーキ連結用レバー)の上端を軸支している。該レバー23は上部レバー24と下部レバー25とから成り、これら上下の各レバー24,25を車幅方向に延びる連結ピン26で連結している。
【0024】
図6に示すように、上述の下部レバー25は、メインアーム18の車幅方向内方および後方に位置する平面視L字状の一方のレバー部材25Aと、メインアーム18の車幅方向外側方に位置する平板状の他方のレバー部材25Bとの2部材を平面視でコ字状に組合せて形成したもので、この下部レバー25によりメインアーム18の左右両方向と後方との三方を囲繞するように構成している。
上述のレバー23は、補助ブレーキペダル73の踏力をメインブレーキペダル17に伝達するためのものである。
【0025】
図3,
図6に示すように、上述のメインアーム18には、クレビス27(clevis、U字型リンク)およびプッシュロッド28(詳しくは、バルブオペレーティングロッド)を介して制動倍力装置29と連結された連結部30が設けられている。
この連結部30について、さらに詳述すると、該連結部30は
図6に示すように、メインアーム左本体18Aとメインアーム右本体18Bとから成る内部中空のメインアーム18を内部方向に凹設させて、メインアーム左本体18Aの車幅方向外側に延びる軸受部18aと、メインアーム右本体18Bの車幅方向内側に延びる軸受部18bとの各内端を当接して、車幅方向に延びる軸受部31を形成したものである。
【0026】
つまり、上述の連結部30は、プッシュロッド28を押圧する力が付勢される部位で、剛性が要求されるので、メインアーム18を内部方向に凹設させ、メインアーム左本体18Aの軸受部18aと、メインアーム右本体18Bの軸受部18bとの内端を当接させて軸受部31を形成し、これにより軸受部31の剛性を確保すべく構成したものである。しかも、メインアーム18を中空状に形成することで、当該メインアーム18の軽量化を図るように構成したものである。
このように構成した上述の連結部30には、車幅方向に延びる連結ピン32を用いて、クレビス27の後端部と、レバー23における下部レバー25の前端部とが共に連結されており、補助ブレーキペダル73の踏力を、タイムラグを有することなく直接的に制動倍力装置29に伝達して、操作感の向上を図るように構成している。なお、上述の各連結ピン26,32は、図示しない抜止めピンにより係止されている。
【0027】
一方で、上述のレバー23における上部レバー24の軸支部には、
図3,
図4,
図5に示すように、当該レバー23がメインブレーキペダル17からの踏力が付加されていない状態(ノーマル状態)の基準位置に復帰する方向へ付勢する付勢手段としてのリターンスプリング33を設けている。
この実施例では、
図3〜
図5に示すように、上部レバー24の軸支部に巻回したリターンスプリング33の一端33aをブラケット21の後端面に係止し、他端33bを上部レバー24の軸支部近傍の下面に係止して、上部レバー24を常時ノーマル位置に復帰させるように構成しており、レバー23が自重で下がることを防止し、以って、図示しないブレーキストップランプスイッチ誤点灯の防止、さらには、ドライバのブレーキペダル操作の負担軽減を図るように構成している。
【0028】
図7は空振り機構を示す部分拡大側面図である。
図1で示したケーブル76は、補助ブレーキペダル73から延びて上述のレバー23に連結されるが、このケーブル76はフェールセーフを考慮して2本並設されており、かつ、次に述べる空振り機構40を介してレバー23における上部レバー24の中間部に連結されている。
この空振り機構40は、メインブレーキペダル17の踏力がメインアーム18に伝達された時、上述のケーブル76による補助ブレーキペダル73の回動を阻止する一方で、助手席側において補助ブレーキペダル73が踏込まれた時には、その踏力をケーブル76およびレバー23を介してメインブレーキペダル17に伝達するための機構である。
【0029】
図3に示すように、正面視門形状のブラケット21の下部にはケーブル保持プレート34が一体的に固定されており、このケーブル保持プレート34にはケーブル保持具35を用いて2本の各ケーブル76,76のアウタチューブ77,77がそれぞれ取付けられている。
上述のケーブル76,76はアウタチューブ77とインナケーブル78とをそれぞれ有しており、
図5,
図7に示すように、インナケーブル78の端末としての上端部には、亜鉛ダイキャスト製で略球状のインナエンド79(係止部材)がそれぞれ固定されている。
上述の空振り機構40は
図5,
図7に示すように構成している。
【0030】
すなわち、この空振り機構40は、上部レバー24の長手方向中間部をその車幅方向(厚み方向)に貫通形成した開口24aと、この開口24aに挿入され上部レバー24の車幅方向内外両側に突出するように配設された上部ベース41、中間ベース42、下部ベース43と、を備えている。
【0031】
図7に示すように、上述の上部ベース41、中間ベース42、下部ベース43はその左右両部にそれぞれインナケーブル78を配設するためのU字溝41a,42a,43aを有し、中間ベース42のU字溝42aの溝幅を他のベース41,43のU字溝41a,43aの溝幅よりも幅広に形成し、上部ベース41と下部ベース43との間に、段付き形状のブッシュ44を挟持固定している。
上述のブッシュ44はその軸芯部インナケーブル78を貫通すべく段付き円筒形状に形成されており、インナケーブル78がベース41等の金属部材と接触することによって傷つくのを防止している。そして、該ブッシュ44の上端口縁でインナケーブル78先端のインナエンド79を係合すべく構成している。
【0032】
また、上記レバー24をその上方から跨いで、上部ベース41の左右の突出部に固定される鞍形のブラケット45を設け、この鞍形のブラケット45の左右両部と上部ベース41の左右の突出部とを、ボルト46、ナット47等に締結部材で締結固定して、上部ベース41の左右横ずれを防止すべく構成すると共に、該ブラケット45に一体に折曲げ形成した縦壁45aを、各ベース41,42,43のそれぞれのU字溝41a,42a,43a内に臨設して、ブッシュ44およびインナケーブル78の外れ防止を図っている。
さらに、上部ベース41は他のベース42,43に対して、その板厚を厚くし、強度部材を兼ねるように形成し、ブレーキ装置の信頼性向上を図っている。
加えて、上部ベースは他のベース41,42と共に溶接により固定されている。
このように構成した空振り機構40を備えているので、助手席側において補助ブレーキペダル73が踏込まれ、
図7のインナケーブル78が下方に引っ張られると、インナエンド79がベース41に当接して、補助ブレーキペダル73の踏力はレバー23を介してクレビス27に伝達される。
【0033】
一方で、運転席側のメインブレーキペダル17が踏込まれると、その踏力がメインアーム18を介してレバー23に伝達され、このレバー23は
図10に示すように、レバー軸22を支点として回動するが、空振り機構40により、各ベース41,42,43およびブッシュ44がインナケーブル78に沿って移動し、インナエンド79でベース41を押圧しないので、インナエンド79およびインナケーブル78はノーマル位置を保持し、ケーブル76による補助ブレーキペダル73の回動を阻止するものである。
【0034】
次に、
図8,
図9を参照して助手席側ブレーキペダル装置の構成について説明する。
図8は助手席側の補助ブレーキペダル装置のノーマル状態(踏力が付加されていない状態)を示す斜視図、
図9はそのペダル踏込み時の斜視図である。
助手席側のフロアパネルにベースプレート71を取付け、該ベースプレート71上に助手席側から見て略門形状のブラケット72を立設固定すると共に、このブラケット72の車幅方向外側には、ブラケット72の内部空間と連通する空間部を有する側面視略コ字状のサブブラケット80を取付けている。
【0035】
また、上述のブラケット72における車幅方向内側前部には、L字状のケーブル保持プレート81を取付け、このケーブル保持プレート81にケーブル保持具82を用いてケーブル76,76のアウタチューブ77,77をそれぞれ固定している。
上述のブラケット72の上部には車幅方向に延びるペダル軸83を横架し、このペダル軸83には、サブアーム74と踏面部75とを有する補助ブレーキペダル73を軸支し、該補助ブレーキペダル73の軸支部には当該補助ブレーキペダル73をノーマル位置に付勢する付勢手段としてのリターンスプリング84を設けている。
【0036】
また、サブブラケット80には斜め上下方向に延びるリンク軸85を取付け、このリンク軸85には上部リンク86と下部リンク87とを一体的に軸支している。そして、これら上下の各リンク86,87が、リンク軸85を支点として一体的に回動するように構成している。
さらに、ピン88を用いてサブアーム74の軸支部近傍に連結した上部クレビス89と、ピン90を用いて上部リンク86の遊端部に連結した下部クレビス91と、を設け、これら上下のクレビス89,91を接合または締結により一体化している。
そして、この一体化したクレビス89,91により、補助ブレーキペダル73のサブアーム74と上部リンク86とを連結している。
また、各ケーブル76,76のインナケーブル78,78の先端には、それぞれインナエンド92,92を取付け、これらの各インナエンド92,92を、支持部材93,93を用いて、下部リンク87の遊端部に係止させている。
【0037】
そして、
図8に示すノーマル状態から補助ブレーキペダル73を踏込むと、
図9に示すように、上下のクレビス89,91が一体的に下動し、上下の各リンク86,87がリンク軸85を支点として車幅方向外方へ一体的に回動することにより、インナケーブル78を車幅方向外方(制動方向)に引っ張るように構成したものである。
なお、図中、矢印Fは車両前方を示し、矢印Rは車両後方を示し、矢印INは車幅方向の内方を示し、矢印OUTは車幅方向の外方を示す。
【0038】
図示実施例は上記の如く構成するものにして、以下作用を説明する。
まず、
図8,
図9,
図3を参照して、助手席側乗員による補助ブレーキペダル73操作時の作用につて説明する。
図8に示すように、補助ブレーキペダル73の踏面部75を矢印a方向に踏込むと、ペダル軸83を支点として該補助ブレーキペダル73が、
図9に示す如く下動するので、
図9に矢印bで示すように、上下の各クレビス89,91が一体的に前方へ押され、上下の各リンク86,87がリンク軸85を支点として
図9の矢印c方向に一体回動して、ケーブル76,76におけるインナケーブル78,78が
図9の矢印d方向に牽引される。
上述のインナケーブル78,78が
図9の矢印d方向、つまり、
図3の矢印e方向に牽引されると、
図7に示す当該インナケーブル78,78先端のインナエンド79,79でベース41が下方に押圧されるので、運転席側のレバー23がレバー軸22を支点として下動し、メインブレーキペダル17がペダル軸16を支点として回動して、クレビス27を介してプッシュロッド28を押圧する(但し、
図3においては各要素をノーマル状態で図示している)。
【0039】
この場合、プッシュロッド28を介して制動倍力装置29と連結されたメインアーム18の連結部30(
図6参照)に、上述のレバー23(詳しくは、下部レバー25の前端部)を共に連結しているので、補助ブレーキペダル73の踏力を、タイムラグを有することなく直接的に制動倍力装置29に伝達することができ、操作感の向上を図ることができる。
【0040】
次に、
図3,
図10,
図8を参照して、運転席側のドライバによるメインブレーキペダル17操作時の作用について説明する。
図3に示すように、メインブレーキペダル17の踏面部19を矢印f方向に踏込むと、ペダル軸16を支点として該メインブレーキペダル17が
図10に示す如く下動して、同図に矢印gで示すように、レバー23がレバー軸22を支点として下動すると共に、上記メインブレーキペダル17の下動により、クレビス27を介してプッシュロッド28を矢印h方向へ押圧する。
上述のように、メインブレーキペダル17の踏込み時には、レバー23が下動するが、空振り機構40を設けているので、
図7に示すインナエンド79およびインナケーブル78はノーマル位置を保持したままで、各ベース41,42,43およびブッシュ44がインナケーブル78の外周部に沿って移動して、インナケーブル78を押下げることがないので、ケーブル76による補助ブレーキペダル73の回動を阻止し、当該補助ブレーキペダル73は、
図8に示すノーマル状態に維持される。
【0041】
このように、上述の空振り機構40を設けたことにより、ドライバのメインブレーキペダル17の操作に連動して、補助ブレーキペダル73が回動することを阻止できるので、助手席側乗員の違和感解消を図って、安全性が確保される。
【0042】
このように、上記実施例の車両用ブレーキ装置は、助手席側の車体パネル(フロアパネル参照)に軸支された補助ブレーキペダル73と、一端が運転席側のブラケット21に軸支され、他端が当該運転席側のメインブレーキペダル17のメインアーム18に連結されて、補助ブレーキペダル73の踏力をメインブレーキペダル17に伝達するレバー23と、上記補助ブレーキペダル73から延びて上記レバー23に連結されたケーブル76(詳しくは、そのインナケーブル78)と、を備えた車両用ブレーキ装置であって、上記レバー23には上記メインブレーキペダル17の踏力が上記メインアーム18に伝達された時、上記ケーブル76による補助ブレーキペダル73の回動を阻止する空振り機構40が設けられ、上記メインアーム18には、プッシュロッド28を介して制動倍力装置29と連結された連結部30が設けられ、該連結部30に上記レバー23が共に連結されたものである(
図1,
図2,
図6参照)。
【0043】
この構成によれば、プッシュロッド28を介して制動倍力装置29と連結されたメインアーム18の連結部30に、上記レバー23を共に連結したので、補助ブレーキペダル73の踏力を、タイムラグを有することなく直接的に制動倍力装置29に伝達することができ、操作感の向上を図ることができる。
また、上記空振り機構40を設けたことで、ドライバのブレーキペダル操作に連動して補助ブレーキペダル73が回動するのを阻止することができ、この結果、助手席側乗員(教員)の違和感を感じさせることなく、助手席側の安全性が確保される。
【0044】
また、この発明の実施形態においては、上記メインアーム18は、メインアーム左本体18Aとメインアーム右本体18Bとを重ね合わせて中空状に形成されると共に、上記連結部30を、メインアーム18内部方向に凹設させ上記メインアーム左本体18Aと上記メインアーム右本体18Bとを当接させて軸受部31を形成したものである(
図6参照)。
【0045】
この構成によれば、メインアーム18を中空状に形成したので、当該メインアーム18の軽量化を図ることができる。しかも、上記連結部30はプッシュロッド28を押圧する力が付勢される部位で、剛性が要求されるので、メインアーム18内部方向に凹設させ上記メインアーム左本体18Aと上記メインアーム右本体18Bとを当接させて軸受部31を形成し、これにより軸受部31の剛性確保を図ることができる。
【0046】
さらに、この発明の実施形態においては、上記レバー23の軸支部には、当該レバー23がメインブレーキペダル17からの踏力が付加されていない状態の基準位置に復帰する方向へ付勢する付勢手段(リターンスプリング33参照)を設けたものである(
図4,
図5参照)。
【0047】
この構成によれば、上記付勢手段(リターンスプリング33)にてレバー23を基準位置に復帰させるので、レバー23が自重で下がることを防止し、以って、ブレーキストップランプスイッチ誤点灯の防止、さらには、ドライバのブレーキペダル操作の負担を軽減することができる。
また、上記付勢手段(リターンスプリング33)によりメインブレーキペダル17をセット位置に適切に保持することができる。因に、付勢手段がない場合には、補助ブレーキペダル側の自重による垂下りが発生し、メインブレーキペダル側が当該自重分押されて、メインブレーキペダル側のセット位置がずれ、ブレーキストップランプスイッチのON点変化が発生し、誤点灯などのリスクが発生するが、このような問題点を解消することができる。
【0048】
さらに、上記付勢手段(リターンスプリング33)によりケーブル76への座屈荷重発生を防止することができる。因に、付勢手段がない場合には、補助ブレーキペダルの操作後の戻り時に、ケーブルの摺動抵抗分の荷重を吸収できる構造とならないため、ケーブルに座屈荷重が入力される。ケーブルは引き方向のみの荷重に耐えるプルケーブルであるため、ケーブルに座屈方向の荷重が入ることにより、ケーブルの信頼性に懸念が発生するが、上記付勢手段(リターンスプリング33)にて、このような問題点を解消することができる。
加えて、上記付勢手段(リターンスプリング33)により異音の発生を防止することができる。因に、付勢手段がない場合には、各部のリンク部のがた付きにより異音が発生する懸念があるが、上記付勢手段(リターンスプリング33)により常時復帰方向へ荷重を発生させているため、がた付きがなくなり、異音の発生を防止することができる。
【0049】
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、
この発明の助手席側の車体パネルは、実施例の助手席側のフロアパネルに対応し、
以下同様に、
付勢手段は、リターンスプリング33に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
例えば、上記実施例においては右ハンドル車を例示したが、この発明の車両用ブレーキ装置を左ハンドル車に適用してもよいことは勿論である。